JPH0911039A

JPH0911039A - リーマ

Info

Publication number: JPH0911039A
Application number: JP15650995A
Authority: JP
Inventors: Masaharu Takiguchi; 正治滝口
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1995-06-22
Filing date: 1995-06-22
Publication date: 1997-01-14

Abstract

(57)【要約】【目的】切刃チップのクランプ力を確保して、外周側
切刃の突出量を大きく設定する。【構成】工具本体２の取付座３に切刃チップ１５を装
着し、固定ネジ１８をチップ１５の貫通穴１６に挿通し
て工具本体２に螺合固定する。調整穴１９内に調整ネジ
２０を螺合し、その先端の押圧部２０ａを切刃チップ１
５の内周側側面に当接させる。【効果】調整ネジ２０を押し込めば固定ネジ１８が弾
性変形して外周側切刃１５ｂの移動量が大きくなると共
に、反力でチップのクランプ力が高い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、装着された切刃チップ
の外周側の刃先位置を調整できるようにしたリーマに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のリーマとして、図３乃至
図５に示すようなものがあり、図３はリーマの先端正面
図、図４は図３のＡ−Ａ線断面図、図５は図３のＢ−Ｂ
線断面図である。このリーマ１は、工具本体２の先端外
周側に形成された取付座３に、例えば略長方形板状の切
刃チップ４がその長辺を工具本体２の回転軸線Ｏに沿わ
せるように取り付けられている。切刃チップ４は、装着
状態でその上面４ａの各長辺をなす稜線を外周側切刃４
ｂとされ、上面４ａの各短辺をなす稜線を先端側切刃４
ｃとされて、コーナーチェンジして使用できるようにな
っている。又、上面４ａの中央部には長手方向に沿って
断面略Ｖ字型の凹部５が形成されている。

【０００３】工具本体２は、図４及び図５で示す断面視
で、円の一部が略平面で切り欠かれた形状とされ、その
周側面には、リーマ１の移動と切削をガイドする複数
（図では２つ）のパッド６が周方向に分散して取り付け
られている。又、工具本体２の切り欠かれた部分におい
て、取付座３に隣接する中央側には外周側切刃４ｂに沿
って凹溝７が形成されている。そして、この凹溝７に嵌
合してそのクランプ部９ａで切刃チップ４の凹部５を押
圧する平面視略半月型のクランプ部材９が設けられ、こ
のクランプ部材９と凹溝７部分の工具本体２とを堅固に
嵌合固定するために、頭部のないネジ１０の先端部１０
ａと後端部１０ｂが、それぞれクランプ部材９と工具本
体２の各ネジ穴に螺合されている。しかも、クランプ力
を高めるためにクランプ部９ａは切刃チップ４の上面凹
部５に嵌合している。又、工具本体２の回転軸線Ｏ方向
に沿うネジ１０の前後には、それぞれ切刃チップ４の内
周側切刃４ｂの側面４ｄまで一対の調整穴１２，１２が
穿設され、その後端側（開口側）の領域にはネジが切ら
れている。各調整穴１２，１２はクランプ部材９の上面
に沿って形成されている（図４参照）。この調整穴１
２，１２には、進退することで切刃チップ４の側面４ｄ
を微少量押動する頭部のない調整ネジ１３，１３が螺合
され、その先端側には、チップ３の側面４ｄを先端傾斜
面１３ａで押圧する押圧部１３ｂが挿入されている。

【０００４】このようなリーマ１を用いて下穴の仕上げ
切削をしていて、外周側切刃４ｂが切削によって摩耗し
た場合、切刃４ｂを再研摩することで、再度仕上げ切削
に使用することができる。この場合、再研摩した切刃チ
ップ４を元の位置である着座面３に装着すると、摩耗し
て再研摩した分だけ、工具本体２の外周面に対する外周
側切刃４ｂの突出量が小さくなっている。そこで、調整
ネジ１３，１３を微少量ずつ押し込んでやれば、切刃チ
ップ４がクランプ部材９によるクランプ力に抗して微少
量径方向外側に突出して、外周側切刃４ｂについて所定
の突出量に調整できることになる。又、一対の調整ネジ
１３，１３の押し込み量を変えることで、外周側切刃４
ｂにバックテーパをつけることもできる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような構成を有するリーマ１にあっては、クランプ部材
９によって切刃チップ４を押圧固定する構成であるか
ら、切刃チップ４の上面４ａに、クランプ部９ａが着座
して押圧する凹部５が形成されており、そのためにチッ
プ強度が小さいという欠点がある。又、クランプ部９ａ
が凹部５に嵌合押圧することで、大きなクランプ力を確
保できるが、その分、調整ネジ１３による外周側切刃４
ｂの移動量がごくわずかしか確保できないという欠点も
ある。

【０００６】本発明は、このような課題に鑑みて、切刃
チップを確実に固定できると共に、外周側切刃の径方向
への調整量を従来のリーマより大きくとれるようにした
リーマを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によるリーマは、
工具本体の先端外周側の取付座に切刃チップが装着さ
れ、切刃チップの外周側切刃の突出量を調整し得る調整
部材が、工具本体の調整穴に進退可能に螺合されて、そ
の先端押圧部が切刃チップの内周側側面に当接してなる
リーマにおいて、切刃チップの中央に固定ネジ用の貫通
穴が穿設されていて、この貫通穴を貫挿する固定ネジが
工具本体に螺合されて、切刃チップが固定されているこ
とを特徴とするものである。又、切刃チップの貫通穴は
その上部に拡径されたテーパ部が形成され、このテーパ
部に固定ネジの頭部が当接するようにしてもよい。又、
切刃チップの貫通穴内に固定ネジの軸部が緩く貫挿さ
れ、この固定ネジ頭部と切刃チップとの間にワッシャが
介在するようにしてもよい。

【０００８】

【作用】切刃チップの固定状態で、調整部材で外周側切
刃の突出量を調整しようとする場合、固定ネジが押され
て曲がることで、切刃の突出量を大きく設定でき、しか
も固定ネジで生じる反力で切刃チップのクランプ力が高
い。又、切刃チップの固定時に、固定ネジの頭部がテー
パ部に嵌合して固定され、頭部部分に調整部材による押
圧力と反力がかかる。又、切刃チップはワッシャを介し
て工具本体に堅固に固定され、しかも固定ネジの軸部外
径と切刃チップの貫通穴内径との寸法差だけ余分に移動
可能である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図１及び図
２により説明するが、上述の従来技術と同一又は同様な
部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。図１
は本発明の第一実施例によるリーマ先端部を示すもの
で、（ａ）は正面図、（ｂ）は図（ａ）のＣ−Ｃ線断面
図である。図１において、工具本体２の先端外周部は例
えば断面視円形からほぼ直角の扇型に切り欠かれて、回
転方向を向く壁面が着座面３とされている。この着座面
３上に位置する略長方形板状の切刃チップ１５は上下面
が略平行平板状であり、上面１５ａの長辺に沿って外周
側切刃１５ｂが、短辺に沿って先端側切刃１５ｃがそれ
ぞれ設けられている。しかも、その上下面の中央に固定
ネジ用の貫挿穴１６が穿設され、貫挿穴１６の上面側は
上面に向けて拡径されたテーパ部１６ａとされている。
又、工具本体２の着座面３には固定ネジ穴１７が設けら
れ、切刃チップ１５の貫挿穴１６に挿入された固定ネジ
１８が固定ネジ穴１７に螺合されて、切刃チップ１５が
着座面３に固定されている。そして、固定ネジ１８の頭
部１８ａがテーパ部１６ａに嵌合されている。

【００１０】この切刃チップ１５の内周側長辺の切刃１
５ｂの側面１５ｄには、工具本体２の外周面から一対の
調整穴１９，１９が穿設されている。これら調整穴１
９，１９は、その後端側領域にネジが切られており、図
１（ａ）に示す固定ネジ１８に対して、回転軸線Ｏの前
後方向にほぼ等距離ずれた位置に形成されている。これ
ら調整穴１９，１９は、切刃チップ１５に対して上面１
５ａ方向に所定角度傾斜して径方向に設けられている
（図１（ｂ）参照）。そして、これら調整穴１９，１９
内には、それぞれ頭部のない調整ネジ２０，２０が螺合
されていると共に、各調整ネジ２０の先端側には押圧部
２０ａが挿入され、その先端の押圧面２０ｂはチップ側
面１５ｄに面接触するよう斜めにカットされて平面とさ
れている。

【００１１】本実施例は上述のように構成されているか
ら、切刃チップ１５の外周側切刃１５ｂが切削によって
摩耗した場合、切刃１５ｂを再研摩して再び工具本体２
の着座面３に取り付ける。そして、外周側切刃１５ｂの
工具本体外周に対する突出量が所定の大きさになるよう
調整する。即ち、一対の調整ネジ２０，２０を微少量づ
つ調整穴１９，１９内に押し込むと、切刃チップ１５が
押されて固定ネジ１８の軸部が曲がり、切刃チップ１５
は容易に径方向外周側に突出させられる。この際の外周
側切刃１５ｂの突出量は固定ネジ１８の曲がり具合い即
ち弾性変形量によって決定され、従来技術におけるクラ
ンプ部材を用いた場合より移動量を大きく設定できる。
しかも、調整ネジ２０による切刃チップ１５の移動に関
しては、固定ネジ１８の湾曲で生じて切刃チップ１５に
かかる反力によって、切刃チップ１５に対して大きなク
ランプ力を確保できる。しかも、切刃チップ１５は平行
平板状に形成できるから、凹部を形成する必要がなく、
チップの剛性が高いという利点もある。又、一対の調整
ネジ２０，２０の押し込み量を変えることでバックテー
パをつけることもできる。

【００１２】次に、本発明の第二実施例を図２により説
明する。図２（ａ）はリーマ先端部の正面図、（ｂ）は
図（ａ）のＤ−Ｄ線断面図である。図中、切刃チップ１
５の上下面を貫通する貫通穴２２は円柱型に穿設され、
かつその内径は固定ネジ２３のネジが切られた軸部２３
ａの外径より若干大きく設定されている。固定ネジ２３
の頭部２３ｂは貫通穴２２の内径より大きく形成され、
切刃チップ１５が工具本体２の着座面３に着座し、固定
ネジ２３によってネジ穴１７で螺合固定された状態で、
固定ネジ２３の頭部２３ｂと切刃チップ１５の上面１５
ａとの間にワッシャ２４が介在している。このワッシャ
２４はリング状のものでもよいし、（スリットの入っ
た）スプリングワッシャでもよい。

【００１３】本実施例は上述のような構成を有している
から、固定ネジ２３の軸部２３ａの外径と切刃チップ１
５の貫通穴２２の内径との間に若干の隙間が存在し、こ
の隙間の寸法だけ上述の第一実施例のものよりも、調整
時の切刃チップ１５の径方向移動量（突出量）が大きい
という利点がある。しかも、切刃チップ１５の固定に関
しては、固定ネジ２３によって、ワッシャを介して確実
に固定されている。尚、調整ネジ２０と押圧部２０ａ
は、調整部材を構成するが、調整部材は調整ネジだけで
構成されていてもよく、その場合、調整穴は全長に亘っ
てネジが切られていることになる。

【００１４】

【発明の効果】上述のように、本発明に係るリーマは、
切刃チップの外周側切刃の突出量を調整し得る調整部材
が、工具本体の調整穴に進退可能に螺合されて、その先
端が切刃チップの内周側側面に当接してなるリーマにお
いて、切刃チップの中央に固定ネジ用の貫通穴が穿設さ
れていて、この穴を貫挿する固定ネジが工具本体に螺合
されて、切刃チップが固定されているから、摩耗した外
周側切刃を再研摩して再使用する際、調整部材を微少量
づつ調整穴内に押し込むと、固定ネジの軸部が弾性変形
し、切刃チップは容易に径方向外周側に突出させられ、
従来技術におけるクランプ部材によるクランプの場合よ
り外周側切刃の移動量を大きく設定できる。しかも、調
整部材による切刃チップの移動に関しては、固定ネジの
弾性変形で生じて切刃チップにかかる反力によって、切
刃チップのクランプ力を大きく設定できる。しかも、切
刃チップは平行平板状に形成できるから、チップの剛性
が高いという利点もある。又、切刃チップの貫通穴内に
固定ネジの軸部が緩く貫挿され、該固定ネジ頭部と切刃
チップとの間にワッシャが介在することで、クランプ力
を維持した状態で切刃チップの径方向の突出量をより大
きく設定できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例によるリーマの先端部を示
すもので、（ａ）は正面図、（ｂ）は図（ａ）のＣ−Ｃ
線断面図である。

【図２】本発明の第二実施例によるリーマの先端部を示
すもので、（ａ）は正面図、（ｂ）は図（ａ）のＤ−Ｄ
線断面図である。

【図３】従来のリーマの先端部の正面図である。

【図４】図３に示すリーマのＡ−Ａ線断面図である。

【図５】図３に示すリーマのＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１リーマ２工具本体３着座面１５切刃チップ１５ｂ外周側切刃１６，２２貫通穴１８，２３固定ネジ２０調整ネジ２０ａ押圧部２４ワッシャ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】工具本体の先端外周側の取付座に切刃チ
ップが装着され、切刃チップの外周側切刃の突出量を調
整し得る調整部材が、前記工具本体の調整穴に進退可能
に螺合されて、その先端押圧部が前記切刃チップの内周
側側面に当接してなるリーマにおいて、前記切刃チップの中央に固定ネジ用の貫通穴が穿設され
ていて、該貫通穴を貫挿する固定ネジが前記工具本体に
螺合されて、前記切刃チップが固定されていることを特
徴とするリーマ。
【請求項２】前記切刃チップの貫通穴はその上部に拡
径されたテーパ部が形成され、該テーパ部に前記固定ネ
ジの頭部が当接するようにしたことを特徴とする請求項
１に記載のリーマ。
【請求項３】前記切刃チップの貫通穴内に固定ネジの
軸部が緩く貫挿され、該固定ネジ頭部と切刃チップとの
間にワッシャが介在することを特徴とする請求項１に記
載のリーマ。