JPH09107506A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JPH09107506A
JPH09107506A JP7263185A JP26318595A JPH09107506A JP H09107506 A JPH09107506 A JP H09107506A JP 7263185 A JP7263185 A JP 7263185A JP 26318595 A JP26318595 A JP 26318595A JP H09107506 A JPH09107506 A JP H09107506A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広ダイナミックレンジと高画質を保ったま
ま、フレームモードにおけるインターライン型CCDの
垂直転送部での電荷の転送効率を向上させる。 【解決手段】 フレームモードで電荷転送パルスV3
最初に高電位VH となってから次の電荷転送が始まるま
での期間(t2 〜t6 )に、半導体基板部の電位Vsub
をレベル2からレベル1に切り換えた後、電荷転送パル
スV1 〜V4 の転送電位VM をレベル2からレベル1に
切り換える。これによって、フィールドモードと同じ転
送効率が得られる。また、先に半導体基板部の電位V
sub を切り換えるので、電荷転送パルスV3 が高電位V
H になることで読み出しが行われなかったラインの画素
は確実に半導体基板部に流れ込むことになって、この電
荷が垂直転送部に漏れこむことによるブルーミングなど
の画質劣化が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCDのような撮
像素子を有する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路技術の向上によるメモリ
ICの小型化、高容量化および低コスト化によって、撮
像素子としてCDD(Charge Coupled Device :電荷結
合素子)を用いたビデオカメラや電子カメラなどのディ
ジタル化された撮像装置が数多く開発され販売されてい
る。また、マルチメディア機器においては、ビデオ信号
に規制されないディジタル画像データが求められてい
る。例えば、ビデオ信号に規制されないデータを扱うよ
うにしたディジタルカメラが実現されている。このよう
なディジタルカメラに使用するCCDなどの撮像素子
は、ビデオ信号に規制されないことから比較的高い自由
度で設計することが可能であるが、製品価格を抑制する
ためにはむしろビデオカメラ用の撮像素子をそのまま使
用する方が好ましい。そこで、ディジタルカメラに使用
したビデオムービーカメラ用撮像素子を、ビデオムービ
ーカメラに使用したときとは異なる方法で駆動すること
によって、より高画質の画像データを得ることが提案さ
れている。
【0003】図9は、ビデオカメラ用CCDとして一般
的なインターライン型CCDの概略構成を示す図であ
る。補色市松色差順次方式の色フィルタ構成で各光電変
換要素(画素)24が配列された光電変換部20は、入
射した光のうち透過した4つの特定波長域の光(Mg,
G,Cy,Ye)から電荷を発生する。垂直転送部(V
CCD)21は、転送ゲート電極25に4つの電荷転送
パルスV1 〜V4 が印加されることによって画素24の
それぞれに蓄えられた電荷を読み出し垂直方向に転送す
る。水平転送部22は、垂直転送部21から転送されて
きた電荷を水平方向に転送する。フローティングディフ
ュージョンアンプ(FDA)23は、水平転送部22か
ら転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する。
【0004】図9に示すように、CCDからの撮像信号
は、1フィールド期間毎に全ラインの画素を走査し、奇
数フィールドと偶数フィールドとで1段ずらした画素ラ
インを垂直転送部21で加算して読み出すフィールドモ
ード(フィールド加算読み出し、または擬似インタレー
ス読み出し)、および1フィールド期間毎に1ラインお
きの画素をインターレース走査して読み出すフレームモ
ードのいずれかのモードによって読み出される。
【0005】図10に、フィールドモードにおいて図9
の転送ゲート電極25に印加される4つの電荷転送パル
スV1 〜V4 のタイムチャートを示す。図10におい
て、電荷転送パルスV1 〜V4 が中間電位VM と低電位
L とを繰り返すことによって電荷が転送される一方
で、電荷転送パルスV1 および電荷転送パルスV3 が同
時に高電位VH (読み出しパルス)になると、奇数ライ
ン(Mg,G)の画素24および偶数ライン(Cy,Y
e)の画素24から垂直転送部21へ蓄積電荷が読み出
される。以後、1フィールド期間(1V)ごとに電荷転
送パルスV1 および電荷転送パルスV3 が同時に高電位
H になり、全画素24から垂直転送部21への撮像信
号の読み出しが行われる。このフィールドモードでは、
上下の画素に蓄積された電荷が加算されるためにフレー
ムモードに比べて垂直解像度が半分程度に減少する。
【0006】図11に、フレームモードにおいて図9の
転送ゲート電極25に印加される4つの電荷転送パルス
1 〜V4 のタイムチャートを示す。図11において、
電荷転送パルスV1 〜V4 が中間電位VM と低電位VL
とを繰り返すことによって電荷が転送される一方で、電
荷転送パルスV1 が高電位VH (読み出しパルス)にな
ると、奇数ライン(Mg,G)の画素24から垂直転送
部21へ蓄積電荷が読み出される。次に、1フィールド
期間経過後に、電荷転送パルスV3 が高電位V H (読み
出しパルス)になると、偶数ライン(Cy,Ye)の画
素24から垂直転送部21へ蓄積電荷が読み出される。
以後、1フィールド期間ごとに電荷転送パルスV1 およ
び電荷転送パルスV3 が交互に高電位VH になり、画素
24から垂直転送部21への読み出しが行われる。
【0007】以上説明したような、汎用的なビデオカメ
ラ用のCCDは、フィールドモードでの駆動を前提とし
ているため、フィールドモードで最適となるようにダイ
ナミックレンジが設定されている。従って、このような
CCDを用いてフレーム読み出しを行うと、垂直転送部
21の容量を有効に生かせないために、CCDのダイナ
ミックレンジがフィールド読み出しのときよりも狭くな
ってしまう。つまり、画素24の1個分の最大電荷蓄積
容量が垂直転送部21の転送ゲート電極25の1段分の
最大電荷蓄積容量よりも小さいために、フレームモード
では転送ゲート電極25部分よりも先に画素24部分の
電荷が飽和してしまい、フィールドモードよりも飽和レ
ベルが低くなる。
【0008】このように、汎用CCDでは、2画素分の
ダイナミックレンジに対して転送ゲート電極25の1段
分のダイナミックレンジが対応しているので、フレーム
モードにおいてフィールドモードと同等のダイナミック
レンジを確保することができず、ダイナミックレンジが
ほぼ半減してしまう。そのため、特に、垂直高解像度を
実現するためにフレーム読み出しを行い静止画像を記憶
する電子カメラでは、ダイナミックレンジの減少によっ
て画質が劣化してしまう。例えば、コントラストの高い
被写体を撮像すると、信号が飽和して高彩度部分が変色
したり、高輝度部分のコントラストが消失したりする。
また、最近、全画素を加算せずに1フィールド期間毎に
同時に読み出すことのできるCCDが開発されてきてい
る。このようなCCDでは上下の画素からの電荷が加算
されず且つ1フィールド期間毎に全画素が読み出される
ので、垂直解像度の低下やダイナミックレンジの減少と
いう問題が生じないが、かなり高価であるために安価な
撮像装置に用いることができない。
【0009】一方、不要な蓄積電荷をシリコン基板に掃
き捨てることのできる縦形オーバーフロードレイン(V
OD:Vertical Overflow Drain )構造を採用すること
によって、CCDを高感度化、広ダイナミックレンジ化
することが最近の主流になっている。図12に示す画素
24の基板深さ方向のポテンシャル図により、VOD構
造でシリコン基板に不要な蓄積電荷を掃き捨てる原理を
説明する。図12において、CCD受光面から入射した
光線により画素で発生した電荷は、受光面下部のシリコ
ン基板の電位Vsub によって規定されるポテンシャル障
壁内に蓄積される。ここで、シリコン基板の電位Vsub
が高いほどポテンシャル障壁のレベルは低くなり(レベ
ル1)、シリコン基板の電位Vsub が低いほどポテンシ
ャル障壁のレベルは高くなる(レベル2)。そこで、シ
リコン基板の電位Vsub をVsub(2) からVsub (1) に
することによって、不要な蓄積電荷をシリコン基板に掃
き捨てることが可能になる。これを応用することによっ
て、シリコン基板の電位V sub の制御によって電荷蓄積
のオン・オフを規定する電子シャッタを設けることがで
きる。
【0010】このように、基板電位Vsub の高低によっ
て画素に蓄積される電荷量が変化することに注目し、フ
レームモードでの基板電位Vsub をフィールドモードよ
りも低くすることで、フレームモードにおける画素の最
大蓄積電荷量を増加させ、ダイナミックレンジを拡大す
ることができる。つまり、フィールドモードでVsub(1)
であった基板電位をフレームモードでVsub (2) (V
sub (1) >Vsub (2))とすることで、ポテンシャル障
壁に蓄積される電荷量、すなわちダイナミックレンジが
拡大する。これによって、フレームモードでの光電変換
部20と垂直転送部21との電荷飽和レベルのバランス
が良くなって、トータルとしてCCDのダイナミックレ
ンジを向上させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにフ
レームモードでの基板電位Vsub をフィールドモードよ
りも低くした場合、高輝度被写体を撮像した際に画素2
4に蓄積された電荷が電荷蓄積期間であるにもかかわら
ず垂直転送部21へ漏れこんでしまい、ブルーミングな
どの弊害が生じてしまう。そこで、本出願人は、この問
題を解決するために、基板電位Vsub だけでなく転送ゲ
ート電極25の電荷転送パルスV1 〜V4の中間電位V
M のレベルを各モード毎に切り換え可能とし、フレーム
モードでの中間電位VM のレベルをフィールドモードに
比べて低い電位に設定することによって、各画素24の
電荷蓄積容量を拡大し且つ蓄積電荷が垂直転送部21へ
漏れこまないようする発明を提案し、既に出願した(特
願平6−137318号、平成6年6月20日出願)。
これを図13で簡単に説明する。
【0012】図13は、図9に示すようなCCDの光電
変換部20および垂直転送部21の水平方向のポテンシ
ャル図である。図13において、フレームモードでの電
荷転送パルスV1 〜V4 の中間電位VM のレベルをVM
(2) とし、フィールドモードでの電荷転送パルスV1
4 の中間電位VM のレベルをVM (1) (VM (1) >V
M (2) )とした。2つのモードでの中間電位VM のレベ
ルをこのように設定することにより、光電変換部20と
垂直転送部21との境界にあるポテンシャル障壁がフィ
ールドモードよりもフレームモードで高くなる。従っ
て、フレームモードでの電荷蓄積容量のレベル(レベル
2)がフィールドモードでの電荷蓄積容量のレベル(レ
ベル1)よりも高くなるので、上記のように基板電位V
sub を変更しても、フレームモードにおける蓄積電荷の
垂直転送部21への漏れこみを防止することができ、結
果としてブルーミングなどの弊害が抑制される。
【0013】しかしながら、たとえフィールドモードよ
りもフレームモードで電荷転送パルスV1 〜V4 の中間
電位VM および基板電位Vsub が低くなるようにしたと
しても、中間電位VM が低くなることによって中間電位
M と低電位VL との電位差が小さくなるために、フレ
ームモードにおける垂直転送部21での電荷の転送効率
が低下してしまう。この転送効率の低下によって、画質
が劣化するという問題が生じていた。
【0014】なお、電荷転送パルスV1 〜V4 の中間電
位VM のレベルだけでなく、低電位VL のレベルについ
てもフレームモードでフィールドモードよりも低くする
ことによって、垂直転送部21の電荷転送効率の低下を
防止することも考えられる。しかし、この場合、各レベ
ル設定用の回路の規模が大きくなってしまい、安価で小
型の撮像装置を得ることができないという問題、および
低電位VL の最低電位を設定しなければならないために
撮像素子自体の設計見直しが必要になって汎用の安価な
撮像素子が使用できなくなってしまうという問題が生じ
ていた。
【0015】そこで、本発明の目的は、静止画像を撮像
するフレームモードにおいてフィールドモードと同程度
に広いダイナミックレンジを有し、ブルーミングなどの
弊害が生じず、且つ電荷の転送効率の高い安価な撮像装
置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の撮像装置は、半導体基板部の上に形成さ
れた複数の光電変換要素からなる光電変換部と、前記光
電変換部からの電荷を一方向に転送する垂直転送部と、
前記垂直転送部からの電荷を前記一方向と交差する方向
に転送する水平転送部とからなるインターライン型CC
D撮像素子を有する撮像装置であって、前記撮像素子
が、1フィールド期間ごとに水平方向の全ラインの前記
光電変換要素を走査して上下2ラインを加算して読み出
すフィールドモードと、1フィールド期間ごとに水平方
向の1ラインおきの前記光電変換要素をインターレース
走査して読み出すフレームモードとの2つのモードで駆
動され、前記垂直転送部には、前記光電変換要素から前
記垂直転送部へ電荷を読み出すための読み出し電位VH
と、電荷を垂直方向に順次転送するための転送電位
M 、VL (VH >VM >VL )とを有する電荷転送パ
ルスが印加される撮像装置において、前記フレームモー
ドでの前記半導体基板部の電位Vsub が、前記フレーム
モードで前記電荷転送パルスが最初に前記読み出し電位
H となってからその後に前記垂直転送部内での電荷の
転送が始まるまでの期間内の第1の所定時刻において、
前記フィールドモードでの前記半導体基板部の電位V
sub (1) よりも低い電位Vsub (2) からこれよりも高い
電位に切り換えられ、前記フレームモードでの前記転送
電位VM が、前記フレームモードで前記電荷転送パルス
が最初に前記読み出し電位VH となってからその後に前
記垂直転送部内での電荷の転送が始まるまでの期間内の
前記第1の所定時刻よりも後の第2の所定時刻におい
て、前記フィールドモードでの前記転送電位VM (1) よ
りも低い電位VM (2) からこれよりも高い電位に切り換
えられるように構成されている。
【0017】請求項2の撮像装置は、前記フレームモー
ドの前記第1の所定時刻以降の前記半導体基板部の電位
sub が、前記フィールドモードでの前記半導体基板部
の電位Vsub (1) に等しい値である。
【0018】請求項3の撮像装置は、前記フレームモー
ドでの前記第2の所定時刻以降の前記転送電位VM が、
前記フィールドモードでの前記転送電位VM (1) に等し
い値である。
【0019】請求項4の撮像装置は、前記フレームモー
ドにおいて、前記撮像素子を所定時間露光してから、前
記電荷転送パルスを最初に前記読み出し電位VH とする
前に前記撮像素子への光線を前記撮像素子の前段に設け
た遮光手段で遮光するように構成されている。
【0020】請求項5の撮像装置は、前記フレームモー
ドで最初に前記読み出し電位VH が印加されるのは、前
記光電変換要素のうちの蓄積電荷が飽和する頻度が高い
前記光電変換要素が水平方向に配列されたラインであ
る。
【0021】請求項6の撮像装置は、前記フィールドモ
ードでの撮像を所定期間行った後に前記フレームモード
での撮像を行うように構成されている。
【0022】請求項7の撮像装置は、前記フィールドモ
ードで得られた撮像信号をファインダに供給するととも
に、前記フレームモードで得られた撮像信号を記録媒体
に記録するように構成されている。
【0023】請求項8の撮像装置は、前記撮像素子が縦
形オーバーフロードレイン構造を有している。
【0024】請求項9の撮像装置は、前記フレームモー
ドでの駆動を連続して行うことによって得られた一連の
撮像信号を記録媒体に連続して記憶させることができる
ように構成されている。
【0025】請求項1の発明によると、フレームモード
で電荷転送パルスが最初に読み出し電位VH となってか
ら、半導体基板部の電位Vsub および転送電位VM をフ
ィールドモードよりも低い電位からこれよりも高い電位
に切り換えるようにしたので、光電変換要素で発生した
蓄積電荷が半導体基板部に逃げることを防止でき、フレ
ームモードでのダイナミックレンジの低下を抑制するこ
とができる。また、垂直転送部内での電荷の転送が始ま
るまでに、転送電位VM をフィールドモードよりも低い
電位からこれよりも高い電位に切り換えるようにしたの
で、垂直転送部での電荷の転送効率が低下することがな
く、画質の劣化も生じない。また、半導体基板部の電位
sub の電位を切り換えてから転送電位VM を切り換え
るようにしたので、読み出しの行われなかったラインの
光電変換要素で発生した蓄積電荷が垂直転送部に漏れこ
むことなく確実に半導体基板部に流れこむ。従って、読
み出しの行われたラインの光電変換要素からの電荷と読
み出しの行われなかったラインの光電変換要素からの電
荷とが垂直転送部において混合されることがなくなるの
で、特に高輝度被写体およびその周辺に偽輪郭が生じた
り、ブルーミングによる疑似信号が生じて画質が低下す
ることがなくなる。
【0026】請求項2の発明によると、多数の電位を設
定するための回路を設ける必要がなくなる。
【0027】請求項3の発明によると、フレームモード
とフィールドモードとで等しい転送効率を得ることがで
きるとともに、多数の電位を設定するための回路を設け
る必要がなくなる。
【0028】請求項4の発明によると、撮像素子を所定
時間露光してから電荷転送パルスを最初に読み出し電位
H とする前に撮像素子への光線を遮光手段で遮光する
ようにしたので、余計な電荷が光電変換要素で発生する
ことがなくなる。従って、さらに画質を向上させること
ができる。
【0029】請求項5の発明によると、光電変換要素の
うちの蓄積電荷が飽和する頻度が高い光電変換要素が水
平方向に配列されたラインがフレームモードで最初に読
み出されるので、この後転送電位VM が第2の所定時刻
以降において高く設定されても、このラインおよび他方
のラインの光電変換要素から蓄積電荷が垂直転送部に漏
れこんでしまうことがほとんどなく、撮像された画像に
悪影響が生じる可能性がきわめて低い。
【0030】請求項6の発明によると、フィールドモー
ドでの撮像を所定期間行った後にフレームモードでの撮
像を行うので、最もよいタイミングでフレームモードで
の撮像を行うことができる。
【0031】請求項7の発明によると、フィールドモー
ドで得られた撮像信号をファインダに供給するととも
に、フレームモードで得られた撮像信号を記録媒体に記
録するので、高解像度の静止画像を最もよいタイミング
で記録媒体に記録することができる。
【0032】請求項8の発明によると、撮像素子が縦形
オーバーフロードレイン構造を有しているので、電荷を
光電変換要素から半導体基板部へ効率よく抜き取ること
ができる。
【0033】請求項9の発明によると、フレームモード
での駆動を連続して行うことによって得られた一連の撮
像信号を記録媒体に連続して記憶させることができるの
で、連写撮影を容易に行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態につき図
面を参照して説明する。
【0035】図1は、本発明の第1実施形態のディジタ
ルカメラの概略構成を示すブロック図である。図1にお
いて、光学レンズ31は、被写体からの光を撮像素子3
3の撮像面に結像する。シャッタ32は、機械的なもの
であり、撮像素子33に入射する光線の入射時間を制御
する。撮像素子33は、図9に示すような補色市松色差
順次方式の色フィルタ構成で配列されたインターライン
型CDDであり、被写体からの光の光信号を電気信号に
変換する。タイミング信号発生回路(TG)34は、撮
像素子33を動作させるために必要なタイミング信号を
発生する。駆動電圧設定回路35は、撮像素子33を駆
動するための駆動電圧を発生する。撮像素子駆動回路3
6は、タイミング信号発生回路34からの信号を撮像素
子33の駆動に必要なレベルに増幅する。
【0036】前置処理回路37は、内部に撮像素子33
の出力ノイズ除去のためのCDS(相関2重サンプリン
グ)回路やAGC(自動利得制御)回路を含む回路であ
る。A/D変換器38は、前置処理回路37から出力さ
れるアナログ信号をディジタル信号に変換する。撮像信
号処理回路39は、ディジタル化された信号を撮像信号
処理する。記録媒体インターフェイス(I/F)41
は、記録媒体40に記録のための信号を送る。操作部4
2は、カメラの撮像開始や撮像素子33の読み出しモー
ドを撮影者が制御するためのものである。設定切換回路
43は、操作部42によって設定された撮像素子33の
読み出しモードに応じて、基板電位Vsubおよび電荷転
送パルスV1 〜V4 の中間電位VM を切り換えるための
制御信号と、タイミング信号発生回路34の信号タイミ
ングの設定のための信号を出力する。EVF(ビューフ
ァインダ)44は、撮像信号処理回路39からの画像信
号をディスプレイに表示する。バスコントローラ45
は、ディジタル信号を一時記憶するバッファメモリ46
とのデータの送受を行う。
【0037】次に、撮像素子33の構造について、図2
および図3を参照して説明する。図3は、図9のCCD
の部分拡大図であり、図2(a)は、図3のI−I線で
の断面図である。図2(a)には、1つの光電変換要素
(画素)24と、これに隣接する垂直転送部(VCC
D)21とが示されており、N型シリコン基板71上の
画素24部分には、下方から、P- 層72、P- 層72
とともにフォトダイオード(PD)を構成するN層7
3、P +層74およびシリコン酸化膜75が順次形成さ
れている。また、N型シリコン基板71上の垂直転送部
21部分には、下方から、P- 層72、P層76、信号
電荷の通路となるN層78、シリコン酸化膜75および
電荷転送パルスV1 〜V4 が印加される遮光性の転送ゲ
ート電極25が順次形成されている。また、P +層74
は、垂直転送部21に隣接する一端部分が他端部分より
も深く形成されることによって、チャネルストッパ77
を構成している。
【0038】図2(b)は、図2(a)のII−II線
に沿ったポテンシャルを示す図であり、図12と図13
とを組み合わせた図である。図2(b)の斜線部で示す
画素24のPN接合部に蓄積される電荷蓄積容量は、シ
リコン基板71の電位Vsubと、転送ゲート電極25に
印加される電荷転送パルスV1 〜V4 の中間電位VM
で決められる。つまり、シリコン基板71の電位Vsub
が高くなるほど電荷が蓄積されるPN接合部のシリコン
基板71側のポテンシャル障壁が低くなり、画素24の
電荷蓄積容量が減少する。また、中間電位VM が高くな
るほど電荷が蓄積されるPN接合部の垂直転送部21側
のポテンシャル障壁が低くなり、画素24の電荷蓄積容
量が減少する。
【0039】また、図3に示すように、電荷転送パルス
1 、V3 が印加される転送ゲート電極25は、その端
部において画素24と接しており、画素24から垂直転
送部21へ信号電荷を読み出すための読み出しゲート電
極としても機能する。そこで、電荷転送パルスV1 、V
3 には、通常の電荷の垂直転送のための電位VM 、V L
よりも高い電位VH を読み出しパルスとして印加する。
【0040】次に、本実施形態のディジタルスチルカメ
ラの動作について、電荷転送パルスV1 〜V4 などのタ
イミングを示す図4、および図4の電荷転送パルスV1
〜V 4 の部分拡大図を含む図5などを参照して説明す
る。
【0041】まず、撮影者が操作部42の第1スイッチ
をオンすることにより、EVF44に画像を映し出すた
めのファインダモードが起動され、撮像信号の読み出し
速度を速くすることのできるフィールドモードによる撮
像動作が始まる。すると、絞り(図示せず)が制御され
てシャッタ32が開放状態となり、タイミング信号発生
回路34で制御される撮像素子33の電子シャッタが2
クロック連続で開いてから電荷転送パルスV1 、V3
高電位VH になるまで撮像素子33が露光される。そし
て、この読み出しパルスによって、撮像素子33から1
フィールド期間(1V)ごとに加算された撮像信号が読
み出される。読み出された信号は、前置処理回路37で
CDS処理やゲインコントロールなどの信号処理を施さ
れる。この際、ゲインコントロール回路のゲインは、撮
像素子33の感度で決められるので、カメラの製造時に
設定される。前置処理回路37の出力信号は、A/D変
換器38でディジタル信号に変換され、バスコントロー
ラ45を経て撮像信号処理回路39に供給される。撮像
信号処理回路39で処理された信号は動画像としてEV
F44に出力され、撮影者は撮像範囲や被写体の状況を
確認することができる。
【0042】このファインダモードでの動作はフィール
ド読み出しで行われるので、撮像素子33の基板電位V
sub の値を図2のVsub (1) にするとともに、電荷転送
パルスV1 〜V4 の中間電位VM の値を図2のVM (1)
にする。これによって、ファインダモード時のダイナミ
ックレンジおよび垂直転送効率を最適化することができ
る。
【0043】図4に、撮像素子33の電荷転送パルスV
1 〜V4 、基板電位Vsub (電子シャッタの開閉タイミ
ングを示す)、シャッタ32の開閉制御信号、および基
板電位Vsub と中間電位VM との切り換え信号のタイミ
ングチャートを示す。ファインダモードにおいてはシャ
ッタ32は常に開いており、基板に高電位の電子シャッ
タ開パルスを印加して画素24に蓄積された電荷を基板
に逃がしてから電荷転送パルスV1 、V3 が高電位VH
になるまでが撮像素子33の露光時間になる。そして、
1フィールド期間(1V)毎に電荷転送パルスV1 、V
3 が同時に高電位VH となり、水平方向の全ラインの画
素24を走査し、上下2ラインを加算して全画素の読み
出しが行われる。また、上述のように、撮像素子33の
基板電位Vsub はVsub (1) であり、電荷転送パルスV
1 〜V4 の中間電位VM の値はV M (1) になっている。
【0044】ここで、フィールドモードにおける駆動電
圧設定回路35の動作について、駆動電圧設定回路35
の部分的な等価回路図である図6を参照して説明する。
フィールドモードでは、設定切換回路43からの制御信
号がLレベル(レベル1)であるので、トランジスタT
1 がオフになってトランジスタTr2 のベース電位は
抵抗R3 、R4 および電圧V1 で決められる電位とな
る。このトランジスタTr2 のベース電位がトランジス
タTr2 のベース−エミッタ間レベルVbe分だけ低下
し、出力端子から基板電位Vsub (1) または中間電位V
M (1) として出力される。
【0045】次に、撮影者が操作部42の第2スイッチ
をオンすることにより、記録媒体40に画像を記録する
ための記録媒体記憶モードが起動され、フレーム読み出
しによる撮像動作が始まる。この記録媒体記憶モードで
の動作はフレーム読み出しで行われるので、まず、撮像
素子33の基板電位Vsub の値を図2のVsub (2) にす
るとともに、電荷転送パルスV1 〜V4 の中間電位VM
の値を図2のVM (2)にする。そして、すぐ後に、基板
に高電位の電子シャッタ開パルスを印加してから撮像素
子33への露光が始まる。その後、約1フィールド期間
経過後にシャッタ32が閉じられることによって露光が
終了する。露光終了後に電荷転送パルスV3 を高電位V
H にして偶数ラインの画素(Cy,Ye)24を読み出
す。また、これと前後して(後で図5にて詳述する)、
撮像素子33の基板電位Vsub の値をVsub (1) にする
とともに、電荷転送パルスV1 〜V4 の中間電位VM
値をVM (1) にする。さらに、電荷転送パルスV3 を高
電位VH にし、それから1フィールド期間経過後に電荷
転送パルスV1 を高電位VH にして奇数ラインの画素
(Mg,G)を読み出す。
【0046】図7は、フレームモードで読み出された撮
像信号のバッファメモリ46への記憶の概念図である。
図7(a)に示すように、偶数ラインの画素(Cy,Y
e)24から読み出された信号は、1ラインおきにメモ
リマップ上に記憶される。そして、偶数ラインの画素の
記憶が終わると、図7(b)に示すように奇数ラインの
画素(Mg,G)24が1ラインおきにメモリマップ上
に記憶される。
【0047】ここで、フレームモードにおける駆動電圧
設定回路35の動作について、再び図6を参照して説明
する。フレームモードでは、設定切換回路35からの制
御信号がHレベル(レベル2)であるので、トランジス
タTr1 がオンになってトランジスタTr2 のベース電
位は抵抗R3 、R4 および電圧V1 のほか、トランジス
タTr1 および抵抗R2 で決められる電位となる。この
ときトランジスタTr 2 のベース−グランド間の抵抗値
が小さくなるため、トランジスタTr2 のエミッタ電位
は、基板電位Vsub (1) または中間電位VM (1) よりも
低いレベルの基板電位Vsub (2) または中間電位V
M (2) として出力端子から出力される。
【0048】次に、フレームモードにおける電荷転送パ
ルスV3 を高電位VH にするタイミングと、基板電位V
sub および電荷転送パルスV1 〜V4 の中間電位VM
レベル2からレベル1への切り換えのタイミングとの関
係について、図5を参照して説明する。図5は、図4の
うちフレームモードにおける基板電位Vsub および電荷
転送パルスV1 〜V4 の中間電位VM のレベル2からレ
ベル1への切り換え部分の拡大した様子、設定切換回路
43からの基板電位Vsub および中間電位VMの切換制
御信号のタイミングチャートである。
【0049】また、図5において、t1 は電荷転送パル
スV3 が高電位VH になる直前において電荷転送パルス
3 が低電位VL から中間電位VM になって電荷転送パ
ルスによる電荷転送が停止する時刻、t2 は電荷転送パ
ルスV3 の高電位VH の開始時刻、t3 は電荷転送パル
スV3 の高電位VH の終了時刻、t4 は基板電位Vsu b
の切換制御信号がレベル2からレベル1へ切り換えられ
て基板電位Vsub の実際の電位の変化が始まる時刻、t
5 は中間電位VM の切換制御信号がレベル2からレベル
1へ切り換えられて中間電位VM の実際の電位の変化が
始まる時刻、t 6 は電荷転送パルスV3 が高電位VH
なった直後において電荷転送パルスV3が中間電位VM
から低電位VL になって電荷転送パルスによる電荷転送
が再開する時刻である。また、期間t1 〜t6 では電荷
転送パルスV1 、V3 の電位が交互に変化しないため、
電荷は垂直転送部21内を転送されない。なお、期間t
1〜t6 の長さは、予めタイミング信号発生回路34に
よって制御可能に設定されている。
【0050】本実施形態のディジタルスチルカメラで
は、図5に示すように、電荷転送パルスV3 が高電位V
H (読み出し電位)となって偶数ラインの画素24から
電荷が読み出された後の時刻t4 に、基板電位Vsub
よび中間電位VM の切換制御信号がレベル2からレベル
1へ切り換えられ、これによって、基板電位Vsub およ
び中間電位VM の実際の電位も短時間でレベル2からレ
ベル1へ切り換えられる。このように、本実施形態のデ
ィジタルカメラでは、フレームモードで電荷転送パルス
3 が最初に読み出し電位VH となった以降にシリコン
基板71の電位V sub および中間電位VM をレベル2か
らレベル1に切り換えるようにしたので、切り換えたと
きには既に画素24にはほとんど電荷が存在しないこと
になり、画素24で発生した蓄積電荷がシリコン基板7
1に逃げることを防止できる。従って、この切り換えに
よってフレームモードでのダイナミックレンジが低下す
ることがない。なお、この切り換えは、電荷転送パルス
3 が高電位VH となる時刻t2 以降に行えば、画素2
4で発生した蓄積電荷がシリコン基板71に逃げること
がない。
【0051】また、垂直転送部21内での電荷の転送が
始まる時刻t6 までに、中間電位V M をVM (2) からこ
れよりも電位の高いVM (1) に切り換えられるので、垂
直転送部21での電荷の転送はフィールドモードのとき
と同じ効率で行うことができる。つまり、垂直転送部2
1での電荷の転送効率が低下することがなく、良好な画
質を保つことができる。
【0052】また、シリコン基板71の電位Vsub の電
位が切り換えられてから中間電位V M が切り換えられる
ので、シリコン基板71の電位Vsub および中間電位V
M の切り換えが行われても、読み出しの行われなかった
奇数ラインの画素(Mg,G)24で発生した蓄積電荷
がシリコン基板71側に流れこみ、垂直転送部21に漏
れこむことがない。従って、読み出しの行われた偶数ラ
インの画素(Cy,Ye)24からの電荷と、読み出し
の行われなかった奇数ラインの画素(Mg,G)24か
らの電荷とが垂直転送部21において混合されることが
なくなるので、特に高輝度被写体およびその周辺に偽輪
郭が生じたり、ブルーミングによる疑似信号が生じて画
質が低下することがない。
【0053】例えば、電荷転送パルスV3 が高電位VH
となった時刻t2 以降に、まず中間電位VM をVM (2)
からVM (1) に切り換えてからシリコン基板71の電位
su b をVsub (2) からVsub (1) に切り換えるように
すると、読み出しの行われた偶数ラインの画素(Cy,
Ye)24と垂直転送部21との間のポテンシャル障壁
が、この画素24とシリコン基板71側とのポテンシャ
ル障壁よりも早く低くなってしまう。そのため、この画
素24から、蓄積された電荷のうち垂直転送部21側の
ポテンシャル障壁を超える分の電荷が垂直転送部21に
漏れこむこととなる。このときの電荷の漏れこみは、中
間電位VM とシリコン基板71の電位V sub とを同時に
切り換えることによっても完全に防止することができ
ず、電荷の一部は垂直転送部21に漏れこんでしまい、
その漏れ量を制御することができない。いずれにして
も、このように画素24から垂直転送部21に電荷が漏
れこむことにより、撮像信号が不正確となって画質が大
幅に劣化する。
【0054】また、本実施形態のディジタルスチルカメ
ラでは、時刻t4 以降のシリコン基板71の電位Vsub
をフィールドモードと同じ電位であるVsub (1) に設定
するので、電位を設定するための別の回路を設ける必要
がなくなり、時刻t5 以降の中間電位VM をフィールド
モードと同じ電位であるVM (1) に設定するので、フィ
ールドモードとフレームモードとで等しい転送効率を得
ることができる。
【0055】本実施形態のディジタルカメラでは、最初
に電荷転送パルスV3 を高電位VHにして、多くの撮像
シーンにおいて相対的に信号レベルの高い偶数フィール
ドの画素(Cy,Ye)24を読み出してから、次に電
荷転送パルスV1 を高電位V H にして奇数フィールドの
画素(G,Mg)24を読み出す。つまり、4種類の色
に対応する画素のうち、蓄積電荷が飽和する頻度が高い
画素24が水平方向に配列されたラインがフレームモー
ドで最初に読み出され、次に蓄積電荷が飽和する頻度が
比較的低い画素24が水平方向に配列されたラインが読
み出される。このような順序で画素24を読み出すこと
によって、時刻t5 で中間電位VM がV M (1) に設定さ
れて画素24と垂直転送部21との間のポテンシャル障
壁が低くなっても、画素24、特に未だ読み出されてい
ない奇数フィールドの画素(G,Mg)24から電荷が
垂直転送部21に漏れこんでしまうことがほとんどなく
なる。従って、画像に悪影響の生じる可能性がきわめて
低くなる。
【0056】なお、本実施形態のディジタルカメラで
は、図3に示すように、電荷転送パルスV3 を高電位V
H にして画素24からの読み出しを行う前にシャッタ1
2を閉じてそれ以降撮像素子1への光線を遮光するの
で、画素24からの読み出しを行った後に余計な電荷が
画素24に発生せず、暗電流のみが流れる。従って、垂
直転送部21に電荷が漏れこむことによって画質が劣化
するのをより確実に防止することができる。
【0057】以上のように、シリコン基板71の電位V
sub および中間電位VM をレベル2からレベル1へ切り
換えるにあたっては、図5のキャパシタC1 の値を変更
することによって、この部分の時定数を制御し、切り換
えのタイミングが上述の条件を満たすようにする。この
キャパシタC1 は、各設定電位出力の交流インピーダン
スを下げてその電位レベルを安定させるための素子であ
る。このキャパシタC 1 の影響で各レベル設定切り換え
制御信号発生後、実際に印加電位が切り替わるまでには
遅延が生じる。また、このキャパシタC1 以外の回路素
子によっても遅延が生じる。従って、各設定電位切り換
えのタイミングは以上の遅延分を考慮してなるべく早く
行い、その分回路の時定数を大きくして電位の安定化を
図ることが望ましい。
【0058】以上のようにして撮像素子33から得られ
た撮像信号は、前置処理回路37、A/D変換器38お
よび撮像信号処理回路39で所定の処理をされ、フレー
ム映像出力として記録媒体I/F41で特定フォーマッ
トへの変換処理がされた後、記録媒体40に静止画像と
して記録される。
【0059】なお、時刻t4 以降のシリコン基板71の
電位Vsub は、フィールドモードと同じ電位に設定する
必要は必ずしもなく、時刻t4 以前よりも高く設定して
蓄積電荷をシリコン基板71に逃がすことができればよ
い。また、時刻t5 以降の中間電位VM は、フィールド
モードと同じ電位に設定する必要は必ずしもなく、時刻
5 以前よりも高く設定して電荷転送効率の低下による
画質の劣化が防止できればよい。
【0060】本実施形態のディジタルカメラでは、フィ
ールドモードでの撮像を所定期間行った後にフレームモ
ードでの撮像を行うので、スイッチの切り替えによって
最もよいタイミングでフレームモードでの撮像を行うこ
とができる。特に、フィールドモードで得られた撮像信
号をEVF44に供給するとともに、フレームモードで
得られた撮像信号を記録媒体40に記録するので、高解
像度の静止画像を最もよいタイミングで記録媒体40に
記録することができる。また、撮像素子33が縦形オー
バーフロードレイン構造を有しているので、画素24に
蓄積された電荷を画素24からシリコン基板へ効率よく
抜き取ることができる。
【0061】なお、本実施形態では、シリコン基板71
の電位Vsub および中間電位VM の切り換えのタイミン
グを制御することによって、その切り換えのタイミング
が時刻t2 〜t6 に収まるように制御したが、逆に電荷
転送パルスのタイミングを制御することによって、上述
の条件を満足するようにしてもよい。
【0062】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。
【0063】図8は本実施形態のディジタルカメラの信
号のタイミングチャートである。本実施形態では、フレ
ームモードでの駆動を連続して行うことによって得られ
た一連の撮像信号を記録媒体40に連続して記憶させ
る、いわゆる連写撮影を行う。
【0064】連写撮影では、短い時間に多くの画像撮影
を行って記録媒体40に信号を記憶させるために、フィ
ールドモードで構図などを決めて本撮影の開始命令を与
えると、フレームモードでの撮影だけを繰り返して連続
的に行うように動作する。つまり、図8に示すように、
第1フィールドおよび第2フィールドを第1実施形態と
同様のシーケンスで読み出して第1回撮影が完了する
と、任意の時間経過後にシリコン基板71の電位Vsub
および中間電位VM をレベル1からレベル2へ切り換え
且つシャッタ32を開放することによって、第2回撮影
のための露光開始準備を行う。そして、電子シャッタ開
パルスが印加されて第2回撮影の露光が開始される。さ
らに、第1回撮影と同様の撮影動作が行われる。以下、
第3回撮影以降においても、同様の動作が繰り返される
ことによって連写撮影が実行される。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
フレームモードで電荷転送パルスが最初に読み出し電位
H となってから、半導体基板部の電位Vsub および転
送電位VM をフィールドモードよりも低い電位からこれ
よりも高い電位に切り換えるようにしたので、光電変換
要素で発生した蓄積電荷が半導体基板部に逃げることを
防止でき、フレームモードでのダイナミックレンジの低
下を抑制することができる。また、垂直転送部内での電
荷の転送が始まるまでに、転送電位VM をフィールドモ
ードよりも低い電位からこれよりも高い電位に切り換え
るようにしたので、垂直転送部での電荷の転送効率が低
下することがなく、画質の劣化も生じない。また、半導
体基板部の電位Vsub の電位を切り換えてから転送電位
M を切り換えるようにしたので、読み出しの行われな
かったラインの光電変換要素で発生した蓄積電荷が垂直
転送部に漏れこむことなく確実に半導体基板部に流れこ
む。従って、読み出しの行われたラインの光電変換要素
からの電荷と読み出しの行われなかったラインの光電変
換要素からの電荷とが垂直転送部において混合されるこ
とがなくなるので、特に高輝度被写体およびその周辺に
偽輪郭が生じたり、ブルーミングによる疑似信号が生じ
て画質が低下することがなくなる。従って、フレームモ
ードにおいてフィールドモードと同程度にダイナミック
レンジが広く、ブルーミングによって画質が劣化するこ
とがなく、且つ電荷の転送効率の高い安価な撮像装置を
得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の撮像装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態の撮像装置に用いられる
撮像素子について説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態の撮像装置に用いられる
撮像素子について説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態の撮像装置の動作を説明
するための信号のタイミング図である。
【図5】図4のタイミング図をより詳細に説明するため
の図である。
【図6】図1の駆動電圧設定回路35の等価回路図であ
る。
【図7】図1のバッファメモリ46への記録状態を示す
図である。
【図8】本発明の第2実施形態の撮像装置の動作を説明
するための信号のタイミング図である。
【図9】インターライン型CCDの概略構成を示す図で
ある。
【図10】フィールドモードにおいて図9の転送ゲート
電極25に印加される4つの電荷転送パルスV1 〜V4
のタイムチャートである。
【図11】フレームモードにおいて図9の転送ゲート電
極25に印加される4つの電荷転送パルスV1 〜V4
タイムチャートである。
【図12】縦形オーバーフロードレイン(VOD)構造
のCCD撮像素子の画素の基板深さ方向のポテンシャル
図である。
【図13】CCD撮像素子の光電変換部および垂直転送
部の水平方向のポテンシャル図である。
【符号の説明】
20 光電変換部 21 垂直転送部(VCCD) 22 水平転送部(HCCD) 23 フローティングディフュージョンアンプ(FD
A) 24 光電変換要素(画素) 25 転送ゲート電極 31 光学レンズ 32 シャッタ 33 撮像素子 34 タイミング信号発生回路(TG) 35 駆動電圧設定回路 36 撮像素子駆動回路 37 前置処理回路 38 A/D変換器 39 撮像信号処理回路 40 記録媒体 41 記録媒体インターフェイス(I/F) 42 操作部 43 設定切換回路 44 EVF(ビューファインダ) 45 バスコントローラ 46 バッファメモリ V1 〜V4 電荷転送パルス VL 電荷転送パルスの低電位 VM 電荷転送パルスの中間電位 VH 電荷転送パルスの高電位(読み出し電位) Vsub 基板電位

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板部の上に形成された複数の光
    電変換要素からなる光電変換部と、前記光電変換部から
    の電荷を一方向に転送する垂直転送部と、前記垂直転送
    部からの電荷を前記一方向と交差する方向に転送する水
    平転送部とからなるインターライン型CCD撮像素子を
    有する撮像装置であって、前記撮像素子が、1フィール
    ド期間ごとに水平方向の全ラインの前記光電変換要素を
    走査して上下2ラインを加算して読み出すフィールドモ
    ードと、1フィールド期間ごとに水平方向の1ラインお
    きの前記光電変換要素をインターレース走査して読み出
    すフレームモードとの2つのモードで駆動され、前記垂
    直転送部には、前記光電変換要素から前記垂直転送部へ
    電荷を読み出すための読み出し電位VH と、電荷を垂直
    方向に順次転送するための転送電位VM 、VL (VH
    M >VL )とを有する電荷転送パルスが印加される撮
    像装置において、 前記フレームモードでの前記半導体基板部の電位Vsub
    が、前記フレームモードで前記電荷転送パルスが最初に
    前記読み出し電位VH となってからその後に前記垂直転
    送部内での電荷の転送が始まるまでの期間内の第1の所
    定時刻において、前記フィールドモードでの前記半導体
    基板部の電位Vsub (1) よりも低い電位Vsub (2) から
    これよりも高い電位に切り換えられ、 前記フレームモードでの前記転送電位VM が、前記フレ
    ームモードで前記電荷転送パルスが最初に前記読み出し
    電位VH となってからその後に前記垂直転送部内での電
    荷の転送が始まるまでの期間内の前記第1の所定時刻よ
    りも後の第2の所定時刻において、前記フィールドモー
    ドでの前記転送電位VM (1) よりも低い電位VM (2) か
    らこれよりも高い電位に切り換えられるように構成され
    ていることを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記フレームモードの前記第1の所定時
    刻以降の前記半導体基板部の電位Vsub が、前記フィー
    ルドモードでの前記半導体基板部の電位Vsu b (1) に等
    しい値であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装
    置。
  3. 【請求項3】 前記フレームモードでの前記第2の所定
    時刻以降の前記転送電位VM が、前記フィールドモード
    での前記転送電位VM (1) に等しい値であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記フレームモードにおいて、前記撮像
    素子を所定時間露光してから、前記電荷転送パルスを最
    初に前記読み出し電位VH とする前に前記撮像素子への
    光線を前記撮像素子の前段に設けた遮光手段で遮光する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記フレームモードで最初に前記読み出
    し電位VH が印加されるのは、前記光電変換要素のうち
    の蓄積電荷が飽和する頻度が高い前記光電変換要素が水
    平方向に配列されたラインであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記フィールドモードでの撮像を所定期
    間行った後に前記フレームモードでの撮像を行うように
    構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記フィールドモードで得られた撮像信
    号をファインダに供給するとともに、前記フレームモー
    ドで得られた撮像信号を記録媒体に記録するように構成
    されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の撮像装置。
  8. 【請求項8】 前記撮像素子が縦形オーバーフロードレ
    イン構造を有していることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 【請求項9】 前記フレームモードでの駆動を連続して
    行うことによって得られた一連の撮像信号を記録媒体に
    連続して記憶させることができるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    撮像装置。
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