JPH09147041A - 在庫引当の管理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 出荷予定日の直前の在庫への引当集中を緩和
し、欠品や在庫膨張の発生を最小限に抑える 【解決手段】 仮引当部３１１は、受注内示情報が供給
リードタイムを基礎とする受付期限内であれば予約在庫
データベース３３１に登録する。仮引当有効期限監視部
３２０は予約在庫データベース３３１中の受注内示の出
荷予定日を監視し、期限切れ直前の受注内示に対して警
告を発し、期限切れの予約在庫を取り消す。本引当部３
１２は受付期限内の確定受注を予約在庫データベース３
３１に登録し、飛び込み受注に対して在庫推移予定デー
タベース３３２を参照して引当可能であれば登録する。
在庫推移予定監視部３２１はフリー在庫データベース３
３０及び予約在庫データベース３３１の変動を在庫推移
予定データベース３３２に反映する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、在庫の引当管理に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】在庫の引当管理については、受注が確定
した順に在庫を引き当てていく方法と、出荷予定日時の
早い受注から順に在庫を引き当てていく方法の２つの方
法が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記２つの方法は、そ
れぞれ単独では問題があるので、受注確定と出荷予定日
の両方を考慮して在庫の引当を行うのが望ましい。しか
し実際には出荷予定日の直前にならないと受注が確定し
なかったり、早期のうちに確定受注や受注内示が得られ
ても変更や取消を嫌って受注情報が在庫引当管理に反映
されない場合があり、出荷予定日の直前の在庫に引当が
集中して破綻を起こしやすい。その結果、欠品や引当順
絡みの混乱が多発したり、在庫の膨張を黙認せざるを得
ないという状況が発生している。

【０００４】本発明は、出荷予定日の直前の在庫への引
当集中を緩和し、欠品や在庫膨張の発生を最小限に抑え
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】まず本発明で用いる用語
の定義を行う。確定受注は、文字どおり確定された受注
情報を指す。受注内示は、内示として登録される受注情
報であり、その後確定受注が登録されるか又は取消され
るような受注情報を指す。供給リードタイムは、工場ま
たは仕入先へ製品を発注してから入荷するまでの所要日
数である。飛び込み受注は、確定受注が要求する在庫品
の出荷予定日が処理当日の日付に供給リードタイムを加
えた日付に達しないような確定受注を指す。予約在庫と
は、確定受注及び受注内示に対応して引き当てられる在
庫をいう。以下の説明で確定受注に対して予約在庫を引
き当てる場合を本引当と呼び、受注内示に対して予約在
庫を引き当てる場合を仮引当と呼ぶことがある。フリー
在庫とは、飛び込み受注に対応するために予め見込みで
確保する在庫をいう。

【０００６】本発明は、以下のような点を特徴とする在
庫引当の管理方法である。

【０００７】（１）受注内示情報に含まれる在庫品の出
荷予定日を監視し、この出荷予定日が処理当日の日付に
供給リードタイムを加えた日付に相当するときには受注
内示を確定受注に切り替えるよう警告を発する。

【０００８】（２）処理当日の実在庫量に出荷予定日ま
での入荷予定の累計を加えたものから処理当日から出荷
予定日までの予約在庫の累計を差し引いたものを飛び込
み受注に対して引当可能な在庫量とするとき、飛び込み
受注について出荷予定日の引当可能な在庫量が出荷予定
量を満足するかをチェックし、満足するときこの飛び込
み受注を予約在庫として登録する。

【０００９】（３）飛び込み受注を予約在庫として登録
する場合には、出荷予定日のフリー在庫から出荷予定量
を差し引いてフリー在庫を更新し、予約在庫に登録され
る受注の出荷予定日が処理当日の日付に供給リードタイ
ムを加えた日付に達しないような受注が取り消された場
合には出荷予定日のフリー在庫に取消された受注の出荷
予定量を加えてフリー在庫を更新する。

【００１０】本発明は、供給リードタイムを軸として、
仮引当の出荷予定日を監視し、期限切れ直前の仮引当を
確定受注又は取消に切り替えるよう促進するとともに、
飛び込み受注に対してはフリー在庫を準備して対応する
ようにした。また予約在庫の登録と変更が自由に許さ
れ、予約在庫の変動を動的に飛び込み受注に対して引当
可能な在庫量及び入荷予定に反映することが可能であ
る。これによって出荷予定日の直前の在庫への引当集中
が緩和され、欠品や在庫膨張の発生が抑えられる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。

【００１２】図１は、在庫引当管理装置３００の構成を
示す図である。フリー在庫データベース３３０は、飛び
込み受注に対応するための出荷見込みの在庫量を格納す
るデータベースである。予約在庫データベース３３１
は、確定受注及び受注内示によって予約された在庫量を
格納するデータベースである。フリー在庫算出部３１０
は、予約在庫データベース３３１中の予約在庫データを
基にしてフリー在庫の量を算出してフリー在庫データベ
ース３３０に格納する処理部である。仮引当部３１１
は、販売管理システム１００から入力される受注内示情
報に基づいて予約在庫データベース３３１に予約在庫を
登録するか、または登録された予約在庫の取消を行う処
理部である。在庫推移予定データベース３３２は、現在
在庫量、入荷予定及び出荷予定を基にして時系列に計算
された在庫推移予定を格納するデータベースである。本
引当部３１２は、販売管理システム１００から入力され
る確定受注情報に基づいて予約在庫データベース３３１
に予約在庫を登録するか、または登録された予約在庫の
取消を行う処理部である。飛び込み受注の場合には、本
引当部３１２は在庫推移予定データベース３３２を参照
して引当可能かどうか判断し、引当可能の場合には予約
在庫データベース３３１に予約在庫を登録するとともに
フリー在庫データベース３３０から同量のフリー在庫を
減算する。仮引当有効期限監視部３２０は、予約在庫デ
ータベース３３１を参照して有効期限切れが近い受注内
示情報の確定又は取消を促す警告を販売管理システム１
００へ送る処理部である。また仮引当有効期限監視部３
２０は、有効期限が切れても確定されなかった予約在庫
データベース３３１上の予約在庫の引当解除を行ってフ
リー在庫データベース３３０に同量のフリー在庫を加算
する。在庫推移予定監視部３２１は、フリー在庫データ
ベース３３０及び予約在庫データベース３３１を参照し
てフリー在庫と予約在庫とから構成される出荷予定を求
め、在庫推移予定データベース３３２に格納される現在
在庫量及び入荷予定と出荷予定とから引当可能な在庫量
を求めて在庫推移予定データベース３３２に格納する処
理部である。なお図示していないが、在庫引当管理装置
３００にはこの他に供給リードタイムや各種の算出スパ
ン等の基礎情報を格納するテーブルがある。また在庫引
当管理装置３００にはこれらの基礎情報を入力する入力
装置、引当可能な在庫量を表示したり印刷する出力装置
が接続される。在庫引当管理装置３００は、パソコン、
ワークステーションを含む情報処理装置によって実現さ
れる。

【００１３】図２は、ある製品についてのフリー在庫デ
ータベース３３０のデータ形式について事例をもって示
す図である。図２（ａ）は８月１日にフリー在庫算出部
３１０による処理が行われ、その後の運用によってフリ
ー在庫量の増減が加えられた結果であり、８月５日現在
の処理前の状態である。図２（ｂ）は８月５日にフリー
在庫算出部３１０による処理が行われた後の状態を示
す。

【００１４】図３は、ある製品についての予約在庫デー
タベース３３１のデータ形式について事例をもって示す
図である。予約ＩＤは予約を識別するための識別番号、
内示日は受注が内示である場合の受注内示を受けた日、
確定日は確定受注を受けた日、出荷予定日は製品を出荷
する予定日、出荷予定量は出荷する予定量である。確定
日が「未確定」のものは、受注内示後まだ確定受注のな
いものである。

【００１５】図４は、フリー在庫算出部３１０の処理の
手順を示すＰＡＤ図である。フリー在庫算出部３１０
は、基礎情報テーブルを参照して「フリー在庫算出スパ
ン」及び「供給リードタイム」を取得する（ステップ４
１０）。「フリー在庫算出スパン」はフリー在庫量を算
出する期間であり、例えば３０日間などである。次に予
約在庫データベース３３１を参照して処理日の前日から
遡ってフリー在庫算出スパンに相当する期間の予約在庫
の実績を取得する（ステップ４２０）。次に飛び込み受
注に対応するための出荷見込み量を算出する（ステップ
４３０）。計算方法としては、例えば上記期間中の予約
在庫の総出荷量を計算し、これを予想される飛び込み受
注の総出荷量とみなしてこの総出荷量をフリー在庫算出
スパンで割れば飛び込み受注による１日当りの出荷見込
みが得られる。最後に算出結果をフリー在庫データベー
ス３３０に登録する（ステップ４４０）。そしてフリー
在庫データベース３３０の更新情報を在庫推移予定監視
部３２１に通知する。図２（ｂ）は、８月５日にフリー
在庫量を算出した結果を例示するものである。この例で
は供給リードタイムを４日としている。８月５日から８
月８日までのフリー在庫量はすでに運用中であるから処
理前のフリー在庫データベース３３０のデータのままで
ある。８月９日以後に上記算出結果が登録されている。
なお上記の飛び込み受注による出荷見込みは、過去の総
出荷実績の単純平均であるが、これ以外に週による変動
や季節的変動などを加味した公知の予測手法に基づいて
将来の日ごとの出荷見込みを算出してもよく、算出方法
は上記方法に限られるものではない。

【００１６】図５は、仮引当部３１１の処理の手順を示
すＰＡＤ図である。仮引当部３１１は、販売管理システ
ム１００から受注内示情報を受け取る（ステップ５１
０）。受注内示情報は、内示日、出荷予定日及び出荷予
定量等を含み、すでに予約されているものについては予
約ＩＤ、受注取消のものはその旨の情報が付加される。
仮引当部３１１は、基礎情報テーブルを参照して「供給
リードタイム」を取得し、処理の振り分けを行う（ステ
ップ５２０）。予約在庫登録の場合、出荷予定日が受付
期限内であれば（ステップ５３０受付期限内）、予約在
庫データベース３３１に登録する（ステップ５３１）。
新規の受注内示情報である場合には予約ＩＤを設定す
る。ここで受付期限内とは、出荷予定日が処理当日の日
付に供給リードタイムを加えた日以後である場合であ
る。例えば処理当日が８月１日で供給リードタイムが４
日であれば、出荷予定日が８月５日以後の場合受付期限
内である。受注内示が受付期限外のときには受付をせ
ず、出力装置にエラーメッセージを出力する。予約在庫
の取消の場合には、予約在庫データベース３３１から当
該受注内示分の情報を削除する（ステップ５４０）。な
お予約在庫データベース３３１の更新情報を在庫推移予
定監視部３２１に通知する。

【００１７】図６は、ある製品についての在庫推移予定
データベース３３２のデータ形式について事例をもって
示す図である。在庫推移予定は８月１日の欄に８月１日
現在の実在庫量が格納してあるが、これを開始時在庫と
して日ごとの在庫推移予定を格納する。入荷予定は発注
残と発注見込みとから成る。出荷予定は予約在庫（確定
受注対応分／受注内示対応分）とフリー在庫とから成
り、それぞれ予約在庫データベース３３１の確定受注／
受注内示及びフリー在庫データベース３３０のフリー在
庫量を出荷予定日ごとに集計したものである。実在庫量
に入荷予定を加えて各日の累計をとり、出荷予定のうち
予約在庫分について各日の累計をとり、各日について実
在庫量＋入荷予定の累計から予約在庫累計を引いたもの
が飛び込み受注に対して引当可能な在庫量である。

【００１８】図７は、本引当部３１２の処理の手順を示
すＰＡＤ図である。本引当部３１２は、販売管理システ
ム１００から確定受注情報を受け取る（ステップ６１
０）。確定受注情報は、確定日、出荷予定日及び出荷予
定量等を含み、すでに予約されているものについては予
約ＩＤ、受注取消のものはその旨の情報が付加される。
本引当部３１２は、基礎情報テーブルを参照して「供給
リードタイム」を取得し、処理の振り分けを行う（ステ
ップ６２０）。内示受注の確定の場合には、予約在庫デ
ータベース３３１の該当する予約在庫データの確定日を
付加して本登録とする（ステップ６３０）。予約在庫の
新規登録の場合には、出荷予定日のチェックを行う（ス
テップ６４０）。出荷予定日が受付期限内であれば、予
約在庫データベース３３１に登録する（ステップ６４
１）。出荷予定日が受付期限外の場合、すなわち飛び込
み受注の場合には、在庫推移予定データベース３３２を
参照して処理当日の引当可能な在庫量をチェックする
（ステップ６４２）。引当可能であれば、予約在庫デー
タベース３３１に登録し、フリー在庫データベース３３
０のフリー在庫量から出荷予定量を差し引く（ステップ
６４４）。引当不可であれば、引当不可の旨の警告メッ
セージを販売管理システム１００へ送る（ステップ６４
５）。予約在庫の取消の場合には、予約在庫データベー
ス３３１から該当する予約在庫データを削除する（ステ
ップ６５０）。この予約在庫データの出荷予定日をチェ
ックし（ステップ６６０）、直前取消であればフリー在
庫データベース３３０のフリー在庫量に取消された出荷
予定量を加える（ステップ６６１）。ここで直前取消と
は、出荷予定日が受付期限外に相当する場合の取消を言
う。なお予約在庫データベース３３１及びフリー在庫デ
ータベース３３０の更新情報を在庫推移予定監視部３２
１に通知する。

【００１９】図８は、仮引当有効期限監視部３２０の処
理の手順を示すＰＡＤ図である。仮引当有効期限監視部
３２０は、予約在庫データベース３３１から予約在庫デ
ータを１件ずつ読み込み（ステップ７１０）、全件につ
いてステップ７３０以下の処理を繰り返す（ステップ７
２０）。仮引当有効期限監視部３２０は、基礎情報テー
ブルを参照して「供給リードタイム」を取得し、確定日
が「未確定」である仮引当の予約在庫データについてそ
の出荷予定日をチェックする（ステップ７３０）。出荷
予定日が期限切れ直前であれば、販売管理システム１０
０へ内示確定するよう警告メッセージを送信する（ステ
ップ７３１）。この警告メッセージは予約ＩＤ、内示
日、出荷予定日及び出荷予定量を含む。なお期限切れ直
前とは、出荷予定日が処理当日の日付に供給リードタイ
ムを加えた日に相当する場合である。出荷予定日が期限
切れの場合には、予約在庫の取消の扱いとし、予約在庫
データベース３３１から当該受注内示分の情報を削除し
（ステップ７３２）、フリー在庫データベース３３０の
フリー在庫量に取消された出荷予定量を加える（ステッ
プ７３３）。なお期限切れとは、出荷予定日が処理当日
の日付に供給リードタイムを加えた日より前である場合
である。出荷予定日が期限切れ直前でも期限切れでもな
い予約在庫データについてはそのままとし、上記の処理
をしない。なお予約在庫データベース３３１及びフリー
在庫データベース３３０の更新情報を在庫推移予定監視
部３２１に通知する。

【００２０】図９は、在庫推移予定監視部３２１の処理
の手順を示すＰＡＤ図である。在庫推移予定監視部３２
１は、基礎情報テーブルを参照して、「在庫推移予定算
出スパン」、「供給リードタイム」及び「単位発注量」
を取得する（ステップ９１０）。「在庫推移予定算出ス
パン」は、処理日から何日間の在庫推移予定を計算する
かを示す数値である。「単位発注量」は、製品を発注す
るときの単位とする量である。次に入力データによって
処理の振り分けを行う（ステップ９２０）。入力装置か
ら在庫推移予定の一括更新を指示されたときには、必要
な情報の取得を行う（ステップ９２１）。すなわち在庫
管理システム２００へ問い合わせをして処理日当日の実
在庫及び「在庫推移予定算出スパン」分の入荷予定（発
注残と発注見込み）を取得し、入荷予定については在庫
推移予定データベース３３２の発注残及び発注見込みの
欄に格納する。また予約在庫データベース３３１を参照
して「在庫推移予定算出スパン」分の予約在庫量（確定
受注対応分／受注内示対応分）を日別に集計して在庫推
移予定データベース３３２に格納する。またフリー在庫
データベース３３０のフリー在庫量を日別に在庫推移予
定データベース３３２の該当する場所に格納する。フリ
ー在庫算出部３１０、仮引当部３１１、本引当部３１２
及び仮引当有効期限監視部３２０からデータベース更新
の通知があつたときには、その通知に従って在庫推移予
定データベース３３２の更新を行う（ステップ９２
２）。予約在庫データベース３３１に予約在庫データが
登録されたときには、在庫推移予定データベース３３２
の予約在庫に同等量を加算し、取消があつたときには予
約在庫から同等量を減算する。同様にフリー在庫データ
ベース３３０のフリー在庫量の加算又は減算の通知に従
って在庫推移予定データベース３３２に同等量を加算又
は減算する。次に在庫推移予定監視部３２１が保有する
変数テーブルの初期化を行う（ステップ９３０）。変数
テーブルに設定される変数とその初期値は次の通りであ
る。 （ａ）在庫推移予定＝実在庫 （ｂ）実在庫と入荷予定の累計＝実在庫 （ｃ）予約在庫累計＝０ （ｄ）出荷予定累計＝０ 次にステップ９４１以降の処理を「在庫推移予定算出ス
パン」について日ごとに繰り返す（ステップ９４０）。
まず日ごとの開始時在庫を在庫推移予定データベース３
３２の在庫推移予定に格納する（ステップ９４１）。処
理の最初では処理日の実在庫を格納する。続く各日につ
いては前日の在庫推移予定をそのまま開始時在庫として
転記する。次にその日の引当可能な在庫量を算出して在
庫推移予定データベース３３２に格納する（ステップ９
４２）。その際の算出式は次の通りである。 （ｅ）実在庫と入荷予定の累計＝実在庫と入荷予定の累
計＋入荷予定 （ｆ）予約在庫累計＝予約在庫累計＋予約在庫 （ｇ）引当可能な在庫量＝実在庫と入荷予定の累計−予
約在庫累計 次にその日の在庫推移予定の算出を行い、在庫推移予定
データベース３３２に登録する（ステップ９４３）。 （ｈ）在庫推移予定＝在庫推移予定＋入荷予定−出荷予
定 なお出荷予定は予約在庫とフリー在庫を合わせたもので
ある。次に在庫補充の必要があるかどうかをチェックす
る（ステップ９４４）。 （ｉ）出荷予定累計＝予約在庫累計＋日別のフリー在庫 として実在庫と入荷予定の累計＜出荷予定累計であれば
在庫補充の必要がある。在庫補充の必要がある場合に
は、出力装置に在庫補充の警告メッセージを出力し（ス
テップ９４５）、仮補充措置として発注見込みの登録を
行う（ステップ９４６）。そのとき発注見込及び実在庫
と入荷予定の累計は以下の式によって算出される。 （ｊ）発注ロット数＝〔（出荷予定累計−実在庫と入荷
予定の累計）÷単位発注量〕以上の最小整数 （ｋ）発注見込み＝発注見込み＋単位発注量×発注ロッ
ト数 （ｌ）実在庫と入荷予定の累計＝実在庫と入荷予定の累
計＋発注見込み なお（ｋ）式は、その日の発注見込みが在庫補充による
発注見込みが加わって更新されることを示す。（ｌ）式
は、発注見込みの更新による実在庫と入荷予定の累計の
更新を示す。

【００２１】なお図６に示す在庫推移予定データベース
３３２の事例に従って上記の引当可能な在庫量を計算す
ると、８月２日の引当可能な在庫量は６１０となる。し
かし翌日の８月３日には入荷予定がないので８月２日に
６１０を引当可能とすると、８月３日の予約在庫分を確
保できない可能性がある。そこで少なくとも８月３日の
予約在庫分を確保するように、８月２日の引当可能な在
庫量を４９０に修正する。

【００２２】図１０は、在庫推移予定データベース３３
２の事例について実在庫＋入荷予定の累計と出荷予定累
計の推移を示すグラフである。棒グラフが実在庫＋入荷
予定の累計を示し、折れ線グラフが出荷予定累計を示
す。図によれば８月９日に在庫補充が必要なことを示し
ている。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、供給リードタイムを軸
として受注内示及び飛び込み受注を管理するとともに、
予約在庫の変動を迅速に引当可能な在庫量及び入荷計画
に反映することができるので、出荷予定日の在庫への引
当集中が緩和されるとともに適正な在庫の実現が可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の在庫引当管理装置３００の構成図で
ある。

【図２】実施形態のフリー在庫データベース３３０のデ
ータ形式を示す図である。

【図３】実施形態の予約在庫データベース３３１のデー
タ形式を示す図である。

【図４】実施形態のフリー在庫算出部３１０の処理の手
順を示すＰＡＤ図である。

【図５】実施形態の仮引当部３１１の処理の手順を示す
ＰＡＤ図である。

【図６】実施形態の在庫推移予定データベース３３２の
データ形式を示す図である。

【図７】実施形態の本引当部３１２の処理の手順を示す
ＰＡＤ図である。

【図８】実施形態の仮引当有効期限監視部３２０の処理
の手順を示すＰＡＤ図である。

【図９】実施形態の在庫推移予定監視部３２１の処理の
手順を示すＰＡＤ図である。

【図１０】実施形態の在庫推移予定データベース３３２
の事例について実在庫＋入荷予定の累計と出荷予定累計
の推移を示すグラフである。

【符号の説明】

３００・・・在庫引当管理装置、３１０・・・フリー在
庫算出部、３１１・・・仮引当部、３１２・・・本引当
部、３２０・・・仮引当有効期限監視部、３２１・・・
在庫推移予定監視部、３３０・・・フリー在庫データベ
ース、３３１・・・予約在庫データベース、３３２・・
・在庫推移予定データベース

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】受注内示情報に含まれる在庫品の出荷予定
   日を監視し、該出荷予定日が処理当日に発注してから入
   荷するまでの所要日数である供給リードタイムを加えた
   日付に相当するときには受注内示を確定受注に切り替え
   るよう警告を発することを特徴とする在庫引当の管理方
   法。
2. 【請求項２】確定受注及び受注内示に対応して引当てら
   れる在庫を予約在庫とし、発注してから入荷するまでの
   所要日数を供給リードタイムとし、該確定受注が要求す
   る在庫品の出荷予定日が処理当日の日付に供給リードタ
   イムを加えた日付に達しないような確定受注を飛び込み
   受注とし、処理当日の実在庫量に該出荷予定日までの入
   荷予定の累計を加えたものから処理当日から該出荷予定
   日までの該予約在庫の累計を差し引いたものを飛び込み
   受注に対して引当可能な在庫量とするとき、該飛び込み
   受注について該出荷予定日の該引当可能な在庫量が出荷
   予定量を満足するか否かをチェックし、満足するとき該
   飛び込み受注を該予約在庫として登録することを特徴と
   する在庫引当の管理方法。
3. 【請求項３】該飛び込み受注に対応するためにあらかじ
   め見込みで確保する在庫をフリー在庫とするとき、該飛
   び込み受注を該予約在庫として登録する場合には該出荷
   予定日の該フリー在庫から該出荷予定量を差し引いて該
   フリー在庫を更新し、該予約在庫に登録される受注の出
   荷予定日が処理当日の日付に供給リードタイムを加えた
   日付に達しないような受注が取り消された場合には該出
   荷予定日の該フリー在庫に取り消された受注の出荷予定
   量を加えて該フリー在庫を更新することを特徴とする請
   求項２記載の在庫引当の管理方法。