JPH09134040A - 自動製版装置 - Google Patents

自動製版装置

Info

Publication number
JPH09134040A
JPH09134040A JP29295195A JP29295195A JPH09134040A JP H09134040 A JPH09134040 A JP H09134040A JP 29295195 A JP29295195 A JP 29295195A JP 29295195 A JP29295195 A JP 29295195A JP H09134040 A JPH09134040 A JP H09134040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
printing plate
cooling
tank
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29295195A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Okutsu
浩一 奥津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP29295195A priority Critical patent/JPH09134040A/ja
Publication of JPH09134040A publication Critical patent/JPH09134040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光面に付着した冷却水による印刷版の溶出
ムラを防止する。 【解決手段】 冷却槽102の搬送ローラ対114の間
には、冷却水を噴出するスプレーパイプ118が設けら
れ、スプレーパイプと冷却槽に貯留されている冷却水の
液面との間には、水切り板96が設けられている。スプ
レーパイプから吐出する冷却水は、感光面が上方へ向け
られて搬送される印刷版20の下側面へ向けて印刷版の
下側面に接触する程度に抑えられ、印刷版の上方へ大き
く冷却水が噴き上がって印刷版の感光面に付着するのが
防止され、スプレーパイプから吐出された冷却水を水切
り板上に落下させて水切り板の傾斜に沿って流すことに
より、落下する冷却水により水はねが生じて印刷版の表
面に付着してしまうのを防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像を形成し
た印刷版をトナー現像工程、加熱定着工程に連続して溶
出工程を備えた自動製版装置に係り、特に、溶出工程の
前に冷却水によって印刷版を冷却する冷却工程を備えた
自動製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】新聞印刷用に使用される感光性平版印刷
版には、アルミニウムの支持体上に形成する感光層に有
機光導電体を用いたOPC( Organic Photconductor
)印刷版がある。このOPC印刷版を用いる製版装置
では、OPC印刷版の感光層を均一に帯電させた後、レ
ーザ光等によって直接画像を記録し、原稿フィルム等を
用いることなく刷版の製作が可能となっている。
【0003】このようなOPC印刷版を用いて刷版を作
成する自動製版装置では、帯電・露光によって画像を記
録すると、現像工程で帯電したトナーを印刷版の表面に
塗布した後、定着工程で印刷版と共にトナーを加熱し、
印刷版に静電潜像に応じたトナー画像を形成する。この
トナー画像を形成した印刷版の非トナー部分(非画像部
分)の感光層を溶出液によって溶出して印刷用の刷版を
作成する。
【0004】ところで、溶出液は、温度によって溶出性
が変化するため、自動製版装置では、溶出液の温度を所
定の温度に維持して、溶出性、すなわち印刷版の現像性
が損なわれないようにしている。このため、加熱定着の
終了した印刷版は、比較的高温となっているため、この
印刷版に溶出液を塗布すると、溶出液の温度が上昇して
溶出性が変化し、一定品質の刷版の作成が困難となる。
このために、印刷版の溶出処理に先立て、印刷版の表裏
面に所定温度の水を吹き付けるか、印刷版を所定の温度
の水に浸漬して冷却するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水を表
裏面に吹き付けたり、水に浸漬されて冷却された印刷版
は、表面に水が付着した状態で溶出工程へ送り込まれ
る。この印刷版の表面に付着した水は、例えば溶出液を
部分的に薄めるなどして、印刷版に形成する画像のエッ
ジの切れを悪くするなどの溶出ムラを生じさせるという
問題がある。
【0006】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、冷却水による印刷版の溶出ムラを生じさせること
なく、品質の良い刷版を作成できる自動製版装置を提供
することを特徴とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
画像露光した印刷版の搬送方向に沿って現像工程、加熱
定着工程、冷却工程及び溶出工程を備え、加熱定着によ
って露光画像に応じたトナー画像を形成した印刷版を溶
出処理することにより刷版を作成する自動製版装置であ
って、前記冷却工程が、前記印刷版の感光面を上方へ向
けた状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって
搬送される前記印刷版の下方側の面へのみ向けて冷却水
を噴出する冷却水噴出手段と、を有することを特徴とす
る。
【0008】この発明によれば、冷却工程は、冷却水を
印刷版の感光面と反対側の面に吹き付けて印刷版を冷却
し、冷却水が印刷版の感光面に付着するのを防止してい
る。これによって、溶出工程では、印刷版の感光面に付
着した冷却水が部分的に溶出液の処理性能を低下させて
しまうことがないため、溶出ムラのない刷版を作成する
ことができる。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
自動製版装置であって、前記冷却工程が、冷却水を所定
の圧力で前記冷却水噴出手段へ供給する冷却水供給手段
と、前記冷却水噴出手段によって噴出した冷却水を回収
して貯留する冷却槽と、前記冷却水噴出手段と前記冷却
槽内に貯留される冷却水の液面の間に設けられ前記冷却
水噴出手段によって噴出された冷却水が落下することに
よって生じる冷却槽内の冷却水の水跳ねを防止する水は
ね防止手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、水はね防止手段が冷却
水噴出手段から印刷版へ向けて噴出した冷却水が、冷却
槽に貯留している冷却水中に直接落下するのを防止す
る。これによって、冷却水噴出手段から印刷版に吹き付
けた冷却水が、冷却槽内に落下するときに水はねを生じ
させることがない。これにより、水はねによって跳ね上
がった冷却水が、直接印刷版の感光面に付着したり、あ
るいは跳ね上がった冷却水が印刷版搬送用に設けている
ローラ等のに付着し、印刷版がローラ等に接触したとき
に印刷版の感光面に冷却水が付着したり、跳ね上がった
冷却水が冷却槽の上蓋内面に付着し、そこから印刷版の
感光面上に冷却水が垂れて付着する等の間接的な印刷版
の感光面への冷却水の付着を防止することができ、印刷
版の感光面に付着した冷却水による溶出ムラを防止する
ことができる。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項2に記載の
自動製版装置であって、前記水はね防止手段が搬送され
る前記印刷版の感光面に対して傾斜されている水切り板
であることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、水はね防止手段として
水切り板を用いたときに、この水切り板を印刷版の搬送
方向に沿って傾斜させ、冷却水噴出手段から噴出した冷
却水が水切り板上に落下したときに印刷版へ向けて跳ね
上がるのを防止し、印刷版の感光面に冷却水が付着しな
いようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】図1には、本実施の形態に適用し
たダイレクト製版装置10を示している。このダイレク
ト製版装置10は、給版部12と排版部14とを一体で
収容した給排版部16を備えており、給版部12への挿
入扉12Aを開いて、多数枚の印刷版20を載置したス
キッド22が装填される。
【0014】このダイレクト製版装置10に用いられる
印刷版20は、例えば新聞紙の縦2頁分のサイズ(幅寸
法398mm×縦寸法1120mm)等のアルミニウムの支
持体の一方の面に有機光導電体を用いた感光層が形成さ
れたOPC印刷版である。印刷版20は、スキッド22
上に感光層側の面(感光面)を下方に向けられた状態で
多数枚(例えば500枚〜1000枚)が積層され、保
管ないし運搬中に印刷版20の感光層の不必要な感光が
防止されると共に、感光面に塵等の汚れが付着が防止さ
れている。
【0015】ダイレクト製版装置10には、給排版部1
6に隣接して印刷版20に画像を記録する描画部18が
設けられている。給版部12では、スキッド22上から
印刷版20の裏面側を吸着して1枚づつ取り出すと、こ
の印刷版20を反転させて感光層を上方へ向けた状態で
描画部18へ送り込む。
【0016】描画部18では、給版部12から送り込ま
れた印刷版20を均一に帯電した後、図示しない製版コ
ントローラから入力される画像信号に応じて所定波長の
レーザー光を走査して露光し、印刷版20に静電潜像を
形成する。描画部18で画像露光された印刷版20は、
描画部18から取り出されて給版部12の上方に配置し
た排版部14に戻される。なお、給版部12〜描画部1
8〜排版部14の間は、印刷版20の幅方向に沿って搬
送する。
【0017】一方、給排版部16には、現像定着部24
が隣接して配置されており、画像露光の終了した印刷版
20を現像定着部24へ送り込む。現像定着部24の下
流側には、溶出部26、乾燥部28及び待機部30が配
置されている。また、待機部30に隣接してパンチ部3
2、版曲げ部34が順に配置されている。なお、排版部
14から待機部30の間は、印刷版20の長手方向に沿
って搬送し、待機部30から版曲げ部34へは、印刷版
20の幅方向に沿って搬送する。
【0018】現像定着部24は、現像部36と定着部3
8を備え、現像部36で静電潜像が形成された印刷版2
0の表面(感光面)に帯電したトナー(トナー粒子)を
均一に塗布し、余剰となったトナーを除去し、印刷版2
0の表面に静電潜像に応じてトナー粒子を付着させる。
定着部38では、加熱ランプ等の加熱手段によって印刷
版20を100°C以上(例えば120°C〜140°
C内)の所定温度に加熱し、印刷版20に付着している
トナーをフィルム化して定着させ、印刷版20の表面に
静電潜像に応じたトナー画像を形成する。なお、定着部
38では、印刷版20の周縁部に残ったトナーが印刷物
に汚れを生じさせないように端面処理を行っている。
【0019】トナー画像が形成された印刷版20は、次
に溶出部26へ送り込まれて表面にアルカリ溶液等の感
光層の溶出液が付与されて非画像部の感光層のエッチン
グ処理が行われた後、表面の洗浄、版面保護のためのガ
ム液等の塗布、乾燥処理が行われて待機部30へ送り出
される。
【0020】待機部30では、乾燥部28から送り出さ
れた印刷版20を所定のタイミングでパンチ部32へ送
り出す。パンチ部32では、印刷版20の長手方向の両
端部へ新聞印刷用の輪転機へ装着するための位置決め基
準となるパンチ穴及び切欠を形成する。また、パンチ部
32に隣接する版曲げ部34では、印刷版20を輪転機
へ装着するときの引っ掛け用の版曲げ処理を行う(長手
方向の両端部を所定の形状に屈曲させる)。パンチ及び
版曲げ処理の終了した印刷版20は、版曲げ部34から
排出されてストッカー40に集積される。このストッカ
ー40に収容された印刷版20は、次に印刷工程へ運ば
れて、新聞印刷用の輪転機の版胴に装着されて印刷処理
用の刷版として使用される。
【0021】図2及び図3には、ダイレクト製版装置1
0に設けている溶出部26の概略構成を示している。図
2に示すように、溶出部26には、ケーシング100内
に印刷版20の搬送方向(図中の矢印A方向)に沿って
冷却槽102、溶出槽104、水洗槽106、ガム液槽
108が連続して配置されている。
【0022】冷却槽102、溶出槽104、水洗槽10
6及びガム液槽108は、ケーシング100の上部を覆
うカバー100A内に内蓋110A、110B、110
C、110Dによって閉塞されて設けられている。溶出
部26の冷却槽102は、現像定着部24の定着部38
に隣接しており、定着部38で加熱されて高温となって
いる印刷版20が送り込まれる。また、ガム液槽108
は乾燥部28に隣接しており、ガム液を塗布した印刷版
20を乾燥部28へ送り出す。
【0023】この溶出部26の冷却槽102には、2対
の搬送ローラ対114が設けられ、ローラ対114の間
には、複数のスプレーパイプ118が設けられている。
この冷却槽102では、現像定着部24から送り込まれ
た印刷版20を搬送ローラ対114によって搬送しなが
ら、スプレーパイプ118から冷却水を噴出して冷却
し、溶出槽104へ送り込む。なお、スプレーパイプ1
18から噴出された冷却水は、冷却槽102内に回収さ
れる。
【0024】溶出槽104の上部には、4対の搬送ロー
ラ対114が配置されており、互いに隣接する搬送ロー
ラ対114の間に、複数のガイド板116、ブラシロー
ラ120及び複数のスプレーパイプ122が配置されて
いる。また、溶出槽104内は、溶出液を貯留している
(図3参照)。
【0025】溶出槽104では、冷却槽102から送り
込まれた印刷版20を搬送ローラ対114とガイド板1
16によって水平に案内搬送しながら、スプレーパイプ
122から溶出液を印刷版20の表面(感光面)へ向け
て噴出する。これによって印刷版20は、トナーの付着
していない部分(非画像部)の感光層が溶出する。ま
た、ブラシローラ120は、印刷版20の表面に接触し
ながら回転して印刷版20の表面を擦り、印刷版20の
表面から溶出液によって溶出した感光層等を除去する。
なお、スプレーパイプ122から噴出された溶出液は、
再度、溶出槽104内に回収されて、循環利用される。
【0026】水洗槽106内には2対の搬送ローラ対1
14が設けられ、搬送ローラ対114の間にガイド板1
16とブラシローラ124が配置されて印刷版20を水
平搬送する搬送路が形成されている。また、水洗槽10
6内には、水洗槽106内に貯留されている水洗水が供
給されるスプレーパイプ126が印刷版20の搬送路を
挟んで上下に配置されている。水洗槽106へ送り込ま
された印刷版20は、水平搬送されながら表裏両面に水
洗水が吹き付けられ、溶出して付着している感光層等が
洗い落とされる。また、ブラシローラ124は、印刷版
20の表面に接触しながら回転して印刷版20の表面を
擦り、印刷版20の表面から除去すべきであるのに拘ら
ず残っている溶出した感光層を除去する役目をしてい
る。
【0027】ガム液槽108内に、2対の搬送ローラ対
114及びガム液槽108内に貯留しているガム液が供
給されるスプレーパイプ128が設けられている。ガム
液槽108では、印刷版20を水平搬送しながらスプレ
ーパイプ128から印刷版20の表面へガム液を噴出し
て印刷版20の表面に均一に塗布する。このガム液によ
って印刷版20の表面保護(不感脂化処理)がなされ
る。なお、下流側の搬送ローラ対114は、印刷版20
から余分なガム液を除去する役目も有している。
【0028】版面保護処理の終了した印刷版20は、乾
燥部28へ送られる。乾燥部28では、印刷版20の表
裏両面に乾燥風を吹き付けて乾燥処理を施す。なお、ガ
ム液槽108の乾燥部28側にはシャッター138が設
けられており、印刷版20の非処理時には、このシャッ
ター138によって乾燥部28の乾燥風が入り込むのを
防止し、ガム液の蒸発を抑えている。また、冷却槽10
2、溶出槽104、水洗槽106、ガム液槽108のそ
れぞれの上流側の搬送ローラ対114の上側のローラに
はブレード140が設けられ、搬送ローラ対114の回
転によってそれぞれの槽内の処理液が上流側へ持ち出さ
れるのを防止している。
【0029】図3には、溶出部26に設けられた配管の
概略系統図を示している。この溶出部26には、配管群
46、48が接続される。配管群48は、溶出液原液、
ガム液原液、溶出液原液とガム液原液の希釈水や水洗水
として用いる水及び水洗槽106内での水藻、水アカ等
の発生を防止する防腐剤を供給可能とするものである。
また、配管群46は、冷却槽102と後述する冷却水循
環装置50との間を接続して、冷却水の循環を担ってい
る。まず、溶出槽104、水洗槽106及びガム液槽1
08について説明する。
【0030】配管146の先端の接続口144Aに接続
されている配管群48の中の配管48Aは、給水用とな
っている。配管146は、配管146B、146C、1
46Dに分岐している。配管146Bには、希釈水定量
ポンプ154が設けられている。希釈水定量ポンプ15
4の吐出側は、溶出槽104の上部に開口している。ま
た、接続口144Bには、溶出液原液定量ポンプ162
が設けられている配管156が接続されている。この溶
出液原液定量ポンプ162の吐出側は、溶出槽104の
上部に開口している。この接続口144Bに接続された
配管群48の配管48Bは、溶出原液供給用となってい
る。
【0031】このため、溶出液原液定量ポンプ162と
希釈水定量ポンプ154との作動によって溶出液原液と
希釈用の水を所定の比率(例えば1:1)で吸引して溶
出槽104へ供給することができる。溶出原液定量ポン
プ162と希釈水定量ポンプ154が、例えば溶出槽1
04が空の状態から作動してスタート液の供給を行うと
共に、溶出部26の印刷版20の挿入側に設けている版
検出センサ226で検出される印刷版20の量(例えば
枚数)に応じて作動し、所定の比率の溶出液原液と希釈
水とを補充液として溶出槽104へ補充する。
【0032】この溶出槽104の底部には、配管164
の一端が開口している。配管164は中間部で配管16
4A、164B、164Cに分岐しており、分岐した配
管164Aは、前記したスプレーパイプ122に接続し
ており、中間部に循環ポンプ166及びフィルタ168
が設けられている。このため、スプレーパイプ122か
ら印刷版20の表面へ向けて噴出する溶出液が、循環ポ
ンプ166の作動によってスプレーパイプ122へ供給
される。
【0033】配管164Bは、溶出槽104の上部に開
口しており、中間部に調温ポンプ170及び加熱ヒータ
172が設けられている。また、溶出槽104内には、
溶出液の温度検出用の温度センサ224が設けられてい
る。溶出槽104では、調温ポンプ170の作動によっ
て溶出槽104内の溶出液循環させると共に、温度セン
サ224の検出温度に基づいて加熱ヒータ172を制御
して溶出液を加熱し、溶出槽104内の溶出液を所定の
温度に維持し、溶出液の処理性能、すなわち、印刷版2
0の感光層が適切な状態で溶出できるようにしている。
また、配管164Cの先端部は、さらに分岐され、排水
用の電動ボールバルブ174Aと、廃液用の電動ボール
バルブ174Bが設けられ、溶出槽104内の液の廃液
又は排水として排出可能にしている。
【0034】なお、本実施の形態では、一例として溶出
液の温度を33°C(±0.5°C)に維持すると共
に、加熱ヒータ172の容量を例えば15°Cの溶出液
を約23分程度でこの所定の温度に加熱することができ
るようにし、また、循環ポンプ166からスプレーパイ
プ122に供給して搬送ローラ対114、ブラシローラ
120、ガイド板116等へ向けて噴出し、搬送ローラ
対114、ブラシローラ120、ガイド板116等を溶
出液と略同じ温度にできるようにしている。
【0035】水洗槽106の上部には、配管146から
分岐された配管146Cが開口している。この配管14
6Cの中間部には、給水定量ポンプ176が設けられて
おり、この給水定量ポンプ176の作動によって水を水
洗水として吸引し、水洗槽106へ補充する。
【0036】水洗槽106の底部には、配管178の一
端が開口している。この配管178は、中間部に循環ポ
ンプ182及びフィルタ184が設けられてスプレーパ
イプ126に接続している配管178Aと、排水用の電
動ボールバルブ180Aと廃液用の電動ボールバルブ1
80Bが設けられた配管178Bに分岐している。この
ため、水洗槽106では、循環ポンプ182の作動によ
って水洗槽106内の水をスプレーパイプ126へ供給
して印刷版20の表裏面を洗浄すると共に、洗浄後の水
を廃液又は排水として排出可能となっている。
【0037】なお、水洗槽106の上部には、接続口1
44Cに接続された配管148が開口している。この接
続口144Cには、配管群48の中の防腐剤供給用の配
管48Cが接続しており、配管148の中間部に設けて
いる定量ポンプ150の作動によって防腐剤を吸引し
て、水洗槽106内へ供給できるようになっている。こ
れによって、水洗槽106内の水を長期間連続して使用
しても、水カビ、水アカ等の発生を防止でき、水洗槽1
06で発生した水アカ、水カビ等によって印刷版20の
表面を汚してしまうのを防止できるようにしている。
【0038】配管146から分岐された配管146Dの
中間部には希釈水定量ポンプ186が設けられ、希釈水
定量ポンプ186の吐出側は、ガム液槽108の上部に
開口している。また、接続口144Dには、ガム液原液
定量ポンプ190が設けられた配管188が接続され、
ガム液原液定量ポンプ186の吐出側は、ガム液槽10
8の上部に開口している。接続口144Dには、配管群
48の配管48Dが接続されている。この配管48D
は、ガム原液供給用となっている。
【0039】希釈水定量ポンプ186とガム原液定量ポ
ンプ190の作動によって、ガム液原液と所定の比率の
希釈水を吸引して、ガム液槽108へスタート液として
供給すると共に、印刷版20の処理量に応じた補充液と
して供給する。
【0040】このガム液槽108の底部には、配管19
2が開口している。この配管192は、中間部に循環ポ
ンプ194が設けられてスプレーパイプ128に接続し
た配管192Aと、排水用の電動ボールバルブ196
A、廃液用の電動ボールバルブ196B、196Cが設
けられた配管192Bに分岐している。このため、循環
ポンプ194の作動によってガム液を印刷版20の表面
へ噴出すると共に、ガム液槽108内の液を排水又は廃
液として排出可能としている。
【0041】なお、ソレノイドバルブ196Cの二次側
は廃液タンク198内に開口さており、ガム液槽108
内のガム液をこの廃液タンク198内に排出可能となっ
ている。廃液タンク198には、液面センサ236が設
けられており、廃液タンク198がガム液槽108から
排出されたガム液によって溢れるのを防止している。ま
た、溶出槽104、水洗槽106及びガム液槽108の
それぞれには、オーバーフロー槽200A、200B、
200Cが設けられており、余剰となった溶出液、水洗
水及びガム液を廃液として排出できるようになってい
る。
【0042】溶出部26内には、洗浄用ホース204A
が接続されたバルブ208が設けられている。洗浄用ホ
ース204Aには、配管204を介して洗浄用の水が供
給され、この水を用いて溶出部28内を洗浄できるよう
にしている。
【0043】なお、溶出部28への印刷版20の挿入口
の近傍には、版検出センサ226が設けられており、こ
の版検出センサ226が、印刷版20の先端から後端ま
での通過を検出することにより、所定のタイミングで搬
送ローラ対114が駆動すると共に、循環ポンプ16
6、182、194が作動する。また、溶出槽104、
水洗槽106及びガム液槽108のそれぞれには、液面
センサ222A、222B、222Cが設けられてお
り、これらの検出結果に応じて溶出液、水洗水及びガム
液の補充が行われる。また、ガム液槽108には、搬送
ローラ対114の上方のローラを下方のローラと離間さ
せるエアーシリンダ232が設けられており、このエア
ーシリンダ232の作動によってガム液槽108内の搬
送ローラ対114の上下のローラを離間させて、ガム液
によって搬送ローラ対114が固着するのを防止してい
る。
【0044】また、溶出槽104、水洗槽106及びガ
ム液槽108のそれぞれに貯留している処理液(溶出
液、防腐剤を含んだ水洗水及びガム液)は、廃液として
排出され、また、それぞれの処理槽を洗浄したときに、
洗浄後の水を排水として排出するようにしている。
【0045】一方、図2から図5に示すように、溶出部
26の最上流に設けられている冷却槽102は、搬送ロ
ーラ対114の間に複数のスプレーパイプ118(本実
施の形態では、一例として118A、118B、118
Cの3本)を備えている。これらのスプレーパイプ11
8は、搬送ローラ対114が構成する印刷版20の搬送
路の下方に配置されている。
【0046】また、図4及び図5に示すように、それぞ
れのスプレーパイプ118には、印刷版20の搬送路へ
向けて複数の吹き出し口119を形成している。このた
め、スプレーパイプ118に冷却水を供給することによ
り、スプレーパイプ118のそれぞれの吹き出し口11
9から印刷版20の搬送路へ向けて冷却水を噴出する。
冷却槽102は、このスプレーパイプ118から噴出し
た冷却水を回収して貯留する。なお、図4に示すよう
に、スプレーパイプ118A又はスプレーパイプ118
Cの吹き出し口119に対して、スプレーパイプ118
Bの吹き出し口119が印刷版20の幅方向(搬送方向
と直交する方向)に沿って千鳥状となるようにして、印
刷版20の幅方向に沿ってムラなく冷却水を吹き付ける
ことができるようにしている。
【0047】図3に示すように、冷却槽102には、底
部に配管52の一端が開口している。この配管52は、
接続口142Aに連結しており、中間部に冷却水送出用
の循環ポンプ54が設けられている。この接続口142
Aには、配管群46の中の配管46Aが接続される。ま
た、配管群46の配管46Bは、接続口142Bに接続
されている。この接続口142Bには、配管56が連結
されている。この配管56は、スプレーパイプ118に
連結しており、中間部に冷却水吸引用の循環ポンプ58
が設けられている。また、循環ポンプ58とスプレーパ
イプ118の間には、スプレーパイプ118へ供給する
冷却水の水量を調節して、スプレーパイプ118からの
冷却水の噴出力を略一定にするオリフィス60が設けら
れている。
【0048】循環ポンプ58は、版検出センサ226が
印刷版20の先端を検出すると作動し、版検出センサ2
26が印刷版20の後端の通過を検出してから所定時間
経過すると停止する。これによって、冷却槽102を通
過する印刷版20の先端から後端までの裏面の全域にス
プレーパイプ118から冷却液を噴出し、印刷版20の
冷却を促進させる。
【0049】また、冷却槽102内には、液面センサ6
2が設けられており、例えば、スプレーパイプ118か
ら噴出した冷却水を回収することによる液面の上昇に応
じて循環ポンプ54を作動させて、冷却水を冷却水循環
装置50へ送り出す。なお、冷却槽102にも、オーバ
ーフロー管64及び、冷却水を廃液として排出するため
の電動ボールバルブ66Aと、冷却水又は冷却槽102
を洗浄した水を排水として排出するための電動ボールバ
ルブ66Bとが設けられている。さらに、冷却槽102
と電動ボールバルブ66A、66Bとの間には、電動ボ
ールバルブ66Cを設けて、冷却槽102内の冷却水を
電動ボールバルブ66A又は電動ボールバルブ66Bか
ら不用意に排出してしまうのを防止している。なお、電
動ボールバルブ66Bは、冷却槽102内お冷却液を廃
液として排出するときに開かれ、電動ボールバルブ66
Aは、冷却槽102内を洗浄したときの水を排水として
排出するときに開かれる。
【0050】一方、図6に示すように、溶出部26の接
続口142A、142Bのそれぞれに接続されている配
管46A、46Bの他端は、冷却水循環装置50に接続
されている。
【0051】冷却水循環装置50は、所定量の冷却水を
貯留する冷却水タンク68を備えている。この冷却水タ
ンク68の底部には、配管70が開口している、この配
管70は、複数の接続口70Aへ分岐されており、その
内の一つに前記した配管群46の配管46Bが接続され
ている。このため、溶出部26の循環ポンプ58を作動
することにより、冷却水タンク68に貯留している冷却
水が溶出部26に吸引され、スプレーパイプ118に供
給される(図3参照)。
【0052】また、冷却水循環装置50には、一端が冷
却水タンク68の上部に開口した配管72の他端に、複
数の接続口72Aが設けられており、そのうちの一つに
配管群46の配管46Aが接続している。このため、循
環ポンプ54が作動すると、冷却槽102内の冷却水
が、冷却水循環装置50の冷却水タンク68に送り込ま
れる(図3参照)。
【0053】すなわち、溶出部26に設けている、循環
ポンプ54、58が作動することにより溶出部26の冷
却槽102と冷却水循環装置50の冷却水タンク68と
の間で冷却水の循環が可能となっている。なお、冷却水
循環装置50は、複数の接続口70A、72Aによっ
て、複数台のダイレクト製版装置の溶出部との間で冷却
水の循環が可能となっている。
【0054】冷却水タンク68の底部に接続した配管7
0の中間部には、冷却水タンク68の上部に開口してい
る配管74が接続している。この配管74の中間部に
は、循環ポンプ76、熱交換器78及びヒータ80が設
けられている。また、冷却水タンク68には、温度セン
サ82が設けれている。
【0055】冷却水循環装置50では、循環ポンプ76
を作動して、冷却水タンク68の冷却水を循環させると
共に、温度センサ82の検出結果に応じて、ヒータ80
ないし熱交換器78を作動させて冷却水の冷却ないし加
熱を行い、冷却水タンク68内の冷却水を所定の温度範
囲に維持し、この所定の温度範囲に維持している冷却水
を溶出部26の冷却槽102へ供給する。なお、熱交換
器78には、配管84が接続しており、この配管84に
設けた電動ボールバルブ84Aを開くことにより、熱交
換用の熱媒体(例えば印刷工場内の冷却用水)が循環す
る。
【0056】この冷却水タンク68の上部には、配管8
6が開口している、。この配管86は、水道配管等の給
水手段に接続されており、電動ボールバルブ86Aを開
くことにより、冷却水タンク68内に冷却水の補充が行
われる。この冷却水の補充は、例えば冷却水タンク68
に設けている液面センサ88の検出結果に応じて行われ
る。この液面センサ88は、冷却水タンク68内の冷却
水のレベル(量を)、「L」レベル(例えば5リット
ル)と「H」レベル(例えば30リットル)で検出する
と共に下限警報レベル(AL:例えば2リットル以
下))及び上限警報レベル(AH:例えば35リットル
以上)を検出する電極を備えている。
【0057】なお、この冷却水循環装置50は、冷却水
内での水カビ、水藻、水アカ等の発生を防止するための
防腐剤供給用の定量ポンプ90を備えており、所定のタ
イミングで定量ポンプ90を作動させて、冷却水中に防
腐剤を供給し、冷却水タンク68内の冷却水を長期間循
環利用しても、この冷却水中の汚れの発生を抑え、冷却
水中に発生する汚れが印刷版20に付着するのを防止し
ている。
【0058】また、循環ポンプ76の吸引側には、電動
ボールバルブ92Aが設けられており、また、この電動
ボールバルブ92Aには、排水として排出するためのバ
ルブ92Bと、廃液として排出するためのバルブ92C
が接続されている。また、冷却水タンク68には、オー
バーフロー管94が設けられており、冷却水がオーバー
フローレベルに達してオーバーフロー管94に流れ込ん
だ冷却水を廃液として排出する。
【0059】ところで、図5に示すように、冷却槽10
2に設けられているスプレーパイプ118は、その吹き
出し口119が、印刷版20の搬送方向の下流側へ向
け、鉛直方向に対して所定の角度θで傾斜している。こ
の角度θとしては、0°〜80°、好ましくは、0°〜
60°の範囲に設定することができる。
【0060】また、このスプレーパイプ118から吐出
する冷却水の吐出力は、前記したオリフィス60によっ
てスプレーパイプ118へ供給する冷却水の水圧を制限
するすることによって調節されており、搬送ローラ対1
14に搬送される印刷版20の裏面に接触する程度に抑
えられている。これにより、プレーパイプ118から噴
出した冷却水が、冷却槽102を覆う内蓋110Aの内
面に達したり、印刷版20の後端が通過したときに印刷
版20の上方に大きく噴き上がって、印刷版20の感光
面の中央部の画像部分に付着してしまうことがないよう
にしている。
【0061】また、図2〜図5に示すように、冷却槽1
02内には、貯留している冷却水の液面の上方でスプレ
ーパイプ118との間に水切り板96が配置されてい
る。図4及び図5に示すように、この水切り板96は、
上流側の搬送ローラ対114の下方から下流側の搬送ロ
ーラ対114の下方に間に配置されている。この水切り
板96は、印刷版20の幅方向に対する寸法が印刷版2
0より大きく、かつ、印刷版20の搬送方向の下流側が
長い山形形状となっている。また、この水切り板96
は、印刷版20の搬送方向の上流のスプレーパイプ11
8A側が高く、下流のスプレーパイプ118C側が低く
なるように傾斜している。
【0062】これにより、スプレーパイプ118から噴
出された冷却水は、直接、冷却槽102に貯留している
冷却水の中に落ちずに、水切り板96上に落ちる。この
水切り板96上に落ちた冷却水が、山形形状に形成され
た斜面をつたって流れ、水切り板96の周縁から冷却槽
102内に落下する。これにより、スプレーパイプ11
8から噴出した冷却水が、冷却槽102に貯留している
冷却水の液面に直接落下したために、冷却水の飛沫が上
がっり、この飛沫が印刷版20の感光面に付着してしま
うのを防止している。
【0063】なお、本実施の形態では、冷却水循環装置
50の冷却水タンク68に貯留する冷却水の温度を25
°C〜30°Cの範囲で予め設定した温度に維持し、こ
の冷却水を循環ポンプ58によって吸引して、印刷版2
0の裏面へ向けて噴出することにより、現像定着部24
から加熱されて送り込まれた印刷版20を約40°C程
度の一定の温度まで冷却するようにしている。
【0064】次に本実施例の作用を説明する。ダイレク
ト製版装置10では、製版処理と共に印刷版20に形成
する画像信号が入力されると、処理を開始する。なお、
製版処理に先立って、ダイレクト製版装置10の給版部
12には、印刷版20を積層したスキッド22が装填さ
れており、また、ダイレクト製版装置10内の各処理部
は、印刷版20の製版処理が可能な状態に立ち上げられ
ている。
【0065】また、冷却水循環装置50では、冷却水タ
ンク68内の冷却水を所定の温度に維持して貯留し、溶
出部26の冷却槽102へ冷却水を供給可能な状態とな
っている。また、冷却水循環装置50では、溶出部26
の冷却槽102から冷却水が送り込まれると、循環ポン
プ76を作動して、冷却水タンク68内の冷却水と均一
に攪拌しながら、加熱ないし冷却して、冷却水タンク6
8内の冷却水を常に所定の温度に維持する。
【0066】ダイレクト製版装置10は、先ず、給版部
12に装填されているスキッド22から印刷版20を取
り出して、この印刷版20を描画部18へ供給する。描
画部18では、印刷版20の感光層を均一に帯電させて
から画像信号に応じてレーザ光を照射し、画像信号に応
じて電荷を除去して静電潜像を形成する。静電潜像の形
成された印刷版20は、描画部18から排版部14に取
り出されて、この排版部14から現像定着部24の現像
部36へ送り込まれる。
【0067】現像部36では、印刷版20の表面に帯電
したトナーを均一に付与して、露光画像に応じてトナー
を付着させる。こののち、定着部38では、ハロゲンラ
ンプ等の熱源によって印刷版20と共に印刷版20に付
着しているトナーを例えば100°C以上の予め設定し
た所定の温度に加熱し、印刷版20に静電潜像に応じた
トナー画像を形成する。
【0068】定着処理の終了した印刷版20は、高温の
状態で溶出部26の冷却槽102へ送り込まれる。溶出
部26では、版検出センサ226によって、送り込まれ
る印刷版20の先端を検出すると、搬送ローラ対114
の駆動を開始する。これと共に、冷却槽102では、循
環ポンプ58を作動させて、冷却水循環装置50から所
定の温度の冷却水を吸引して、スプレーパイプ118へ
供給する。
【0069】これによって、溶出部26の冷却槽102
に送り込まれた印刷版20は、搬送ローラ対114によ
って一定速度で搬送されながら、裏面にスプレーパイプ
118から冷却水が吹き付けられて冷却される。また、
印刷版20を冷却した冷却水は、冷却槽102に回収さ
れ、これによって、冷却槽102内の液面が上昇する
と、循環ポンプ54が、冷却槽102内の冷却水を冷却
水循環装置50へ送り出す。
【0070】スプレーパイプ118へ冷却水を供給する
循環ポンプ56は、版検出センサ226が印刷版20の
後端の通過を検出してから所定時間経過すると停止す
る。これによって、冷却槽102内を搬送される印刷版
20は、先端から後端まで均一に冷却水が吹き付けられ
て短時間で効率良く冷却され、冷却槽102に隣接する
溶出槽104に達するときには、溶出槽104内の溶出
液の温度に近い温度(例えば33°Cの溶出液に対して
約40°C)まで冷却される。このため、溶出槽104
で印刷版20の表面(感光面)に吹き付けた溶出液の温
度が、印刷版20の表面で上昇することがなく、最適な
温度の溶出液で溶出処理される。
【0071】溶出槽104では、印刷版20の表面に溶
出液を吹き付けて、印刷版20の感光面上のトナーが付
着していない感光層を溶出させ、溶出した感光層をブラ
シローラ120によって擦り取り、水洗槽106へ送り
出す。
【0072】水洗槽106では、水洗水を印刷版20の
表裏面に吹き付けて、印刷版20から除去した感光層を
洗い流すと共に、ブラシローラ124によって、さらに
印刷版20の表面を擦り、溶出させたにも拘らず除去仕
残した感光層を除去する。
【0073】水洗処理の終了した印刷版20は、ガム液
槽108へ送られ、表面保護のためのガム液の塗布がな
され(不感脂化処理)、溶出部26の下流側に配置して
いる乾燥部28へ送り込む。
【0074】ダイレクト製版装置10では、印刷版20
の乾燥処理まで終了すると、パンチ部32を経て版曲げ
部34へ送り、パンチ孔、切欠の形成、版曲げ処理を行
い、ストッカー40へ排出する。
【0075】溶出部26では、現像定着部24から送り
込まれた印刷版20に溶出液を吹き付けて、溶出処理を
行う前に、冷却槽102で印刷版20を冷却することに
より、溶出槽104で印刷版20に塗布した溶出液が、
印刷版20の温度によって加熱されてしまい、溶出性が
変化してしまうのを防止し、品質の良い刷版を作成する
ことができる。
【0076】ところで、現像定着部24から送り込まれ
る印刷版20を冷却する冷却槽102では、印刷版20
の感光面とは反対側の面にのみ吐出圧力を調整した冷却
水を吹き付けている。このため、スプレーパイプ118
から噴出した冷却水が、大きく噴き上がって印刷版20
の表面の画像部分に付着するのを防止することができ
る。
【0077】冷却槽102では、水切り板96を配置し
て、スプレーパイプ118から噴出した冷却水が、冷却
槽102内に貯留している冷却水の液面に落下する前に
受けているため、スプレーパイプ118から噴出した冷
却水が、直接冷却液中に落下することによって生じる所
謂水はねを防止している。この水跳ねを防止することに
より、水跳ねした冷却水が、冷却槽102を通過する印
刷版20の表面に付着したり、また、搬送ローラ対11
4や冷却槽102の上部を覆う内蓋110Aの内面に付
着し、新たに処理される印刷版20の感光面に落下する
などして付着するのを防ぐことができる。
【0078】また、スプレーパイプ118から噴出した
冷却水又はスプレーパイプ118から噴出して印刷版2
0の裏面で反射した冷却水は、水切り板96の表面に落
下するが、水切り板96を印刷版20の搬送方向の下流
側へ向けて傾斜させているため、冷却槽102内を通過
する印刷版20へ向けて跳ね上がことはない。
【0079】このように、冷却槽102では、溶出槽1
04へ送り込む印刷版20の感光面に冷却用の水が付着
してしまうのを防止できるため、印刷版20の表面に付
着した水(冷却水)によって印刷版20上の溶出液が部
分的に薄められるなどするのを防止することができ、印
刷版20の表面を全域を均一な溶出性で溶出処理するこ
とができる。すなわち、印刷版20の表面に部分的に水
が付着すると、その部分の溶出性が低下して、エッジの
切れの悪い部分が生じることがあるが、本実施の形態に
用いたダイレクト製版装置10では、トナー画像に応じ
た適切な溶出処理を施すことができ、溶出ムラのない画
像を形成した仕上がり品質の良い刷版を作成することが
できる。
【0080】なお、本実施の形態では、水はね防止手段
として仕切り板96を設けたが、水はね防止手段はこれ
に限るものではない。例えば、水切り板96に替えて、
スプレーパイプ118と冷却水の液面との間にネットを
配置してもよい。このネットによってスプレーパイプ1
18から噴出した冷却水を受けて、冷却水が落下すると
きの勢いを弱めて、冷却水を冷却槽102に回収するよ
うにしてもよい。また、このネットは冷却液を流し落と
すための傾斜が不要であるため、スプレーパイプと冷却
水の液面との隙間が狭くても設けることができ、冷却水
が上方へ大きく跳ね上がるのも防止することができる。
【0081】また、本実施の形態に適用したダイレクト
製版装置10は、自動製版装置の一例を示すものであ
り、本発明を限定するものではない。例えば、冷却水循
環装置50を溶出部26とは別に設けたが、冷却水循環
装置50を溶出部26内に設けたものであってもよい。
【0082】また、本発明は、トナー現像、加熱定着の
工程に連続して溶出工程を備えた自動製版装置であれば
適用でき、冷却水を用いた冷却工程を溶出工程の前段に
設けたものであればよく、冷却工程は、溶出工程と別に
構成してもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明した如く本発明は、加熱現像さ
れた印刷版を溶出部での処理に先立って冷却するとき
に、冷却水を印刷版の非感光面に吹き付けて冷却するた
め、効率的な印刷版の冷却が可能であると共に、感光面
に冷却水が付着して溶出ムラを引き起こすのを防止する
ことができる。また、本発明では、印刷版の非感光面に
吹き付けた冷却水が落下したときの水はねによって冷却
部内の冷却水が印刷版の感光面に付着するのを防止する
ことができ、溶出ムラのない品質の良い刷版の作成が可
能となる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したダイレクト製版装置の
概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】ダイレクト製版装置に設けた溶出部を示す概略
構成図である。
【図3】溶出部の概略構成を示す配管系統図である。
【図4】冷却槽の概略を示す要部斜視図である。
【図5】冷却槽内での印刷版へ向けた冷却水の噴出を示
す概略図である。
【図6】冷却水循環装置の概略を示す配管系統図であ
る。
【符号の説明】
10 ダイレクト製版装置(自動製版装置) 18 描画部 20 印刷版 26 溶出部 36 現像部(現像工程) 38 加熱定着部(加熱定着工程) 50 冷却水循環装置(冷却水供給手段) 58 循環ポンプ(冷却水供給手段、冷却水噴出手
段) 60 オリフィス(冷却水噴出手段) 96 水切り板(水はね防止手段) 102 冷却槽(冷却工程) 104 溶出槽(溶出工程) 114 搬送ローラ対(搬送手段) 118 スプレーパイプ(冷却水噴出手段) 119 吹き出し口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像露光した印刷版の搬送方向に沿って
    現像工程、加熱定着工程、冷却工程及び溶出工程を備
    え、加熱定着によって露光画像に応じたトナー画像を形
    成した印刷版を溶出処理することにより刷版を作成する
    自動製版装置であって、前記冷却工程が、前記印刷版の
    感光面を上方へ向けた状態で搬送する搬送手段と、前記
    搬送手段によって搬送される前記印刷版の下方側の面へ
    のみ向けて冷却水を噴出する冷却水噴出手段と、を有す
    ることを特徴とする自動製版装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却工程が、冷却水を所定の圧力で
    前記冷却水噴出手段へ供給する冷却水供給手段と、前記
    冷却水噴出手段によって噴出した冷却水を回収して貯留
    する冷却槽と、前記冷却水噴出手段と前記冷却槽内に貯
    留される冷却水の液面の間に設けられ前記冷却水噴出手
    段によって噴出された冷却水が落下することによって生
    じる冷却槽内の冷却水の水跳ねを防止する水はね防止手
    段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の自動製
    版装置。
  3. 【請求項3】 前記水はね防止手段が搬送される前記印
    刷版の感光面に対して傾斜されている水切り板であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の自動製版装置。
JP29295195A 1995-11-10 1995-11-10 自動製版装置 Pending JPH09134040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29295195A JPH09134040A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 自動製版装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29295195A JPH09134040A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 自動製版装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09134040A true JPH09134040A (ja) 1997-05-20

Family

ID=17788541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29295195A Pending JPH09134040A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 自動製版装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09134040A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09134040A (ja) 自動製版装置
JP3370396B2 (ja) 感光材料処理装置のラック洗浄装置
JP3366428B2 (ja) 印刷版の処理装置
JP2005099282A (ja) 製版システム
JP2522822B2 (ja) 感光性平版印刷版現像処理方法および装置
JP4132711B2 (ja) 感光材料処理装置
JP4213372B2 (ja) 感光材料処理装置
JP2822232B2 (ja) 感光材料処理装置
JP4278883B2 (ja) ローラの洗浄装置
JP3487945B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH07295234A (ja) 印刷版処理装置
JP2006091419A (ja) 液体加熱方法およびその装置
JP3349266B2 (ja) 感光材料処理装置
JP2595742Y2 (ja) 感光材料処理装置
JP2916036B2 (ja) シート材料処理装置
JPH07295236A (ja) 印刷版処理システム
JP2006227472A (ja) アルミニウム平版印刷版処理装置
JP2667066B2 (ja) 電子写真製版装置
JP2002103569A (ja) ローラ洗浄部構造
JPH07219284A (ja) 電子写真平版印刷版処理装置
JPH09101607A (ja) 自動現像装置
JP2006085078A (ja) 液体加熱方法およびその装置
JPH05188662A (ja) 電子写真平版印刷版処理装置
JP2003248325A (ja) 自動現像装置
JP2005099251A (ja) 印刷版処理装置