JPH091572A - 積層体の製造装置 - Google Patents

積層体の製造装置

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JPH091572A
JPH091572A JP15497395A JP15497395A JPH091572A JP H091572 A JPH091572 A JP H091572A JP 15497395 A JP15497395 A JP 15497395A JP 15497395 A JP15497395 A JP 15497395A JP H091572 A JPH091572 A JP H091572A
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JP
Japan
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flow blocking
resin flow
skin material
resin
base material
Prior art date
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Application number
JP15497395A
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English (en)
Inventor
Kaneyoshi Komada
兼良 駒田
Yoshihiko Hiraiwa
良彦 平岩
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Araco Co Ltd
Original Assignee
Araco Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH091572A publication Critical patent/JPH091572A/ja
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の外周や開口部の端面を表皮材のはみ出
し部の巻き込みにより被覆が可能な積層体の製造装置で
あって、基材と表皮材が製造工程中に剥がれることがな
い製造装置を提供すること。 【構成】 両成形型40,41間で基材となる溶融樹脂
11meltと表皮材12とをプレスすることにより積層体
が成形される。樹脂流動阻止部材44,45はスプリン
グ51,52によって上型41の方向に付勢されてお
り、両成形型40,41のプレス工程では表皮材12を
介して上型41に当接し、プレスを終えて両成形型4
0,41が離間する工程では係止部材46,47によっ
てプレス完了時の位置に保持されている。表皮材12
は、このプレス工程の間に切断部44a,45aによっ
て切断されて基材の端面を被覆するはみ出し部が形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のドアトリム、車
両用内装材、屋内用内装材、車両用シートの外装材等に
使用される積層体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した用途に使用される積層体とし
て、所定形状に成形された樹脂系材料からなる基材に樹
脂層を被覆したものが知られている。このような積層体
の一例としては、ドアトリムの形状に形成された樹脂製
の基材にシート状の表皮材を接着剤で接着してなる自動
車用ドアトリムがあり、そのドアトリムの種類によって
はポケットやスピーカー等の付属品を組み付けることの
できる開口が設けられている。
【0003】このような構成のドアトリムを製造するに
はまず、図13(a)に示したように、所定の形状に成
形された基材91を真空成形型の下型100にセット
し、表面に適宜所定の意匠模様をつけてシート状に形成
された表皮材92を、その基材91の上に配設して上型
101と下型100との間でプレスすることによって接
着剤で基材91と表皮材92との接着一体化が行われ、
図13(b)に示した接合体が形成される。こうして両
部材91,92が一体化されたのち図13(c)に示さ
れているように、表皮材92の外周は基材91から幾分
はみ出たはみ出し部分92aが形成されるように切断さ
れ、またポケットを組み付けるための開口部Aが形成さ
れるように、基材91と表皮材92とが同時に切断され
る。
【0004】続いて図13(d)に示されているよう
に、基材91の端面91aは表皮材92の外周のはみ出
し部分92aを巻き込んで接着処理することによって、
また開口部Aの端面91bはガーニッシュ93等の別部
材を嵌着することによって露出しないように被覆され
る。このようにして表皮材92の端部や基材91の端面
91a,91bが外観より見えることのないように処理
されたドアトリムが形成される。
【0005】あるいはまた、図14(a)に示したよう
に、基材91が単体の状態で先ず開口部Aを形成してか
ら、図14(b)に示すように基材91を下型100に
セットし、上記同様の表皮材92を基材91の上に配設
して上型101と下型100との間でプレスすることに
よって基材91と表皮材92を一体的に接着して、図1
4(c)に示すような接合体を形成し、表皮材92の外
周部及び開口部Aの部分ははみ出し部分92a,92b
を残して切断される。次いで図14(d)に示すよう
に、基材91外周及び開口部A内周の端面91a,91
bに、表皮材92の各はみ出し部分92a,92bを巻
き込み接着することにより、表皮材92の端部や基材9
1の端面91a,91bが外観より見えることのないよ
うに処理されたドアトリムが形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のド
アトリムの製造方法においては、表皮材92と接着一体
化する基材91はあらかじめドアトリムの形状に成形し
ておかなくてはならず、したがって基材91を成形する
のための別個の装置及び工程が必要となる。また外周の
端部処理を行うためには表皮材92のはみ出し部分92
aを適当な長さに形成する工程、及びこのはみ出し部分
92aを基材91の端面91aを覆うように接着処理す
る工程などが必要になる。更にドアトリムのポケットの
組み付け用開口部Aを形成するためには、表皮材92と
基材91との切断工程、ガーニッシュ93の嵌着工程、
あるいは外周の端部処理と同様のはみ出し部分92bを
形成する工程及びこのはみ出し部分92bをの端面91
bを覆うように接着処理する工程なども行わなければな
らず、ドアトリムの製造の際の一連の製造装置及び製造
工程数が増加して複雑であるという問題点があった。
【0007】
【発明の目的】そこで本発明は上記の課題を解決するた
めになされたもので、基材を例えばドアトリムなどの形
状にあらかじめ成形することなく基材と表皮材を一体化
することができ、また基材の外周や開口部の端面を表皮
材のはみ出し部の巻き込みにより被覆が可能なドアトリ
ムなどの積層体を製造する装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに構成された本発明の積層体の製造装置は、基材の裏
側表面の形状に合わせた成形面を設けた基材側成形型
と、表皮材の表面の形状に合わせた成形面を設けた表皮
材側成形型と、前記両成形型間に前記基材となる溶融樹
脂系材料を供給する供給手段とからなり、前記両成形型
を重合して同両成形型間で前記表皮材とこの表皮材の裏
面側に供給された前記溶融樹脂系材料を成形して同溶融
樹脂系材料を硬化させることによって、前記基材の一側
面が前記表皮材で全面的に被覆されかつ前記基材の端面
が前記表皮材のはみ出し部の巻き込みにより被覆が可能
な積層体を製造する装置であって、その特徴は、前記基
材側成形型の成形面に前記表皮材側成形型に向かって進
退可能に組み付けられ前記両成形型の重合時に前記表皮
材の所定の箇所に当接して前記溶融樹脂系材料が前記所
定の箇所に流れるのを阻止する樹脂流動阻止部材と、前
記樹脂流動阻止部材の進退位置を調節する位置調節手段
と、前記両成形型の重合課程において前記両成形型が重
合する途中から前記両成形型が完全に重合するまでは前
記樹脂流動阻止部材が前記所定の箇所の表皮材に当接す
るようにかつ前記両成形型間が完全に重合した後の前記
両成形型の離間課程においては前記表皮材と前記溶融樹
脂系材料とが前記両成形型の重合時の形状に維持される
位置に前記樹脂流動阻止部材が保持されるように前記位
置調節手段を制御する制御手段とを設けたことにある。
【0009】そしてこのように構成された積層体の製造
装置の第1番目の形態では、前記位置調節手段として前
記樹脂流動阻止部材に連結した第1駆動手段を採用し、
かつ前記制御手段として前記第1駆動手段を制御する第
1制御手段を採用することができる。
【0010】また上記のように構成された積層体の製造
装置の第2番目の形態では、前記樹脂流動阻止部材とし
て前記表皮材側成形型に向かって付勢された部材を採用
するとともに、前記位置調節手段を前記樹脂流動阻止部
材の付勢力に抗して同樹脂流動阻止部材を係止して同樹
脂流動阻止部材を前記両成形型の重合時の位置に保持で
きる係止部材とこの係止部材を駆動する第2駆動手段と
で構成し、更に前記制御手段として前記両成形型の重合
課程において前記両成形型が重合する途中から前記両成
形型が完全に重合するまでは前記係止部材による前記樹
脂流動阻止部材の係止を解除させかつ前記両成形型間が
完全に重合した後の前記両成形型の離間課程においては
前記樹脂流動阻止部材を前記両成形型の重合時の位置に
保持すべく前記係止部材による前記樹脂流動阻止部材の
係止を行わせるように前記第2駆動手段を制御する第2
制御手段を採用することができる。
【0011】更に上記のように構成された積層体の製造
装置の第3番目の形態では、前記樹脂流動阻止部材とし
て前記表皮材側成形型に向かって付勢された部材を採用
するとともに、前記位置調節手段を前記表皮材側成形型
の成形面の前記樹脂流動阻止部材に対向する位置に前記
基材側成形型に向かって進退可能に組み付けられ前記樹
脂流動阻止部材を押圧する押圧部材とこの押圧部材を進
退させる第3駆動手段とで構成し、更に前記制御手段と
して前記両成形型の重合課程において前記両成形型が重
合する途中から前記両成形型が完全に重合するまでは前
記押圧部材による前記樹脂流動阻止部材の押圧を解除さ
せかつ前記両成形型間が完全に重合した後の前記両成形
型の離間課程においては前記表皮材と前記溶融樹脂系材
料とが前記両成形型の重合時の形状に維持される位置に
前記樹脂流動阻止部材を保持すべく前記押圧部材による
前記樹脂流動阻止部材の押圧を行わせるように前記第3
駆動手段を制御する第3制御手段を採用することができ
る。
【0012】そして上記のように構成された積層体の製
造装置において、前記樹脂流動阻止部材及び前記樹脂流
動阻止部材が対向する前記表皮材側成形型の少なくとも
一方に、前記溶融樹脂系材料の流動が阻止されて同溶融
樹脂系材料が硬化した後で前記基材の端面となる部分か
ら前記基材の延長方向に所定の距離だけ離れた位置で前
記両成形型の重合時に前記表皮材を切断する切断部を設
けて、両成形型の重合と同時に基材の端面を被覆するた
めの表皮材のはみ出し部を形成できるように構成するこ
とが好ましい。
【0013】
【発明の作用・効果】このように構成された本発明の積
層体の製造装置を用いて積層体を製造する場合にはま
ず、両成形型の間にセットされた表皮材とこの表皮材の
裏面側に供給手段によって供給された基材となる溶融樹
脂系材料とをプレスすべく両成形型が近づけられる。こ
の両成形型を近づける工程の途中から完全に両成形型が
重合するまでの間、制御手段は位置調節手段を制御して
基材側成形型の成形面に組み付けられた樹脂流動阻止部
材を表皮材の所定の箇所に当接させ、溶融樹脂系材料が
その所定の箇所に流れないようにする。したがって、か
りにこのように表皮材と当接すつ樹脂流動阻止部材が設
けられていないと重合工程の途中で溶融樹脂系材料が表
皮材の所定の箇所にも流れ、この所定の箇所の表皮材の
裏面に基材を構成する樹脂系材料からなるバリが形成さ
れるが、本発明においては樹脂流動阻止部材が設けられ
ているため溶融樹脂系材料は所定の箇所に流れることが
なく、このようなバリは形成されない。このようにして
溶融樹脂系材料は両成形型間で表皮材の所定の箇所を除
く全面に押し広げられて積層体が成形される。
【0014】上述したように積層体が成形されたのち両
成形型を離間させる課程においては、制御手段は位置調
節手段を制御して樹脂流動阻止部材を両成形型が重合し
ていた時と同じ位置関係に表皮材と溶融樹脂系材料とが
維持されるようにその位置を保持する。したがってかり
に、樹脂流動阻止部材が両成形型が重合していた時と同
じ位置関係に表皮材と溶融樹脂系材料とを維持させる位
置に保持されていない場合、即ち樹脂流動阻止部材が基
材を貫通して突出している場合には同樹脂流動阻止部材
が所定の箇所の表皮材を押し上げるため表皮材と基材と
をはがしてしまう可能性があるが、本発明においては表
皮材と溶融樹脂系材料とが両成形型の重合時の位置関係
の維持を妨げないような位置に樹脂流動阻止部材が保持
されているため、表皮材と基材とのはがれを招くことは
ない。
【0015】こうして製造された積層体はその後、表皮
材の所定の箇所を切断してはみ出し部を形成する工程、
及びそのはみ出し部を巻き込んで基材の端面を被覆する
工程を行うことによって、表皮材の端部がはみ出したり
基材の端面が露出したりすることのないように後処理が
なされる。
【0016】このように本発明の製造装置によれば、基
材をあらかじめ成形することなく基材と表皮材とを一体
化することができ、また基材の外周や開口部の端面を表
皮材のはみ出し部を巻き込むことで被覆を行うことので
きる積層体を簡単に製造することができる。
【0017】そして本発明の第1番目の形態では、樹脂
流動阻止部材の位置調節は、この樹脂流動阻止部材に連
結された第1駆動手段を第1制御手段によって制御する
ことによって行われる。
【0018】また本発明の第2番目の形態では、樹脂流
動阻止部材として表皮材側成形型に向かって付勢された
部材を採用し、その樹脂流動阻止部材の位置調節はその
樹脂流動阻止部材の付勢力に抗して同樹脂流動阻止部材
を係止する係止部材を用いて行われる。この係止部材は
第2制御手段の制御の下で第2駆動手段が駆動すること
により、両成形型の重合課程において両成形型が重合す
る途中から両成形型が完全に重合するまでは樹脂流動阻
止部材との係止を解除するように、また両成形型間が完
全に重合した後の前記両成形型の離間課程においては両
成形型の重合時の位置に樹脂流動阻止部材を保持させる
べく樹脂流動阻止部材との係止を行うように位置づけら
れる。
【0019】また本発明の第3番目の形態では、樹脂流
動阻止部材として表皮材側成形型に向かって付勢された
部材を採用し、その樹脂流動阻止部材の位置調節は表皮
材側成形型の成形面における樹脂流動阻止部材に対向す
る位置に基材側成形型に向かって進退可能に組み付けら
れた押圧部材で前記の樹脂流動阻止部材を押圧すること
によって行われる。この押圧部材は第3制御手段の制御
の下で第3駆動手段が駆動することにより進退し、両成
形型の重合課程において両成形型が重合する途中から前
記両成形型が完全に重合するまでは樹脂流動阻止部材の
押圧を解除するように、また両成形型間が完全に重合し
た後の前記両成形型の離間課程においては表皮材と溶融
樹脂系材料とが両成形型の重合時の形状に維持される位
置に樹脂流動阻止部材を保持させるべく樹脂流動阻止部
材の押圧を行うように位置づけられる。
【0020】そしてこのように構成された積層体の製造
装置において、樹脂流動阻止部材及び前記樹脂流動阻止
部材が対向する表皮材側成形型の少なくとも一方に、溶
融樹脂系材料の流動が阻止されて同溶融樹脂系材料が硬
化した後で基材の端面となる部分からその基材の延長方
向に所定の距離だけ離れた位置で両成形型の重合時に前
記表皮材を切断する切断部を設けておけば、両成形型の
重合と同時に基材の端面を被覆するための表皮材のはみ
出し部を形成することができ、後処理(表皮材のはみ出
し部を巻き込んで基材の端面を被覆する処理)を更に簡
略化することができる。
【0021】
【実施例】本発明の積層体の製造装置の実施例として車
両用ドアトリムを後処理で製造することのできる積層体
の製造装置(第1〜3実施例)を採用し、以下にそれら
の各装置を図面を用いて説明する。
【0022】この実施例の製造装置によって製造される
積層体は、図1及び図2に示すような自動車用のドアト
リム10を製造するための積層体10aである。このド
アトリム10はドアトリムの形状に形成されたポリプロ
ピレン樹脂製の基材11と、この基材11の表側表面を
全面的に被覆するポリプロピレン樹脂製の表皮材12と
で構成され、必要に応じてこの表皮材12の一部分がオ
ーナメント13で装飾されている。このドアトリム10
にはポケットの背面部を貫通させる位置に開口部10h
が穿孔されている。
【0023】このような構成のドアトリム製造用の積層
体10aを製造するのに用いられる第1実施例の製造装
置が図3〜図5に示されており、同装置は、ドアトリム
の裏側表面の形状に合わせた成形面20aが形成された
下型20(本発明の基材側成形型に相当する。)と、ド
アトリムの表面の形状に合わせた成形面21aが形成さ
れた上型21(本発明の表皮材側成形型に相当する。)
と、下型20の内部に形成された樹脂通路20bを経て
成形面20aに基材となる溶融樹脂11meltを供給する
注入装置22(本発明の供給手段に相当する。)とを備
えている。なお樹脂通路20bの周りには、同通路20
bの内部を通過する溶融樹脂11meltが冷却して硬化し
ないようにヒータ23が配設されている。
【0024】この下型20の成形面20aの外周部及び
ポケットを取り付ける開口部に対応するそれぞれの箇所
には、上型21に向かって進退可能に樹脂流動阻止部材
24,25が組み付けられている。これらの樹脂流動阻
止部材24,25はそれぞれ連結ロッド26,27を介
して連動部材28に連結されており、駆動機構(29:
本発明の第1駆動手段に相当する)の動作によりその進
退位置が変化する。そして制御回路(30:本発明の第
1制御手段に相当する)によってこの駆動機構29と上
型21、注入装置22、及び表皮材12の供給機構(図
示しない)の動作が制御される。なおこれらの樹脂流動
阻止部材24,25の上面には、後で詳細に説明するよ
うに、両成形型20,21を重合した際に表皮材12を
切断して基材11の端面11a,11bを被覆するため
のはみ出し部12a,12bを形成するための切断部2
4a,25aが設けられている。
【0025】この第1実施例の製造装置を用いてドアト
リム製造用の積層体10aを製造するにあたってはま
ず、両成形型20,21の温度を約50〜60℃に維持
するとともに、制御回路30が駆動機構29を駆動して
図3に示されているように樹脂流動阻止部材24,25
を成形面20aよりも充分に突出させ、かつ表皮材供給
機構(図示しない)を駆動して両成形型20,21の間
にポリプロピレン樹脂をシート状に成形した表皮材12
を配設させ、更に注入装置22を制御して下型20の成
形面20aにポリプロピレン樹脂11meltを溶融状態
(180℃〜200℃)で供給させる。
【0026】次に制御回路30が上型21を下型20に
近づけるように制御して、樹脂流動阻止部材24,25
を表皮材12を介して上型21の成形面21aに当接さ
せる。この当接状態において樹脂流動阻止部材24の上
面に設けられた切断部24a,25aが表皮材12を切
断する。続いて制御回路30が上型21と駆動機構29
とを制御することにより上型21と樹脂流動阻止部材2
4,25が一体的に下降し、下型20との間で溶融ポリ
プロピレン樹脂11meltが表皮材12の裏面全面に押し
広げられる。この時ドアトリムの外周部及びポケットを
取り付ける開口部10hに向かう溶融ポリプロピレン樹
脂11meltのそれぞれの流れは、樹脂流動阻止部材2
4,25によって完全に阻止される。そして図4に示す
ように上型21が下型20に完全に重合するまで上型2
1に樹脂流動阻止部材24,25が当接したまま同時に
下降すると、押し広げられた溶融ポリプロピレン樹脂1
1meltは表皮材12のポリプロピレン樹脂と溶着してそ
のまま硬化してドアトリム10製造用の積層体10aが
形成される。
【0027】このようにかりに樹脂流動阻止部材24,
25が設けられていないと、重合工程の途中で溶融ポリ
プロピレン樹脂11meltが下型20の成形面20aの上
をドアトリム10の外周部及び開口部10hに流れ、表
皮材12と下型20の間に基材11を構成するポリプロ
ピレン樹脂からなるバリが形成されるが、この第1実施
例の装置には樹脂流動阻止部材24,25が設けられて
いるため溶融ポリプロピレン樹脂11meltは外周部及び
開口部10hに流れることがなく、このようなバリは形
成されない。またこの第1実施例の製造装置の樹脂流動
阻止部材24,25には切断部24a,25aが設けら
れているため、樹脂流動阻止部材24,25が表皮材1
2を介して上型21に当接した際にこの切断部24a,
25aが表皮材12を切断し、よって簡単に基材11の
端面11a,11bを被覆するためのはみ出し部12
a,12bを形成することができる。こうして従来の製
造装置においては必須であった基材の成形工程を行う必
要がないばかりか、基材の外周端面11aや開口部の端
面11bを、上記従来の基材に表皮材を接着して一体化
する製造方法(図13参照)において必要であった基材
と表皮材とを切断して開口部を形成するとともに表皮材
の外周端末を基材から幾分はみ出るように切断する工程
(図13(b)参照)、及びドアトリム開口部の基材及
び表皮材の端面を被覆するためにガーニッシュを取り付
けたり、基材の外周端面を被覆するために表皮材のはみ
出し部分で基材の端部を巻き込むように被覆する工程
(図13(d)参照)を行うことなく表皮材12で覆う
ことができる。
【0028】次に上述のように両成形型20,21間で
成形された積層体10aを両成形型20,21より取り
外すために、制御回路30が上型21を上昇させる。こ
の際積層体10aは下型20に保持されたままになって
いる。これは基材11を構成する溶融ポリプロピレン樹
脂11meltと下型20の成形面20aとの結合強度(剥
がれにくさ)の方が、表皮材12と上型21の成形面2
1aとの結合強度よりも大きいためである。この上型2
1の上昇時に制御回路30は、樹脂流動阻止部材24,
25を前述した両成形型20,21の重合時の位置に保
持させるべく駆動機構29を動かさない。そして成形さ
れた積層体10aは基材11が完全に冷却硬化してから
下型20から取り外される。
【0029】したがって、基材11が完全に硬化する前
に表皮材12が樹脂流動阻止部材24,25の上昇によ
って押し上げられることがないため、表皮材12が基材
11から剥がれることがなく、よって一様に表皮材12
と基材11とが接合された見栄えのよい積層体10aを
製造することができる。
【0030】図6(a)には、このようにして製造され
た積層体10aが示されており、これを図6(b)に示
すような後処理、即ち基材11の外周端面11aと開口
部の端面11bをそれぞれ表皮材12のはみ出し部12
a,12bで巻き込んで被覆処理すれば図1及び図2に
示されたドアトリム10を造ることができる。
【0031】次に図1及び図2に示したドアトリム10
を製造するための積層体10aを製造するのに用いられ
る第2実施例の製造装置が図7〜図9に示されており、
同装置は、ドアトリムの裏側表面の形状に合わせた成形
面40aが形成された下型40(本発明の基材側成形型
に相当する。)と、ドアトリムの表面の形状に合わせた
成形面41aが形成された上型41(本発明の表皮材側
成形型に相当する。)と、下型40の内部に形成された
樹脂通路40bを経て成形面40aに基材となる溶融樹
脂11meltを供給する注入装置42(本発明の供給手段
に相当する。)とを備えている。なお樹脂通路40bの
周りには、同通路40bの内部を通過する溶融樹脂11
meltが冷却して硬化しないようにヒータ43が配設され
ている。
【0032】この下型40の成形面40aの外周部及び
ポケットを取り付ける開口部に対応するそれぞれの箇所
には、樹脂流動阻止部材44,45がそれぞれスプリン
グ51,52によって上型41に向かって付勢されて組
み付けられている。これらの樹脂流動阻止部材44,4
5の側壁にはそれぞれ係止凹部44b,45bが設けら
れており、係止部材46,47の係止部46a,47a
がこれらの係止凹部44b,45bに係止して樹脂流動
阻止部材44,45の上方への付勢力に対抗できるよう
に構成されている。係止部材46,47の下部は連動部
材48に連結されており、駆動機構(49:本発明の第
2駆動手段に相当する)の動作により係止部材46,4
7の位置が変化する。そして制御回路(50:本発明の
第2制御手段に相当する)によってこの駆動機構49と
上型41、注入装置42、及び表皮材12の供給機構
(図示しない)の動作が制御される。なおこれらの樹脂
流動阻止部材44,45の上面には、後で詳細に説明す
るように、両成形型40,41を重合した際に表皮材1
2を切断して基材11の端面11a,11bを被覆する
ためのはみ出し部12a,12bを形成するための切断
部44a,45aが設けられている。
【0033】この第2実施例の製造装置を用いてドアト
リム製造用の積層体10aを製造するにあたってはま
ず、両成形型40,41の温度を約50〜60℃に維持
するとともに、制御回路50が駆動機構49を駆動して
図7に示されているように係止部材46,47の係止部
46a,47aが樹脂流動阻止部材44,45の係止凹
部44b,45bからはずれる位置におく。これにより
樹脂流動阻止部材44,45は、スプリング51,52
の付勢力によって成形面40aよりも充分に突出する。
更に制御回路50は表皮材供給機構(図示しない)を駆
動して両成形型40,41の間にポリプロピレン樹脂を
シート状に成形した表皮材12を配設させ、また注入装
置42を制御して下型40の成形面40aにポリプロピ
レン樹脂11meltを溶融状態(180℃〜200℃)で
供給させる。
【0034】次に制御回路50が上型41を下型40に
近づけるように制御して、樹脂流動阻止部材44,45
を表皮材12を介して上型41の成形面41aに当接さ
せる。更に制御回路50が上型41を下降させるにつれ
て樹脂流動阻止部材24,25はスプリング51,52
を押し縮めながら下降する。この時ドアトリムの外周部
及びポケットを取り付ける開口部10hに向かう溶融ポ
リプロピレン樹脂11meltのそれぞれの流れは、樹脂流
動阻止部材44,45によって阻止されており、上型4
1を図8に示す完全重合状態まで下降させたところで溶
融ポリプロピレン樹脂11meltは表皮材12の裏面全面
に押し広げられる。そしてこれと同時に表皮材12は、
樹脂流動阻止部材44の上面に設けられた切断部44
a,45aによって切断されて基材11の端面11a,
11bを被覆するためのはみ出し部12a,12bを形
成する。押し広げられた溶融ポリプロピレン樹脂11me
ltは表皮材12のポリプロピレン樹脂と溶着してそのま
ま硬化してドアトリム10製造用の積層体10aが形成
される。
【0035】このようにかりに樹脂流動阻止部材44,
45が設けられていないと、重合工程の途中で溶融ポリ
プロピレン樹脂11meltが下型40の成形面40aの上
をドアトリム10の外周部及び開口部10hに流れ、表
皮材12と下型20の間に基材11を構成するポリプロ
ピレン樹脂からなるバリが形成されるが、この第2実施
例の装置には樹脂流動阻止部材44,45が設けられて
いるため溶融ポリプロピレン樹脂11meltは外周部及び
開口部10hに流れることがなく、このようなバリは形
成されない。またこの第2実施例の製造装置の樹脂流動
阻止部材44,45には切断部44a,45aが設けら
れているため、樹脂流動阻止部材44,45が表皮材1
2を介して上型41に当接して両成形型40,41が完
全に重合するまでにこの切断部44a,45aが表皮材
12を切断し、簡単に基材11の端面11a,11bを
被覆するためのはみ出し部12a,12bを形成するこ
とができる。こうして従来の製造装置においては必須で
あった基材の成形工程を行う必要がないばかりか、基材
の外周端面11aや開口部の端面11bを、上記従来の
基材に表皮材を接着して一体化する製造方法(図13参
照)において必要であった基材と表皮材とを切断して開
口部を形成するとともに表皮材の外周端末を基材から幾
分はみ出るように切断する工程(図13(b)参照)、
及びドアトリム開口部の基材及び表皮材の端面を被覆す
るためにガーニッシュを取り付けたり、基材の外周端面
を被覆するために表皮材のはみ出し部分で基材の端部を
巻き込むように被覆する工程(図13(d)参照)を行
うことなく表皮材12で覆うことができる。
【0036】そして上述したような両成形型40,41
の完全重合状態で制御回路50は駆動機構49を制御し
て、係止部材46,47の係止部46a,47aを樹脂
流動阻止部材44,45の係止凹部44b,45bに係
合させる。このように樹脂流動阻止部材44,45の位
置を保持させてから図9に示されているように、両成形
型40,41間で成形された積層体10aを両成形型4
0,41より取り外すべく制御回路50が上型41を上
昇させる。この際積層体10aは下型40に保持された
ままになっている。これは基材11を構成する溶融ポリ
プロピレン樹脂11meltと下型40の成形面40aとの
結合強度(剥がれにくさ)の方が、表皮材12と上型4
1の成形面41aとの剥がれにくさよりも大きいためで
ある。そして成形された積層体10aは基材11が完全
に冷却硬化してから下型40から取り外される。
【0037】したがって、基材11が完全に硬化する前
に表皮材12が樹脂流動阻止部材44,45の上昇によ
って押し上げられることがないため、表皮材12が基材
11から剥がれることがなく、よって一様に表皮材12
と基材11とが接合された見栄えのよい積層体10aを
製造することができる。こうして製造された積層体10
aは、図6に示した前述の後処理を行うことによって図
1及び図2に示されたドアトリム10となる。
【0038】次に図1及び図2に示したドアトリム10
を製造するための積層体10aを製造するのに用いられ
る第3実施例の製造装置が図10〜図12に示されてお
り、同装置は、ドアトリムの裏側表面の形状に合わせた
成形面60aが形成された下型60(本発明の基材側成
形型に相当する。)と、ドアトリムの表面の形状に合わ
せた成形面61aが形成された上型61(本発明の表皮
材側成形型に相当する。)と、下型60の内部に形成さ
れた樹脂通路60bを経て成形面60aに基材となる溶
融樹脂11meltを供給する注入装置62(本発明の供給
手段に相当する。)とを備えている。なお樹脂通路60
bの周りには、同通路60bの内部を通過する溶融樹脂
11meltが冷却して硬化しないようにヒータ63が配設
されている。
【0039】この下型60の成形面60aの外周部及び
ポケットを取り付ける開口部に対応するそれぞれの箇所
には、樹脂流動阻止部材64,65がそれぞれスプリン
グ71,72によって上型61に向かって付勢されて組
み付けられている。一方上型61の成形面61aにおけ
るこれらの樹脂流動阻止部材64,65に対向する位置
には、下型60に向かって進退可能にそれぞれ押圧部材
66,67が組み付けられている。これらの押圧部材6
6,67の上部は連動部材68に連結されており、駆動
機構(69:本発明の第3駆動手段に相当する)の動作
により押圧部材66,67の進退位置が変化して、進出
状態で樹脂流動阻止部材64,65を押圧し、樹脂流動
阻止部材64,65の上方への付勢力に対抗できるよう
に構成されている。そして制御回路(70:本発明の第
3制御手段に相当する)によってこの駆動機構69と上
型61、注入装置62、及び表皮材12の供給機構(図
示しない)の動作が制御される。なおこれらの樹脂流動
阻止部材64,65の上面には、後で詳細に説明するよ
うに、両成形型60,61を重合した際に表皮材12を
切断して基材11の端面11a,11bを被覆するため
のはみ出し部12a,12bを形成するための切断部6
4a,65aが設けられている。
【0040】この第3実施例の製造装置を用いてドアト
リム製造用の積層体10aを製造するにあたってはま
ず、両成形型60,61の温度を約50〜60℃に維持
するとともに、制御回路70が駆動機構69を駆動して
図10に示されているように押圧部材66,67を上型
61の内部に充分に後退させておく。これにより樹脂流
動阻止部材64,65は、スプリング71,72の付勢
力によって成形面60aよりも充分に突出する。更に制
御回路70は表皮材供給機構(図示しない)を駆動して
両成形型60,61の間にポリプロピレン樹脂をシート
状に成形した表皮材12を配設させ、また注入装置62
を制御して下型60の成形面60aにポリプロピレン樹
脂11meltを溶融状態(180℃〜200℃)で供給さ
せる。
【0041】次に制御回路70が上型61を下型60に
近づけるように制御して、樹脂流動阻止部材64,65
を表皮材12を介して上型61の成形面61aに当接さ
せる。更に制御回路70が上型61を下降させるにつれ
て樹脂流動阻止部材64,65はスプリング71,72
を押し縮めながら下降する。この時ドアトリムの外周部
及びポケットを取り付ける開口部10hに向かう溶融ポ
リプロピレン樹脂11meltのそれぞれの流れは、樹脂流
動阻止部材64,65によって阻止されており、上型6
1を図11に示す完全重合状態まで下降させたところで
溶融ポリプロピレン樹脂11meltは表皮材12の裏面全
面に押し広げられる。そしてこれと同時に表皮材12
は、樹脂流動阻止部材64の上面に設けられた切断部6
4a,65aによって切断されて基材11の端面11
a,11bを被覆するためのはみ出し部12a,12b
を形成する。押し広げられた溶融ポリプロピレン樹脂1
1meltは表皮材12のポリプロピレン樹脂と溶着してそ
のまま硬化してドアトリム10製造用の積層体10aが
形成される。
【0042】このようにかりに樹脂流動阻止部材64,
65が設けられていないと、重合工程の途中で溶融ポリ
プロピレン樹脂11meltが下型60の成形面60aの上
をドアトリム10の外周部及び開口部10hに流れ、表
皮材12と下型60の間に基材11を構成するポリプロ
ピレン樹脂からなるバリが形成されるが、この第3実施
例の装置には樹脂流動阻止部材64,65が設けられて
いるため溶融ポリプロピレン樹脂11meltは外周部及び
開口部10hに流れることがなく、このようなバリは形
成されない。またこの第3実施例の製造装置の樹脂流動
阻止部材64,65には切断部64a,65aが設けら
れているため、樹脂流動阻止部材64,65が表皮材1
2を介して上型61に当接して両成形型60,61が完
全に重合するまでにこの切断部64a,65aが表皮材
12を切断し、簡単に基材11の端面11a,11bを
被覆するためのはみ出し部12a,12bを形成するこ
とができる。こうして従来の製造装置においては必須で
あった基材の成形工程を行う必要がないばかりか、基材
の外周端面11aや開口部の端面11bを、上記従来の
基材に表皮材を接着して一体化する製造方法(図13参
照)において必要であった基材と表皮材とを切断して開
口部を形成するとともに表皮材の外周端末を基材から幾
分はみ出るように切断する工程(図13(b)参照)、
及びドアトリム開口部の基材及び表皮材の端面を被覆す
るためにガーニッシュを取り付けたり、基材の外周端面
を被覆するために表皮材のはみ出し部分で基材の端部を
巻き込むように被覆する工程(図13(d)参照)を行
うことなく表皮材12で覆うことができる。
【0043】次に上述のように両成形型60,61間で
成形された積層体10aを両成形型60,61より取り
外すために、図12に示されているように、制御回路7
0が上型61を上昇させると同時に駆動機構69を制御
して押圧部材66,67を上型61の成形面61aより
進出させ、樹脂流動阻止部材64,65の下型60の成
形面60aからの進出位置を変えないように押圧部材6
6,67に同樹脂流動阻止部材64,65を押圧させ
る。この際積層体10aは下型60に保持されたままに
なっている。これは基材11を構成する溶融ポリプロピ
レン樹脂11meltと下型60の成形面60aとの結合強
度(剥がれにくさ)の方が、表皮材12と上型61の成
形面61aとの剥がれにくさよりも大きいためである。
そして成形された積層体10aは基材11が完全に冷却
硬化してから下型60から取り外される。
【0044】したがって、基材11が完全に硬化する前
に表皮材12が樹脂流動阻止部材64,65の上昇によ
って押し上げられることがないため、表皮材12が基材
11から剥がれることがなく、よって一様に表皮材12
と基材11とが接合された見栄えのよい積層体10aを
製造することができる。こうして製造された積層体10
aは、図6に示した前述の後処理を行うことによって図
1及び図2に示されたドアトリム10となる。
【0045】なお、上記第1〜第3実施例の製造装置に
おいては溶融樹脂12meltを下型20,40,60の成
形面20a,40a,60aに供給する供給手段として
樹脂通路20b,40b,60bに溶融樹脂12meltを
注入する注入装置22,42,62を用いたが、下型2
0,40,60の成形面20a,40a,60a上に直
接溶融樹脂12meltを吐出する吐出装置を採用してもよ
い。
【0046】また上述の第1〜第3実施例の製造装置
は、樹脂流動阻止部材24,25,44,45,64,
65の上面に表皮材12の切断部24a,25a,44
a,45a,64a,65aが設けられているため、重
合工程を経ることで表皮材12が切断されて基材11の
端面11a,11bを被覆するはみ出し部12a,12
bがあらかじめ形成された積層体10aを製造するため
の装置であるが、本発明の他の実施例として、表皮材の
切断部が設けられていない樹脂流動阻止部材を用い、表
皮材が切断されていない積層体を製造する製造装置とし
てもよい。なおこの際は後工程で表皮材12の切断を行
ってはみ出し部12a,12bを形成すればよい。
【0047】またこれらの第1〜第3実施例の製造装置
によるドアトリムの製造の説明においては基材11とし
てポリプロピレン樹脂を用いたが、ABS樹脂などの熱
可塑性樹脂を用いてもよい。また、このような熱可塑性
樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止のための導電剤
などを添加して用いることもできる。
【0048】また上述の第1〜第3実施例の製造装置を
用いてドアトリムを製造する際の説明では、表皮材12
としてポリプロピレン樹脂を用いたが、他のオレフィン
樹脂、例えば塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、A
SA樹脂等の熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上
を配合して用いてもよい。また、表皮材に光沢を付与す
る光沢付与剤や、難燃剤などを添加することも、出来上
り製品の見栄えや性能等を考慮して適宜行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる積層体の製造装置によって製
造されるドアトリムの斜視図である。
【図2】 図1における線2−2で切断した縦断面図で
ある。
【図3】 本発明にかかる第1実施例のドアトリム製造
用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて積
層体を製造する際の一工程を説明するための図である。
【図4】 本発明にかかる第1実施例のドアトリム製造
用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて積
層体を製造する際の図3に続く一工程を説明するための
図である。
【図5】 本発明にかかる第1実施例のドアトリム製造
用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて積
層体を製造する際の図4に続く一工程を説明するための
図である。
【図6】 (a)は、本発明にかかる第1実施例の製造
装置で製造されたドアトリム製造用積層体の断面図であ
り、(b)は、同ドアトリム製造用積層体の後処理工程
を説明するための断面図である。
【図7】 本発明にかかる第2実施例のドアトリム製造
用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて積
層体を製造する際の一工程を説明するための図である。
【図8】 本発明にかかる第2実施例のドアトリム製造
用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて積
層体を製造する際の図7に続く一工程を説明するための
図である。
【図9】 本発明にかかる第2実施例のドアトリム製造
用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて積
層体を製造する際の図8に続く一工程を説明するための
図である。
【図10】 本発明にかかる第3実施例のドアトリム製
造用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて
積層体を製造する際の一工程を説明するための図であ
る。
【図11】 本発明にかかる第3実施例のドアトリム製
造用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて
積層体を製造する際の図10に続く一工程を説明するた
めの図である。
【図12】 本発明にかかる第3実施例のドアトリム製
造用積層体の製造装置の断面図であり、同装置を用いて
積層体を製造する際の図11に続く一工程を説明するた
めの図である。
【図13】 (a),(b),(c)及び(d)は従来
のドアトリムの製造装置を用いてドアトリムを製造する
方法を説明するための工程図である。
【図14】 (a),(b),(c)及び(d)は図1
3とは別の従来のドアトリムを製造する方法を説明する
ための工程図である。
【符号の説明】
10…ドアトリム、10h…開口部、11…基材、11
melt…溶融樹脂、11a,11b…端面、12…表皮
材、12a,12b…はみ出し部、20,40,60…
下型、21,41,61…上型、20a,21a,40
a,41a,60a,61a…成形面、22,42,6
2…注入装置、24,25,44,45,64,65…
樹脂流動阻止部材、24a,25a,44a,45a,
64a,65a…切断部、28,48,68…連動部
材、29,49,69…駆動機構、30,50,70…
制御回路、44b,45b…係止凹部、46,47…係
止部材、66,67…押圧部材、51,52,71,7
2…スプリング。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の裏側表面の形状に合わせた成形面
    を設けた基材側成形型と、表皮材の表面の形状に合わせ
    た成形面を設けた表皮材側成形型と、前記両成形型間に
    前記基材となる溶融樹脂系材料を供給する供給手段とか
    らなり、前記両成形型を重合して同両成形型間で前記表
    皮材とこの表皮材の裏面側に供給された前記溶融樹脂系
    材料を成形して同溶融樹脂系材料を硬化させることによ
    って、前記基材の一側面が前記表皮材で全面的に被覆さ
    れかつ前記基材の端面が前記表皮材のはみ出し部の巻き
    込みにより被覆が可能な積層体を製造する装置であっ
    て、この製造装置が、 前記基材側成形型の成形面に前記表皮材側成形型に向か
    って進退可能に組み付けられ前記両成形型の重合時に前
    記表皮材の所定の箇所に当接して前記溶融樹脂系材料が
    前記所定の箇所に流れるのを阻止する樹脂流動阻止部材
    と、 前記樹脂流動阻止部材の進退位置を調節する位置調節手
    段と、 前記両成形型の重合課程において前記両成形型が重合す
    る途中から前記両成形型が完全に重合するまでは前記樹
    脂流動阻止部材が前記所定の箇所の表皮材に当接するよ
    うにかつ前記両成形型間が完全に重合した後の前記両成
    形型の離間課程においては前記表皮材と前記溶融樹脂系
    材料とが前記両成形型の重合時の形状に維持される位置
    に前記樹脂流動阻止部材が保持されるように前記位置調
    節手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする
    積層体の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記位置調節手段が、前記樹脂流動阻止
    部材に連結した第1駆動手段であり、かつ前記制御手段
    が前記第1駆動手段を制御する第1制御手段であること
    を特徴とする請求項1に記載の積層体の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記樹脂流動阻止部材が前記表皮材側成
    形型に向かって付勢された部材であり、かつ前記位置調
    節手段が前記樹脂流動阻止部材の付勢力に抗して同樹脂
    流動阻止部材を係止して同樹脂流動阻止部材を前記両成
    形型の重合時の位置に保持できる係止部材とこの係止部
    材を駆動する第2駆動手段とからなり、かつ前記制御手
    段が前記両成形型の重合課程において前記両成形型が重
    合する途中から前記両成形型が完全に重合するまでは前
    記係止部材による前記樹脂流動阻止部材の係止を解除さ
    せかつ前記両成形型間が完全に重合した後の前記両成形
    型の離間課程においては前記樹脂流動阻止部材を前記両
    成形型の重合時の位置に保持すべく前記係止部材による
    前記樹脂流動阻止部材の係止を行わせるように前記第2
    駆動手段を制御する第2制御手段であることを特徴とす
    る請求項1に記載の積層体の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記樹脂流動阻止部材が前記表皮材側成
    形型に向かって付勢された部材であり、かつ前記位置調
    節手段が前記表皮材側成形型の成形面の前記樹脂流動阻
    止部材に対向する位置に前記基材側成形型に向かって進
    退可能に組み付けられ前記樹脂流動阻止部材を押圧する
    押圧部材とこの押圧部材を進退させる第3駆動手段とか
    らなり、かつ前記制御手段が前記両成形型の重合課程に
    おいて前記両成形型が重合する途中から前記両成形型が
    完全に重合するまでは前記押圧部材による前記樹脂流動
    阻止部材の押圧を解除させかつ前記両成形型間が完全に
    重合した後の前記両成形型の離間課程においては前記表
    皮材と前記溶融樹脂系材料とが前記両成形型の重合時の
    形状に維持される位置に前記樹脂流動阻止部材を保持す
    べく前記押圧部材による前記樹脂流動阻止部材の押圧を
    行わせるように前記第3駆動手段を制御する第3制御手
    段であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記樹脂流動阻止部材及び前記樹脂流動
    阻止部材が対向する前記表皮材側成形型の少なくとも一
    方に、前記溶融樹脂系材料の流動が阻止されて同溶融樹
    脂系材料が硬化した後で前記基材の端面となる部分から
    前記基材の延長方向に所定の距離だけ離れた位置で前記
    両成形型の重合時に前記表皮材を切断する切断部を設け
    たことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の積層体の製造装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015112821A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 株式会社イノアックコーポレーション 成形品の製造方法
EP3222399A1 (de) * 2016-03-23 2017-09-27 SMP Deutschland GmbH Vorrichtung und verfahren zum herstellen eines formpressteils, welches mindestens einen durchbruch aufweist

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015112821A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 株式会社イノアックコーポレーション 成形品の製造方法
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