JPH09119458A - 車両用ディスクブレーキの摩擦パッド支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリパボディをキャリパ支持腕から取外さ
ずに摩擦パッドの交換作業を行う。 【解決手段】 キャリパボティ３のブリッジ部３ａディ
スク周方向両側面に形成したリテーナ係止部３ｂ，３ｂ
にそれぞれリテーナ７をディスク軸方向に抜き差し可能
に係止し、両リテーナ７に摩擦パッド６のディスク外周
側に対向して形成したアーム６ｂ，６ｂを係合し、摩擦
パッド６の両アーム６ｂの対向する端面間の距離Ｌ１
を、両リテーナ係止部３ｂ，３ｂ端面間の距離Ｌ２より
も長くした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ディスクブ
レーキの摩擦パッド支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両用ディスクブレーキでは、近年車両
の軽量化、部品点数の削減等の観点から、車両のナック
ルにキャリパ支持腕を一体的に形成し、このキャリパ支
持腕にキャリパボディをディスク軸方向に移動可能に支
持する、いわゆるダイレクトマウント型ディスクブレー
キがある。

【０００３】このタイプのディスクブレーキでは、実開
平４−１７４５号公報に示されるように、キャリパボテ
ィのブリッジ部ディスク軸方向両側面に形成したリテー
ナ係止部にリテーナを係止し、該リテーナに摩擦パッド
のアームを係合して、摩擦パッドをディスク軸方向に移
動可能に吊持するものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の構造
では、摩擦パッドの交換時にキャリパボディをキャリパ
支持腕から取外さなければならなかった。

【０００５】そこで本発明は、キャリパボディをキャリ
パ支持腕から取外すことなく摩擦パッドの交換が可能な
車両用ディスクブレーキの摩擦パッド支持構造を提供す
ることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、キャリパボティのブリッジ部ディスク
周方向両側面に形成したリテーナ係止部にそれぞれリテ
ーナを係止し、両リテーナに摩擦パッドのディスク外周
側に対向して形成したアームを係合して、摩擦パッドを
ディスク軸方向に移動可能に吊持する車両用ディスクブ
レーキの摩擦パッド支持構造において、前記リテーナを
前記リテーナ係止部にディスク軸方向に抜き差し可能に
係止し、前記摩擦パッドの両アームの対向する端面間の
距離を、前記両リテーナ係止部端面間の距離よりも長く
したことを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態例に基づいて、さらに詳細に説明する。図１及び図
２は本発明の第１実施形態例を示し、車両用ディスクブ
レーキ１は、車両のナックルに対向形成した１対のキャ
リパ支持腕２，２にキャリパボディ３をガイドピン４，
４にてディスク軸方向に移動可能に支持するとともに、
キャリパボディ３のブリッジ部３ａにディスクロータ５
の両側に対向配置された摩擦パッド６，６を支持してい
る。

【０００８】キャリパボディ３は、ブリッジ部３ａのデ
ィスク周方向両側面にリテーナ係止部３ｂ，３ｂを形成
し、該リテーナ係止部３ｂ，３ｂに、断面略コ字状のリ
テーナ７をディスク軸方向に抜き差し可能に係止してい
る。

【０００９】摩擦パッド６は、裏板６ａのディスク外周
側両側部にディスク外周側へ延出する一対のアーム６
ｂ，６ｂを形成し、該アーム６ｂ，６ｂの対向面にリテ
ーナ係合部６ｃをそれぞれコ字状に凹設しており、アー
ム６ｂ，６ｂの対向する端面間の距離Ｌ１を、前記両リ
テーナ係止部３ｂ，３ｂのそれぞれの端面間の距離Ｌ２
よりも長くしている。

【００１０】リテーナ７は、断面略コ字状の開口部側を
リテーナ係止部３ｂに係止して開口部側端面をキャリパ
ボディ３に当接し、閉塞部側のディスク周方向内側面と
リテーナ係止部３ｂの端面との間に間隙を設けて、閉塞
部側の外側面に摩擦パッド６のリテーナ係合部６ｃを係
合して、摩擦パッド６をディスク軸方向に移動可能に支
持している。

【００１１】摩擦パッド６は、ディスク周方向両側面を
キャリパ支持腕２，２の対向面にそれぞれ装着されたガ
イドリテーナ８に当接して、制動トルクをキャリパボデ
ィ支持腕２，２で受けるように配設されている。

【００１２】このように構成された車両用ディスクブレ
ーキ１は、キャリパボディ３のリテーナ係止部３ｂ，３
ｂにリテーナ７がディスク軸方向に抜き差し可能に設け
られ、摩擦パッド６のアーム６ｂ，６ｂの対向する端面
間の距離Ｌ１を、キャリパボディ３の両リテーナ係止部
３ｂ，３ｂのそれぞれの端面間の距離Ｌ２よりも長くし
ているので、キャリパ支持腕２，２からキャリパボディ
３を取外さなくても摩擦パッド６の交換が可能で、作業
性を向上できる。

【００１３】図３は本発明の第２実施形態例を示し、キ
ャリパボディ３のリテーナ係止部３ｂ，３ｂに、ディス
ク軸方向に抜き差し可能なリテーナ１０をビス１１にて
それぞれ取付け、両リテーナ１０に摩擦パッド６のアー
ム６ｂ，６ｂを係合し、リテーナ１０の開口部側端面を
キャリパボディ３に当接し、閉塞部側のディスク周方向
内側面とリテーナ係止部３ｂの端面との間に間隙を設け
て、閉塞部側の外側面に摩擦パッド６のリテーナ係合部
６ｃに当接して、制動トルクをキャリパボディ３で直接
受ける構成とすることにより、キャリパ支持腕２，２の
形状を変更せずにキャリパボディ３を組付けられるか
ら、前記第１実施形態例の効果に加えてコストの低減が
可能となる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用デ
ィスクブレーキの摩擦パッド支持構造は、キャリパボテ
ィのブリッジ部ディスク周方向両側面に形成したリテー
ナ係止部にそれぞれリテーナをディスク軸方向に抜き差
し可能に係止し、両リテーナに摩擦パッドのディスク外
周側に対向して形成したアームを係合し、摩擦パッドの
両アームの対向する端面間の距離を、両リテーナ係止部
端面間の距離よりも長くしたので、キャリパ支持腕から
キャリパボディを取外さなくても摩擦パッドの交換が可
能で、作業性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施形態例を示す図２のＩ−Ｉ
断面図である。

【図２】 同じく車両用ディスクブレーキの平面図であ
る。

【図３】 第２実施形態例を示す断面図である。

【符号の説明】

１…車両用ディスクブレーキ、２…キャリパ支持腕、３
…キャリパボディ、３ａ…キャリパボディ３のブリッジ
部、３ｂ…キャリパボディ３のリテーナ係止部、４…ガ
イドピン、５…ディスクロータ、６…摩擦パッド、６ｂ
…摩擦パッド６のアーム、６ｃ…摩擦パッド６のリテー
ナ係合部、７，１０…リテーナ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャリパボティのブリッジ部ディスク周
   方向両側面に形成したリテーナ係止部にそれぞれリテー
   ナを係止し、両リテーナに摩擦パッドのディスク外周側
   に対向して形成したアームを係合して、摩擦パッドをデ
   ィスク軸方向に移動可能に吊持する車両用ディスクブレ
   ーキの摩擦パッド支持構造において、前記リテーナを前
   記リテーナ係止部にディスク軸方向に抜き差し可能に係
   止し、前記摩擦パッドの両アームの対向する端面間の距
   離を、前記両リテーナ係止部端面間の距離よりも長くし
   たことを特徴とする車両用ディスクブレーキの摩擦パッ
   ド支持構造。