JPH09126247A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

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Publication number
JPH09126247A
JPH09126247A JP7285113A JP28511395A JPH09126247A JP H09126247 A JPH09126247 A JP H09126247A JP 7285113 A JP7285113 A JP 7285113A JP 28511395 A JP28511395 A JP 28511395A JP H09126247 A JPH09126247 A JP H09126247A
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JP
Japan
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armature
transmission member
rotor
elastically deformable
electromagnetic clutch
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Pending
Application number
JP7285113A
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English (en)
Inventor
Yuichi Aoki
祐一 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシュゴム6の軸方向反力を受け持つ部分
と捩じり方向反力を受け持つ部分とを別々に独立して設
けることにより、電磁クラッチにおいて高い捩じり方向
のばね定数を持ち、しかも所望の軸方向のばね定数を持
つブッシュゴム6の設計を可能にする。 【解決手段】 アーマチュア4のクラッチロータ側に対
して逆側面から突出するように設けたピン部材5とハブ
プレート8に一体成形されたカップ7の角筒状の第1側
壁部31との間にブッシュゴム6の軸方向反力を受け持
つ第1弾性変形部23を配し、カップ7の角筒状の第2
側壁部32の内面との間に角環状隙間Sを隔ててブッシ
ュゴム6の捩じり方向反力を受け持つ第2弾性変形部2
4をピン部材5の外周に配した。これにより、第2弾性
変形部24の捩じり方向のばね定数を高くしても、ブッ
シュゴム6の軸方向反力が増加することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転動力の伝達
および遮断を行う電磁クラッチに関するもので、例えば
冷凍サイクルの冷媒圧縮機と内燃機関との断続を行う電
磁クラッチに係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空気調和装置、所謂カ
ーエアコンの冷凍サイクル機器である冷媒圧縮機に装着
される電磁クラッチでは、インナーハブとアウターハブ
との間にゴムハブを介在させることによって、このゴム
ハブがアーマチュアの吸引方向(軸方向)だけでなく、
トルク伝達方向(捩じり方向)にも変位可能とすること
で、冷媒圧縮機側のトルク変動を低減させる効果を持た
せていた。
【0003】ところが、電磁クラッチの体格の制約や軸
方向のばね定数を適正化する上で、トルク伝達方向のば
ね定数(捩じり方向のばね定数)を十分適正化すること
が困難なことから、ゴムハブによるトルク変動の低減効
果は十分であるとは言えなかった。したがって、電磁ク
ラッチと冷媒圧縮機の振動系の持つ捩じり共振点付近の
周波数域ではトルク変動が増大し、その共振域が車両の
持つ共振点に近い時には、その相乗効果によって騒音が
増大し、車室内へ騒音が伝達されるという不具合を有し
ていた。
【0004】ここで、アーマチュアの摩擦面に対して逆
側に、ハブプレートに一体成形された複数のカップを配
し、それらのカップとアーマチュアに固定された複数の
ピンとの間にそれぞれブッシュゴムを装着し、ハブプレ
ートの内周側をインナーハブにリベットにより固定した
電磁クラッチにおいては、ブッシュゴムの厚みを大きく
したり、ブッシュゴムのゴム硬度を高くしたりして、上
記のような捩じり共振点を回避するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電磁
クラッチにおいては、捩じり共振点を回避するためにブ
ッシュゴムのトルク伝達方向のばね定数(捩じり方向の
ばね定数)を高くしているが、ブッシュゴムの吸引方向
のばね定数(軸方向のばね定数)も同時に高くなってし
まう。このように、ブッシュゴムの軸方向反力が高くな
ってしまうと、電磁コイルに磁力が発生してもアーマチ
ュアがロータの摩擦面に吸引され難くなってしまい、ブ
ッシュゴム型電磁クラッチの吸引不良となるという問題
が生じる。このような問題は、捩じり方向のばね定数の
高いブッシュゴムを備えた電磁クラッチを設計する際の
大きい制約条件となっている。
【0006】
【発明の目的】この発明は、弾性部材の軸方向反力を受
け持つ部分と捩じり方向反力を受け持つ部分とを別々に
独立して設けることにより、電磁クラッチにおいて高い
捩じり方向のばね定数を持ち、しかも所望の軸方向のば
ね定数を持つ弾性部材を得る設計を可能とすることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、弾性部材の軸方向反力を受け持つ第1弾性変形
部と捩じり方向反力を受け持つ第2弾性変形部とを別々
に独立して設けることにより、第2弾性変形部の捩じり
方向のばね定数を高くしても、弾性部材の軸方向反力に
影響を及ぼさなくなり、アーマチュアの吸引不良を回避
できるようになる。この結果、電磁クラッチにおいて、
トルク変動の低減効果を十分備える高い捩じり方向のば
ね定数を持ち、しかも所望の軸方向のばね定数を持つ弾
性部材を得る設計がし易くなるという効果が得られる。
したがって、電磁クラッチの体格の制約や軸方向のばね
定数の制約を受けながらも、トルク伝達方向のばね定数
を十分適正化することが可能となり、電磁クラッチ等の
振動系の持つ捩じり共振点付近の周波数域を、電磁クラ
ッチを搭載するものの持つ共振点から回避可能な電磁ク
ラッチを設計できるので、騒音の増大を防止することが
できるという相乗効果が得られる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、第1弾性
変形部に設けられた第1被係止部が第1伝動部材の第1
係止部に係止され、且つ第2被係止部が第2伝動部材の
第2係止部に係止されていることにより、第1弾性変形
部が第1伝動部材と第2伝動部材との間に所望の軸方向
のばね定数を常に発生することができるので、第1伝動
部材に連結されたアーマチュアのロータへの吸引作用と
ロータからの離脱作用とを円滑に行うことができるとい
う効果が得られる。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、電磁コイ
ルが通電され電磁コイルの磁力によってアーマチュアが
ロータに吸引される時には、アーマチュアに連結した第
1伝動部材が第2伝動部材の筒状のカップに対して軸方
向に変位することにより、第1伝動部材とカップの第1
側壁部との間に挟み込まれた第1弾性変形部が弾性変形
する。これにより、アーマチュアがロータに吸着されて
摩擦係合することにより、ロータの回転動力がアーマチ
ュアおよび第1伝動部材に伝達される。このとき、アー
マチュアが吸引されつつあるときは、未だトルク伝達方
向(捩じり方向)にトルクが加わらず、弾性部材の第2
弾性変形部の外面とカップの第2側壁部の内面との間に
は所定の隙間が存在するので、アーマチュアの吸引特性
が低下することはない。一度、ロータへのアーマチュア
の吸引が完了すると、捩じり方向にトルクが加わり、弾
性部材の第2弾性変形部がカップの第2側壁部の内面に
接触することにより、第2弾性変形部が弾性変形して第
2弾性変形部に捩じり方向反力が生じる。したがって、
第1弾性変形部の軸方向弾力に影響を与えることなく、
第2弾性変形部の捩じり方向反力、つまり捩じり方向の
ばね定数が高い弾性部材を設計できるという効果が得ら
れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔実施例の構成〕図1ないし図5はこの発明の一実施例
を示したもので、図1はブッシュゴム型の電磁クラッチ
の主要部を示した図で、図2および図3はその電磁クラ
ッチの全体構造を示した図である。
【0011】ブッシュゴム型の電磁クラッチ1は、カー
エアコンの冷凍サイクルに組み込まれる補機としての冷
媒圧縮機に装着されて、必要に応じて動力源としての内
燃機関(以下エンジンと言う)の回転動力を冷媒圧縮機
の駆動軸(図示せず)に伝達する回転動力伝達装置であ
る。この電磁クラッチ1は、大別して、電磁コイル2、
エンジンの回転動力が伝達されて回転するクラッチロー
タ3、このクラッチロータ3と対向して配置されたアー
マチュア4、およびこのアーマチュア4に駆動連結され
た後記するハブアッシー等から構成されている。
【0012】電磁コイル2は、樹脂製コイルボビン11
の周囲に絶縁被膜を施した銅線等の導電線を巻回した周
知のもので、通電されることにより磁力を発生し、通電
が停止されることにより消磁する励磁コイルである。こ
の電磁コイル2は、ステータハウジング12に支持され
ている。このステータハウジング12は、鉄や低炭素鋼
等の磁性材料よりなり、クラッチロータ3およびアーマ
チュア4と共に電磁コイル2の磁気回路(磁路)を形成
する。
【0013】クラッチロータ3は、鉄や低炭素鋼等の磁
性材料よりなり、ステータハウジング12に支持された
電磁コイル2を一端側より覆う断面コの字型(図2では
逆コの字型)に形成されている。このクラッチロータ3
は、一端側に円環板形状の摩擦壁13を有している。こ
の摩擦壁13のアーマチュア4との対向面(一端面)
は、アーマチュア4と摩擦係合する摩擦係合面(以下摩
擦面と略す)とされている。
【0014】また、クラッチロータ3の摩擦壁13の内
周寄りおよび外周寄りには、電磁コイル2の径方向に流
れる磁束を迂回させることにより磁極を形成し、伝達ト
ルクを向上させるための2個の円環状空隙14がほぼ全
周に亘って形成されている。クラッチロータ3は、その
内周に配されたボールベアリング15を介して冷媒圧縮
機のハウジング(図示せず)の外周に回転自在に支持さ
れている。また、クラッチロータ3の外周には、多段式
Vプーリ16が溶接等により固着されている。そして、
クラッチロータ3は、その多段式Vプーリ16に掛け渡
される多段式Vベルト(図示せず)を介して伝達された
エンジンの回転動力によって回転する回転体、駆動側摩
擦部材である。
【0015】アーマチュア4は、鉄や低炭素鋼等の磁性
材料よりなり、円環板形状に形成されている。アーマチ
ュア4は、クラッチロータ3の摩擦面に軸方向空隙を介
して対向して配置され、他端面がクラッチロータ3の摩
擦面に摩擦係合する摩擦係合面(以下摩擦面と略す)と
されている。アーマチュア4は、電磁コイル2が通電さ
れた際に、クラッチロータ3側に吸引されて摩擦係合す
ることにより、クラッチロータ3の回転が伝達される。
【0016】また、アーマチュア4には、クラッチロー
タ3と同様に、電磁コイル2の径方向に流れる磁束を迂
回させることにより磁極を形成し、伝達トルクを向上さ
せるための1個の円環状空隙(図示せず)がほぼ全周に
亘って形成されている。そして、クラッチロータ3の摩
擦面とアーマチュア4の摩擦面との内周側には、クラッ
チロータ3とボールベアリング15とで挟持されたリン
グシールド18が設けられている。このリングシールド
18は、軸方向にクラッチロータ3側からアーマチュア
4側まで延びて設けられ、クラッチロータ3の回転時
に、オイルや潤滑剤等が飛散してクラッチロータ3の摩
擦面やアーマチュア4の摩擦面に付着することを防止す
るシール部材である。
【0017】次に、この実施例のハブアッシーを図1な
いし図5に基づいて詳細に説明する。この実施例のハブ
アッシーは、アーマチュア4に固定される3個のピン部
材5、これらのピン部材5にそれぞれ係止される3個の
ブッシュゴム6、これらのブッシュゴム6を収容する3
個のカップ7を有するハブプレート8、およびこのハブ
プレート8と冷媒圧縮機の駆動軸とを連結するボスハブ
9等から構成されている。このボスハブ9は、外周側が
ハブプレート8の内周側にリベット10を用いて固定さ
れ、内周側が冷媒圧縮機の駆動軸にスプライン嵌合また
はキー等により固定されている。
【0018】3個のピン部材5は、本発明の第1伝動部
材であって、図1、図4および図5に示したように、鉄
や低炭素鋼等の金属材料よりなり、略円柱形状に形成さ
れている。3個のピン部材5は、アーマチュア4のクラ
ッチロータ3側に対して逆側と一端面より突出するよう
に設けられ、アーマチュア4の同一円周上となる位置
で、且つ等間隔(例えばアーマチュア4の軸心を中心に
して120°間隔)で固定されている。具体的には、一
端側がアーマチュア4の一端面より軸方向外方へ突出し
た状態で、他端部を鍔状にかしめることによりアーマチ
ュア4の3箇所の円柱状空隙17に等間隔で取り付けら
れている。3個のピン部材5は、アーマチュア4の軸心
方向(軸方向)に突出しており、その突出部分の先端部
に第1係止部としての矩形状の天板部21が設けられ、
その突出部分の残部に天板部21よりも外径の小さい円
柱状の胴体部22が設けられている。すなわち、天板部
21の外周縁は、胴体部22の外周よりも鍔状に突出し
ている。ここで、胴体部22とブッシュゴム6を接着構
造とした場合には、天板部21は不要となる。
【0019】3個のブッシュゴム6は、本発明の弾性部
材であって、図1、図4および図5に示したように、例
えば振動吸収性に優れた塩素化ブチルゴム(IIR)や
ニトリルゴム(NBR)等の合成ゴム、あるいは天然ゴ
ムなどの弾性体により角筒形状に形成されている。この
ブッシュゴム6は、略角環状に形成された第1弾性変形
部23、および略角筒形状に形成された第2弾性変形部
24を有し、これらが別々に独立して弾性変形するよう
に一体成形している。
【0020】第1弾性変形部23は、先端にピン部材5
の天板部21の鍔状部分に係止される第1被係止部とし
ての角環状部25、および外周にカップ7の内面に係止
される第2被係止部としての角錐状部26を有してい
る。この第1弾性変形部23は、電磁コイル2の通電停
止時にアーマチュア4をクラッチロータ3から離脱させ
る軸方向反力が発生する軸方向反力付与部分で、所望の
値となるように軸方向のばね定数が設定されている。
【0021】第2弾性変形部24は、第1弾性変形部2
3よりも外径が小さく、ピン部材5の外周に非接着にて
装着されている。この第2弾性変形部24は、その外面
とカップ7の内面との間に角環状隙間Sを有している。
そして、第2弾性変形部24は、クラッチロータ3から
アーマチュア4に捩じり方向のトルクが伝達されると、
カップ7の内面に接触することにより捩じり方向反力が
発生する捩じり方向反力付与部分である。また、第2弾
性変形部24は、冷媒圧縮機側のトルク変動を吸収する
部分でもある。なお、第1弾性変形部23と第2弾性変
形部24とが一体成形されていれば、第2弾性変形部2
4の内面は、ピン部材5の外周と離れていても良い。
【0022】ハブプレート8は、本発明の第2伝動部材
であって、図1、図4および図5に示したように、鉄や
低炭素鋼等の金属材料よりなり、外周側に3個のピン部
材5および3個のブッシュゴム6を収容する3個のカッ
プ7を有している。3個のカップ7は、段付き容器形状
に形成され、一端が開口した角筒状の第1側壁部31、
この第1側壁部31よりも内径が小さい角筒状の第2側
壁部32、第1側壁部31の他端と第2側壁部32の一
端とを連結する角環状の段差部33、および第2側壁部
32の他端を閉塞する底壁部34等から構成された容器
形状部である。
【0023】第1側壁部31は、本発明の第2係止部で
あって、内面に第1弾性変形部23の角錐状部26の外
周部分が加硫接着等により固着した状態で第1弾性変形
部23を収容する部分である。なお、必ずしも、第1側
壁部31に第1弾性変形部23を接着する必要はない。
第2側壁部32は、内面との間に角環状隙間Sを隔てて
対向するように第2弾性変形部24を収容する部分であ
る。底壁部34は、アーマチュア4の一端面にブッシュ
ゴム6を介してピン部材5により接離可能に設けられ、
中央部にピン部材5が軸方向に移動自在に貫通する円形
状の貫通穴35を有している。
【0024】〔実施例の作用〕次に、この実施例の電磁
クラッチ1の作用を図1ないし図5に基づいて簡単に説
明する。
【0025】電磁コイル2の通電によって発生した磁力
により、アーマチュア4が3個のブッシュゴム6の第1
弾性変形部23の軸方向反力に抗してクラッチロータ3
側に吸引される。ここで、3個のピン部材5が貫通穴3
5を軸方向に移動可能に貫通している関係から、アーマ
チュア4と共に3個のピン部材5が3個のカップ7に対
してクラッチロータ3側に変位することにより、3個の
ピン部材5の天板部21の鍔状部分と3個のカップ7の
第1側壁部31の内面および段差部33の内面とに挟み
込まれた第1弾性変形部23が図示破線状態から図示実
線状態まで弾性変形(圧縮変形)する(図4参照)。
【0026】このとき、アーマチュア4がクラッチロー
タ3側に吸引されつつあるときは、未だトルク伝達方向
(捩じり方向)にトルクが加わらず、図4に示したよう
に、3個のブッシュゴム6の第2弾性変形部24の外面
と3個のカップ7の第2側壁部32の内面との間には角
環状隙間Sが存在するので、アーマチュア4の吸引特性
が低下することはない。
【0027】その後に、一度、クラッチロータ3へのア
ーマチュア4の吸引が完了してクラッチロータ3の摩擦
面とアーマチュア4の摩擦面とが摩擦係合すると、3個
のブッシュゴム6に捩じり方向のトルクが加わり、3個
のブッシュゴム6の第2弾性変形部24が3個のカップ
7の第2側壁部32の内面に接触することにより圧縮さ
れ、第2弾性変形部24が弾性変形して第2弾性変形部
24に捩じり方向反力が生じる。この結果、クラッチロ
ータ3の摩擦面とアーマチュア4の摩擦面とが吸着して
摩擦係合することにより、多段式Vプーリ16を介して
伝達されたエンジンの回転動力がハブアッシーを介して
冷媒圧縮機の駆動軸に伝達される。
【0028】ここで、冷媒圧縮機の駆動軸に加わる負荷
トルクが冷媒の圧縮作用に伴って変動すると、そのトル
ク変動が駆動軸より電磁クラッチ1側へ伝達されること
になる。このトルク変動により、複数のブッシュゴム6
の第2弾性変形部24の捩じり方向における弾性変形に
伴ってカップ7とピン部材5との間で相対回転(相対角
変位)が生じる。
【0029】電磁コイル2への通電が停止されると、電
磁コイル2に発生していた磁力が消磁するため、クラッ
チロータ3側へ吸引されていたアーマチュア4は、3個
のブッシュゴム6の第1弾性変形部23の軸方向反力に
よってクラッチロータ3より離脱して、図1に示した初
期の位置に復帰する。この結果、クラッチロータ3とア
ーマチュア4との摩擦係合が解消されて、クラッチロー
タ3へ伝達されたエンジンの回転動力は、冷媒圧縮機の
駆動軸に伝達されなくなる。
【0030】〔実施例の効果〕以上のように、電磁クラ
ッチ1は、アーマチュア4がクラッチロータ3側に吸引
される時には、ブッシュゴム6の第1弾性変形部23に
よる軸方向反力のみが生じることになるので、ブッシュ
ゴム6の捩じり方向のばね定数を高く設定しても、アー
マチュア4の吸引不良を防止できる。すなわち、第2弾
性変形部24は、第1弾性変形部23の軸方向反力に影
響を及ぼす(増大させる)ことなく、捩じり方向のばね
定数を高めることができる。この結果、電磁クラッチ1
において、トルク変動の低減効果を十分備える高い捩じ
り方向のばね定数を持ち、しかも所望の軸方向のばね定
数を持つブッシュゴム6を得る設計がし易くなる。
【0031】それによって、電磁クラッチ1のサイズの
大型化や軸方向のばね定数の制約を受けながらも、トル
ク伝達方向のばね定数を十分適正化した電磁クラッチ1
を容易に設計できる。したがって、このような電磁クラ
ッチ1をカーエコアンの冷媒圧縮機に装着することによ
って、トルク変動の増大する、電磁クラッチ1と冷媒圧
縮機の振動系の持つ捩じり共振点付近の周波数域を車両
の持つ共振点から離れることにより、騒音の増大を回避
できるので、車室内に伝わる騒音を低減することができ
る。
【0032】〔変形例〕この実施例では、電磁クラッチ
1の駆動源としてエンジンを利用したが、電磁クラッチ
1の駆動源として電動モータ、風車、水車等の駆動手段
を利用しても良い。この実施例では、本発明をエンジン
とカーエアコンの冷媒圧縮機とを断続する電磁クラッチ
1に適用したが、エンジン等の駆動源と変速機、過給
機、ポンプ、送風機、発電機等の従動装置とを断続する
電磁クラッチに適用しても良い。
【0033】なお、この発明において、ブッシュゴム6
やカップ7は角環状や角筒状である必要はなく、第1弾
性変形部23および第2弾性変形部24の接触側の反力
を高めるように接触側のみにゴム(弾性体)を設けた
り、あるいは接触側のみ反力を高めるようにゴム量(弾
性量)を増加した形状(たとえば星型形状、角型形状、
板形状)とすることも可能である。さらに、ブッシュゴ
ム6は、第1弾性変形部23と第2弾性変形部24とが
分割されていても良い。ブッシュゴム6の代わりに、ク
ッションゴムやばね等の弾性部材を利用しても良い。
【0034】また、第2弾性変形部(捩じり方向反力付
与部分)24は、第1弾性変形部(軸方向反力付与部
分)23の軸方向反力に影響を与えることなく、例えば
図1の破線部分のようにして捩じり方向のばね定数を高
めることができる。この場合には、カップ7の内径も小
さくする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁クラッチの主要部を示した断面図である
(実施例)。
【図2】電磁クラッチの全体構造を示した断面図である
(実施例)。
【図3】電磁クラッチの全体構造を示した平面図である
(実施例)。
【図4】吸引時、吸着直後のブッシュゴムの弾性変形状
態を示した作用説明図である(実施例)。
【図5】冷媒圧縮機の運転時のブッシュゴムの弾性変形
状態を示した作用説明図である(実施例)。
【符号の説明】
S 角環状隙間 1 電磁クラッチ 2 電磁コイル 3 クラッチロータ 4 アーマチュア 5 ピン部材(第1伝動部材) 6 ブッシュゴム(弾性部材) 7 カップ 8 ハブプレート(第2伝動部材) 21 天板部(第1係止部) 23 第1弾性変形部 24 第2弾性変形部 25 角環状部(第1被係止部) 26 角錐状部(第2被係止部) 31 第1側壁部(第2係止部) 32 第2側壁部 34 底壁部 35 貫通穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)通電により磁力を発生する電磁コイ
    ルと、 (b)この電磁コイル側に配されたロータと、 (c)このロータとの間に軸方向空隙を隔てて対向する
    ように配され、前記電磁コイルの発生する磁力によって
    前記ロータに吸引されて摩擦係合することにより前記ロ
    ータの回転が伝達されるアーマチュアと、 (d)このアーマチュアの前記ロータ側に対して逆側面
    より突出した状態で前記アーマチュアに連結された第1
    伝動部材と、 (e)この第1伝動部材の周囲を囲むように設けられ、
    前記第1伝動部材の軸心方向に延びる筒形状のカップを
    有する第2伝動部材と、 (f)前記第1伝動部材の回転を前記第2伝動部材に伝
    達すると共に、 前記第1伝動部材の外面と前記カップの内面との両方に
    常に当接して、前記アーマチュアが軸方向へ吸引される
    時に軸方向反力を受け持つ第1弾性変形部、および前記
    カップの内面に所定の隙間を隔てて対向するように配さ
    れ、前記アーマチュアが捩じり方向へ変位される時に前
    記カップの内面に当接して捩じり方向反力を受け持つ第
    2弾性変形部を独立して設けた弾性部材とを備えた電磁
    クラッチ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、 前記第1伝動部材は、先端に前記第1弾性変形部の第1
    被係止部を係止する第1係止部を有し、 前記第2伝動部材は、内面に前記第2弾性変形部の第2
    被係止部を係止する第2係止部を有することを特徴とす
    る電磁クラッチ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の電磁クラ
    ッチにおいて、 前記第1弾性変形部は、環状に形成され、 前記第2弾性変形部は、前記第1弾性変形部よりも外径
    が小さく、筒状に形成され、 前記カップは、一端が開口し、内面に前記第1弾性変形
    部が当接した状態で前記第1弾性変形部を収容する筒状
    の第1側壁部、この第1側壁部よりも内径が小さく、内
    面との間に所定の隙間を隔てて対向するように前記第2
    弾性変形部を収容する筒状の第2側壁部、および前記第
    1伝動部材が軸方向に移動自在に貫通する貫通穴を有す
    ることを特徴とする電磁クラッチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010151027A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Calsonic Kansei Corp 圧縮機用動力伝達機構
CN107035786A (zh) * 2015-08-12 2017-08-11 莱顿汽车部件(苏州)有限公司 用于降低离合器接合时的噪声的方法

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