JP3429247B2 - 音波治療または超音波治療用の歯科器具 - Google Patents

音波治療または超音波治療用の歯科器具

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    • A61C17/16—Power-driven cleaning or polishing devices
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は固定シャフトと、こ
の固定シャフトに結合された治療部片とを有する、音波
治療または超音波治療用の歯科器具に関する。
【０００２】
【従来の技術】最近、特に歯周病または歯牙清掃または
インプラント周囲炎治療において音波治療または超音波
治療の利点がますます認識されている。この治療では、
音波振動または超音波振動せしめられる治療器具は、液
体により潅注されつつ、患者の歯腔内に導入されてい
る。このために一般には種々の形状および種々の大きさ
の全てを網羅する器具が必要となる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】現在使用されている、
冒頭に記載した種類の公知の歯科器具は金属製である。
慣用的な金属器具は超音波治療では顕著なエネルギー接
触を招いてしまう。また、これら金属器具は剛性的で可
撓性がないので、複雑に湾曲した歯面に対しての使用に
限界がある。予防治療または歯牙清掃では、これら金属
器具により特にセラミック義歯上に黒味を帯びた摩耗片
が生じてしまう。また、インプラント周囲炎治療では、
金属器具を使用すると、複雑な構造をしたインプラント
表面で望ましくない研磨効果が生じてしまう。
【０００４】本発明の課題は可撓性を有し且つ比較的軟
らかい表面を有する、冒頭に記載した種類の歯科器具を
提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題はマトリックスで固められた繊維で形成された歯科
器具により解決される。
【０００６】このような歯科器具は非常に高い耐摩耗性
を有するだけでなく、弾力性の観点からも歯科器具に非
常に適している。これら歯科器具は表面が比較的軟らか
く、且つ歯または義歯の表面に摩耗片を残さず、さらに
セラミックスまたは金属から成るインプラント表面を変
化させない。これら歯科器具は損耗が少なく、それゆえ
長時間、最適な適合形状を維持する。可撓性は繊維材料
の種類および長さの選択によって段階的に調節できる。
【０００７】繊維が固められているマトリックスは、好
ましくは例えばＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケト
ン）、ポリスルホン、アクリル酸エステル等の合成樹
脂、または熱可塑性プラスチックである。
【０００８】繊維の長さが器具の直径の倍数であると、
非常に良好な弾力性を伴う特に高い機械的安定性と破壊
強度が得られる。
【０００９】歯科器具は繊維織布から機械的に加工され
る。または、プレス成形品または射出成形品であっても
よい。後者の場合、繊維とマトリックスとの混合物が硬
化前に射出可能な複合材料をなす程度に繊維が短いか、
またはマトリックスを射出する前に射出成型金型内で繊
維が位置決めされる。
【００１０】特に湾曲した歯科器具の場合には、繊維が
歯科器具の長手方向に対してほぼ平行に位置することが
望ましい。
【００１１】本発明による歯科器具は、上述した繊維に
加えて、またはこれに代えて、短い強化繊維を包含して
もよい。
【００１２】さらに本発明による歯科器具は、繊維に加
えて、またはこれに代えて、例えばガラス、セラミック
粒子、リン酸塩粒子、リン灰石粒子等の無機粒子を含ん
でもよい。これら粒子は強化の働きをするか、または治
療中に器具から溶出する受動的粒子として、例えば研磨
効果を改善するために、表面改質するのに用いられる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【００１４】図１〜図５に示した歯科器具は円柱形の固
定シャフト１を有し、この固定シャフト１にはそれぞれ
形の異なる治療部片２が結合される。図１〜図３にはほ
ぼ直線的に延びる治療部片２を示し、図４および図５に
は湾曲した治療部片２を示した。
【００１５】図１に示した器具は、歯牙および歯根の頬
舌面または口蓋面用の直線的な消息子（ゾンデ）であ
り、歯周治療または歯牙清掃またはインプラント周囲炎
治療または歯周予防の一環として使用される。図２に示
した器具は治療部片２の端部につぼみ形の拡大部を有
し、特に凹状の歯表面の清掃に使用される。図３に示し
た器具は小板形をしており、歯牙清掃、歯周治療または
歯周予防の一環として歯牙の隣接面の清掃もしくは治療
または予防に用いられる。
【００１６】図４にはキューレット形の器具を示した。
これは歯周治療または歯周予防の一環として歯根の隣接
面の治療に使用される。最後に、図５に歯牙または歯根
の分岐範囲（furcated region; Furkationsbereiche ）
用の湾曲した消息子を示した。これも歯周治療または歯
周予防に用いられる。
【００１７】使用する際には、これら歯科器具はその固
定シャフト１で音波治療器または超音波治療器のクラン
プ装置に把持され、音波励振器または超音波励振器によ
って振動せしめられる。この場合、主振動方向は器具の
長手方向である。図５に示した湾曲した治療部片２は付
加的にワイパと同様な運動を行い、これが所望の効果を
強める。
【００１８】これら歯科器具は利用する間、水または水
溶液または水性懸濁液で潅注される。なお、水性懸濁液
は研磨粒子を含んでいる。こうした使用条件のもとで歯
科器具には高い要求が課せられ、またその損耗の危険が
著しく高いことは容易に理解できる。
【００１９】歯科器具の第一の製造法では、最初に適当
な長さのカーボン繊維から織布を作り、これに合成樹脂
マトリックスを含浸させる。このようにして形成された
繊維マットから器具を粗い形状に切り出し、次いでフラ
イス加工または旋盤加工により最終的な形状にする。
【００２０】別な製造法では、（この場合、実質的に器
具の全長に亘って延びることのできる）カーボン繊維を
プレス金型に入れ、このプレス金型に合成樹脂を充填
し、金型を閉じ、次いで製造品を加圧下で硬化させる。
この実施例では、カーボン繊維は歯科器具の長手方向に
対して平行に延び、このことは特に治療部片の弾力性と
いう観点で非常に有利である。
【００２１】次の製造法は、より廉価である。まず、射
出可能な複合材料をマトリックスとなる合成樹脂と共に
形成できるような短さにカーボン繊維を裁断する。次い
で均質なプラスチックと同様にして、器具の形状を規定
する射出成形型に複合材料を射出する。
【図面の簡単な説明】
【図１】治療部片が直線的である歯科治療器具の側面図
である。
【図２】治療部片の端部につぼみ形の拡大部を有する歯
科治療器具の側面図である。
【図３】治療部片が小板形である歯科治療器具の側面図
である。
【図４】治療部片がキューレット形である歯科治療器具
の側面図である。
【図５】治療部片が湾曲している歯科治療器具の側面図
である。
【符号の説明】
１…固定シャフト ２…治療部片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライナー ハーン ドイツ連邦共和国，デー−72074 テュ ービンゲン，シュバブシュトラーセ 11 (72)発明者 ウベ グローツ ドイツ連邦共和国，デー−74369 ロッ ヒガウ，マリエンシュトラーセ ５ (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61C 19/06 A61C 17/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 音波治療または超音波治療用の歯科器具
    であって、 固定シャフトと、該固定シャフトに結合された治療部片
    とを具備し、 マトリックスで固められた繊維から形成される歯科器
    具。
  2. 【請求項２】 前記繊維はガラス繊維、好ましくはシラ
    ン処理されたガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維また
    は有機繊維である請求項１に記載の歯科器具。
  3. 【請求項３】 前記マトリックスは例えばＰＥＥＫ、ポ
    リスルホンあるいはアクリル酸エステルである合成樹
    脂、または熱可塑性プラスチックである請求項１または
    ２に記載の歯科器具。
  4. 【請求項４】 前記繊維の長さは当該歯科器具の直径の
    倍数である請求項１〜３のいずれか一つに記載の歯科器
    具。
  5. 【請求項５】 繊維織布から機械加工される請求項１〜
    ４のいずれか一つに記載の歯科器具。
  6. 【請求項６】 プレス成形品である請求項１〜４のいず
    れか一つに記載の歯科器具。
  7. 【請求項７】 射出成形品である請求項１〜４のいずれ
    か一つに記載の歯科器具。
  8. 【請求項８】 繊維方向が当該歯科器具の長手方向に平
    行である請求項１〜７のいずれか一つに記載の歯科器
    具。
  9. 【請求項９】 短い強化繊維を包含する請求項１〜８の
    いずれか一つに記載の歯科器具。
  10. 【請求項１０】 無機粒子、特にガラス、セラミック粒
    子、リン酸塩粒子、リン灰石粒子を包含する請求項１〜
    ９のいずれか一つに記載の歯科器具。
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