JP2605745Y2 - ビスカスカップリング - Google Patents

ビスカスカップリング

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JP2605745Y2 JP1993067207U JP6720793U JP2605745Y2 JP 2605745 Y2 JP2605745 Y2 JP 2605745Y2 JP 1993067207 U JP1993067207 U JP 1993067207U JP 6720793 U JP6720793 U JP 6720793U JP 2605745 Y2 JP2605745 Y2 JP 2605745Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、粘性流体を介してトル
ク伝達を行うビスカスカップリングに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば四輪駆動車の前後両車軸
間の動力伝達系に差動装置として使用するビスカスカッ
プリングは、相対回転自在に配置された第1及び第2の
伝達部材と、二組のプレート組と、粘性流体が封入され
た作動室とを備えており、第1のプレート組が第1の伝
達部材の回転軸線方向に摺動可能であって且つ該第1の
伝達部材と共に回転可能に配置され、第2のプレート組
が第2の伝達部材の回転軸線方向に摺動可能であって且
つ該第2の伝達部材と共に回転可能に配置されており、
前記第1及び第2のプレート組の各プレートは前記作動
室内で交互に配置されていて、少なくとも一方のプレー
ト組のプレートは互いに間隔を保たれている。
【0003】このようなビスカスカップリングのトルク
伝達特性は、前記第1及び第2のプレート組の相対運動
に伴う回転数差にほぼ比例して伝達トルクが変化するの
で、高回転数差域において充分な伝達トルクが得られる
ように該ビスカスカップリングを設定すると低回転数差
域における駆動トルクも大きくなってしまい、例えばタ
イトコーナーブレーキング現象の発生といった不具合が
生じる。そこで、低回転数差域における伝達トルクが小
さくなるように前記ビスカスカップリングを設定する
と、今度は高回転数差域において充分な駆動トルクが得
られず、悪路走破性が低下してしまう。
【0004】また、このようなビスカスカップリングに
は、回転方向に係わらず前記第1及び第2のプレート組
の相対運動に伴う回転数差によって伝達トルクが生じ
る。そこで、例えば車が制動されて前輪がロックする
と、後輪は前輪よりも高速で回転し、この状態において
前記第1及び第2のプレート組間には相対運動に伴う回
転数差が生じるので、該ビスカスカップリングには前輪
を駆動するように作用すると共に後輪ロックを誘発する
回転トルクが生じてしまう。
【0005】そこで、例えば特開平4−21号公報に
は、相対回転自在に配置された第1及び第2の伝達部材
と、粘性流体が封入された作動室と、第1の伝達部材と
回転方向に係合した第1のプレート組と、該第1のプレ
ート組と前記作動室内で交互に配置されると共に第2の
伝達部材と回転方向に係合したクラッチプレート組によ
って挟装される第2のプレート組と、前記クラッチプレ
ート組を回転軸方向に押圧して第2のプレート組をクラ
ッチプレート組に摩擦挟持させる操作部材とを有するビ
スカスカップリングであって、付勢部材により予めクラ
ッチプレート組に対する押圧方向と反対方向に付勢され
る前記操作部材は前記第1の伝達部材との間に互いの回
転数差に比例して伝達トルクが変化するトルク伝達手段
を有すると共に、該操作部材はカム機構により前記第2
の伝達部材との間に回転数差が生じると前記付勢部材の
付勢力に抗してクラッチプレート組の押圧方向に従動さ
れるように構成されていることを特徴とするビスカスカ
ップリングが開示されている。
【0006】即ち、上記ビスカスカップリングによれ
ば、前記トルク伝達手段のトルク伝達特性、前記付勢部
材の付勢力及びカム機構のカムプロフィールを適宜調節
することにより、ビスカスカップリングのトルク伝達特
性を回転数差の高低に応じて変えることができる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平4−21号公報に開示されたビスカスカップリング
の場合、前記第2のプレート組が全てクラッチプレート
組を介して第2の伝達部材と回転方向に係合する構造の
為、前記操作部材による大きなクラッチ押圧方向のスラ
スト力がクラッチプレート組に作用してクラッチが接続
されないと粘性流体の剪断力が発生せず、前記操作部材
のスラスト力は前記第1の伝達部材と該操作部材との間
の相対回転数差がかなり大きくならなければ作用しない
ので、伝達トルクの立上りが遅いという問題がある。
【0008】また、前記第1の伝達部材と前記第2の伝
達部材との間の相対回転数差が小さい時には前記クラッ
チを解除して伝達トルクを小さくするべく、前記操作部
材をクラッチ押圧方向と反対方向に付勢する付勢部材が
必要となると共に前記操作部材と前記第2の伝達部材と
の間には作動室を液密に保つシールが必要となり、部品
点数が増加すると共に構造が複雑になる。更に、それぞ
れ第1及び第2の伝達部材は専用形状となってしまい、
一般的なビスカスカップリングの伝達部材を流用するこ
とができないので、製造コストが高くなるという問題が
ある。
【0009】従って、本考案の目的は上記課題を解消す
ることにあり、トルク伝達特性の調節機能を有しながら
構造が簡単で、良好なビスカスカップリングを提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案の上記目的は、相
対回転自在に配置された第1及び第2の伝達部材により
構成されて粘性流体が封入された作動室と、前記第1及
び第2の伝達部材と相対回転自在に作動室内に配置され
ると共に該作動室を回転軸方向に主作動室と副作動室に
分割する隔壁を備えた第3の伝達部材と、前記主作動室
内で第2の伝達部材と回転方向に係合した第2のプレー
ト組と、該第2のプレート組と交互に配置されると共に
第1の伝達部材と回転方向に係合したクラッチプレート
組によって挟装される第1のプレート組と、前記副作動
室内で第2の伝達部材と回転方向に係合した第4のプレ
ート組と、該第4のプレート組と交互に配置されると共
に第3の伝達部材と回転方向に係合した第3のプレート
組と、前記第1の伝達部材と回転方向に係合すると共に
前記クラッチプレート組を回転軸方向に押圧して第1の
プレート組をクラッチプレート組に摩擦挟持させる押圧
部材とを有するビスカスカップリングであって、前記第
1のプレート組の一部のプレートが前記第1の伝達部材
と回転方向に係合させられると共に、前記押圧部材がカ
ム機構により前記第3の伝達部材との間の相対変位量
比例して前記クラッチプレート組をクラッチ押圧方向に
従動させるように構成され、且つ前記第1の伝達部材と
回転方向に係合させられた前記第1のプレート組の一部
のプレートの枚数が前記第3のプレート組のプレートの
枚数よりも多くされたビスカスカップリングにより達成
される。
【0011】
【作用】上記構成によれば、第1の伝達部材との間の
対変位量が大きくなった際にカム機構によって押圧部材
をクラッチプレート組に対するクラッチ押圧方向に従動
させる前記第3の伝達部材は作動室内に配置されている
ので、作動室を液密に保つシール部材を第3の伝達部材
と第1及び第2の伝達部材との間に設ける必要がなく、
第1及び第2の伝達部材は一般的なビスカスカップリン
グの伝達部材を流用することができる。
【0012】また、第1の伝達部材と第2の伝達部材と
の間の回転数差が小さく、前記押圧部材による大きなク
ラッチ押圧方向のスラスト力がクラッチプレート組に作
用していない際にも、前記第1のプレート組の一部のプ
レートは第1の伝達部材と回転方向に係合させられてお
り、第1の伝達部材と第2の伝達部材との間では粘性流
体の剪断抵抗によるトルク伝達が可能とされているの
で、ビスカスカップリングは速やかに立上りトルクを発
生することができる。
【0013】更に、第1のプレート組を含む前記主作動
室内の温度が常に前記第3のプレート組を含む副作動室
内の温度よりも高くなり、主作動室内の圧力が副作動室
内の圧力よりも高くなるので、主作動室内の各プレート
間には互いに離れようとするスラスト力が発生し、前記
押圧部材によるクラッチ押圧方向の付勢力が弱い時には
前記押圧部材をクラッチ押圧方向と反対方向に付勢する
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、添付の図1乃至図4に基づいて本考案
の一実施例を詳細に説明する。先ず、図1及び図2によ
りビスカスカップリング1の構成を説明する。ハウジン
グ2(第1の伝達部材)とハブ3(第2の伝達部材)は
相対回転自在に配置されている。そして、例えばハウジ
ング2は一体のスプライン35により図示しないトラン
スファ側の伝達軸に連結されて回転駆動され、ハブ3は
図示しないプロペラシャフト側の伝達部材に連結され
る。
【0015】ハウジング2とハブ3の間には作動室11
が形成され、高粘度のシリコンオイル(粘性流体)が封
入されている。ハウジング2とハブ3の摺接部にはXリ
ング17, 19(断面がX字状のシール)とバックアッ
プリング18, 20が配置されて作動室11を液密に保
っている。更に、図1中右方寄りの作動室11内には第
3の伝達部材である内蔵ハウジング21がハウジング2
及びハブ3と相対回転自在に配置されており、該内蔵ハ
ウジング21の図1中左側外周部には円環状の押圧部材
31がカム機構を介して係合している。内蔵ハウジング
21はハウジング2の内周面に形成されたスプライン1
2に近接する円筒部と、該円筒部の一開口端縁より半径
方向内方へ延びる隔壁24とを有しており、該隔壁24
が前記作動室11を分割して主作動室25と副作動室2
6とを構成している。前記押圧部材31の円筒部外周面
にはハウジング2のスプライン12に係合するスプライ
ン33が形成され、隔壁24の中央部にはハブ3が貫通
する開口22が形成されており、該押圧部材31はハウ
ジング2と回転方向に係合すると共に回転軸線方向へ移
動自在である。
【0016】前記ハブ3の外周面に形成されたスプライ
ン13には第2及び第4のプレート組であるインナープ
レート5,10が回転軸線方向へ移動自在にスプライン
係合されており、前記主作動室25内では第1のプレー
ト組である係合アウタープレート4a及び非係合アウタ
ープレート4bがインナープレート5と交互に配置さ
れ、前記副作動室26内では第3のプレート組であるア
ウタープレート9がインナープレート10と交互に配置
されている。そして、第1のプレート組の一部のプレー
トである前記係合アウタープレート4aはハウジング2
の内周面に形成されたスプライン12にスプライン係合
されてハウジング2と一体に回転可能であり、該係合
ウタープレート4aと交互に配置された前記非係合アウ
タープレート4bはハウジング2の内側に遊嵌されてハ
ウジング2と相対回転可能である。
【0017】また、前記非係合アウタープレート4bの
外縁側にはクラッチプレート8が各非係合アウタープレ
ート4bの外周部を挟むように配置されており、このク
ラッチプレート8はハウジング2の内周面に形成された
スプライン12にスプライン係合されてハウジング2と
回転方向に係合すると共に回転軸線方向へ移動自在であ
る。そこで、前記押圧部材31を主作動室25側に移動
させ、前記係合アウタープレート4a、非係合アウター
プレート4b及びクラッチプレート8をクラッチ押圧方
向に押圧すると、非係合アウタープレート4bはクラッ
チプレート8によって挟持されて、前記ハブ2と一体に
回転可能となる。
【0018】更に、前記内蔵ハウジング21の内周面に
形成されたスプライン16にスプライン係合されたアウ
タープレート9は、ハブ3の外周面に形成されたスプラ
イン13にスプライン係合されるインナープレート10
と交互に配置され、スペーサーリング14により所定間
隔を保持されている。そこで、内蔵ハウジング21とハ
ブ3との間では、相対運動に伴う回転数差にほぼ比例し
て回転トルクが伝達される。
【0019】図3に示すように、内蔵ハウジング21の
主作動室25側の外周部には副作動室26に対向する押
圧部材31の軸線方向端部に設けられたスパイラル形状
のカム面を有する噛み合い歯32に対応する噛み合い歯
23が形成されており、内蔵ハウジング21と押圧部材
31との間には該内蔵ハウジング21との間の所定範囲
(互いの噛み合い歯を乗り越え無い範囲)内の相対変位
に比例して前記押圧部材31をクラッチ押圧方向(図
中、左方向)に従動させるカム機構が構成されている。
即ち、内蔵ハウジング21が押圧部材31及びハウジン
グ2に対して図3中の矢印Y方向に相対回転変位する
と、該押圧部材31はクラッチプレート8が非係合アウ
タープレート4bを挟持するクラッチ押圧方向に摺動さ
れる。
【0020】前記噛み合い歯23及び噛み合い歯32の
スパイラル形状のカム面は、内蔵ハウジング21の回転
方向に沿って同一方向に傾きを持った形状に形成され、
内蔵ハウジング21が図3中の矢印Y方向に相対回転
した際にのみ前記押圧部材31をクラッチ押圧方向に
摺動させるように形成されている。また、前記ビスカス
カップリング1は、ハウジング2と一体に回転する前記
係合アウタープレート4aのプレート枚数が前記アウタ
ープレート9のプレート枚数よりも多くなるように設定
され、回転動作中初期においては主作動室25内の温度
が作動室26内の温度よりも高くなるように構成されて
いる。そこで、主作動室25内の圧力は副作動室26内
の圧力よりも回転動作中初期においては高くなり、主作
動室25内の各プレート間すき間が広がる方向にスラス
ト力が発生する。従って、前記内蔵ハウジング21と相
対回転変位せず、該内蔵ハウジング21との係合部に設
けられた前記カム機構によるクラッチ押圧方向の付勢力
が作用しない押圧部材31は、クラッチ押圧方向と反対
方向に付勢される。
【0021】次に、前記ビスカスカップリング1の動作
について説明する。図1中の矢印X方向に回転させられ
るハウジング2とハブ3との回転動作中初期において
押圧部材31は副作動室26よりも内部圧力の高い主作
動室25内の各プレート間すき間が広がる方向のスラス
ト力によって、クラッチ押圧方向と反対方向に付勢され
ているので、内蔵ハウジング21は押圧部材31と一体
に回転し、相対回転変位しない。そこで、ハウジング2
とハブ3との回転数差が殆どない為にシリコンオイルの
剪断抵抗が小さく、非係合アウタープレート4bに対し
てはクラッチプレート8の挟持力が作用せず、該非係合
アウタープレート4bとクラッチプレート8の間では滑
りが生じて回転トルクを伝達することができないので、
実質的にハウジング2とハブ3とは切り離されトルク伝
達が遮断された状態となる。
【0022】次に、ハウジング2がハブ3よりも速く回
転し、両伝達部材間に所定の回転数差が生じ始めると、
先ずシリコンオイルの剪断抵抗によって、ハウジング2
に係合された係合アウタープレート4aとハブ3に係合
されたインナープレート5との間でトルク伝達が行わ
れ、ビスカスカップリング1は速やかに立上りトルクが
発生する。これと同時に、押圧部材31と一体に回転す
る内蔵ハウジング21は、内蔵ハウジング21に係合さ
れたアウタープレート9と副作動室26内のハブ3に係
合されたインナープレート10との間でもトルク伝達が
行われる。すると、内蔵ハウジング21は、ハブ3と同
回転方向へ回転しようとするので、押圧部材31に対し
て図中の矢印Y方向に相対回転変位する。そして、この
相対回転力はカム機構を構成する押圧部材31の噛み合
い歯32と内蔵ハウジング21の噛み合い歯23とによ
って、該押圧部材31をクラッチ押圧方向に摺動させる
押圧力に変換される。従って、押圧部材31は内蔵ハウ
ジング21とハブ3との相対変位量が大きくなるほど前
記主作動室25内の圧力によるスラスト力に抗する押圧
力が大きくなる。
【0023】そこで、クラッチプレート8が押圧部材3
1に押圧され、非係合アウタープレート4bは図4に示
すようにクラッチプレート8の挟持力の強さに応じた強
さでハウジング2に連結される。
【0024】即ち、エンジン等の駆動力によるハウジン
グ2の回転は、係合アウタープレート4a及び非係合ア
ウタープレート4bからインナープレート5にシリコン
オイルの剪断抵抗により伝達されると共に、押圧部材3
1及び内蔵ハウジング21を介してアウタープレート9
からインナープレート10にシリコンオイルの剪断抵抗
により伝達される
【0025】そして、ハウジング2の回転とハブ3の回
転との間の回転数差が小さくなると、内蔵ハウジング2
1に係合するアウタープレート9からインナープレート
10に伝達される回転トルクが小さくなり、内蔵ハウジ
ング21の押圧力も小さくなる。そこで、ハウジング2
とハブ3との回転数差が殆どない為にシリコンオイルの
剪断抵抗が小さく殆どトルク伝達が行われない為、非係
アウタープレート4bはクラッチプレート8の挟持力
から解放されるので、実質的にハウジング2とハブ3と
が切り離されトルク伝達が遮断される。
【0026】このように、本考案のビスカスカップリン
グ1では、ハウジング2と一体に回転可能な係合アウタ
ープレート4aの枚数や、押圧部材31及び内蔵ハウジ
ング21の噛み合い歯31,23のカム面形状を適宜設
定することにより、低回転数差領域においては伝達トル
クをほぼ遮断し、高回転数差領域においては伝達トルク
を大きく自動的に調節できる。又、過大トルクが入力さ
れた時はクラッチプレート8と非係合アウタープレート
4bとが滑り、トルクリミッタとして働く。
【0027】また、ハウジング2とハブ3との間の回転
数差が小さく、前記押圧部材31による大きなクラッチ
押圧方向のスラスト力がクラッチプレート8に作用して
いない際にも、前記係合アウタープレート4aはハウジ
ング2と回転方向に係合させられており、ハウジング2
とハブ3との間ではシリコンオイルの剪断抵抗によるト
ルク伝達が可能とされているので、ビスカスカップリン
グ1は速やかに立上りトルクを発生することができる。
【0028】更に、前記内蔵ハウジング21はハウジン
グ2とハブ3に構成された作動室11内に配置されるの
で、該作動室11を液密に保つシール部材は前記Xリン
グ17, 19だけで良く、他のシール部材を内蔵ハウジ
ング21とハウジング2及びハブ3との間に設ける必要
がなく、本考案におけるハウジング2及びハブ3は従来
のクラッチプレート組を持たない一般的なビスカスカッ
プリングのハウジング及びハブを流用することができ
る。又、上記ビスカスカップリングは、主作動室25内
の圧力が副作動室26内の圧力よりも回転動作中初期に
おいては高くなり、主作動室25内の各プレート間すき
間が広がる方向にスラスト力が発生するので、前記押圧
部材31によるクラッチ押圧方向の付勢力が弱い時には
該押圧部材31をクラッチ押圧方向と反対方向に付勢す
ることができ、従来の皿バネの如き付勢部材を省略する
こともできる。即ち、本考案のビスカスカップリングは
部品点数を減らすと共に構造を簡単にして組立てを容易
とすることができるので、製造コストを抑えることがで
きる。
【0029】尚、上記実施例においては、押圧部材31
と内蔵ハウジング21との間に設けられるカム機構がス
パイラル形状のカム面を有する噛み合い歯32,21に
より構成されているが、他の形態を採りうることは勿論
である。図5は本考案の他の実施例に係り、押圧部材4
1と内蔵ハウジング43との間に設けられ、内蔵ハウジ
ング43との間の相対変位量に比例して押圧部材41を
クラッチ押圧方向に従動させるカム機構を他の手段で構
成したものであり、他の部分については上記実施例のも
のと同じなので、説明を省略する。
【0030】内蔵ハウジング43の主作動室25側の外
周部には、上記実施例の噛み合い歯23に変えて、球4
5を保持する複数の矩形状凹部44が形成されており、
副作動室26に対向する押圧部材41の軸線方向端部に
設けられたスパイラル形状のカム面を有する噛み合い歯
42に対応している。即ち、内蔵ハウジング43が押圧
部材41及びハウジング2に対して図5中の矢印Y方向
に相対回転変位すると、上記実施例と同様に該押圧部材
41はクラッチプレート8が非係合アウタープレート4
bを挟持するクラッチ押圧方向に摺動される。更に、前
記噛み合い歯42のスパイラル形状のカム面は、それぞ
れ内蔵ハウジング43の矩形状凹部44に保持された球
45と当接しており、両部材間の摺動抵抗が小さくなる
ことによってカム機構による押圧部材41の動作を滑ら
かにすることができる。
【0031】更に、上記実施例においては第1の伝達部
材及び第2の伝達部材をそれぞれハウジング及びハブと
したが、本考案はこれに限定されるものではなく、例え
ば第1の伝達部材をハブとし、第2の伝達部材をハウジ
ングとしても良い。また、各伝達部材や押圧部材などは
上記実施例の形状に限定されるものではなく、本考案の
主旨に基づいて種々の形態を採りうることは勿論であ
る。
【0032】
【考案の効果】本考案のビスカスカップリングによれ
ば、第1の伝達部材との間の相対変位量が大きくなった
際にカム機構によって押圧部材をクラッチプレート組に
対するクラッチ押圧方向に従動させる前記第3の伝達部
材は作動室内に配置されているので、作動室を液密に保
つシール部材を第3の伝達部材と第1及び第2の伝達部
材との間に設ける必要がなく、第1及び第2の伝達部材
は一般的なビスカスカップリングの伝達部材を流用する
ことができる。又、主作動室内の圧力が副作動室内の圧
力よりも回転動作中初期においては高くなり、主作動室
内の各プレート間すき間が広がる方向にスラスト力が発
生するので、前記押圧部材によるクラッチ押圧方向の付
勢力が弱い時には該押圧部材をクラッチ押圧方向と反対
方向に付勢することができ、付勢部材を省略することも
できる。即ち、本考案のビスカスカップリングは部品点
数を減らすと共に構造を簡単にして組立てを容易とする
ことができるので、製造コストを抑えることができる。
【0033】更に、第1の伝達部材と第2の伝達部材と
の間の回転数差が小さく、前記押圧部材による大きなク
ラッチ押圧方向のスラスト力がクラッチプレート組に作
用していない際にも、前記第1のプレート組の一部のプ
レートは第1の伝達部材と回転方向に係合させられてお
り、第1の伝達部材と第2の伝達部材との間では粘性流
体の剪断抵抗によるトルク伝達が可能とされているの
で、ビスカスカップリングは速やかに立上りトルクを発
生することができる。
【0034】従って、トルク伝達特性の調節機能を有し
ながら構造が簡単で、良好なビスカスカップリングを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に基づくビスカスカップリン
グの縦断面図である。
【図2】図1に示したビスカスカップリングの部分拡大
図である。
【図3】本考案の一実施例における押圧部材と内蔵ハウ
ジングの分解斜視図である。
【図4】図1に示したビスカスカップリングの作動状態
を説明するための部分拡大図である。
【図5】本考案の他の実施例に基づく押圧部材と内蔵ハ
ウジングの部分拡大図である。
【符号の説明】
1 ビスカスカップリング 2 ハウジング(第1の伝達部材) 3 ハブ(第2の伝達部材) 4a 係合アウタープレート(第1のプレート組) 4b 非係合アウタープレート(第1のプレート組の一
部のプレート) 5 インナープレート(第2のプレート組) 8 クラッチプレート(クラッチプレート組) 9 アウタープレート(第3のプレート組) 10 インナープレート(第のプレート組) 11 作動室 17 Xリング 19 Xリング 21 内蔵ハウジング(第3の伝達部材) 23 噛み合い歯 24 隔壁 25 主作動室 26 副作動室 31 押圧部材 32 噛み合い歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−21(JP,A) 特開 平3−51522(JP,A) 特開 平4−64727(JP,A) 特開 平2−26328(JP,A) 特開 昭64−6527(JP,A) 実開 平3−60624(JP,U) 実開 平3−127834(JP,U) 実開 平1−144534(JP,U) 実開 昭63−109039(JP,U) 実開 昭62−155233(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 35/00

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転自在に配置された第1及び第2
    の伝達部材(2,3) により構成されて粘性流体が封入され
    た作動室(11)と、前記第1及び第2の伝達部材(2,3) と
    相対回転自在に作動室(11)内に配置されると共に該作動
    室(11)を回転軸方向に主作動室(25)と副作動室(26)に分
    割する隔壁(24)を備えた第3の伝達部材(21)と、前記主
    作動室(25)内で第2の伝達部材(3) と回転方向に係合し
    た第2のプレート組(5) と、該第2のプレート組(5) と
    交互に配置されると共に第1の伝達部材(2) と回転方向
    に係合したクラッチプレート組(8) によって挟装される
    第1のプレート組(4a,4b) と、前記副作動室(26)内で第
    2の伝達部材(3) と回転方向に係合した第4のプレート
    組(10)と、該第4のプレート組(10)と交互に配置される
    と共に第3の伝達部材(21)と回転方向に係合した第3の
    プレート組(9) と、前記第1の伝達部材(2) と回転方向
    に係合すると共に前記クラッチプレート組(8) を回転軸
    方向に押圧して第1のプレート組(4a,4b) をクラッチプ
    レート組(8) に摩擦挟持させる押圧部材(31)とを有する
    ビスカスカップリングであって、 前記第1のプレート組(4a,4b) の一部のプレート(4a)
    前記第1の伝達部材(2) と回転方向に係合させられると
    共に、前記押圧部材(31)がカム機構(23,32) により前記
    第3の伝達部材(21)との間の相対変位量に比例して前記
    クラッチプレート組(8) をクラッチ押圧方向に従動させ
    るように構成され、且つ前記第1の伝達部材(2) と回転
    方向に係合させられた前記第1のプレート組(4a,4b)
    一部のプレート(4a)の枚数が前記第3のプレート組(9)
    のプレートの枚数よりも多くされたビスカスカップリン
    (1)
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