JPH09106241A - ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

Info

Publication number
JPH09106241A
JPH09106241A JP26108395A JP26108395A JPH09106241A JP H09106241 A JPH09106241 A JP H09106241A JP 26108395 A JP26108395 A JP 26108395A JP 26108395 A JP26108395 A JP 26108395A JP H09106241 A JPH09106241 A JP H09106241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
hologram
compound
hologram recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26108395A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Kano
美紀 鹿野
Madoka Yasuike
円 安池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP26108395A priority Critical patent/JPH09106241A/ja
Publication of JPH09106241A publication Critical patent/JPH09106241A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】広い波長領域に渡って高感度で、化学的に安定
性であり、解像度、回折効率、透明性に優れ、且つ耐光
性に優れたホログラム記録用感光性組成物、ホログラム
記録媒体と、それを用いたホログラムの製造方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高分
子化合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する化合物(B)、光重合開始剤系(C)からなり、か
つホログラム露光により0.005以上の屈折率変調度
を有することを特徴とするホログラム記録用感光性組成
物と、該ホログラム記録用感光性組成物を基材上に層形
成して成ることを特徴とするホログラム記録媒体、およ
び該ホログラム記録媒体を用いてホログラムを作成する
にあたって、該ホログラム記録媒体をホログラム露光し
たのち、光または熱を加えることを特徴とする体積位相
型ホログラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広い波長領域に渡
って高感度で、化学的に安定であり、解像度、回折効
率、透明性に優れ、且つ耐光性に優れたホログラム記録
用感光性組成物、ホログラム記録媒体と、それを用いた
ホログラムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラムは三次元立体像の記録、再生
が可能なことから、その優れた意匠性、装飾性効果を活
かして、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレ
イ、ギフトなどに利用されている。また、サブミクロン
単位での微細な情報記録が可能であることから、有価証
券、クレジットカード、プリペイドカードなどの偽造防
止用のマークなどにも応用されている。特に体積位相型
ホログラムは、ホログラム記録媒体中に屈折率の異なる
空間的な干渉縞を形成することによって、形成されたホ
ログラムを通過する光を変調することが可能となるた
め、ディスプレイ用途の他に、POS用スキャナーおよ
びヘッドアップディスプレイ(HUD)に代表されるホ
ログラム光学素子(HOE)への応用が期待されてい
る。
【0003】このような産業上における体積位相型ホロ
グラムへの要望から、フォトポリマーを利用した体積位
相型ホログラム記録材料の提案がこれまでになされてい
る。例えば、フォトポリマーを用いたホログラムの製造
方法として、フォトポリマーからなるホログラム記録媒
体を輻射線の干渉パターンに露光した後、現像液による
現像処理を施す方法が提案されている。例えば特公昭6
2−22152号においては、担体となるべき重合体
に、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単
量体および光重合開始剤とを組み合わせた感材を、輻射
線の干渉パターンに露出する第1の工程、該感材を第1
の溶剤で処理し該感材を膨潤せしめる第2の工程、膨潤
作用の乏しい第2の溶剤で処理し該感材を収縮せしめる
第3の工程とを具備してなることを特徴とする、フォト
ポリマーを使ったホログラムの製造方法が開示されてい
る。当該公知技術に従えば、回折効率、解像度及び耐環
境特性などの点において優れたホログラムを製造するこ
とができるが、感度特性および感光波長領域特性に劣
る、あるいはホログラムの製造において湿式処理工程を
採用しているなどの製造上の煩雑性、また、溶媒浸漬操
作時に生じる空隙やひび割れに起因する現像むらや白化
による透明性の低下などの問題が生じるなどの欠点を有
していた。
【0004】一方、ホログラムの製造工程において複雑
なあるいは煩雑な湿式処理工程を必要としない、唯一の
処理工程として干渉露光のみでホログラムを製造するこ
とが可能なフォトポリマーを使ったホログラム記録材料
およびその製造法が開示されている。例えば、米国特許
3,658,526においては、脂肪族系高分子バイン
ダーと脂肪族系アクリルモノマーおよび光重合開始剤か
らなることを特徴とするホログラム記録用感光性層が提
案されている。当該技術においては、使用される高分子
重合体と脂肪族系アクリルモノマーとの屈折率が近いた
め、ホログラム露光によって得られる屈折率変調度は
0.001から0.003の範囲で、その結果、高い回
折効率が得られないという欠点があった。当該技術にお
ける課題を解決すべく、米国特許4,942,112に
おいては、溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、沸点が10
0℃以上の液体エチレン性モノマー、固体エチレン性モ
ノマーおよび光重合開始剤からなることを特徴とするホ
ログラム記録用光重合性組成物及び屈折率画像用エレメ
ントが、また米国特許5,098,803においては、
溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、置換または非置換フェ
ニル、置換または非置換ナフチル、あるいは置換または
非置換複素環基、または塩素原子、臭素原子を有する沸
点が100℃以上の液体エチレン性モノマー、及び光重
合開始剤からなることを特徴とするホログラム記録用光
重合性組成物及び屈折率画像用エレメントが開示されて
おり、0.005以上の高い屈折率変調度が実際得られ
ことが、SPIE「Practical Hologr
aphy IV」、第1212巻、30頁(1990
年)および「J of Imaging Scienc
e」、第35巻、19頁および25頁(1991年)に
て実証されている。
【0005】これらのホログラム記録用光重合性組成物
においては、輻射線の干渉パターンに対する露出で生ず
る屈折率変調度を大きくするために、ポリマーあるいは
モノマーのどちらか一方が芳香環あるいはハロゲン原子
を含む置換基を有する材料の組合わせで構成することを
特徴とし、特に、屈折率の低い非芳香族性の熱可塑性樹
脂と、芳香族基またはハロゲン原子を有する液体エチレ
ン性アクリルモノマーとの組合わせからなる、いわゆる
単量体配向型系の組成物を好適に用いている。当該技術
において使用されている非芳香族(ハロゲン)性の熱可
塑性ポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/
ビニルアクリレート、ポリ酢酸/ビニルメタクリレー
ト、加水分解型ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル
共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及
びイソプレン重合体及び共重合体、4,000から1,
000,000の平均分子量を有するポリエチレンオキ
サイド、アクリレートまたはメタクリレート基を有する
エオキシ化物、N−メトキシメチルポリヘキサメチレン
アジパミド、セルロースアセテート、セルロースアセテ
ートサクシネート、セルロースアセテートブチレート、
メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマールであり、その全てが屈折
率が1.46以上であり、輻射線の干渉パターンに対す
る露出で生ずる屈折率変調度をより大きくするために、
屈折率のより小さいバインダーポリマーが望まれてい
た。
【0006】通常、分子内にポリシロキサン化合物のユ
ニットを持つ高分子化合物は、前記した汎用の熱可塑性
ポリマーに比べ屈折率が小さいため、ホログラム露光に
おける屈折率変調度を大きくすることが可能な重合性モ
ノマーの選択幅を広げることが可能である。すなわち、
公知技術においては、屈折率の大きな芳香族基(芳香族
性複素環基)または塩素および臭素などのハロゲン原子
で置換されたモノマーの使用が必要とされるが、側鎖に
ポリシロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)の使
用により、屈折率の大きな芳香族基(芳香族性複素環
基)または塩素および臭素などのハロゲン原子で置換さ
れたモノマーの使用はもとより、屈折率の比較的小さい
脂肪族性モノマーの使用も可能となる。また、同時に分
子内に有機化合物のユニットを持つことにより、ホログ
ラムに熱安定性を付与することも可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広い波長領
域に渡って高感度で、化学的に安定であり、解像度、回
折効率、再生波長再現性、及び透明性に優れ、且つ耐光
性に優れたホログラム記録用感光性組成物およびホログ
ラム記録媒体と、それを用いたホログラムの簡便な製造
方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、側鎖
にポリシロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)、
重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物
(B)、光重合開始剤系(C)からなり、かつレーザ光
の干渉露光により0.005以上の屈折率変調度を有す
ることを特徴とするホログラム記録用感光性組成物およ
び、該ホログラム記録用感光性組成物に、さらに連鎖移
動剤(D)を添加してなることを特徴とするホログラム
記録用感光性組成物であり、該ホログラム記録用感光性
組成物を、基材上に層形成して成ることを特徴とするホ
ログラム記録媒体であり、また該ホログラム記録媒体
を、ホログラム露光した後、光または熱を加えることを
特徴とするホログラムの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、詳細にわたって本発明を説
明する。まず、本発明で使用される、側鎖にポリシロキ
サン化合物部を含む高分子化合物(A)について説明す
る。ここでいう側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高
分子化合物(A)は、片末端に反応性官能基を有するポ
リシロキサン化合物単一種あるいは複数種と、その官能
基と反応し得る単量体単一種あるいは複数種との共重合
体として、あるいは、片末端に反応性官能基を有するポ
リシロキサン化合物単一種あるいは複数種と、その官能
基と反応し得る反応性官能基を主鎖上に有する線状高分
子とのグラフト共重合体として合成される。
【0010】片末端に反応性官能基を有するポリシロキ
サン化合物の末端の反応性官能基としては、(メタ)ア
クリル基、水酸基、メチロール基、エポキシ基、エチレ
ンイミノ基、イソシアナート基、チオイソシアナート
基、ラクトン基、ケテン基、アルデヒド基、ビニル基、
アミノ基、アミド基、メルカプト基、酸ヒドラジン基、
ヒドロキサム酸基、スルホン酸クロリド基、酸アジド
基、スルホン酸基、カルボキニル基、酸無水物基などが
挙げられる。具体的には、片末端(メタ)アクリロキシ
基含有ポリシロキサン化合物として、チッソ(株)製の
サイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM
−0725など、片末端ヒドロキシ基含有ポリシロキサ
ン化合物として、チッソ(株)製のサイラプレーンFM
−0411、FM−0421、FM−0425、信越化
学工業(株)製のX−22−170B、X−22−50
02、東芝シリコーン(株)製のTSF4750など、
片末端エポキシ基含有ポリシロキサン化合物として、チ
ッソ(株)製のサイラプレーンFM−0511、FM−
0521、FM−0525、信越化学工業(株)製のX
−22−173B、東芝シリコーン(株)製のTSF4
730、TSF4731、TSL9905、など、片末
端ビニル基含有ポリシロキサン化合物として、2東芝シ
リコーン(株)製のTSL9705など、片末端アミノ
基含有ポリシロキサン化合物として、チッソ(株)製の
サイラプレーンFM−3311、FM−3321、FM
−3325、信越化学工業(株)製のX−22−161
AS、X−22−161A、X−22−161B、X−
22−161C、東芝シリコーン(株)製のXF42−
A2645、XF42−A2646、TSF4700、
TSF4701、TSF4702、TSF4703、T
SF4720、TSL9306、TSL9305、TS
L9346、TSL9386、トーレ・シリコーン
(株)製のBX16−853、BY16−853Bなど
を例示することができる。
【0011】また、片末端に反応性官能基を有するポリ
シロキサン化合物の官能基と反応し得る単量体は、反応
性官能基の種類によってアルケン類、(メタ)アクリル
酸エステル類、多価アルコール類、エポキシ類、エチレ
ンイミノ類、イソシアネート、チオイソシアネート類、
ラクトン類、ケテン類、アルデヒド類、アミン類、アミ
ド類、チオール類、酸ヒドラジン類、ヒドロキサム酸
類、酸アジド類、カルボン酸、及びその誘導体類、酸無
水物などから選択することができる。
【0012】具体的には、アルケン類として、ブテン、
ヘプテン、オクテンなど、(メタ)アクリル酸エステル
類として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブ
チルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2ーエチルヘ
キシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレ
ート、2ーエチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタ
クリレート、ラウリルメタクリレート等のC1〜18のアル
キル(メタ)アクリレート;グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート;メトキシブチルアクリレー
ト、メトキシブチルメタクリレート、メトキシエチルア
クリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシ
ブチルアクリレート、エトキシブチルメタクリレート等
のC2〜18のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のC2〜8 のヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチルア
クリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチ
ルアクリレート等の(メタ)アクリル酸のアミノアルキ
ルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミドなど、
多価アルコール類として、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオールなど、エポキシ類として、
アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシ
ジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテト
ラメチレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン
酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエ
ステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテルなど、エ
チレンイミノ類として、トリエチレンジアミン、ビスエ
チレンイミンなど、イソシアネート類として、トリレン
ジイソシアネート(各種異性体比のものも含む)、ジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソ
シアネート、ジイソシアネートなど、チオイソシアネー
ト類として、メチレンビス(4−フェニルチオイソシア
ナート)など、ラクトン類として、γ−クロトノラクト
ン、α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン
など、ケテン類として、ジケテンなど、アルデヒド類と
して、p−ホロミルスチレン、α−シアノメチルアクロ
レイン、(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒド、
ベンズアルデヒド、ヒドロキシアルデヒド、アルデヒド
酸、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒドなど、アミ
ン類として、エチレンジアミン、ポリオキシプロピレン
ジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、イ
ス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタ
ン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、
m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジ
アミノジフェニルスルフォン、2,5−ジメチル−2,
5−ヘキサンジアミンなど、アミド類として、フタルイ
ミド、スクシンイミドなど、チオール類として、ペンタ
メチレンジメルカプタン、ヘキサメチレンジメルカプタ
ンなど、酸ヒドラジン類として、フェニルヒドラジド、
セミカルバジドなど、ヒドロキサム酸類として、ホルム
ヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸など、酸アジド
類として、o−キノンジアジドなど、カルボン酸、及び
その誘導体類として、マロン酸、マレイン酸、コハク
酸、アジピン酸、セパシン酸、シュウ酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、2,2,4−トリメチルア
ジピン酸、2,4,4−トリメチルアジピン酸、1,4
−ブタンジカルボン酸など、酸無水物として、フタル酸
無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、メチルテ
トラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、
ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物など
を例示することができる。
【0013】また、片末端に反応性官能基を有するポリ
シロキサン化合物の官能基と反応し得る反応性官能基を
主鎖上に有する線状高分子として、(メタ)アクリル
基、水酸基、メチロール基、エポキシ基、エチレンイミ
ノ基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、ラク
トン基、ケテン基、アルデヒド基、ビニル基、アミノ
基、アミド基、メルカプト基、酸ヒドラジン基、ヒドロ
キサム酸基、スルホン酸クロリド基、酸アジド基、スル
ホン酸基、カルボキニル基、酸無水物基などの反応性官
能基を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリビニルアセタール、その他のポリビニ
ル化合物、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アク
リル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエ
ン、ポリイソブレン、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリエチレンオキシド、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリスルフィド、ポリスルフォン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテル、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の線状
高分子が挙げられる。
【0014】具体的には、グリシジルメタクリレート・
アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアミン、ポリエ
チレンイミン、ポリトリメチレンイミン、ポリアミノス
チレン、ポリビニルヒドロキシエチルエーテル、ポリ−
p−ヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシメチルメタク
リレート、ポリ−N−メチロールアクリルアミド、カル
ボキシメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポ
リエピクロロヒドリン、ポリクロロメチルスチレン、ポ
リビニルクロロエチルエーテル、ポリアクリルアミド、
スチレン・マレイン酸無水物共重合体、ポリ(メタ)ア
クロレイン、ポリアセタール、ポリビニルイソシアナー
ト、ポリビニルアルコール、1−ナイロン、等が例示で
きる。
【0015】これらを用いて合成される、一連の側鎖に
ポリシロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)は、
低い屈折率を有するため、重合可能なエチレン性不飽和
結合を有する化合物との屈折率差を大きくとることがで
き、輻射線の干渉パターンによるホログラム記録を行っ
た時、高い回折効率を有するホログラムを作成すること
ができる。また光学的に極めて透明性が高く、且つ黄変
性が極めて低いため、形成されたホログラムの耐光性を
極めて高める事ができ、更にその熱安定性により、形成
されたホログラムの耐熱性を極めて高めることができ
る。
【0016】これら側鎖にポリシロキサン化合物部を含
む高分子化合物(A)は2種類以上の混合物として用い
ることが可能で、また、ポリシロキサン化合物との混合
物、ポリシロキサン化合物以外の高分子化合物との混合
物として用いてもかまわない。
【0017】ポリシロキサン化合物としては、ジメチル
ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、末端ハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、フェニルハイドロジェンポリシロキ
サン、ジフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリシ
ロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキル変性
ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、ビニル
基変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサ
ン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル・ポリ
エーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサ
ンなどが挙げられる。具体的には、ジメチルポリシロキ
サンとして、東芝シリコーン(株)製のTSF451、
XS69−A1753、トーレ・シリコーン(株)製の
SH200、BY16−140など、片末端ハイドロジ
ェンジメチルポリシロキサンとして、チッソ(株)製の
サイラプレーンFM1111、FM1121、FM11
25、東芝シリコーン(株)製のXF40−A260
6、XF40−A0153など、メチルハイドロジェン
ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のTS
F484、TSF483、トーレ・シリコーン(株)製
のSH1107、BY16−805など、両末端ヒドロ
キシジメチルポリシロキサンとして、東芝シリコーン
(株)製のYF3800、YF3905、YF305
7、YF3807、YF3802、YF3897、トー
レ・シリコーン(株)製のBY16−801、BY16
−817、BY16−873、PRX413など、メチ
ルフェニルポリシロキサンとして、東芝シリコーン
(株)製のTSF431、TSF433、TSF43
4、TSF437、TSF4300、YF3804、ト
ーレ・シリコーン(株)製のSH510、SH550、
SH710など、アルキル変性ポリシロキサンとして、
東芝シリコーン(株)製のTSF4421、TSF44
22、TSF4420、XF42−A3160、XF4
2−A3161、トーレ・シリコーン(株)製のSH2
03、SH230、SF8416、BX16−811
F、BY16−846など、アミノ変性ポリシロキサン
として、東芝シリコーン(株)製のTSF4700、T
SF4701、TSF4702、TSF4703、TS
F4704、TSF4705、TSF4706、XF4
2−A2645、XF42−A2646、トーレ・シリ
コーン(株)製のSF8417、BY16−828、B
Y16−849、BY16−850、BX16−85
9、BX16−860、BX16−853、BX16−
853B、チッソ(株)製のサイラプレーンFM331
1、FM3321、FM3325など、カルボキシル変
性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のT
SF4700、TSF4771、トーレ・シリコーン
(株)製のSF8418など、エポキシ変性ポリシロキ
サンとして、東芝シリコーン(株)製のTSF473
1、YF3965、XF42−A4439、TSF47
30、TSF4732、XF42−A4438、XF4
2−A5041、TSL9906、TSL9946、T
SL9986、XF42−A2262、XF42−A2
263、トーレ・シリコーン(株)製のSF8411、
SF8413、BY16−839、BX16−861、
BX16−862、SF8421EG、BY16−84
5、BX16−863、BX16−864、BX16−
865、BX16−866、BY16−855、BY1
6−855B、チッソ(株)製のサイラプレーンFM0
511、FM0521、FM0525、FM5511、
FM5521、FM5525など、アルコール変性ポリ
シロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のTSF4
750、TSF4751、トーレ・シリコーン(株)製
のSF8428、SH3771、SH3746、BY1
1−954、BY16−036、BY16−027、B
Y16−038、BX16−018、BY16−84
8、BX16−848B、BX16−001、BX16
−002、BX16−003、BX16−004、BY
16−005、BX16−009、BX16−010、
BX16−011、BX16−012、SF8427、
チッソ(株)製のサイラプレーンFM4411、FM4
421、FM4425、FM0411、FM0421、
FM0425など、ポリエーテル変性ポリシロキサンと
して、東芝シリコーン(株)製のTSF4440、TS
F4425、TSF4426、TSF4452、TSF
4460、TSF4441、TSF4453、TSF4
480、TSF4450、トーレ・シリコーン(株)製
のSH3749、BX16−033、SH3748、B
X16−034、BX16−035、SF8400、S
F8410、SF8419など、高級脂肪酸変性ポリシ
ロキサンとして、東芝シリコーン(株)製のTSF41
0、TSF411など、高級アルコールエステル変性ポ
リシロキサンとして、トーレ・シリコーン(株)製のS
F8422など、ビニル基含有ポリシロキサンとして、
東芝シリコーン(株)製のXF40−A1987、TS
L9646、TSL9686、トーレ・シリコーン
(株)製のBX16−867、BX16−868、チッ
ソ(株)製のサイラプレーンFM2231、FM224
1、FM2242、FP2231、FP2241、FP
2242など、フッ素変性ポリシロキサンとして、東芝
シリコーン(株)製のFQF501、トーレ・シリコー
ン(株)製のFS1265など、メルカプト変性ポリシ
ロキサンとして、トーレ・シリコーン(株)製のBX1
6−838A、BX16−838など、クロロアルキル
変性ポリシロキサンとして、東芝シリコーン(株)製の
TSL9236、TSL9276、トーレ・シリコーン
(株)製のBX16−835など、(メタ)アクリロイ
ル変性ポリシロキサンとして、チッソ(株)製のサイラ
プレーンFM0711、FM0721、FM0725な
どを例示することができる。
【0018】ポリシロキサン化合物以外の高分子化合物
としては、ビニルモノマーの単一重合体または2成分以
上の共重合体、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、2−メチルブチル、
3−メチルブチル、2−エチルブチル、1,3−ジメチ
ルブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルペンチル、
シクロヘキシル、アダマンチル、イソボルニル、ジシク
ロペンタニル、テトラヒドロフルフリールなどの鎖状、
分枝状及び環状アルキルの(メタ)アクリル酸エステル
モノマーの重合体、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル、4−ヒドロキシブチルなどの水酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、グ
リシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を含有
する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、
N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジエチルアミ
ノエチル、t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基を含
有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタ
ル酸などのカルボキシル基を含有するビニルモノマーの
重合体、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリ
レートなどのリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル
モノマーの重合体、アクリルアミド、N−ブチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニ
ルピロリドン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニル
ブチラール、ビニルアセタール、ビニルホルマールなど
のビニルモノマーの重合体があげられる。また、さらに
これらビニルモノマーの二成分以上の共重合体、ポリア
クリロニトリル、ポリブタジエン、ポリイソブレン、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ
エチレンオキシド、ポリフェニレンオキシド、ポリスル
フィド、ポリスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リウレタン、ポリエーテルなどを例示することができ
る。
【0019】次に、本発明で使用される、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を有する化合物(B)について説明
する。ここでいう重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する化合物(B)とは、官能基として、ラジカル重合可
能なエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物であ
る。
【0020】重合可能なエチレン性不飽和結合を有する
化合物(B)の内、分子内に芳香族環またはハロゲン原
子から選択される置換基を有する化合物を使用すること
によりホログラムの回折効率を高めることができる。こ
のような化合物として、スチレン、α−メチルスチレ
ン、4−メ(エ)トキシスチレンなどのスチレン類、フ
ェニル(メタ)アクリレート、4−フェニルエチル(メ
タ)アクリレート、4−メトキシカルボニルフェニル
(メタ)アクリレート、4−エトキシカルボニルフェニ
ル(メタ)アクリレート、4−ブトキシカルボニルフェ
ニル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルフェ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシジエチ
レングルコール(メタ)アクリレート、4−フェノキシ
テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−
フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、EO変性フェノキシ化リン酸(メタ)アクリレー
ト、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、4−ビフ
ェニリル(メタ)アクリレート、芳香族ポリヒドロキシ
化合物、例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル、ピロガロール等のジあるいはポリ(メタ)アクリレ
ート化合物、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、エチ(プロピ)レンオキサイド変性ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メ
タ)アクリレート、エチ(プロピ)レンオキサイド変性
ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノ
ールSジ(メタ)アクリレート、エチ(プロピ)レンオ
キサイド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレー
ト、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリ
レートなどの芳香族基を有する(メタ)アクリレート化
合物、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−
クロロフェノキシエチル(メタ)アクレート、p−ブロ
モフェノキシエチル(メタ)アクレート、トリクロロフ
ェノールエチ(プロピ)レンオキシド変性(メタ)アク
リレート、トリブロモフェノールエチ(プロピ)レンオ
キシド変性(メタ)アクリレート、テトラクロロビスフ
ェノールAエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ(メタ)
アクリレート、テトラブロモビスフェノールAエチ(プ
ロピ)レンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、テト
ラクロロビスフェノールSエチ(プロピ)レンオキシド
変性ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノ
ールSエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ(メタ)アク
リレートなどの塩素以上の原子量を持つハロゲン原子で
置換された芳香族基を有するスチレン類および(メタ)
アクリレート化合物、N−ビニルカルバゾール、3−メ
(エ)チル−N−ビニルカルバゾールなどのヘテロ芳香
族基を有するビニル化合物、3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジク
ロロプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモ
プロピル(メタ)アクリレートなどの塩素以上の原子量
を持つハロゲン原子で置換された(メタ)アクリレート
化合物などが挙げられる。
【0021】また、分子内に芳香族環またはハロゲン原
子と硫黄原子を有する化合物はホログラムの回折効率の
向上に更にこのましい。このような化合物として、フェ
ニルチオ(メタ)アクリレート、4−フェニルエチルチ
オ(メタ)アクリレート、4−メトキシカルボニルフェ
ニルチオ(メタ)アクリレート、4−エトキシカルボニ
ルフェニルチオ(メタ)アクリレート、4−ブトキシカ
ルボニルフェニルチオ(メタ)アクリレート、4−te
rt−ブチルフェニルチオ(メタ)アクリレート、ベン
ジルチオ(メタ)アクリレート、4−フェノキシジエチ
レングルコールチオ(メタ)アクリレート、4−フェノ
キシテトラエチレングリコールチオ(メタ)アクリレー
ト、4−フェノキシヘキサエチレングリコールチオ(メ
タ)アクリレート、4−ビフェニリルチオ(メタ)アク
リレート、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えば、ヒド
ロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール等の
ジチオあるいはポリチオ(メタ)アクリレート化合物、
ビスフェノールAジチオ(メタ)アクリレート、エチ
(プロピ)レンオキサイド変性ビスフェノールAジチオ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジチオ(メ
タ)アクリレート、エチ(プロピ)レンオキサイド変性
ビスフェノールFジチオ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールSジチオ(メタ)アクリレート、エチ(プロ
ピ)レンオキサイド変性ビスフェノールSジチオ(メ
タ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ
チオ(メタ)アクリレートなどの芳香族基を有するチオ
(メタ)アクリレート化合物、トリクロロフェノールエ
チ(プロピ)レンオキシド変性チオ(メタ)アクリレー
ト、トリブロモフェノールエチ(プロピ)レンオキシド
変性チオ(メタ)アクリレート、テトラクロロビスフェ
ノールAエチ(プロピ)レンオキシド変性ジチオ(メ
タ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAエチ
(プロピ)レンオキシド変性ジチオ(メタ)アクリレー
ト、テトラクロロビスフェノールSエチ(プロピ)レン
オキシド変性ジチオ(メタ)アクリレート、テトラブロ
モビスフェノールSエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ
チオ(メタ)アクリレートなどの塩素以上の原子量を持
つハロゲン原子で置換された芳香族基を有するチオ(メ
タ)アクリレート化合物、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピルチオ(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−
ヒドロキシプロピルチオ(メタ)アクリレート、2,3
−ジクロロプロピルチオ(メタ)アクリレート、2,3
−ジブロモプロピルチオ(メタ)アクリレートなどの塩
素以上の原子量を持つハロゲン原子で置換されたチオ
(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
【0022】重合可能なエチレン性不飽和結合を有する
化合物(B)として非ハロゲン系脂肪族系化合物を使用
することも可能である。このような化合物として、単官
能型として、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などの不飽和酸化合物、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
イソデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、
2(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、モルホ
リノエチル(メタ)アクリレート、などのアルキル(メ
タ)アクリレート型、メトキシジエチ(プロピ)レング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチ(プ
ロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
テトラエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレ
ート、メトキシポリエチ(プロピ)レングリコール(メ
タ)アクリレート、エトキシジエチ(プロピ)レングリ
コール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチ(プロ
ピ)レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポ
リエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート
などのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリ
レート型、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テト
ラヒドロフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ピ
ナニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アク
リレート型、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミドなどのアミン型(メタ)アクリレー
ト、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレートなどの官能基含有(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。
【0023】次に、多官能型として、1,3−プロパン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシネオペンチ
ルグリコール)アジペート、ビス(メタクリロキシネオ
ペンチルグリコール)アジペート、エピクロルヒドリン
変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト:日本化薬製カヤラッドR−167、ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート:日本化薬製カ
ヤラッドHXシリーズなどのアルキル型(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリ
ン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート:長
瀬産業デナコールDA(M)−811、エピクロルヒド
リン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト:長瀬産業デナコールDA(M)−851、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性
プロレングリコールジ(メタ)アクリレート:長瀬産業
デナコールDA(M)−911などのアルキレングリコ
ール型(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変
性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート:日
本化薬製カヤラッドR−604、エチレンオキサイド変
性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:
サートマーSR−454、プロピレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:日本
化薬製TPA−310、エピクロルヒドリン変性トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート:長瀬産業
DA(M)−321などのトリメチロールプロパン型
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート:東亜合成アロニックスM
−233、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリス
リトールポリ(メタ)アクリレート類:日本化薬製カヤ
ラッドD−310、320、330など、カプロラクト
ン変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレー
ト類:日本化薬製カヤラッドDPCA−20、30、6
0、120などのペンタエリスリトール型(メタ)アク
リレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エピ
クロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレ
ート:長瀬産業デナコールDA(M)−314、トリグ
リセロールジ(メタ)アクリレートなどのグリセロール
型(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロペンタニルジ(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、
メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート:山
陽国策パルプCAM−200などの脂環式(メタ)アク
リレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレ
ート:東亜合成アロニックスM−315、トリス(メタ
クリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン
変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、
カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イ
ソシアヌレートなどのイソシアヌレート型(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
【0024】また、非ハロゲン系脂肪族系化合物の内、
硫黄原子をさらに分子内に含有する化合物を例示する。
例えば、単官能型として、メトキシジエチ(プロピ)レ
ングリコールチオ(メタ)アクリレート、メトキシトリ
エチ(プロピ)レングリコールチオ(メタ)アクリレー
ト、メトキシテトラエチ(プロピ)レングリコールチオ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチ(プロピ)レ
ングリコールチオ(メタ)アクリレート、エトキシジエ
チ(プロピ)レングリコールチオ(メタ)アクリレー
ト、エトキシトリエチ(プロピ)レングリコールチオ
(メタ)アクリレート、エトキシポリエチ(プロピ)レ
ングリコールチオ(メタ)アクリレートなどのアルコキ
シアルキレングリコールチオ(メタ)アクリレート型、
シクロヘキシルチオ(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフリルチオ(メタ)アクリレート、イソボルニルチオ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルチオ(メ
タ)アクリレート、トリシクロペンタニルチオ(メタ)
アクリレート、ジシクロペンタジエニルチオ(メタ)ア
クリレート、ピナニルチオ(メタ)アクリレートなどの
脂環式チオ(メタ)アクリレート型などが挙げられる。
【0025】次に、多官能型として、1,3−プロパン
ジオールジチオ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジチオ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジチオ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジチオ(メタ)アクリレート、ビス(チオア
クリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビス
(チオメタクリロキシネオペンチルグリコール)アジペ
ート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオー
ルジチオ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールジチオ(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジチオ(メタ)アクリレートなどのアルキル
型チオ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジチ
オ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジチオ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジチオ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジチ
オ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジチ
オ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチ
レングリコールジチオ(メタ)アクリレート、エピクロ
ルヒドリン変性ジエチレングリコールジチオ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジチオ(メタ)アク
リレート、ジプロピレングリコールジチオ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジチオ(メタ)ア
クリレート、テトラプロピレングリコールジチオ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジチオ
(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロレ
ングリコールジチオ(メタ)アクリレートなどのアルキ
レングリコール型チオ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリチオ(メタ)アクリレート、ジトリ
メチロールプロパントリチオ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジチ
オ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリチオ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリチ
オ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリ
メチロールプロパントリチオ(メタ)アクリレートなど
のトリメチロールプロパン型チオ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリチオ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラチオ(メタ)アクリレ
ート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジチオ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
チオ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモ
ノヒドロキシペンタチオ(メタ)アクリレート、アルキ
ル変性ジペンタエリスリトールポリチオ(メタ)アクリ
レート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポ
リチオ(メタ)アクリレート類などペンタエリスリトー
ル型チオ(メタ)アクリレート、グリセロールジチオ
(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセ
ロールトリチオ(メタ)アクリレート、トリグリセロー
ルジチオ(メタ)アクリレートなどのグリセロール型チ
オ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジチオ
(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニルジチオ
(メタ)アクリレート、シクロヘキシルジチオ(メタ)
アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジチオ(メ
タ)アクリレートなどの脂環式チオ(メタ)アクリレー
ト、トリス(チオアクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、トリス(チオメタクリロキシエチル)イソシアヌレ
ート、カプロラクトン変性トリス(チオアクリロキシエ
チル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス
(チオメタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどの
イソシアヌレート型チオ(メタ)アクリレートなどが挙
げられる。これらは単独あるいは複数混合して用いても
良い。
【0026】また、重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する化合物(B)として、開環シグマ結合開裂を経て
重合する付加重合可能な化合物も挙げられる。このよう
な化合物は、K.J.IvinおよびT.サエグサ編、
Elsevier,NewYork、1984年中の、
第1章“General Thermodynamic
s and Mechanistic Aspects
ofRing−Opening Polymeriz
ation”第1頁〜第82頁、および第2章“Rin
g Opening Polymerization
via Carbon−Carbon Sigmabo
nd Cleavage”第83頁〜第119頁、W.
J.BaileyらのJ.Macromol.Sci.
−Chem.,A21巻、第1611頁〜第1639
頁、1984年、およびI.ChoおよびK.−D.A
hnのJ.Polym.Sci.,Polym.Let
t.Ed.第15巻、第751頁〜第753頁、197
7年に記載されている。具体例としては、ビニルシクロ
プロパン、例えば1,1−ジシアノ−2−ビニルシクロ
プロパン、1,1−ジクロロ−2−ビニルシクロプロパ
ン、ジエチルー2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジ
カルボキシレート(EVCD)、エチル−1−アセチル
−2−ビニル−1−シクロプロパンカルボキシレート
(EAVC)、エチル−1−ベンゾイル−2−ビニル−
1−シクロプロパンカルボキシレート(EBVC)など
が挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して用い
ても良いし、前記(メタ)アクリル化合物あるいはビニ
ル化合物と混合して用いても良い。
【0027】次に、本発明で使用される、光重合開始剤
系(C)について説明する。このような光重合開始剤系
としては、紫外から近赤外に渡る波長領域において吸収
を有する増感剤(イ)の少なくとも1種と、活性放射線
に露光された増感剤(イ)との相互作用によって、重合
可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)の重
合を誘起する活性種を発生する開始剤(ロ)の少なくと
も1種との混合系、あるいは増感剤と開始剤がイオン結
合または共有結合で一体化された化合物系を挙げること
ができる。
【0028】増感剤(イ)の具体例としては、例えばカ
ルコン誘導体やジベンザルアセトン誘導体などに代表さ
れる不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなど
の代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導
体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラ
キノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導
体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリ
ン誘導体、ケトクマリン誘導体、チオケトクマリン誘導
体、シアニン誘導体、ケトシアニン誘導体、メロシアニ
ン誘導体、オキソノール誘導体、スチリル誘導体、アク
リジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサ
ジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズ
レニウム誘導体、スクワリリウム誘導体、ポルフィリン
誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラナフ
トポリフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テ
トラアザポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、
ナフタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘
導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、テトラキ
ノキサリロポルフィラジン誘導体、テトラフィリン誘導
体、アヌレン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウ
ム誘導体、ピラン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロ
オキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、有機ルテ
ニウム錯体などが挙げられ、その他には、さらに大河原
信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談
社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981
年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材
料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および
増感剤、米国特許3,652,275、米国特許4,1
62,162、米国特許4,268,667、米国特許
4,351,893、米国特許4,454,218、米
国特許4,535,052、特開平2−85858、特
開平2−216154、特開平5−27436に記載の
不飽和ケトン系増感剤など、輻射線の波長に吸収がある
化合物が挙げられる。これらの増感剤(イ)は、必要に
応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよ
い。また、これらの増感剤(イ)のうち、キサンテン誘
導体、チオキサンテン誘導体あるいはオキソノール誘導
体のごときアニオン性染料の場合は、アリールジアゾニ
ウムカチオン、ジアリールヨードニウムカチオン、トリ
アリールスルホニウムカチオン、ジアルキルフェナシル
スルホニウムカチオン、ジアルキルフェナシルスルホキ
ソニウムカチオン、アルキルアリールフェナシルスルホ
ニウムカチオン、アルキルアリールフェナシルスルホキ
ソニウムカチオン、ジアリールフェナシルスルホニウム
カチオンあるいはジアリールフェナシルスルホキソニウ
ムカチオンなどのオニウムカチオンがイオン結合した化
合物であっても良く、また、一方、シアニン誘導体、ア
ズレニウム誘導体、ピリリウム誘導体あるいはチオピリ
リウム誘導体のごときカチオン性染料の場合は、トリア
リールアルキルホウ素アニオンなどのホウ酸アニオンが
イオン結合した化合物でも良い。
【0029】次に開始剤(ロ)としては、以下に示す化
合物が例示できる。例えば、2,3−ボルナンジオン
(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチル
テトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオ
ン)などの環状シス−α−ジカルボニル化合物、ベンゾ
フェノン、ジアセチル、ベンジル、ミヒラーズケトン、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトンなどのケトン類、ベンゾイルパーオキシ
ド、ジ−tert−ブチルパーオキシドなどの過酸化
物、アリールジアゾニウムなどのジアゾニウム塩、N−
フェニルグリシンなどの芳香族カルボン酸、2−クロロ
チオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテンなど
のキサンテン類、ジアリールヨードニウム塩、スルホニ
ウム塩などのオニウム塩、トリフェニルアルキルホウ酸
塩、金属アレーン錯体、ビスイミダゾール類、ポリハロ
ゲン化合物、フェニルイソオキサゾロン、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどがあげら
れる。これらの光重合開始剤系(C)は、必要に応じて
任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
【0030】好ましい光重合開始剤としては、英国特許
1388492号および特開昭53−133428号公
報記載のトリス(トリクロロメチル)−2、4、6−ト
リアジンなどの2、4、6−置換トリアジン化合物、特
開昭59−189340号公報および特開昭60−76
503号公報記載の3,3’−4,4’−テトラ(te
rt−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンな
どの有機過酸化物、特開平1−54440号、ヨーロッ
パ特許第109851号、ヨーロッパ特許第12671
2号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエ
ンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第17
4頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、ジフェニル
ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(p−ト
リル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフ
ェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなど
のジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルフェナシル
スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル
フェナシルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネートなどのスルホニウム塩、
テトラフェニルオキソスルホニウムヘキサフルオロホス
フェートなどのオキソスルホニウム塩、特開平3−70
4号公報記載のジフェニルヨードニウム(n−ブチル)
トリフェニルボレートなどのヨードニウム有機ホウ素錯
体、特願平5−255347号記載のジフェニルフェナ
シルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレー
ト、特開平5−213861号記載のジメチルフェナシ
ルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートな
どのスルホニウム有機ホウ素錯体、「オルガノメタリッ
クス(Organometallics)」、第8巻、
第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ
素錯体などが挙げられる。
【0031】次に、本発明において連鎖移動剤(D)は
ホログラムの回折効率を高めるために有効である。好ま
しい連鎖移動剤としてはチオール類であり、例えば、2
−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、
4,4−チオビスベンゼンチオール、p−ブロモベンゼ
ンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス(メルカプ
トメチル)ベンゼン、p−トルエンチオールなど、ま
た、USP第4414312号や特開昭64−1314
4号記載のチオール類、特開平2−291561号記載
のジスルフィド類、USP第3558322号や特開昭
64−17048号記載のチオン類、特開平2−291
560号記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−
アルコキシピリジンチオン類などもあげられる。連鎖移
動剤の使用量は、側鎖にポリシロキサン化合物部を含む
高分子化合物(A)100重量部に対して1.0〜30
重量部が好ましい。
【0032】次に、本発明のホログラム記録用感光性組
成物には、ホログラム製造後に記録層をより強固に定着
する目的のために架橋剤を使用することが可能である。
ここでいう架橋剤は、側鎖にポリシロキサン化合物部を
含む高分子化合物(A)が、ヒドロキシ基、アミノ基、
エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基などの反応
性基を有する時、架橋のために用いることができるもの
であり、反応性基の種類によって多価アルコール類、ア
ミン類、アミド類、多官能カルボン酸類、酸無水物、イ
ソシアネート類、エポキシ類などから選択することがで
きる。具体的な化合物としては、山下晋三他編「架橋剤
ハンドブック」(1981年、大成社)、日本接着協会
編「接着ハンドブック」(1980年、日刊工業新聞
社)などに記載されている化合物を挙げることができ
る。これらの架橋剤は、前記反応性基を持つ側鎖にポリ
シロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)100重
量部に対して0.001から20重量部の範囲で添加さ
れるのが好ましい。
【0033】また、本発明のホログラム記録用感光性組
成物には保存時の重合を防止する目的で熱重合禁止剤を
添加することが可能である。具体例としては、p−メト
キシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイド
ロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、
フェノチアジン等をあげることができ、これらの熱重合
防止剤は、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化
合物(B)100重量部に対して0.001から5重量
部の範囲で添加されるのが好ましい。
【0034】本発明のホログラム記録用感光性組成物に
は、さらに目的に応じて、ホスフィン、ホスホネート、
ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、ハレーション防
止剤、可塑剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤等と混合して使用しても良い。
【0035】本発明で使用のホログラム記録用感光性組
成物は、側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高分子化
合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する
化合物(B)、光重合開始剤系(C)を、任意の割合で
適当な溶媒中に溶解させ、得られた溶液を、基材上に感
光膜として形成してホログラム記録媒体として使用する
ことが可能である。
【0036】本発明で使用のホログラム記録用感光性組
成物中で、側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高分子
化合物(A)が組成物中に占める量は、高回折効率、高
解像度、高透明性を有するホログラムを製造するために
は、10〜90重量%、好ましくは、30〜70重量%
である。重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物(B)の使用量は、側鎖にポリシロキサン化合物部を
含む高分子化合物(A)100重量部に対し10〜50
0重量部、好ましくは30〜300重量部である。上記
範囲を逸脱すると高い回折効率の維持および感度特性の
向上が困難となるので好ましくない。
【0037】本発明のホログラム記録用感光性組成物で
使用される光重合開始剤系のうち増感剤(イ)は、側鎖
にポリシロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)1
00重量部に対し、0.001〜30重量部、好ましく
は、0.1〜5重量部の範囲で使用される。使用量は、
感光層膜厚と、該膜厚の光学密度によって制限を受け
る。即ち、光学密度が2を越さない範囲で使用すること
が好ましい。また、開始剤(ロ)は、側鎖にポリシロキ
サン化合物部を含む高分子化合物(A)100重量部に
対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重
量部の範囲で使用される。
【0038】上記のような組成比のホログラム記録用感
光性組成物を適当な溶媒に溶解させ、これを基材上に皮
膜状に塗布してホログラム記録媒体として用いる。塗布
される厚みは、乾燥後の膜厚として1μmから100μ
mにすることが好ましく、5μmから50μmの範囲が
より好ましいが、その厚みは、回折効率あるいは再生光
半値幅など要求されるホログラム特性と屈折率変調度
(Δn)との関係、あるいは、製造されるホログラムが
反射型ホログラムか透過型ホログラムかの何れかによっ
て、最適な厚みに設定する必要がある。その理論的根拠
については、H.Kogelnik著のBell.Sy
st.Tech.J.,第48巻,第2909頁(19
69年)にて記載されている。
【0039】基材としてはガラス板、ポリメチルメタク
リレート板、ポリカーボネ−トフィルム、三酢酸セルロ
ースフィルムまたはポリエステルフィルムなどが挙げら
れる。また、ポリビニ11111111ルアルコール、
ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデンあるいはセロファンフィ
ルムなどの保護膜をさらに設けて使用することができ
る。保護膜の形成の方法としては、溶液状態での塗布、
静電的な密着、押し出し機を使った積層、あるいは予め
粘着剤を該保護膜に塗布したフィルムを貼り合わせるこ
とによって、該ホログラム記録媒体上に積層することが
できる。このように、ホログラム記録媒体が2つの基材
に挟まれて使用される場合は、少なくとも一方は光学的
に透明であることが要求される。
【0040】次に、本発明のホログラム記録媒体を使用
したホログラムの製造方法について説明する。すなわ
ち、前記した方法によって作成したホログラム記録媒体
を、例えば第1図に示した反射型ホログラム撮影用の光
学系、第2図に示した透過型ホログラムの光学系にて2
光束干渉露光をする。また、第3図に示した様な1光束
による反射型ホログラム撮影用の光学系(いわゆるデニ
シウク方式)による干渉露光も可能である。本発明にお
けるホログラム記録用感光性組成物は、このような唯一
のホログラム露光によってホログラムの製造を完了させ
ることが可能であるが、該ホログラム露光のみでは未反
応であった、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する
化合物(B)の重合をさらに促進するために、加熱ある
いは(および)全面露光処理を施すことも可能である。
このような処理を行っても、ホログラム特性を損なうこ
とはない。加熱処理用の熱源としては、一般的には熱循
環式オーブンあるいは加熱ロールが好適に用いられる
が、これに限定されるものではない。加熱処理温度に特
に限定はないが、使用した基材の耐熱性、本発明におけ
るホログラム記録用感光用感光性組成物中の側鎖にポリ
シロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)および重
合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)の
耐熱性を考慮して、好適な温度条件を選択する必要があ
る。通常は、40℃から150℃の間が好ましい。ま
た、全面露光に使用する光源としては、干渉露光に使用
したレーザー光の他、カーボンアーク、高圧水銀灯、キ
セノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タ
ングステンランプなどの可視光および(または)紫外光
を用いる。
【0041】
【作用】本発明で使用のホログラム記録用感光性組成物
は、側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高分子化合物
(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物(B)、光重合開始剤系(C)からなることを特徴と
する。該組成物を基材上に膜として形成して得られるホ
ログラム記録媒体を使って、第1図に示したようなコヒ
ーレント性の高いレーザー光源の干渉露光によって、干
渉パターンが該記録媒体中に形成される。その時、干渉
作用の強い部位においては、光の作用によって、該光重
合開始剤系からフリーラジカルが発生し(開始剤の選択
によってはルイス酸も同時に発生する)、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を有する化合物(B)の重合反応が
誘起される。一方、干渉作用の低い部位では、このよう
な重合反応は誘起されず、両部位では、重合反応に伴う
体積収縮によって生じる密度勾配が形成される。また、
干渉作用の強い部位には、未反応のエチレン性不飽和結
合を有する化合物(B)が拡散移動によって集合するた
め、さらに密度が上がり、干渉作用の低い部位との屈折
率差が拡大することになり、屈折率変調によるホログラ
ムが形成される。一方、本発明で使用される側鎖にポリ
シロキサン化合物部を含む高分子化合物(A)は低い屈
折率を有するため、エチレン性不飽和結合を有する化合
物(B)との屈折率差を大きくとることができ、さらに
屈折率変調効果を向上させることが可能となり、0.0
05以上の屈折率変調を示す組合わせの時、その効果が
顕著になったものと解釈される。
【0042】さらにホログラム露光後、光または熱によ
る後処理工程を加えることにより、未反応であったエチ
レン性不飽和結合を有する化合物(B)の重合、拡散が
促進され、化学的に安定な、かつ経時変化のないホログ
ラムが製造される。また、この後処理工程によって、残
存していた光重合開始剤系(C)の増感剤が効果的に消
色され、ホログラムの透明性を向上させることになる。
【0043】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。
【0044】実施例1 攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備え
た四ツ口フラスコに、片末端メタクリロイル変性ポリジ
メチルシロキサン(チッソ社製、商品名FM−071
1、分子量1000)50重量部、メチルメタクリレー
ト(MMA、分子量100)50重量部、およびメチル
エチルケトン(MEK)200重量部を混合した均一溶
液を仕込んだ。重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)を0.8重量部加え、窒素雰囲気
下、80℃で約2時間反応させた後、更にAIBNを総
量の0.2重量部加え、窒素雰囲気下、約2時間加熱、
攪拌を継続し、FM−0711とMMAとの共重合体、
ポリマー1(数平均分子量約19000、MW/MN=
2.03)を合成した。
【0045】側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高分
子化合物(A)としてポリマー1を100重量部、重合
可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)とし
てフェノキシエチルアクリレート(共栄社油脂社製、商
品名PO−A、屈折率=1.52)を100重量部、光
重合開始剤系(C)の増感剤(イ)として3,3’−カ
ルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)(KC
D)を0.5重量部、開始剤(ロ)としてジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロフォスフェート(DPI)を
5重量部、溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を
200重量部からなる感光液を調製した。
【0046】この感光液を、100×125×3mmの
ガラス板上に、5ミルアプリケーターを用いて塗布し、
60℃のオーブン中で10分間乾燥し、ホログラム記録
媒体を作成した。乾燥後の感光層の膜厚は15μmであ
った。これにさらに保護層として、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを感光層側に貼合わせた。このホログ
ラム記録媒体に、図1に示すホログラム作成用光学系を
用いて、Arイオンレーザーの514.5nm光を二光
束干渉により、露光量30mJ/cm2 でホログラム露
光を行った。ホログラム露光を実施した後、更に二光束
の一方を遮断してホログラム露光と同じ露光量に晒し、
その後100℃オーブン中に1時間放置した。
【0047】回折効率は、日本分光工業(株)製ART
25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅3mmの
スリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心に
した半径20cmの円周上に設置できる。幅0.3mm
の単色光を試料に45度の角度で入射し、試料からの回
折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料
を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効
率とした。表2に、得られたホログラムの回折効率およ
び屈折率変調度ならびにプレイバック波長の結果を示し
た。
【0048】実施例2 実施例1の組成物に、さらに連鎖移動触媒として2−メ
ルカプトベンゾオキサゾール(MBO)を5重量部含む
ホログラム記録媒体を用いて、実施例1と同様の操作で
ホログラムを作成した。結果を表2に示す。
【0049】実施例3〜6 FM−0711とMMAを、それぞれ80重量部と20
重量部、60重量部と40重量部、40重量部と60重
量部、20重量部と80重量部とし、実施例1と同様の
方法で、FM−0711とMMAとの共重合体、ポリマ
ー2(数平均分子量約14000、MW/MN=1.5
6)、ポリマー3(数平均分子量約14000、MW/
MN=1.64)、ポリマー4(数平均分子量約150
00、MW/MN=1.65)、ポリマー5(数平均分
子量約14000、MW/MN=1.58)をそれぞれ
合成した。
【0050】実施例2と同様に、ポリマー1のかわり
に、それぞれポリマー2,3,4,5を100重量部含
むホログラム記録媒体を用いて、ホログラムを作成し
た。結果を表2に示す。
【0051】実施例7〜11 FM−0711の代わりにFM−0721(片末端メタ
クリロイル変性ポリジメチルシロキサン、チッソ社製、
商品名FM−0721、分子量5000)を用い、FM
−0721とMMAとの混合比を、それぞれ80重量部
と20重量部、60重量部と40重量部、50重量部と
50重量部、40重量部と60重量部、20重量部と8
0重量部とし、実施例1と同様の方法で、FM−072
1とMMAとの共重合体、ポリマー6(数平均分子量約
14000、MW/MN=1.70)、ポリマー7(数
平均分子量約12000、MW/MN=1.89)、ポ
リマー8(数平均分子量約12000、MW/MN=
1.91)、ポリマー9(数平均分子量約10000、
MW/MN=2.08)、ポリマー10(数平均分子量
約9000、MW/MN=2.05)をそれぞれ合成し
た。
【0052】実施例2と同様に、ポリマー1のかわり
に、それぞれポリマー6,7,8,9,10を100重
量部含むホログラム記録媒体を用いて、ホログラムを作
成した。結果を表2に示す。
【0053】実施例12〜14 FM−0711、MMA、およびサリチルアクリレート
(共栄社油脂社製、商品名S−A)を、それぞれの40
重量部対50重量部対10重量部、25重量部対50重
量部対25重量部、10重量部対50重量部対40重量
部の重量比で仕込み、実施例1と同様の方法で、FM−
0711とMMAとS−Aとの共重合体、ポリマー11
(数平均分子量約14000、MW/MN=1.8
9)、ポリマー12(数平均分子量約12000、MW
/MN=1.72)、ポリマー13(数平均分子量約1
2000、MW/MN=1.74)をそれぞれ合成し
た。
【0054】実施例2と同様に、ポリマー1のかわり
に、それぞれポリマー11,12,13を100重量部
含むホログラム記録媒体を用いて、ホログラムを作成し
た。結果を表2に示す。
【0055】実施例15 攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備え
た四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート(GM
A)100重量部、アクリロニトリル(AN)100重
量部、テトラヒドロフラン(THF)200重量部を混
合した均一溶液を仕込んだ。重合開始剤としてアゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)を1.6重量部加え、
窒素雰囲気下、64℃で約2時間反応させた後、更にA
IBNを総量の0.4重量部加え、窒素雰囲気下、約4
時間加熱、攪拌を継続し、GMAとANとの共重合体、
幹ポリマー(分子量6000)を合成した。このポリマ
ー溶液に片末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン(チ
ッソ社製、商品名FM−3311、分子量1000)1
00重量部を1時間で滴下し、加熱攪拌を1時間継続
し、シリコーングラフト共重合体、ポリマー14(分子
量15000)を合成した。
【0056】実施例2と同様に、ポリマー1のかわり
に、ポリマー14を100重量部含むホログラム記録媒
体を用いて、ホログラムを作成した。結果を表2に示
す。
【0057】実施例16〜19 実施例2と同様に、ポリマー1のかわりに、表3に示し
たポリマーの混合物を100重量部含むホログラム記録
媒体を用いて、ホログラムを作成した。結果を表4に示
す。
【0058】実施例20〜27 実施例2と同様に、フェノキシエチルアクリレートのか
わりに、表5に示したエチレン性不飽和結合を有する化
合物(B)を100重量部含むホログラム記録媒体を用
いて、ホログラムを作成した。結果を表5に示す。
【0059】実施例28〜37 実施例2と同様な方法で、KCDとDPIからなる光重
合開始剤系のかわりに、表6に示した開始剤系にかえた
ホログラム記録媒体を用いてホログラムを作成した。結
果を表7に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【発明の効果】本発明で使用のホログラム記録用感光性
組成物、ホログラム記録用媒体、およびそれを用いたホ
ログラムの製造方法を用いることにより、広い波長領域
に渡って高感度で、化学的に安定であり、高解像度、高
回折効率、高透明性を与え、且つ耐光性に優れた体積位
相型ホログラムが簡便に製造される。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型ホログラム作成用二光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【図2】透過型ホログラム作成用二光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【図3】反射型ホログラム作成用一光束露光装置のブロ
ック図を示す。
【符号の説明】
1:基材(ガラス板) 2:ホログラム記録用感光層 3:保護フィルム(ポリエステルフィルム) 4:スペーシャルフィルターを通して得られるコリメー
トされたレーザー光 5:反射ミラー(またはマスターホログラム)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高
    分子化合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を
    有する化合物(B)および光重合開始剤系(C)からな
    り、かつレーザ光の干渉露光により0.005以上の屈
    折率変調度を有することを特徴とするホログラム記録用
    感光性組成物。
  2. 【請求項2】 側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高
    分子化合物(A)が、片末端に反応性官能基を有するポ
    リシロキサン化合物と、その官能基と反応し得る単量体
    との共重合体である請求項1記載のホログラム記録用感
    光性組成物。
  3. 【請求項3】 側鎖にポリシロキサン化合物部を含む高
    分子化合物(A)が、片末端に反応性官能基を有するポ
    リシロキサン化合物と、その官能基と反応し得る反応性
    官能基を主鎖上に有する線状高分子とのグラフト共重合
    体である請求項1記載のホログラム記録用感光性組成
    物。
  4. 【請求項4】 重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
    る化合物(B)が、分子内に芳香族環またはハロゲン原
    子を有する化合物である請求項1ないし3記載のホログ
    ラム記録用感光性組成物。
  5. 【請求項5】 重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
    る化合物(B)が、非ハロゲン系脂肪族系化合物である
    請求項1ないし3記載のホログラム記録用感光性組成
    物。
  6. 【請求項6】 重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
    る化合物(B)が、分子内に硫黄原子を含有する化合物
    である請求項1または5記載のホログラム記録用感光性
    組成物。
  7. 【請求項7】 さらに連鎖移動剤(D)を含有する請求
    項1ないし6記載のホログラム記録用感光性組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7記載のホログラム記録
    材用感光性組成物を、基材上に層形成して成るホログラ
    ム記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のホログラム記録媒体を、
    ホログラム露光した後、光または熱を加えることを特徴
    とするホログラムの製造方法。
JP26108395A 1995-10-09 1995-10-09 ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法 Pending JPH09106241A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26108395A JPH09106241A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26108395A JPH09106241A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09106241A true JPH09106241A (ja) 1997-04-22

Family

ID=17356852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26108395A Pending JPH09106241A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09106241A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006483A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Sumitomo Chem Co Ltd フォトレジスト組成物
JP2004144955A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 反射型または半透過型の液晶表示装置及びその製造方法
WO2007007436A1 (ja) * 2005-07-11 2007-01-18 Toagosei Co., Ltd. 体積位相型ホログラム記録材料、その製造方法および記録体
JP2012508806A (ja) * 2008-11-17 2012-04-12 バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 加水分解によりサリチル酸を放出するバイオフィルム阻害コーティング
CN110114724A (zh) * 2017-09-27 2019-08-09 株式会社Lg化学 光聚合物组合物
JP2020536986A (ja) * 2017-12-15 2020-12-17 エルジー・ケム・リミテッド 染料化合物およびフォトポリマー組成物
US11226557B2 (en) * 2017-12-08 2022-01-18 Lg Chem, Ltd. Photopolymer composition

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006483A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Sumitomo Chem Co Ltd フォトレジスト組成物
JP2004144955A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 反射型または半透過型の液晶表示装置及びその製造方法
WO2007007436A1 (ja) * 2005-07-11 2007-01-18 Toagosei Co., Ltd. 体積位相型ホログラム記録材料、その製造方法および記録体
JP2012508806A (ja) * 2008-11-17 2012-04-12 バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 加水分解によりサリチル酸を放出するバイオフィルム阻害コーティング
CN110114724A (zh) * 2017-09-27 2019-08-09 株式会社Lg化学 光聚合物组合物
US11079678B2 (en) * 2017-09-27 2021-08-03 Lg Chem, Ltd. Photopolymer composition
CN110114724B (zh) * 2017-09-27 2022-12-30 株式会社Lg化学 光聚合物组合物
US11226557B2 (en) * 2017-12-08 2022-01-18 Lg Chem, Ltd. Photopolymer composition
JP2020536986A (ja) * 2017-12-15 2020-12-17 エルジー・ケム・リミテッド 染料化合物およびフォトポリマー組成物
US11084933B2 (en) 2017-12-15 2021-08-10 Lg Chem, Ltd. Dye compound and photopolymer composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6524771B2 (en) Optical recording film and process for production thereof
JP3170357B2 (ja) ホログラムの応答波長を変化させるためのドライフィルム方法
US5776634A (en) Photosensitive recording medium and method of preparing volume type phase hologram member using same
JPH0844277A (ja) ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法
AU613280B2 (en) Photopolymer film for holography
JPH08305262A (ja) 透明ホログラム用感光性記録材料と透明ホログラム用感光性記録媒体及びこの感光性記録媒体を用いた透明ホログラムの製造方法
JPH09106241A (ja) ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JP4821068B2 (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体
JPH09106242A (ja) ホログラム記録用感光性樹脂組成物とホログラム記録用媒体およびこのホログラム記録用媒体を用いたホログラムの製造方法
JPH08220975A (ja) ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JPH075796A (ja) ホログラム記録用組成物、ホログラム記録用媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JPH09106240A (ja) ホログラム記録用感光性組成物、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JP4672206B2 (ja) 体積ホログラム積層体の作成方法
JPH08272284A (ja) ホログラム用感光材料、ホログラム用記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JPH0816077A (ja) ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法
JPH07261643A (ja) ホログラム記録用材料およびホログラム記録用媒体
JPH08190334A (ja) 透明ホログラム用感光性記録材料および透明ホログラム用感光性記録媒体並びにそれを用いた透明ホログラムの製造方法
JPH06295150A (ja) ホログラム記録用組成物、ホログラム記録用媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JP3126395B2 (ja) ホログラム記録体の製造方法
JP3389669B2 (ja) ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法
JPH07261644A (ja) ホログラム記録用材料およびホログラム記録用媒体
JPH0816078A (ja) ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法
JPH07199777A (ja) ホログラム記録用感光性樹脂組成物及びホログラム記録用媒体
JPH0962169A (ja) ホログラム記録媒体
JP3900629B2 (ja) 透明ホログラムの製造方法