JPH09168549A - 歯科用チップの製造方法 - Google Patents

歯科用チップの製造方法

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JPH09168549A
JPH09168549A JP33086695A JP33086695A JPH09168549A JP H09168549 A JPH09168549 A JP H09168549A JP 33086695 A JP33086695 A JP 33086695A JP 33086695 A JP33086695 A JP 33086695A JP H09168549 A JPH09168549 A JP H09168549A
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宏 姫野
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和子 姫野
Kenichi Kita
健一 北
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 治療時に歯や人工物を損傷せず、術者が採用
する超音波発振器の発振振動数と共振する最適の固有振
動数を有する歯科用チップを、安価に製造する方法を提
供する。 【解決手段】 プラスチックに充填材を配合して成る複
合材料を成形して、駆動源に接続される基端部1と歯や
患部の治療対象個所に作用する先端部2とを備えた超音
波スケーラー用の歯科用チップを一体成形する際に、組
成が異なる複合材料を2種類選定し、それらを所定の混
合比率で混合して成形することにより、目標とする固有
振動数の成形体にする歯科用チップの製造方法であっ
て、その場合、前記2種類の複合材料の混合比率を変化
させてそれぞれの混合比率に対応する成形体を製造し、
得られた成形体の固有振動数をそれぞれ測定することに
より固有振動数と混合比率との相関関係を把握し、その
相関関係に基づいて歯科用チップ成形時における2種類
の複合材料の混合比率を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックをマ
トリックスとし、充填材を強化材として成る樹脂成形体
で形成され、例えば超音波スケーラーに装着して実使用
に供される歯科用チップの製造方法に関し、更に詳しく
は、駆動源である超音波発振器の発振振動数と実使用時
に最適の状態で共振するように前記樹脂成形体の共振振
動数を調整して歯科用チップを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療において、歯面に付着する歯石
の除去,ポケット内のデブライドメント,根面を滑沢す
る歯根面の無毒化を行う処置、すなわちスケーリングや
ルートプレーニングは基本処置として位置づけられる。
上記の基本処置は、主として、手用スケーラーとくに手
用キュレットスケーラーを用いて行われているが、その
外に、補助的に、エンジン用ロトソニック,タービン用
エアスケーラー,超音波スケーラーを用いても従来から
実施されている。
【0003】これらのうち、超音波スケーラーは、歯根
面に沿うように3次元的に湾曲した複雑な形状に成形さ
れている歯科用チップを、駆動源である超音波発振器に
接続できる構造になっている。また、超音波スケーラー
の場合には、一般に、チップを根管治療用チップに代え
ることにより根管治療に使用することもできる。なお、
ここでいう根管治療とは、根管の拡大,根管内から軟組
織や壊死組織を除去する処置,根管内の拡大清掃,洗
浄,根管充填などの処置、また同様の処置を手術を伴っ
て逆から行う逆根管治療などの処置のことを指す。
【0004】なお、これら上記した歯科用チップは、一
般に、治療対象個所を有効に治療できるような最適形状
に設計される。そのため、実使用されている歯科用チッ
プは、ほとんど同じような形状になっているのが通例で
ある。前記した歯科用チップは、超音波発振器に接続さ
れる基端部と、歯,根管,人工物,インプラント体や患
部(以下、治療対象個所という)に接触して作用する先
端部とから成る形状を有し、前記した超音波発振器の発
振振動数に共振させた状態で実使用される。
【0005】したがって、この歯科用チップは、その固
有振動数が、超音波発振器の発振振動数の近傍で共振可
能な振動数となるように、材質や形状などが決められ
る。このような超音波スケーラー用の歯科用チップの材
質としては、従来、ステンレス鋼などの耐蝕性や耐摩耗
性に富む硬質の金属材料が広く用いられてきた。これら
材料から成る歯科用チップは、硬質で耐摩耗性に富むた
め、短時間で効率よく治療効果を発揮できるという点で
有用であるが、その反面、硬質でありすぎるため、治療
対象個所それ自体やその周囲の歯肉などをかえって損傷
することがあり、新たにプラークの増加を誘発し、また
傷が周囲組織を刺激して新たな歯周病の原因を引き起こ
すことがある。
【0006】また、これら金属材料の歯科用チップは、
一般に、複雑に湾曲し、内部に洗浄用の細管が形成され
ていて、製造に高度の熟練を要し、大量生産に向かず、
したがって高価である。そして、高価であるがために、
上記金属材料の歯科用チップは、B型肝炎やエイズなど
の口腔内疾病の感染防止のために、とくに、血液や唾液
などに直接接触したものや細管を有するものは使用済み
の器具を使い捨て、いわゆるディスポーザブル化は最近
の医療用品の動向でもあるが、このことに充分有効に対
応し得ない。
【0007】このようなことから、本発明者は、従来の
金属材料の歯科用チップに代わるものを開発すべく研究
を重ね、その結果、治療対象個所を損傷することがな
く、製造も容易で安価であり、それゆえ使い捨ても可能
な歯科用チップを開発し、既にそれを、特願平6−33
9787号として出願した。ここで提案されている歯科
用チップは、全体あるいは一部が、各種のプラスチック
をマトリックスとし、これにカーボン繊維のような充填
材を強化材として分散させた複合材料で構成されてい
る。この複合材料において、充填材とプラスチックの種
類や配合割合を適宜に選定することにより、適正な硬度
と弾性率が付与される。
【0008】この歯科用チップを製造する場合には、ま
ず、所定のプラスチックと充填材とを所定の割合で混合
し、得られた混合物を、所定の型面加工が施されている
金型の中に例えば射出成形して目的形状に成形される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した歯
科用チップの場合、耐摩耗性や研削性の点から適正な硬
度や弾性率は重要な具備特性であるが、それ以上に重要
な特性は、超音波発振器から供給される振動エネルギー
を効率よく治療対象個所に伝達できることである。その
ためには、上記した歯科用チップを超音波スケーラーに
装着して実使用した場合、超音波発振器から供給される
振動エネルギーが有効に先端部にまで伝達されて治療効
果を発揮するために、この歯科用チップが超音波発振器
の発振振動数(これをfとする)と有効に共振できるよ
うな固有振動数を有していることが好ましい。前記発振
振動数fと歯科用チップの固有振動数(これをf0とす
る)が一致している場合、すなわち、f0=fである場
合を最適とする。しかし、歯科用チップの固有振動数f
0が、超音波発振器の発振振動数fの近傍、例えば、f
−500(Hz)≦f0≦f+500(Hz)にある場合で
も、一応、有効な治療効果を発揮することができる。
【0010】この固有振動数f0は、各種の要因によっ
て規定されるが、最も大なる影響を与える因子は、当該
歯科用チップの形状と材質である。したがって、上記し
た複合材料の歯科用チップの場合、プラスチックと充填
材との配合割合が一定であり、かつ形状も全く同一であ
る場合には、それらの歯科用チップは全てある値の固有
振動数を有していることになる。
【0011】更に、各種の超音波発振器が市販されてい
るが、それら発振器は全て同一の発振周波数の超音波を
発振するとは限らず、厳密にいえば、異なった発振周波
数の超音波を発振する。したがって、前記したように臨
床に最適な形状になっている歯科用チップを超音波スケ
ーラーに装着して実使用した場合、採用する超音波発振
器の機種によっては、当該歯科用チップがその機種の最
適発振振動数と共振しないことも起こりうる。そのよう
な場合には、成形された既存の歯科用チップの例えば基
幹部を手作業で研削して使用発振振動数と共振可能とな
るように再加工することが必要になる。
【0012】そして、この歯科用チップの場合、その形
状を変更するときには、変更する形状に対応した金型を
新たに製作することが必要になる。しかしながら、その
ような対策は、製造された歯科用チップの製造コストを
著しく高めることになり、また、その形状を実使用時の
最適形状にできない場合もある。そのような場合にも、
前記したような再加工が必要になる。
【0013】このように、特願平6−339787号で
提案した歯科用チップは、特性的には優れたものである
が、実際の治療現場で採用する際には、採用する発振振
動数の関係で上記したような問題が生じてくる。また、
超音波発振器の出力パワーが小さい状態で操作すること
は、治療時に治療対象個所や周囲の正常組織の損傷を防
ぐことができるという点で好ましいことである。しか
し、前記出力パワーを小さくしていくと、有効な振動伝
達を実現させるためには、そのときの発振振動数で共振
する振動数の範囲はより狭くなっていくため、歯科用チ
ップは共振動作を起こしづらくなる。したがって、前記
歯科用チップにとっては、安全性の向上,患者の不快感
を解消するために、超音波発振器の出力パワーをより小
さく設定したいのであるが、出力パワーを小さくすれば
するほど共振する振動数の幅も狭くなり、発振振動数と
好適に共振する固有振動数の調整が重要になってくる。
【0014】本発明は、上記したような問題を解決し、
特願平6−339787号で提案された歯科用チップを
製造する際に、新たに金型の設計変更を行うことなく、
術者が採用する発振振動数に対応して、その発振振動数
と有効に共振できる共振振動数を有し、また超音波発振
器の出力パワーが小さい場合であっても、その発振振動
数と共振できるように調整することができる歯科用チッ
プを安価に製造する方法の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、プラスチックに充填材を配
合して成る複合材料を成形して、駆動源に接続される基
端部と治療対象個所に作用する先端部とを備えた超音波
スケーラー用の歯科用チップを一体成形する際に、組成
が異なる複合材料を2種類選定し、それらを所定の混合
比率で混合して成形することにより、目標とする固有振
動数の成形体にすることを特徴とする歯科用チップの製
造方法が提供される。
【0016】そして、本発明の製造方法では、前記2種
類の複合材料の混合比率を変化させてそれぞれの混合比
率に対応する成形体を製造し、得られた成形体の固有振
動数をそれぞれ測定することにより固有振動数と混合比
率との相関関係を把握し、その相関関係に基づいて歯科
用チップ成形時における2種類の複合材料の混合比率が
決定される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明方法で製造される
歯科用チップ例を示す断面図である。歯科用チップA
は、基端部1と先端部2とを備え、基端部1は、軸線に
沿って直線状に伸びる接続部1aと、この接続部1aに
対して1方向に屈曲する支柱部1bとから成る。そし
て、前記支柱部1bからは、歯根面や歯根分岐部内や根
管内の複雑な形状に適合するように、更に複雑に屈曲し
て先端部2が連続して形成されている。
【0018】接続部1aの内部には例えばねじ部1cが
形成され、ここに超音波発振器が螺合されることによ
り、振動エネルギーが歯科用チップAの全体に供給され
るようになっている。また、基端部1には、ねじ部1c
から先端部の方向に液路3が形成され、その開口3aか
ら洗浄水や薬液を噴出できるようになっている。この歯
科用チップAは、プラスチックをマトリックスとし、こ
こに所定量の充填材が分散して成る樹脂成形体で構成さ
れており、次のようにして製造される。
【0019】まず、プラスチックに充填材の所定量を混
合して、組成が異なる2種類の複合材料a,bを調製す
る。その場合、複合材料a,bは次のようにして調製さ
れる。すなわち、複合材料a,bをそれぞれ例えば射出
成形して成形体a’,b’にしたときに、得られた成形
体a’の固有振動数がf1,成形体b’の固有振動数が
2になった場合、それぞれの固有振動数f1,f2が、
使用する超音波発振器の発振振動数と共振可能な振動数
になるように、複合材料a,bの組成が選定される。換
言すれば、成形体a’,b’それ自体でも歯科用チップ
の素材として使用できるように、複合材料a,bの組成
が調整される。
【0020】このような複合材料a,bを構成するプラ
スチックとしては、例えば、ポリフェニレンサルファイ
ドの外にポリアミド,ポリエチレンテレフタレート,ポ
リブチレンテレフタレート,液晶ポリマー,ポリカーボ
ネート,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルケ
トン,ポリエーテルサルホン,ポリサルホン,ポリエー
テルイミド,ポリアミドイミド,ポリイミド,ポリアセ
タールをあげることができる。
【0021】次に、充填材としては、無機質充填材と有
機質充填材を使用することができる。充填材として無機
質充填材を用いる場合には、例えば、カーボン繊維,繊
維状チタン酸カリウム,ガラス繊維,アルミナ繊維や、
酸化チタン,ボロン,タルクなどをあげることができ
る。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以
上を適宜に混合して用いてもよい。
【0022】また、充填材として有機質充填材を用いる
場合には、例えば、アラミド(芳香族ポリアミド)繊
維,ポリエチレン繊維,ポリビニルアルコール繊維,ポ
リアリーレート繊維,ポリブチレンテレフタレート繊維
などをあげることができる。これらは、それぞれ単独で
用いてもよいし、2種以上を適宜に混合して用いてもよ
い。
【0023】なお、複合材料の調製時に、無機質充填材
と有機質充填材は、それぞれ単独で別々に用いてもよ
く、また、混合して一緒に用いてもよい。その場合、有
機質充填材は、一般に、振動エネルギーの吸収による減
衰能が大きいので、それを用いて製造した成形体も振動
エネルギーの減衰能は大きくなり、例えば、超音波発振
器の出力パワーを小さくすると共振動作を起こさないよ
うな傾向が表れてくるので、このことを考慮にいれて、
充填材を選定することが好ましい。超音波発振器の出力
パワーを小さくしても共振動作を発揮させるためには、
充填材として無機質充填材を選定することが好ましい。
【0024】このようなことを考慮に入れると、プラス
チックとしては耐蝕性,耐薬品性が優れ、無毒であると
いうことからしてポリフェニレンサルファイドが好適で
あり、充填材としては、カーボン繊維や繊維状チタン酸
カリウムが好適である。複合材料a,bの調製時におけ
る充填材の配合量は、その複合材料の成形体に付与する
固有振動数,硬度,曲げ弾性率を考慮して適宜に決めら
れる。
【0025】本発明においては、目的とする歯科用チッ
プの製造に先立ち、次のような準備操作が行われる。す
なわち、複合材料aと複合材料bの混合比率を様々に変
えて混合し、得られた各混合物を例えば射出成形して組
成が異なる混合物の成形体を製造し、超音波発振器の最
適発振振動数に対するそれぞれ成形体の共振振動数を測
定し、その共振振動数を前記した混合比率に対してプロ
ットして共振振動数と混合比率の相関関係を表わすグラ
フを作成しておく。
【0026】そして、目的とする共振振動数を有する歯
科用チップの製造に移る。すなわち、その共振振動数が
nである歯科用チップを製造する場合、前記したグラ
フから、共振振動数がfnになる複合材料aと複合材料
bの混合比率を読み取る。そして、読み取った混合比率
となるように、複合材料aと複合材料bを混合した状態
で例えば所定型面の金型内に射出成形する。かくして、
所定の形状と目的とする共振振動数fnを有する歯科用
チップが複合材として得られる。
【0027】このように、本発明方法によれば、金型の
形状を変えなくても、複合材料a,bの混合比率を変え
るだけ、すなわち成形体の組成を変えるだけで、成形さ
れる歯科用チップの共振振動数を任意の値に変化させる
ことができる。すなわち、使用目的にとって最適の共振
振動数を有する歯科用チップを2種類の複合材料を所定
の比率で混合するだけで製造することができる。
【0028】
【実施例】
実施例1 (1) 共振振動数と混合比率との関係図の作成 ポリフェニレンサルファイド60重量%と、平均径0.3
〜0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維状チタン酸
カリウム40重量%を混合して複合材料aを調製した。
【0029】また、ポリフェニレンサルファイド60重
量%と、平均径8μm,アスペクト比100のカーボン
繊維30重量%,平均径0.3〜0.6μmでアスペクト比
15〜67の繊維状チタン酸カリウム10重量%を混合
して複合材料bを調製した。上記した複合材料aと複合
材料bとの混合比率を変えた状態で2種類の材料を金型
内に射出成形して、図1で示した形状の歯科用チップ各
20個を製造した。
【0030】そして、各歯科用チップの共振振動数fn
を測定して平均値と標準偏差を求め、その結果を表1と
図2に示した。
【0031】
【表1】
【0032】(2) 共振振動数が32kHzになる歯科用チ
ップの製造 まず、図2において、共振振動数値が32kHzである曲
線上の点Aを求め、そのときの混合比率を読み取った。
複合材料aは55重量%,複合材料bは45重量%にな
っている。ついで、複合材料aと複合材料bが上記の混
合比率となるようにして射出成形を行い、図1で示した
形状の歯科用チップを製作し、その共振振動数を測定し
たところ、平均値は32.05kHz,標準偏差は±0.12k
Hzであった。すなわち、目標とする固有振動数との誤差
は、平均値で0.05kHzであった。
【0033】実施例2 (1) 共振振動数と混合比率との関係図の作成 ポリアセタール80重量%と、平均径8μm,アスペク
ト比100のカーボン繊維20重量%を混合して複合材
料cを調製した。また、ポリアセタール70重量%と、
平均径0.3〜0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維
状チタン酸カリウム30重量%を混合して複合材料dを
調製した。
【0034】上記した複合材料cと複合材料dとの混合
比率を変えた状態で2種類の材料を金型内に射出成形し
て、図1で示した形状の歯科用チップ各20個を製造し
た。そして、各歯科用チップの共振振動数fnを測定し
て平均値と標準偏差を求め、その結果を表2と図3に示
した。
【0035】
【表2】
【0036】(2) 共振振動数が32kHzになる歯科用チ
ップの製造 まず、図3において、共振振動数値が32kHzである曲
線上の点Bを求め、そのときの混合比率を読み取った。
複合材料cは80重量%,複合材料dは20重量%にな
っている。ついで、複合材料cと複合材料dが上記の混
合比率となるようにして射出成形を行い、図1で示した
形状の歯科用チップを製作し、その共振振動数を測定し
たところ、平均値は32.03kHz,標準偏差は±0.22k
Hzであった。すなわち、目標とする共振振動数との誤差
は、平均値で0.03kHzであった。
【0037】実施例3 (1) 共振振動数と混合比率との関係図の作成 ポリフェニレンサルファイド60重量%,平均径0.3〜
0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維状チタン酸カ
リウム35重量%、繊維径12μmのアラミド繊維5重
量%を混合して複合材料eを調製した。
【0038】ポリフェニレンサルファイド70重量%、
平均径8μm,アスペクト比100のカーボン繊維20
重量%,平均径0.3〜0.6μm,アスペクト比15〜6
7の繊維状チタン酸カリウム5重量%、繊維径12μm
のアラミド繊維5重量%を混合して複合材料fを調製し
た上記した複合材料eと複合材料fとの混合比率を変え
た状態で2種類の材料を、金型内に射出成形して、図1
で示した形状の歯科用チップ各20個を製造した。
【0039】そして、各歯科用チップの共振振動数fn
を測定して平均値と標準偏差を求めその結果を表3と図
4に示した。
【0040】
【表3】
【0041】(2) 共振振動数が32kHzになる歯科用チ
ップの製造 まず、図4において、共振振動数値が32kHzである曲
線上の点Cを求め、そのときの混合比率を読み取った。
複合材料eは72.5重量%,複合材料fは27.5重量%
になっている。ついで、複合材料eと複合材料fが上記
の混合比率となるようにして射出成形を行い、図1で示
した形状の歯科用チップを製作し、その共振振動数を測
定したところ、平均値は32.14kHz,標準偏差は±0.
30kHzであった。すなわち、目標とする共振振動数と
の誤差は、平均値で0.14kHzであった。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法で製造された歯科用チップは、プラスチックをマトリ
ックスとしているので、従来の金属材料製の歯科用チッ
プに比べて軟質であり、治療対象個所や周囲の正常組織
を損傷することがない。そして、本発明では、2種類の
複合材料を所定の割合で混合して例えば射出成形法で製
造することができるので、大量生産することができる。
【0043】そして、本発明方法では、固有振動数が異
なる歯科用チップを製造するときに、前記した2種類の
複合材料の混合比率を変えることによって簡便に目的を
達成することができるので、新しい金型の製造などを行
うことが不要になり、その製造コストは大幅に低減す
る。このような本発明方法を適用することなく、所望す
る固有振動数を有するあるチップ形状の成形体を製作し
ようとした場合には、膨大な試作片を製作してプラスチ
ックと充填材との適正な配合割合などを決定せざるを得
ないことを考えると、本発明方法の工業的な有用性は明
らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科用チップの1例を示す断面図であ
る。
【図2】複合材料a,bの混合比率と得られた成形体の
共振振動数との関係を示すグラフである。
【図3】複合材料c,dの混合比率と得られた成形体の
共振振動数との関係を示すグラフである。
【図4】複合材料e,fの混合比率と得られた成形体の
共振振動数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基端部 1a 駆動源との接続部 1b 支柱部 1c ねじ部 2 先端部 3 液路 3a 液路3の開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今西 正 神奈川県横浜市保土ヶ谷区新井町220−12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックに充填材を配合して成る複
    合材料を成形して、駆動源に接続される基端部と治療対
    象個所に作用する先端部とを備えた超音波スケーラー用
    の歯科用チップを一体成形する際に、組成が異なる複合
    材料を2種類選定し、それらを所定の混合比率で混合し
    て成形することにより、目標とする共振振動数を有する
    成形体にすることを特徴とする歯科用チップの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記2種類の複合材料の混合比率を変化
    させてそれぞれの混合比率に対応する成形体を製造し、
    得られた成形体の固有振動数をそれぞれ測定することに
    より固有振動数と混合比率との相関関係を把握し、その
    相関関係に基づいて歯科用チップ成形時における2種類
    の複合材料の混合比率を決定し、その混合比率で前記2
    種類の複合材料を混合し、得られた混合物を成形する請
    求項1の歯科用チップの製造方法。
JP33086695A 1995-12-19 1995-12-19 歯科用チップの製造方法 Expired - Lifetime JP3800436B2 (ja)

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