JPH09126035A - 多気筒エンジンのアイドル制御装置 - Google Patents

多気筒エンジンのアイドル制御装置

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JPH09126035A
JPH09126035A JP28888495A JP28888495A JPH09126035A JP H09126035 A JPH09126035 A JP H09126035A JP 28888495 A JP28888495 A JP 28888495A JP 28888495 A JP28888495 A JP 28888495A JP H09126035 A JPH09126035 A JP H09126035A
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JP
Japan
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cylinder
combustion
ignition timing
engine
value
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Application number
JP28888495A
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English (en)
Inventor
Ryuichiro Imai
龍一郎 今井
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09126035A publication Critical patent/JPH09126035A/ja
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼変動の影響を受けることなく、アイドル運
転時の各気筒間の回転速度がほぼ均一になるように制御
して滑らかな回転性能を得る。 【解決手段】アイドル運転時、燃焼状態検出対象気筒#
iの燃焼状態を、当該気筒#iの燃焼前と燃焼後、各3
区間連続の燃焼による仕事をしていない区間のエンジン
回転数Ni-3,Ni-4,Ni-5とNi-2,Ni-1,Ni
とを読込み(S13)、燃焼前3区間の平均値Ni-4A
VEと燃焼後3区間の平均値Ni-1AVEとの差回転速
度TDLN#iを求め(S14,S15,S16)、こ
の差回転速度TDLN#iを加重平均処理して平均差回
転速度TDLNA#iを求め、この平均差回転速度TD
LNA#iが一定の不感帯領域に収まるように、気筒毎
の燃料噴射量、及び点火時期を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドル運転時の
各気筒の燃焼状態を均一にして滑らかなアイドリング状
態を得る多気筒エンジンのアイドル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のアイドル制御では、エンジン回転
速度を低く抑えて、燃費向上、静粛性の向上を図る傾向
にあるが、アイドル運転時の回転速度を低く抑えると、
僅かな燃焼変動によっても回転が不安定化してしまい、
快適性、車輌の発進性能が著しく損なわれる。
【0003】そのため、本出願人は、特開平4−171
244号公報や特開平4−66750号公報等で、アイ
ドル運転時の各燃焼行程気筒間の燃焼による仕事をして
いない区間においてエンジン回転状態量としてエンジン
回転速度を検出し、この各回転速度をほぼ一定にするよ
うに燃料噴射量及び点火時期を総合的に制御することで
各気筒の燃焼状態をほぼ均一に保ち、滑らかなアイドリ
ングが得られるようにする技術を提案した。
【0004】上記先行技術中に示した各気筒の燃焼状態
を判別する基本概念を、図16を用いて説明する。
【0005】図16は、4気筒エンジンにおけるアイド
ル運転時の回転変動を示すもので、エンジンが等間隔燃
焼であれば、燃焼行程気筒が点火順(#1→#3→#2
→#4)に従って180°CAごとに切換わり且つバルブ
オーバーラップ期間が存在するため、燃焼行程気筒同士
がその前後において重複することがなく、燃焼行程気筒
の燃焼終了後と、次の燃焼行程気筒の前との間に各気筒
の燃焼による影響を受けない、いわゆる燃焼による仕事
をしていない区間が存在する。例えば、燃焼行程気筒間
の燃焼による仕事をしていない区間の瞬時の運動量であ
る回転速度を、次の燃焼行程気筒に合わせて便宜的にN
1,N3,N2,N4と示した場合、滑らかなエンジン
回転を得るためには各気筒間のエンジン回転速度N1〜
N4が全て均等であることが望ましく、各気筒の燃焼状
態と上記燃焼による仕事をしていない区間のエンジン回
転速度との間に非常に強い相関関係があることが解る。
【0006】上記特開平4−171244号公報では、
例えば、#1気筒の燃焼状態を判断するに際し、先ず、
差回転速度TDLN#1を次式から求め、 TDLN#1=N3−(N1+N2)/2 この差回転速度TDLN#1が負の値の場合には、燃焼
状態が悪いと判断し、また正の値の場合には、燃焼状態
が良すぎると判断し、次サイクル以降の#1気筒に対す
る燃焼噴射量、及び点火時期を総合的に制御して、上記
差回転速度TDLN#1が一定の不感帯領域に収まるよ
うにしている。そして、この燃焼状態の判断を全気筒に
対して行い、最終的に各燃焼行程気筒の燃焼による仕事
をしていない区間Ni(i=1,3,2,4)の差回転
速度TDLNi(i=1,3,2,4)が均一になるよ
うに制御する。
【0007】また、特開平4−66750号公報では、
当該燃焼行程気筒を挟んで、その前後の燃焼による仕事
をしていない区間の差回転速度を求め、この差回転速度
が正の値か、負の値かで、当該燃焼行程気筒の燃焼状態
を判別している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−1
71244号公報では、当該燃焼行程気筒の燃焼終了後
の燃焼による仕事をしていない区間の回転速度をその前
後各1点の区間の回転速度の平均値に収まるような制御
をしているため、例えば、前後の区間の一方が燃焼変動
によって一時的に不安定になった場合でも、次サイクル
以降の燃焼行程気筒では、今回検出された燃焼状態に基
づいて燃焼噴射量、及び点火時期が補正されてしまうこ
とになる。このように、従来のアイドル制御では、一時
的な燃焼変動が制御上の外乱となって取り込まれ易く、
燃焼変動が生じた場合、各気筒間の燃焼状態を均一化し
て安定したアイドル回転状態を得るまでの収束性が悪い
という課題がある。
【0009】また、特開平4−66750号公報では、
当該燃焼行程気筒の前後の区間の差回転速度に基づいて
燃焼状態を判断しているだけであるため、燃焼変動の影
響により、その前後の区間のエンジン回転速度に格差が
生じた場合には、差回転速度が正或いは負の一方へ大き
く偏倚してしまい、同様に、燃焼変動が生じた後、安定
したアイドル回転状態に収束するまでに時間がかかる等
の課題がある。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、燃焼変動の影響を受けることなく、安定したアイド
ル回転を得ることのできる多気筒エンジンのアイドル制
御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による多気筒エンジンのアイドル制御装置は、図
1の基本構成図に示すように、各気筒間の燃焼による仕
事をしていない区間のエンジン回転状態量を検出するエ
ンジン回転状態量検出手段と、運転状態に基づきアイド
ル運転時か否かを判別するアイドル運転判別手段と、ア
イドル運転時、燃焼状態検出対象気筒の燃焼後における
複数区間連続の上記エンジン回転状態量の平均値と燃焼
前における複数区間連続のエンジン回転状態量の平均値
とをそれぞれ算出し、両平均値の差を算出する平均値差
算出手段と、上記両平均値の差が一定の不感帯領域に収
まるように次サイクル以降の当該気筒に対する燃料噴射
量と点火時期との少なくとも一方を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする。
【0012】すなわち、本発明では、各気筒間の燃焼に
よる仕事をしていない区間のエンジン回転状態量を順次
検出し、アイドル運転時と判断されると、燃焼状態検出
対象気筒の燃焼後と燃焼前との上記燃焼による仕事をし
ていない区間の複数区間連続のエンジン回転状態量の平
均値を各々求め、この両平均値の差が一定の不感帯領域
から外れているときは、当該気筒の燃焼状態が良すぎる
か、或いは悪いと判断し、上記両平均値の差が上記不感
帯領域に収まるように次サイクル以降の当該気筒に対す
る燃料噴射量と点火時期との少なくとも一方を補正す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図12にエンジンの全体概略図を
示す。
【0014】同図の符号1は多気筒エンジンで、図にお
いては水平対向4気筒型エンジンを示す。このエンジン
1のシリンダヘッド2に形成された各吸気ポート2aに
インテークマニホールド3が連通され、このインテーク
マニホールド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチャ
ンバ4を介してスロットルチャンバ5、吸気管6が連通
され、この吸気管6の吸入空気取り入れ口側にエアクリ
ーナ7が取り付けられている。
【0015】また、上記吸気管6のエアクリーナ7の直
下流に、例えばホットワイヤ式等の吸入空気量センサ8
が介装され、さらに、上記スロットルチャンバ5に設け
られたスロットル弁5aに、スロットル開度に応じた電
圧値を出力するスロットル開度センサ9aとスロットル
弁全閉でONするアイドル接点を有するアイドルスイッ
チ9bとが組み込まれたスロットルセンサ9が連設され
ている。
【0016】また、上記スロットル弁5aの上流側と下
流側とを連通するバイパス通路10に、アイドルスピー
ドコントロール(ISC)バルブ11が介装されてい
る。さらに、上記インテークマニホールド3の各気筒の
各吸気ポート2a直上流側にインジェクタ14が臨まさ
れ、上記シリンダヘッド2には、先端を燃焼室に露呈す
る点火プラグ15aが各気筒毎に取り付けられている。
各点火プラグ15aには点火コイル15bがそれぞれ連
設され、点火コイル15bにイグナイタ16が接続され
ている。
【0017】上記インジェクタ14は、燃焼供給路17
を介して燃料タンク18に連通されており、この燃料タ
ンク18内にはインタンク式の燃料ホンプ19が設けら
れている。この燃料ポンプ19からの燃料は、上記燃料
供給路17に介装された燃料フィルタ20を経て上記イ
ンジェクタ14及びプレッシャレギュレータ21に圧送
され、プレッシャレギュレータ21から上記燃料タンク
18にリターンされて上記インジェクタ14への燃料圧
力が所定の圧力に調圧される。
【0018】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ22が取り付けられると共に、シリンダ
ブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路23に
冷却水温センサ24が臨まされている。さらに、上記シ
リンダヘッド2の排気ポート2bに連通するエグゾース
トマニホールド25の集合部にO2 センサ26が臨まさ
れている。尚、符号27は触媒コンバータである。
【0019】また、上記シリンダブロック1aに支承さ
れたクランクシャフト1bに、クランクロータ28が軸
着され、このクランクロータ28の外周に、所定のクラ
ンク角に対応する突起を検出する電磁ピックアップ等か
らなるクランク角センサ29が対設され、さらに、上記
クランクシャフトに対して1/2回転するカムシャフト
1cに連設されたカムロータ30に、電磁ピックアップ
等からなる気筒判別用のカム角センサ31が対設されて
いる。
【0020】尚、本実施の形態におけるエンジン1は、
その燃焼行程気筒順が#1気筒、#3気筒、#2気筒、
#4気筒の気筒順である。
【0021】そして、上記クランクロータ28は、図1
3に示すように、その外周に突起28a,28b,28
cが形成され、これらの各突起28a,28b,28c
が、各気筒の圧縮上死点前(BTDC)θ1,θ2,θ
3の位置(本実施の形態では、θ1=97°CA,θ2=
65°CA,θ3=10°CA)の位置にそれぞれ形成され
ている。
【0022】そして、エンジン運転に伴いクランクロー
タ28が回転し、上記クランク角センサ29によりクラ
ンクロータ28の各突起28a,28b,28cが検出
され、図8に示すように、クランク角センサ29からク
ランクパルスが出力されてθ1パルス,θ2パルス,θ
3パルスとして後述する電子制御装置40に入力され、
突起28aと突起28b、突起28bと突起28c間の
各通過時間、すなわち、θ1パルスが入力されてからθ
2パルスが入力されるまでの時間、θ2パルスが入力さ
れてからθ3パルスが入力されるまでの時間からそれぞ
れエンジン回転周期f1.2,f2.3(ここにおい
て、f=1/ω ω;エンジン角速度)が算出される。
【0023】尚、上記突起28bがエンジン始動後にお
ける点火時期設定の際の基準クランク角となり、突起2
8cがエンジン始動時の固定点火時期を示す基準クラン
ク角となる(エンジン始動時については詳述せず)。
【0024】ここで、図8に示すように、上記突起28
b,28c(BTDC65°,10°CA)が、アイドル
運転時の点火時期(時刻)ADVの前後に設定されてい
る。一般に、アイドル運転時の点火時期はBTDC20
°CA付近であり、このクランク角で着火しても、その後
約10°CAまでは、未だ燃焼圧が急激に上昇することは
ない。また、本実施の形態においては、各気筒の排気弁
の開弁時期を、次の燃焼行程気筒の点火基準クランク角
BTDC65°CAよりやや遅角側に設定しているが、一
般に、排気弁開弁直後の燃焼圧は急激に低下しているた
め、クランク角BTDC10°CAでは、燃焼圧の影響は
ほとんどない。
【0025】従って、上記突起28cのクランク角をB
TDC10°CAより進角側に設定すれば、上記突起28
b,28c間の区間が、各気筒間の燃焼による影響をほ
とんど受けない、すなわち、燃焼行程気筒と次の燃焼行
程気筒との間の燃焼による仕事をしていない区間にな
る。
【0026】一方、上記カムロータ30の外周には、図
14に示すように、気筒判別用の突起30a,30b,
30cが形成され、突起38aが#3,#4気筒の圧縮
上死点後(ATDC)θ4の位置(例えば、θ4=20
°CA)に形成され、突起30bが3個の突起で構成され
て最初の突起が#1気筒のATDCθ5(例えば、θ5
=5°CA)の位置に形成されている。さらに、突起30
cが2個の突起で構成され、最初の突起が#2気筒のA
TDCθ6の位置(例えば、θ6=20°CA)に形成さ
れている。
【0027】そして、エンジン運転時、上記クランクロ
ータ28、カムロータ30の回転に伴い、各ロータ2
8,30に形成された各突起28a〜28c,30a〜
30cがそれぞれクランク角センサ29、カム角センサ
31により検出されて、クランク角センサ29、カム角
センサ31からクランクパルス、カムパルスが出力し、
電子制御装置40に入力されて該電子制御装置40にお
いて各パルスの入力パターンからクランクパルス識別及
び気筒判別が行われ、燃料噴射制御、点火時期制御に用
いられる。
【0028】すなわち、上記クランクロータ28、カム
ロータ30にそれぞれ形成した突起により、図8に示す
ように、例えば、上記カム角センサ31から3ケ連続し
たカムパルス(ATDCθ5カムパルス)が出力された
場合、その後にクランク角センサ29から出力されるク
ランクパルスは#3気筒の圧縮上死点前のクランク角を
示す信号であると判別できる。
【0029】また、上記ATDCθ5のカムパルス出力
後に、クランク角センサ29から所定数(3つ)のクラ
ンクパルスが出力され、その後、カム角センサ31から
1つのカムパルス(ATDCθ4カムパルス)が出力さ
れた場合、その後にクランク角センサ29から出力され
るクランクパルスは#2気筒の圧縮上死点前のクランク
角を示す信号であると判別できる。同様に、カム角セン
サ31から2ケ連続したカムパルス(ATDCθ6カム
パルス)が出力された場合、その後、クランク角センサ
29から出力されるクランクパルスは#4気筒の圧縮上
死点前のクランク角を示すものであり、また、上記AT
DCθ6のカムパルスの出力後にATDCθ4のカムパ
ルスが出力された場合、その後にクランク角センサ29
から出力されるクランクパルスは#1気筒の圧縮上死点
前のクランク角を示すものであると判別できる。
【0030】さらに、上記カム角センサ31からカムパ
ルスが出力された後に、クランク角センサ29から最初
に出力されるクランクパルスが該当気筒の周期を算出す
る際の基準クランク角(θ1;BTDC97°CA)を示
すθ1パルスであると判別でき、その後のクランクパル
スがθ2パルス(BTDC65°CA)、θ3パルス(B
TDC10°CA)であると判別することができる。尚、
上記クランク角センサ29、カム角センサ31はクラン
ク角検出手段を構成しており、カムパルスパターンを変
えることにより、カム角センサ31のみでクランク角検
出手段を構成するようにしても良い。
【0031】燃料噴射制御、点火時期制御、及びアイド
ル制御等の各種エンジン制御は、図15に示す電子制御
装置(ECU)40により実行される。この電子制御装
置40は、CPU41、ROM42、RAM43、バッ
クアップRAM44、カウンタ・タイマ群45、及びI
/Oインターフェイス46がバスライン47を介して互
いに接続されたマイクロコンピュータを中心として構成
され、その他、安定化電圧を各部に供給する定電圧回路
48、上記I/Oインターフェイス46の出力ポートか
らの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路4
9、及びセンサ類からのアナログ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換器50等の周辺回路が内蔵されてい
る。
【0032】上記定電圧回路48は、電源リレー51の
リレー接点を介してバッテリ52に接続され、上記電源
リレー51のリレーコイルがイグニッションスイッチ5
3を介して上記バッテリ52に接続されている。
【0033】尚、上記定電圧回路48は、上記電源リレ
ー51のリレー接点を介してバッテリ52に接続される
他、直接、上記バッテリ52に接続されており、上記イ
グニッションスイッチ53がONされて電源リレーのリ
レー接点が閉となったとき、各部に電源を供給する一
方、上記イグニッションスイッチ53のON,OFFに
拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバックア
ップ用電源を供給する。
【0034】また、上記I/Oインターフェイス46の
入力ポートには、車速センサ35、アイドルスイッチ9
b、ノックセンサ22、クランク角センサ29、カム角
センサ31等が接続されると共に、吸入空気量センサ
8、スロットル開度センサ9a、冷却水温センサ24、
及びO2 センサ26等が上記A/D変換器50を介して
接続され、さらに、このA/D変換器50に上記バッテ
リ52の電圧VB が入力されてモニタされる。
【0035】一方、上記I/Oインターフェイス46の
出力ポートには、上記駆動回路49を介してISCバル
ブ11及び各気筒毎に備えたインジェクタ14が接続さ
れると共に、イグナイタ16が接続されている。
【0036】上記ROM42には、エンジン制御プログ
ラムや各種マップ等の固定データが記憶されており、ま
た、上記RAM43には、上記各センサ類、スイッチ類
の出力信号を処理した後のデータ、及び上記CPU41
で演算処理したデータが格納される。また、上記バック
アップRAM44には、各種学習値マップ、制御用デー
タ、後述するアイドル制御時において使用される各気筒
毎の無効噴射補正パルス幅Ts#i及び点火時期補正学
習値LADV#i等がストアされ、上記イグニッション
スイッチ53がOFFのときにもデータが保持される。
【0037】上記CPU41では上記ROM42に記憶
されている制御プログラムに従い燃料噴射制御、点火時
期制御等のエンジン制御を所定周期毎に実行する。
【0038】ここで、上記電子制御装置40は、エンジ
ン回転状態量検出手段、アイドル運転判別手段、平均値
差算出手段、補正手段としての機能を有し、一般的な燃
料噴射制御、点火時期制御に加え、アイドル運転時に
は、各気筒の燃焼状態を個別に判断して、この判別結果
に基づき各気筒毎に燃料噴射量と点火時期との少なくと
も一方を補正し、各気筒の燃焼状態を均一化させ、アイ
ドル回転を平滑化する。具体的には、図2に示すエンジ
ン回転速度算出ルーチンにより、各燃焼行程気筒間の燃
焼による仕事をしていない区間のエンジン回転状態量と
してθ2,θ3間の区間(BTDC65°CAからBTD
C10°CAの区間)におけるエンジン回転速度(エンジ
ン回転数)Niを算出し、図3のアイドル判定/差回転
速度算出ルーチンで、運転状態に基づきアイドル運転時
か否かを判別し、アイドル運転時と判断されると、燃焼
状態検出の対象となる燃焼行程気筒の燃焼後における3
区間連続の上記エンジン回転速度の平均値Ni-1AVE
と燃焼前における3区間連続のエンジン回転速度の平均
値Ni-4AVEとをそれぞれ算出し、両平均値の差、す
なわち差回転速度TDLN#iを算出する。そして、図
4及び図5に示す燃焼状態判別及び燃料噴射パルス幅設
定ルーチンにおいて上記差回転速度が一定の不感帯領域
に収まるように次サイクル以降の当該気筒に対する燃料
噴射量を補正すると共に、図6に示す点火時期設定ルー
チンにおいて点火時期が補正される。
【0039】以下、図2〜図7に示すフローチャートに
従って、上記電子制御装置40によるアイドル制御、燃
料噴射制御、及び点火時期制御を説明する。尚、本実施
の形態においては、現在圧縮行程にある気筒が燃焼状態
検出対象気筒となり、以下の説明では、便宜的に現在圧
縮行程気筒、すなわち、燃焼状態検出対象気筒を#iと
する。すなわち、本実施の形態におけるエンジンは4気
筒エンジンであり、図9に太矢印で示すように現在#1
気筒の圧縮上死点前にあり、現圧縮行程気筒が#1気筒
のとき、これより6区間前までの燃焼による仕事をして
いない区間の各エンジン回転速度を用い、#1気筒の燃
焼状態を判断するための差回転速度TDLN#1を算出
するのであり、現圧縮行程気筒が燃焼状態検出の対象気
筒となる。そして、この燃焼状態検出対象気筒#iより
前の気筒を#i-1,#i-2,#i-3,#i-4,#i-5と
時系列に沿って表し、また、#i(-1)は、現燃焼状態検
出対象気筒#iの1サイクル前を表し、#i(+1)は、現
燃焼状態検出対象気筒#iの1サイクル後を表す。
【0040】先ず、図2に示すエンジン回転速度算出ル
ーチンについて説明する。このエンジン回転速度算出ル
ーチンは、クランク角センサ29からのクランクパルス
入力毎に割込み起動され、ステップS1で、カム角セン
サ31からの気筒判別用のカムパルス入力に基づき現在
圧縮行程にある気筒(燃焼状態検出対象気筒)#iを判
別すると、次にステップS2で、クランクパルスを識別
する。
【0041】図8のタイムチャートに基づき前述したよ
うに、例えば、上記カム角センサ31からθ5(突起3
0b)のカムパルスが入力されたとき、圧縮行程気筒#
iは#3気筒であり、また、上記θ5のカムパルスの後
にθ4(突起30a)のカムパルスが入力されたとき、
圧縮行程気筒#iは#2気筒であり、同様に、θ6(突
起30c)のカムパルスが入力された後の圧縮行程気筒
#iは#4気筒であり、さらに上記θ6のカムパルスの
後にθ4(突起30a)のカムパルスが入力されたと
き、圧縮行程気筒#iは#1気筒であることが判別でき
る。
【0042】さらに、上記カム角センサ31からカムパ
ルスが入力した後、クランク角センサ29から入力され
るクランクパルスが基準クランク角(θ1;BTDC9
7°CA)を示すθ1パルスであると判別でき、その後の
クランクパルスがθ2パルス(BTDC65°CA)、θ
3パルス(BTDC10°CA)であると判別することが
できる。
【0043】その後、ステップS3で、クランク角セン
サ29から入力されるクランクパルスの入力間隔時間T
を計測する。この入力間隔時間Tは、前回ルーチン実行
時から今回ルーチン実行時までの時間で、θ1パルス入
力からθ2パルス入力までの時間T12、或いはθ2パル
ス入力からθ3パルス入力までの時間T23、又は、θ3
パルス入力からθ1パルス入力までの時間T31である。
【0044】そして、上記ステップS4で、上記入力間
隔時間Tにより予めROM42に既知の固定データとし
て記憶されている対応クランクパルス間角度θ(θ1パ
ルス入力時に計測される入力間隔時間はT31であり、こ
のときの対応クランクパルス間角度はθ31=93°、θ
2パルス入力時に計測される入力間隔時間はT12であ
り、このときの対応クランクパルス間角度はθ12=97
°−65°=32°、θ3パルス入力時に計測される入
力間隔時間はT23であり、このときの対応クランクパル
ス間角度はθ23=65°−10°=55°)を微分して
エンジン回転周期fを算出し、ステップS5で、エンジ
ン回転周期fに基づき、エンジン回転数(エンジン回転
速度)Nを算出し、RAM43の所定アドレスに回転数
データとしてストアする。
【0045】次いで、ステップS6で、今回入力された
クランクパルスはθ3パルスかを判断し、今回入力され
たクランクパルスがθ3パルスのときにはステップS7
へ進み、上記エンジン回転速度Nを気筒間の燃焼による
仕事をしていない区間のエンジン回転速度Niとして、
RAM43の特定アドレスにストアしてルーチンを抜
け、今回入力されたクランクパルスがθ1パルス或いは
θ2パルスのときにはそのままルーチンを抜ける。
【0046】すなわち、今回入力されたクランクパルス
がθ3パルスのとき、上記ステップS5で算出されるエ
ンジン回転速度Nが、気筒間の燃焼による仕事をしてい
ない区間BTDC65°CA(θ2)〜BTDC10°CA
(θ3)のエンジン回転速度Niとなる。
【0047】そして、このエンジン回転速度Niが図3
に示すアイドル判定/差回転速度算出ルーチンにおいて
読み込まれ、アイドル運転時、燃焼状態検出対象気筒#
iの燃焼後における3区間連続の燃焼による仕事をして
いない区間のエンジン回転速度の平均値Ni-1AVEと
燃焼前における3区間連続の燃焼による仕事をしていな
い区間のエンジン回転速度の平均値Ni-4AVEとをそ
れぞれ算出し、両平均値の差、すなわち当該気筒#iの
燃焼状態を判断するための差回転速度TDLN#iが算
出される。
【0048】このアイドル判定/差回転速度算出ルーチ
ンは、BTDC97°CAのθ1クランクパルス入力毎に
実行され、ステップS11で、車速センサ35による車
速S及びアイドルスイッチ9bの出力を読込み、ステッ
プS12で、現運転状態がアイドル運転時か否かを上記
車速Sとアイドルスイッチ9bの動作状態から判断す
る。そして、車速S=0且つアイドルスイッチ9bがO
Nのスロットル弁全閉のとき、アイドル運転時と判断し
てステップS13へ進み、ステップS13乃至ステップ
S19の処理により現在圧縮行程にある燃焼状態検出対
象気筒#iの燃焼状態を判断するための差回転速度を算
出する。
【0049】ステップS13では、前記エンジン回転速
度算出ルーチンのステップS7においてRAM43にス
トアされた最新の燃焼による仕事をしていない区間のエ
ンジン回転速度Niを読み込むと共に、RAM43の所
定アドレスにそれぞれストアされている5区間前までの
燃焼による仕事をしていない区間のエンジン回転速度N
i-1〜Ni-5を読み込む。
【0050】そして、ステップS14で、5区間前から
3区間前までのエンジン回転速度Ni-5〜Ni-3に基づ
き燃焼状態検出対象気筒#i、すなわち当該気筒#iの
前回燃焼行程による燃焼前の3区間連続の燃焼による仕
事をしていない区間のエンジン回転速度の平均値Ni-4
AVEを算出し、ステップS15で、2区間前から最新
のエンジン回転速度Ni-2〜Niに基づき当該気筒#i
の前回燃焼行程による燃焼後の3区間連続の燃焼による
仕事をしていない区間のエンジン回転速度の平均値Ni-
1AVEを算出する。
【0051】そして、ステップS16で、当該気筒#i
の燃焼後の上記平均値Ni-1AVEから燃焼前の上記平
均値Ni-4AVEを減算し、当該気筒#iの燃焼状態を
判断するための差回転速度TDLN#iを算出し、ステ
ップS17へ進む。
【0052】すなわち、当該気筒#iの燃焼状態が他の
気筒より悪いときには、燃焼前の上記平均値Ni-4AV
Eに対し燃焼後の上記平均値Ni-1AVEが小さい値を
示し、また、当該気筒の燃焼状態が他の気筒より良いと
きには、逆に、燃焼後の平均値Ni-1AVEの方が大き
い値を示す。従って、当該気筒#iの燃焼後の平均値N
i-1AVEから燃焼前の平均値Ni-4AVEを減算して得
た上記差回転速度TDLN#iがプラス値を示すときに
は、当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒より良く、ま
た、マイナス値を示すときには、燃焼状態が他の気筒よ
りも悪いと判断することができる。
【0053】また、燃焼前後においてそれぞれ連続した
3区間のエンジン回転速度平均値を採用することで、燃
焼状態検出対象気筒#iの燃焼状態を表す差回転速度T
DLN#iに、他気筒の燃焼変動の影響が含まれるのを
確実に抑制することが可能となり、各気筒の燃焼状態の
検出精度が向上される。
【0054】尚、本実施の形態においては、上記差回転
速度TDLN#iを後述するステップS18で加重平均
処理した平均差回転速度TDLNA#iに基づき後述す
る燃焼状態判別及び燃料噴射パルス幅設定ルーチンにお
いて当該気筒#iに対する燃焼状態を判断する。
【0055】ここで、本ルーチンによる燃焼状態検出対
象気筒について詳述すると、図9に示すように、各気筒
#1,#3,#2,#4の圧縮上死点前の燃焼による仕
事をしていない区間のエンジン回転速度をN1,N3,
N2,N4とし、図中に太矢印で示すように、#1気筒
のBTDC97°CAのθ1クランクパルス入力により本
ルーチンが実行されたとき、#1気筒は圧縮行程にあ
り、当該#1気筒が燃焼状態検出対象気筒となる。すな
わち、#1気筒の前回燃焼行程による燃焼状態を表す差
回転速度TDLN#1をここで算出することになる。従
って、このとき最新の燃焼による仕事をしていない区間
のエンジン回転速度NiがN4に対応し、1区間前から
5区間前までの各区間のエンジン回転速度Ni-1〜Ni
-5は、N2,N3,N1,N4,N2に対応する。
【0056】そして、#1気筒の前回燃焼行程による燃
焼前の回転速度平均値Ni-4AVEとして4区間前のエ
ンジン回転速度N4の前後平均回転速度N4AVE(5
〜3区間前での連続3区間のエンジン回転速度N2,N
4,N1の平均値)を算出し、燃焼後の回転速度平均値
Ni-1AVEとして1区間前のエンジン回転速度N2の
前後平均回転速度N2AVE(2区間前〜最新の連続3
区間のエンジン回転速度N3,N2,N4の平均値)を
算出し、#1気筒の燃焼状態を表す差回転速度TDLN
#1をTDLN#1=N2AVE−N4AVEにより算
出するのである。
【0057】そして、上記ステップS16からステップ
S17へ進むと、次回ルーチン実行時の次気筒に対する
差回転速度の算出に備え、RAM43の所定アドレスに
それぞれストアされている各区間のエンジン回転速度N
i-1〜Ni-5を、Ni-5←Ni-4,Ni-4←Ni-3,N
i-3←Ni-2,Ni-2←Ni-1,Ni-1←Niにより順
次更新する。
【0058】次いで、ステップS18で、上記差回転速
度TDLN#iとRAM43にストアされている該当気
筒#iに対する前回の平均差回転速度TDLNA#i(-
1)とに基づき、該当気筒#iに対する平均差回転速度T
DLNA#iを、次式に示す重みrの加重平均から算出
し、RAM43の所定アドレスにストアする。
【0059】TDLNA#i←{(2r −1)×TDLN
A#i(-1)+TDLN#i}/2r そして、ステップS19で、次回の当該気筒#iに対す
る平均差回転速度の算出に備え、RAM43にストアさ
れている前回の平均差回転速度TDLNA#i(-1)を今
回算出した上記平均差回転速度TDLNA#iにより更
新し、ルーチンを抜ける。
【0060】そして、上述のように加重平均処理した平
均差回転速度TDLNA#iが図4及び図5に示す燃焼
状態判別及び燃料噴射パルス幅設定ルーチンにおいて用
いられ、当該気筒#iに対する燃焼状態が判断されて、
この燃焼状態判別結果に応じて燃焼噴射量を補正するた
めの無効噴射補正パルス幅Ts#i、及び点火時期を補
正するための点火時期補正学習値LADV#iが修正さ
れる。
【0061】このように本実施の形態では、燃焼状態検
出対象気筒#iの燃焼後3区間連続の燃焼による仕事を
していない区間のエンジン回転速度の平均値から燃焼前
の3区間連続の燃焼による仕事をしていない区間のエン
ジン回転速度の平均値を減算して得た差回転速度を、さ
らに加重平均処理し、その値に基づいて当該気筒#iの
燃焼状態を判断するようにしているため、一時的な燃焼
変動の影響を受けることなく、一時的な燃焼変動による
上記無効噴射補正パルス幅Ts#i及び点火時期を補正
するための点火時期補正学習値LADV#iの誤修正が
防止され、燃料噴射制御及び点火時期制御における制御
性が向上する。
【0062】一方、上記ステップS12において、車速
S≠0或いはアイドルスイッチ9bがOFFの非アイド
ル時には、ステップS20へ分岐し、アイドル運転への
移行に備え、RAM43にストアされている各区間のエ
ンジン回転速度Ni-1〜Ni-5を燃焼による仕事をして
いない区間の最新のエンジン回転速度Niで更新すると
共に、ステップS21で平均差回転速度TDLNA#i
(-1)をクリアしてルーチンを抜ける。
【0063】次に、図4及び図5に示す燃焼状態判別及
び燃料噴射パルス幅設定ルーチンについて説明する。
【0064】ところで、燃焼状態に応じ燃料噴射量を補
正するための上記無効噴射補正パルス幅Ts#i及び点
火時期を補正するための点火時期補正学習値LADV#
iは各気筒毎に対応してバックアップRAM44にスト
アされる。このため、車両の修理等によりバッテリ52
が外されて、バックアップRAM44にストアされてい
る気筒毎の無効噴射補正パルス幅Ts#i及び点火時期
補正学習値LADV#iの各データが壊れて無意味な値
になることがある。よって、イニシャライズ時に、バッ
テリ52が外されたかを検出するために、通常バックア
ップRAM44の特定アドレスに決められた定数をスト
アしておき、この定数が壊れているかをROM42の特
定アドレスにストアされている基準値(バックアップR
AMにストアされている定数が壊れていない場合には、
定数と基準値とが同一の値)と比較して判別し、定数が
壊れている場合には、バッテリ52が外されてバックア
ップRAM44にストアされている各データ値が壊れて
いると判断し、気筒毎の無効噴射補正パルス幅Ts#i
をTS /n(TS :例えば、バッテリ電圧14V時の各
気筒の無効噴射パルス幅の合計値ΣTS 、n:気筒数、
4気筒エンジンの場合n=4、TS /nの値はROM4
2に予めストアされている。)に、また各気筒毎の点火
時期補正学習値LADV#iを0にイニシャルセット
し、上述のバックアップRAM44の特定アドレスにス
トアされている定数を上記基準値により再設定する。そ
して、次回の起動時にバックアップRAM44の定数が
壊れていない場合には、無効噴射補正パルス幅Ts#
i、点火時期補正学習値LADV#iのイニシャルセッ
トは行わない。
【0065】通常は以下の処理を制御プログラムに従っ
て、所定演算周期毎に繰り返し実行する。
【0066】先ず、ステップS31で、各センサ、スイ
ッチからの出力信号によるエンジン運転状態を読込み、
ステップS32で、現在の気筒判別データ(前述のエン
ジン回転速度算出ルーチンにおけるステップS1におい
てクランクパルス入力毎に気筒判別が行われている)に
基づき燃料噴射対象気筒#iを判別する。
【0067】次いで、ステップS33へ進み、最新のエ
ンジン回転数Nと吸入空気量センサ8からの出力信号に
基づく吸入空気流量Qとから基本燃料噴射パルス幅(基
本燃料噴射量)Tpを算出する(Tp←K×Q/N;K
…インジェクタ特性補正定数)。
【0068】そして、ステップS34で、O2 センサ2
6の出力信号に基づき空燃比フィードバック補正係数α
を設定すると共に、水温センサ24による水温に基づく
水温増量係数、スロットル開度センサ9aの出力値に基
づく加減速補正係数等の各種増量係数COEFを設定
し、ステップS35へ進み、現運転状態がアイドル運転
時か否かを判断する。
【0069】非アイドル運転時にはステップS35から
ステップS53へ分岐して、インジェクタ14の無効噴
射時間を補間する電圧補正係数TS をバッテリ電圧に基
づき設定して、ステップS54へ進み、当該燃料噴射対
象気筒#iに対する燃料噴射量を定める燃料噴射パルス
幅Tiを従来通り算出し(Ti←Tp×α×COEF+
TS )、ステップS43へ進み、上記燃料噴射パルス幅
Tiをセットしてルーチンを抜ける。
【0070】その結果、燃料噴射パルス幅Tiの駆動パ
ルス信号が所定のタイミングで該当気筒#iのインジェ
クタ14に出力されて燃料噴射パルス幅Tiに相応する
量の燃料がインジェクタ14から噴射されて該当気筒#
iに供給される。
【0071】一方、アイドル運転時には、上記ステップ
S35からステップS36へ進み、ステップS36乃至
ステップS52の処理により、該当気筒#iの燃料状態
を上述の平均差回転速度TDLNA#iにより判断し、
当該気筒#iの燃焼状態に応じて燃料噴射量を補正する
ための無効噴射補正パルス幅Ts#i、及び点火時期を
補正するための点火時期補正学習値LADV#iを修正
することで、各気筒の燃焼状態を均一化させ、アイドル
回転を平滑化する。
【0072】先ず、ステップS36で、バックアップR
AM44にストアされている当該気筒#iの無効噴射補
正パルス幅Ts#iを読出し、ステップS37,S38
で、この無効噴射補正パルス幅Ts#iが、許容範囲に
収まっているかを判断する。先ず、ステップS37で
は、この無効噴射補正パルス幅Ts#iが予め設定した
上限値TsLIMHよりも低いかを判断する。そして、Ts
LIMH>Ts#iのときは、無効噴射補正パルス幅Ts#
iの上限側の補正に余裕があると判断して、ステップS
38へ進み、また、TsLIMH≦Ts#iのときには、無
効噴射補正パルス幅Ts#iが上限値に達しているた
め、ステップS44へ分岐して、当該燃料噴射対象気筒
N#iに対する点火時期補正学習値LADV#iを進角
側に修正する(詳細については後述する)。
【0073】上記ステップS38では、上記無効噴射補
正パルス幅Ts#iが予め設定した下限値TsLIMLより
も高いかを判断し、TsLIML<Ts#iのときは、当該
気筒#iの無効噴射補正パルス幅Ts#iが許容範囲に
収まっていると判断してステップS39へ進み、また、
TsLIML≧Ts#iのときは、上記無効噴射補正パルス
幅Ts#iが下限値に達していると判断してステップS
48へ分岐し、当該燃料噴射対象気筒#iに対する点火
時期補正学習値LADV#iを遅角側に修正する(詳細
については後述する)。
【0074】なお、上記許容値TsLIMH,TsLIMLは、
基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tpを水温増
量、エアコン増量等の各種増量補正係数で補正したとき
に、上記無効噴射補正パルス幅Ts#iを加算しても当
該気筒#iの空燃比がオーバリッチ化したり、或いはオ
ーバリーン化しない限界値として予め実験等から求めて
設定されたものである。
【0075】そして、上記ステップS38からステップ
S39へと進むと、前述のアイドル判定/差回転速度算
出ルーチンにより算出されRAM43にストアされてい
る当該気筒#iに対応する平均差回転速度TDLNA#
iを読出し、ステップS40,S41で、当該気筒#i
における燃焼状態を、この平均差回転速度TDLNA#
iが予め設定した上限値ΔNuと下限値ΔNL とにより
定まる一定の不感帯領域に収まっているか否かにより判
断する。上記上限値ΔNu及び下限値ΔNL は、平均差
回転速度TDLNA#iに基づき当該気筒#iの燃焼状
態を判断するために予め実験等により求めROM42に
固定データとしてストアされるもので、図10に示すよ
うに0を中心値として、それぞれプラス側、マイナス側
に振り分けた値であり、平均差回転速度に対する不感帯
領域を設定する。そして、平均差回転速度TDLNA#
iが図10にハッチングで示す不感帯領域に収まってい
るとき、当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒と均一状態
にあり、平均差回転速度TDLNA#iが上限値ΔNu
よりも大きい値のときには、当該気筒#iの燃焼状態が
他の気筒よりも良すぎる状態であり、平均差回転速度T
DLNA#iが下限値ΔNL よりも小さい値のときに
は、当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒よりも悪すぎる
状態にあることを示す。
【0076】そして、ステップS40で、上記平均差回
転速度TDLNA#iが上限値ΔNuより大きいか否か
により当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒に対し良すぎ
るか否かを判断し、TDLNA#i>ΔNuで燃焼状態
が良すぎると判断される場合には、ステップS47へジ
ャンプし当該気筒#iの無効噴射補正パルス幅Ts#i
を減少させて当該気筒#iの燃料噴射量を減量補正し、
TDLNA#i≦ΔNuのときにはステップS41へ進
み、平均差回転速度TDLNA#iを下限値ΔNL と比
較し、TDLNA#i<ΔNL で当該気筒#iの燃焼状
態が他の気筒より悪すぎるときには、ステップS51へ
ジャンプして当該気筒#iの無効噴射補正パルス幅Ts
#iを増加させて当該気筒#iの燃料噴射量を増量補正
し、TDLNA#i≧ΔNL のとき、すなわち、ΔNu
≧TDLNA#i≧ΔNL で当該気筒#iの平均差回転
速度TDLNA#iが不感帯領域に収まっているときに
は、当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒と均一状態にあ
ると判断して無効噴射補正パルス幅Ts#i及び点火時
期補正のための点火時期補正学習値LADV#iを共に
修正することなく、ステップS42へ進み、上記ステッ
プS33で算出した基本燃料噴射パルス幅Tpに上記ス
テップS34で設定した空燃比フィードバック補正係数
α及び各種増量係数COEFを乗算して空燃比補正する
と共に、上記ステップS36で読出した無効噴射補正パ
ルス幅Ts#i加算して補正し、該当気筒に対するアイ
ドル時の燃料噴射量を定める最終的な燃料噴射パルス幅
Tiを設定する(Ti←Tp×α×COEF+Ts#
i)。そして、ステップS43で、燃料噴射パルス幅T
iをセットしてルーチンを抜ける。
【0077】その結果、燃料噴射パルス幅Tiの駆動パ
ルス信号が所定のタイミングで該当気筒#iのインジェ
クタ14に出力されて燃料噴射パルス幅Tiに相応する
量の燃料がインジェクタ14から噴射され該当気筒#i
に供給される。
【0078】一方、上記ステップS40において、TD
LNA#i>ΔNuで該当気筒#iの燃焼状態が他の気
筒より良すぎると判断される場合には、ステップS47
へジャンプし、当該気筒#iの無効噴射補正パルス幅T
s#iを設定値ΔTs減少させて更新すると共に、他の
気筒#i+1,#i+2,#i+3の無効噴射補正パルス幅T
s#(i+1),Ts#(i+2),Ts#(i+3)を、上記設定値
ΔTsを等分配した値(ΔTs/3)を加算してそれぞ
れ更新する。そして、ステップS52で、全気筒#i,
#i+1,#i+2,#i+3の平均差回転速度TDLNA#
i,TDLNA#(i+1),TDLNA#(i+2),TDLN
A#(i+3)をクリアして、前記ステップS42へ戻り設
定値ΔTs減少された無効噴射補正パルス幅Ts#iを
用いて燃料噴射パルス幅Tiが演算される。
【0079】従って、当該気筒#iの燃焼状態が他の気
筒よりも良すぎるときには、各気筒の燃焼状態が均一化
するよう演算周期毎に設定値ΔTsずつ該当気筒#iに
対する燃料噴射量が減量補正される。さらにこのとき、
当該気筒#iの無効噴射補正パルス幅Ts#iを設定値
ΔTsで減量補正した分、他の気筒#i+1,#i+2,#
i+3の無効噴射補正パルス幅Ts#(i+1),Ts#(i+
2),Ts#(i+3)を、等分配値ΔTs/3で等分配増量
補正しているので、トータル空燃比が変動することなく
空燃比制御性の悪化が防止される。
【0080】尚、上記設定値ΔTsは、後述する設定ク
ランク角度Cで点火時期補正学習値を修正後、この点火
時期補正学習値により点火時期を補正したときの出力変
動量、及び燃料噴射補正による応答特性等を考慮して設
定された値である。
【0081】また、上記ステップS52で全気筒#i,
#i+1,#i+2,#i+3の平均差回転速度TDLNA#
i,TDLNA#(i+1),TDLNA#(i+2),TDLN
A#(i+3)をクリアするのは、この平均差回転速度TD
LNA#iが加重平均によって求められているため、修
正後の上記無効噴射補正パルス幅Ts#i、或いは点火
時期補正学習値LADV#iで当該気筒#iの燃料噴射
量或いは点火時期を適正に補正しても平均差回転速度T
DLNA#iが直ちに許容範囲(ΔNu≧TDLNA#
i≧ΔNL )に収まるとは限らず、全気筒#i,#i+
1,#i+2,#i+3の平均差回転速度TDLNA#i,
TDLNA#(i+1),TDLNA#(i+2),TDLNA#
(i+3)をクリアしないと次回以降の演算サイクルにおい
て燃焼状態の誤判定を生じる虞があるためである。
【0082】そして、当該気筒#iの無効噴射補正パル
ス幅Ts#iを減少修正し、燃料噴射量を減量補正して
も当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒より良すぎるとき
には、順次演算周期毎に設定値ΔTsずつ無効噴射補正
パルス幅Ts#iが減少され、やがて下限値TsLIML以
下となる。従って、このときはステップS38からステ
ップS48へ分岐し、バックアップRAM44にストア
されている当該気筒#iに対する点火時期を補正するた
めの点火時期補正学習値LADV#iを、設定クランク
角度C(例えば、1°CA)を加算した値で更新する。こ
れにより、燃料噴射補正による燃焼状態の均一化が限界
に達したときには、後述する点火時期設定ルーチンにお
いて該当気筒#iの点火時期を設定クランク角度C分遅
角させることで、点火時期補正により各気筒の燃焼状態
を均一化させるのである。
【0083】次いで、ステップS49へ進み、修正後の
上記点火時期補正学習値LADV#iを予め設定した遅
角限界値LmtRTDと比較し、LADV#i<Lmt
RTDのときには、点火時期学習補正値LADV#iが
未だ遅角限界値LmtRTDに達していないと判断して
ステップS51へ進む。また、LADV#i≧LmtR
TDのときには、この点火時期補正学習値LADV#i
が遅角限界値LmtRTDに達したため、ステップS5
0で、バックアップRAM44の所定アドレスにストア
されている点火時期補正学習値LADV#iを遅角限界
値LmtRTDにより更新してステップS51へ進む。
【0084】尚、上記遅角限界値LmtRTD、及び後
述する進角限界値LmtADVは、上記点火時期補正学
習値により点火時期を補正した際に失火を起因しない範
囲で予め実験等から求めROM42に固定データとして
ストアされているものである。
【0085】そして、ステップS51に進み、点火時期
補正学習値LADV#iの増加修正により点火時期を遅
角補正させたことにより、燃料噴射補正による燃焼状態
の均一化を再開させるため、当該気筒#iの無効噴射補
正パルス幅Ts#iを設定値ΔTs増加させて更新する
と共に、他の気筒#i+1,#i+2,#i+3の無効噴射補
正パルス幅Ts#(i+1),Ts#(i+2),Ts#(i+3)
を、上記設定値ΔTsを等分配した値(ΔTs/3)で
減算してそれぞれ更新する。そして前記ステップS5
2,S42,S43を経てルーチンを抜ける。
【0086】従って、当該気筒#iの燃焼状態が他の気
筒よりも良すぎるときには、各気筒の燃焼状態が均一化
するよう演算周期毎に設定値ΔTsずつ該当気筒#iに
対する燃料噴射量が減量補正され、その後も燃焼状態が
良すぎて当該気筒#iの無効噴射補正パルス幅Ts#i
が下限値TsLIMLに達したときには、当該気筒#iの点
火時期を設定クランク角度C分遅角補正させて燃焼状態
の均一化を点火時期補正に移行させ、その後、当該気筒
#iの無効噴射補正パルス幅Ts#iを設定値ΔTs増
加させ、燃料噴射補正による燃焼状態の均一化を再開さ
せるのである。
【0087】また、このとき、当該気筒#iの無効噴射
補正パルス幅Ts#iを設定値ΔTsで増加補正した
分、他の気筒#i+1,#i+2,#i+3の無効噴射補正パ
ルス幅Ts#(i+1),Ts#(i+2),Ts#(i+3)を、等
分配値ΔTs/3で等分配減量補正しているので、この
場合においても、トータル空燃比が変動することなく空
燃比制御性の悪化が防止される。
【0088】一方、前記ステップS41において、TD
LNA#i<ΔNL で該当気筒#iの燃焼状態が他の気
筒より悪すぎると判断される場合には、ステップS41
から上記ステップS51へジャンプし、当該気筒#iの
無効噴射補正パルス幅Ts#iを設定値ΔTs増加させ
て更新すると共に、他の気筒#i+1,#i+2,#i+3の
無効噴射補正パルス幅Ts#(i+1),Ts#(i+2),Ts
#(i+3)を、上記設定値ΔTsを等分配した値(ΔTs
/3)で減算してそれぞれ更新する。そして、前記ステ
ップS52を経て前記ステップS42で、設定値ΔTs
増加された無効噴射補正パルス幅Ts#iを用いて該当
気筒#iの燃料噴射パルス幅Tiが演算される。
【0089】従って、当該気筒#iの燃焼状態が他の気
筒よりも悪すぎるときには、各気筒の燃焼状態が均一化
するよう演算周期毎に設定値ΔTsずつ該当気筒#iに
対する燃料噴射量が増量補正される。
【0090】そして、当該気筒#iの無効噴射補正パル
ス幅Ts#iを増加修正し、燃料噴射量を増量補正して
も当該気筒#iの燃焼状態が他の気筒より悪すぎるとき
には、順次演算周期毎に設定値ΔTsずつ無効噴射補正
パルス幅Ts#iが増加され、やがて上限値TsLIMHに
達する。
【0091】従って、このときは前記ステップS37か
らステップS44へ分岐し、バックアップRAM44に
ストアされている当該気筒#iの点火時期補正学習値L
ADV#iを、設定クランク角度Cだけ減算して更新す
る。これにより、燃料噴射補正による燃焼状態の均一化
が上限に達したときには、後述する点火時期設定ルーチ
ンにおいて該当気筒#iの点火時期を設定クランク角度
C分進角させることで、この場合においても、点火時期
補正により各気筒の燃焼状態を均一化させるのである。
【0092】次いで、ステップS45へ進み、修正後の
上記点火時期補正学習値LADV#iを予め設定した進
角限界値LmtADVと比較し、LADV#i>Lmt
ADVのときには、点火時期学習補正値LADV#iが
未だ進角限界値LmtADVに達していないと判断して
ステップS47へ進む。また、LADV#i≦LmtA
DVのときには、点火時期補正学習値LADV#iが進
角限界値LmtADVに達したため、ステップS46
で、点火時期補正学習値LADV#iを進角限界値Lm
tADVにより更新してステップS47へ進む。
【0093】そして、点火時期補正学習値LADV#i
の減少修正により点火時期を進角補正させたことによ
り、燃料噴射補正による燃焼状態の均一化を再開させる
ため、ステップS47で、当該気筒#iの無効噴射補正
パルス幅Ts#iを設定値ΔTs減少させて更新すると
共に、他の気筒#i+1,#i+2,#i+3の無効噴射補正
パルス幅Ts#(i+1),Ts#(i+2),Ts#(i+3)を、
等分配値ΔTs/3を加算してそれぞれ更新する。そし
て、前記ステップS52,S42,S43を経てルーチ
ンを抜ける。
【0094】従って、当該気筒#iの燃焼状態が他の気
筒よりも悪すぎるときには、各気筒の燃焼状態が均一化
するよう演算周期毎に設定値ΔTsずつ当該気筒#iに
対する燃料噴射量が増量補正され、その後も燃焼状態が
悪すぎて当該気筒#iの無効噴射補正パルス幅Ts#i
が上限値TsLIMHに達したときには、当該気筒#iの点
火時期を設定クランク角度C分進角補正させて燃焼状態
の均一化を点火時期補正に移行させ、その後、当該気筒
#iの無効噴射補正パルス幅Ts#iを設定値ΔTs減
少させ、燃料噴射補正による燃焼状態の均一化を再開さ
せるのである。
【0095】すなわち、点火時期制御は燃料噴射制御に
比し補正効果が大きく、僅かな点火時期補正で体積効率
が大きく変動する。一方、燃料噴射パルス幅を僅かに補
正しても上記点火時期補正ほど大きな補正効果は得られ
ない。従って、点火時期を進角補正したときに燃料減量
補正し、また、点火時期を遅角補正したときに燃料増量
補正することで、気筒毎の燃焼のばらつきをより細密に
制御することができる。また、例えば、燃料増量、或い
は減量補正した結果、無効噴射補正パルス幅Ts#iが
許容限界値TsLIMH,TsLIMLに達した場合でも、点火
時期補正学習値LADV#iを設定クランク角度Cで進
角補正、或いは遅角補正して、体積効率を上昇、或いは
減少した分上記無効噴射補正パルス幅Ts#iを減量、
或いは増量することで、この無効噴射補正パルス幅Ts
#iを許容限界値内(TsLIMH>Ts#i>TsLIML)
に収めることができ、燃料補正を再開することができる
ようになり、アイドル安定化制御がよりワイドレンジ化
される。
【0096】次に、図6に示す点火時期設定ルーチンに
ついて説明する。この点火時期設定ルーチンは所定周期
毎に実行され、先ず、ステップS61で、現在の気筒判
別データに基づき点火対象気筒#iを判別する。
【0097】次いで、ステップS62で、最新のエンジ
ン回転数Nとエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅
Tpとを読込み、ステップS63で、エンジン回転数N
及び基本燃料噴射パルス幅Tpをパラメータとしてテー
ブル参照により基本点火時期θBASEを設定する。尚、本
実施の形態においては上記基本点火時期θBASEは、エン
ジン回転数N及び基本燃料噴射パルス幅Tpをパラメー
タとして予め実験等により最適点火時期を求めROM4
2の一連のアドレスにテーブルとして格納されているも
ので、当該気筒#iにおいてθ2(BTDC65°CA)
を基準としてその何°CA後に点火するのかを定めるもの
である。
【0098】そして、ステップS64で、ノックセンサ
22の出力信号に基づきノックの有無を判断し、ノック
の有無に応じて点火時期を遅角或いは進角補正するノッ
クコントロール値θNKを設定し、ステップS65で、現
在の運転状態がアイドル運転時か否かを判断する。
【0099】非アイドル運転時には、ステップS66へ
進み、上記ステップS63で設定した基本点火時期θBA
SEを上記ノックコントロール値θNKにより補正して点火
時期θIGを算出して(θIG←θBASE+θNK)、ステップ
S69へ進む。
【0100】一方、アイドル運転時には、上記ステップ
S65からステップS67へ進み、バックアップRAM
44にストアされている当該気筒#iの点火時期補正学
習値LADV#iを読出し、ステップS68で、基本点
火時期θBASEを上記ノックコントロール値θNKにより補
正すると共に上記点火時期補正学習値LADV#iによ
り補正して点火時期θIGを算出し(θIG←θBASE+θNK
+LADV#i)、ステップS69へ進む。
【0101】そして、ステップS69で、角度データで
ある点火時期θIGをθ2(BTDC65°CA)のクラン
クパルス入力後何msec 後に当該気筒#iを点火するの
かを定める点火時刻ADVに、最新のエンジン回転周期
fを用いて時間換算し(ADV←θIG×f)、ステップ
S70で、上記点火時刻ADVを該当気筒点火タイマに
セットして、ルーチンを抜ける。
【0102】そして、θ2(BTDC65°CA)のクラ
ンクパルス入力により図7に示す点火ルーチンが実行さ
れ、ステップS71で、該当気筒#iの点火タイマがス
タートされ、点火時刻ADVに達すると該当気筒#iに
対し点火信号を出力しルーチンを抜ける。
【0103】従って、アイドル運転時、前述の燃焼状態
判別/燃料噴射パルス幅設定ルーチンにおいて、当該気
筒#iの燃焼状態に応じ、無効噴射補正パルス幅Ts#
iが修正され、該無効噴射補正パルス幅Ts#iが上限
値或いは下限値に達して、燃料噴射補正による燃焼状態
の均一化が限界に達したときには、該当気筒#iの点火
時期補正学習値LADV#iが修正され、この点火時期
補正学習値LADV#iにより点火時期が補正されて点
火時期補正により各気筒の燃焼状態の均一化が図られる
ことになる。
【0104】以上の燃焼状態に応じた燃料噴射補正及び
点火時期補正について図11のタイムチャートに基づき
説明する。
【0105】例えば、#1気筒の燃焼状態が他の気筒よ
り悪く、平均差回転速度TDLNA#1が下限値ΔNL
よりも低くなると、当該気筒#1の無効噴射補正パルス
幅Ts#1に設定値ΔTsを加算し、#1気筒に対する
燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)Tiを増量補正すると
共に、他の気筒#3,#2,#4の無効噴射補正パルス
幅Ts#3,Ts#2,Ts#4を(ΔTs/3)分だ
け各々減算し、トータル空燃比が変動しないようにす
る。そして、上記平均差回転速度TDLNA#1を、一
旦、クリアすると共に他の気筒の平均差回転速度もクリ
アする(t1)。
【0106】そして、その後も#1気筒の燃焼状態が悪
く、順次、無効噴射補正パルス幅Ts#1が増加修正さ
れ、上記無効噴射補正パルス幅Ts#1が上限値TsLI
MHに達すると、#1気筒の点火時期補正学習値LADV
#1を設定クランク角度Cだけ増加修正して点火時期を
進角補正すると共に、無効噴射補正パルス幅Ts#1を
設定値ΔTsで減算し、燃料噴射パルス幅Tiを減量す
ると共に、他の気筒#3,#2,#4の無効噴射補正パ
ルス幅Ts#3,Ts#2,Ts#4に(ΔTs/3)
を加算し、各気筒の平均差回転速度をクリアする(t
2)。
【0107】その結果、燃料噴射パルス幅Tiの減量分
と、点火時期ADVを進角させたことにより生じる体積
効率の上昇との相乗作用により当該気筒#1の平均差回
転速度TDLNA#1を設定許容範囲に収めることがで
き、各気筒の燃焼状態が均一化してアイドル回転が平滑
化する。
【0108】また、例えば、上記#1気筒の燃焼状態が
他の気筒よりも良すぎて、平均差回転速度TDLNA#
1が上限値ΔNuを越えると、#1気筒の無効噴射補正
パルス幅Ts#1から設定値ΔTsを減算して、燃料噴
射パルス幅Tiを減量補正する。そして、他の気筒#
3,#2,#4の無効噴射補正パルス幅Ts#3,Ts
#2,Ts#4に(ΔTs/3)を加算してトータル空
燃比が変動しないようにし、さらに#1気筒を含め各気
筒の平均差回転速度をクリアする(t3)。
【0109】その後も、#1気筒の燃焼状態が良すぎ、
無効噴射補正パルス幅Ts#1が減少修正され、無効噴
射補正パルス幅Ts#1が下限値TsLIMLに達すると、
当該気筒#1の点火時期補正学習値LADV#1を設定
クランク角度Cだけ増加修正して当該気筒#1の点火時
期を遅角補正すると共に、無効噴射補正パルス幅Ts#
1に設定値ΔTsを加算し、#1気筒に対する燃料噴射
パルス幅Tiを増量補正すると共に、他の気筒#3,#
2,#4の無効噴射補正パルス幅Ts#2,Ts#3,
Ts#4から(ΔTs/3)をそれぞれ減算し、各気筒
の平均差回転速度をクリアする(t4)。
【0110】その結果、燃料噴射パルス幅Tiの増量分
と、点火時期を遅角させたことによる体積効率の低下と
の相乗作用により当該気筒#1の平均差回転速度TDL
NA#1を、同様に許容範囲に収めることができ、この
場合においても、各気筒の燃焼状態が均一化してアイド
ル回転が平滑化する。
【0111】尚、本実施の形態では、エンジン回転状態
量としてエンジン回転速度(エンジン回転数)を用いて
いるが、エンジン回転速度に代えてエンジン回転周期、
エンジン角速度、或いは角加速度を用いるようにしても
良い。また、各気筒の燃焼状態を、加重平均処理した平
均差回転速度TDLNA#iを用いずに差回転速度TD
LN#iが所定の不感帯領域に収まっているかで判断し
ても良い。
【0112】更に、本実施の形態においては、アイドル
安定化制御を燃料噴射量と点火時期との双方で行ってい
るが、この両者の一方のみで行っても良いことは勿論で
ある。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
イドル運転時の燃焼状態検出対象気筒の燃焼状態を、当
該気筒の燃焼前後のそれぞれ連続する複数区間の燃焼に
よる仕事をしていない区間の回転速度の平均値の差が、
設定不感帯領域に収まっているか否かで判断するので、
一時的な燃焼変動の影響を受けることなく、各気筒の燃
焼状態を適確に検出することができ、また、この検出し
た燃焼状態に基づいて当該気筒に対する燃料噴射量、或
いは点火時期の少なくとも一方を補正することで、エン
ジン低回転であっても回転変動の少ない滑らかなアイド
ル性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図。
【図2】エンジン回転速度算出ルーチンを示すフローチ
ャート
【図3】アイドル判定/差回転速度算出ルーチンを示す
フローチャート
【図4】燃焼状態判別/燃料噴射パルス幅設定ルーチン
を示すフローチャート
【図5】燃焼状態判別/燃料噴射パルス幅設定ルーチン
を示すフローチャート(続き)
【図6】点火時期設定ルーチンを示すフローチャート
【図7】点火ルーチンを示すフローチャート
【図8】各気筒内の圧力変動、クランクパルス、カムパ
ルス、及びエンジン回転変動を示すタイミングチャート
【図9】差回転速度算出の概念を示す説明図
【図10】燃焼状態を判断するときの不感帯領域を示す
説明図
【図11】平均差回転に対応した無効噴射補正パルス幅
と点火時期補正学習値との設定状態を示すタイムチャー
【図12】エンジンの全体概略図
【図13】クランクロータとクランク角センサの正面図
【図14】カムロータとカム角センサの正面図
【図15】電子制御装置の回路構成図
【図16】従来例に関し、燃焼状態判別の概念図
【符号の説明】
1 多気筒エンジン 14 インジェクタ 15a 点火プラグ 40 電子制御装置 #i 燃焼状態検出対象気筒 Ni 仕事をしていない区間のエンジン回転速度(エン
ジン回転状態量) TDLN#i 差回転速度(エンジン回転状態量の平均
値の差) TDLNA#i 平均差回転速度 ΔNu 上限値 ΔNL 下限値 Ts#i 無効噴射補正パルス幅 LADV#i 点火時期補正学習値 Ti 燃料噴射パルス幅(燃料噴射量) θIG 点火時期

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各気筒間の燃焼による仕事をしていない区
    間のエンジン回転状態量を検出するエンジン回転状態量
    検出手段と、 運転状態に基づきアイドル運転時か否かを判別するアイ
    ドル運転判別手段と、 アイドル運転時、燃焼状態検出対象気筒の燃焼後におけ
    る複数区間連続の上記エンジン回転状態量の平均値と燃
    焼前における複数区間連続のエンジン回転状態量の平均
    値とをそれぞれ算出し、両平均値の差を算出する平均値
    差算出手段と、 上記両平均値の差が一定の不感帯領域に収まるように次
    サイクル以降の当該気筒に対する燃料噴射量と点火時期
    との少なくとも一方を補正する補正手段とを備えたこと
    を特徴とする多気筒エンジンのアイドル制御装置。
JP28888495A 1995-11-07 1995-11-07 多気筒エンジンのアイドル制御装置 Pending JPH09126035A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7031820B2 (en) 2003-09-30 2006-04-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine controller
US7040284B2 (en) 2004-03-29 2006-05-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine controller

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7031820B2 (en) 2003-09-30 2006-04-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine controller
US7040284B2 (en) 2004-03-29 2006-05-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine controller
CN100395443C (zh) * 2004-03-29 2008-06-18 丰田自动车株式会社 内燃机控制器

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