JPH09164761A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

インクジェット用記録媒体

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JPH09164761A
JPH09164761A JP7329071A JP32907195A JPH09164761A JP H09164761 A JPH09164761 A JP H09164761A JP 7329071 A JP7329071 A JP 7329071A JP 32907195 A JP32907195 A JP 32907195A JP H09164761 A JPH09164761 A JP H09164761A
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美宏 望月
Masayuki Ushiku
正幸 牛久
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、インクの吸収性、乾燥性に
優れ、なおかつ塗膜強度が強く、ひび割れ、粉落ちがな
く、さらに画像濃度、鮮明性に優れブロッキング、重色
滲み等の発生がなく、高品位で高画質なインクジェット
用記録媒体を提供することにある。 【構成】 支持体上に少なくとも一層の固体微粒子含有
インク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体に
おいて、該固体微粒子が水溶性有機高分子の存在下で合
成された固体微粒子からなることを特徴とするインクジ
ェット用記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録媒体に関し、詳しくは水性インクの吸収性に優れ、
高品位の画像を与え、且つひび割れ・粉落ちのない塗膜
強度が優れたインクジェット用記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、騒音が少な
く、高速記録が可能であり、且つ多色化が容易なため、
各種プリンタやプロッタ等に適用して多方面で利用され
ている。
【0003】インクジェット記録方式に使用される記録
媒体としては、上質紙、やコート紙等の各種紙、或いは
合成紙、布、プラスチックフィルム等のシートがあり、
これらの各記録媒体は勿論、これらの媒体が効率よく、
且つ画像再現性にも優れるように記録装置やインク組成
面からも改良努力がなされている。
【0004】しかしながら、現時点では未だ満足し得る
ものに至っておらず、より一層の改善努力が望まれてい
る。また記録速度の高速化、高精細化等といった記録装
置面の性能向上やマルチカラー化、フルカラー化等とい
った用途の拡大に伴い、記録媒体に対してより高度な特
性が要求されている。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
いくつかの提案が成されてきた。例えば、特開昭52−
53012号公報には、低サイズの原紙に表面加工用の
塗料を湿潤させてなるインクジェット記録媒体が、ま
た、特開昭53−49113号公報には、尿素−ホルマ
リン樹脂粉末を内添したシートに水溶性高分子を含浸さ
せたインクジェット記録媒体が開示されている。また、
特開昭55−5830号公報には、支持体表面にインク
吸収性の塗層を設けたインクジェット記録媒体が開示さ
れ、特開昭55−51583号公報及び特開昭56−1
57号公報には、被覆層中の無機微粒子として非膠質シ
リカ粉末を使った例が、更に、特開昭55−11829
号公報には、インク吸収速度の異なる2層構造を使った
塗抹紙の例が開示されている。又、上記特開昭55−5
1583号公報及び特開昭56−157号公報には、イ
ンクの吸収と広がりを調整する目的で、非膠質シリカに
澱粉を併用使用する例が開示されている。
【0006】ノンコートタイプインクジェット記録媒体
は、それ自体が吸収性を持たなくてはならずノーサイズ
紙またはサイズ剤を微量添加するか、填料を増加するな
どした低サイズ紙にする方法がある。しかし、このよう
な記録媒体は、水性インクによる記録を行った場合、吸
収性は良いものの、画像の色彩性・鮮明性・印字ドット
濃度・画像濃度などが低く、鳥の羽状にギザギザのフェ
ザリング(feathering)と称するドット形状
の悪化とドット周囲のぼけがあり、インクが原紙層内に
深く浸透し裏面まで抜けてしまうという不都合が生じた
りする。
【0007】一方、コートタイプインクジェット記録媒
体は、ノーサイズ紙または低サイズ紙を支持体として塗
工層を設けた記録媒体では、吸収性は良く画像の色彩性
・鮮明性・フェザリング・インク裏抜けなどの点でノン
コートタイプインクジェット記録媒体より改良されてい
る。特に、非晶質シリカ粉体と水溶性高分子物質を含有
する塗工層を受像層として設けた記録媒体に記録した画
像は、非常に優れた色彩性・鮮明性・解像性を示し、フ
ェザリング・インク裏抜けも改良される。しかし、吸収
性の改善が不十分であり、さらに、画像濃度の低下が問
題として生じてくる。
【0008】また、高サイズ紙・ポリエチレンテレフタ
レートフィルム・合成紙などの水性インクの溶媒を吸収
しないか、あるいは吸収性の低いものを支持体として塗
工層を設けた記録シートは、支持体自体がインク溶媒を
ほとんど吸収しないため、染料を記録シート表面に保持
し、印字ドット濃度・画像濃度・色彩性・鮮明性・フェ
ザリング・裏抜けなどの面で良好な画像が得られやすい
が、低塗工量ではインクの吸収性が悪く、吸収容量も小
さくなってしまう。このため、吸収容量を大きくする目
的で塗工量を増すと塗工層の接着性・粉落ちなどが悪化
する傾向にあり、改良が必要である。
【0009】これらのコートタイプインクジェット記録
シートは、色彩性・鮮明性に優れ、フェザリングが少な
く、裏抜けが少なく良好な画像が得られやすいが、その
理由は、非晶質シリカ粉体、アルミナゾルをはじめとす
る粒子内部空隙量が大きく、粉体中つまり塗工層中に吸
収されるインク量が多いことが考えられる。特開平6−
48016号公報、特開平6−199034号公報、特
開平6−199035号公報、特開平6−255235
公報に好ましい細孔容積、細孔半径等が記載されてい
る。しかし、吸収速度の改善は不十分である。
【0010】また特開平6−227114号公報には固
体微粒子と両性イオンラテックスを含有させ、さらに水
溶性高分子を併用使用する例が開示されているが、十分
に吸収性を改良できるレベルまで固体微粒子を添加する
ことが困難でインク吸収性の十分な改良レベルまで至っ
ていない。また特開昭63−178074号公報にはス
チレン−ブタジエン共重合体樹脂を主成分とし、無機コ
ロイダル粒子を併用する例が開示されているが、これを
用いたインク受理層はブロッキング性がありインク吸収
性も改良には至っていない。更に特開平6−93122
号公報には無機有機複合層がn−ブチルメタクリレート
と2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするポリ
(メタ)アクリル酸エステル共重合体と無機コロイダル
シリカ粒子を併用する例が開示されているが、この技術
も単に無機物を有機物と併用させるだけでありインク吸
収性の改良は十分でない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにインク
ジェット用記録媒体(インクジェット用記録シート)に
於いては、次のような特性の改良が更に要望されてい
る。
【0012】インクの吸収性が良好で、しかも滲みが
生じたり、汚れが発生したりしないこと、 鮮明な印字記録が得られ、解像性や印字濃度が高いこ
と、 インクドットの横方向への拡散が必要以上に大きくな
らず、且つ均一である(印字ドット形状(印字ドット
径)が良い)こと、 インクの乾燥性が良好で、デコボコやカール発生がな
いこと、 耐水性が高く、湿気等によって保存中の記録画像のイ
ンクが流れだしたりしないこと、 カラー画像の場合には色ズレがなく(重色にじみ率が
小で)色彩が鮮やかで、発色性、階調性に優れること、 コートタイプ記録シートでは、塗工層の接着性(塗膜
強度)が高く、ひび割れ・粉落が少なく良いこと、 単色部でのドット径と比較して、重色部でのドット径
がほとんど変わらず、重色部での滲み出しを著しく減少
させ(重色にじみ率が小で)、高精細な記録画像を得る
こと等。
【0013】したがって、本発明の目的は、インクの吸
収性に優れ、なおかつ塗膜強度が強く、ひび割れ、粉落
ちがなく、さらに画像濃度、鮮明性に優れブロッキン
グ、重色滲み等の発生がなく、高品位で高画質なインク
ジェット用記録媒体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に少なくとも一層以上の固体微粒子含有インク
受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体におい
て、該固体微粒子が水溶性有機高分子の存在下で合成さ
れた固体微粒子からなることを特徴とするインクジェッ
ト用記録媒体によって達成された。
【0015】即ち一般に、インクジェット記録方式の場
合、記録媒体のインク吸収性を高める目的で固体微粒子
の充填率を上げようと試みられている。しかし、固体微
粒子の充填率を上げるとインク受理層皮膜強度が著しく
低下し、ひび割れ・粉落ち等が生じてしまう。これは固
体微粒子とバインダーとの親和性が低いことが主な要因
と推定できる。
【0016】本発明者等は、上記の如く課題を解決すべ
く、鋭意検討を重ねた結果、固体微粒子を水溶性高分子
中で合成させることにより、水溶性高分子との親和性が
非常に高い固体微粒子の合成ができ、その結果該固体微
粒子は該水溶性高分子をバインダーとしたインク受理層
において該バインダーの該固体微粒子に対する比率を下
げても十分皮膜強度が強く、ひび割れ・粉落ち等が生じ
ないインク受理層を形成できることを見いだし、優れた
インク吸収性を含む品質特性を有するインクジェット記
録媒体が得られることを見いだし、遂に本発明を完成す
るに至った。
【0017】以下、本発明を詳しく説明する。
【0018】本発明において、水溶性有機高分子の存在
下で合成された固体微粒子(以下、本発明の固体微粒子
ともいう。)としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、合成シリカ、珪
酸カルシウム等の珪酸塩、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム、酸化チタン、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化珪素、
ゼオライト、リトボン等が挙げられる。
【0019】本発明の固体微粒子の合成用原料として用
いることができる無機物としては、特に限定されるもの
ではないが、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、及びその類似物のようなアルミニウム
塩か、アルミン酸ナトリウムもしくはカリ塩のようなア
ルミン酸アルカリ金属塩あるいはその両者の水溶性アル
ミニウム化合物の水溶液、珪酸ソーダ、等の珪素の塩ま
たはアルミニウムイソプロポキシド、テトラエトキシシ
ラン等の金属アルコキシド等を用いるのが好ましい。
【0020】本発明において使用できる水溶性有機高分
子としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール
及びその変性物、でんぷんおよびその変性物、酸化澱
粉、エーテル化澱粉、酢酸ビニル、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
誘導体、カゼイン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルア
ルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エ
ステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体
等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル
共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれら
の各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体に
よる官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素
樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水溶性有機高分子(水溶
性ポリマー)等が挙げられ、2種以上で混合使用も可能
である。
【0021】本発明の固体微粒子の合成方法は特に限定
はしないが、以下に代表的な2種の方法を示す。
【0022】《方法1》2種類の水溶性無機化合物を水
溶性有機高分子溶液中で互いの反応により反応させて難
溶性の無機微粒子を形成する方法例えば水溶性有機高分
子溶液中で珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等に酸を加え
て中和させて本発明の固体微粒子を形成させる方法があ
る。
【0023】《方法2》水溶性有機高分子溶液中で水溶
性無機化合物を加熱加水分解して難溶性の無機微粒子を
合成する方法例えば水溶性有機高分子溶液中で金属アル
コキシドの加水分解法で本発明の固体微粒子を得る方法
が好ましい。
【0024】以下に代表的な本発明の固体微粒子の合成
方法の例を示す。
【0025】合成法1:水溶性有機高分子の存在下でシ
リカ多孔質ゾルを合成する方法 容量3000ccのガラス性反応器にIPA(イソプロ
ピルアルコール)440ccを添加し、液温を45℃に
上げ安定化したところで、分散剤と攪拌しながらテトラ
エトキシシランを412gを数時間をかけて添加した。
この溶液に水760ccにゼラチン41gを溶解させた
ゼラチン溶液を液温を40℃に保ったまま添加し、36
時間加水分解させた。ただし、このときの攪拌スピード
は一定に保った。その後、60℃に昇温し硫酸を10.
3g添加し、75時間50℃で解膠させ(このとき超音
波分散をわずかにかけながら行う)、750gになるま
で濃縮させ、黄白色の本発明の固体微粒子(ゼラチン−
シリカゾルA)を得た。
【0026】合成法2:珪酸ナトリウム+水溶性高分子
+酸で反応させ、ゾルを生成する方法 5%ゼラチン溶液100ccに酢酸1ccを添加し、液
温を40℃に上げ、25%珪酸ナトリウム溶液200c
cを少量ずつ添加していく。このとき一定の周波数で超
音波分散をかけながら行い、2時間後水100重量部を
加え、50℃で激しく約10分攪拌し黄白色の本発明の
固体微粒子(ゼラチンシリカゾルB)を得た。
【0027】本発明の固体微粒子は粒径が0.02μm
〜2μmが好ましく、0.05μm〜0.5μmが更に
好ましい。
【0028】本発明の固体微粒子はインクの吸収速度や
吸収容量等の関係から平均細孔径は20〜400オング
ストロームが好ましい。そして、平均細孔径が40〜2
00オングストロームの場合がさらに好ましい。
【0029】細孔容積は0.5〜5.0cc/gが好ま
しく、1.0〜2.5cc/gがさらに好ましい。
【0030】また細孔の形状については、迷宮度の小さ
い均一で直線状のものの方がよく、入り口が狭いインク
ボトル状、途中がくびれているひょうたん形、曲がりく
ねっている形などはインクの吸収速度の観点から好まし
くない。
【0031】インク受理層の厚さは、用いられるインク
やその溶剤の種類、インク量等により厳密には決定され
るが、5〜50μmの厚さが好ましい。前記範囲に満た
ない場合には、吸収性が不足し像がにじみ、逆に前記範
囲を超える場合には、吸収性が高くなりすぎ色素までも
吸収担持してしまい像の濃度が低下するおそれがあるの
で、いずれも好ましくない。
【0032】本発明において、インク受理層に本発明の
固体微粒子と併用することができるバインダーとして
は、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリビニルアルコール及びその変性物、で
んぷんおよびその変性物、酸化澱粉、エーテル化澱粉、
酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、大
豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マレ
イン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共
重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル
酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体
ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系
重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボ
キシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体
ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹
脂系等の水性バインダーが挙げられ、2種以上で混合使
用も可能である。好ましくは本発明の固体微粒子を形成
する水溶性有機高分子もしくは該水溶性有機高分子と親
和性がよいバインダーが特に好ましい。
【0033】本発明の固体微粒子とバインダーとの使用
割合は、バインダーがあまり多すぎると該固体微粒子が
充分に高精細画質を現出し得なくなるので当然好ましく
ない。このためバインダーの使用量は該固体微粒子の総
量に対し0〜50重量%程度を、更には5〜20重量%
採用するのが適当である。
【0034】本発明において用いられる支持体として
は、紙、又は熱可塑性樹脂フィルム、合成紙、ポリエチ
レンで両面をラミネートした紙支持体のような合成樹脂
ラミネート紙、木材繊維や合成繊維を主体とした不織布
の如きシート状物質が挙げられる。紙の場合は、内添サ
イズ剤の添加又は無添加、中性サイズ剤、ポリマーサイ
ズ剤、酸性サイズ剤等のサイズ剤の単独又は併用使用、
填料の含有又は非含有で良く、サイズプレスの有無でも
何等制限しない。紙支持体の内添填料、白色顔料として
従来公知の顔料が用いられ、単独域は併用できるが、例
えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオ
リン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アル
ミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグ
ネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、
スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラス
チックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、
尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられ
る。更に、該支持体が紙の場合、中性サイズ剤及び填料
を含有し、かつ木材パルプ/填料の比が90〜70重量
%/10〜30重量%であり、秤量が60〜120g/
2であることが好ましいが何等制限を受けるものでは
ない。
【0035】本発明のインクジェット用記録媒体の作成
方法としては、例えば、パルプ繊維を溶解してスラリー
とし、必要に応じて填料やサイズ剤、他の添加剤を添加
し、抄紙機で抄造し乾燥するか、または抄造後、澱粉や
高分子物質の水溶液等をサイズプレスし、乾燥してマシ
ンカレンダーをかけ、支持体シートを得た後、塗工装置
やサイズプレス装置を用いて少なくとも1層以上のイン
ク受理層を設ける。ドライヤーの加熱温度は、最高加熱
温度が少なくとも100℃以上、好ましくは、120℃
以上である。乾燥効率との関係から温度は、高い方が好
ましいが、特に限定されるものではない。マシンカレン
ダーは、使用しても使用しなくても良いが、次の塗工工
程での作業性を考慮すると使用した方が好ましい。イン
ク受理層を設ける方法としては、オンマシンコーター、
オフマシンコーターのいづれでも良い。例えば、従来公
知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、スライ
ドホッパー、ダイコーター、ブレードコーター、ゲート
ロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロー
ルコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブ
レードコーターなどが使用できる。更に、塗工後、マシ
ンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー
等のカレンダーを用いて仕上てもよい。
【0036】本発明において、インク受理層に添加でき
るその他の添加剤として、本発明の固体微粒子の分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合する
こともできる。
【0037】本発明のインクジェット用記録媒体は、吸
収性を維持しながら画像濃度の低下を防ぎ、なおかつひ
び割れ・粉落ちのない塗膜を提供することができる。
【0038】又、本発明のインクジェット用記録媒体
は、重色ドットのドット径が単色ドットのドット径とほ
ぼ同程度のドット径となり、2色の滲み出しが著しく少
なくなる。重色ドットのドット径が単色ドットのそれよ
りも大きくなるメカニズムは、明かでないが、単に多孔
性無機粒子を使用しただけの従来のインクジェット用記
録媒体では、例えば、ブルーの記録の場合、シアンを記
録した直後にマゼンタを記録すると、ブルーが表現でき
るが、ブルーの周りに同心円状にマゼンタが滲み出し、
単色記録の場合よりドット径が大きくなっている。その
結果、記録画像の色相が変化し、色再現性が劣り、解像
度も低下するために、画像の鮮鋭性に欠け記録画像の品
位が低下する。しかし、本発明のインクジェット用記録
媒体では、重色部分の2色目の滲み出しがほとんど無
い。
【0039】これはインク受理層の単位面積当たりの細
孔容積を大幅に上げたことが主な要因と推定できる。
【0040】さらに、耐ブロッキングもバインダーの量
を低減できたことによって改善された。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0042】80g/m2の紙支持体の両面をポリエチ
レンで被覆(厚さ130μm,インク受理層側のポリエ
チレン層中には二酸化チタンをポリエチレンに対し7重
量%含有)した反射支持体の二酸化チタン含有側に厚さ
0.1μmのゼラチン下引層を施し、その上に以下の構
成になるように塗布液を塗布し、インクジェット用記録
紙を作成した。
【0043】実施例1 前記合成法1の方法で作成した本発明の固体微粒子(ゼ
ラチンシリカゾルA)にゼラチン10重量%溶液を加え
てシリカ/ゼラチンの固形分比を5/1に調整しこの分
散液を塗工液として得た。
【0044】支持体上に上記インク受理層用塗工液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmとなるよう
に乾燥塗布した。
【0045】実施例2 実施例1と同様に前記合成法1の方法で作成した本発明
の固体微粒子(ゼラチンシリカゾルA)にゼラチン10
重量%溶液を加えてシリカ/ゼラチンの固形分比を10
/1に調整し、この分散液を塗工液として得た。
【0046】支持体上に上記インク受理層用塗工液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmとなるよう
に乾燥塗布した。
【0047】実施例3 前記合成法2の方法で作成した本発明の固体微粒子(ゼ
ラチンシリカゾルB)にポリビニルアルコールKL−1
17(クラレ社製)の10重量%の水溶液と分散剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸を加え(シリカ/ゼラチ
ン、ポリビニルアルコールの固形分比を10/1調
整)、超音波分散を30分かけた。そしてこの分散溶液
を塗工液として得た。
【0048】支持体上に上記インク受理層用塗工液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmとなるよう
に乾燥塗布した。
【0049】比較例1 多孔質シリカゲル粉末(塩野義製薬(株)社製、カープ
レックスFPS−3)とゼラチンとの混合スラリーを固
形分比5/1となるように調整し塗工液として得た。
【0050】支持体上に上記インク受理層用塗工液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmとなるよう
に乾燥塗布した。
【0051】比較例2 比較例1と同様に多孔質シリカゲル(塩野義製薬(株)
社製、カープレックスFPS−3)とゼラチンとの混合
スラリーを総固形分比10/1となるように調整し塗工
液として得た。
【0052】支持体上に上記インク受理層用塗工液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmとなるよう
に乾燥塗布した。
【0053】比較例3 容量3000ccのガラス性反応器に水760ccとI
PA(イソプロピルアルコール)440ccを混合添加
し、液温を68℃に上げ安定化したところで、攪拌しな
がらテトラエトキシシランを412g時間をかけて添加
した。液温を80〜85℃で12時間加水分解させた。
ただし、このときの攪拌スピードは常に一定に保った。
その後、95℃に昇温し硫酸を10.3g添加し、55
時間85℃で解膠させ(このとき超音波分散をわずかに
かけながら行う)、750gになるまで濃縮させ、白色
のシリカゾルを得た。
【0054】上記のシリカゾル90重量部にドデシルベ
ンゼンスルホン酸を添加し、超音波分散を15分かけ
た。そしてこの分散液に固形分比10/1になるように
ゼラチン水溶液を混合調整し、これらのコンプレックス
が形成されてゲル化したところで、これに水100重量
部を加え、65℃で激しく数10分攪拌し、コンプレッ
クスの分散溶液を塗工液として得た。
【0055】支持体上に上記インク受理層用塗工液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmとなるよう
に乾燥塗布した。
【0056】《評価》インクジェット記録適性の測定評
価は、下記の方法によって行った。
【0057】以下の項目について、キャノン(株)(B
JC−600S)インクジェットプリンターによって、
評価パターンを印字し評価した。
【0058】1)印字ドット径 印字ドット径は、シアンインク単色、マゼンタインク単
色、及びシアンインク+マゼンタインク重色で網点を印
字して得たドットについて、画像解析装置を用いて、下
記数式で示される計算式にしたがってドットの円相当径
について算出した。
【0059】HD={(4/π)×A}1/2 なお、HDは、円相当径(Heywood Diame
ter)、Aは、実測面積を示す。
【0060】2)重色にじみ率 重色にじみ率は、マゼンタインク単色ドット径と比較し
て、シアンインクとマゼンタインクの重なったドット径
が何倍になっているかで、良否を判定した。数値が小さ
い程、単色ドットと重色ドットの差が小さく、画像品位
が良好になることを示す。1〜1.2倍であれば良好で
あるが、それを超えると画像品位は低下して見える。
【0061】3)インク吸収性 インク吸収性は、赤印字(マゼンタ+イエロー)の重色
ベタ印字直後(約1秒後)に紙送りして、指に接触さ
せ、インクがインク受容層内部に取り込まれて指に付着
しなくなるか否かで判断した。付着しない場合を○、付
着する場合を×、その中間を△とした。
【0062】4)耐ブロッキング性 イエロー、シアン、マゼンタの3色をフルドットに記録
してから記録面に温風(100℃、風速1m/秒)を1
0秒間あてた後、記録画像に40g/cm2の圧力でク
リアポケット(ライオン(株)社製、ポリプロピレンフ
ィルム)を積層した時に、このフィルムが容易に剥離で
きる場合を○、剥離にかなりの力を要する場合を×、そ
の中間を△とした。
【0063】5)印字濃度 印字濃度は、ブラック単色ベタ印字した記録画像の光学
濃度を反射濃度計(コニカ社製:PAD−65)を用い
て測定した。数値は、高い方が濃度が高く良好なことを
示す。例えば1.30以上であれば十分に良好なことを
示す。
【0064】6)塗膜のひび割れ 塗膜のひび割れはシアン印字部について50倍の倍率で
顕微鏡写真を撮影し、この写真を用いて目視で評価し
た。
【0065】評価基準は、○:ひび割れの発生があって
もわずか、△:ひび割れがかなり認められる、×:拡大
しなくても視認できる。
【0066】7)塗膜強度 インク受理層の塗膜強度は市販のセロハンテープを表面
に張り付け、これを剥離するときに塗工層の剥がれ具合
を目視で観察し評価した。○:塗膜が全くはがれないか
あってもわずか、△:粉落ちがかなり認められる。×:
セロハンテープが白くなるほど粉落ちあるいは塗膜自体
が剥がれる。
【0067】8)解像性 カラーパターンのヘッドスキャン方向に垂直な単色(イ
エロー記録部とマゼンタ記録部)の線幅と混色(ブルー
記録部)の線幅を求め、下記式により求められた値につ
いて、200μm以上の場合を×、199〜100μm
の場合を△、100μm未満の場合を○とした。
【0068】解像性=ブルー記録部線幅−(イエロー記
録部線幅+マゼンタ記録部線幅)/2 以上の結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】表1から明らかなように、本発明の試料
は、インクの吸収性に優れ、なおかつ塗膜強度が強く、
ひび割れ、粉落ちがなく、さらに画像濃度、鮮明性に優
れブロッキング、重色滲み等の発生がなく、高品位で高
画質なインクジェット用記録媒体(シート)であること
ががわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明により、インクの吸収性に優れ、
なおかつ塗膜強度が強く、ひび割れ、粉落ちがなく、さ
らに画像濃度、鮮明性に優れブロッキング、重色滲み等
の発生がなく、高品位で高画質なインクジェット用記録
媒体を提供できた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の固体微粒子
    含有インク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒
    体において、該固体微粒子が水溶性有機高分子の存在下
    で合成された固体微粒子からなることを特徴とするイン
    クジェット用記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2799758A1 (fr) * 1999-10-15 2001-04-20 Exsymol Sa Complexe a base d'acide orthosilicique biologiquement assimilable, se presentant sous forme solide, stable et concentree, et procede de preparation

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