JPH09133157A - フライホイール付油圧クラッチ装置 - Google Patents

フライホイール付油圧クラッチ装置

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JPH09133157A
JPH09133157A JP7286194A JP28619495A JPH09133157A JP H09133157 A JPH09133157 A JP H09133157A JP 7286194 A JP7286194 A JP 7286194A JP 28619495 A JP28619495 A JP 28619495A JP H09133157 A JPH09133157 A JP H09133157A
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Kiyohito Murata
清仁 村田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/06Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch
    • F16D25/062Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces
    • F16D25/063Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially
    • F16D25/0635Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドリング時、発進時、及び安定走行時の
いずれの場合においても、ダンパ機能の有無を含めそれ
ぞれ最適な質量バランスを得る。 【解決手段】 アウタカバー(第1質量体)210はク
ラッチ(クラッチ体)140を取り囲むようにして配置
されている。インナボディ(第2質量体)120はアウ
タカバー110の内側において軸方向に分割・移動可能
に配置された左右のインナ部材121、125から構成
されている。油圧により、左右のインナ部材121、1
25はアウタカバーの内側面111及びクラッチ140
の軸方向両側の係合面142、144の3つの面とそれ
ぞれ選択的に摩擦係合可能とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の発
進クラッチ等に適用するのに好適な、フライホイール付
油圧クラッチ装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平4−351326
号公報において、図5に模式的に示すような、自動車用
フライホイール付油圧クラッチ装置が開示されている。
【0003】この油圧クラッチ装置は、第1質量体2、
第2質量体4、及びこれらの質量体2、4間に設けられ
たダンパ部材6からなるフライホイール8と、油圧によ
り前記第2質量体4と切断可能に設けられたクラッチ体
10とを備える。
【0004】前記第1質量体2は、入力部材11を介し
てエンジン12と連結され、クラッチ体10は第2ダン
パ部材14を介して出力部材(自動変速機の入力軸)1
6に連結されている。
【0005】このようにフライホイール8を第1、第2
質量体2、4に分割することにより、エンジン12から
のトルク変動をより良好に吸収し、該トルク変動をクラ
ッチ体10側に伝達させないようにすることができる。
【0006】但し、このようにフライホイール8が2つ
の質量体2、4に分割されていると、エンジン12の低
回転領域(200〜500rpmの領域)で新たな共振
が発生する。この領域は、通常使用におけるアイドル回
転速度より低い領域に当たるため、一般的な走行時にお
いてはこの領域での共振は特に問題とはならない。
【0007】しかしながら、何等かの原因でエンジン回
転速度がこの領域にまで低下したとき、あるいは発進
(エンジンのスタート)時等においては、この領域での
共振によりボディが振動したり、あるいはこの共振によ
ってエネルギが吸収されエンジンを良好にスタートさせ
ることができなくなる等の不具合が発生する。
【0008】この不具合を解消するために、例えば特開
平4−231754号公報や実公平2−20520号公
報等においては、ダンパ部材に摩擦材や粘性材を付与し
て当該低回転領域での共振を抑制するようにした技術が
提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平4−231754号公報や実公平2−20520号
公報で開示された技術のように、摩擦材や粘性材を付設
するタイプのものは、付与した摩擦や粘性のために共振
点以外の吸振性能が低下するという問題があった。更に
は、共振をいつどの程度抑制するかにつき、正確(精
密)なあるいは任意な制御をすることができないという
問題もあった。
【0010】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、発進時、アイドング時、更には
通常走行時のどの状態においても最適且つ安定した性能
を確保することのできる、フライホイール付油圧クラッ
チ装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1質量体、
第2質量体、及びこれらの質量体間に設けられたダンパ
部材からなるフライホイールと、油圧により前記第2質
量体と切断可能に設けられたクラッチ体と、を備え、前
記第1質量体を入力部材と連結すると共に、前記クラッ
チ体を出力部材と連結したフライホイール付油圧クラッ
チ装置において、前記第1質量体を、前記クラッチ体を
取り囲むようにして配置し、前記第2質量体を、該第1
質量体の内側において軸方向に分割・移動可能に配置す
ると共に、油圧により前記第1質量体の内側面及び前記
クラッチ体の軸方向両側面の3つの面とそれぞれ選択的
に摩擦係合可能としたことにより、上記課題を解決した
ものである。
【0012】即ち、本発明は、まず第1質量体をクラッ
チ体を取り囲むようにして配置した。その上で、第2質
量体を第1質量体の内側において軸方向に分割・移動で
きるようにし、この第2質量体が油圧により第1質量体
の内側面及びクラッチ体の軸方向両側面の3つの面とそ
れぞれ選択的に摩擦係合できるようにした。
【0013】この結果、例えばアイドリング時において
は、第2質量体を第1質量体の内側面と摩擦係合させる
ことにより、第1質量体及び第2質量体の全てを(ダン
パ部材を介さない)単一の非常に大きな質量のフライホ
イールとして機能させることができ、振動を抑えること
ができる。
【0014】又、発進時には、この構成に加え、例えば
第2質量体とクラッチ体の片側の面のみを摩擦係合させ
ることにより、出力部材側に動力を伝達するように構成
することができる。この結果、エンジントルクが1つの
摩擦面(クラッチ体の片側の面)のみを介して出力部材
側に伝達されることになるため、油圧の変化に対する伝
達トルクの変化が小さくなり(制御ゲインが小さくな
り)制御性を向上させることができる。即ち、クラッチ
体を適当に滑らせながらエンジントルクを徐々に出力部
材側に伝達することが容易にできるようになる。又、こ
のときダンパ部材の機能が殺されているため、前述した
ような新たな共振が発生せず、滑らかにトルクを立ち上
げることができる。
【0015】更に、通常走行時には、例えば第2質量体
をクラッチ体の両側面において摩擦係合させるような態
様とすることができる。この結果、第2質量体とクラッ
チ体との摩擦係合をより強固なものとすることができ、
安定したトルク伝達ができるようになる。又、その際、
(第1質量体の内側面における)第1質量体と第2質量
体との摩擦係合を解除するようにしておくことにより、
ダンパ部材のダンパ機能を十分に利用することもでき
る。
【0016】このように、本発明では、第2質量体が軸
方向に分割・移動でき、3つの面を介して第1質量体、
あるいはクラッチ体と選択的に摩擦係合できるため、ア
イドリング時、発進時、通常走行時の全ての状態におい
て、最適且つ安定した性能を得ることができるものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態は、前記第2
質量体が軸方向に2分割可能とされ、その分割されたう
ちの一方が前記第1質量体の前記内側面と摩擦係合可能
とされると共に、他方が前記第1質量体の他の内側面と
摩擦係合可能とされていることである。この構成によ
り、第2質量体と第1質量体との摩擦係合の容量を十分
に確保することができるようになり、特にアイドリング
時の慣性効果を更に安定した状態で得ることができる。
【0018】又、他の好ましい実施形態は、前記2分割
可能とされた第2質量体は、その分割されたそれぞれが
軸方向に所定量離間したときに両者の回転方向の結合状
態が解除され、互いに相対回転可能な状態となり得るよ
うに構成されていることである。
【0019】この構成により、離間された第2質量体の
うちの(ダンパ部材に連結されていない方の)一方を利
用して、第1質量体→(摩擦係合)→第2質量体の離間
された一方→(摩擦係合)→クラッチ体というように
(ダンパ部材を介さずに)第1質量体からクラッチ体へ
トルク伝達することが可能となる。しかもこの場合2つ
の摩擦係合面を介して第1質量体とクラッチ体とを(第
2質量体の一方を介して)連結することになるため、特
に発進時におけるトルク伝達(スリップによるトルク伝
達)を2つの摩擦係合面で分担させること、即ち2つの
摩擦係合面で分担してスリップさせることができ、各摩
擦材にかかる負荷を小さくすることができる。その結
果、それだけ耐久性を向上させることができるようにな
る。
【0020】本発明の更に他の好ましい実施形態は、前
記クラッチ体が多板クラッチ体とされていることであ
る。
【0021】これにより、クラッチ板におけるトルク伝
達の容量を増大できるため、特に通常走行時において更
に安定したトルク伝達を実行することができるようにな
る。
【0022】以下、図面を参照しながら本発明のより具
体的な実施形態について説明する。
【0023】図1に本発明の第1実施形態に係るフライ
ホイール付油圧クラッチ装置を示す。
【0024】この油圧クラッチ装置は、アウタカバー
(第1質量体)110、インナボディ(第2質量体)1
20、及びアウタカバー110、インナボディ120の
間に設けられたコイルばね(ダンパ部材)130とから
主に構成されるフライホイールFWと、油圧により前記
インナボディ120と切断可能に設けられたクラッチ
(クラッチ体)140とを備える。
【0025】前記アウタカバー110は、ボルト150
を介してエンジン側のドライブプレート(入力部材)1
52と連結されている。又、前記クラッチ140は、ハ
ブ142を介して出力軸(出力部材)154と連結され
ている。
【0026】以下個々の部材について詳述する。
【0027】前記アウタカバー(第1質量体)110
は、箱状に形成され、クラッチ140を取り囲むように
して配置されている。
【0028】前記インナボディ(第2質量体)120
は、アウタカバー110の内側において、2つのインナ
ボディ部材121、125に分割されており、それぞれ
が軸方向Xに移動可能である。便宜上、図面上で左側に
位置しているインナボディ部材121を左インナ部材、
右側に位置しているインナボディ部材125を右インナ
部材と称する。
【0029】左インナ部材121は、アウタカバー11
0の内側面111に対向する係合面122を備える。係
合面122には摩擦材124が貼付されている。この左
インナ部材121は、製造上の理由から、メイン左イン
ナ部材121Aとダンパカバー121Bとの2つの部材
で構成され、コイルばね130の組込み後、溶接部12
9にて溶接・一体化される。
【0030】又、左インナ部材121は、コイルばね1
30を介してアウタカバー110と軸方向Xにおいて移
動可能に連結されている。即ち、アウタカバー110と
左インナ部材121は、ダンパ機能付で一体的に回転可
能である。又、左インナ部材121が図の左側に移動し
てアウタカバー110の内側面111と摩擦係合するこ
とにより、アウタカバー110と左インナ部材121は
ダンパ機能無しで(完全に)一体的に回転可能でもあ
る。
【0031】更に、左インナ部材121は、クラッチ1
40の片側面142と対向している係合面123を備
え、該片側面142を介してクラッチ140と摩擦係合
可能である。
【0032】一方、右インナ部材125は、アウタカバ
ー110に、ニードルベアリング156を介して回転フ
リーの状態で支持されている。右インナ部材125と左
インナ部材121は、係合部126を介して軸方向に相
対移動可能に連結されている。右インナ部材125は、
クラッチ140の他側面144と対向している係合面1
27を備える。
【0033】前記クラッチ140のクラッチ板146も
スプライン147により軸方向Xに移動可能である。ク
ラッチ板146の両側面(片側面及び他側面)142、
144には摩擦材147、148が貼付されている。即
ち、クラッチ140は、左インナ部材121から片側面
142を介してトルクを受け、又、右インナ部材125
から他側面144を介してトルクを受けることになる。
【0034】一方、図から明らかなように、アウタカバ
ー110と左インナ部材121との間に第1油圧室16
2A、左インナ部材121とクラッチ140との間に第
2油圧室162B、クラッチ140と右インナ部材12
5との間に第3油圧室162Cが形成されている。
【0035】又、出力軸154の内部には油路160
A、160B、160Cが形成されており、図示せぬ公
知の油圧発生手段により発生された油圧PA、PB、P
Cがそれぞれこの油路160A、160B、160Cを
介して前記第1〜第3油圧室162A、162B、16
2Cに導入される構成とされている。
【0036】第1油圧室162Aと、第2、第3油圧室
162B、162Cは、シール164により常に隔離さ
れている。第2油圧室162Bと第3油圧室162C
は、クラッチ140によりほぼ隔離されている。又、ク
ラッチ140がその片側面142、あるいは他側面14
4を介して左インナ部材121あるいは右インナ部材1
25と係合することにより第2油室162Bと第3油室
162Cは完全に隔離される。
【0037】なお、右インナ部材125の図の右側には
第4油室162A′が形成される。この第4油室162
A′には第1油室162Aの油圧PAがまわりこんで来
るようになっている。
【0038】次にこの第1実施形態の作用を説明する。
【0039】アイドリング時には油圧PA、PB、PC
の関係を、PA<PB=PCとする。PB=PCである
ため、クラッチ140は左インナ部材121、右インナ
部材125のいずれとも摩擦係合せず、アイドリング状
態が形成される。
【0040】又、PA<PBであるため、差圧PB−P
Aにより左インナ部材121が図の左方向に移動し、左
インナ部材121の係合面122に貼付された摩擦材
(124)とアウタカバー110の内側面111とが摩
擦係合する。その結果、アウタカバー110と左インナ
部材121とがダンパ部材130を介さずに連結され
る。又、左インナ部材121と右インナ部材125は係
合部126を介して一体回転するため、結局、アウタカ
バー110、左インナ部材121、右インナ部材125
の全てが(ダンパ部材130を介することなく)一体的
に回転する。従って極めて大きなフライホイール効果を
得ることができ、振動を抑制できる。
【0041】発進時には、油圧PA、PB、PCの関係
をPA,PB<PC(例えばPA≦PB<PC)とす
る。この結果、差圧PC−PBにより左インナ部材12
1とクラッチ140の片側面142とが摩擦係合する。
又差圧PC−PAにより右インナ部材125が左インナ
部材121を係合部126を介して左方向に押圧し、ア
ウタカバー110の内側面111と左インナ部材121
の係合面122が摩擦係合する。
【0042】従って、コイルばね(ダンバ部材)130
を介さずにアウタカバー110と左インナ部材121
(及び右インナ部材125)が一体化されるため、アウ
タカバー110と左インナ部材121とのねじれ等が発
生しない(前述した200〜500rpm付近での新た
な共振等が発生しない)。又、バネを介した振動系がな
くなり、その結果スリップ制御がやり易くなり、トルク
を滑らかに立ち上げることができる。又、トルクはクラ
ッチ140の片側面142のみを介して出力軸154側
に伝達されるため、クラッチ容量が小さく、油圧の変化
に対する伝達トルクの変化が小さい(制御ゲインが小さ
い)。従って発進時のスリップ制御を精度良く行うこと
ができる。
【0043】一方、車両が通常走行状態になると、油圧
PA、PB、PCの関係は、PA>PB,PC(例えば
PA>PB=PC)とされる。この結果、左インナ部材
121は図の右側へ、右インナ部材125は、図の左側
にそれぞれ移動する。従って、クラッチ140は片側面
142において左インナ部材121と摩擦係合し、他側
面144において右インナ部材125の係合面127と
摩擦係合する。そのためクラッチ容量は発進時に比べほ
ぼ倍増され、滑りのない安定したトルク伝達が可能とな
る。
【0044】又、左インナ部材121とアウタカバー1
10との摩擦係合が解除されるため、コイルばね130
がダンパとして機能する。そのためエンジンの脈動等の
振動を良好に吸収できる。
【0045】この第1実施形態によれば、アイドリング
の状態から油圧PBを抜くことにより発進状態を形成で
き、更に油圧PCを抜くと同時に油圧PAを立ち上げる
ことにより、アイドリング→発進→通常走行状態の各状
態において最適な状態を連続して得ることができるよう
になる。
【0046】なお、上記油圧の大小関係は必ずしも各状
態毎に瞬時に切換わることは要求されない。むしろ具体
的な油圧の変化態様は、各部材の慣性質量、摩擦材の摩
擦係数、トルク伝達容量、油圧の立ち上がり速度等を考
慮して、滑らかに3つの状態が切換わり得るように設定
される。場合によっては、各油圧の立ち上がり、立ち下
がりの開始時期や勾配をエンジン負荷に応じて変化させ
てもよい。
【0047】次に、図2を参照しながら本発明の第2実
施形態について説明する。
【0048】この第2実施形態では、第1実施形態と比
べ、ニードルベアリング156(図1)を省略してあ
る。又、右インナ部材225がアウタカバー210と対
向する係合面228を有し、摩擦材258を介してアウ
タカバー210の「他の」内側面213と摩擦係合可能
とされている。
【0049】その他の構成は第1実施形態とほぼ同様で
あるため、図中で同一又は類似の部分に下2桁が同一の
符号を付すに止どめ重複説明を省略する。
【0050】この第2実施形態の作用を説明する。
【0051】アイドリング時は、油圧PA、PB、PC
の関係が、PA<PB=PCとされる。この結果、クラ
ッチ240は左インナ部材221とも右インナ部材22
5とも係合せず、アイドリング状態が形成される。
【0052】又、アウタカバー210は、その内側面2
11において左インナ部材221と摩擦係合し、他の内
側面213において右インナ部材225と摩擦係合す
る。従って、左右のインナ部材221、225は、2箇
所でアウタカバー210と摩擦係合することになり、ア
ウタカバー210、左インナ部材221、右インナ部材
225の3者が第1実施形態に比べより強固に一体化さ
れ、大きなフライホイール効果を得ることができる。
又、コイルばね230のダンパ機能が殺されるため、2
00〜500rpm付近での新たな共振が発生すること
もない。従って、何等かの原因でアイドリング回転数が
低下したとしても安定性を維持することができる。
【0053】第2実施形態は、発進時、通常走行時につ
いては、前記第1実施形態と略同様な作用を得ることが
できる。
【0054】次に、図3を参照しながら本発明の第3実
施形態について説明する。
【0055】この第3実施形態は基本的には第2実施形
態と同様である。従って第2実施形態と同一又は類似の
部分には下桁が同一の符号を付している。但し、左イン
ナ部材321と右インナ部材325との係合部326
は、その係合長さLが第2実施形態より短い。従って、
左インナ部材321と右インナ部材325は両者が所定
以上(係合長さL以上)に離間すると係合部326での
係合が解除され、自由に相対回転する。
【0056】第3実施形態の作用は以下のとおりであ
る。
【0057】アイドリング時、油圧PA、PB、PCの
関係は第2実施形態と同様にPA<PB=PCとされ
る。その結果、第2実施形態と同様に、クラッチ340
は左インナ部材321とも右インナ部材325とも係合
せず、アイドリング状態が形成される。又、アウタカバ
ー310は、その内側面311において左インナ部材3
21と摩擦係合し、(他の)内側面313において右イ
ンナ部材325と摩擦係合する。
【0058】アイドリング時においては、左インナ部材
321と右インナ部材325とは所定以上(係合長さL
以上)離間しているため、左インナ部材321と右イン
ナ部材325との回転方向の係合が外れており、両者が
自由に相対回転し得る状態となっている。
【0059】しかしながら、実際は前述したように左イ
ンナ部材321はアウタカバー310と内側面311に
おいて係合しており、右インナ部材325は同じアウタ
カバー310と(他の)内側面313において係合して
いる。従って、左右のインナ部材321、325は、結
局、両者ともアウタカバー310と一体的に回転してお
り、動力伝達上の作用は第2実施形態と実質的に等価で
ある。
【0060】第3実施形態における発進時は、各油圧P
A、PB、PCの関係がPA≦PC<PBとされる。こ
の結果、左インナ部材321は差圧PB−PAにより図
の左方向に移動し、内側面311を介してアウタカバー
310と係合する。従って、アウタカバー310と左イ
ンナ部材321は一体的に回転し、コイルばね330の
ダンパ機能は殺される。
【0061】これに対し、右インナ部材325は、差圧
PB−PAにより、図の右方向に移動し、(他の)内側
面313においてアウタカバー310と摩擦係合する。
しかし両者は完全には一体化せず、かなりの相対回転
(スリップ)が生じる。
【0062】クラッチ340は、差圧PB−PCによ
り、図の右方向に移動し、係合面327において右イン
ナ部材325とのみ摩擦係合する。クラッチ340はア
ウタカバー310側からのトルクを該摩擦材348のみ
を介して受けるため、トルク容量は若干不足気味とな
り、クラッチ340と右インナ部材325は若干相対回
転(スリップ)する状態となる。
【0063】即ち、アウタカバー310のトルクは、摩
擦材358を介してスリップしながら右インナ部材32
5に伝達され、右インナ部材325から摩擦材348を
介して更にスリップしながらクラッチ440へと伝達さ
れる。
【0064】従って、右インナ部材125の両側の2つ
の摩擦材358、348を介して発進時のスリップ制御
が行われるため、スリップを分担できるため各摩擦材の
耐久性をそれだけ向上できる。又、コイルばね330の
ダンパ機能が殺されているため、振動が減少し、安定し
た状態でトルクを伝達できる。更には、伝達容量が小さ
いため、油圧の変化に対するクラッチ340へ伝達され
るトルクの変化を小さくでき(制御ゲインを小さくで
き)スリップ制御を精度良く実行することができる。
【0065】第3実施形態の通常走行時においては油圧
PA、PB、PCの関係がPA>PB、PC(例えばP
A>PB=PC)とされる。この結果、クラッチ340
はその両側において左インナ部材321及び右インナ部
材325の双方と係合し、十分なトルク容量を確保でき
る。又、アウタカバー310と左インナ部材321、ア
ウタカバー310と右インナ部材325との摩擦係合が
それぞれ解除され、アウタカバー310はコイルばね3
30を介して左インナ部材321のみと連結される。左
インナ部材321と右インナ部材325の軸方向距離は
所定以下(係合長さL以下)となるため、一体的に回転
する。
【0066】この結果、トルクはアウタカバー310か
らクラッチ340へ十分なトルク容量をもった摩擦係合
にて伝達される。その際、コイルばね330のダンパ作
用により、振動が良好に吸収される。
【0067】次に、図4を参照しながら本発明の第4実
施形態を説明する。
【0068】この第4実施形態では、クラッチ440が
多板(2枚)クラッチとされている。即ち、クラッチ4
40は、第1クラッチ板440A及び第2クラッチ板4
40Bを備えている。第1クラッチ板440Aは第2ク
ラッチ板440Bに対して軸方向Xに移動可能とされて
いる。又、第1クラッチ板440Aの両側に摩擦材44
7、448が、第2クラッチ板440Bの両側には摩擦
材471、472がそれぞれ貼付されている。
【0069】第1、第2クラッチ板440A、440B
との間には、左インナ部材421と一体化された摩擦板
(摩擦リング)449が配置されている。右インナ部材
425は左インナ部材421内で軸方向に摺動可能に収
容され、回転方向には常にフリーである。なお、右イン
ナ部材425はハブ447上で摺動するように構成され
ており、第3実施形態よりも円滑な摺動ができるように
してある。その他の構成は第3実施形態とほぼ同様であ
る。
【0070】第4実施形態においてもアイドリング時は
油圧PA、PB、PCの関係がPA<PB=PCとされ
る。その結果、クラッチ440は第1、第2クラッチ板
440A、440Bのいずれもがフリーとなり、アイド
リング状態が形成される。
【0071】又、左右のインナ部材421、425の双
方がアウタカバー410とその内側面411及び他の内
側面413において係合し、大きなフライホイール効果
が得られる。更にはコイルばね430のダンパ機能が殺
されているため、振動の発生が防止される。これらの効
果は基本的に先の実施形態と同様である。
【0072】発進時においては、油圧PA、PB、PC
の関係がPB>PA、PCとされる。
【0073】従って、左インナ部材421とアウタカバ
ー410が係合しコイルばね430のダンパ機能が殺さ
れる。但し左インナ部材421側からの動力は、第1ク
ラッチ板440Aが軸方向にフリーであるため、クラッ
チ440側へは伝達されない。一方、右インナ部材42
5とアウタカバー410が係合すると共に、第2クラッ
チ板440Bが摩擦板472を介して右インナ部材42
5と係合し、双方ともスリップしながらアウタカバー4
10側からクラッチ440側への動力伝達が行われてい
る。
【0074】従って、基本的に先の第3実施形態と同様
な作用が得られる。又、コイルばね430のダンパ機能
が殺されているため、振動が減少し、安定した状態でト
ルクを伝達できる。
【0075】定常走行時においては、油圧PA、PB、
PCの関係がPA>PB、PCとされる。この結果、左
インナ部材421は図の右方向に移動し、アウタカバー
410と左インナ部材421との係合が解除され、左イ
ンナ部材421はコイルばね430を介してアウタカバ
ー410と連結される。又、左インナ部材421が図の
右方向に移動することにより、第1クラッチ板440A
が摩擦板449側に押圧される。
【0076】一方、右インナ部材425は図の左方向に
移動し、アウタカバー410との係合が解除されると共
に第2クラッチ板440Bを摩擦板449側に押圧す
る。
【0077】この結果、トルクは第1クラッチ板440
Aの両側及び第2クラッチ板440Bの摩擦板側の3面
を介して伝達されるため、発進時の約3倍のトルク容量
を確保できる。又、第3実施形態の通常走行時と比べて
も約1.5倍のトルク容量を確保できる。その結果、一
層安定したトルク伝達が可能となる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
第2質量体が軸方向に分割・移動可能とされ、油圧によ
り第1質量体の内側面及びクラッチ体の軸方向両側面の
3つの面とそれぞれ選択的に摩擦係合可能としたため、
アイドリング時、発進時、及び通常走行時の各状態にお
いてダンパ機能の有無を含んだ最適な質量バランスを得
ることができるようになるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が適用されたフライホイ
ール付油圧クラッチ装置の縦断面図
【図2】本発明の第2実施形態が適用されたフライホイ
ール付油圧クラッチ装置の縦断面図
【図3】本発明の第3実施形態が適用されたフライホイ
ール付油圧クラッチ装置の縦断面図
【図4】本発明の第4実施形態が適用されたフライホイ
ール付油圧クラッチ装置の縦断面図
【図5】従来のフライホイール付油圧クラッチ装置を模
式的に示した概略構成図
【符号の説明】
110、210、310、410…アウタカバー(第1
質量体) 120、220、320、420…インナボディ(第2
質量体) 121、221、321、421…左インナ部材(第2
質量体の一部) 125、225、325、425…右インナ部材(第2
質量体の他の一部) 130、230、330、430…コイルばね(ダンパ
部材) 140、240、340、440…クラッチ(クラッチ
体) 150、250、350、450…ボルト(入力部材) 154、254、354、454…出力軸(出力部材) PA、PB、PC…油圧

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1質量体、第2質量体、及びこれらの質
    量体間に設けられたダンパ部材からなるフライホイール
    と、油圧により前記第2質量体と切断可能に設けられた
    クラッチ体と、を備え、前記第1質量体を入力部材と連
    結すると共に、前記クラッチ体を出力部材と連結したフ
    ライホイール付油圧クラッチ装置において、 前記第1質量体を、前記クラッチ体を取り囲むようにし
    て配置し、 前記第2質量体を、該第1質量体の内側において軸方向
    に分割・移動可能に配置すると共に、油圧により前記第
    1質量体の内側面及び前記クラッチ体の軸方向両側面の
    3つの面とそれぞれ選択的に摩擦係合可能としたことを
    特徴とするフライホイール付油圧クラッチ装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第2質量体が軸方
    向に2分割可能とされ、その分割されたうちの一方が前
    記第1質量体の前記内側面と摩擦係合可能とされると共
    に、他方が前記第1質量体の他の内側面と摩擦係合可能
    とされたことを特徴とするフライホイール付油圧クラッ
    チ装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記2分割可能とされ
    た第2質量体は、その分割されたそれぞれが軸方向に所
    定量離間したときに両者の回転方向の結合状態が解除さ
    れ、互いに相対回転可能な状態となり得ることを特徴と
    するフライホイール付油圧クラッチ装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ク
    ラッチ体が多板クラッチ体とされていることを特徴とす
    るフライホイール付油圧クラッチ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1418359A1 (en) * 2001-08-14 2004-05-12 Aisin Aw Co., Ltd. Start clutch device
KR101400469B1 (ko) * 2008-06-17 2014-05-29 현대자동차주식회사 중량 가변형 댐퍼

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EP1418359A4 (en) * 2001-08-14 2006-07-05 Aisin Aw Co ANFAHRKUPPLUNGSVORRICHTUNG
KR101400469B1 (ko) * 2008-06-17 2014-05-29 현대자동차주식회사 중량 가변형 댐퍼

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