JPH09164628A - 制振構造体及び制振構造体の製造方法並びに構造部材用熱硬化型制振樹脂組成物 - Google Patents

制振構造体及び制振構造体の製造方法並びに構造部材用熱硬化型制振樹脂組成物

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JPH09164628A
JPH09164628A JP7348683A JP34868395A JPH09164628A JP H09164628 A JPH09164628 A JP H09164628A JP 7348683 A JP7348683 A JP 7348683A JP 34868395 A JP34868395 A JP 34868395A JP H09164628 A JPH09164628 A JP H09164628A
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damping
vibration
resin
resin composition
thermosetting
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JP7348683A
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English (en)
Inventor
Kenji Iwai
健治 岩井
Junji Kawashima
淳史 川嶋
Toshimitsu Tanaka
俊光 田中
Akio Sugimoto
明男 杉本
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振性能に優れ、再加熱により溶融、剥離し
ない制振樹脂組成物を得る。 【構成】 下記の化合物A)〜C)を必須成分として含
む熱硬化型制振樹脂組成物。この組成物は熱硬化型であ
り、加熱することにより金属基材に融着し、再加熱して
も融解しない性質をもつ。この組成物からなる樹脂シー
ト12aを1つの隅部を挟んだ2面に載置し、こちら側
を下にして先に熱融着した後いったん冷却し、次に形材
1を反転し、残りの2面に樹脂シート12bを載置し再
加熱して熱融着する。 A)エポキシ樹脂:100重量部 B)硬化剤:10〜80重量部 C)熱可塑性樹脂、可塑剤、合成ゴム、液状ゴムエラス
トマーから選ばれる1種または2種以上:50〜300
重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両や船舶の床構造材
や建築物の床及び外壁材等に用いられる制振構造部材に
関する。さらに詳しくは、金属基材とこれに融着して制
振作用をなす熱硬化型制振樹脂層からなる制振構造体、
及び制振構造体の製造方法、並びに金属基材に融着し制
振作用をなす構造部材用熱硬化型制振樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両や船舶等の床や一部の建築物の床、
外壁用金属材料として、鉄、アルミニウムなどの材料が
用いられている。これらは、耐熱性能や機械的強度、弾
性率が高い利点があるが、音の共振あるいは金属特有の
振動音が問題となっている。また、木材等の材料に較べ
て断熱性能が劣るという欠点がある。そこで、これらの
問題を解決するための検討がなされてきた。すなわち、
制振性能に関しては、例えば、拘束型制振鋼板と呼ばれ
るものでは、2枚の鉄板の間に粘性を有する薄い樹脂層
をはさみこんだ複合鋼板が知られている。また、非拘束
型制振鋼板と呼ばれているものでは、一枚の鉄板の裏に
厚めの弾性樹脂シートを貼り合わせた制振複合体が知ら
れている。また、金属板としては鉄以外にも、ステンレ
スやアルミニウムなどの面材に応用したものも公知であ
る。
【0003】一方、本出願人の出願にかかる特開平7−
164584号公報には、シート状に成形された制振樹
脂を長尺のアルミ押出形材の中空内部又は凹部に挿入
し、該制振材シートをアルミの熱処理熱(200℃以下
の時効処理)を利用して面板やリブに熱融着させて得ら
れたアルミ制振形材が記載されている。また、本発明者
らは、制振樹脂として、アスファルトをベースとし、十
分な弾性をもち制振性と耐熱性に優れ、図2(a)、
(b)に示すような押出形材の内面に樹脂を配する場合
に挿入しやすく、熱融着した樹脂とアルミ合金形材の接
着強度の高い制振樹脂組成物、及び制振構造体を提案し
た(特願平7−44937号及び特願平7−16837
1号)。図2は、口型形材(a)、2枚の面板とトラス
型のリブからなる形材(b)、ソリッド形材(c)にお
いて、形材1の面板又はリブに制振樹脂2を熱融着した
例であり、(a)では1つの隅部を挟んだ2面に、
(b)では一方の面板の内面とリブの上面に、(c)で
は面板の内面とリブの一方の面に制振樹脂を熱融着して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】制振形材の制振特性を
向上させるため、例えば上記(a)では、形材の4つの
内面全てに、(b)では両方の面板の内面に、(c)で
はリブの両面に制振材を熱融着したい場合がある。形材
1に制振樹脂2を熱融着する面は制振樹脂2が自重で載
り得る面に限られるから、図3に示すように、(a)で
は、制振樹脂2aを1つの隅部を挟んだ2面に先に熱融
着した後、形材1を反転し、対向する隅部を挟んだ2面
に制振樹脂2bを載せて熱融着するという手順を取り、
(b)では、制振樹脂2aを一方の面板の内側に先に熱
融着した後、形材1を反転し、他方の面板の内側とリブ
の上に制振樹脂2bを載せて熱融着するという手順を取
り、(c)では、制振樹脂2aをリブの一方の面と面板
の一部に先に熱融着した後、形材1を反対向きに傾斜さ
せ、リブの他方の面(裏面)と面板の残りの部分に制振
樹脂2bを載せて熱融着するという手順をとる必要があ
る。
【0005】しかし、このように2段階で制振樹脂2
a、2bを熱融着すると、2段階目の熱融着の加熱の
際、先に熱融着していた制振樹脂2aが再び溶融し、図
3に示すように重力により樹脂が滴下したり、剥離した
りするため、形材1の相対向する2つの面、あるいは1
つの面とその裏面の双方に制振樹脂を熱融着することは
不可能であった。むろん、塗装により対向する面や表裏
面に樹脂を塗布することは可能であるが、熱融着方法と
比較すると、接着強度が低く、特に長尺の形材の内面に
対して適用が不可能な場合が多い。
【0006】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
もので、金属基材に熱融着して良好な制振性能を与える
と同時に再加熱しても融解しない構造部材用制振樹脂と
該制振樹脂を熱融着した制振構造体を得ることを目的と
する。より特徴的には、長尺のアルミ押出形材等の相対
向する2つの面又は1つの面とその裏面のように、従来
の制振樹脂では熱融着することができなかった複数の面
にも制振樹脂が熱融着した制振構造体を得ることを目的
とする。なお、制振性は、一般に構造体の試験片を共振
法などの試験法により得られる損失係数(η)として定
量化できる。制振性があるというのは実用上、常温(2
0℃)でηが0.05(200Hz)以上であることが
必要であり、さらには0.1以上が望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる制振構造
体は、熱硬化型制振樹脂組成物層が金属成形体の少なく
とも1面に熱融着により複合されていることを特徴とす
る制振構造体である。ここでいう熱硬化型制振樹脂組成
物は、加熱することにより金属基材に融着、固化し、再
加熱しても再び融解しない性質をもつ組成物である。な
お、ここでいう金属成形体は、成形形材(押出形材、圧
延による形材、曲げ成形による形材等)のみならずその
他の成形体を含み得、材質としてはアルミニウム、鉄、
ステンレス等、特に制限はない。
【0008】ここで用いられる熱硬化型制振樹脂組成物
は、上記のように、いったん金属基材に融着、固化した
後は、再加熱しても再び融解しないため、この熱硬化型
制振樹脂組成物シートを金属成形体の少なくとも一面に
載置して加熱し、熱融着した後、こんどは制振樹脂組成
物シートを他の面に載置して加熱し、熱融着するという
手順により、例えば成形形材の対向する2つの面又は1
つの面とその裏面のように、従来制振樹脂を熱融着する
ことができなかった面にも、順次熱融着により貼り付け
ることができる。なお、2段階の熱融着操作を行う場
合、2段階目に使用する制振樹脂組成物は上記熱硬化型
に限られず、従来どおり熱可塑性の制振樹脂組成物を使
用することもできる。3段階以上の熱融着操作を行う場
合に最後に使用する制振樹脂組成物も同じである。
【0009】また、本発明に関わる構造部材用熱硬化型
制振樹脂組成物は、下記A、B、C化合物を必須成分と
して含むことを特徴とする。この組成物は熱硬化型であ
り、加熱することにより金属基材に融着、固化し、再加
熱しても再び融解しない性質をもち、上記制振構造体に
適用するに好適である。 A)エポキシ樹脂 B)硬化剤 C)熱可塑性樹脂、可塑剤、合成ゴム、液状ゴムエラス
トマーから選ばれる1種または2種以上
【0010】上記組成物において、A)エポキシ樹脂1
00重量部に対して、各々、B)硬化剤が10〜80重
量部、C)熱可塑性樹脂、可塑剤、合成ゴム、液状ゴム
エラストマーから選ばれる1種または2種以上からなる
成分が50〜300重量部であることが望ましい配合量
の比率である。そして、上記組成物において、好ましく
は、前記熱可塑性樹脂が、アスファルト系化合物、石油
樹脂、酢酸ビニル樹脂、変性酢酸ビニル樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹
脂化合物であり、前記可塑剤がフタル酸エステル化合物
あるいはりん酸エステル系化合物であり、液状ゴムエラ
ストマーは、共役ジエン系のオリゴマー末端がカルボキ
シル基、アミノ基、ヒドロキシル基である官能基を有す
る化合物である。
【0011】上記構造部材用熱硬化型制振樹脂組成物
は、一般的にはシート状に成形され、例えば長尺の成形
形材の中空内面に載置され熱融着されるが、成形形材へ
の該制振樹脂組成物シートの挿入を容易にするために、
滑り性を向上させる目的で、樹脂層の一方の面に該樹脂
層より摩擦係数が小さい熱可塑性樹脂からなる第二層を
設け、複合シートとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の構造部材用熱硬化型制振
樹脂組成物は、室温では固体で、ある温度以上になると
溶融し、その温度で保持することにより固化が進行す
る。そして、冷却後は同じ熱サイクルを受けても溶融す
ることなく元の形状を保持する。また、一般的にはシー
ト状に成形されて金属成形体の少なくとも一面に載置さ
れ、また、樹脂シートを中空の成形形材の狭い空間に長
手方向に滑らせて挿入することも効率よく行うことがで
きる。
【0013】上記熱硬化型制振樹脂組成物を金属成形体
の面上に載置した後、100℃〜200℃程度に加熱す
ると、金属成形体への熱融着と硬化反応が同時に行われ
る。加熱の時間は基材の質量や熱伝導度により決められ
るので、一義的に限定されないが、30分〜120分間
が適当である。先に述べた通り、冷却後は同じ熱サイク
ルを受けても溶融することなく元の形状を保持するの
で、金属成形体のある面に載置し加熱して融着した後、
他の面に載置し再加熱して融着するという操作が可能と
なり、例えば、従来の制振樹脂では不可能であった成形
形材の対向する2つの面や、1つの面とその裏面に順次
熱融着することも可能である。なお、加熱による接着以
外に樹脂組成物の吹き付け等も考えられるが現状では経
済的な方法とはいえない。
【0014】図1を参照し、本発明の制振樹脂組成物を
使用して、具体的に成形形材の内面に樹脂層を形成する
手順を説明する。図1に示す形材1は、口形断面(いい
かえれば対向する2つの面が2組ある)を有する例えば
長尺アルミ押出形材である。はじめに、(a)に示すよ
うに、樹脂シート12aを1つの隅部を挟んだ2面に載
置し、こちら側を下にして先に熱融着し、いったん冷却
する。次に、(b)に示すように形材1を反転し、残り
の2面に樹脂シート12bを載置し熱融着する。このと
き、先に熱融着した制振樹脂12aは固化したまま再溶
融しないので、口形断面の全ての面に樹脂シートを熱融
着することができる。
【0015】本発明の樹脂組成物シートの厚さ又は制振
構造体における樹脂層の厚さは1〜5mm、好ましくは
2〜4mmが適当である。その厚さが1mmより少ない
と制振性が十分でなく好ましくない。また、5mm以上
厚くしても効果があがらず、重量が増すなど好ましくな
い。樹脂組成物シートは、公知の生産方式を用いて製造
できる。すなわち、樹脂成分を添加混合し加熱し溶融さ
せ、分散混練する。混合用の機械としては、リボンブレ
ンダ、スーパーミキサ、バンバリミキサ、ニーダなどが
使用できる。シート状成形物にするには、これをカレン
ダーロール等で成形加工し一定の厚さにすることで得ら
れる。これに摩擦係数の低い熱可塑性樹脂の第二層を設
けて複合シートとする場合は、熱可塑性樹脂をアプリケ
ータなどで溶融し一定の厚みに塗布して生産する。
【0016】この第二層を構成する熱可塑性樹脂の例と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン、酢酸ビニル、酢酸ビニルとオレフィンの共重合体
等が挙げられ、塗布する以外にこれらのフィルムを貼り
付けることもできる。第二層の厚さは0.05〜0.1
mmのものが好ましく、厚すぎると再加熱時にフイルム
が再溶融し、樹脂シートの落下や剥離が発生するおそれ
があるが、前記範囲の厚さであればエポキシ樹脂の浸み
込みの作用により樹脂シートが形材に融着しているの
で、100℃〜200℃の加熱では再加熱時にシート材
の落下や剥離は発生しない。
【0017】続いて、各化合物について、さらに詳細に
説明する。成分Aであるエポキシ樹脂は、1分子中に2
個以上のエポキシ基を有するものであり、例えばこれら
の具体的な例としては、ビスフェノールAのアルキレン
オキシド付加物のジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA
のジグリシジルエーテルと重合脂肪酸付加物などのビス
フェノールA型エポキシ類、ビスフェノールAの代わり
にビスフェノールFを骨格にもつビスフェノールF型エ
ポキシ類、重合脂肪酸ポリグリシジルエステルや液状ゴ
ムのジグリシジルエーテルなどのグリシジルエステル
型、その他グリシジルアミン型のエポキシ化合物などが
挙げられる。
【0018】成分Bである硬化剤は、一般にエポキシ硬
化剤として知られているものであり、例えば、酸無水
物、有機アミン、アミド等がある。本発明においては酸
無水物が推奨される。これらの具体例としては、下記の
ものが挙げられる。すなわち、無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、エチレングリコール無水トリメテート、グ
リセロール無水トリメテート、無水ピロメリット酸、
3、3′、4、4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
無水物などの芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無
水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヒドロ
無水フタル酸、メチルヘキセンテトラカルボン酸無水
物、ポリアゼライン酸無水物等が挙げられる。これらの
硬化剤は単独または混合物として適宜用いられる。また
その使用量は、1エポキシ当量あたり0.25〜0.5
モル量、すなわち、エポキシ樹脂Aが100重量部に対
して、硬化剤Bの含有量は10〜80重量部が望まし
い。硬化剤Bが10重量部以下、あるいは80重量部以
上ではエポキシ化合物の硬化反応が充分に進まないため
に熱硬化性である特性が充分に引き出せない。
【0019】また、硬化剤とともに常法に従い、硬化促
進剤と呼ばれる硬化触媒を加えることができる。かかる
化合物の例としては、2−メチルイミダゾール、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダ
ゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル
イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール等が挙
げられる。これらの硬化促進剤は単独または混合物とし
て適宜用いられる。
【0020】成分Cのうちの熱可塑性樹脂としては、酢
酸ビニル又はそのエチレン、ポリオレフィンとの共重合
体、メタアクリル酸及びエステル誘導体、アクリル酸及
びエステル誘導体、フマル酸、マレイン酸やイタコン
酸、塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体あるいは
それらの混合物、ポリカーボネート及びその変成物、変
成酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール、アスファル
ト、石油樹脂等が挙げられる。アスファルトの具体的な
例としては、天然アスファルトと石油アスファルトがあ
り、石油アスファルトとしてはストレートアスファル
ト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファル
ト、ゴム変成アスファルトが挙げられる。この成分は単
体あるいはこれらの混合したものを使用できる。なお、
塩化ビニルは熱可塑性樹脂であるが、これを使用した制
振樹脂組成物は再加熱時に溶解・剥離するため、本発明
においては成分Cから除かれるものとする。
【0021】成分Cのうちの可塑剤としては、フタル酸
エステル系可塑剤、りん酸エステル系可塑剤が挙げられ
る。具体例としてはジメチルフタレート、ジエチルフタ
レート、ジブチルフタレート、トリグレジルフォスフェ
ート、トリフェニルフォスフェート等が挙げられる。こ
れらの可塑剤は単体あるいはこれらの混合したものを使
用できる。
【0021】成分Cである合成ゴムとしては、1,2結
合体が90重量%以上含むポリブタジエンやポリネオプ
レン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、あるいはそれらの共重合体が挙げられる。
【0022】成分Cのうちの液状ゴムエラストマーとし
ては、ゴムエラストマー及び分子中の両末端にカルボキ
シル基やアミノ基、ヒドロキシル基を有するものが挙げ
られる。すなわち、酸末端液状ネオプレン−ブタジエン
共重合体、酸末端液状ポリブタジエン、酸末端液状クロ
ロプレンゴム、酸末端液状ゴムポリエステルのほか、ア
ミノ基末端液状ネオプレン−ブタジエン共重合体、アミ
ノ基末端液状ポリブタジエン、アミノ基末端液状クロロ
プレンゴム、アミノ基末端液状ゴムポリエステルや、水
酸基末端液状ネオプレン−ブタジエン共重合体、水酸基
末端液状ポリブタジエン、水酸基末端液状クロロプレン
ゴム、水酸基末端液状ゴムポリエステル、及びエチレン
・アクリルゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウ
レタン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これ
らの液状ゴムは単体あるいはこれらの混合したものを使
用できる。
【0023】アクリル樹脂Aが100重量部に対して、
C(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂、可塑剤、液状ゴムエ
ラストマーから選ばれる1種又は2種以上)の含有量は
50〜300重量部であることが推奨される。Cが50
重量部よりも少ないと樹脂の柔軟性が乏しく制振性が低
下し、300重量部を超えると熱可塑性となり本発明の
目的を達成できない。
【0024】これら以外にも常法に従い、充填剤等を加
えることが好ましい。充填剤を使用することにより樹脂
の形状保持性が高まる。エポキシ樹脂100重量部に対
し300重量部以内の範囲で適宜含有させるとよい。充
填剤の例としては、粉状充填材、軽量骨材、リン片状充
填材、無機繊維状充填材、合成樹脂繊維状充填材、天然
繊維、プラスチックバルーン等がある。具体的には、天
然あるいは化学繊維からの開繊繊維、粉砕古紙、ガラス
ウール、スラグウールなどの鉱物繊維、マイカ、雲母な
どのリン片充填材、タルク、石粉、クレー、アルミナ、
酸化チタン、カーボングラック、炭酸カルシウム、シリ
カ粒子、グラファイト、硫酸バリウム、亜鉛華、クレー
などの粒状充填材、ガラス繊維やアスベスト等の繊維状
充填材、また、シリカ系やシラス系の無機原料を加工し
て内部が中空の無機バルーン等の軽量骨材や、アクリ
ル、メタクリル酸メチル等のポリマーからなるプラスチ
ックバルーンなども例示される。なおこれらの他、発泡
剤、発泡助剤、酸化防止剤などの公知の樹脂添加物を含
むことは何ら差し障りがない。酸化防止剤としては、
2、6−ジブチルクレゾール、ジラウリルチオプロピオ
ネート、ノニルフェニルホスファイト、フェニルナフチ
ルアミン、フェノール・ニッケルの錯塩などが挙げられ
る。
【0025】以上の構成からなる熱硬化型制振樹脂組成
物は高弾性率で制振性能に優れる。またこれを貼り合わ
せた制振構造体はある程度の断熱性能を有するが、実施
の形態の一つとして、発泡剤を加えて発泡させ断熱性能
を高めることができる。このようにして得られた制振構
造体の用途の例としては車両、自動車の構造駆体、建材
の外壁やインテリジェントビルの内部パーテーションな
どが挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。 実施例1〜10、比較例1〜4 [構造部材用熱硬化型制振樹脂組成物の製造]表1及び
表2に示す化合物を次のように配合して制振樹脂シート
を作製した。すなわち、これらの混合物を真空ニーダー
にて溶融混合し、カレンダーロールで2mmの厚さに押
し出した後、幅20cm、長さ20mの制振構造用シー
トを作製した。なお、材料の使用量は、全て重量部を表
す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】[制振構造体の製造]以上のようにして得
られた制振構造体用熱硬化型制振樹脂シートを用いて以
下の手順で制振構造体を作製した。すなわち、厚さ2m
mのアルミニウム押出形材の中空部(幅20cm、長さ
20m)に挿入した後、加熱炉にて150℃で30分、
加熱硬化させた。この時、樹脂は加熱により溶融軟化し
形状に沿って密着するとともにエポキシ樹脂の硬化反応
が進行し樹脂化した。
【0030】[評価]この試作品を下記の方法で評価し
た。その結果を表3に示す。 ・制振性能 試作した制振構造体から短冊型試験片(幅20mm、長
さ200mm)を切り出し、B&K社製複素弾性係数測
定機を用い、共振法により測定した。温度は20℃、周
波数は200Hzに外挿して損失係数(η)を求めた。 ・施工性 上記制振構造体を制振樹脂を下方に向け、加熱炉にて1
50℃で30分再加熱し、制振樹脂の剥離の有無を調べ
た。
【0031】
【表3】
【0032】表3にみられるように、実施例1〜10は
損失係数ηが大きく制振性能に優れ、再加熱によっても
溶解、剥離しない。一方、熱可塑性樹脂として塩化ビニ
ルを使用する比較例1の制振樹脂は再加熱により溶解、
剥離し、熱可塑性樹脂を使用しない比較例2の制振樹脂
は損失係数が小さく制振性能に劣る。また、硬化剤を使
用しない比較例3と、エポキシ樹脂と硬化剤を使用しな
い比較例4の制振樹脂は、再加熱により溶解、剥離を起
こす。
【0033】実施例11 実施例1において得られた制振樹脂シートに、アプリケ
ータを用いて酢酸ビニル樹脂を0.05mmの厚さで塗
布し、幅20cm、長さ20mの制振構造用シートを作
製し複合制振シートを得た。これを実施例1と同様にし
て制振構造体を試作し評価したところ、アルミ押出形材
への挿入作業がより容易になるほか、特性は実施例1と
同様の特性のものを得ることができた。
【0034】
【発明の効果】本発明の制振構造体においては、熱硬化
型制振樹脂組成物を使用し、これを成形形材等の面に熱
融着により複合するようにしたので、成形形材等のある
面に載置し加熱して融着した後、他の面に載置し再加熱
して融着するという操作が可能となり、例えば、相対向
する2面の一方に該制振樹脂シートを貼り合わせて加熱
し、融着、硬化した後、他方の面に同じように貼り合わ
せて加熱し、融着、硬化することで、相対向する2面に
制振樹脂シートを融着することもできるようになった。
【0035】また、本発明の構造部材用熱硬化性制振樹
脂は、室温では固体で作業性がよく、シート状にして長
尺の狭い空間に挿入し効率よく貼付け加工ができる。そ
して、加熱という簡便な工程で接着させることができ、
また、再加熱により溶解、剥離することがないので、上
記に説明した熱融着操作を可能とする。本発明の構造部
材用熱硬化性制振樹脂により得られた樹脂層は高弾性率
で制振性能に優れ、樹脂そのものを薄くしても所要の制
振性能を得ることができるので、シート状にして形材の
狭い空間に配置できるなど、スペース効率がよい利点が
ある。樹脂層の高い弾性率は鉄、アルミニウムなどの金
属構造部材の面に貼り合わすことで、該構造部材が振動
した場合に、その振動が樹脂層の引張、圧縮応力として
樹脂の分子運動を引き起こし、これが熱エネルギーに変
換される作用により振動が吸収される。したがって、本
メカニズムにより高い制振性能を引き出すという効果が
発生する。
【0036】このように、本発明による制振断熱形材
は、制振性層を狭い空間に効率よく施工できる利点があ
り、車両や建材の壁など狭い空間に多くの機能を詰め込
む必要のある成形製品に応用し、居住空間の広さと静粛
正を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】口型断面の押出形材に本発明に関わる制振樹脂
を熱融着する手順を説明する図である。
【図2】従来の制振形材を説明する断面図である。
【図3】成形形材の対向する2つの面又は1つの面とそ
の裏面に制振樹脂を熱融着する場合の従来の問題点を説
明する図である。
【符号の説明】
1 形材 12a、12b 熱硬化性制振樹脂シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/22 B32B 27/22 27/38 27/38 (72)発明者 杉本 明男 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化型制振樹脂組成物層が金属成形体
    の少なくとも1面に熱融着により複合されていることを
    特徴とする制振構造体。
  2. 【請求項2】 成形形材の相対向する2つの面又は1つ
    の面とその裏面に制振樹脂組成物層が形成され、しか
    も、上記相対向する2つの面の少なくともいずれか一方
    の面又は上記1つの面とその裏面の少なくともいずれか
    一方の面に形成された制振樹脂組成物層が上記熱硬化型
    制振樹脂組成物層であることを特徴とする請求項1に記
    載された制振構造体。
  3. 【請求項3】 熱硬化性制振樹脂組成物が、下記A、
    B、C化合物を必須成分とすることを特徴とする請求項
    1又は2に記載された制振構造体。 A)エポキシ樹脂 B)硬化剤 C)熱可塑性樹脂、可塑剤、合成ゴム、液状ゴムエラス
    トマーから選ばれる1種または2種以上
  4. 【請求項4】 熱硬化型制振樹脂組成物シートを金属成
    形体の少なくとも一面に載置して加熱し、熱融着した
    後、制振樹脂組成物シートを他の面に載置して加熱し、
    熱融着することを特徴とする制振構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記A、B、C化合物を必須成分とする
    ことを特徴とする構造部材用熱硬化型制振樹脂組成物。 A)エポキシ樹脂 B)硬化剤 C)熱可塑性樹脂、可塑剤、合成ゴム、液状ゴムエラス
    トマーから選ばれる1種または2種以上
  6. 【請求項6】 前記化合物が、A)エポキシ樹脂100
    重量部に対して、各々下記の含有量であることを特徴と
    する請求項1に記載された構造部材用熱硬化型制振樹脂
    組成物。 B)硬化剤 10〜80重量部 C)熱可塑性樹脂、可塑剤、合成ゴム、液状ゴムエスト
    ラマーから選ばれる1種または2種以上からなる成分
    50〜300重量部
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂が、アスファルト系化
    合物、石油樹脂、酢酸ビニル樹脂、変性酢酸ビニル樹
    脂、ポリビニルブチラール樹脂から選ばれる1種または
    2種以上の樹脂化合物であり、前記可塑剤がフタル酸エ
    ステル化合物あるいはりん酸エステル系化合物であり、
    前記液状ゴムエラストマーは、共役ジエン系のオリゴマ
    ー末端がカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基で
    ある官能基を有する化合物であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載された構造部材用熱硬化型制振樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載された構
    造部材用熱硬化型制振樹脂組成物により得られる樹脂層
    の一方の面に、該樹脂層より摩擦係数が小さい熱可塑性
    樹脂からなる第二層を設けたことを特徴とする構造部材
    用熱硬化型制振樹脂組成物複合シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005035287A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Boeing Co:The 複合積層構造および積層構造を製造する方法
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