JPH10332745A - 電流センサー - Google Patents

電流センサー

Info

Publication number
JPH10332745A
JPH10332745A JP9157852A JP15785297A JPH10332745A JP H10332745 A JPH10332745 A JP H10332745A JP 9157852 A JP9157852 A JP 9157852A JP 15785297 A JP15785297 A JP 15785297A JP H10332745 A JPH10332745 A JP H10332745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
component detection
component
core
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9157852A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Yamanaka
政明 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP9157852A priority Critical patent/JPH10332745A/ja
Publication of JPH10332745A publication Critical patent/JPH10332745A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)
  • Transformers For Measuring Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電気自動車等におけるバッテリーの充・放電
量の管理用センサーとして有効であり、小電流から大電
流までの広範囲の直流電流の測定が可能であるととも
に、被検出導線中を流れる交流電流をも重畳した状態で
測定できる電流センサー。 【解決手段】 環状軟質磁性材料からなる直流成分検出
コア1a,1bに、励磁コイル2a,2bを巻回配置
し、この一対の直流成分検出コアにまたがって直流成分
検出コイル3を巻回配置し、環状軟質磁性材料からなる
交流成分検出コア4を並列させて前記一対の直流成分検
出コア1a,1bと該交流成分検出コア4とにまたがっ
てフィードバックコイル5が巻回配置され、直流成分検
出コア1a,1bと交流成分検出コア4の内側に被検出
導線10を貫通配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検出導線中に
直流電流及び交流電流が共に流れるような場合におい
て、それらの電流が重畳された状態での出力特性を測定
する必要がある用途、例えば、電気自動車におけるバッ
テリーの充電量、放電量の管理用センサーとして有効で
あり、しかも、比較的小電流から大電流までの広範囲の
電流測定が可能な電流センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電気自動車におけるバッテリーの
充・放電量の管理用センサーなどでは、被検出導線中を
流れる電流の状態をそのまま検出することが要求され、
すなわち、一つの被検出導線中に直流電流及び交流電流
が共に流れるような場合に、それらの電流が重畳された
状態での出力特性(時間当たりの電流量)を測定するこ
とが要求されている。
【0003】従来から、被検出導線中を流れる直流電流
または交流電流を単独で測定するセンサーは種々提案さ
れており、本願出願人も、構造が比較的簡単であり、微
小な電流から比較的大きな電流までの電流変化(例え
ば、0.2A〜20A程度)に対して直線性に優れた検
出能力を有する高感度の直流電流センサーを提案した
(特開平7−128373号)。
【0004】この直流電流センサーは、環状の軟質磁性
材料からなるコアに、励磁コイル及び検出コイルをトロ
イダル状に巻回配置した最も簡単な構成において、励磁
コイルにコアの保磁力を超える磁場を発生させる三角波
状の励磁電流を流した時、コア内の磁束の向きが反転す
ることに着目し、この反転のタイミングを検出コイルに
発生するパルス状の電圧にて検出し、コア内に貫通配置
される被検出導線に流れる直流電流の絶対値の変化に対
応するこれらのパルス間隔を比較測定することにより、
該被検出導線に流れる直流電流の絶対値を検出する構成
からなるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人が先に提案
した上記の構成からなる直流電流センサーは、構造が比
較的簡単であり、比較的広範囲の電流変化に対しても直
線性に優れた検出能力を有する構造であるが、電気自動
車におけるバッテリーの充・放電量の管理用センサー等
では、バッテリー充電時の小電流から走行時の大電流ま
での非常に広い範囲(±400A程度)を精度良く測定
することが要求される。
【0006】しかし、三角波状の励磁電流によって発生
するコア内の磁場と被検出導線に流れる直流電流によっ
て発生するコア内の磁場とが重畳され、これらの磁場に
よってコア内が飽和すると、コア内での磁場変化がなく
なり、結果として飽和している時間域では出力パルスが
得られず、三角波の山側又は谷側で発生するパルス間隔
の一方が非常に小さくなり、高感度の測定が困難とな
る。本願出願人の実験によれば、被検出導線に流れる直
流電流が20A程度を超えると、前記一方のパルス間隔
が実質的に零となり、目的とする電流測定の実現が困難
となっていた。
【0007】この発明は、上記のような現状に鑑み提案
するもので、先に本願出願人が提案した構成からなる直
流電流センサーが有する本来的な長所を損なうことな
く、特に、電気自動車等におけるバッテリーの充・放電
量の管理用センサーとして有効であり、小電流から大電
流までの広範囲の直流電流の測定が可能であるととも
に、被検出導線中を流れる交流電流をも重畳した状態で
測定可能とする電流センサーの提案を目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記の目的を
達成するために種々の構成を検討した結果、先に本願出
願人が提案した構成からなる直流電流センサーと基本的
な構成が同様である一対の直流電流センサーを効果的に
配置するとともに、フィードバックコイルを用いること
で、広範囲でも安定した直流電流の測定が可能となり、
さらに、交流電流センサーとしても環状軟質磁性材料を
用いた最も簡単な構成を採用することで、予想以上の効
果が得られることを確認した。
【0009】すなわち、この発明は、励磁コイルをトロ
イダル状に巻回配置する一対の環状軟質磁性材料からな
る直流成分検出コアと、該一対の直流成分検出コアにま
たがって巻回配置する直流成分検出コイルと、環状軟質
磁性材料からなる交流成分検出コアと、前記一対の直流
成分検出コアと交流成分検出コアとにまたがって巻回配
置するフィードバックコイルとを有し、前記直流成分検
出コアと交流成分検出コアの内側に直流及び交流電流が
流れる被検出導線を貫通配置するとともに、前記一対の
直流成分検出コアに巻回配置する各々の励磁コイルを電
磁気的に逆相になるように接続し、各々の直流成分検出
コア内に該コアの保磁力を超える磁場を発生させる三角
波状の励磁電流を流すことによって発生する磁束と被検
出導線を流れる直流電流によって発生する磁束とに基づ
く直流成分検出コイルの出力を実質的に零とするフィー
ドバックコイルへの印加電流を測定するとともに、被検
出導線を流れる交流電流によって環状軟質磁性材料内に
発生する磁束に基づきフィードバックコイルに発生する
交流電流を測定することによって、被検出導線を流れる
直流及び交流電流を測定することを特徴とする電流セン
サーである。
【0010】さらに、上記の構成において、環状軟質磁
性材料からなる交流成分検出コアが、一対の環状軟質磁
性材料からなる直流成分検出コアを介して、該直流成分
検出コアの両端側に一対配置した構成からなることを特
徴とする電流センサーを併せて提案する。
【0011】また、より好ましい構成として、励磁コイ
ルをトロイダル状に巻回配置する一対の環状軟質磁性材
料からなる直流成分検出コアと、該一対の直流成分検出
コアにまたがって巻回配置する直流成分検出コイルとを
シールドケース内に配置した構成からなることを特徴と
する電流センサーをも併せて提案する。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の電流センサーにおい
て、一対の環状軟質磁性材料からなる直流成分検出コア
は、図示のような所謂リング状になっていることに限定
されるものではなく、その内側に直流電流及び交流電流
が流れる被検出導線を貫通配置でき、該軟質磁性材料が
電磁気的に閉回路を構成できるように接続されていれば
よく、加工性や励磁コイル等のコイル巻線の作業性等を
考慮して矩形枠状等を採用することもできる。
【0013】直流成分検出コアを構成する軟質磁性材料
は、基本的に透磁率が高く保磁力が小さな材料が好まし
く、要求される検出感度に応じた磁気特性や、加工性等
を考慮して選定することが必要であり、Ni−Fe系合
金(パーマロイ)、ケイ素鋼鈑、アモルファス、電磁軟
鉄等の公知の軟質磁性合金材料の使用が好ましい。な
お、一対の直流成分検出コアは、高精度の測定を実現す
るには同一磁気特性、すなわち、同一材質、形状、寸法
を有する必要がある。
【0014】環状軟質磁性材料からなる交流成分検出コ
アは、交流磁気特性が良好な材料を選定することが望ま
しく、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソ
フトフェライト、上記軟質磁性合金材料の積層体を用い
ることが望ましい。また、直流成分検出コアに巻回され
る各々励磁コイルの超磁力(アンペア・ターン)は、高
精度の測定を実現するには同一とする必要がある。
【0015】この発明の電流センサーの作動原理を、図
1及び図2に基づいて説明する。図1において、1a,
1bはNi−Fe系合金等の軟質磁性合金材料からなる
直流成分検出コアであり、2a,2bは各々直流成分検
出コア1a,1bに巻回配置される励磁コイルである。
なお、励磁コイル2a,2bは後述するようにして、各
々が電磁気的に逆相になるように接続される。3は、上
記一対の直流成分検出コアにまたがって巻回配置する直
流成分検出コイルである。
【0016】さらに、図1において、4は環状軟質磁性
材料からなる交流成分検出コアであり、前記一対の直流
成分検出コア1a,1bと該交流成分検出コア4とにま
たがってフィードバックコイル5が巻回配置されてい
る。このように構成した後、前記直流成分検出コア1
a,1bと交流成分検出コア4の内側に直流及び交流電
流が流れる被検出導線10を貫通配置する。
【0017】このような構成において、被検出導線10
を流れる直流電流Iを測定する動作原理を説明する。例
えば、被検出導線10に直流電流Iが流れていない状態
にて、直流成分検出コア1aに巻回配置される励磁コイ
ル2aに、直流成分検出コア1aの保磁力を超える磁場
を発生させる三角波状の励磁電流を流すと、直流成分検
出コア1a内には図2Aの実線にて示す磁束が発生し、
その磁束変化に基づき直流成分検出コイル3に図2Bの
実線にて示す波形の出力が検出される。すなわち、出力
波形の幅寸法が同一となる(b1=b2)。
【0018】ここで、被検出導線10に直流電流Iが流
れると、直流成分検出コア1a内において、該直流電流
Iによって発生する磁場と前記励磁コイル2aに印加さ
れる三角波状の励磁電流によって発生する磁場が重畳さ
れて一点鎖線位置までシフトし、図2Aの破線にて示す
磁束が発生し、その磁束変化に基づき直流成分検出コイ
ル3に図2Cの破線にて示す波形の出力が検出される。
すなわち、幅寸法が+側と−側とで異なる出力波形とな
る(c1<c2)。
【0019】この出力波形に基づき+側の出力波形と−
側の出力波形を積分・演算することにより、被検出導線
10を流れる直流電流Iの向き(極性)とともに、電流
量を求めることができる。
【0020】直流成分検出コア1b、励磁コイル2bの
組み合わせにおいても、上記と同様な測定ができる。被
検出導線10に流れる電流を高感度に測定するために
は、予め増幅度(ゲイン)を大きくしておく必要がある
が、これらを単独で用いると絶えず励磁コイル2aまた
は2bからの励磁電流に基づく出力波形が検出コイル3
に出力されるため、その出力だけで飽和してしまい、増
幅度を大きくすることができない。
【0021】本願出願人は、上記の問題を、これら各々
の励磁コイル2a,2bを電磁気的に逆相になるように
接続することで解消できることを確認した。すなわち、
検出導線10に流れる電流が零の時には出力信号を零と
することによって、増幅度を大きくすることが可能とな
るのである。なお、励磁コイル2a,2bの巻き線方向
を互いに反対方向にするか、印加する三角波状の励磁電
流を逆相とする等の手段が採用できる。従って、被検出
導線10に直流電流Iが流れていない状態では、図2B
における+側、−側に全く反対の出力波形が出力される
こととなり、これらを合わせると実質的に検出コイルか
らの出力は零となる。
【0022】さらに、直流成分検出コア1bと励磁コイ
ル2bについて説明すると、上記の被検出導線10に直
流電流Iが流れている状態にて励磁コイル2bを励磁コ
イル2aに対して電磁気的に逆相になるように接続する
と、直流成分検出コア1b内に図2Aの二点鎖線にて示
す磁束が発生し、その磁束変化に基づき直流成分検出コ
イル3に図2Dの2点鎖線にて示す波形の出力が検出さ
れる。すなわち、幅寸法が+側と−側とで異なる出力波
形となる(d1<d2 ただし、c1=d1、c2=d2)。
【0023】従って、直流成分検出コイル3には、図2
Cの破線にて示す波形の出力と図2Dの2点鎖線にて示
す波形の出力との和が出力されることとなり、結果とし
て、図2Eの実線にて示す波形の出力が得られる。この
出力波形が+側にあるか−側にあるかによって被検出導
線10を流れる直流電流Iの向き(極性)が確認でき、
この出力波形の面積を求める、すなわち電気的に積分す
ることで被検出導線10を流れる直流電流Iの電流量が
確認できる。
【0024】しかし、被検出導線10を流れる直流電流
Iの絶対値が大きくなると、従来例でも説明したよう
に、三角波状の励磁電流によって発生するコア内の磁場
と被検出導線に流れる直流電流によって発生するコア内
の磁場とが重畳され、これらの磁場によってコア内が飽
和し、コア内での磁場変化がなくなり、結果として上記
のような出力波形を得ることができず、目的とする測定
が困難となる。
【0025】本願出願人は、さらに、上記の構成にて、
検出コイル3にて検出される出力が零になるまで、すな
わち、被検出導線10を流れる直流電流Iに基づき直流
成分検出コア1a,1b内に発生する磁束が零になるま
で該磁束を打ち消す方向の磁束を発生するようフィード
バックコイル5に所定の直流電流iを流し、その電流値
を測定することで、結果として被検出導線10を流れる
直流電流Iの絶対値を知ることができる(i=I/Nf
Nf:フィードバックコイル5の卷数)ことを確認し
た。
【0026】上記のフィードバックコイル5を用いるこ
とによって、直流成分検出コア1a,1b内に発生する
磁束が実質的に零の状態で測定を実施することから、直
流成分検出コア1a,1bの磁気的特性の最も安定した
領域を用いることとなり、小電流から大電流までの広範
囲において直線性に優れた測定を実現できることとな
る。
【0027】以上に説明した被検出導線10を流れる直
流電流Iを測定している際にも、被検出導線10には交
流電流が流れている。しかし、交流電流が流れていても
該交流電流によって発生する各々の直流成分検出コア1
a、直流成分検出コア1b、交流成分検出コア4内の磁
束に基づいてフィードバックコイル5に起電力が発生
し、所定の電流が流れる。該電流は前記各々の直流成分
検出コア1a、直流成分検出コア1b、交流成分検出コ
ア4内の磁束を打ち消す方向の磁束を発生するため、実
質的に各々コア内の磁束はキャンセルされ、上記の直流
電流Iの測定に影響を及ぼさない。ただし、このような
作用効果を得るためには通常数1000ターン以上のフ
ィードバックコイル5を巻回するのが望ましい。
【0028】また、被検出導線10を流れる交流電流に
ついては、該交流電流によって環状軟質磁性材料内に発
生する(交番)磁束に基づきフィードバックコイル5に
発生する交流電流を測定することによって電流波形を求
めることができる。
【0029】なお、フィードバックコイル5は先に説明
したように、被検出導線10を流れる直流電流Iを測定
するために、所定の直流電流(帰還電流)を流しなが
ら、上記の交流電流の測定をも実施することとなるが、
直流電流I自体は帰還電流の値から求め、該帰還電流は
交流電流に対して零点をシフトするだけであり、交流電
流の電流波形を測定するには、なんら影響を及ぼさな
い。従って、フィードバックコイル5の出力波形を観察
することによって、被検出導線10を流れる直流電流と
ともに交流電流とが重畳された状態での諸特性を測定す
ることが可能となる。
【0030】図1においては、環状軟質磁性材料からな
る交流成分検出コア4が、一対の環状軟質磁性材料から
なる直流成分検出コア1a,1bの一方端側にのみ配置
した構成を示したが、特に、一対の環状軟質磁性材料か
らなる直流成分検出コア1a,1bを介して、該直流成
分検出コア4の両端側に一対配置することによって、こ
れらのコア内を貫通する被検出導線10とフィードバッ
クコイル5とが平行に配置されていない場合に発生する
磁束の不平衡による誤差を低減でき一層、安定した測定
を実現することができる。
【0031】また、環状軟質磁性材料からなる交流成分
検出コア4の配置は、被検出導線10を流れる交流電流
の測定を可能とするだけでなく、いわゆる該コア4が電
流トランス(CT)と同様な機能を有することとなり、
周波数特性を改善し、電流センサー全体としての応答速
度を向上することにも寄与する。
【0032】さらに、上記の構成において励磁コイル2
a,2bをトロイダル状に巻回配置する一対の環状軟質
磁性材料からなる直流成分検出コア1a,1bと、該一
対の直流成分検出コア1a,1bにまたがって巻回配置
する直流成分検出コイル3とをシールドケース内に配置
することによって、フィードバックコイル5によって発
生する本来の被検出導線10を流れる直流電流Iに基づ
き直流成分検出コア1a,1b内に発生する磁場を打ち
消す磁場以外の磁場による影響を低減することができ、
高精度の測定を実現するのに好ましい構成となる。
【0033】
【実施例】この発明の効果を確認するために、図1に示
す電流センサーを作成した。直流成分検出コア1a,1
bは、それぞれ厚さ0.35mmのパーマロイC(78
%Ni−5%Mo−4%Cu−balFe)を外径45
mm、内径33mmに打ち抜き、所定の熱処理を施し
た。
【0034】さらに、これらの直流成分検出コア1a,
1bに電気的な絶縁を確保して、励磁コイル2a,2
b、検出コイル3を巻回配置した。さらに、外径45m
m、内径33mm、厚さ5mmからなるMn−Zn系ソ
フトフェライトの交流成分検出コア4を直流成分検出コ
ア1a,1bとの電気的な絶縁を確保して一方端側に配
置した後、図示のように直流成分検出コア1a,1b及
び交流成分検出コアをまたがるようにしてフィードバッ
クコイル5を巻回配置した。
【0035】なお、励磁コイル2a,2bは、それぞれ
外径0.12mmのホルマル線1000ターン巻回し、
検出コイル3は外径0.12mmのホルマル線を100
0ターン巻回し、フィードバックコイル5は外径3.0
mmのホルマル線を4000ターン巻回した構成からな
る。
【0036】直流成分検出コア1a,1b及び交流成分
検出コア4の内側に外径16mmのビニル被覆からなる
被検出導線10を貫通配置するとともに、先に直流成分
検出コア1a,1bに独立して巻回配置した励磁コイル
2a,2bを所定の方法にて電磁気的に逆相になるよう
に接続し、これらの励磁コイル、検出コイル、及びフィ
ードバックコイルを所定の電子回路を接続して、本発明
の電流センサーを完成した。なお、励磁コイル2a,2
bに印加する三角波状の励磁電流はf=4kHz、Ip
=±15mAとした。
【0037】ここで、被検出導線10に±400Aの範
囲で直流電流を流した場合の、この発明の電流センサー
における入・出力特性を図3に示す。図3より広範囲で
リニアの特性が得られることが確認できた。
【0038】図4は、被検出導線10に所定交流電流
を、500mArms、1Arms、5Arms、10
Arms、20Arms流した時の、この発明の電流セ
ンサーにおける周波数特性を示すものであり、図中、a
は500mArms、bは1Arms、cは5Arm
s、dは10Arms、eは20Armsを示す。図4
より、周波数の変動によっても出力変動が少ないことが
確認できた。
【0039】図5Bは、被検出導線10に所定の周波数
からなる矩形状(1kHz、1Ap−p)を流した時の
フィードバックコイル出力端の電圧を示す。図5より被
検出導線に流した電流と同一の変化がフィードバックコ
イル出力電圧として表れていることが確認できた。従っ
て、被検出導線の流れる電流に応じて同様な出力が追従
性良く表れることが明らかとなった。
【0040】
【発明の効果】以上に示すように、この発明の電流セン
サーにおいては、本願出願人が先に提案した構成からな
る直流電流センサーとともに、交流成分検出コア、フィ
ードバックコイルを効果的に配置することによって、構
造が比較的簡単であり、広範囲の電流変化に対しても直
線性に優れた検出能力を有する、すなわち、±0.1A
〜400A程度の範囲までを測定可能とした構造であ
り、電気自動車におけるバッテリーの充・放電量の管理
用センサー等に有効な電流センサーの提供を実現するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の直流電流センサーの構成を示す斜視
説明図である。
【図2】Aは直流成分検出コア内に発生する磁束を示す
グラフ、B,C,Dは直流成分検出コイルに発生する出
力を示すグラフ、EはCとDと合算した直流成分検出コ
イルに得られる出力を示すグラフである。
【図3】被測定電流と出力電流との関係を示すグラフで
ある。
【図4】被測定電流の周波数と出力変動との関係を示す
グラフであり、aは500mArms、bは1Arm
s、cは5Arms、dは10Arms、eは20Ar
msの場合を示す
【図5】Aは被検出導線に流れる貫通電流の応答波形、
Bはフィードバックコイルの出力電圧の応答波形を示す
グラフである。
【符号の説明】
1a,1b 直流成分検出コア 2a,2b 励磁コイル 3 直流成分検出コイル 4 交流成分検出コア 5 フィードバックコイル 10 被検出導線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁コイルをトロイダル状に巻回配置す
    る一対の環状軟質磁性材料からなる直流成分検出コア
    と、該一対の直流成分検出コアにまたがって巻回配置す
    る直流成分検出コイルと、環状軟質磁性材料からなる交
    流成分検出コアと、前記一対の直流成分検出コアと交流
    成分検出コアとにまたがって巻回配置するフィードバッ
    クコイルとを有し、前記直流成分検出コアと交流成分検
    出コアの内側に直流及び交流電流が流れる被検出導線を
    貫通配置するとともに、前記一対の直流成分検出コアに
    巻回配置する各々の励磁コイルを電磁気的に逆相になる
    ように接続し、各々の直流成分検出コア内に該コアの保
    磁力を超える磁場を発生させる三角波状の励磁電流を流
    すことによって発生する磁束と被検出導線を流れる直流
    電流によって発生する磁束とに基づく直流成分検出コイ
    ルの出力を実質的に零とするフィードバックコイルへの
    印加電流を測定するとともに、被検出導線を流れる交流
    電流によって環状軟質磁性材料内に発生する磁束に基づ
    きフィードバックコイルに発生する交流電流を測定する
    ことによって、被検出導線を流れる直流及び交流電流を
    測定することを特徴とする電流センサー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、環状軟質磁性材料か
    らなる交流成分検出コアが、一対の環状軟質磁性材料か
    らなる直流成分検出コアを介して、該直流成分検出コア
    の両端側に一対配置した構成からなることを特徴とする
    電流センサー。
  3. 【請求項3】 請求項1において、励磁コイルをトロイ
    ダル状に巻回配置する一対の環状軟質磁性材料からなる
    直流成分検出コアと、該一対の直流成分検出コアにまた
    がって巻回配置する直流成分検出コイルとをシールドケ
    ース内に配置した構成からなることを特徴とする電流セ
    ンサー。
JP9157852A 1997-05-29 1997-05-29 電流センサー Pending JPH10332745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9157852A JPH10332745A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 電流センサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9157852A JPH10332745A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 電流センサー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10332745A true JPH10332745A (ja) 1998-12-18

Family

ID=15658788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9157852A Pending JPH10332745A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 電流センサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10332745A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300583A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Nec Lighting Ltd 放電灯電流測定装置
US7218092B2 (en) 2002-06-18 2007-05-15 Loyal Port Company Limited Magnetic bridge type current sensor, magnetic bridge type current detecting method, and magnetic bridge for use in that sensor and detecting method
JP2008519269A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 ダンフィシク アクティーゼルスカブ 電流測定のための検出回路
WO2010041340A1 (ja) 2008-10-10 2010-04-15 有限会社ワイワイオフィス 磁性流体を用いたセンサ用の磁気ブリッジ、及び、この磁気ブリッジを用いた電流センサ並びに磁界センサ
WO2014080609A1 (ja) * 2012-11-21 2014-05-30 パナソニック株式会社 電流検出装置
JP2015068725A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 東日本旅客鉄道株式会社 電流検出装置及びこれを備えた変電設備
JP2015533424A (ja) * 2012-10-31 2015-11-24 リ,サンチョル フラックスゲート方式の非接触電流計測器
KR102274949B1 (ko) * 2020-01-09 2021-07-07 공주대학교 산학협력단 삼각형 구조를 갖는 전자기 코일 시스템
JP2021530683A (ja) * 2018-07-02 2021-11-11 フルークコーポレイションFluke Corporation カレントトランス

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7218092B2 (en) 2002-06-18 2007-05-15 Loyal Port Company Limited Magnetic bridge type current sensor, magnetic bridge type current detecting method, and magnetic bridge for use in that sensor and detecting method
JP2008519269A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 ダンフィシク アクティーゼルスカブ 電流測定のための検出回路
JP4842275B2 (ja) * 2004-11-05 2011-12-21 リエゾン エレクトロニク・メカニク レム ソシエテ アノニム 電流測定のための検出回路
JP2006300583A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Nec Lighting Ltd 放電灯電流測定装置
WO2010041340A1 (ja) 2008-10-10 2010-04-15 有限会社ワイワイオフィス 磁性流体を用いたセンサ用の磁気ブリッジ、及び、この磁気ブリッジを用いた電流センサ並びに磁界センサ
JP2015533424A (ja) * 2012-10-31 2015-11-24 リ,サンチョル フラックスゲート方式の非接触電流計測器
WO2014080609A1 (ja) * 2012-11-21 2014-05-30 パナソニック株式会社 電流検出装置
JP2014122879A (ja) * 2012-11-21 2014-07-03 Panasonic Corp 電流検出装置
US9841442B2 (en) 2012-11-21 2017-12-12 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Current detecting device
JP2015068725A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 東日本旅客鉄道株式会社 電流検出装置及びこれを備えた変電設備
JP2021530683A (ja) * 2018-07-02 2021-11-11 フルークコーポレイションFluke Corporation カレントトランス
KR102274949B1 (ko) * 2020-01-09 2021-07-07 공주대학교 산학협력단 삼각형 구조를 갖는 전자기 코일 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0579462B1 (en) DC current sensor
USRE31613E (en) Measuring transformer
JPS6122289Y2 (ja)
KR100993928B1 (ko) 자기브리지형 전류센서, 자기브리지형 전류검출방법, 및상기 센서와 검출방법에 사용하는 자기브리지
JP2829521B2 (ja) 電流検出装置
JP3286431B2 (ja) 直流電流センサー
JP2004257905A (ja) 電流プローブ
JPH10332745A (ja) 電流センサー
JP2001264360A (ja) 直流電流検出器
JP2002202328A (ja) 磁界型電流センサ
WO2013147207A1 (ja) 磁界強度の測定方法、フラックスゲート型磁気素子および磁気センサ
EP0360574B1 (en) Current sensor having an element made of amorphous magnetic metal
JP2008107119A (ja) 電流センサ
JP6839399B1 (ja) 磁界検出素子
JPH1010161A (ja) 直流電流センサー
JPH0131591B2 (ja)
JP4878903B2 (ja) 柱上トランス診断用磁気センサ
JP4884384B2 (ja) 広帯域型電流検出器
JP4739097B2 (ja) 柱上トランスの診断方法
JP3746359B2 (ja) 直流電流センサー
JP2000055940A (ja) 直流電流センサー
JP3093529B2 (ja) 直流電流センサー
JP2020165716A (ja) 勾配磁界センサ
JPH10177926A (ja) 直流電流センサー
JP2017203712A (ja) 電流センサー