JPH09106926A - 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ - Google Patents

金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ

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JPH09106926A
JPH09106926A JP26138395A JP26138395A JPH09106926A JP H09106926 A JPH09106926 A JP H09106926A JP 26138395 A JP26138395 A JP 26138395A JP 26138395 A JP26138395 A JP 26138395A JP H09106926 A JPH09106926 A JP H09106926A
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JP
Japan
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polyester film
capacitor
film
coating
coating layer
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JP26138395A
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Shinichi Kinoshita
信一 木下
Yoshiki Sato
嘉記 佐藤
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材フィルムと蒸着金属との間の接着性の改
良されたフィルムを用いた、耐湿熱特性に優れる金属蒸
着ポリエステルフィルムコンデンサを提供する。 【解決手段】 少なくとも片面に塗布層を有するポリエ
ステルフィルムを誘電体に用いた金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサであって、前記塗布層がポリエーテ
ル系ポリウレタンを含有することを特徴とする金属蒸着
ポリエステルフィルムコンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属蒸着ポリエス
テルフィルムコンデンサに関する。詳しくは、本発明
は、基材フィルムと蒸着金属との間の接着性の改良され
たフィルムを用いた、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリ
エステルフィルムコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルフィルムは、優れた機械的性質、耐熱
性、電気的性質を有することから、コンデンサの基材フ
ィルムとして多用されている。しかしながら、近年の各
種電子機器等の発達に伴い、ポリエステルフィルムの高
特性化が図られている。その高特性化の要求項目のひと
つとして、長期耐湿熱安定性の要求がある。すなわち、
金属蒸着ポリエステルフィルムは、基材フィルムと蒸着
金属との接着性、特に高温高湿環境下での接着性、いわ
ゆる耐湿熱接着性が悪いという欠点を有しており、コン
デンサを高温高湿下に置くと、基材フィルムと蒸着金属
との界面で透湿し、コンデンサの静電容量が経時的に低
下する等の問題があり、長期安定性の点で、コンデンサ
の耐湿熱特性改良が求めれていた。
【0003】特開平4−245414号公報には、ポリ
エステルポリウレタン塗布層を有するポリエステルフィ
ルムを用いた金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
が耐湿熱性に優れるコンデンサとして開示されている。
しかしながら、上記の公報に記載された樹脂組成物を用
いても、ポリエステルポリウレタンは耐加水分解性に劣
るために、湿熱環境下では必ずしも十分にコンデンサの
性能が保持されない。また、最近の各種電子機器の発達
は顕著であり、これに伴って、コンデンサに求められる
長期信頼性、特にコンデンサ性能の長期耐湿熱安定性へ
の要求は、さらに増大している。また、本願発明者ら
は、上述の問題点解決のために、ポリカーボネートポリ
ウレタン塗布層を有するポリエステルフィルムを用いた
金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサが有効である
ことを見いだした。しかしながら、ポリカーボネートポ
リウレタンは、未だその価格が高く実用に供し得ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、基材
フィルムと蒸着金属との間の接着性の改良されたフィル
ムを用いた、耐湿熱特性に優れる金属蒸着ポリエステル
フィルムコンデンサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有するポ
リエステルフィルムを誘電体に用いた金属蒸着ポリエス
テルフィルムコンデンサ素子が、優れた耐湿熱性を発揮
し得ることを見いだし、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に塗布層を有するポリエステ
ルフィルムを誘電体に用いた金属蒸着ポリエステルフィ
ルムコンデンサであって、前記塗布層がポリエーテル系
ポリウレタンを含有することを特徴とする金属蒸着ポリ
エステルフィルムコンデンサに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルフィルムのポリエステルと
は、その構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタ
レートであるポリエチレンテレフタレート、あるいは、
その構成単位の80モル%以上がエチレンナフタレート
であるポリエチレンナフタレート、あるいは、その構成
単位の80モル%が1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレートである。上記の優位構成成分以
外の共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ルなどのジオール成分、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエス
テル形成性誘導体などのジカルボン酸成分、オキシ安息
香酸およびそのエステル形成性誘導体などのオキシモノ
カルボン酸などを用いることができる。
【0008】本発明のコンデンサを構成するポリエステ
ルフィルムは、フィルム表面の突起を形成する添加粒
子、析出粒子、その他の触媒残渣を、後述するコンデン
サの特性を悪化させない範囲内で含有していてもよい。
また、上記の突起形成剤以外の添加剤として、必要に応
じて、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキ
ング防止剤、酸化防止剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線
吸収剤などを、コンデンサ特性を悪化させない範囲内で
含有していてもよい。本発明におけるポリエステルフィ
ルムは、最終的に得られる特性が本発明の用件を満足す
る限り、多層構造となっていても構わない。多層構造の
場合、その一部の層はポリエステル層以外のものでもよ
い。本発明における塗布層は、ポリエーテル系ポリウレ
タンを含有する。ポリウレタンは、ポリオール、ポリイ
ソシアネート、鎖延長剤あるいは架橋剤から構成され
る。本発明におけるポリエーテル系ポリウレタンとは、
ポリウレタンの主要構成成分であるポリオールのひとつ
として、ポリエーテル系ポリオールを使用したものであ
る。
【0009】ポリエーテル系ポリオールとして、ポリプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、およびそれらの共重合体を挙
げることができるが、これらに限定されるわけではな
い。これらのポリエーテル類の中で、テトラメチレング
リコール単位を有するポリエーテル類は、特に耐加水分
解性に優れ好ましい。全ポリオールに占めるポリテトラ
メチレングリコールの割合は、好ましくは20重量%以
上、さらに好ましくは30重量%以上、最も好ましくは
40重量%以上である。ポリテトラメチレングリコール
単位の割合が少ないと所望のコンデンサ特性が得られな
いことがある。
【0010】ポリイソシアネートの例としては、トルエ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。特
に芳香族ポリイソシアネートおよび/またはイソホロン
ジイソシアネートから選択するのが好ましい。芳香族ポ
リイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソシア
ネートを用いる場合、イソシアネート成分に占める芳香
族ポリイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソ
シアネートの割合は、好ましくは50モル%以上であ
り、さらに好ましくは70モル%以上である。
【0011】鎖延長剤あるいは架橋剤の例としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などが
挙げられる。本発明で塗布するのに用いる樹脂は、安全
衛生上、水を媒体とする塗布剤であることが望ましい
が、本発明の要旨を越えない範囲内で、水溶性または水
分散性樹脂の助剤として有機溶剤を含有していてもよ
い。
【0012】水を媒体とする場合は、界面活性剤などに
よって強制分散化した塗布剤であってもよいが、好まし
くはポリエーテル類のような親水性のノニオン成分や、
四級アンモニウム塩のようなカチオン性基を有する自己
分散型塗布剤であり、さらに好ましくは、アニオン性基
を有する水溶性または水分散性の塗布剤である。アニオ
ン性基を有する水溶性または水分散性の塗布剤とは、ア
ニオン性基を有する化合物を共重合やグラフトなどによ
り樹脂に結合させたものであり、スルホン酸、カルボン
酸、リン酸およびそれらの塩等から、適宜選択される。
【0013】アニオン性基の対イオンは、後述するコン
デンサの耐湿熱性の観点からアンモニウムイオンを含む
アミン系オニウムイオンから選択するのが好ましい。ア
ニオン性基を有する水溶性または水分散性の塗布剤のア
ニオン性基の量は、0.05〜8重量%が好ましい。ア
ニオン性基量が0.05重量%未満では、樹脂の水溶性
あるいは水分散性が悪くなる傾向があり、アニオン性基
量が8重量%を超えると、塗布後の下塗り層の耐水性が
劣ったり、吸湿してフィルムが相互に固着したり、耐湿
熱接着性を低下させたりする恐れがある。本発明におけ
る塗布液には、塗布層の固着性(ブロッキング性)、耐
水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のために架橋剤とし
てイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン
系化合物、アジリジン化合物、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カップ
リング剤、過酸化物、熱および光り反応性のビニル化合
物や感光性樹脂などを含有してもよい。
【0014】また、塗布層の固着性や滑り性改良のため
に、塗布液中に無機系微粒子としてシリカ、シリカゾ
ル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオ
リン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸
化チタン、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、硫化モリ
ブデン、酸化アンチモンゾルなどを、有機系微粒子とし
てポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリアクリル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂などを、後述する表面粗さの範囲
内となるように含有していてもよい。
【0015】さらに、必要に応じて消泡剤、塗布性改良
剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していて
もよい。また、本発明で用いる塗布液には、本発明の樹
脂以外のポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ビニル系樹脂などを塗布液あるいは塗布
層の特性改良のために含有していてもよい。特にポリエ
ステル系樹脂は、基材ポリエステルフィルムと塗布層と
の層間耐湿熱接着性を改良するので、好ましく用いられ
る。ただし、ポリエステル系樹脂の塗布層中に占める割
合は30重量%以下とするのが好ましい。
【0016】ポリエーテル系ポリウレタンの塗布層中に
占める割合は、固形分で通常10重量%以上、好ましく
は20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、
最も好ましくは50重量%以上である。塗布層中のポリ
エーテル系ポリウレタンの割合が少ないと所望のコンデ
ンサ特性が得られないことがある。本発明で用いる塗布
液中のアルカリ金属含有量は、塗布液の固形分中、好ま
しくは1000ppm以下であり、さらに好ましくは5
00ppm以下であり、最も好ましくは20ppm以下
である。塗布液中のアルカリ金属含有量が多くなると、
コンデンサの耐湿熱特性が悪くなる傾向がある。特にコ
ンデンサに直流電圧を印加しつつ高温高湿下に置くと、
コンデンサの静電容量の低下が激しいことが分かってお
り、必要に応じて脱イオン処理を施すことで所望の塗布
液を得る場合もある。
【0017】上述の塗布液をポリエステルフィルムに塗
布する方法としては原崎勇次著、槇書店、1979年発
行、「コーティング方式」に示されるリバ−スロールコ
ーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドク
ターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いて、
二軸延伸ポリエステルフィルム製造工程外で塗布液を塗
布する方法、さらに好ましくは、フィルム製造工程内で
塗布する方法が挙げられる。フィルム製造工程内で塗布
する方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに塗布
液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方法、
一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さらに
先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるい
は二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに横お
よび/または縦方向に延伸する方法などがある。上述の
延伸工程は、好ましくは60〜130℃で行われ、延伸
倍率は、面積倍率で少なくとも4倍以上、好ましくは6
〜20倍である。延伸されたフィルムは150〜250
℃で熱処理される。
【0018】さらに、熱処理の最高温度ゾ−ンおよび/
または熱処理出口のク−リングゾ−ンにて縦方向または
横方向または両方向に0.2〜20%弛緩することが好
ましい。特に、60〜130℃でロール延伸法により2
〜6倍延伸された一軸延伸ポリエステルフィルムに塗布
液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるいは乾燥を施さず
ポリエステル一軸延伸フィルムを直ちに先の延伸方向と
は直角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、15
0〜250℃で1〜600秒間熱処理を行う方法が好ま
しい。 本方法によるならば、延伸と同時に塗布層の乾
燥が可能になると共に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて
薄くすることができ、ポリエステルフィルム基材として
好適なフィルムを比較的安価に製造できる。本発明にお
ける塗布液は、ポリエステルフィルムの片面だけに塗布
してもよいし、両面に塗布してもよい。片面にのみ塗布
した場合、その反対面には本発明における塗布液以外の
塗布層を必要に応じて形成し、ポリエステルフィルムに
他の特性を付与することもできる。
【0019】なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着
性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電
処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポリエス
テルフィルムの塗布層の接着性、塗布性などを改良する
ために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施してもよ
い。塗布層の厚さは、0.01〜3μmの範囲が好まし
い。塗布層の厚さは、コンデンサ小型化の要請からも薄
くするのが好ましく、塗布厚さの上限は好ましくは3μ
m、さらに好ましくは1μm、最も好ましくは0.5μ
mである。しかしながら塗布層の厚さが薄過ぎると、均
一な塗布層が得がたいために製品に塗布むらが生じやす
く、塗布厚さの下限は好ましくは0.01μm、さらに
好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.03μm
とする。上記のようにして形成された塗布層の水滴接触
角は60°以上であることが好ましい。水滴接触角が6
0°未満であると、金属蒸着膜との耐水接着性が悪化
し、本発明のコンデンサに耐湿熱特性を付与することが
困難となる。したがって、塗塗布剤の親水基量、乳化剤
量、親水性化合物量には注意を要する。
【0020】また、上記のように形成された塗布層表面
の中心線平均粗さ(Ra)は好ましくは0.005〜
0.5μmの範囲であり、さらに好ましくは0.01〜
0.3μmの範囲であり、最も好ましくは0.02〜
0.1μmの範囲である。Raが0.005μm未満で
は、フィルムの滑り性が不十分で作業性が悪化する傾向
がある。一方、Raが0.5μmを超えると、表面が粗
れすぎて、得られるコンデンサの耐湿熱性や耐電圧特性
が悪化する傾向がある。本発明において、蒸着する金属
としては、アルミニウム、パラジウム、亜鉛、ニッケ
ル、金、銀、銅、インジウム、錫、クロム、チタン等が
挙げられるが、最も好ましい金属はアルミニウムであ
る。なお、上記の金属には金属の酸化物も含まれる。金
属蒸着膜の厚さは1〜500nmの範囲が好ましい。蒸
着の方法は、一般的には真空蒸着法によるが、エレクト
ロプレーティング法、スパッタリング法等の方法によっ
てもよい。
【0021】なお、金属蒸着層はポリエステルフィルム
の両面に設けてもよい。また、金属蒸着後に蒸着金属層
の表面処理や他の樹脂による被覆処理を行ってもよい。
このようにして得られた金属蒸着ポリエステルフィルム
を2枚重ね合わせて巻回(両面金属蒸着ポリエステルフ
ィルムと本発明に置けるポリエステルフィルムを含む他
のフィルムとの巻回も含む)、または多数枚積層してコ
ンデンサ素子を作り、常法にしたがって、例えば、熱プ
レス、テ−ピング、メタリコン、電圧処理、両端面封
止、リ−ド線取り付けなどを行ってコンデンサとするこ
とができるが、これらに限定されるわけではない。コン
デンサの長期信頼性の点から、本発明におけるコンデン
サは、その電極間に60V/μmの直流電圧を印加しな
がら温度60℃、湿度95%RH雰囲気下に1000時
間放置した後の静電容量変化率が好ましくは−10%〜
10%の範囲のコンデンサであり、さらに好ましくは、
−5%〜5%の範囲のコンデンサである。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比
較例中、「部」とあるのは重量部」を示す。 (1)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線方向に基準長さL(2.55mm)
の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、
縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x) で表した
時、次の式で与えられた値を[μm]で表す。中心線平
均粗さは、試料フィルム表面10本の断面曲線を求め、
これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均
粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μ
m、荷重は30mgとし,カットオフ値は0.8mmと
した。
【0023】
【0024】(2)水滴接触角 温度23℃、湿度50%RH雰囲気下での試料フィルム
と蒸留水との接触角を接触角計(協和界面化学(株)社
製、CA−DT−A型)を用いて測定した。接触角は、
左右2点、試料数3点で計6点測定し、平均値を求め接
触角とした。なお、水滴の直径は2mmとし、滴下後1
分後の数値を読み取った。
【0025】(3)静電容量の変化 無負荷試験 コンデンサを85℃、85%RHの雰囲
気下に500時間放置し、初期静電容量を基準値とする
静電容量変化率として求めた。すなわち、500時間後
の静電容量から初期静電容量を差し引いた値を、初期静
電容量で除して百分率で表記した。 負荷試験 コンデンサの電極間に60V/μmの直流
電圧を印加しつつ温度85℃、湿度85%RHの雰囲気
下に500時間放置し、初期静電容量を基準値とする静
電容量変化率として求めた。すなわち、500時間後の
静電容量から初期静電容量を差し引いた値を、初期静電
容量で除して百分率で表記した。
【0026】実施例1 (ポリエステルフィルムの製造)平均粒径1.2μmの
シリカ粒子を0.3%含有する固有粘度0.66のポリ
エチレンテレフタレートを290℃で溶融押出し無定形
シートとした後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した
後、常法に従い合成した下記表1の組成のポリウレタン
A100部(固形分重量、以下同様)からなり、水を媒
体とする塗布液をフィルムの両面に塗布し、次いで、横
方向に110℃で3.9倍延伸し、230℃で熱処理を
行い、塗布層の厚さ0.05μm、基材ポリエステルフ
ィルムの厚さ5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。塗布液中のアルカリ金属含有量は塗布液の固形分
換算値で、Naが5.0ppm、Kが1.8ppmであ
り、その他のアルカリ金属は検出限界以下であった。ま
た、塗布層の水滴接触角は63°、中心線平均粗さ(R
a)は0.025μmであった。
【0027】(コンデンサの製造)得られたフィルムの
塗布面上に、抵抗加熱型金属蒸着装置を用い、真空室の
圧力を10-4Torr以下としてアルミニウムを45n
mの厚みに蒸着した。その際、ポリエステルフィルムの
長手方向にマージン部を有するストライプ状に蒸着した
(蒸着部の幅8mm、マ−ジン部の幅1mmの繰り返
し)。得られた蒸着ポリエステルフィルムを、左または
右に幅1mmのマ−ジン部を有する4.5mm幅のテー
プ状にスリットした。得られた、左マ−ジンおよび右マ
−ジンの蒸着ポリエステルフィルム各1枚づつを併せて
巻回し、巻回体を得た。このとき、幅方向に蒸着部分
が、0.5mmづつはみ出すように2枚のフィルムをず
らして巻回した。この巻回体を温度150℃、圧力50
kg/cm2 で5分間プレスした。プレス後の巻回体の
両端面にメタリコンを溶射後リード線を付した後、液状
のビスフェノールA型エポキシ樹脂による含浸層、およ
び粉末状エポキシ樹脂を加熱溶融することによる最低厚
さ0.5mmの外装を形成して、静電容量0.1μFの
フィルムコンデンサとした。得られた金属蒸着ポリエス
テルフィルムコンデンサは、表1に示すとおり、耐湿熱
特性に優れる金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
であった。なお、後述の実施例および比較例の結果につ
いても下記表2にまとめて示す。
【0028】比較例1 実施例1において、塗布液を塗布しない以外は実施例1
と同様にして金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
を得た。得られたコンデンサは、実施例1と比較して、
耐湿熱特性に劣っていた。 実施例2〜5 実施例1のポリエーテルポリウレタンAの代わりに下記
組成のポリエーテルポリウレタンB〜Eを塗布する以外
は、実施例1と同様にして、金属蒸着ポリエステルフィ
ルムコンデンサを得た。 実施例6 実施例1のポリエーテルポリウレタンAの代わりにポリ
ウレタンFとして大日本インキ化学工業社製ポリエーテ
ルポリウレタンであるハイドランAT−15(商品名)
100部を塗布する以外は、実施例1と同様にして、金
属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得た。
【0029】実施例7 実施例1のポリエーテルポリウレタンAの代わりにポリ
ウレタンGとして三井東圧社製ポリエーテルポリウレタ
ンであるオレスターUD500(商品名)100部を塗
布する以外は、実施例1と同様にして、金属蒸着ポリエ
ステルフィルムコンデンサを得た。なお、ハイドランA
T−15、オレスターUD500は主たるポリオールと
してポリテトラメチレングリコール、主たるポリイソシ
アネートとしてトルエンジイソシアネート、親水性官能
基としてカルボン酸塩基を有し、その対イオンにはアミ
ン系化合物を用いたポリエーテルポリウレタンである。
【0030】比較例2 実施例1のポリエーテルポリウレタンAの代わりにポリ
ウレタンHとして大日本インキ化学工業社製ポリエステ
ルポリウレタンであるハイドランAP40(商品名)1
00部を塗布する以外は、実施例1と同様にして、金属
蒸着ポリエステルフィルムコンデンサを得た。
【0031】
【表1】 (表1中、TDIはトルエンジイソシアネート、PTM
Gはポリテトラメチレングリコール(分子量200
0)、PEGはポリエチレングリコール(分子量200
0)、NPGはネオペンチルグリコール、DMPAはジ
メチロールプロピオン酸、TMPはトリメチロールプロ
パン、TEAはトリエチルアミンを表す)
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の金属蒸着フィルムコンデンサ
は、優れた耐湿熱特性を有しており、コンデンサの長期
信頼性向上に寄与することができ、その工業的価値は高
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に塗布層を有するポリエ
    ステルフィルムを誘電体に用いた金属蒸着ポリエステル
    フィルムコンデンサであって、前記塗布層がポリエーテ
    ル系ポリウレタンを含有することを特徴とする金属蒸着
    ポリエステルフィルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】 ポリエーテルポリウレタンを構成するポ
    リエーテルがポリテトラメチレングリコールを含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の金属蒸着ポリエステル
    フィルムコンデンサ。
JP26138395A 1995-10-09 1995-10-09 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ Pending JPH09106926A (ja)

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JP26138395A JPH09106926A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ

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