JPH09143486A - 冷凍機油組成物および冷凍サイクル - Google Patents

冷凍機油組成物および冷凍サイクル

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JPH09143486A
JPH09143486A JP7306230A JP30623095A JPH09143486A JP H09143486 A JPH09143486 A JP H09143486A JP 7306230 A JP7306230 A JP 7306230A JP 30623095 A JP30623095 A JP 30623095A JP H09143486 A JPH09143486 A JP H09143486A
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JP
Japan
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oil
polyol ester
refrigerant
refrigerating machine
acid
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JP7306230A
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Inventor
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Keizo Nakajima
啓造 中島
Narihiro Sato
成広 佐藤
Katsuya Wakita
克也 脇田
Yusuke Ozaki
祐介 尾崎
Nobuo Sonoda
信雄 園田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロフルオロカーボン冷媒とともに用い
るエステル系冷凍機油の欠点である化学的不安定性に起
因する閉塞現象の招き易さを克服するとともに冷凍圧縮
機への油戻り特性を確保する。 【解決手段】 ポリオールエステル70〜95重量部
と、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、ポリα−オレ
フィン、およびアルキルベンゼンからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の非ポリオールエステル油5〜30重
量部の混合物を基油とする冷凍機油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機油組成物に
関し、更に詳しくはハイドロフルオロカーボン系冷媒を
使用する圧縮式冷凍機に用いる冷凍機油、および同冷凍
機油とハイドロフルオロカーボン系冷媒を使用する冷凍
サイクルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、クロロフルオロカーボン(以
下、CFCで表す)やハイドロクロロフルオロカーボン
(以下、HCFCで表す)など塩素含有冷媒、例えばC
FC−11、CFC−12、CFC−115、HCFC
−22を用いる圧縮式冷凍機においては、一般に鉱油、
アルキルベンゼン、ポリグリコール系油、これらの混合
物、またはこれらの各種基油に極圧剤を配合したものが
冷凍機油として使用されている。これらの冷媒のうち、
CFC−11、CFC−12、CFC−115等のCF
C類は、オゾン層破壊の元凶であるとされ、規制の対象
となっている。さらに、HCFC−22のような水素を
含む塩素化炭化水素系の冷媒も、同様の理由から規制さ
れる方向にある。
【0003】これらに替わってハイドロフルオロカーボ
ン系の冷媒、とりわけHFC−32、HFC−125、
HFC−134a、HFC−152a等の冷媒がCFC
−12やHCFC−22と熱力学的物性が類似してお
り、単独または混合冷媒の形で代替冷媒として検討ある
いは使用されつつある。従来、CHF−12やHCFC
−22のような塩素含有冷媒を使用する冷凍機の潤滑油
には、鉱油、アルキルベンゼン、ポリα−オレフィンま
たはそれらの混合物が用いられてきた。そして、冷凍機
油は冷媒との相溶性が重要であるので、ハイドロフルオ
ロカーボン冷媒用冷凍機油には、冷媒との相溶性を考慮
して、エステル油、ボリグリコール油等の極性の強い基
油が既に用いられている。また、冷媒の代替が完了して
いない機器についても、これらの極性の強い基油を用い
ることが検討されている。しかし、エステル油は、加水
分解性などのために冷凍サイクル中で脂肪酸金属塩など
を生成し、閉塞現象を招きやすいという問題がある。ま
た、ポリグリコール油は、電気絶縁性が低く、コンプレ
ッサモータが内蔵される冷凍サイクルには不適当であっ
た。
【0004】これらの課題に対して、ハイドロフルオロ
カーボン冷媒との相溶性は不十分であるが、化学的安定
性が比較的高い鉱油やアルキルベンゼン油、あるいはポ
リα−オレフィンにエステル油やトリグリセリドなどの
極性化合物を添加して冷凍機油成分への冷媒の溶解度を
高めることで流動性を向上させる試みが検討されている
(特開平5-125374号公報、特開平6-248286公報、特開平
5-59386公報、特開平5-295385公報、特開平4-350386公
報)。しかし、これら冷凍機油の組成範囲では、ハイド
ロフルオロカーボン冷媒との相溶性は不十分であり、特
に配管長が大きい空調装置などではコンプレッサへの油
戻りが十分ではなく、実用的ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハイドロフ
ルオロカーボン冷媒とともに用いるエステル系冷凍機油
の欠点である化学的不安定性に起因する閉塞現象の招き
易さを克服し、冷凍圧縮機への油戻り特性を確保したハ
イドロフルオロカーボン冷媒用の冷凍機油組成物を提供
することを目的とする。本発明は、またそのような冷凍
機油組成物を用いた冷凍サイクルを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハイドロ
フルオロカーボンを冷媒とし、エステル系油を冷凍機油
として使用する場合に生成する脂肪酸金属塩の性質を鋭
意検討した結果、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、
ポリα−オレフィン、およびアルキルベンゼンからなる
群より選ばれる少なくとも一種の非ポリオールエステル
油と、ポリオールエステルとの特定割合の混合物を基油
とすることにより、生成する脂肪酸金属塩によって冷凍
サイクル中で閉塞現象を引き起こすことを防止できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明の冷凍機油組成物は、ポリオールエステル70〜9
5重量部と、少なくとも一種の非ポリオールエステル油
5〜30重量部との混合物を基油とするものである。ま
た、本発明の冷凍サイクルは、前記の冷凍機油組成物と
ハイドロフルオロカーボン冷媒とを作動媒体とするもの
である。
【0007】ハイドロフルオロカーボン冷媒とともに用
いられるエステル系冷凍機油は、冷凍サイクル中の水分
により加水分解し、さらに冷凍圧縮機の摺動部分におい
て、金属活性表面と反応して原料脂肪酸の鉄塩などを生
成する。エステル系冷凍機油の基油がポリオールエステ
ル油の場合には、通常原料脂肪酸は炭素数4から10の
直鎖または分岐の脂肪酸であり、これらの金属塩は極性
が高いハイドロフルオロカーボンの液冷媒には溶解し得
ないためにキャピラリなどで析出し、閉塞現象を引き起
こす。
【0008】しかし、これら金属塩は、比較的極性が小
さいポリオールエステル油やナフテン系鉱油、パラフィ
ン系鉱油、ポリα−オレフィン、アルキルベンゼン油な
ど非ポリオールエステル油の単独組成物または混合物に
は容易に溶解する。冷凍サイクル中では、循環作動媒体
のほとんどが冷媒であり、冷凍機油が冷媒と十分な相溶
性を有する場合には、冷媒が液体である部分では冷凍機
油は液冷媒に対する溶質として、冷媒が気体である部分
では冷媒の溶解によって低粘度化した液体としてそれぞ
れ循環する。よって、冷媒との相溶性が小さい非ポリオ
ールエステル油をポリオールエステル冷凍機油に混合す
ることによって、生成する脂肪酸金属塩を非ポリオール
エステル油部分に溶解させ、キャピラリ部分などで析出
させることなく循環させることができる。
【0009】一方、従来技術において、冷凍圧縮機内部
での冷凍機油挙動を中心に冷媒との相溶性を考慮した冷
凍機油組成物がある。すなわち、ナフテン系鉱油、パラ
フィン系鉱油、ポリα−オレフィン、アルキルベンゼン
油などの非ポリオールエステル油が全体の40重量%以
上を占める冷凍機油組成物である。このような冷凍機油
組成物を用いる場合には、ハイドロフルオロカーボン冷
媒−ポリオールエステル油−非ポリオールエステル油の
相溶範囲が十分ではない。従って、液体組成において冷
凍機油に対する冷媒組成が高い場合には、比重が小さい
少量のハイドロフルオロカーボンを溶解した非ポリオー
ルエステル油が豊富な層と、比重が大きい大量のハイド
ロフルオロカーボンを溶解したポリオールエステル油が
豊富な層とに分離してしまう。そのため、非ポリオール
エステル油が豊富な層は液溜まり部分で滞留し、冷凍圧
縮機内部の油面が低下し、これによって摺動部分での焼
き付きを起こすことが多かった。
【0010】しかし本発明の冷凍機油は、ポリオールエ
ステル70〜95重量部と、ナフテン系鉱油、パラフィ
ン系鉱油、ポリα−オレフィン、およびアルキルベンゼ
ンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非ポリオー
ルエステル油5〜30重量部の混合物を基油とするの
で、ハイドロフルオロカーボン冷媒−ポリオールエステ
ル油−非ポリオールエステル油の相溶範囲が十分広い。
従って、たとえ非ポリオールエステル油が豊富な層とポ
リオールエステル油が豊富な層とに分離するほどの低温
にさらされても、非ポリオールエステル油が脂肪酸金属
塩を溶解したままミセル化して循環するので、閉塞現象
を引き起こすことがなく、かつまた油戻りが十分良好で
ある。特に、非ポリオールエステル油の40℃における
動粘度が20センチストークス以下である場合には、冬
季の空調機室外機での寝込み状態からの起動であって
も、低粘度であるために即、比重が大きい大量のハイド
ロフルオロカーボンが溶解したポリオールエステル油が
豊富な層と懸濁状態に移行し、油戻りが悪化することが
ないので好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をより
詳細に説明する。本発明における冷凍機油組成物におけ
る基油は、ポリオールエステル70〜95重量部と、ナ
フテン系鉱油、パラフィン系鉱油、ポリα−オレフィ
ン、アルキルベンゼンからなる群より選ばれる少なくと
も一種の非ポリオールエステル油5〜30重量部の混合
物である。ポリオールエステルとしては、ジオールある
いは水酸基を3〜20個有するポリオールと、炭素数6
〜20の脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。
【0012】ここで、ジオールとしては炭素数が2〜1
2のものが好ましい。具体的には例えぱ、エチレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−
へキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メ
チル−2−ブロピル−1,3−プロパンジオール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,
12−ドデカンジオールなどが挙げられる。ポリオール
としては、炭素数が3〜60のものが好ましい。具体的
には例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロール
プロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペン
タエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、ト
リ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、ポリグリ
セリン(グリセリンの2〜20量体)、1,3,5−ペ
ンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビ
トールグリセリン縮合物、アドニトール、アラピトー
ル、キシリトール、マンニトールなどの多価アルコー
ル、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノー
ス、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノ
ース、ソルボース、セロピオース、マルトース、イソマ
ルトース、トレハロース、シエクロース、ラフイノー
ス、ゲンチアノース、メレジトースなどの糖類、ならび
にこれらの部分エーテル化物、およびメチルグルコシド
(配糖体)などが挙げられる。
【0013】脂肪酸としては、具体的には例えば、ヘキ
サン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン
酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラ
デカン酸、ペンタデカン酸、へキサデカン酸、ヘプタデ
カン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン
酸、オレイン酸などの直鎖または分枝のもの、あるいは
α炭素原子が4級であるいわゆるネオ酸などが挙げられ
る。ポリオールエステルは、遊離の水酸基を有していて
もよい。なお、特に好ましいポリオールエステルは、ネ
オペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリ
メチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパ
ン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリト
ール)、トリ−(ペンタエリスリトール)などのヒンダ
ードアルコールのエステルである。具体的に例示すれ
ぱ、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロ
ールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2
−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラル
ゴエネートなどが挙げられる。粘度、対加水分解性の観
点でより好ましくは、炭素数3〜10個のポリオールと
炭素数4〜10個の脂肪酸とのエステルである。
【0014】非ポリオールエステル油であるナフテン系
鉱油、パラフィン系鉱油、ポリα−オレフィン、および
アルキルベンゼンについて以下に説明する。鉱油は、例
えば、原油を常圧蒸留または滅圧蒸留して得られる潤滑
油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱
ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等
の精製処理を適宜組み合わせて精製したもので、原油原
産地により生成物の分子構造が異なり、パラフィン系ま
たはナフテン系鉱油として分類されるものである。ポリ
α−オレフィンにはポリブテン、1−オクテンオリゴマ
ー、1−デセンオリゴマーなどがある。アルキルベンゼ
ンは、一般に炭素数3〜50の直鎖または分岐のアルキ
ル基が1〜3個置換したベンゼンである。これら非ポリ
オールエステル油は、単独でポリオールエステル油と混
合しても良いし、混合物の非ポリオールエステル油とし
てポリオールエステル油と混合しても良い。これら非ポ
リオールエステル油は、冷凍サイクルの全ての温度・圧
力範囲でポリオールエステルとHFC冷媒との混合物と
相溶するわけではないので、冷媒とともに圧縮機から吐
出されても分離時にも粘度が低いことによって圧縮機へ
の戻りが確保できるように、40℃での動粘度が20セ
ンチストークス以下であることが好ましい。
【0015】本発明の組成物には、冷凍機油としての総
合的性能を向上させる目的で、さらに通常用いられる添
加剤、即ち酸性物質やラジカル等の活性物質の捕捉剤と
してのフェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグ
リシジルエーテルまたはエポキシ化植物油などのエポキ
シ化合物、フェノール系またはアミン系の酸化防止剤、
高級アルコール類、高級脂肪酸類の油性向上剤、ペンゾ
トリアゾールなどの金属不活性化剤、各種正燐酸エステ
ル、酸性燐酸エステル、亜燐酸エステル、ホスフィン
類、硫酸エステル類、スルフィド類などの摩耗向上剤あ
るいは極圧剤などを単独、または数種組み合わせて配合
することも可能である。また、これらの配合割合も一般
に用いられるもので良い。
【0016】本発明の冷凍機油と共に用いられる冷媒と
しては、具体的には、ジフルオロメタン(HFC−3
2)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフ
ルオロエタン(HFC−1 25)、1,1,2,2−
テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、
1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等、あ
るいはこれらを混合したハイドロフルオロカーボン冷媒
が挙げられる。本発明の冷凍機油組成物は、冷蔵庫、冷
凍庫、自動販売機、ショーケース、ルームエアコン、パ
ッケージエアコン、ビルマルチエアコン、カーエアコ
ン、除湿剤、化学プラントなどの冷媒圧縮式冷凍機を用
いる機器に広く利用できる。
【0017】図1は、一般的な冷凍圧縮機、凝縮器、膨
張弁またはキャピラリならびに蒸発器を備えた冷凍サイ
クルの全体構成を示す管路図である。冷凍サイクルは、
図1に示すように圧縮機1、凝縮器2、膨張弁またはキ
ャピラリ3、蒸発器4、さらにこれらを連結する配管で
構成される。以下に示す実施例の冷凍サイクルでは、ポ
リオールエステル70〜95重量部と、ナフテン系鉱
油、パラフィン系鉱油、ポリα−オレフィン、およびア
ルキルベンゼンから選ばれる少なくとも一種の非ポリオ
ールエステル油5〜30重量部の混合物を基油とする冷
凍機油、およびハイドロフルオロカーボン冷媒を作動媒
体とする。この作動媒体を除き冷凍サイクル自体の構成
は従来公知のものとほぼ同一であり、冷凍サイクルの詳
細な説明は省略する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 [実施例1]分岐オクタン酸および分岐デカン酸の混合
酸とペンタエリスリトールとの縮合物である40℃にお
ける動粘度が65センチストークスのポリオールエステ
ルに、40℃での動粘度が7であるハードアルキルベン
ゼンを各種の割合で混合して冷凍機油を調製した。そし
て、各冷凍機油を2g入れた耐圧性ガラス容器にHFC
冷媒R407C(R32:R125:R134a=2
3:25:52重量比)を各種の割合で充填し、温度を
変えて冷媒と冷凍機油とが分離する温度を測定した。図
2は、横軸に冷凍機油と冷媒との混合物中に占める冷凍
機油の割合、縦軸に温度をそれぞれ示し、非ポリオール
エステル油のポリオールエステル油に対する比率(重量
百分率)毎に分離温度をプロットしたものである。図2
からもわかるように、非ポリオールエステル油の比率が
30%以下の範囲では、分離温度は室温以下であり、実
用上十分な相互溶解性を確保することができる。
【0019】[実施例2]分岐ヘキサン酸とネオペンチ
ルグリコールとの縮合物である40℃における動粘度が
22センチストークスのポリオールエステルに、40℃
での動粘度が8である鉱油を各種の割合で混合して冷凍
機油を調製した。そして、各冷凍機油2gを入れた耐圧
性ガラス容器にHFC冷媒R134aを各種の割合で充
填し、冷媒−冷凍機油の分離温度を測定した。図3に示
したように、非ポリオールエステル油の比率が30%以
下の範囲では、分離温度は室温以下であり、実用上十分
な相互溶解性を確保することができる。
【0020】[実施例3]分岐オクタン酸とネオペンチ
ルグリコールとの縮合物である40℃における動粘度が
32センチストークスのポリオールエステルに、40℃
での動粘度が15であるポリα−オレフィン油を各種の
割合で混合して冷凍機油を調製した。そして、各冷凍機
油2gを入れた耐圧性ガラス容器にHFC冷媒R410
A(R32:R125=1:1重量比)を各種の割合で
充填し、冷媒−冷凍機油の分離温度を測定した。図4に
示したように、非ポリオールエステル油の比率が30%
以下の範囲では、分離温度は室温以下であり、実用上十
分な相互溶解性を確保することができる。
【0021】[比較例1]分岐オクタン酸とネオペンチ
ルグリコールとの縮合物である40℃における動粘度が
32センチストークスのポリオールエステルに、40℃
での動粘度が25である鉱油を各種の割合で混合して冷
凍機油を調製した。そして、各冷凍機油2gを入れた耐
圧性ガラス容器にHFC冷媒R410Aを各種の割合で
充填し、冷媒−冷凍機油の分離温度を測定した。図5に
示したように、非ポリオールエステル油の比率が30%
以下の範囲であっても、分離温度は油/(油+冷媒)の
範囲によっては室温以下でないが、利用可能な相互溶解
性を確保できる。
【0022】[実施例4]ポリオールエステル油とし
て、分岐オクタン酸および分岐デカン酸の混合酸とペン
タエリスリトールとの縮合物である40℃における動粘
度が65センチストークスのポリオールエステルを用い
た。このポリオールエステル油と各種の非ポリオールエ
ステル油とを表1に示すような比率で混合して7種の冷
凍機油を調製した。これらの冷凍機油1リットルに各々
分岐オクタン酸と塩化鉄を反応させて得た分岐オクタン
酸鉄塩10mgを溶解させ、これを冷凍圧縮機、凝縮
器、ガラス製キャピラリ、および蒸発器からなる冷凍サ
イクルに150gずつ充填し、さらにHFC冷媒R13
4aを180g充填した。こうして冷凍サイクルを運転
し、ガラス製キャピラリを観察して分岐オクタン酸鉄塩
の付着状態を調べた。
【0023】
【表1】
【0024】本発明の実施例である試料No.1〜5の
冷凍機油を用いた場合は、ガラス製キャピラリに蓄積す
るものは存在しなかった。一方、比較例の試料No.6
の冷凍機油を用いた場合は、褐色の分岐オクタン酸鉄塩
の堆積が観測された。また、非ポリオールエステル油の
比率が高い別の比較例である試料7では、圧縮機内の油
面低下が大きく、給油不足傾向に陥った。非ポリオール
エステル油のうち、40℃での動粘度が20センチスト
ークスよりも大きい試料No.5では、起動時の油面低
下は大きかったもののすぐに回復し、給油面での問題は
発生しなかった。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ハイドロ
フルオロカーボンを冷媒とする冷凍サイクルにおいて、
エステル系冷凍機油の欠点である化学的不安定性に起因
する閉塞現象の招き易さを克服するとともに冷凍圧縮機
への油戻り特性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた冷凍圧縮機、凝縮器、
膨張弁またはキャピラリならびに蒸発器を備えた冷凍サ
イクルを示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施例1の冷凍機油のHFC冷媒との
相互溶解性を示す図である。
【図3】本発明の実施例2の冷凍機油のHFC冷媒との
相互溶解性を示す図である。
【図4】本発明の実施例3の冷凍機油のHFC冷媒との
相互溶解性を示す図である。
【図5】比較例の冷凍機油のHFC冷媒との相互溶解性
を示す図である。
【符号の説明】
1 冷凍圧縮機 2 凝縮器 3 膨張弁(又はキャピラリ) 4 蒸発器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 101:02 105:06 107:02) C10N 20:02 30:00 40:30 (72)発明者 脇田 克也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 尾崎 祐介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 園田 信雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、ポ
    リα−オレフィン、およびアルキルベンゼンからなる群
    より選ばれる少なくとも一種の非ポリオールエステル油
    5〜30重量部と、ポリオールエステル70〜95重量
    部との混合物を基油とすることを特徴とする冷凍機油組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記非ポリオールエステル油の40℃に
    おける動粘度が20センチストークス以下である請求項
    1記載の冷凍機油組成物。
  3. 【請求項3】 ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、ポ
    リα−オレフィン、アルキルベンゼンからなる群より選
    ばれる少なくとも一種の非ポリオールエステル油5〜3
    0重量部と、ポリオールエステル70〜95重量部との
    混合物を基油とする冷凍機油、ならびにハイドロフルオ
    ロカーボン冷媒を作動媒体とする冷凍サイクル。
  4. 【請求項4】 前記非ポリオールエステル油の40℃に
    おける動粘度が20センチストークス以下である請求項
    3記載の冷凍サイクル。
JP7306230A 1995-11-24 1995-11-24 冷凍機油組成物および冷凍サイクル Pending JPH09143486A (ja)

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