JPH09127158A - 直流電流センサー - Google Patents

直流電流センサー

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JPH09127158A
JPH09127158A JP7303888A JP30388895A JPH09127158A JP H09127158 A JPH09127158 A JP H09127158A JP 7303888 A JP7303888 A JP 7303888A JP 30388895 A JP30388895 A JP 30388895A JP H09127158 A JPH09127158 A JP H09127158A
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pair
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Application number
JP7303888A
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English (en)
Inventor
Makoto Kawakami
川上  誠
Shigeru Yamaguchi
茂 山口
Hiroshi Hayashida
弘 林田
Kiyoshi Minoguchi
潔 蓑口
Isao Otose
勲 音瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KANSAI KEIKI KOGYO KK
Kansai Electric Power Co Inc
Proterial Ltd
Original Assignee
KANSAI KEIKI KOGYO KK
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状を形成する軟質磁性材料からなる検出コ
ア部と、検出コア部にトロイダル状に巻回配置される一
対の検出コイルと、前記検出コア部の周方向の少なくと
も一部に周期的に磁気的ギャップを有するセンサー部の
内側に一対の被検出導線を貫通配置してなる直流電流セ
ンサーにおいて、2本の被検出導線によって発生する磁
場を高精度に打ち消し、地絡電流検出器等の用途として
有効な構成からなる直流電流センサーの提供。 【解決手段】 直流電流センサーを構成する検出コア部
の内側に貫通配置する被検出導線の位置が変わることか
ら、被検出導線と検出コア部に巻回配置される検出コイ
ルとを特定位置に配置するため、Cu板からなる一対の
板状被検出導線を内側シールド部8aの内側に一対の検
出コイル3a,3bの各々中心点を結ぶ仮想線に対して
対称位置に配置されるよう絶縁性樹脂14で固定し、セ
ンサー部10とともに端子台12に一体固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種の直流電流
を使用する機器に配設される直流電流センサーの改良に
係り、特に、地絡電流検出器等の用途に有効であり、ま
た、発・変電所の制御設備等に用いられる直流配電盤内
に容易に組込み配置可能な構成からなる高感度の直流電
流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、直流電流センサーとしてはシ
ャント抵抗方式、マグアンプ方式、磁気マルチバイブレ
ータ方式、ホール素子方式等が知られている。しかし、
これらの直流電流センサーは構造が複雑であるばかりで
はなく、微小な電流変化に対応できる構造とは言い難
く、高感度の直流電流センサーとして実用に至っていな
いのが現状である。
【0003】本願発明者は、このような現状を鑑み、先
に、構造が比較的簡単であり、微小な電流変化に対して
も優れた検出能力を有する高感度の直流電流センサーと
して、従来の方式とは全く異なる構造からなる直流電流
センサーを提案した(EP0 579 462 A、特
開平6−74978号、特開平6−194389号、特
開平6−281674号、特願平5−297542号、
特願平5−352054号)。
【0004】すなわち、環状を形成する軟質磁性材料か
らなる検出コア部と、検出コア部にトロイダル状に巻回
配置される検出コイルと、前記検出コア部の周方向の少
なくとも一部に周期的に磁気的ギャップを形成する手段
とを具備する構成を基本構成とする直流電流センサーで
あり、該直流電流センサーを構成する検出コア部の内側
に被検出導線を貫通配置して、被検出導線に流れる直流
電流を高感度に測定することを可能としたのである。
【0005】上記の直流電流センサーの一例として、図
7に示す如き構成からなる直流電流センサーがある。す
なわち、環状を形成する軟質磁性材料からなる検出コア
部2と、検出コア部にトロイダル状に巻回配置される一
対の検出コイル3a,3bと、さらに、前記検出コア部
2の周方向の少なくとも一部に周期的に磁気的ギャップ
を形成する手段として、検出コア部2の周方向に対して
直交方向に接続して環状を形成する軟質磁性材料からな
る一対の励磁コア部4a,4bと、検出コア部2に巻回
配置され検出コア部2と各々励磁コア部4a,4bとの
直交部6にて検出コア部2を周方向に対して直交方向に
周期的に励磁する励磁コイル5とを有する構成からなっ
ている。図中1は、前記検出コア部2の空隙部に貫通配
置する被検出導線である。
【0006】このような構成において、被検出導線1に
直流電流Iが流れると、検出コア部2内に直流電流Iの
方向に対して右回りの磁場が発生し、検出コア部2内に
磁束Φ0が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交
流電流を通電して一対の励磁コア部4a,4bに周期的
に図中α方向に変化する磁束を発生し、該励磁コア部4
a,4bを周期的に磁気的に飽和させると、検出コア部
2の周方向の一部であるコア交差部6は比透磁率μが極
めて1に近い所謂実質的な磁気的なギャップとなり、検
出コア部2内の磁束Φ0をΦ1(Φ1近似0)にまで減少
させる。
【0007】ここで、励磁コイル5に通電する交流電流
を周波数f0とし、その電流のピーク値近傍で励磁コア
部4a,4bが飽和するようにすると、励磁電流1周期
で2回励磁コア部4a,4bが飽和することとなる。す
なわち、検出コア部2の周方向の一部であるコア交差部
6が飽和することとなり、被検出導線1に流れる直流電
流Iによって検出コア部2内に発生する磁束Φ0は、2
0で変調され、上記の磁束Φ0の変化に伴い周波数2f
0の電圧VDETが検出コイル3a,3bに発生することと
なる。
【0008】被検出導線1に流れる直流電流Iの向きに
かかわらず、いずれの場合も磁束Φ0∝直流電流I、電
圧VDET∝磁束Φ0との関係から電圧VDET∝直流電流I
となり、被検出導線1に流れる直流電流Iに比例した起
電力を検出コイル3a,3bによって検出することが可
能となる。
【0009】以上に説明するように、図7に示す直流電
流センサーは、構造が比較的簡単で、しかも電磁気的に
バランスの良い構造であることから、微小な電流変化に
対しても優れた検出能力を有し、安定した高感度の測定
を実現できる。
【0010】また、図8に示す構成からなる直流電流セ
ンサーにおいても、励磁コイルが一対5a,5bからな
り、一対の励磁コア部4a,4bに各々巻回配置される
以外は図7に示す直流電流センサーと同様な構成であ
り、上記の説明と同様な作用によって被検出導線1に流
れる直流電流Iを安定して高感度に測定することができ
る。
【0011】図9に示す構成からなる直流電流センサー
は、検出コア部と励磁コア部との構成部分を明確に区分
することは困難であり、内部に周方向に連通する中空部
を形成する環状の軟質磁性材料からなる検出コア部が図
7及び図8に示す構成の検出コア部2と励磁コア部4
a,4bの機能をともに発現する構成からなっている。
【0012】すなわち、内部に周方向に連通する中空部
7を形成する環状の軟質磁性材料からなる検出コア部2
と、前記中空部7内にて周方向に巻回配置し検出コア部
2をその周方向に対して直交方向に周期的に励磁する励
磁コイル5と、検出コア部2の外周部にトロイダル状に
巻回配置される一対の検出コイル3a,3bとから構成
されるが、作用は基本的に図7及び図8に示す構成の直
流電流センサーと同様であり、被検出導線1に流れる直
流電流Iを安定して高感度に測定することができるので
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の図7、図8、図
9に示す直流電流センサーは、従来から知られる各種の
直流電流センサーに比べ構造が簡単で、しかも高感度の
測定が可能となることから、直流電流センサーの用途範
囲の拡大が達成できた。
【0014】上記の説明においては、検出コア部の内側
に貫通配置される被検出導線が1本の場合にて説明した
が、複数本の場合も同様な効果を得ることができる。し
かし、地絡電流検出器等の用途として使用する場合に
は、検出コア部の内側に被検出導線を2本貫通配置して
それらの往復電流の差分を検出することから、2本の被
検出導線によって発生する磁場を高精度に打ち消すこと
が必要となる。
【0015】例えば、運転電流(往復電流)が50Aで
地絡電流(差分電流)が1mAの場合、地絡電流(差分
電流)は運転電流(往復電流)の1/50,000とな
り、非常に高精度の検出が必要となるが、2本の被検出
導線によって発生する磁場の打ち消しにアンバランスが
発生すると、地絡電流(差分電流)を高精度に検出する
ことが困難となり、誤差出力を発生することとなる。
【0016】この発明は、上記のような現状に鑑み提案
するもので、特に、2本の被検出導線によって発生する
磁場を高精度に打ち消し可能とし、地絡電流検出器等の
用途として有効な構成からなる直流電流センサーの提供
を目的とするものである。また、発・変電所の制御設備
等に用いられる直流配電盤内に容易に組込み配置可能な
構成からなる直流電流センサーの提供を目的とするもの
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記の目的
を達成する構成を種々検討した結果、直流電流センサー
を構成する検出コア部の内側に貫通配置する被検出導線
の位置が変わることによって、該被検出導線によって発
生する磁場の打ち消しがアンバランスになることを確認
し、さらに、これらの被検出導線と検出コア部に巻回配
置される検出コイルとを特定位置に配置することで目的
が達成できることを知見し、この発明を完成したのであ
る。
【0018】すなわち、この発明は、環状を形成する軟
質磁性材料からなる検出コア部と、検出コア部にトロイ
ダル状に巻回配置される一対の検出コイルと、前記検出
コア部の周方向の少なくとも一部に周期的に磁気的ギャ
ップを形成する手段とを具備するセンサー部の内側に一
対の被検出導線を貫通配置してなる直流電流センサーに
おいて、前記一対の被検出導線を一対の検出コイルの各
々中心点を結ぶ仮想線に対して対称位置に配置したこと
を特徴とする直流電流センサーである。
【0019】また、上記の構成において、一対の被検出
導線がそれぞれCu板からなり、センサー部とともに端
子台に一体固定されていることを特徴とする直流電流セ
ンサー、さらに、これらの直流電流センサーが複数個並
列配置したことを特徴とする直流電流センサーを併せて
提案する。
【0020】上記の直流電流センサーを構成するセンサ
ー部の好ましい形態として、環状を形成する軟質磁性材
料からなる検出コア部と、検出コア部にトロイダル状に
巻回配置される一対の検出コイルと、検出コア部の周方
向に対して直交方向に接続して環状を形成する軟質磁性
材料からなる一対の励磁コア部と、該各々の励磁コア部
または検出コア部に巻回配置され検出コア部と各々励磁
コア部との直交部にて検出コア部を周方向に対して直交
方向に周期的に励磁する励磁コイルとからなる構成、及
び内部に周方向に連通する中空部を形成する環状の軟質
磁性材料からなる検出コア部と、前記中空部内にて周方
向に巻回配置し検出コア部をその周方向に対して直交方
向に周期的に励磁する励磁コイルと、検出コア部の外周
部にトロイダル状に巻回配置される一対の検出コイルと
からなる構成を提案する。
【0021】この発明の直流電流センサーにおいて、検
出コア及び励磁コアが環状を形成する軟質磁性材料から
なるとは、軟質磁性材料が所謂リング状になっている構
成に限定されるのではなく、軟質磁性材料が電磁気的な
閉回路を構成できるように接続されていれば良く、先に
説明した図7、図8、図9のように矩形枠状の他、円環
状、楕円環状等種々の構成が採用できる。
【0022】また、検出コア及び励磁コアの材質として
は、通常、磁気特性や加工性等の観点からパーマロイが
好ましいが、その他ケイ素鋼板、アモルファス、電磁軟
鉄、ソフトフェライト等の公知の軟質磁性材料の使用が
可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明の直流電流センサーの作
用を図1から図4に示す一実施例に基づいて説明する。
図1は直流電流センサーの斜視説明図であり、図2はそ
の平面説明図、図3は縦断面説明図、図4は作動原理説
明図である。
【0024】図において10はセンサー部であり、図3
に示すようにシールドケース8(ただし、8aは内側シ
ールド部、8bは外側シールド部である)内に、先に説
明した図7の構成からなる直流電流センサーを配置して
いる。すなわち、図3において、2は矩形枠状の検出コ
ア部、3a,3bは検出コア部2の周方向の各々対向位
置にトロイダル状に巻回配置される一対の検出コイル、
4a,4bは検出コア部2の周方向の各々対向位置にて
直交方向に接続して環状を形成する励磁コア部、5は検
出コア部2の外周に巻回配置される励磁コイルである。
【0025】1a,1bはCu板からなる一対の板状被
検出導線であり、図3に示すように内側シールド部8a
の内側にて、後述で詳細に説明するように一対の検出コ
イル3a,3bの各々中心点を結ぶ仮想線に対して対称
位置に配置されるよう絶縁性樹脂14で固定されるとと
もに、上記のセンサー部10とともに端子台12に一体
固定されている。
【0026】また、一対の板状被検出導線1a,1b
は、図示の如く負荷側及び配電盤側に接続するビニル被
覆された検出導線11a,11bとボルト13によって
端子台12上にて接続されている。15は、端子台12
に形成された貫通孔であり、該端子台12を配電盤内等
にボルト等(図示せず)にて配置固定する時に使用す
る。
【0027】図4によって、上記の構成からなる直流電
流センサーにおける一対の板状被検出導線1a,1bと
一対の検出コイル3a,3bの位置関係を詳細に説明す
る。一対の板状被検出導線1a,1bに運転電流(往復
電流)が流れると、各々の板状被検出導線1a,1bに
よって該板状被検出導線1a,1bの周囲に磁場が発生
する。ここで、各々の板状被検出導線1a,1bに流れ
る運転電流(往復電流)は流れる方向が逆向きであるこ
とから、その大きさが等しい場合は、この一対の板状被
検出導線1a,1b間の垂直二等分線A−A上の点Pに
おける磁場の強さは零となる(H=0)。すなわち、垂
直二等分線A−A上の点Pにおいては一対の板状被検出
導線1a,1bを流れる運転電流(往復電流)によって
発生する磁場が完全に打ち消し合って零となっているこ
ととなる。
【0028】したがって、この点Pの位置に一対の検出
コイル3a,3bの中心点3a−C,3b−Cを一致し
て配置させれば、一対の板状被検出導線1a,1bの配
置バランスによる誤差出力の発生を防ぐことができるの
である。言い換えるならば、一対の板状被検出導線1
a,1bを一対の検出コイル3a,3bの各々中心点3
a−C,3b−Cを結ぶ仮想線A−Aに対して対称位置
に配置することによって、該一対の板状被検出導線1
a,1bを流れる往復電流が作る磁場が零の位置に検出
コイル3a,3bの中心点3a−C,3b−Cが位置す
るように配置することができる。すなわち、一対の板状
被検出導線1a,1bを流れる往復電流が作る磁場によ
る各々検出コイル3a,3bへの作用がバランスし、結
果として誤差出力の発生を防ぐことができるのである。
【0029】このような構成からなる直流電流センサー
において、一対の板状被検出導線1a,1bに運転電流
(往復電流)が流れると、各々の板状被検出導線1a,
1bによって該板状被検出導線1a,1bの周囲に磁場
が発生するが、電流の流れる方向が逆向きで電流の大き
さが等しいことから、互いの磁場が完全に打ち消し合
い、検出コイル3a,3bには出力電圧が発生しない。
【0030】このような状態において、地絡電流(差分
電流)が発生すると一対の板状被検出導線1a,1bに
流れる電流に差が生じ、各々の板状被検出導線1a,1
b周囲に発生する磁場にも差が生じることとなる。その
結果として、上記板状被検出導線1a,1bの周囲に発
生する磁場の差に基づき検出コア部2内に所定方向の磁
束が発生する。この時、励磁コイル5に所定の交流電流
を通電すると先に説明した作動原理に基づき検出コイル
3a,3bに地絡電流(差分電流)に対応する出力電圧
が発生することとなる。
【0031】以上の説明においては、センサー部の構成
として図7の構成に基づき説明したが、図8、図9の構
成でも一対の被検出導線と一対の検出コイルの位置を上
記のように、配置すれば同様な効果を得ることができ
る。また、検出コア部の形状等は図示のものに限定され
ることなく、環状を形成する軟質磁性材料からなる検出
コア部の周方向の少なくとも一部に周期的に磁気的ギャ
ップを形成する手段を具備する構成であれば、種々の構
成が採用可能である。
【0032】また、以上の説明においては、一対の被検
出導線としてCu板からなる板状被検出導線の場合にて
説明したが、このような形状、材質に限定されることな
く、従来から使用されているビニル被覆導線等の使用も
可能であり、例えば、上記の所定位置に配置するため、
あらかじめビニル被覆導線を配置する貫通孔を形成した
絶縁性樹脂等からなる支持部材をセンサー部の内側に配
置しておき、ビニル被覆導線配置時に該支持部材の貫通
孔にビニル被覆導線を挿入する等の構成を採用すること
もできる。
【0033】さらに、以上の説明においては、一対の被
検出導線とセンサー部をともに端子台に一体固定した構
成にて説明したが、端子台の有無によってこの発明の本
来の効果が損なわれることはない。すなわち、端子台を
用いなくとも一対の被検出導線と一対の検出コイルの位
置を上記に説明したような関係に配置すれば同様な効果
を得ることができる。
【0034】しかし、図示したような一対の被検出導線
とセンサー部をともに端子台に一体固定した構成であれ
ば、最も効果的に往復電流による誤差出力を最小とした
状態を維持することができ、取付条件等による特性変化
が回避できるとともに、設置時のバランス調整が不要と
なり、直流電流センサーとしての信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
【0035】特に、図示したような端子台を使用すれ
ば、地絡電流検出器として配線を新設したり、設置場所
を新たに確保することなく、従来の端子台とほぼ同一の
設置スペースにて配電盤の中に容易に組込むことができ
る。図5に示す他の実施例は図1に示す直流電流センサ
ーを複数個(図では4個)並列配置構成からなり、配電
盤の中への配置構成として特に望ましい構成である。
【0036】
【実施例】この発明の効果を確認するために図1に示す
構成からなる直流電流センサーを作成し、その特性を測
定した。センサー部には図7に示す構成を採用した。す
なわち、0.3mmのパーマロイ(78%Ni−5%M
o−4%Cu−bal.Fe)薄板を所定形状に打ち抜
きし、折り曲げ加工を施してコア組立体を得た。なお、
各コア部の寸法はL=30mm、H=10mm、W1
30mm、W2=5mmであり、このコア組立体に水素
ガス雰囲気にて1100°C×3時間の磁性焼鈍を施し
て完成した。
【0037】図示の如く、励磁コイルとして検出コア部
の外周に外径0.3mmの絹巻導線を20ターン巻回配
置するとともに、一対の検出コイルとして検出コア部の
対向位置にそれぞれ外径0.2mmのホルマル線を60
ターン巻回配置し、さらに、これらを、0.3mmのパ
ーマロイ(78%Ni−5%Mo−4%Cu−bal.
Fe)薄板からなるシールドケースにて包囲し本願発明
の直流電流センサーを構成するセンサー部とした。
【0038】一対の被検出導線としては、検出コア部の
内側に配置する部分の断面寸法が各々幅10mm×厚さ
3mmとなるCu板を用い、上記一対の検出コイルの各
々中心点を結ぶ仮想線に対して対称位置になるよう互い
の対向面間の寸法を2mmに設定して端子台に固定し、
この発明の直流電流センサーを完成した。
【0039】比較例として、上記のセンサー部の構成を
同一とし、一対の被検出導線として外径3mmのビニル
被覆導線を上記一対の検出コイルの各々中心点を結ぶ仮
想線上になるようシールドケースの内側に当接して配置
した直流電流センサーを作成した。
【0040】各々の直流電流センサーにおいて、一対の
被検出導線に大きさの等しい往復電流を流した時の検出
コイルの出力電圧(一対の検出コイルの合計値)、すな
わち、誤差出力を測定し、この発明の直流電流センサー
の測定値を破線で、比較例の直流電流センサーの測定値
を実線で図6に示した。なお、予め地絡電流が1mAの
時の出力電圧が1Vとなるように設定した。
【0041】図から明らかなように、比較例の直流電流
センサーにおいては、往復電流が50Aまでの間で約±
0.5V程度の誤差出力が発生したが、本発明の直流電
流センサーでは、ほとんど無視できる程度の値であっ
た。したがって、往復電流の値に対して地絡電流が非常
に小さな値(例えば、1mA程度以下)であっても、誤
差出力の影響を受けず、高精度の測定を安定して実現す
ることができる。
【0042】
【発明の効果】この発明の直流電流センサーは、一対の
被検出導線と検出コア部に巻回配置される一対の検出コ
イルとを特定位置に配置することによって、一対の被検
出導線によって発生する磁場の打ち消しにアンバランス
を発生することなく高精度に打ち消し可能とすることか
ら誤差出力の発生を防ぎ、往復電流の値に対して非常に
小さな値からなる地絡電流(差分電流)をも高精度に検
出することができる。したがって、地絡電流検出器等の
用途として極めて有効な構成を、安定して提供すること
ができるのである。
【0043】特に、一対の被検出導線と一対の検出コイ
ルを巻回配置したセンサー部とをともに端子台に固定し
た構成においては、取付条件による特性変化が回避で
き、設置時のバランス調整が不要となり、信頼性が向上
するとともに、発・変電所の制御設備等に用いられる直
流配電盤内に容易に組込み配置が可能となり、工業的に
有効な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの一実施例を示す
斜視説明図である。
【図2】図1に示すこの発明の直流電流センサーの平面
説明図である。
【図3】図1に示すこの発明の直流電流センサーの縦断
面説明図である。
【図4】図1に示すこの発明の直流電流センサーの作動
原理説明図である。
【図5】この発明の直流電流センサーの他の実施例を示
す平面説明図である。
【図6】この発明の直流電流センサーの効果を説明する
誤差出力の測定結果であり、一対の被検出導線に流す往
復電流と検出コイルの出力電力(誤差出力)との関係を
示すグラフである。
【図7】従来の直流電流センサーを示す斜視説明図であ
る。
【図8】従来の直流電流センサーを示す斜視説明図であ
る。
【図9】従来の直流電流センサーを示す斜視説明図であ
る。
【符号の説明】
1 被検出導線 1a,1b 板状被検出導線 2 検出コア部 3a,3b 検出コイル 3a−C,3b−C 中心点 4a,4b 励磁コア部 5,5a,5b 励磁コイル 6 直交部 7 中空部 8 シールドケース 8a 内側シールド部 8b 外側シールド部 10 センサー部 11a,11b 検出導線 12 端子台 13 ボルト 14 絶縁性樹脂 15 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 茂 大阪府吹田市南吹田2丁目19番1号 住友 特殊金属株式会社吹田製作所内 (72)発明者 林田 弘 兵庫県尼崎市若王子3丁目 関西電力株式 会社総合技術研究所内 (72)発明者 蓑口 潔 兵庫県尼崎市若王子3丁目 関西電力株式 会社総合技術研究所内 (72)発明者 音瀬 勲 大阪府大阪市北区大淀北1丁目6番110号 関西計器工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状を形成する軟質磁性材料からなる検
    出コア部と、検出コア部にトロイダル状に巻回配置され
    る一対の検出コイルと、前記検出コア部の周方向の少な
    くとも一部に周期的に磁気的ギャップを形成する手段と
    を具備するセンサー部の内側に一対の被検出導線を貫通
    配置してなる直流電流センサーにおいて、前記一対の被
    検出導線を一対の検出コイルの各々中心点を結ぶ仮想線
    に対して対称位置に配置したことを特徴とする直流電流
    センサー。
  2. 【請求項2】 一対の被検出導線がそれぞれCu板から
    なり、センサー部とともに端子台に一体固定されている
    ことを特徴とする請求項1の直流電流センサー。
  3. 【請求項3】 請求項2の直流電流センサーを複数個並
    列配置したことを特徴とする直流電流センサー。
  4. 【請求項4】 センサー部が、環状を形成する軟質磁性
    材料からなる検出コア部と、検出コア部にトロイダル状
    に巻回配置される一対の検出コイルと、検出コア部の周
    方向に対して直交方向に接続して環状を形成する軟質磁
    性材料からなる一対の励磁コア部と、該各々の励磁コア
    部または検出コア部に巻回配置され検出コア部と各々励
    磁コア部との直交部にて検出コア部を周方向に対して直
    交方向に周期的に励磁する励磁コイルとからなることを
    特徴とする請求項1の直流電流センサー。
  5. 【請求項5】 センサー部が、内部に周方向に連通する
    中空部を形成する環状の軟質磁性材料からなる検出コア
    部と、前記中空部内にて周方向に巻回配置し検出コア部
    をその周方向に対して直交方向に周期的に励磁する励磁
    コイルと、検出コア部の外周部にトロイダル状に巻回配
    置される一対の検出コイルとからなることを特徴とする
    請求項1の直流電流センサー。
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