JPH09164855A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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Publication number
JPH09164855A
JPH09164855A JP33071395A JP33071395A JPH09164855A JP H09164855 A JPH09164855 A JP H09164855A JP 33071395 A JP33071395 A JP 33071395A JP 33071395 A JP33071395 A JP 33071395A JP H09164855 A JPH09164855 A JP H09164855A
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JP
Japan
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slider
outer gear
taper cone
wheel
attached
Prior art date
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Application number
JP33071395A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Ito
健一郎 伊藤
Ken Yamamoto
山本  憲
Isao Hori
勲 堀
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 4輪駆動車のディファレンシャルと車輪の間
に組込まれ、アウターギアとスライダーを同期させるこ
とにより、遠隔操作によって2輪駆動と4輪駆動状態を
瞬時に切換えることができる駆動力伝達装置を提供す
る。 【解決手段】 フロントディファレンシャルに連結する
車軸を軸方向に分離し、車輪側の駆動軸22bに連結す
る外輪26のアウターギア37と、ディファレンシャル
側の駆動軸22aに取付けたスライダー28との間に、
同期摩擦機構49を設ける。アウターギア37にスプラ
イン溝48を、スライダー28にスプライン溝45をそ
れぞれ設け、スライダー28の遠隔操作によりアウター
ギア37とスライダー28を噛合せるとき同期摩擦機構
49でアウターギア37とスライダー28の回転を同期
させ、2駆から4駆への切換えを円滑にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、4輪駆動車のデ
ィファレンシャルと車輪間の駆動経路上において、駆動
力の伝達と遮断を切換える動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パートタイム式の4輪駆動車において
は、前輪ハブと車軸との間にフリーホイールハブを組込
み、車軸とホイール間の駆動力の伝達と遮断を切換える
ようにしたものがある。
【0003】このフリーホイールハブの装着車は、2駆
走行時は後輪駆動とし、トランスファから前輪車軸まで
の駆動系をフリーホイールハブにより切離して走行し、
4駆走行時は、フリーホイールハブを結合して前後輪を
直結した駆動状態にして走行している。2駆走行時に前
輪駆動系を停止させる理由は、燃費の向上と、駆動系か
らの騒音発生を抑えて静粛性を図ることにある。
【0004】上記のフリーホイールハブの種類として
は、手動で切換えを行なうマニュアル式と、切換えが自
動的に行なわれる自動式のものとがあるが、マニュアル
式のフリーホイールハブは、運転者が降車して手動によ
り切換え操作を行なう必要があるため、冬季や雨天時の
操作性が悪く、最近では、降車せずに操作が行なえる自
動式のものの使用が多くなっている。
【0005】一方、従来の自動式のフリーホイールハブ
においては、4駆走行から2駆走行に切換える場合、ト
ランスファーを2駆状態にしたまま数メートルほど後退
することでハブの切換えを行なっているが、このような
切換えの方法では、悪路などでスタックした状態から前
後進の切換えを行なって脱出する場合、車両の後退によ
って2駆走行状態に切換ることがあり、4駆走行による
走破力を利用できない場合がある。
【0006】また、雪道等の摩擦係数の低い登り坂等に
おいて、2駆走行から4駆走行に切換えて発進した場
合、前輪が駆動系と切離された状態にあるため、後輪の
みが空転して車両が動かず、ハブが4駆走行状態に切換
わらない問題がある。
【0007】そこで、本出願人は、上述した従来の問題
点を解決し、簡単な構造を用いて、2駆走行時は前輪駆
動系を切離し、4駆走行時には4輪を直結状態となるよ
うに遠隔操作によって切換えることができる車両の動力
伝達装置を特願平7−11028号によって提供した。
【0008】この動力伝達装置は、図10に示すよう
に、車両のフロントディファレンシャルと前輪を連結す
る駆動軸1を軸方向に分離し、前輪側駆動軸1aに外輪
2を固定すると共に、ディファレンシャル側の駆動軸1
bに上記外輪2内に嵌合する内輪3を固定し、上記外輪
2と内輪3の間に、ディファレンシャル側の回転が前輪
側の回転を上回ったときに内輪3から外輪2にトルクを
伝達し、それ以外のときは外輪2をフリーランニングす
る一方向クラッチ4を組込み、更に、前記ディファレン
シャル側の駆動軸1bにスライダー5を軸方向への移動
が自在となるよう取付け、スライダー5の先端に内輪3
と一体に回転するよう取付けた噛合部材6と外輪2の内
周面にスライダー5の接近動時に噛み合う一対の歯車7
を形成し、スライダー5に操作用フォーク8を接続した
構造になっている。
【0009】車両走行時に、スライダー5を後退させて
歯車7の噛合を解くと、駆動軸1aと1bは分離され、
回転の伝達が生じないため、前輪はフリーランニングす
る2駆走行となる。
【0010】また、スライダー5を前進移動させ、歯車
7を噛合させると、駆動軸1a、1bが直結され、ディ
ファレンシャルと前輪が一体に連結され、4輪が直結し
た4駆走行状態になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構造の動力伝達装置は、2駆走行モードから4駆走行
モードへ切換える場合、互に回転する外輪2とスライダ
ー5の歯車7を噛み合わせる必要があるが、両者の回転
は必ずしも一致していないため、噛み合せ操作が円滑に
行なえない場合があり、噛み合せに時間がかかるという
点で改善の余地が見い出された。
【0012】そこで、この発明の課題は、2駆走行モー
ドから4駆走行モードへの切換え時に従動部材とスライ
ダーの回転を同期させ、切換え操作が円滑に短時間で行
なえると共に、同期回転の伝達容量の大きな動力伝達装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明は、車両のディファレンシャルと車
輪を連結する駆動軸を軸方向に分離し、この分離部に、
外部からの遠隔操作によってトルクの伝達と遮断を行な
うクラッチ機構を設け、このクラッチ機構のディファレ
ンシャル側に設けた駆動部材と車輪側に設けた従動部材
との間に、駆動部材と従動部材の噛合い時に両部材の回
転を同期させる同期摩擦機構を設け、この同期摩擦機構
が、従動部材に取付けた環状のテーパコーンと該テーパ
コーンの内周に圧接するよう駆動部材に取付けたテーパ
コーンとからなり、従動部材に取付けたテーパコーンの
内周に軸方向のスリットを複数設けた構成を採用したも
のである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、クラッチ機構は、ディファレンシャル側の駆動軸に
外部からの操作によって軸方向に移動する駆動部材であ
るスライダーを外嵌係合し、車輪側の駆動軸に固定した
外輪とその内部に収納した内輪の間にディファレンシャ
ル側の回転が車輪側の回転を上回ったときにトルクを伝
達し、それ以外のときにフリーランニングする一方向ク
ラッチを組込み、外輪に従動部材であるアウターギアを
取付け、前記スライダーが常時内輪と回転方向に結合し
た状態で軸方向への移動により、アウターギアと回転方
向に結合する位置と切り離し位置とに選択するようにな
っている構成を採用したものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、同期摩擦機構における環状のテーパコーンがアウタ
ーギアにガタツキをもって取付けられ、スライダーに取
付けたテーパコーンは、スライダー上をストッパーで制
限された範囲で軸方向に移動自在となり、予圧ばねで常
時環状のテーパコーンに圧接する方向の弾性が付勢さ
れ、スライダーがアウターギアに対して切り離し位置に
あるとき環状のテーパコーンから離反し、スライダーが
アウターギアと結合する方向の移動途中で環状のテーパ
コーンに圧接するようになっている構成を採用したもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。
【0017】図1は、後輪駆動を主とする4輪駆動車の
車輪駆動系を示したものであり、同図において、11は
フロントディファレンシャル、12は前車輪、13は後
車輪を示している。
【0018】フロントディファレンシャル11は、図1
と図3の如く、デフカバー14の内部に、リングギヤ1
5とドライブピニオン16を介してエンジン17とトラ
ンスファー18を介して連結するデフケース19を回転
自在に支持し、そのデフケース19と共回り可能に連結
したピニオンギヤ20、20に一対のサイドギヤ21、
21を噛み合せて構成され、この各サイドギヤ21、2
1に、駆動軸としての車軸22、23が連結されてい
る。
【0019】図1と図2の如く、上記車軸22、23の
うち、短尺側の車軸23は、等速ジョイント24を介し
て前車輪12に連結されている。
【0020】一方、長尺側の車軸22は、その車軸22
が挿通するデフカバー14の内部において、途中で駆動
軸22aと22bに軸方向に同軸心状の配置となるよう
2つに分離され、この分離部分に動力伝達装置Aがデフ
カバー14内に納まる状態で組込まれ、外側の駆動軸2
2bは等速ジョイント24を介して前車輪12に連結さ
れている。
【0021】図3乃至図10は、動力伝達装置Aの構造
を示し、分離された車輪側の駆動軸22bにスプライン
25を介して従動側の部材となる外輪26を連結し、デ
ィファレンシャル側の駆動軸22aにスプライン27を
介して駆動側の噛合い部材となるスライダー28が取付
けられている。
【0022】このスライダー28は、スプライン27に
より、駆動軸22aの軸方向に移動自在で該駆動軸22
aと一体に回転し、後端部外周に設けた環状溝29に操
作用のフォーク30が連結され、図1の如く、このフォ
ーク30に連結した流体駆動機31によって、スライダ
ー28は軸方向の移動が付与される。また、外輪26は
軸受け32を介してデフカバー14で回動自在に支持さ
れ、駆動軸22aの先端は外輪26の内部で軸受33を
介して支持されている。
【0023】上記外輪26の内部に収納した内輪34の
外径面と外輪26の内径面の間に、一方向クラッチ35
と軸受36が組込まれ、外輪26の端面には複数本のボ
ルトで従動部材となるアウターギア37が同軸心状に取
付けられ、駆動軸22aとこれに取付けたスライダー2
8とは、アウターギア37を貫通し、内輪34内に嵌合
している。
【0024】一方向クラッチ35は、図6に示すよう
に、内輪34と外輪26に対向して設けた円筒面26
a、34a間に径の異なる2つの環状保持器38、39
を設け、その各保持器38、39に設けたポケット4
0、41に、それぞれスプラグ42を組込んで形成さ
れ、各スプラグ42は、リボンスプリング43によって
常に傾倒する方向にモーメントを受けている。
【0025】上記構造の一方向クラッチ35では、内輪
34(駆動軸22a)の回転が外輪26(ホイールハ
ブ)の回転を上回ったときスプラグ42が傾倒して各円
筒面25a、34aに係合し、トルクを伝達する。逆に
外輪26の回転が内輪34の回転を上回ると各スプラグ
42に対して外輪26がフリーランニング(オーバラン
ニング)の状態となり、トルク伝達が行なわれない。こ
の実施例では一方向クラッチ35がロックする回転方向
を車両の前進走行時の回転方向となるように設定してい
る。
【0026】前記スライダー28の外径面に先端側の位
置と中間部の位置にそれぞれスプイライン溝(ギア)4
4と45が、小径部46を挾んで分離状に設けられ、内
輪34の内径面には先端のスプライン溝44が常時結合
し、スライダー28の回転を内輪34に伝達すると共
に、スライダー28の軸方向への移動を許容するスプラ
イン溝(ギア)47が設けられている。
【0027】また、アウターギア37の内径面には、図
8や図9の如く、中間部のスプライン溝45が結合する
スプライン溝(ギア)48が設けられ、両スプライン溝
45と48の結合によりスライダー28とアウターギア
37は回転方向に一体化すると共に、スライダー28を
軸方向に移動させて小径部46をアウターギア37の部
分に位置させると、スライダー28とアウターギア37
は切り離されることになる。
【0028】前記スライダー28とアウターギア37と
の間には、スライダー28のスプライン溝45をアウタ
ーギア37のスプライン溝48に噛み合せるとき、スラ
イダー28の回転とアウターギア37の回転を同調させ
る同期摩擦機構49が設けられている。
【0029】この同期摩擦機構49は、アウターギア3
7の端面で外周寄りの位置に該アウターギア37と同軸
心状となるよう取付けた環状のテーパコーン50と、ス
ライダー28の外径面上に軸方向への移動が可能となる
よう装着したテーパコーン51との組合せによって構成
されている。
【0030】上記環状のテーパコーン50は、図7と図
9(A)、(B)に示すように、内径面がアウターギア
37に向けて小径となるテーパ面52に形成され、この
テーパ面52には軸方向のスリット53が多数設けられ
ている。
【0031】アウターギア37に対する上記テーパコー
ン50の取付けは、図4の如く、アウターギア37に複
数のピン54を圧入固定し、テーパコーン50に設けた
複数の取付孔55をアウターギア37の端面から突出す
るピン54に挿入し、ピン54の先端にコーン押え56
を設けることにより、アウターギア37にテーパコーン
50を少しガタツキを与えた状態で取付けてある。
【0032】スライダー28に取付たテーパコーン51
は、外径面が環状のテーパコーン50におけるテーパ面
52内に適合するテーパ面58に形成され、内径面には
スライダー28のスプライン溝45に外嵌結合するスプ
ライン溝(ギア)59が形成されている。従って、テー
パコーン51は、スライダー28と回転方向に結合され
た状態で軸方向に移動自在となる。
【0033】上記テーパコーン51の後端に設けた筒状
部60に、スライダー28へ外嵌するばねケース61が
ピン62による結合によって固定され、該ケース61内
において、テーパコーン51の筒状部60の後端とスラ
イダー28の後端側外径面に設けた突部63との間に、
テーパコーン51を常時環状のテーパコーン50に向け
て押圧する予圧ばね64が縮設され、また、ばねケース
61の後端屈曲部65と突出部63とによって、テーパ
コーン51の前進位置を規制するストッパー66を形成
している。
【0034】スライダー28は、図4に示すように、小
径部46がアウターギア37に臨み、アウターギア37
と切り離した後退位置と、図5のように、スプライン溝
45がアウターギア37のスプライン溝48と結合した
前進位置との間を軸方向に移動し、スライダー28が後
退位置にあるとき、テーパコーン51は環状のテーパコ
ーン50と接触しないようにストッパー66で位置決め
保持され、また、スライダー28が前進位置にあるとき
は環状のテーパコーン50に圧接し、予圧ばね64で圧
接力が付与されることになる。
【0035】この発明の動力伝達装置は上記のような構
成であり、次に、この装置を用いた車両の走行状態につ
いて説明する。
【0036】2駆走行モード 2駆走行モードでは、図4のように、スライダー28を
後退動させ、スライダー28の小径部46をアウターギ
ア37の内側に位置させることにより、スライダー28
とアウターギア37の結合を解いておく。このとき、テ
ーパコーン51は環状のテーパコーン50から離れ、こ
の状態でも駆動軸22aと内輪34はスライダー28を
介して直結されている。
【0037】この状態で車輌が前進走行すると、図6に
示すように、スプラグ42が係合作動位置に移行した状
態では、車軸の回転数より上回った回転が外輪26に与
えられた場合、スプラグ42は係合状態を解除し、外輪
26はフリーランニングすることができる。このため、
トランスファより動力を切離された前輪車軸22、23
は、タイヤからの駆動力によりそれぞれ回される。長尺
側の前車輪の駆動側はディファレンシャルを介し、短尺
側の駆動軸と反対方向の回転となる。その場合、リング
ギヤ15、ピニオンギヤ16、それに連結するトランス
ファーまでの駆動系は停止する。
【0038】また、上記の2駆走行モードにおいて、ト
ランスファーを4駆状態にすると、駆動軸22aの回転
が内輪34に伝わり、一方クラッチ35の係合で内輪3
4の回転が外輪26に伝わり、前進方向において4輪駆
動となり、駆動側と従動側の回転差に応じてフリーラン
ニング機能が作動する。
【0039】すなわち、車両が旋回して蛇角をもつと、
前輪と後輪の旋回距離の差により、前輪に連結する外輪
26が内輪34よりも速く回転し、外輪26がスプラグ
42に対してフリーランニングする。このため、内輪と
後輪は切離されて回転し、ガイトコーナでのブレーキン
グ現象が生じない。
【0040】4駆走行モード 4駆走行する場合は、図5に示すように、スライダー2
8を前進位置に移動させ、スライダー28とアウターギ
ア37を結合する。これにより、駆動軸22aと22b
は、スライダー28、アウターギア37、外輪26を介
して直結した状態になり、前後輪が直結した4輪駆動状
態になる。
【0041】上記の状態では、4駆走行を2駆走行に切
換えるのに車両を後退させる必要がないため、悪路にお
いて前後進を切換えて脱出するような場合でも4駆走行
状態が維持されることになり、大きな走破力を発揮する
ことができる。
【0042】また、2駆走行状態で摩擦係数が低く長い
登り坂等に停止し、その後4駆走行で発進する場合で
も、瞬時に4駆状態に切換り、その切換りにタイムラグ
がないため、スムーズな発進を行なうことができる。
【0043】ところで、上記の2駆走行から4駆走行へ
の切換え時において、スライダー28が前進位置に向け
て移動を開始すると、このスライダー28に装着したテ
ーパコーン51が環状のテーパコーン50に圧接し、予
圧ばね68の圧縮で圧接力が増大するため、駆動軸22
aの回転が両テーパコーン50、51を介してアウター
ギア37に伝わり、スライダー28とアウターギア37
は等速で同調回転し、この状態でスライダー28のスプ
ライン溝45がアウターギア37のスプライン溝48内
に進入する。
【0044】従って、スライダー28とアウターギア3
7の結合時において、両者は等速で回転しているので、
スプライン溝45と48の円滑な噛合せを行なうことが
でき、スライダー28とアウターギア37の回転差によ
る噛合時の激しいギヤ鳴りや衝撃などによる歯車の損傷
発生を防止することができる。
【0045】また、環状のテーパコーン50は、アウタ
ーギア37にガタツキのある状態で取付けてあるので、
テーパコーン51の嵌合圧接時に、環状のテーパコーン
50は、テーパコーン51の外径に沿うことになり、こ
れにより、両者のテーパ面52と58は全周面が確実に
密着することになり、大きな回転伝達容量が得られる。
【0046】また、環状のテーパコーン50におけるテ
ーパ面52に軸方向のスリット53を多数設けることに
より、圧接するテーパ面52、58の油膜を切ることが
でき、スリップの発生を防ぎ、大きな回転伝達容量を得
ることができる。
【0047】なお、2駆走行から4駆走行の切換えは、
図1に示したように、トランスファー18と連動した流
体駆動機31によるスライダー28の移動によって行な
うが、トランスファー18にシンクロ機構がある場合
は、同期摩擦機構は同期の補助的役割を果たし、ない場
合は、先に同期摩擦機構で同期させ、ギアを噛み合せた
後にトランスファー18を2駆走行から4駆走行にシフ
トさせる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、遠隔
操作によって一対の駆動部材と従動部材を噛み合せ、2
駆走行から4駆走行に切換えるとき、駆動部材と従動部
材の回転を同期させるようにしたので、4輪駆動への切
換時における駆動部材と従動部材の円滑な噛合せを行な
うことができ、回転差によるギヤ鳴りや衝撃による歯車
の損傷発生を防止することができ、2輪駆動から4輪駆
動に瞬時に切換えることが可能になる。
【0049】また、環状のテーパ部材を従動部材に対
し、ガタツキのある状態で取付けたので、両テーパ部材
のテーパ面を確実に圧着させることができ、しかも、環
状のテーパコーンの内周面に軸方向のスリットを設けた
ので、圧接面の油膜を除去してスリップの発生を防ぎ、
これによって同期摩擦機構に大きな回転伝達容量を確保
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車の車輪駆動系を示す平面図
【図2】同上における前輪駆動系を示す縦断面図
【図3】動力伝達装置の実施形態を示す横断平面図
【図4】同上要部の2駆走行状態を示す断面図
【図5】同上の2駆走行から4駆走行への切換状態を示
す断面図
【図6】一方向クラッチの拡大断面図
【図7】同期摩擦機構の分解斜視図
【図8】(A)はアウターギアの正面図、(B)は同縦
断面図
【図9】(A)は環状テーパコーンの正面図、(B)は
同縦断面図
【図10】この発明の先行技術である動力伝達装置の断
面図
【符号の説明】
11 フロントディファレンシャル 12 前車輪 14 デフカバー 22a、22b 駆動軸 26 外輪 28 スライダー 30 フォーク 31 流体駆動機 34 内輪 35 一方向クラッチ 37 アウターギア 49 同期摩擦機構 50 環状のテーパコーン 51 テーパコーン 52、58 テーパ面 53 スリット 61 ばねケース 64 予圧ばね 66 ストッパー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のディファレンシャルと車輪を連結
    する駆動軸を軸方向に分離し、この分離部に、外部から
    の遠隔操作によってトルクの伝達と遮断を行なうクラッ
    チ機構を設け、このクラッチ機構のディファレンシャル
    側に設けた駆動部材と車輪側に設けた従動部材との間
    に、駆動部材と従動部材の噛合い時に両部材の回転を同
    期させる同期摩擦機構を設け、この同期摩擦機構が、従
    動部材に取付けた環状のテーパコーンと該テーパコーン
    の内周に圧接するよう駆動部材に取付けたテーパコーン
    とからなり、従動部材に取付けたテーパコーンの内周に
    軸方向のスリットを複数設けた動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 クラッチ機構は、ディファレンシャル側
    の駆動軸に外部からの操作によって軸方向に移動する駆
    動部材であるスライダーを外嵌係合し、車輪側の駆動軸
    に固定した外輪とその内部に収納した内輪の間にディフ
    ァレンシャル側の回転が車輪側の回転を上回ったときに
    トルクを伝達し、それ以外のときにフリーランニングす
    る一方向クラッチを組込み、外輪に従動部材であるアウ
    ターギアを取付け、前記スライダーが常時内輪と回転方
    向に結合した状態で軸方向への移動により、アウターギ
    アと回転方向に結合する位置と切り離し位置とに選択す
    るようになっている請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 同期摩擦機構における環状のテーパコー
    ンがアウターギアにガタツキをもって取付けられ、スラ
    イダーに取付けたテーパコーンは、スライダー上をスト
    ッパーで制限された範囲で軸方向に移動自在となり、予
    圧ばねで常時環状のテーパコーンに圧接する方向の弾性
    が付勢され、スライダーがアウターギアに対して切り離
    し位置にあるとき環状のテーパコーンから離反し、スラ
    イダーがアウターギアと結合する方向の移動途中で環状
    のテーパコーンに圧接するようになっている請求項2記
    載の動力伝達装置。
JP33071395A 1995-12-19 1995-12-19 動力伝達装置 Pending JPH09164855A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003127699A (ja) * 2001-09-13 2003-05-08 Dana Corp 二重連結はずし駆動車軸ディファレンシャル・アセンブリ

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