JP2001246515A - スローアウェイ式正面フライス - Google Patents

スローアウェイ式正面フライス

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JP2001246515A
JP2001246515A JP2000054808A JP2000054808A JP2001246515A JP 2001246515 A JP2001246515 A JP 2001246515A JP 2000054808 A JP2000054808 A JP 2000054808A JP 2000054808 A JP2000054808 A JP 2000054808A JP 2001246515 A JP2001246515 A JP 2001246515A
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pressing
spring plunger
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JP2000054808A
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English (en)
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Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Akira Kanahoshi
彰 金星
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランプ部材によって押圧されて工具本体1
に取り付けられたチップ5を、調整機構によって工具先
端側に押圧することにより、その正面切刃の触れを調整
可能とした正面フライスにおいて、チップ5を安定して
工具先端側に迫り出して高精度の正面振れ調整を行う。 【解決手段】 軸線回りに回転される工具本体1に形成
されたチップ取付座3に、正面切刃を備えたチップ5を
クサビ6によって着脱可能に取り付け、かつ、チップ5
をクサビ8を介して工具先端側に押圧して上記正面切刃
12の先端側への振れを調整する。そして、クサビ8の
工具先端側の面であって、チップ5を押圧する部分8B
aとは逆側の部分8Fを工具後端側へ押圧するスプリン
グプランジャ21を設け、これにより、クサビ8のがた
つきを防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体に、正面
切刃を備えたスローアウェイチップ(以下、チップと称
する。)が着脱可能に取り付けられるとともに、このチ
ップの正面切刃の先端側への振れを調整する調整機構が
備えられたスローアウェイ式正面フライス(以下、正面
フライスと称する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の正面フライスにおいては、例え
ば円盤状の工具本体の先端部外周に凹部が形成され、こ
の凹部の周方向を向く一方の壁面に、正面切刃が形成さ
れたチップや該チップを先端部に装着したカートリッジ
などのチップ部材が、直接、あるいは平板状のプレート
を介して着座させられて、上記凹部の他方の壁面とこの
壁面に対向する上記チップ部材の側面との間にクサビ等
のクランプ部材を挿入することにより、該チップ部材を
上記一方の壁面側に押圧して取り付けるようにしたもの
が知られている。そして、このような正面フライスにお
いては、こうして取り付けられた各チップ部材の上記正
面切刃の工具先端側への突き出し量、すなわち各切刃の
正面振れをそれぞれ微調整するための調整機構を備えた
ものが種々提案されている。
【0003】このような調整機構の一つとして、工具本
体の上記凹部の工具後端側に該凹部に連通する他の凹部
を形成しておき、この他の凹部に、上記チップ部材の後
端面と他の凹部の工具先端側を向く壁面とに当接可能な
他のクサビを取付ネジでねじ込むなどして挿入し、その
ねじ込み量に応じて上記他のクサビによってチップ部材
を工具先端側に押圧して迫り出させることにより、正面
切刃の振れを調整可能としたものが提案されている。ま
た、他の調整機構の一つとして、同様に上記凹部の工具
後端側に他の凹部を形成しておいて、この他の凹部の工
具先端側を向く壁面に、先端がチップ部材の後端面に当
接可能な調整ネジを工具本体の軸線方向に沿うようにね
じ込んでおき、この調整ネジを回転させて工具先端側に
突出させることにより、やはりチップ部材を工具先端側
に押圧して迫り出させるようにしたものも提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
正面フライスによってより高精度の仕上げ面加工を行う
ような場合には、上記正面切刃の振れについてもより厳
密な管理が求められる。チップ部材を工具先端側へ押圧
して迫り出させる機能を果たす上記クサビや調整ネジに
は、振れ調整の際や加工時にチップ部材を介して過大な
荷重がかかる。したがって、クサビや調整ネジを収納す
る部分に多少の誤差があれば、クサビや調整ネジ自体に
がたつきが生じ、クサビや調整ネジにがたつきが生じる
と、正面切刃の振れについての厳密な管理は期待できな
くなる。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、クランプ部材によって押圧されて工具本体に取
り付けられたチップ部材を、調整機構によって工具先端
側に押圧することにより、その正面切刃の触れを調整可
能とした正面フライスにおいて、該チップ部材を安定し
て工具先端側に迫り出して高精度の正面振れ調整を行う
ことが可能な正面フライスを提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転される略円盤状の工具本体の先端部外周に形成され
た凹部に、工具先端側に突き出す切正面刃を備えたチッ
プ部材が、クランプ部材によってその着座面を上記凹部
側に設けられた取付座面に押圧させられて着脱可能に取
り付けられるとともに、上記工具本体には、上記チップ
部材を押圧部材を介して工具先端側に押圧して上記正面
切刃の先端側への振れを調整する調整機構が備えられた
スローアウェイ式正面フライスにおいて、上記調整機構
の押圧部材のがたつきを防止する防止手段を備えたこと
を特徴とする。従って、調整機構の押圧部材は、振れ調
整中や加工中においてチップ部材から反力を受けるもの
の、押圧部材自体が防止手段によってがたつきを防止さ
れているため、上記反力がたとえ多大な場合でも、該加
工反力によって押圧部材がたつくことはない。この結
果、該押圧部材によってチップ部材の正面切刃の振れを
正確に調整することが可能となる。
【0007】上記防止手段としては、種々ものが採用可
能であるが、上記調整機構の押圧部材の工具先端側の面
であって、上記チップ部材を押圧する部分とは逆側の部
分を工具後端側へ押圧する付勢手段を採用することもで
きる。ここで、通常、調整機構の押圧部材はチップ部材
に対しそれよりも大きく、該押圧部材でチップ部材を押
圧するときには該押圧部材の一部で押圧することとな
る。このため、押圧部材は、片当たりの状態となってチ
ップ部材から偏心した位置に荷重を受けてモーメントが
生じる。しかしながら、上記のように、押圧部材の工具
先端側の面の上記チップ部材を押圧する部分とは逆側の
部分を付勢手段によって押圧しているので、押圧部材の
工具先端側の面は、その両端が、チップ部材からの反力
とスプリングプランジャの押圧力をそれぞれ受けること
となり、モーメントは生じない。
【0008】また、上記付勢手段をスプリングプランジ
ャによって構成し、該スプリングプランジャを、工具本
体の外周側からみて上記チップ部材とは角度をもって工
具先端側に向かうに従い上記チップ部材から離れるよう
に、チップ部材に対し傾斜して配置すれば、該スプリン
グプランジャの押圧力によって調整機構の押圧部材、例
えば、互いに交差する壁面に収納されるクサビ部材を、
それら両壁面に押し付けることができる。つまり、クサ
ビ部材等の押圧部材を互いに交差する両壁面のコーナー
部に押し付けることができ、もって、押圧部材のがたつ
きをより一層防止できる。さらに、上記スプリングプラ
ンジャを、工具本体の外周側からみて上記チップ部材と
平行に配置すれば、押圧部材の工具先端側の面が受け
る、チップ部材からの加工反力とスプリングプランジャ
の押圧力が同じ方向を向くこととなり、押圧部材のがた
つきを防止するにあたってのスプリングプランジャの押
圧力の管理が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の第1
の実施の形態を示すものである。本実施の形態において
工具本体1は、後端側に向かうにしたがい縮径する円錐
台状の円盤型をなし、その中央部には該工具本体1の軸
線Oに沿って取付穴1aが形成されている。この取付穴
1aに、図示せぬ取付ボルトが挿通されて、該取付ボル
トの先端をアダプタにねじ込まれることによって、当該
工具本体1は図示せぬアダプタに取り付けられる。そし
て、工具本体は、アダプタを介して工作機械の主軸頭に
取り付けられ、工具回転方向Tに回転されるようになっ
ている。そして、この工具本体1の先端外周部には、周
方向に等間隔に複数(本実施の形態では8つ)の凹部が
形成されている。この凹部は、チップポケット2,…
と、これらチップポケット2,…の工具回転方向Tの後
方側に形成されたチップ取付座3と、チップポケット2
及びチップ取付座3間に形成された第1の凹所4から成
っている。チップ取付座3にはチップ部材としてのチッ
プ5が取り付けられ、第1の凹所4にはクランプ部材と
してのクサビ6が取り付けられ、さらに、チップ5の工
具後端側の工具本体部分には第2の凹所7が形成され、
ここには振れ調整機構としてのクサビ8が取り付けられ
ている。
【0010】ここで、上記チップ取付座3は、工具回転
方向Tを向く底面3Aと、この底面3Aに対し垂直に形
成されて工具外周側を向く壁面3Bとからなり、チップ
取付座3の工具後端側は上記第2の凹所7と連通されて
いる。上記壁面3Bは、この壁面3Bにチップ5のスラ
イド面とされる側面を密着させた際に、チップ5の正面
切刃12が上記工具本体の軸線Oに直交する面内に位置
するように、正面切刃12の傾斜角度に合わせて、工具
先端側に向かうに従い工具外周側に向かうように傾斜し
て形成されている(図1参照)。また、上記第2の凹所
7の工具先端側を向く壁面7Aの中央及び中央の外方部
分は、チップ取付座3の壁面3Bに対し鈍角を形成する
ように、工具本体1の外方に向かうに従い工具後端側に
向かうように傾斜して形成されている。
【0011】上記チップ5は、図4にも示すように、超
硬合金等の硬質材料により略平板状のチップ本体10が
形成されるとともに、このチップ本体10の一の側面5
Aの先端側略半分が当該チップ5のすくい面5Aaとさ
れ、このすくい面5Aaの一のコーナ部に、ダイヤモン
ドやCBNを主成分とする超高硬度焼結体製の切刃チッ
プ11が、上記すくい面5Aaに面一に接合された構成
とされている。切刃チップ11上のすくい面5Aaの上
記コーナ部側の一の辺稜部に、正面切刃12が形成され
ている。なお、切刃チップ11上には、やはりすくい面
5Aaの辺稜部に、この正面切刃12に凸円弧状のコー
ナ部切刃13を介して該正面切刃12に直交する方向に
外周切刃14が形成されており、またチップ5の正面切
刃12を挟んでこの外周切刃14とは反対側の部分は該
正面切刃12に対して後退させられている。そして、こ
のチップ5の上記一の側面5Aとは反対側の側面は、本
実施の形態におけるチップ部材側の着座面5Bとされて
いる。
【0012】このように構成されたチップ5は、上記一
の側面5Aと着座面5Bとの間にあって上記外周切刃1
4とは反対側に位置する側面5Cを工具内周側に向けて
上記壁面3Bに密着させるとともに、上記第2の凹所7
の壁面7Aとの間に間隔をあけ、上記着座面5Bを取付
座面である上記壁面3Aに対向させてチップ取付座3に
収容され、かつ軸線O方向にはチップ取付座3の壁面3
Bの上記傾斜に沿って摺動可能に装着される。この装着
状態においてチップ5の上記すくい面5Aaは、チップ
取付座3の上記壁面3Aに平行とされ、従って工具先端
側に向かうに従い工具回転方向T側に向けて傾斜させら
れることとなり、これにより上記正面切刃12および外
周切刃14には正のアキシャルレーキ角が与えられるこ
ととなる。
【0013】こうしてチップ取付座3に装着された状態
において上記チップ5のすくい面5Aaが形成される上
記一の側面5Aの該すくい面5Aaとは反対側の部分
(工具後端側)には、側面5C側から外周切刃14側に
向かうに従い緩やかに着座面5B側に向かう傾斜平面が
形成されている。すなわち、この傾斜平面は上記装着状
態においては、工具内周側に向かうに従い工具回転方向
T側に傾斜させられている。
【0014】一方、第1の凹部4の上記工具回転方向T
の後方側を向く壁面4Aは、上記装着状態においてチッ
プ5の上記傾斜平面に対向するように形成され、上記チ
ップ取付座3の壁面3Aに平行とされたクランプ面とさ
れている。従って、このクランプ面となる壁面4Aと上
記チップ5の一の側面5Aの傾斜平面との間には工具内
周側に向けて漸次幅狭となる第1の間隙部が形成される
こととなり、この第1の間隙部にクランプ部材としての
上記クサビ6が挿入されている。
【0015】クサビ6は、上記装着状態においてチップ
5の一の側面5Aの傾斜平面と第1の凹部4のクランプ
面となる側面4Aとにそれぞれ密着可能な一対の側面6
A,6Bを備えたブロック状をなしており、またこれら
の側面6A,6Bの間には、該クサビ6を上記第1の間
隙部に挿入した状態において上記チップ取付座3の壁面
3Bに垂直となるように、クランプネジ孔が貫設されて
いる。これに対して、この第1の間隙部の奥側の壁面4
D部分には、上記クランプネジ孔と同軸となるように、
かつ該クランプネジ孔とは逆向きにねじれるように、ク
ランプネジ孔が形成されている。そして、これらのクラ
ンプネジ孔には、該クランプネジ孔に螺合する雄ネジ部
を両端部にそれぞれ備えたクランプネジ16がねじ込ま
れていて、このクランプネジ16を回転させてクサビ6
を工具内周側に押し込むことにより、チップ5がその一
の側面5Aの傾斜平面を介して上記チップ取付座3の壁
面3Aに垂直に工具回転方向T後方側に押圧され、チッ
プ取付座3内に固定されるようになされている。
【0016】一方、こうして固定されたチップ5の工具
後端側を向く側面5Dと第2の凹所7の工具先端側を向
く上記壁面7Aとの間には、上記第1の間隙部と同じよ
うに工具内周側に向かうに従いこれら側面5Dと壁面7
Aとの間隔が漸次幅狭となる第2の間隙部が画成され、
この第2の間隙部に調整機構としての上記クサビ8が挿
入されている。クサビ8は、上記第2の凹所7の壁面7
Aに対向する傾斜側面8Aと、上記チップ5の側面5D
に対向する押圧面8Baを有するブロック状のものであ
る。押圧面8Baはクサビ8の工具先端側を向く側面8
Bの一部をなすものであり、この側面8Bの被押圧面8
Baとは逆側の部分、つまり側面8Bの工具回転方向T
の後方側の部分は、角部が切り欠かれて傾斜平面8Fが
形成されている。この傾斜平面8Fは、後述するスプリ
ングプランジャ20によって押圧される被押圧部分とな
る箇所である。クサビ8には、側面8A,8Bの間に、
該クサビ8を第2の間隙部に挿入した状態において第2
の凹所7の壁面7Aの外周側の傾斜平面に平行となるよ
うに、調整ネジ孔8Cが貫設されている。なお、この調
整ネジ孔8Cを間にして互いに反対側に位置するクサビ
8の他の一対の側面8D,8Eは、互いに平行かつ側面
8A,8Bに直交するように形成されている(図3参
照)。
【0017】また、図1に示すように、第2の凹所7の
奥側の壁面7B部分には、上記調整ネジ孔8Cと逆向き
にねじれる調整ネジ孔7Cが該調整ネジ孔8Cと同軸と
なるように形成されており、これらの調整ネジ孔7C,
8Cには、該調整ネジ孔7C,8Cにそれぞれ螺合する
雄ネジ部17A,17Bが両端部に形成された調整ネジ
17がねじ込まれている。さらに、第2の凹所7の互い
に対向する、工具回転方向Tを向く壁面7Dと工具回転
方向Tの後方を向く壁面7Eとは、互いに平行に形成さ
れていて、上記クサビ8は、上記他の一対の側面8D,
8Eをこれらの壁面7D,7Eに摺接させて上記第2の
間隙部に挿入されている。
【0018】また、この第1の実施の形態のスローアウ
ェイ式正面フライスでは、チップ5の正面切刃12の先
端側への振れを調整する調整機構の押圧部材であるクサ
ビ8のがたつきを防止する防止手段が設けられている。
防止手段は、装着状態においてクサビ8の工具先端側を
向く側面8Bの一部であってその工具回転方向Tの後方
側の部分に形成された上記傾斜平面8Fを押圧するスプ
リングプランジャ20から構成されている。スプリング
プランジャ20は、外周に雄ネジが形成されたプランジ
ャ基体の先端側に、ボールあるいは有底円筒状部材等の
押圧部材がスプリングを介して先端側へ付勢されてなる
ものである。工具本体1の底面外周部には、図2に示す
ように、ネジ孔21が、工具後端側に向かうに従い工具
回転方向Tに向かいながら工具本体1の外方へも向か
い、しかも、図3に示すように、工具本体1の外周側か
らみて上記チップ5とは角度をもって工具先端側に向か
うに従い上記チップ5から離れるように傾斜した状態で
形成されている。また、このネジ孔21は、図3に示す
ように、工具本体1の外周側からみて、その先端が上記
第2の凹所7を画成する両側壁7A、7Eの交差部分に
指向するように形成されている。そして、このネジ孔2
1に上記スプリングプランジャ20が適宜深さまでねじ
込まれ、そのねじ込み量によって該スプリングプランジ
ャ20によるクサビ8への押圧力を調整できるようにな
っている。
【0019】次に、上記構成のスローアウェイ式正面ス
ライスの作用について説明する。このように構成された
正面フライスにおいて、各凹部3…に取り付けられたチ
ップ5…の正面切刃12…の軸線O方向の位置を合わせ
て振れ調整を行うには、上記調整ネジ17を回転させて
調整機構のクサビ8を第2の間隙部の奥、すなわち工具
内周側に押し込み、これによってチップ5の側面5Dを
押圧してチップ5を工具先端側に迫り出して、すべての
チップ5…の正面切刃12…を軸線Oに直交する一の平
面上に位置させればよい。ここで、本実施の形態におい
ては、チップ取付座3の底面3Aに垂直に工具回転方向
Tの後方側に向かう方向がクランプ部材としてのクサビ
6によるチップ5の押圧方向となり、またチップ取付座
3の互いに垂直な壁面3A,3Bに平行に工具先端側に
向かう方向が調整機構としてのクサビ8によるチップ5
の押圧方向となる。
【0020】上記のように調整機構のクサビ8でチップ
5を工具先端側に迫り出すとき、あるいは、このように
迫り出されたチップ5によって被加工物を加工するとき
に、クサビ8はチップ5の側面5Dと接している押圧面
8Baを介して、チップ5から反力を受ける。ここで、
クサビ8は、内部にネジ孔8Cを有する関係上、チップ
5よりも幅広に形成されており、押圧面8Baは当該ク
サビ8の中心からずれた位置に偏っているため、該押圧
面8Baに上記チップ5から反力を受けるとき、クサビ
8には図3中Zで示すようにモーメントが生じる。しか
しながら、クサビ8は、工具先端側の側面8Bであって
上記押圧面8Baとは逆側の部分8Fをスプリングプラ
ンジャ20によって押圧されているので、このスプリン
グプランジャ20の押圧力がチップ5の反力に対抗する
こととなり、結局、クサビ8にモーメントは生じない。
このため、振れ調整中や加工時にチップ5からの反力が
加わる場合でも、調整機構の押圧部材であるクサビ8の
がたつきを確実に防止できる。この結果、該クサビ8に
よってチップ5の正面切刃12の振れを正確に調整する
ことが可能となる。
【0021】また、本実施の形態では、ねじ孔21を、
工具本体1の外周側からみてチップ5とは角度をもって
工具先端側に向かうに従いチップ5から離れるようにチ
ップ5に対し傾斜して配置し、このネジ孔21に上記ス
プリングプランジャ20をねじ込んでいるので、該スプ
リングプランジャ20の押圧力がチップ5の側面8A,
8Eに対して斜めに作用する。そして、この押圧力によ
って、チップ5を、該チップ5の動きを規制する互いに
交差する両壁面7A、7Eに同時に押し付けることとな
る。この結果、チップ5のがたつきをより一層防止する
ことができる。
【0022】ここで、本実施の形態では、正面切刃の先
端側への振れを調整する、チップ5を押圧する調整機構
の押圧部材としてクサビ8を用いているが、調整部材の
押圧部材はなんらクサビに限られることなく、ネジ部材
であってもよい。また、クランプ部材としてのクサビ6
による押圧方向は上記壁面3Aに垂直な方向とされると
ともに、調整機構としてのクサビ8による押圧方向は、
クサビ6の押圧方向に直交して壁面3A,3Bに平行な
方向とされているが、クランプ部材や調整機構による押
圧方向も、壁面3Aや壁面3Dに対して斜めであった
り、互いに厳密に直交せずともある程度斜交する方向と
されていてもよい。
【0023】<第2の実施の形態>図5ないし図7は、
本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形
態が上記第1の実施の形態と異なるところは、正面切刃
12を有するチップ30、該チップ30の正面切刃の先
端側への振れを調整する調整機構の押圧部材であるクサ
ビ40の各形状、クサビ40を収納する第2の凹所50
の形状、並びに、クサビ40を押圧するスプリングプラ
ンジャ20の配置形態である。なお、この第2の実施の
形態において、チップ30,クサビ40,第2の凹所5
0、及び、スプリングプランジャ20の配置形態以外の
構成は第1の実施の形態と同じであるので、共通する部
分には同一の符号を配して説明を省略する。
【0024】この第2の実施の形態では、チップ30の
工具先端側を向く側面30Dは、正面切刃12と略平行
に形成されている。また、第2の凹所50の工具先端側
を向く壁面50Aは、該第2の凹所50の工具外周側を
向く壁面50Bと工具回転方向Tを向く壁面50Dにそ
れぞれ直交するように形成されている。そして、チップ
30の側面30Dと第2の凹所50の工具先端側を向く
上記壁面50Aとの間には、工具内周側に向かうに従い
これら側面30Dと壁面50Aとの間隔が漸次幅狭とな
る第2の間隙部が画成され、この第2の間隙部に上記ク
サビ40が挿入されている。クサビ40は、上記第2の
凹所50の壁面50Aに対向する側面40Aと、上記チ
ップ30の側面30Dに対向する傾斜押圧面40Baを
有するブロック状のものである。傾斜押圧面40Baは
クサビ40の工具先端側を向く側面30Bの一部をなす
ものであり、この側面30Bの傾斜押圧面40Baとは
逆側の部分、つまり側面30Bの工具回転方向Tの後方
側の部分は、傾斜押圧面と平行に形成された被押圧面4
0Fが形成されている。この傾斜平面40Fは、スプリ
ングプランジャ20によって押圧される部分である。
【0025】クサビ40には、調整ネジ孔40Cが、該
クサビ40を第2の凹所50に挿入した状態において上
記第2の凹所50の上記壁面50Aと平行となるように
貫設されている。また、第2の凹所50の奥側の壁面5
0Bには、上記調整ネジ孔40Cと逆向きにねじれる調
整ネジ孔50Cが該調整ネジ孔40Cと同軸となるよう
に形成されており、これらの調整ネジ孔40C,50C
には、該調整ネジ孔40C,50Cにそれぞれ螺合する
雄ネジ部が両端部に形成された調整ネジ51がねじ込ま
れている。
【0026】スプリングプランジャ20がねじ込まれる
ネジ孔60は、図6に示すように一端を工具本体1の底
面外周部に設けられ、そこから工具後端側に向かうに従
い工具本体1の外方へ離れるように、しかも、図5に示
すように、工具本体1の外周側からみて上記チップ30
と平行になるように配置されている。またさらに、ネジ
孔60は、図7に示すようにクサビ40の被押圧面40
Fと垂直になるように形成されている。そして、このよ
うに形成されたネジ孔21に上記スプリングプランジャ
20が適宜深さまでねじ込まれている。
【0027】上記第2の実施の形態の正面フライスにお
いて、チップ30…の正面切刃12…の軸線O方向の位
置を合わせて振れ調整を行うには、上記調整ネジ51を
回転させて調整機構のクサビ40を第2の凹所50の
奥、すなわち工具内周側に押し込み、これによって上記
側面30Dを押圧してチップ30を工具先端側に迫り出
して、すべてのチップ30…の正面切刃12…を軸線O
に直交する一の平面上に位置させればよい。ここで、こ
の第2の実施の形態においては、上記スプリングプラン
ジャ20を、工具本体1の外周側からみて上記チップ3
0と平行に配置しているので、振れ調整中や加工時にク
サビ40の工具先端側の面である40Baが受けるチッ
プからの反力とスプリングプランジャ20の押圧力が同
じ方向を向くこととなり、この結果、クサビ40のがた
つきを防止するにあたってのスプリングプランジャ20
の押圧力の管理が容易になる。なお、この第2の実施の
形態では、上記スプリングプランジャ20を、工具本体
1の外周側からみて上記チップ30と平行に配置してい
るのは、クサビ40を収納する上記第2の凹所50の工
具回転方向Tの後方を向く壁面50Dのクサビ40への
当接面積を、上記第1の実施の形態の同壁面7Eに比べ
て広くとっており、その分、クサビ50のがたつきを抑
えられるからである。
【0028】上記した各実施の形態では、調整機構の押
圧部材としてのクサビ8のがつきを防止する防止手段と
してスプリングプランジャを用いているが、防止手段
は、必ずしもスプリングプランジャに限られることな
く、例えば、ネジ機構の先端に適宜弾性を有する樹脂材
からなる板材を介在させ、該樹脂製の板材を介してクサ
ビを所定方向に押圧するようにしたものであってもよ
く、要は、調整機構の押圧部材を付勢する付勢手段であ
れば足りる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
調整機構の押圧部材のがたつきを防止する防止手段を備
えているので、調整機構の押圧部材は加工中においてチ
ップ部材から加工反力を受けるものの、押圧部材自体が
防止手段によってがたつきを防止されているため、振れ
調整の際に押圧部材が傾いたりすることがなく、チップ
部材を迫り出すことができるので、正面切刃を軸線方向
において正確に所定の位置に配置して、高精度の振れ調
整を行うことが可能となる。また、加工中において、加
工反力がたとえ多大な場合であって、該加工反力がチッ
プ部材を介して押圧部材に作用しても、押圧部材がたつ
くことはなく、この点においてもチップ部材の正面切刃
の高精度の振れ調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図2】 同第1の実施の形態を工具先端側からみた底
面図である。
【図3】 図1における矢線X方向視の拡大図である。
【図4】 同第1の実施の形態のチップの先端の拡大図
である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態を示す径方向外方
からみた側面図である。
【図6】 同第2の実施の形態の底面図である。
【図7】 同第2の実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
1 工具本体 2 チップポケット(凹部) 3 チップ取付座(凹部) 3A 壁面(取付座面) 4 第1の凹所(凹部) 5 チップ(チップ部材) 5B 着座面 6 クサビ 7 第2の凹所 8 クサビ(調整機構の押圧部材) 12 正面切刃 20 スプリングプランジャ(防止手段、付勢手段) 21 ネジ孔 30 チップ(チップ部材) 40 クサビ(調整機構の押圧部材) 50 第2の凹所
フロントページの続き Fターム(参考) 3C022 HH01 HH07 HH08 HH09 NN01 3C046 EE12 EE17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される略円盤状の工具本
    体の先端部外周に形成された凹部に、工具先端側に突き
    出す切正面刃を備えたチップ部材が、クランプ部材によ
    ってその着座面を上記凹部側に設けられた取付座面に押
    圧させられて着脱可能に取り付けられるとともに、上記
    工具本体には、上記チップ部材を押圧部材を介して工具
    先端側に押圧して上記正面切刃の先端側への振れを調整
    する調整機構が備えられたスローアウェイ式正面フライ
    スにおいて、 上記調整機構の押圧部材のがたつきを防止する防止手段
    を備えたことを特徴とするスローアウェイ式正面フライ
    ス。
  2. 【請求項2】 上記防止手段は、上記押圧部材の工具先
    端側の面であって、上記チップ部材を押圧する部分とは
    逆側の部分を工具後端側へ押圧する付勢手段であること
    を特徴とする請求項1に記載のスローアウェイ式正面フ
    ライス。
  3. 【請求項3】 上記付勢手段はスプリングプランジャで
    あって、該スプリングプランジャは、上記工具本体の外
    周側からみて上記チップ部材とは角度をもって工具先端
    側に向かうに従い上記チップ部材から離れるようにチッ
    プ部材に対し傾斜して配置されていることを特徴とする
    請求項2記載のスローアウェイ式正面フライス。
  4. 【請求項4】 上記付勢手段はスプリングプランジャで
    あって、該スプリングプランジャは、工具本体の外周側
    からみて上記チップ部材と平行に配置されていることを
    特徴とする請求項2に記載のスローアウェイ式正面フラ
    イス。
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Cited By (4)

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