JPH0914402A - デファレンシャル機構付き自動変速機 - Google Patents

デファレンシャル機構付き自動変速機

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Publication number
JPH0914402A
JPH0914402A JP18622795A JP18622795A JPH0914402A JP H0914402 A JPH0914402 A JP H0914402A JP 18622795 A JP18622795 A JP 18622795A JP 18622795 A JP18622795 A JP 18622795A JP H0914402 A JPH0914402 A JP H0914402A
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JP
Japan
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gear
automatic transmission
differential
differential case
ring gear
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Pending
Application number
JP18622795A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiro Kanehira
義朗 兼平
Yuichi Yamamoto
友一 山本
Yoichi Ikeda
揚一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Corp
Original Assignee
JATCO Corp
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Publication date
Application filed by JATCO Corp filed Critical JATCO Corp
Priority to JP18622795A priority Critical patent/JPH0914402A/ja
Publication of JPH0914402A publication Critical patent/JPH0914402A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/38Constructional details
    • F16H2048/385Constructional details of the ring or crown gear

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速機構からデファレンシャル機構までの動
力伝達機構における運転中の騒音と振動を削減する。 【構成】 デファレンシャルケース12から軸方向に突
出させた円筒部12Bの内側に自動調心ベアリング14
を配置し、円筒部12Bから放射状に延びたフランジ部
12Fに張り出し部11Eを重ねて、ボルト13により
デファレンシャルケース12にリングギヤ11を固定し
ている。リングギヤ11をフランジ部12Fの外周に圧
入して軸合わせし、張り出し部11の内周円筒面11B
と円筒部12Bの間に環状の隙間CLを確保している。
リングギヤ11の荷重がフランジ部12Fに垂直力とし
て作用し、そのまま自動調心ベアリング14を介してト
ランスミッションケース32の円筒部32Bに伝達され
るから、高い負荷状態でもリングギヤ11の断面に水平
方向の加振力が作用しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右の動輪を相対回転
可能に駆動するデファレンシャル機構を組み込んだ自動
変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】前輪駆動を行う横置き型の自動変速機に
は、通常、デファレンシャル機構が一体に組み込まれ
る。デファレンシャル機構は、左右の動輪を相対回転可
能に駆動して、自動車の操舵に伴う内外輪の回転数差を
吸収する。デフアレンシャル機構付き自動変速機の例
は、特開昭60−222327号公報、実開平1−13
9155号公報、実開平6−76757号公報に示され
る。また、実開平2−50556号公報には、軸に複数
の歯車を取り付けて固定した構造が示される。特開昭6
0−222327号公報に示される構造では、歯車機構
を挟んだデフアレンシャルケースの両端部分にころがり
軸受けが配置され、デフアレンシャルケースの軸方向の
中央部分にリングギヤが取り付けられている。
【0003】実開平1−139155号公報および実開
平6−76757号公報に示される構造は、左右の差動
出力回転を形成する歯車機構を内蔵するデファレンシャ
ルケースと、デファレンシャルケースから軸方向に突出
させた円筒部の内側に配置されて、デファレンシャルケ
ースを自動変速機の筐体に対して回転可能に支持するこ
ろがり軸受けと、円筒部から放射状に拡張された環状の
フランジ部に重ねて取り付けられ、自動変速機のカウン
ター軸に固定された歯車と噛み合うリングギヤとを有す
る。また、実開平6−76757号公報に示される構造
では、リングギヤに噛み合うカウンター軸側のリダクシ
ョンギヤがカウンター軸と一体に形成されており、自動
変速機の変速機構側の出力歯車と噛み合うアイドル歯車
は、カウンター軸に形成したスプラインによって回転を
拘束され、カウンター軸に形成した雄ねじにロックナッ
トを締め付けて軸方向に固定される。実開平2−505
56号公報に示される構造では、軸に取り付けたボール
によって回転止めされた部材が、歯車を軸方向に位置決
めして、スラスト荷重を負担している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アイドル歯車、カウン
ター軸、リングギヤ、およびデファレンシャルケースに
は、自動変速機の出力回転が直接作用して大きな荷重を
受けるため、高い機械強度と剛性が要求される。これら
の部材に対しては、大きな負荷状態でも剛性高く支持さ
れ、変形が少なくて振動や騒音を発生しないことが望ま
れる。一方で、自動変速機を小型軽量に構成するため、
これらの部材に対しても小口径化、小スパン化、肉薄
化、軽量な材料への転換等が要求されるが、小型化、軽
量化された部材では、剛性が不足して振動や騒音が発生
し易くなる。
【0005】例えば、特開昭60−222327号公報
に示される構造では、ころがり軸受けによって両持ち支
持されたデフアレンシャルケースの中央にリングギヤを
配置しているから、リングギヤを介してデフアレンシャ
ルケースに折り曲げ力が作用する。このとき、デフアレ
ンシャルケースが撓んでリングギヤの噛み合いが異常を
起こすと歯面から騒音が発生する。また、デフアレンシ
ャルケース自体が振動する場合もあり、振動に伴うくび
振り荷重を受けてころがり軸受けの負担が大きくなり、
回転に伴う繰り返し荷重によってデフアレンシャルケー
スが疲労を起こす可能性もある。そこで、デフアレンシ
ャルケースを高強度の材料で肉厚に形成する必要があ
る。
【0006】これに対して、実開平1−139155号
公報に示される構造では、デファレンシャルケースから
軸方向に突出させた円筒部の内側にころがり軸受けを配
置してリングギヤからデファレンシャルケースに直接の
折り曲げ力が作用することを避けているから、デファレ
ンシャルケースをかなり薄肉化してもリングギヤが剛性
高く支持される。さらに、実開平6−76757号公報
に示される構造では、リングギヤの歯幅内の軸方向位置
にころがり軸受けの軸方向の中心を配置しているから、
円筒部の負担も軽減されている。しかし、ころがり軸受
けのころがり部材の軸方向長さがリングギヤを重ね合わ
せたフランジ部の幅から外れているため、ころがり部材
から軸方向にはみ出した円筒部のたわみによってフラン
ジ部が軸方向に振れ易くなっており、これを避けるため
には、円筒部の肉厚をかなり確保する必要がある。
【0007】また、デファレンシャルケースの円筒部の
内周面に自動調心ベアリングを圧入する一方で、リング
ギヤの最も内周側の円筒面を同じ円筒部の外周に圧入し
ているから、円筒部の壁面は内外どちらへも逃げようが
無く、リングギヤと自動調心ベアリングの装着、交換、
取り外しが困難である。また、高速運転に伴って自動調
心ベアリングが発熱して膨脹して、円筒部を外側に押し
やると、放射方向への移動をフランジ部によって拘束さ
れたリングギヤの断面が傾いて、カウンター軸側のリダ
クションギヤとの間に片当たりを起こして磨耗が大きく
なる可能性がある。従って、円筒部やフランジ部を肉厚
に形成して、自動調心ベアリングが多少熱膨脹してもそ
の影響をリングギヤの圧入面に出さない必要がある。
【0008】また、カウンター軸のリングギヤに噛み合
う歯車の反対側にスプラインを形成してアイドル歯車の
回転を拘束させ、カウンター軸に形成した雄ねじにロッ
クナットを締め混んでアイドル歯車を固定しているが、
ロックナットを締め込んだ際にアイドル歯車の歯面がわ
ずかに傾いて、自動変速機の変速機構側の出力歯車と片
当たりを起こし、歯面の衝突に伴う騒音や振動が増大す
る。アイドル歯車の磨耗が早まることで騒音や振動はさ
らに増幅される。実開平2−50556号公報に示され
る構造でも、軸に形成されたスプラインが歯車に形成し
たスプラインを拘束する。ここで、軸に対する歯車の挿
入を滑らかに維持しつつがたつきを小さくするために、
いずれかのスプラインを軸方向からわずかに傾けて形成
する場合がある。この場合、独立に歯面を仕上げた歯車
を軸に挿入して両者を固定すると、歯面が正確な軸方向
の角度からわずかに傾いてしまい、噛み合う歯車との間
で片当たりを起こして騒音や振動が発生する可能性があ
る。
【0009】本発明は、自動変速機の変速機構からデフ
ァレンシャル機構までの動力伝達機構を小型軽量に構成
しても、運転中の騒音や振動が問題とならないデフアレ
ンシャル機構付き自動変速機を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、左右
の差動出力回転を形成する歯車機構を内蔵するデファレ
ンシャルケースと、該デファレンシャルケースから軸方
向に突出させた円筒部の内側に配置されて、前記デファ
レンシャルケースを自動変速機の筐体に対して回転可能
に支持するころがり軸受けと、前記円筒部から放射状に
拡張された環状のフランジ部に重ねて取り付けられ、自
動変速機のカウンター軸に固定された歯車と噛み合うリ
ングギヤとを有するデファレンシャル機構付き自動変速
機において、前記フランジ部の外周円筒面と該外周円筒
面に対向する前記リングギヤの内周円筒面とを、前記デ
ファレンシャルケースと前記リングギヤの軸合わせ面と
し、前記リングギヤの前記フランジ部に重ねた部分の内
周側の面と前記円筒部との間に環状の隙間を確保したも
のである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記フランジ面の外周円筒面に対して前記リングギ
ヤの内周円筒面が圧入または焼きばめされているもので
ある。
【0012】請求項3の発明は、左右の差動出力回転を
形成する歯車機構を内蔵するデファレンシャルケース
と、該デファレンシャルケースから軸方向に突出させた
円筒部の内側に配置されており、軸方向に長いころがり
部材によって、前記デファレンシャルケースを自動変速
機の筐体に対して回転可能に支持するころがり軸受け
と、前記円筒部から放射状に拡張された環状のフランジ
部に重ねて取り付けられ、自動変速機のカウンター軸に
固定された歯車と噛み合うリングギヤとを有するデファ
レンシャル機構付き自動変速機において、前記フランジ
部と軸方向に重なり合う位置に前記ころがり部材を位置
させて前記ころがり軸受けが配置されているものであ
る。
【0013】請求項4の発明は、左右の差動出力回転を
形成する歯車機構を内蔵するデファレンシャルケース
と、該デファレンシャルケースの外側に取り付けられた
リングギヤに噛み合う歯車を設けたカウンター軸と、該
カウンター軸に取り付けられて一体に回転し、自動変速
機の変速機構の出力歯車に噛み合うアイドル歯車とを有
するデフアレンシャル機構付き自動変速機において、前
記アイドル歯車の前記出力歯車と噛み合う歯面は、前記
アイドル歯車を前記カウンター軸に取り付け完了した状
態で仕上げ加工されているものである。
【0014】
【作用】請求項1のデファレンシャル機構付き自動変速
機では、ころがり軸受けの圧入や熱膨脹に伴ってデファ
レンシャルケースの壁面が隙間の範囲で外側に広がる余
地がある。そして、デファレンシャルケースの壁面が外
側に広がっても、リングギヤの内周面に圧力を及ぼさな
いから、フランジ部に拘束されたリングギヤの断面にモ
ーメントが作用せず、従って、リングギヤの断面が傾か
ない。
【0015】請求項2のデファレンシャル機構付き自動
変速機では、フランジ面の外周円筒面がリングギヤの内
周円筒面に高い圧力状態で接触して両者の中心軸を一致
させている。
【0016】請求項3のデファレンシャル機構付き自動
変速機では、リングギヤの歯面の荷重がフランジ部から
円筒部を経てころがり軸受けのころがり部材へと垂直
(放射方向)に伝達され、フランジ部の断面を回転させ
るモーメントを発生することなく、さらに自動変速機の
筐体へと伝達される。
【0017】請求項4のデファレンシャル機構付き自動
変速機では、カウンター軸にアイドル歯車を最終状態に
固定した後に歯面の仕上げ加工を行うから、歯面のカウ
ンター軸の軸方向に対する角度のずれが仕上げ加工によ
って吸収される。
【0018】
【実施例】図1〜図4を参照して実施例の前置き前輪駆
動型(FF型)自動変速機を説明する。図1はリングギ
ヤとデファレンシャルケースの取り付け構造の説明図、
図2はアイドル歯車とカウンター軸の取り付け構造の説
明図、図3はカウンター軸とデファレンシャル機構の組
み立て状態の説明図、図4はFF型自動変速機の平面図
である。
【0019】図4に示すように、自動変速機の筐体は、
コンバーターハウジング31にトランスミッションケー
ス32を連結して構成される。自動変速機の筐体内に配
置されたカウンター軸24は、変速機構30の図示しな
い出力歯車の出力回転を中継してデファレンシャルケー
ス12に伝達する。デファレンシャルケース12に内蔵
された歯車機構は、一対の差動出力回転を形成して、左
右のファイナル軸33に出力する。
【0020】図3に詳細に示すように、デファレンシャ
ルケース12の左側部分は、トランスミッションケース
32からコンバーターハウジング31側に突出させた円
筒部との間に配置した自動調心ベアリング14によって
回転自在に支持される。デファレンシャルケース12の
図示しない右側部分は、コンバーターハウジング31に
取り付けた別の自動調心ベアリングによって回転自在に
支持される。
【0021】デファレンシャル機構は、回転自在に支持
されたデファレンシャルケース12を含み、デファレン
シャルケース12に軸止された一対のピニオンギヤ36
によって左右のサイドギヤ37を連動させて構成され
る。サイドギヤ37は、サイドギヤ37の内周に形成し
たスプラインをファイナル軸33の外周に形成したスプ
ラインに噛合せ、中心に雌ねじを設けた裏打ち板38に
外側からボルト35を締め込むことによって、ファイナ
ル軸33と一体に固定されている。自動調心ベアリング
14は、デファレンシャルケース12から軸方向に突出
させた円筒部の内側に配置される。円筒部の端部から外
側に向かって放射状に拡張したフランジ部に、ボルト1
3を用いてリングギヤ11を取り付ける。破線で囲んだ
部分Aの構造については、次のような特別な配慮がなさ
れている。
【0022】図1に示すように、リングギヤ11とデフ
ァレンシャルケース12の軸合わせは、リングギヤ11
の円筒面11Aにデファレンシャルケース12のフラン
ジ部12Fの円筒面12Aを圧入して実行される。リン
グギヤ11は、デファレンシャルケース12のフランジ
部12Fにリングギヤ11の張り出し部11Eを重ね合
わせ、ボルト13をフランジ部12F側からリングギヤ
11の雌ねじ11Dに締め込んでデファレンシャルケー
ス12に固定される。
【0023】実開平6−76757号公報に示される構
造とは異なり、リングギヤ11の張り出し部11Eの円
筒面11Bとデファレンシャルケース12の円筒部12
Bの間には、薄い環状の隙間CLを確保している。従っ
て、自動調心ベアリング14をデファレンシャルケース
に圧入する過程や高速回転に伴って発熱した自動調心ベ
アリング14が外側に膨脹した場合には、円筒部12B
がこの隙間CLの範囲で外側に逃げ得る。そして、実開
平6−76757号公報に示される構造のように、円筒
部12Bが内周円筒面11Bを押し上げて、フランジ部
12Fに拘束されたリングギヤ11の断面を傾けること
が無い。
【0024】また、実開平6−76757号公報に示さ
れる構造と同様に、自動調心ベアリング14は、デファ
レンシャルケース12から軸方向に突出させた円筒部1
2Bの内側に圧入され、トランスミッションケース32
から突出させた円筒部32Bに対してデファレンシャル
ケース12を回転自在に支持する。そして、自動調心ベ
アリング14は、リングギヤ11の歯面11Cの長さの
範囲の軸方向位置に配置され、特開昭60−22232
7号公報に示される構造のようにデファレンシャルケー
ス12に直接の折り曲げ力が作用するのを避けている。
【0025】しかし、ここでは、実開平6−76757
号公報に示される構造よりもさらにフランジ部12F寄
りに自動調心ベアリング14を配置し、自動調心ベアリ
ング14のローラ14Bをフランジ部12Fと軸方向に
一部重なり合わせている。従って、リングギヤ11の歯
面11Cの荷重は、内周円筒面11Aを介してフランジ
部12Fに垂直力として伝達され、そのまま自動調心ベ
アリング14のローラ14Bを垂直に通ってトランスミ
ッションケース32の円筒部32Bへと伝達される。こ
の伝達過程では、リングギヤ11や円筒部12Bやフラ
ンジ部12Fには、その断面を傾けようとする力がほと
んど発生しない。
【0026】図3に示すように、トランスミッションケ
ース32に設けた自動調心ベアリング27とコンバータ
ーハウジング31に設けた自動調心ベアリング26によ
って、カウンター軸24が回転自在に支持される。リン
グギヤ11と噛み合うリダクションギヤ25は、カウン
ター軸24と一体に形成されている。一方、変速機構3
0の出力回転を受け取るアイドル歯車21と速度検知用
の歯車23は、それぞれの内周面に形成したスプライン
をカウンター軸24の外周面に形成されたスプラインに
噛み合わせてカウンター軸24に挿入され、ロックナッ
ト22を締め込むことによってカウンター軸24に固定
されている。破線で囲んだ部分Bの仕上げ加工につい
て、次のような特別な配慮がなされている。
【0027】図2に示すように、アイドル歯車21は、
歯車23側の端部をカウンター軸24の段付き部24D
に突き当て、反対の雄ねじ24B側の端部をロックナッ
ト22によって強く軸方向に押圧されている。また、ア
イドル歯車21のスプライン21Bは軸方向と平行に形
成されているが、カウンター軸24のスプライン24A
は軸方向から0.3〜0.5度傾けて(ねじれて)形成
されている。この傾き角度は、カウンター軸24に対す
るアイドル歯車21の挿入過程を滑らかに確保する一
方、挿入完了状態におけるアイドル歯車21のバックラ
ッシ(がたつき)を0にする意図で設定されている。
【0028】従って、外部で独立に歯面21を研磨仕上
げされたアイドル歯車21をカウンター軸24に挿入し
てロックナット22を締め付けると、カウンター軸24
の中心軸に対して歯面21がわずかに傾いた(ねじれ
た)状態となり、変速機構30の出力歯車との間で片当
たりを起こす可能性があった。そこで、歯面21Aを仕
上げる前にカウンター軸24に挿入してロックナット2
2を締め付けて組み立て完了させた状態で、カウンター
軸24を支持して歯面を研削仕上げ加工することによ
り、カウンター軸24の中心軸に対する歯面21Aの傾
き(ねじれ)を解消した。
【0029】本実施例の自動変速機では、リングギヤ1
1の荷重がフランジ部12Fに垂直力として作用し、リ
ングギヤ11の断面を傾ける力を発生することなく、そ
のまま自動調心ベアリング14のローラ14Bを経由し
てトランスミッションケース32に伝達される。従っ
て、リングギヤ11の荷重が増大しても、リングギヤ1
1が傾くことがなく、デファレンシャルケース12の円
筒部12Bが撓むこともない。また、アイドル歯車21
の歯面をカウンター軸24に装着した状態で仕上げてい
るから、変速機構30側の出力歯車に対する噛み合いが
片当たりとならない。これらにより、カウンター軸24
やリングギヤ11やデファレンシャルケースに作用する
加振力と繰り返し荷重が削減され、高負荷時でも振動と
騒音の低い運転が可能となった。また、片当たりや振動
の減少によって、各歯車の寿命が増し、各部材の疲労も
軽減された。
【0030】また、実開平6−76757号公報に示さ
れる、デファレンシャルケース12の円筒部12Bの壁
面を挟む両側にリングギヤ11と自動調心ベアリング1
4を圧入した構造に比較して、圧入面が外側にあって円
筒部12Bの影響を受けないから、デファレンシャルケ
ース12とリングギヤ11の軸合わせ精度が向上した。
そして、リングギヤ11と自動調心ベアリング14の着
脱や交換も容易になっている。また、自動調心ベアリン
グ14の熱膨脹が外側から拘束されてローラ14Bの荷
重が著しく高まる心配が無い。
【0031】なお、実施例では、アイドル歯車21の歯
面21Aの仕上げを研削仕上げ加工としたが、ホーニン
グ加工やラップ加工等としてもよい。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、フランジ部の
外周面でリングギヤとの軸合わせを行うから、円筒部の
変形による影響が排除されて、円筒部で軸合わせする場
合に比較して軸合わせ精度が向上する。また、円筒部の
外側に隙間CLを確保しているから、円筒部を挟んで両
側にリングギヤところがり軸受けを圧入する場合に比較
して、リングギヤところがり軸受けの着脱や交換が容易
である。
【0033】請求項2の発明によれば、圧入や焼きばめ
によってデファレンシャルケースとリングギヤのある程
度の連結が確保されているから、両者を固定するねじ等
の負担が小さく、本数や口径を削減することが可能であ
る。
【0034】請求項3の発明によれば、リングギヤから
フランジ部に伝達された荷重がころがり部材を直通して
トランスミッションケースに伝達されて、円筒部に折り
曲げ力や加振動力を作用させないから、各部材の肉薄化
や小口径化を行っても機械強度や疲労強度が確保され、
振動や騒音のレベルも高まらない。
【0035】請求項4の発明によれば、カウンター軸に
アイドル歯車を組み立て完了した状態でアイドル歯車の
歯面を仕上げて、カウンター軸と歯面の傾きや軸ずれを
修正できるから、自動変速機側の出力歯車との噛み合い
状態が改善され、歯面の片当たりによる振動や異常な磨
耗が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】リングギヤとデファレンシャルケースの取り付
け構造の説明図である。
【図2】アイドル歯車とカウンター軸の取り付け構造の
説明図である。
【図3】カウンター軸とデファレンシャル機構の組み立
て状態の説明図である。
【図4】FF型自動変速機の平面図である。
【符号の説明】
11 リングギヤ 12 デファレンシャルケース 13 ボルト 14、26、27 自動調心ベアリング 11A、11B、12A 円筒面 11C、21A 歯面 11D 雌ねじ 11E 張り出し部 12B、32B 円筒部 12F フランジ部 14B ローラ 21 アイドル歯車 22 ロックナット 23 歯車 24 カウンター軸 21B、24A スプライン 24B 雄ねじ 24D 段付き部 25 リダクションギヤ 31 コンバーターハウジング 32 トランスミッションケース 33 ファイナル軸 35 ボルト 36 ピニオンギヤ 37 サイドギヤ 38 裏打ち板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の差動出力回転を形成する歯車機構
    を内蔵するデファレンシャルケースと、 該デファレンシャルケースから軸方向に突出させた円筒
    部の内側に配置されて、前記デファレンシャルケースを
    自動変速機の筐体に対して回転可能に支持するころがり
    軸受けと、 前記円筒部から放射状に拡張された環状のフランジ部に
    重ねて取り付けられ、自動変速機のカウンター軸に固定
    された歯車と噛み合うリングギヤと、を有するデファレ
    ンシャル機構付き自動変速機において、 前記フランジ部の外周円筒面と該外周円筒面に対向する
    前記リングギヤの内周円筒面とを、前記デファレンシャ
    ルケースと前記リングギヤの軸合わせ面とし、 前記リングギヤの前記フランジ部に重ねた部分の内周側
    の面と前記円筒部との間に環状の隙間を確保したことを
    特徴とするデファレンシャル機構付き自動変速機。
  2. 【請求項2】 前記フランジ面の外周円筒面に対して前
    記リングギヤの内周円筒面が圧入または焼きばめされて
    いることを特徴とする請求項1記載のデファレンシャル
    機構付き自動変速機。
  3. 【請求項3】 左右の差動出力回転を形成する歯車機構
    を内蔵するデファレンシャルケースと、 該デファレンシャルケースから軸方向に突出させた円筒
    部の内側に配置されており、軸方向に長いころがり部材
    によって、前記デファレンシャルケースを自動変速機の
    筐体に対して回転可能に支持するころがり軸受けと、 前記円筒部から放射状に拡張された環状のフランジ部に
    重ねて取り付けられ、自動変速機のカウンター軸に固定
    された歯車と噛み合うリングギヤと、を有するデファレ
    ンシャル機構付き自動変速機において、 前記フランジ部と軸方向に重なり合う位置に前記ころが
    り部材を位置させて前記ころがり軸受けが配置されてい
    ることを特徴とするデファレンシャル機構付き自動変速
    機。
  4. 【請求項4】 左右の差動出力回転を形成する歯車機構
    を内蔵するデファレンシャルケースと、 該デファレンシャルケースの外側に取り付けられたリン
    グギヤに噛み合う歯車を設けたカウンター軸と、 該カウンター軸に取り付けられて一体に回転し、自動変
    速機の変速機構の出力歯車に噛み合うアイドル歯車と、
    を有するデフアレンシャル機構付き自動変速機におい
    て、 前記アイドル歯車の前記出力歯車と噛み合う歯面は、前
    記アイドル歯車を前記カウンター軸に取り付け完了した
    状態で仕上げ加工されていることを特徴とするデフアレ
    ンシャル機構付き自動変速機。
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