JPH09104777A - 液化ガス用架橋塩化ビニル系樹脂発泡体 - Google Patents

液化ガス用架橋塩化ビニル系樹脂発泡体

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JPH09104777A
JPH09104777A JP26029895A JP26029895A JPH09104777A JP H09104777 A JPH09104777 A JP H09104777A JP 26029895 A JP26029895 A JP 26029895A JP 26029895 A JP26029895 A JP 26029895A JP H09104777 A JPH09104777 A JP H09104777A
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JP
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vinyl chloride
chloride resin
foam
resin foam
crosslinked vinyl
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JP26029895A
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Yoshihiro Kimura
吉宏 木村
Mitsuhiro Kasai
充弘 笠井
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本質的に難燃性を呈し、耐冷熱衝撃性にすぐ
れ、また補強材を用いなくても機械的強度にすぐれ、極
低温液化ガス用断熱材として好適に使用しうる発泡体を
提供すること。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を架橋させてなる架橋
塩化ビニル系樹脂を基材樹脂とする架橋塩化ビニル系樹
脂発泡体であって、長さ340mm、幅340mm、厚
さ50mmの発泡体の両面に長さ340mm、幅340
mm、厚さ12mmの合板を貼付した積層体を液体チッ
素中に1時間浸漬したのち、室温下、大気中に取り出
し、2時間放置する操作を3回繰り返したときに、前記
発泡体にクラックの発生が認められないことを特徴とす
る液化ガス用架橋塩化ビニル系樹脂発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガス用架橋塩
化ビニル系樹脂発泡体に関する。さらに詳しくは、液化
天然ガス、液化石油ガス、液化アンモニアなどの極低温
液化ガス用断熱材などとして好適に使用しうる架橋塩化
ビニル系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液化天然ガス用貯蔵タンク、液化
天然ガス輸送用タンカーなどには、その断熱材として、
断熱性にすぐれていることから、硬質ポリウレタンフォ
ームが用いられている。
【0003】前記硬質ポリウレタンフォームは、低温特
性に劣り、冷熱衝撃によってクラックを発生することが
あるため、通常、ガラス繊維などの補強材と積層して用
いられている。
【0004】しかしながら、前記補強材が積層された硬
質ポリウレタンフォームは、前記補強材が用いられてい
ることにより、高価なものとなり、また硬質ポリウレタ
ンフォームは、本質的に可燃性を呈するものであるた
め、火災時の安全性の面で問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、本質的に難燃性を呈
し、耐冷熱衝撃性にすぐれ、液化ガス用、とくに極低温
液化ガス用断熱材として好適に使用しうる発泡体を提供
することを第1の目的とし、さらにガラス繊維などの補
強材を用いなくても機械的強度にすぐれた発泡体を提供
することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂を架橋させてなる架橋塩化ビニル系樹脂を基材樹脂
とする架橋塩化ビニル系樹脂発泡体であって、長さ34
0mm、幅340mm、厚さ50mmの発泡体の両面に
長さ340mm、幅340mm、厚さ12mmの合板を
貼付した積層体を液体チッ素中に1時間浸漬したのち、
室温下、大気中に取り出し、2時間放置する操作を3回
繰り返したときに、前記発泡体にクラックの発生が認め
られないことを特徴とする液化ガス用架橋塩化ビニル系
樹脂発泡体に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の液化ガス用架橋塩化ビニ
ル系樹脂発泡体は、前記したように、塩化ビニル系樹脂
を架橋させてなる架橋塩化ビニル系樹脂を基材樹脂とす
る架橋塩化ビニル系樹脂発泡体であり、長さ340m
m、幅340mm、厚さ50mmの発泡体の両面に長さ
340mm、幅340mm、厚さ12mmの合板を貼付
した積層体を液体チッ素中に1時間浸漬したのち、室温
下、大気中に取り出し、2時間放置する操作を3回繰り
返したときに、前記発泡体にクラックの発生が認められ
ないことを特徴とするものである。
【0008】本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体は、
前記構成要件を有することにより、たとえば液化天然ガ
ス、液化石油ガス、液化アンモニアなどのように、液化
温度がきわめて低い極低温液化ガス用断熱材として用い
たばあいであっても、使用中にこれらの極低温液化ガス
との接触による冷熱衝撃(サーマルショック)によって
クラックが発生しないという、すぐれた性能を呈する。
【0009】さらに、本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発
泡体は、その基材樹脂として架橋塩化ビニル系樹脂が用
いられているので、本質的にすぐれた難燃性を有する。
【0010】本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体の原
料としては、塩化ビニル系樹脂、イソシアネート、酸無
水物、発泡剤および必要により可塑剤を含有した発泡性
組成物が用いられる。
【0011】本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂は、
たとえば塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル系樹脂−酢
酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂を50重量%
以上、好ましくは70重量%以上含有する共重合体類を
はじめ、塩化ビニル系樹脂と相溶性を呈するブレンド樹
脂、たとえば塩素化塩化ビニル系樹脂、塩素化ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの少なくとも
1種を50重量%未満、好ましくは30重量%未満添加
した塩化ビニル系樹脂を含む概念のものである。前記塩
化ビニル系樹脂のなかでは、ペースト塩化ビニル系樹脂
は、いわゆるゾル状の流動性を有する発泡性組成物とす
ることができ、工業的に取扱いが便利なばあいがあるの
で、好適に使用しうるものである。ここで、ペースト塩
化ビニル系樹脂とは、数μm以下の粒子径をもつ真球状
の微細粉末で、いわゆる乳化重合法やミクロ懸濁重合法
により製造されるものであり、前記微細粉末はさらに径
の小さい多数の微粒子から構成される。
【0012】前記塩化ビニル系樹脂の平均重合度(JI
S K−6721に規定の「塩化ビニル樹脂試験方法」
に準じて測定したときの値)は、2000以上、好まし
くは2500以上の高平均重合度であることが好まし
い。
【0013】本発明においては、このように塩化ビニル
系樹脂として、従来一般に用いられている塩化ビニル系
樹脂の平均重合度(たとえば1000程度以上)よりも
高い平均重合度を有する塩化ビニル系樹脂を用いる点
に、1つの特徴がある。かかる平均高重合度を有する塩
化ビニル系樹脂を用いたばあいには、えられる架橋塩化
ビニル系樹脂発泡体が冷熱衝撃を受けたときにクラック
が発生しがたくなるという利点がある。前記塩化ビニル
系樹脂の平均重合度は、工業的に生産しやすいという観
点から、4000以下、なかんづく3500以下である
ことが好ましい。
【0014】前記塩化ビニル系樹脂の配合量は、通常発
泡性組成物に対して20〜90重量%、なかんづく40
〜70重量%であることが好ましい。かかる塩化ビニル
系樹脂の配合量が前記範囲よりも少ないばあいには、発
泡時に発泡体のセル膜が破れて良好な発泡体とならなく
なることがあり、また前記範囲よりも多いばあいには、
発泡体の密度が大きくなり、軽量断熱材としての価値が
失われる傾向がある。
【0015】前記イソシアネートとしては、たとえばト
ルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)などがあげられ、これらの
イソシアネートは通常単独でまたは2種以上を混合して
用いられる。
【0016】前記イソシアネートの配合量は、架橋効果
を向上させるために、塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して15重量部以上、なかんづく20重量部以上であ
ることが好ましく、また架橋反応に長時間を要しないよ
うにするために、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て70重量部以下、なかんづく60重量部以下であるこ
とが好ましい。
【0017】なお、前記イソシアネートは、酸無水物お
よび水を共存させることにより反応し、架橋が進行する
と同時に炭酸ガスが発生するので、該炭酸ガスを発泡剤
として利用することができる。
【0018】前記酸無水物としては、たとえば無水フタ
ル酸、無水マレイン酸などがあげられ、これらの酸無水
物は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。な
お、酸無水物は、イソシアネートとは直接反応しないた
め、発泡性組成物を発泡させて1次発泡体を作製し、え
られた1次発泡体に水を接触させて酸無水物をジカルボ
ン酸とし、これとイソシアネートとを反応させて2次発
泡させると同時に架橋反応を進行せしめるのがよい。
【0019】前記酸無水物の配合量は、通常イソシアネ
ートのイソシアネート基1当量に対して酸無水物に水を
反応させたときに生成するカルボキシル基0.5〜1.
5当量、とくに好ましくは1当量となるように調整する
ことが望ましい。かかる配合量が前記範囲をこえるばあ
いおよび前記範囲よりも少ないばあいのいずれのばあい
にも未反応物が残存し、えられる発泡体の各種物性を低
下させる傾向がある。
【0020】前記発泡性組成物には、必要により、たと
えばヒドラジカルボンアミド、タルクなどの造核剤を配
合することができる。このばあい、前記造核剤の配合量
は、セルの微細化効果を向上させるために、前記塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して0.1重量部以上、な
かんづく0.2重量部以上とすることが好ましく、また
あまり多量に配合してもセルの微細化効果がさほど向上
しないので、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て6重量部以下、なかんづく2重量部以下とすることが
好ましい。
【0021】なお、これらの造核剤のなかでは、ヒドラ
ジカルボンアミドは、その配合量がたとえば塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して0.5重量部と、きわめて
少量で用いたばあいであっても、えられる発泡体のセル
径は、ヒドラジカルボンアミドを添加しないばあいと対
比して大幅に、たとえば約50%以上も小さくなるの
で、本発明において好ましいものである。
【0022】なお、本発明においては、前記造核剤に加
えて、整泡剤を発泡性組成物に配合したばあいには、よ
り一層セルの微細化を図ることができる。このような整
泡剤としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、
アゾジカルボンアミドなどがあげられ、これらの整泡剤
は通常単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0023】前記整泡剤の配合量は、充分な整泡作用を
発現せしめるためには、前記塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して0.2重量部以上、なかんづく1重量部以
上とすることが好ましいが、あまりにもその配合量が多
すぎるばあいには、製品のコスト高につながるため、前
記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して10重量部以
下、なかんづく6重量部以下とすることが好ましい。
【0024】本発明に用いられる発泡剤としては、蒸発
型発泡剤および分解型発泡剤があげられる。
【0025】前記蒸発型発泡剤としては、たとえば非特
定フロン、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素類などが
あげられ、これらの発泡剤は単独でまたは2種以上を混
合して用いられる。これらの蒸発型発泡剤のなかでは、
とくに、たとえば1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン(フロン141b)(沸点32.1℃)、2,2−ジ
クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(フロン−1
23)(沸点27.6℃)などの沸点が20℃以上、好
ましくは25℃以上の非特定フロンは、えられる架橋塩
化ビニル系樹脂発泡体が冷熱衝撃を受けたときにクラッ
クが発生することを防止する効果にすぐれたものである
ので、好適に使用しうるものである。
【0026】前記分解型発泡剤としては、たとえばジア
ゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジドなど
があげられ、これらの発泡剤は単独でまたは2種以上を
混合して用いられる。
【0027】前記発泡剤の配合量は、イソシアネートと
酸無水物の配合量、所望する発泡倍率や発泡剤の種類な
どによって異なるので一概には決定することができない
が、通常、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
1重量部以上、なかんづく2重量部以上とすることが好
ましく、発泡時にセル膜に破断が生じないようにするた
めに、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して50
重量部以下、なかんづく40重量部以下とすることが好
ましい。
【0028】なお、前記発泡剤は、必要に応じてたとえ
ば尿素系の発泡助剤などと組合せて用いられうる。
【0029】本発明において、必要に応じて用いられる
可塑剤としては、たとえばリン酸トリクレジル、フタル
酸2−エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、フタル
酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン
酸ジオクチルなどの凝固点が−30℃以下の耐寒性可塑
剤などがあげられる。これらの可塑剤は、単独でまたは
2種以上を混合して用いられる。前記耐寒性可塑剤は、
架橋塩化ビニル系樹脂発泡体が冷熱衝撃を受けたとき
に、該発泡体に伸びを付与し、クラックを発生しがたく
する性質を有するものと考えられる。
【0030】前記可塑剤は必ずしも必須ではないが、そ
の配合量は、えられる発泡体が充分な機械的強度を有す
るようにするために、前記塩化ビニル系樹脂100重量
部に対して40重量部以下、なかんづく30重量部以下
であることが好ましく、また該可塑剤を配合することに
よる効果、すなわちえられる発泡体に延伸性および耐冷
熱衝撃性が充分に発現されるようにするために、前記塩
化ビニル系樹脂100重量部に対して2〜3重量部以上
配合するのがより好ましい。
【0031】また、前記発泡性組成物には、必要によ
り、さらに、たとえば安定剤、無機充填剤(増量剤)、
顔料などを適量配合することができる。
【0032】前記安定剤としては、塩化ビニル系樹脂の
分解劣化を阻止する能力を有するものであればとくに限
定はない。かかる安定剤の具体例としては、たとえば二
塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性
硫酸鉛やステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
亜リン酸鉛、フェニルインドールなどがあげられ、これ
らの安定剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。
【0033】前記無機充填剤には繊維状物と粒状物があ
る。前記繊維状物の代表例としては、たとえば岩綿、ガ
ラス繊維、セラミックファイバーなどがあげられる。ま
た、前記粒状物の代表例としては、たとえばタルク、炭
酸カルシウム、シラスバルーンなどがあげられる。
【0034】前記顔料は、えられる発泡体を所望の色に
着色するためのものであり、炭酸カルシウムなどのよう
に無機充填剤としての役割を兼備させることができる白
色顔料のほか、たとえばベンジジンオレンジ、ベンジジ
ンエローなどがあげられる。
【0035】なお、本発明においては、さらにたとえば
各種酸化防止剤、紫外線吸収剤をはじめ、三級アミン、
アルキルスルホン酸塩などの帯電防止剤などの通常プラ
スチックの添加剤として用いられているものを発泡性組
成物に適宜配合することができる。
【0036】前記発泡性組成物は、金型内に充填する前
に、たとえば双腕ニーダーなどの混練機を用いて充分に
混練し、均一な組成のゾル状物としておくことが好まし
い。なお、混練時の温度についてはとくに限定はなく、
通常室温であればよい。
【0037】つぎに調製された発泡性組成物をたとえば
アルミニウム合金などからなる金型内に充填し、金型を
たとえば油圧駆動型の多段式ホットプレス機などにセッ
トし、加圧下で該発泡性組成物を加熱する。
【0038】加圧および加熱条件は、該発泡性組成物の
構成成分により異なるが、発泡性組成物に応じた適当な
温度、たとえば150〜200℃および圧力100〜3
00kg/cm2・Gが選定される。なお、温度が前記
範囲に達したら、10〜60分間程度その状態を維持す
るのが好ましい。そののち、金型を加圧したままの状態
でプレス機の加圧加熱板温度を水などの冷却媒体を用い
て室温まで降下させ、金型を型開きすることにより、1
次発泡体がえられる。
【0039】つぎに、えられた1次発泡体を熱水や水蒸
気と接触させ、架橋反応を進行させると同時に、生成し
た炭酸ガスにより、2次発泡させることにより、本発明
の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体がえられる。
【0040】本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体のI
SO 1926に規定の引張り強さとして、液体チッ素
中における引っ張り強さ(TA)および室温を有する大
気中における引張り強さ(TB)にもとづいて、式:
[TA/TB]×100にしたがって求められる引張り強
さ維持率は、冷熱衝撃を受けたばあいであっても、クラ
ックなどが生じないようにするために、75%以上、好
ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であ
ることが望ましい。とくに、液体チッ素中における引張
り強さ(TA)が0.75MPa以上、なかんづく0.
80MPa以上であることが、冷熱衝撃でクラックが発
生しがたくなるので、好ましい。
【0041】また、本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡
体の密度(ISO R845に準拠)は、必要な機械的
強度を維持させるために、30kg/m3以上、好まし
くは40kg/m3以上であることが望ましく、また製
造コストの面から200kg/m3以下、好ましくは1
50kg/m3以下、より好ましくは125kg/m
以下、さらに好ましくは100kg/m以下であるこ
とが望ましい。
【0042】また、本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡
体の熱伝導率(ASTM C177に準拠)は、20℃
で0.030kcal/mh℃以下、好ましくは0.0
28kcal/mh℃以下、さらに好ましくは0.02
5kcal/mh℃以下であることが望ましい。
【0043】かくしてえられる本発明の架橋塩化ビニル
系樹脂発泡体は、長さ340mm、幅340mm、厚さ
50mmの発泡体とし、その両面に長さ340mm、幅
340mm、厚さ12mmの合板を貼付して積層体と
し、該積層体を液体チッ素中に1時間浸漬したのち、室
温下、大気中に取り出し、2時間放置する操作を3回繰
り返したときに、前記発泡体にクラックの発生が認めら
れないという構成を有するので、たとえば液化天然ガ
ス、液化石油ガス、液化アンモニアなどのように、液化
温度がきわめて低い極低温液化ガス用断熱材として用い
たばあいであっても、使用中にこれらの極低温液化ガス
との接触による冷熱衝撃(サーマルショック)によって
クラックが発生しないという、すぐれた性能を有する。
【0044】
【実施例】つぎに本発明の極低温液化ガス用架橋塩化ビ
ニル系樹脂発泡体を実施例にもとづいてさらに詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0045】実施例1〜8および比較例1〜2 表1に示す組成となるように原料を調整し、総量が50
kgとなるように計量したのち、有効容量が50リット
ルの双腕ニーダーで室温下で45分間混練して発泡性組
成物をえた。
【0046】えられた発泡性組成物を内寸が780mm
×450mm×21mmのアルミニウム合金製金型5台
内にそれぞれ充填し、多段プレス機にセットした。プレ
ス熱板にスチームを通し、金型温度を175℃まで昇温
し、圧力210kg/cm2・Gで35分間保持したの
ち、プレス熱板に工業用水を通して30℃以下となるま
で冷却し、プレス機の締付圧を解放し、金型を型開きし
て1次発泡体としたのち、95℃の熱水中に浸漬し、4
時間放置して2次発泡を行ない、架橋塩化ビニル系樹脂
発泡体をえた。
【0047】
【表1】
【0048】つぎに、えられた架橋塩化ビニル系樹脂発
泡体の物性として、耐冷熱衝撃性、密度、引張り強さ、
引張り強さ保持率を以下の方法にしたがって調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0049】(イ)耐冷熱衝撃性 えられた発泡体を340×340×50mmの大きさに
裁断し、大きさが340×340mmの両面にウレタン
系接着剤(ヘンケル(HENCKEL)社製、商品名:
UK8202)を300g/m2の塗布量で塗布したの
ち、大きさが340×340×12mmのフィンランド
バーチ製合板をそれぞれの面に接着させて積層体を作製
する。
【0050】つぎに、えられた積層体を液体チッ素(液
温:約−196℃)に1時間浸漬したのち、約20℃の
大気中に取り出し、2時間放置する。
【0051】前記積層体を液体チッ素に浸漬する操作か
ら、積層体を液体チッ素から取り出し、放置する操作を
3回繰り返したのち、帯ノコを用いて合板と発泡体とを
切り離し、発泡体の表面にクラックの発生が認められる
かどうかを目視にて観察し、クラックの発生が認められ
ないばあいを合格、クラックの発生が認められるばあい
を不合格と判定する。なお、本測定法は、フランスのG
T & T(GazTransport & Tech
nigaz)社の材料認定法に準ずるものであって当業
界ではかなり一般的なものとして認識されている。
【0052】(ロ)密度 ISO R845に準拠して測定する。
【0053】(ハ)引張り強さ ISO 1926に準拠して、液体チッ素中における引
張り強さ(TA)および室温(約20℃)における引張
り強さ(TB)を測定する。
【0054】(ニ)引張り強さ保持率 前記項目(ハ)によって測定された、液体チッ素中にお
ける引張り強さ(TA)および室温(約20℃)におけ
る引張り強さ(TB)にもとづいて、式: [引張り強さ維持率]=[TA/TB]×100 にしたがって求める。
【0055】
【表2】
【0056】表2に示された結果から、実施例1〜8で
えられた架橋塩化ビニル系樹脂発泡体は、いずれも耐熱
衝撃性にすぐれ、引張り強さ保持率75%以上を有し、
しかも液体チッ素中における引張り強さ(TA)が0.
75MPa以上であり、極低温液化ガス用断熱材として
好適に使用しうるものであることがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体
は、塩化ビニル系樹脂を基材樹脂としたものであるの
で、本質的に難燃性を呈するものである。
【0058】また、本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発泡
体は、ガラス繊維などの補強材を用いなくても機械的強
度にすぐれたものであるので、安価となり、コスト面で
もすぐれるという効果を奏する。
【0059】さらに、本発明の架橋塩化ビニル系樹脂発
泡体は、耐冷熱衝撃性にもすぐれたものであるので、極
低温液化ガス用断熱材として好適に使用しうるものであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を架橋させてなる架橋
    塩化ビニル系樹脂を基材樹脂とする架橋塩化ビニル系樹
    脂発泡体であって、長さ340mm、幅340mm、厚
    さ50mmの発泡体の両面に長さ340mm、幅340
    mm、厚さ12mmの合板を貼付した積層体を液体チッ
    素中に1時間浸漬したのち、室温下、大気中に取り出
    し、2時間放置する操作を3回繰り返したときに、前記
    発泡体にクラックの発生が認められないことを特徴とす
    る液化ガス用架橋塩化ビニル系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 液体チッ素中における引張強さ(TA
    および室温下、大気中における引張り強さ(TB)にも
    とづいて、式:[TA/TB]×100にしたがって求め
    られる引張り強さ維持率が75%以上である請求項1記
    載の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 液体チッ素中における引張り強さ
    (TA)が0.75MPa以上である請求項1または2
    記載の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体。
  4. 【請求項4】 発泡剤として、沸点が20℃以上の非特
    定フロンが用いられてなる請求項1、2または3記載の
    架橋塩化ビニル系樹脂発泡体。
  5. 【請求項5】 2000以上の平均重合度を有する塩化
    ビニル系樹脂が用いられてなる請求項1、2、3または
    4記載の架橋塩化ビニル系樹脂発泡体。
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