JPH09141794A - 自己粘着性包装用フィルム - Google Patents

自己粘着性包装用フィルム

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JPH09141794A
JPH09141794A JP7306158A JP30615895A JPH09141794A JP H09141794 A JPH09141794 A JP H09141794A JP 7306158 A JP7306158 A JP 7306158A JP 30615895 A JP30615895 A JP 30615895A JP H09141794 A JPH09141794 A JP H09141794A
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Haruo Hayashida
晴雄 林田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性、電子レンジ適性、「のこ刃」カット
性に優れ、かつ適度な柔軟性を有し、しかも透明性に優
れるとともに外観も良好である自己粘着性包装用フィル
ムを提供する。 【解決手段】 両表面層がそれぞれポリエチレン系樹脂
からなり、両表面層の間に融点が140℃以上のポリプ
ロピレン系樹脂層を少なくとも一層有する多層フィルム
に電離性放射線を照射し、同時にフィルムの引き取り方
向に延伸加工してなることを特徴とする自己粘着性包装
用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂およびポリエチレン系樹脂からなる自己粘着性包装
用フィルムに関し、詳しくは改善された自己粘着性、電
子レンジ適性、カット性及び適度な柔軟性を有する自己
粘着性包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自己粘着性包装用フィルムは、
食品を密封するために、一般家庭、飲食店、ホテル等に
おいて多用されており、冷蔵庫中に保存する場合の水分
の散逸防止、電子レンジ中で加熱する場合の水分の散逸
防止、あるいは保存中の風味ないし臭気の放散防止また
は他の臭気付着防止、そして営業用に使用される場合の
塵埃の付着防止等の効果を発揮する。特に、近年におけ
る電子レンジの普及に伴い、この用途での需要が大幅に
増加している。即ち、自己粘着性包装用フィルムは、電
子レンジ中で水分が蒸発し風味を損なうことを防止する
ため、食品を入れた容器(一般には陶磁器やガラス製の
もの)を密封包装するのに用いられている。かかる用途
に用いられる包装用フィルムは、上記容器との密着ある
いは該フィルム同志の粘着性を有することの他、電子レ
ンジ中で熱収縮が小さく且つ熱溶融や白化現象を起こさ
ない性質(以下、「電子レンジ適性」という)を有する
ことが要求される。
【0003】従来の自己粘着性包装用フィルムは、ポリ
塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルを主原
料とするものが知られている。しかしながら、ポリ塩化
ビニリデンによるフィルムは、加熱時の収縮が大きいと
いう不都合があり、価格的に他の2者に比べると高価で
ある。また、ポリエチレンによるフィルムは油物(例え
ば食肉やてんぷら等)に接着し且つ高熱となった場合は
フィルムに穴あきが生じるという欠点があり、さらに、
ポリ塩化ビニルによるフィルムは、沸騰熱湯に接触する
と白化現象を起こす問題がある。従って、これら従来の
自己粘着性フィルムは、いずれも電子レンジ適性として
十分とは言い難いのが現状である。
【0004】一方、このような自己粘着性包装用フィル
ムの使用形態の多くは、例えば紙管等の芯材に巻装され
た幅20〜45cm、厚さ10〜20μのフィルムを、
紙箱等のケースに収納して使用するものであり、このケ
ースに取付けられた「のこ刃」と呼ばれる切断刃に当て
てフィルムを引き取って適宜の長さに切断し、フィルム
の有する粘着性により、食品収納容器類の開口部や食品
の切り口を密封するものである。
【0005】フィルムの切断に使用される上記「のこ
刃」としては、一般に0.2mm厚程度の鉄板をのこぎ
り型に打ち抜いただけの簡単な刃が使用されており、ま
たこの「のこ刃」を支えるケースについても、350〜
700g/m2 程度のコートボール紙製の紙箱が使われ
ており、剛性は極めて低い。この種のフィルムは、この
ような簡単な切断機構によっても、容易に切断されるこ
とが要請されるのであるが、実際は、ケースや「のこ
刃」から外れた位置で切断が起こったりする場合があ
る。
【0006】具体的に述べると、従来はポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンを主原料と
するフィルムが用いられており、ポリ塩化ビニリデンに
よるフィルムは、切断の際フィルムの一部に裂け目がで
きると、この裂け目が広がって、「のこ刃」に沿って切
断されることなく斜めに切れてしまう。また、ポリ塩化
ビニルまたはポリエチレンを主原料とするフィルムは、
切断時フィルムの伸びが大きく、切れ味が悪い。さら
に、ポリ塩化ビニリデンまたはポリ塩化ビニルを主原料
とするフィルムは、適度な柔軟性を有しており、家庭用
ラップフィルムとして好適に用いられているが、これら
のフィルムは塩素を多量に含んでいるため、焼却時に有
害なガスを発生したり、あるいは、多量に含まれる可塑
剤の有害性などが問題となっており、環境適性が十分と
いえない。
【0007】このため、ポリプロピレンを主原料とする
自己粘着性包装用フィルムとして、例えば、特公昭58
−46216号公報には、ポリエチレンを特定量配合し
て得られるフィルム、特公昭63−63578号公報に
は、核剤を特定量およびアタクチックポリプロピレンま
たはロジン等を配合して得られるフィルム、特開平4−
328144号公報には、ポリプロピレン系共重合体に
界面活性剤を特定量配合した2軸延伸フィルムがそれぞ
れ記載されている。また、特公平2−14935号公報
には、粘着付与剤を配合した樹脂組成物を延伸して自己
粘着性包装用フィルムを製造する方法が記載されてい
る。さらに、特開平6−32952号公報には、4−メ
チルペンテン−1を主原料とするフィルムが記載されて
いる。しかし、これらの中には、粘着性、電子レンジ適
性、「のこ刃」カット性のいずれも満足し、且つ適度な
柔軟性を有する自己粘着性包装用フィルムは未だ得られ
ていない。
【0008】一方、電離性放射線を照射することによっ
て得るフィルムまたはシートとして、例えば、特公平1
−24628号公報には、基材フィルム上にエチレン−
酢酸ビニル共重合体が積層されたフィルムに電子線を照
射してなるヒートシール性の改善されたフィルム、特開
平5−84826号公報には、ポリエチレン系樹脂組成
物からなるシートまたはチューブに電離放射線を照射し
た後、延伸することにより得られた熱収縮フィルムがそ
れぞれ記載されている。また、特開平5−254074
号公報には、ポリエチレン系樹脂からなる多層フィルム
に電子線を照射してなる熱収縮性フィルム、特開平5−
286087号公報には、放射線崩壊型樹脂層を含むフ
ィルムまたはチューブにおいて、放射線崩壊型樹脂層に
放射線エネルギー吸収剤を添加したフィルムに電子線を
照射してなるフィルムがそれぞれ記載されている。しか
し、これらの中には、粘着性、電子レンジ適性、「のこ
刃」カット性のいずれも満足し、且つ適度な柔軟性を有
する自己粘着性包装用フィルムは未だ得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着性、電
子レンジ適性、「のこ刃」カット性に優れ、且つ適度な
柔軟性を有する安価な自己粘着性包装用フィルムを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、粘着性、電子レンジ適性及び「のこ刃」カット
性に優れ、かつ適度な柔軟性を有する自己粘着性包装用
フィルムについて鋭意研究を続けてきた結果、両表面層
がポリエチレン系樹脂で構成され、該両表面層の間に融
点が140℃以上のポリプロピレン系樹脂層を少なくと
も一層有するフィルムに電離性放射線を照射し、且つ、
再加熱を行わず電離性放射線の照射による発熱を利用し
て、フィルムの引き取り方向に延伸加工してなるフィル
ムが上記性能を満足することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0011】すなわち、本発明は、両表面層がポリエチ
レン系樹脂で構成され、両表面層の間に融点が140℃
以上のポリプロピレン系樹脂層を少なくとも一層有する
フィルムに電離性放射線を照射し、同時にフィルムの引
き取り方向に延伸加工してなることを特徴とする自己粘
着性包装用フィルムを提供するものである。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、特定の多層フィルムに
電子線を照射することによって、両表面層のポリエチレ
ン系樹脂は、従来から知られているように架橋反応を生
じるため、見掛けの耐熱性が向上し、電子レンジ適性が
得られる。また、該表面層は、フィルムを製膜した段階
で粘着性を有しているが、本発明者らの検討の結果、こ
の粘着性は、電離性放射線の照射によって損なわれるこ
とはなく、むしろ向上する傾向にあることが判明した。
一方、両表面層の間に配した、融点が140℃以上のポ
リプロピレン系樹脂は、電離性放射線の照射によって分
解反応を生じるが、その耐熱性が損なわれることはな
い。さらに、本発明においては、電離性放射線が照射さ
れる箇所においてフィルムを延伸加工することにより、
当該フィルムに優れた「のこ刃」カット性と十分なフィ
ルム破断強度を発現させうることを見出した。
【0013】この延伸加工の原理を以下に説明する。樹
脂フィルムに電離性放射線を照射するとフィルムが発熱
し、照射線量に応じて室温よりも高い温度に達する。室
温よりも高い温度に達した部分のフィルムは、室温の部
分に比して抗張力が低下するため、電離性放射線照射部
の前後においてフィルムに速度差または張力を与える
と、フィルムは発熱部、つまり電離性放射線が照射され
ている部分で延伸される。この延伸の倍率は、電子線の
照射線量、フィルムの張力または電子線照射部前後での
速度差、および照射部の雰囲気温度をコントロールする
ことにより自由に変化させることが可能である。また、
これら各層の厚み比を選択することにより、適度な柔軟
性を得ることも可能である。
【0014】本発明の両表面層に用いるポリエチレン系
樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−
4メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−
1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレ
ン−デセン−1共重合体などのエチレンと炭素数3〜1
0のα−オレフィンとの共重合体、さらにはエチレン
と、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物あ
るいはアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等の共重
合成分とからなるエチレン系共重合体も挙げられる。ま
た、これらの重合体は酸変性されたもの、例えば、α,
β−不飽和カルボン酸、脂環族カルボン酸、またはこれ
らの誘導体でグラフト変性された重合体であってもよ
い。ポリエチレン系樹脂としては、これらの中でも低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−4メチルペンテン−1共重
合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オ
クテン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体な
どのエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体が好ましい。
【0015】ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレ
ンが好ましく、十分な粘着性を得ることを考慮すると、
これらの中でも低密度ポリエチレンがより好ましく、特
に密度が0.93g/cm3以下、メルトフローレート
0.1〜50g/10分の低密度ポリエチレンが最適で
ある。
【0016】また、ポリエチレン系樹脂として、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体を用いる場合は、適度な粘
着性を得ることを考慮すると密度が0.88〜0.94
g/cm3 、メルトフローレートが0.1〜50g/1
0分のエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとか
らなる共重合体が好ましい。
【0017】さらに、ポリエチレン系樹脂として、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体またはエチレン−メタクリル酸エステル共
重合体を用いる場合は、適度な粘着性を得ることを考慮
すると、メルトフローレートが0.1〜50g/10
分、コモノマー含有量が5〜30重量%のものが好まし
い。
【0018】本発明の両表面層の間に用いるポリプロピ
レン系樹脂としては、融点が140℃以上のポリプロピ
レン系樹脂であり、例えばプロピレンホモポリマー、他
のα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン、ヘキセン
等)の1種あるいは2種以上とのコポリマーを含むプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。コポリ
マーはランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいず
れであってもよい。また、これら他成分との混合物であ
ってもよい。融点が140℃未満であるポリプロピレン
系樹脂を用いるとフィルムの耐熱性が不足するため不適
である。
【0019】本発明の自己粘着性包装用フィルムを製造
するにあたり、一般に用いられる添加剤を含有せしめて
もよい。例えば、添加剤としては、酸化防止剤、安定
剤、帯電防止剤、防曇剤等が挙げられる。
【0020】本発明においては、ポリエチレン系樹脂お
よびポリプロピレン系樹脂を共押出Tダイ法、共押出イ
ンフレーション法などの手段によって製膜して多層フィ
ルムを得る。次に、得られた多層フィルムに電離性放射
線を照射する。電離性放射線としては、例えばα線、β
線、γ線及び電子線が挙げられる。中でも装置の操作
性、作業性等の点から電子線が好ましい。
【0021】電離性放射線は、多層フィルムに対して通
常、線量が1〜50Mrad程度、好ましくは5〜30
Mrad程度、加速電圧が100〜300kV、好まし
くは150〜200kVの条件で照射すればよい。ただ
し、ここにいう照射線量は照射装置の入り口側における
フィルムのライン速度に対して設定するものである。ま
た、照射による効果は、電離性放射線が物体を透過する
性質をもつことから、当該多層フィルムの場合、片面へ
の照射のみでフィルム厚み方向全体にもたらされる。従
って、目的の照射線量を得るようにすれば多層フィルム
のいずれの面に照射してもよく、また両面に照射しても
よい。
【0022】さらに、本発明は、外部加熱による再加熱
を行わずに、電離性放射線の照射によるフィルムの発熱
を利用して、照射と同時に延伸加工を行う。延伸は、照
射装置入口側のフィルムライン速度に対して、照射装置
出口側のライン速度を通常1. 5倍以上、好ましくは2
〜5倍に設定することにより行う。従って、本発明にい
う延伸倍率は照射装置入口側のライン速度に対する照射
装置出口側のライン速度の比で表される。すなわち、フ
ィルムはその引き取り方向に、通常1.5倍以上、好ま
しくは2〜5倍延伸加工される。電離性放射線の照射と
同時に延伸加工してなるフィルムが、さらにフィルム幅
方向へ延伸加工して得られるフィルムが、フィルムの配
向バランスの点で好ましい。該延伸倍率は特に限定され
るものではないが、通常5〜10倍である。
【0023】本発明のフィルムの厚みは50μ以下、好
ましくは8〜15μの範囲であり、このうちポリプロピ
レン系樹脂層の厚みはフィルム全体の厚みの10〜90
%の範囲にあることが好ましい。フィルム全体の厚みが
50μを超えると切断時の抵抗力が大きくなりすぎるた
め好ましくない場合もある。ポリプロピレン系樹脂の厚
みがフィルム全体の厚みの10%未満では加熱時の耐熱
性が不足し、また90%を越えるとフィルムの柔軟性が
失われるため好ましくない場合もある。
【0024】本発明のフィルムの層構成は、基本的には
ポリエチレン系樹脂層/ポリプロピレン系樹脂層/ポリ
エチレン系樹脂層の少なくとも3層からなるものである
が、両表面層の間に、必要に応じてさらに他の組成物層
(例えば、再生樹脂層あるいはガスバリアー性樹脂層
等)を加え、4層以上の構成にすることも可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではな
い。
【0026】はじめに、以下の実施例における物性値の
測定方法を説明する。 (1)示差走査熱量計(DSC) パーキンエルマー社製DSC−7を用いてポリプロピレ
ン系樹脂の融点を測定した。熱プレスにより作製した厚
さ約0.5mmのシートから切り出した約10mgの試
片をDSC測定用サンプルパンに入れ、230℃まで昇
温した後150℃に降温し、150℃から5℃/分で4
0℃まで降温して5分間保持した後、5℃/分で180
℃まで昇温してサーモグラムを得る。この昇温時のサー
モグラムにおける主ピーク温度を融点とした。 (2)密度 ポリエチレン系樹脂の密度はJIS K6760に規定
された方法に従った。100℃の水中で1時間アニール
を行った後密度を測定した。 (3)メルトフローレート(MFR) ポリエチレン系樹脂のMFRはJIS K6760に規
定された方法により測定した。ポリプロピレン系樹脂の
MFRはJIS K6758に規定された方法により測
定した。
【0027】(4)共重合体中のコモノマー含有量 エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体またはエチレン−メタアクリル酸エス
テル共重合体のコモノマー含有量は赤外分光光度計を用
いてカルボニル伸縮振動吸収体の倍音である3480c
-1の吸光度を測定し、検量線から定量した。 (5)電子レンジ適性 東京都条例1072号「ラップフィルムの品質表示」に
従い、幅3cm、長さ14cmの短冊状のフィルム試料
片の上下2.5cmを治具ではさみ、試片下部に10g
の重りを下げる。この状態で1時間経過後もフィルムが
切れない最高雰囲気温度を10℃刻みで表示する。この
温度が高い程、電子レンジ適性は良好である。 (6)粘着力 幅10cm、長さ15cmのフィルム試料片を10cm
×10cmのガラス板に密着させ、23℃、50%RH
の雰囲気下で500gの荷重を30分間かけた後、フィ
ルム長手方向の一端を治具に固定し、ガラス板に垂直な
方向に200mm/分の速度で引き上げる。この際、引
き上げに要する力を測定し粘着力g/10cmとした。
【0028】(7)ヤング率 ASTM D882に規定された方法に従い、MD、T
Dそれぞれ測定した。この値が小さいほど柔軟性に富む
ことを示す。 但し、 試験片形状:20mm×120mmの短冊型 チャック間距離:50mm 引張速度:5mm/分 (8)破断伸び JIS K6781に規定された方法に従い測定した。 (9)加熱収縮率 MD、TDを明確にした上で9cm角にカットしたフィ
ルムを140℃に保ったシリコンオイルバス中に5秒間
浸した後取り出し、寸法を測定した。この時のフィルム
の収縮の割合を加熱収縮率(%)として表した。
【0029】(10) ヘイズ(曇り度) ASTM D1003に規定された方法に従った。この
値が小さいほど透明性が良いことを示す。 (11)「のこ刃」カット性 フィルムを芯管に巻き、「のこ刃」つきケース(0.2
mm厚のこぎり型打ち抜き鉄板型「のこ刃」を、500
g/m2 のコートボール紙製ケースに貼り付けたもの)
に収納し、「のこ刃」による切断を試みた。その結果、
「のこ刃」にあてて軽く引張るだけで真直ぐに切れたも
のは「良好」、斜めに切れたり、フィルムが大きく伸び
たり、「のこ刃」ケースが変形したり、あるいは切るの
に強い力を必要としたものは「不良」と表示した。
【0030】実施例1 プロピレン系樹脂層を構成する樹脂として(A)ポリプ
ロピレン(住友化学工業(株) 製ノーブレンY101、
MFR=12.0g/10分、融点=161℃)を、ま
た、両表面層を構成するポリエチレン系樹脂として
(B)低密度ポリエチレン(住友化学工業(株) 製スミ
カセンF411−0、MFR=2. 0g/10分、密度
=0.922g/cm3 )を用意し、これらを共押出T
ダイ法にて層構成が(B)/(A)/(B)で厚み構成
が4μ/4μ/4μなる多層フィルムに加工した。用い
た押出機は中間層が90mmφ、両表面層が65mmφ
(いずれも三菱重工業社製)であり、加工条件はダイ温
度が260℃、チルロール温度が20℃、加工速度が1
00m/分であった。次いで、このフィルムに電子線照
射装置(岩崎電気社製CB200/45/300型)を
用いて電子線を照射し、且つ同時に、照射による発熱を
利用して引き取り方向に延伸倍率4. 7倍で延伸加工し
た。照射条件は、加速電圧が165kV、照射線量が1
0Mradであった。尚、照射装置の雰囲気は窒素雰囲
気とした。評価結果を表1に示す。
【0031】実施例2 照射線量を15Mradとする以外は、実施例1と同様
の加工を行った。評価結果を表1に示す。
【0032】実施例3 照射線量を20Mradとする以外は、実施例1と同様
の加工を行った。評価結果を表1に示す。
【0033】実施例4 電子線照射と同時に行う延伸加工の延伸倍率を3倍とす
る以外は、実施例1と同様の加工を行った。評価結果を
表1に示す。
【0034】比較例1 電子線の照射のみを行い、延伸加工を行わない以外は、
実施例1と同様の加工を行った。評価結果を表2に示
す。
【0035】比較例2 電子線を照射することなく、ロール延伸機を用い、延伸
温度は90℃、延伸倍率4.7倍に設定し延伸加工のみ
行った以外は、実施例1と同様の加工を行った。評価結
果を表2に示す。
【0036】比較例3 実施例1において、フィルムの構成を(B)低密度ポリ
エチレンの単層として製膜し、このフィルムに実施例1
と同様に電子線を照射し、且つ同時に照射による発熱を
利用し延伸加工を行った。評価結果を表2に示す。
【0037】
【表1】 ──────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 ──────────────────────────────── 電子レンジ適性 ℃ 150 150 150 150 粘着力 g /10cm 7.0 7.5 7.0 7.5 ヤング率 MD kg/cm2 13000 14300 14100 8200 TD kg/cm2 5800 8100 8100 5600 破断伸び MD % 40 40 40 80 加熱収縮率 MD/TD % 22/-3 22/-3 20/-4 13/-2 ヘイズ % 1.0 0.8 0.6 1.0 のこ刃カット性 良好 良好 良好 良好 ────────────────────────────────
【0038】
【表2】 ─────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 ─────────────────────────── 電子レンジ適性 ℃ 150 150 110 粘着力 g /10cm 9.0 1.0 8.0 ヤング率 MD kg/cm2 8000 15500 5300 TD kg/cm2 8100 6300 2100 破断伸び MD % 220 50 160 加熱収縮率 MD/TD % 3/-2 63/-8 23/-2 ヘイズ % 1.0 2.6 1.8 のこ刃カット性 不良 良好 不良 ───────────────────────────
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、粘
着性、電子レンジ適性、「のこ刃」カット性に優れ、か
つ適度な柔軟性を有しており、しかも透明性に優れると
ともに外観も良好である自己粘着性包装用フィルムを提
供することができた。また、本発明の自己粘着性包装用
フィルムは、ポリ塩化ビニリデンやポリ塩化ビニルを主
原料とするフィルムに比べ環境適性が極めて高いもので
ある。さらに、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、
家庭用ラップフィルム、業務用ラップフィルムなどの包
装用フィルムとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 65/40 B65D 65/40 A 81/34 81/34 U C08J 7/00 305 C08J 7/00 305 // B29K 23:00 B29L 9:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両表面層がそれぞれポリエチレン系樹脂か
    らなり、両表面層の間に融点が140℃以上のポリプロ
    ピレン系樹脂層を少なくとも一層有する多層フィルムに
    電離性放射線を照射し、同時にフィルムの引き取り方向
    に延伸加工してなることを特徴とする自己粘着性包装用
    フィルム。
  2. 【請求項2】ポリエチレン系樹脂が、密度0. 93g/
    cm3 以下、メルトフローレート0. 1〜50g/10
    分の低密度ポリエチレンである請求項1記載の自己粘着
    性包装用フィルム。
  3. 【請求項3】ポリエチレン系樹脂が、密度0. 88g/
    cm3 〜0. 94g/cm3 、メルトフローレート0.
    1〜50g/10分のエチレンと炭素数4〜10のα−
    オレフィンとからなる共重合体である請求項1記載の自
    己粘着性包装用フィルム。
  4. 【請求項4】ポリエチレン系樹脂が、エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
    またはエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体であ
    り、且つ、これらの樹脂のメルトフローレートが0. 1
    〜50g/10分、コモノマー含有量が5〜30重量%
    である請求項1記載の自己粘着性包装用フィルム。
  5. 【請求項5】電離性放射線の照射線量が1〜50Mra
    dである請求項1記載の自己粘着性包装用フィルム。
  6. 【請求項6】電離性放射線の照射線量が5〜30Mra
    dである請求項1記載の自己粘着性包装用フィルム。
  7. 【請求項7】電離性放射線が電子線である請求項1記載
    の自己粘着性包装用フィルム。
  8. 【請求項8】延伸加工の延伸倍率が1.5倍以上である
    請求項1記載の自己粘着性包装用フィルム。
  9. 【請求項9】延伸加工の延伸倍率が2〜5倍である請求
    項1記載の自己粘着性包装用フィルム。
  10. 【請求項10】電離性放射線の照射と同時に延伸加工し
    てなるフィルムが、さらにフィルム幅方向へ延伸加工し
    てなる請求項1記載の自己粘着性包装用フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008308235A (ja) * 2008-07-23 2008-12-25 Toyobo Co Ltd 易カット性包装用袋の製造方法
JP2014037078A (ja) * 2012-08-15 2014-02-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 熱収縮多層フィルム及びそれを用いた包装袋
CN116175860A (zh) * 2023-01-12 2023-05-30 北京化工大学 一种辐照扩链改性制备聚丙烯发泡板材的装置及方法

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