JP3800436B2 - 歯科用チップの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックをマトリックスとし、充填材を強化材として成る樹脂成形体で形成され、例えば超音波スケーラーに装着して実使用に供される歯科用チップの製造方法に関し、更に詳しくは、駆動源である超音波発振器の発振振動数と実使用時に最適の状態で共振するように前記樹脂成形体の共振振動数を調整して歯科用チップを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科治療において、歯面に付着する歯石の除去,ポケット内のデブライドメント,根面を滑沢する歯根面の無毒化を行う処置、すなわちスケーリングやルートプレーニングは基本処置として位置づけられる。
上記の基本処置は、主として、手用スケーラーとくに手用キュレットスケーラーを用いて行われているが、その外に、補助的に、エンジン用ロトソニック,タービン用エアスケーラー,超音波スケーラーを用いても従来から実施されている。
【0003】
これらのうち、超音波スケーラーは、歯根面に沿うように3次元的に湾曲した複雑な形状に成形されている歯科用チップを、駆動源である超音波発振器に接続できる構造になっている。
また、超音波スケーラーの場合には、一般に、チップを根管治療用チップに代えることにより根管治療に使用することもできる。なお、ここでいう根管治療とは、根管の拡大,根管内から軟組織や壊死組織を除去する処置,根管内の拡大清掃,洗浄,根管充填などの処置、また同様の処置を手術を伴って逆から行う逆根管治療などの処置のことを指す。
【0004】
なお、これら上記した歯科用チップは、一般に、治療対象個所を有効に治療できるような最適形状に設計される。そのため、実使用されている歯科用チップは、ほとんど同じような形状になっているのが通例である。
前記した歯科用チップは、超音波発振器に接続される基端部と、歯,根管,人工物,インプラント体や患部(以下、治療対象個所という)に接触して作用する先端部とから成る形状を有し、前記した超音波発振器の発振振動数に共振させた状態で実使用される。
【0005】
したがって、この歯科用チップは、その固有振動数が、超音波発振器の発振振動数の近傍で共振可能な振動数となるように、材質や形状などが決められる。
このような超音波スケーラー用の歯科用チップの材質としては、従来、ステンレス鋼などの耐蝕性や耐摩耗性に富む硬質の金属材料が広く用いられてきた。これら材料から成る歯科用チップは、硬質で耐摩耗性に富むため、短時間で効率よく治療効果を発揮できるという点で有用であるが、その反面、硬質でありすぎるため、治療対象個所それ自体やその周囲の歯肉などをかえって損傷することがあり、新たにプラークの増加を誘発し、また傷が周囲組織を刺激して新たな歯周病の原因を引き起こすことがある。
【0006】
また、これら金属材料の歯科用チップは、一般に、複雑に湾曲し、内部に洗浄用の細管が形成されていて、製造に高度の熟練を要し、大量生産に向かず、したがって高価である。そして、高価であるがために、上記金属材料の歯科用チップは、B型肝炎やエイズなどの口腔内疾病の感染防止のために、とくに、血液や唾液などに直接接触したものや細管を有するものは使用済みの器具を使い捨て、いわゆるディスポーザブル化は最近の医療用品の動向でもあるが、このことに充分有効に対応し得ない。
【0007】
このようなことから、本発明者は、従来の金属材料の歯科用チップに代わるものを開発すべく研究を重ね、その結果、治療対象個所を損傷することがなく、製造も容易で安価であり、それゆえ使い捨ても可能な歯科用チップを開発し、既にそれを、特願平6−339787号として出願した。
ここで提案されている歯科用チップは、全体あるいは一部が、各種のプラスチックをマトリックスとし、これにカーボン繊維のような充填材を強化材として分散させた複合材料で構成されている。この複合材料において、充填材とプラスチックの種類や配合割合を適宜に選定することにより、適正な硬度と弾性率が付与される。
【0008】
この歯科用チップを製造する場合には、まず、所定のプラスチックと充填材とを所定の割合で混合し、得られた混合物を、所定の型面加工が施されている金型の中に例えば射出成形して目的形状に成形される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した歯科用チップの場合、耐摩耗性や研削性の点から適正な硬度や弾性率は重要な具備特性であるが、それ以上に重要な特性は、超音波発振器から供給される振動エネルギーを効率よく治療対象個所に伝達できることである。そのためには、上記した歯科用チップを超音波スケーラーに装着して実使用した場合、超音波発振器から供給される振動エネルギーが有効に先端部にまで伝達されて治療効果を発揮するために、この歯科用チップが超音波発振器の発振振動数(これをfとする)と有効に共振できるような固有振動数を有していることが好ましい。前記発振振動数fと歯科用チップの固有振動数(これをf0とする)が一致している場合、すなわち、f0=fである場合を最適とする。しかし、歯科用チップの固有振動数f0が、超音波発振器の発振振動数fの近傍、例えば、f−500(Hz)≦f0≦f+500(Hz)にある場合でも、一応、有効な治療効果を発揮することができる。
【0010】
この固有振動数f0は、各種の要因によって規定されるが、最も大なる影響を与える因子は、当該歯科用チップの形状と材質である。
したがって、上記した複合材料の歯科用チップの場合、プラスチックと充填材との配合割合が一定であり、かつ形状も全く同一である場合には、それらの歯科用チップは全てある値の固有振動数を有していることになる。
【0011】
更に、各種の超音波発振器が市販されているが、それら発振器は全て同一の発振周波数の超音波を発振するとは限らず、厳密にいえば、異なった発振周波数の超音波を発振する。
したがって、前記したように臨床に最適な形状になっている歯科用チップを超音波スケーラーに装着して実使用した場合、採用する超音波発振器の機種によっては、当該歯科用チップがその機種の最適発振振動数と共振しないことも起こりうる。そのような場合には、成形された既存の歯科用チップの例えば基幹部を手作業で研削して使用発振振動数と共振可能となるように再加工することが必要になる。
【0012】
そして、この歯科用チップの場合、その形状を変更するときには、変更する形状に対応した金型を新たに製作することが必要になる。しかしながら、そのような対策は、製造された歯科用チップの製造コストを著しく高めることになり、また、その形状を実使用時の最適形状にできない場合もある。そのような場合にも、前記したような再加工が必要になる。
【0013】
このように、特願平6−339787号で提案した歯科用チップは、特性的には優れたものであるが、実際の治療現場で採用する際には、採用する発振振動数の関係で上記したような問題が生じてくる。
また、超音波発振器の出力パワーが小さい状態で操作することは、治療時に治療対象個所や周囲の正常組織の損傷を防ぐことができるという点で好ましいことである。しかし、前記出力パワーを小さくしていくと、有効な振動伝達を実現させるためには、そのときの発振振動数で共振する振動数の範囲はより狭くなっていくため、歯科用チップは共振動作を起こしづらくなる。したがって、前記歯科用チップにとっては、安全性の向上,患者の不快感を解消するために、超音波発振器の出力パワーをより小さく設定したいのであるが、出力パワーを小さくすればするほど共振する振動数の幅も狭くなり、発振振動数と好適に共振する固有振動数の調整が重要になってくる。
【0014】
本発明は、上記したような問題を解決し、特願平6−339787号で提案された歯科用チップを製造する際に、新たに金型の設計変更を行うことなく、術者が採用する発振振動数に対応して、その発振振動数と有効に共振できる共振振動数を有し、また超音波発振器の出力パワーが小さい場合であっても、その発振振動数と共振できるように調整することができる歯科用チップを安価に製造する方法の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、プラスチックに充填材を配合して成る複合材料を成形して、駆動源に接続される基端部と治療対象個所に作用する先端部とを備えた超音波スケーラー用の歯科用チップを一体成形する際に、組成が異なる前記複合材料を2種類選定し、前記2種類の複合材料の混合比率を変化させてそれぞれの混合比率に対応する成形体を製造し、得られた成形体の固有振動数をそれぞれ測定することにより固有振動数と混合比率との相関関係を把握し、その相関関係に基づいて歯科用チップ成形時における2種類の複合材料の混合比率を決定し、その混合比率で前記2種類の複合材料を混合し、得られた混合物を成形することを特徴とする歯科用チップの製造方法が提供される。
【0016】
そして、本発明の製造方法では、前記2種類の複合材料の混合比率を変化させてそれぞれの混合比率に対応する成形体を製造し、得られた成形体の固有振動数をそれぞれ測定することにより固有振動数と混合比率との相関関係を把握し、その相関関係に基づいて歯科用チップ成形時における2種類の複合材料の混合比率が決定される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明方法で製造される歯科用チップ例を示す断面図である。歯科用チップAは、基端部1と先端部2とを備え、基端部1は、軸線に沿って直線状に伸びる接続部1aと、この接続部1aに対して1方向に屈曲する支柱部1bとから成る。そして、前記支柱部1bからは、歯根面や歯根分岐部内や根管内の複雑な形状に適合するように、更に複雑に屈曲して先端部2が連続して形成されている。
【0018】
接続部1aの内部には例えばねじ部1cが形成され、ここに超音波発振器が螺合されることにより、振動エネルギーが歯科用チップAの全体に供給されるようになっている。また、基端部1には、ねじ部1cから先端部の方向に液路3が形成され、その開口3aから洗浄水や薬液を噴出できるようになっている。
この歯科用チップAは、プラスチックをマトリックスとし、ここに所定量の充填材が分散して成る樹脂成形体で構成されており、次のようにして製造される。
【0019】
まず、プラスチックに充填材の所定量を混合して、組成が異なる2種類の複合材料a,bを調製する。
その場合、複合材料a,bは次のようにして調製される。
すなわち、複合材料a,bをそれぞれ例えば射出成形して成形体a’,b’にしたときに、得られた成形体a’の固有振動数がf1,成形体b’の固有振動数がf2になった場合、それぞれの固有振動数f1,f2が、使用する超音波発振器の発振振動数と共振可能な振動数になるように、複合材料a,bの組成が選定される。換言すれば、成形体a’,b’それ自体でも歯科用チップの素材として使用できるように、複合材料a,bの組成が調整される。
【0020】
このような複合材料a,bを構成するプラスチックとしては、例えば、ポリフェニレンサルファイドの外にポリアミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,液晶ポリマー,ポリカーボネート,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルケトン,ポリエーテルサルホン,ポリサルホン,ポリエーテルイミド,ポリアミドイミド,ポリイミド,ポリアセタールをあげることができる。
【0021】
次に、充填材としては、無機質充填材と有機質充填材を使用することができる。
充填材として無機質充填材を用いる場合には、例えば、カーボン繊維,繊維状チタン酸カリウム,ガラス繊維,アルミナ繊維や、酸化チタン,ボロン,タルクなどをあげることができる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜に混合して用いてもよい。
【0022】
また、充填材として有機質充填材を用いる場合には、例えば、アラミド(芳香族ポリアミド)繊維,ポリエチレン繊維,ポリビニルアルコール繊維,ポリアリーレート繊維,ポリブチレンテレフタレート繊維などをあげることができる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜に混合して用いてもよい。
【0023】
なお、複合材料の調製時に、無機質充填材と有機質充填材は、それぞれ単独で別々に用いてもよく、また、混合して一緒に用いてもよい。
その場合、有機質充填材は、一般に、振動エネルギーの吸収による減衰能が大きいので、それを用いて製造した成形体も振動エネルギーの減衰能は大きくなり、例えば、超音波発振器の出力パワーを小さくすると共振動作を起こさないような傾向が表れてくるので、このことを考慮にいれて、充填材を選定することが好ましい。超音波発振器の出力パワーを小さくしても共振動作を発揮させるためには、充填材として無機質充填材を選定することが好ましい。
【0024】
このようなことを考慮に入れると、プラスチックとしては耐蝕性,耐薬品性が優れ、無毒であるということからしてポリフェニレンサルファイドが好適であり、充填材としては、カーボン繊維や繊維状チタン酸カリウムが好適である。
複合材料a,bの調製時における充填材の配合量は、その複合材料の成形体に付与する固有振動数,硬度,曲げ弾性率を考慮して適宜に決められる。
【0025】
本発明においては、目的とする歯科用チップの製造に先立ち、次のような準備操作が行われる。
すなわち、複合材料aと複合材料bの混合比率を様々に変えて混合し、得られた各混合物を例えば射出成形して組成が異なる混合物の成形体を製造し、超音波発振器の最適発振振動数に対するそれぞれ成形体の共振振動数を測定し、その共振振動数を前記した混合比率に対してプロットして共振振動数と混合比率の相関関係を表わすグラフを作成しておく。
【0026】
そして、目的とする共振振動数を有する歯科用チップの製造に移る。すなわち、その共振振動数がfnである歯科用チップを製造する場合、前記したグラフから、共振振動数がfnになる複合材料aと複合材料bの混合比率を読み取る。
そして、読み取った混合比率となるように、複合材料aと複合材料bを混合した状態で例えば所定型面の金型内に射出成形する。かくして、所定の形状と目的とする共振振動数fnを有する歯科用チップが複合材として得られる。
【0027】
このように、本発明方法によれば、金型の形状を変えなくても、複合材料a,bの混合比率を変えるだけ、すなわち成形体の組成を変えるだけで、成形される歯科用チップの共振振動数を任意の値に変化させることができる。すなわち、使用目的にとって最適の共振振動数を有する歯科用チップを2種類の複合材料を所定の比率で混合するだけで製造することができる。
【0028】
【実施例】
実施例1
(1) 共振振動数と混合比率との関係図の作成
ポリフェニレンサルファイド60重量%と、平均径0.3〜0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維状チタン酸カリウム40重量%を混合して複合材料aを調製した。
【0029】
また、ポリフェニレンサルファイド60重量%と、平均径8μm,アスペクト比100のカーボン繊維30重量%,平均径0.3〜0.6μmでアスペクト比15〜67の繊維状チタン酸カリウム10重量%を混合して複合材料bを調製した。
上記した複合材料aと複合材料bとの混合比率を変えた状態で2種類の材料を金型内に射出成形して、図1で示した形状の歯科用チップ各20個を製造した。
【0030】
そして、各歯科用チップの共振振動数fnを測定して平均値と標準偏差を求め、その結果を表1と図2に示した。
【0031】
【表1】
Figure 0003800436
【0032】
(2) 共振振動数が32kHzになる歯科用チップの製造
まず、図2において、共振振動数値が32kHzである曲線上の点Aを求め、そのときの混合比率を読み取った。複合材料aは55重量%,複合材料bは45重量%になっている。
ついで、複合材料aと複合材料bが上記の混合比率となるようにして射出成形を行い、図1で示した形状の歯科用チップを製作し、その共振振動数を測定したところ、平均値は32.05kHz,標準偏差は±0.12kHzであった。すなわち、目標とする固有振動数との誤差は、平均値で0.05kHzであった。
【0033】
実施例2
(1) 共振振動数と混合比率との関係図の作成
ポリアセタール80重量%と、平均径8μm,アスペクト比100のカーボン繊維20重量%を混合して複合材料cを調製した。
また、ポリアセタール70重量%と、平均径0.3〜0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維状チタン酸カリウム30重量%を混合して複合材料dを調製した。
【0034】
上記した複合材料cと複合材料dとの混合比率を変えた状態で2種類の材料を金型内に射出成形して、図1で示した形状の歯科用チップ各20個を製造した。
そして、各歯科用チップの共振振動数fnを測定して平均値と標準偏差を求め、その結果を表2と図3に示した。
【0035】
【表2】
Figure 0003800436
【0036】
(2) 共振振動数が32kHzになる歯科用チップの製造
まず、図3において、共振振動数値が32kHzである曲線上の点Bを求め、そのときの混合比率を読み取った。複合材料cは80重量%,複合材料dは20重量%になっている。
ついで、複合材料cと複合材料dが上記の混合比率となるようにして射出成形を行い、図1で示した形状の歯科用チップを製作し、その共振振動数を測定したところ、平均値は32.03kHz,標準偏差は±0.22kHzであった。すなわち、目標とする共振振動数との誤差は、平均値で0.03kHzであった。
【0037】
実施例3
(1) 共振振動数と混合比率との関係図の作成
ポリフェニレンサルファイド60重量%,平均径0.3〜0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維状チタン酸カリウム35重量%、繊維径12μmのアラミド繊維5重量%を混合して複合材料eを調製した。
【0038】
ポリフェニレンサルファイド70重量%、平均径8μm,アスペクト比100のカーボン繊維20重量%,平均径0.3〜0.6μm,アスペクト比15〜67の繊維状チタン酸カリウム5重量%、繊維径12μmのアラミド繊維5重量%を混合して複合材料fを調製した
上記した複合材料eと複合材料fとの混合比率を変えた状態で2種類の材料を、金型内に射出成形して、図1で示した形状の歯科用チップ各20個を製造した。
【0039】
そして、各歯科用チップの共振振動数fnを測定して平均値と標準偏差を求めその結果を表3と図4に示した。
【0040】
【表3】
Figure 0003800436
【0041】
(2) 共振振動数が32kHzになる歯科用チップの製造
まず、図4において、共振振動数値が32kHzである曲線上の点Cを求め、そのときの混合比率を読み取った。複合材料eは72.5重量%,複合材料fは27.5重量%になっている。
ついで、複合材料eと複合材料fが上記の混合比率となるようにして射出成形を行い、図1で示した形状の歯科用チップを製作し、その共振振動数を測定したところ、平均値は32.14kHz,標準偏差は±0.30kHzであった。すなわち、目標とする共振振動数との誤差は、平均値で0.14kHzであった。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明方法で製造された歯科用チップは、プラスチックをマトリックスとしているので、従来の金属材料製の歯科用チップに比べて軟質であり、治療対象個所や周囲の正常組織を損傷することがない。そして、本発明では、2種類の複合材料を所定の割合で混合して例えば射出成形法で製造することができるので、大量生産することができる。
【0043】
そして、本発明方法では、固有振動数が異なる歯科用チップを製造するときに、前記した2種類の複合材料の混合比率を変えることによって簡便に目的を達成することができるので、新しい金型の製造などを行うことが不要になり、その製造コストは大幅に低減する。
このような本発明方法を適用することなく、所望する固有振動数を有するあるチップ形状の成形体を製作しようとした場合には、膨大な試作片を製作してプラスチックと充填材との適正な配合割合などを決定せざるを得ないことを考えると、本発明方法の工業的な有用性は明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科用チップの1例を示す断面図である。
【図2】複合材料a,bの混合比率と得られた成形体の共振振動数との関係を示すグラフである。
【図3】複合材料c,dの混合比率と得られた成形体の共振振動数との関係を示すグラフである。
【図4】複合材料e,fの混合比率と得られた成形体の共振振動数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基端部
1a 駆動源との接続部
1b 支柱部
1c ねじ部
2 先端部
3 液路
3a 液路3の開口

Claims (1)

  1. プラスチックに充填材を配合して成る複合材料を成形して、駆動源に接続される基端部と治療対象個所に作用する先端部とを備えた超音波スケーラー用の歯科用チップを一体成形する際に、組成が異なる前記複合材料を2種類選定し、前記2種類の複合材料の混合比率を変化させてそれぞれの混合比率に対応する成形体を製造し、得られた成形体の固有振動数をそれぞれ測定することにより固有振動数と混合比率との相関関係を把握し、その相関関係に基づいて歯科用チップ成形時における2種類の複合材料の混合比率を決定し、その混合比率で前記2種類の複合材料を混合し、得られた混合物を成形することを特徴とする歯科用チップの製造方法。
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