JPH09103935A - 工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法 - Google Patents

工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法

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JPH09103935A
JPH09103935A JP25770895A JP25770895A JPH09103935A JP H09103935 A JPH09103935 A JP H09103935A JP 25770895 A JP25770895 A JP 25770895A JP 25770895 A JP25770895 A JP 25770895A JP H09103935 A JPH09103935 A JP H09103935A
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spindle
boring
thermal expansion
axial direction
clamping
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JP25770895A
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Satoshi Kumamoto
聰 熊本
Hiroshi Ira
博史 伊良
Atsushi Tada
敦司 多田
Katsuji Kakuhari
勝治 覚張
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Shibaura Machine Co Ltd
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリエンコーダの検出精度に依存するこ
となく、サーボオン状態で熱膨張補正を行うこと。 【解決手段】 クランプ機構により中ぐり主軸をクラン
プした主軸クランプ当初のサーボモータ31の電流値i
o を検出すると共に、サーボオン状態にてそれより以降
のクランプ状態下のサーボモータ31の電流値iを検出
し、主軸クランプ当初のサーボモータの電流値io が保
たれるようにサーボモータ31を駆動し、主軸クランプ
時における中ぐり主軸の軸線方向の熱膨張をリアルタイ
ムに吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、中ぐり盤、フラ
イス盤、中ぐりフライス盤などの工作機械の中ぐり主軸
装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法に関し、特
にクランプ機構付きの主軸繰り出し機構を有する中ぐり
主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】中ぐり盤、フライス盤、中ぐりフライス
盤などの工作機械の中ぐり主軸装置として、軸線方向に
移動可能、即ち繰り出し移動可能に設けられて先端に工
具を保持する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方向
に位置決め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を任
意の軸線方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の軸
線方向移動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送り
機構をサーボモータにより駆動し、サーボ制御により前
記中ぐり主軸の軸線方向の位置制御を行う中ぐり主軸装
置は既によく知られている。
【0003】上述のような中ぐり主軸装置においては、
クランプ中に中ぐり主軸が軸線方向の熱膨張することは
避けられず、この熱膨張は中ぐり主軸の位置制御の誤差
要因になる。このことに鑑み、中ぐり主軸の軸線方向の
熱膨張量に応じて中ぐり主軸の軸線方向駆動量を補正す
ることが特公平4−79761号公報に示されている。
【0004】この公報に示されている熱膨張補正装置で
は、クランプ機構により中ぐり主軸をクランプした状態
で、サーボモータを自由状態にし、中ぐり主軸の軸線方
向の熱膨張によって自由状態のサーボモータが送り機構
より逆回転駆動される回転量をロータリエンコーダによ
り検出し、この回転量、換言すれば熱伸長量相当値を記
憶しておき、中ぐり主軸の次の位置制御に際してサーボ
オン状態に戻す時に前記熱伸長量相当値をもって位置指
令値を補正する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような熱膨張補正では、主軸クランプ時には、サーボモ
ータが自由状態、即ちサーボオフの状態なるから、位置
検出器としてアブソリュート型のロータリエンコーダが
必要になったり、サーボ再起動時に原点位置を再設定し
なければならない等の問題点がある。
【0006】また上述の熱膨張補正では、熱膨張補正の
精度はロータリエンコーダの検出精度に依存することに
なり、ロータリエンコーダの分解能以上の高精度な熱膨
張補正は行えない。
【0007】この発明は、上述の如き問題点に着目して
なされたものであり、ロータリエンコーダの検出精度に
依存することなく、しかも位置検出器としてアブソリュ
ート型のロータリエンコーダを必要としたり、サーボ再
起動時に原点位置を再設定したりすることを必要とする
ことなく、サーボオン状態で、高精度に信頼性が高い熱
膨張検出および熱膨張補正を行う工作機械の中ぐり主軸
装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨
張検出方法は、軸線方向に移動可能に設けられて先端に
工具を保持する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方
向に位置決め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を
任意の軸線方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の
軸線方向移動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送
り機構をサーボモータにより駆動し、サーボ制御により
前記中ぐり主軸の軸線方向の位置制御を行う工作機械の
中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法において、前記クラン
プ機構により中ぐり主軸をクランプしたクランプ当初の
前記サーボモータの電流値を検出する共に、サーボオン
状態にてそれより以降のクランプ状態下の前記サーボモ
ータの電流値を検出し、主軸クランプ当初の前記サーボ
モータの電流値とそれより以降のクランプ状態下の前記
サーボモータの電流値との差値より前記中ぐり主軸の軸
線方向の熱膨張量を検出するものである。
【0009】主軸クランプ中に中ぐり主軸が軸線方向に
熱膨張すると、クランプ点を基点として中ぐり主軸が前
後に伸長し、この中ぐり主軸の後方への伸長によって送
り機構よりサーボモータに逆回転駆動力が作用する訳で
あるが、この発明による中ぐり主軸装置の熱膨張検出方
法では、主軸クランプ中もサーボオン状態が維持されて
いるから、サーボモータはその逆回転駆動力に対して現
在位置を維持すべくサーボロック作用し、中ぐり主軸の
後方への伸長量に相当してサーボモータの電流値が主軸
クランプ当初の電流値より増加する。従って主軸クラン
プ当初の前記サーボモータの電流値とそれより以降のク
ランプ状態下の前記サーボモータの電流値との差値は中
ぐり主軸の軸線方向の熱膨張量を高精度に示すことにな
り、この差値より中ぐり主軸の軸線方向の熱膨張量を定
量的に検出できる。
【0010】また上述の目的を達成するために、この発
明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨張補正方法
は、軸線方向に移動可能に設けられて先端に工具を保持
する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方向に位置決
め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を任意の軸線
方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の軸線方向移
動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送り機構をサ
ーボモータにより駆動し、サーボ制御により前記中ぐり
主軸の軸線方向の位置制御を行う工作機械の中ぐり主軸
装置の熱膨張補正方法において、前記クランプ機構によ
り中ぐり主軸をクランプした主軸クランプ当初の前記サ
ーボモータの電流値を検出すると共に、サーボオン状態
にてそれより以降のクランプ状態下の前記サーボモータ
の電流値を検出し、主軸クランプ当初の前記サーボモー
タの電流値が保たれるように前記サーボモータを駆動
し、主軸クランプ時における前記中ぐり主軸の軸線方向
の熱膨張をリアルタイムに吸収するものである。
【0011】この発明による中ぐり主軸装置の熱膨張補
正方法では、主軸クランプ時にはクランプ当初のサーボ
モータの電流値を制御目標相当値とし、主軸クランプ中
にサーボオン状態にて検出されるサーボモータの電流値
をフィードバック信号として位置制御が行われることに
なり、主軸クランプ時における中ぐり主軸の軸線方向の
熱膨張がリアルタイムに吸収される。これにより主軸ク
ランプ中もサーボオン状態が維持されても、クランプ解
除時に中ぐり主軸が軸線方向に飛び出し移動することが
なく、同時に中ぐり主軸の熱膨張補正が行われる。
【0012】また上述の目的を達成するために、この発
明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨張補正方法
は、軸線方向に移動可能に設けられて先端に工具を保持
する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方向に位置決
め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を任意の軸線
方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の軸線方向移
動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送り機構をサ
ーボモータにより駆動し、サーボ制御により前記中ぐり
主軸の軸線方向の位置制御を行う工作機械の中ぐり主軸
装置の熱膨張検出方法において、前記クランプ機構によ
り中ぐり主軸をクランプしたクランプ当初の前記送り機
構に作用している送り方向の負荷を負荷検出手段によっ
て検出すると共に、サーボオン状態にてそれより以降の
負荷を負荷検出手段によって検出し、主軸クランプ当初
の負荷が保たれるように前記サーボモータを駆動し、主
軸クランプ時における前記中ぐり主軸の軸線方向の熱膨
張をリアルタイムに吸収するものである。
【0013】この発明により中ぐり主軸装置の熱膨張補
正方法では、主軸クランプ時には負荷検出手段により検
出される送り機構の送り方向負荷の主軸クランプ当初の
検出値を制御目標相当値とし、主軸クランプ中にサーボ
オン状態にて負荷検出手段により検出される送り機構の
送り方向負荷をフィードバック信号として位置制御が行
われることになり、主軸クランプ時における中ぐり主軸
の軸線方向の熱膨張がリアルタイムに吸収される。これ
により主軸クランプ中もサーボオン状態が維持されて
も、クランプ解除時に中ぐり主軸が軸線方向に飛び出し
移動することがなく、同時に中ぐり主軸の熱膨張補正が
行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面を用いて詳細に説明する。
【0015】図1、図2はこの発明による工作機械の中
ぐり主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法の
実施に使用する中ぐり主軸装置の一つの実施の形態を示
している。中ぐり主軸装置は、図1に示されているよう
に、主軸ハウジング1に軸受部材3によってスリーブ軸
5を回転可能に支持している。スリーブ軸5は、主軸ハ
ウジング1に対して軸線方向には不動であり、歯車7に
よって図示されていない主軸モータと駆動連結され、主
軸モータによって回転駆動される。
【0016】スリーブ軸5の内筒部には中ぐり主軸9が
軸線方向に移動可能に設けられている。中ぐり主軸9
は、図示されていない滑りキーなどによりスリーブ軸5
とトルク伝達関係に連結されて軸線方向に移動可能であ
り、先端部に形成されているテーパ孔11に工具を交換
可能に装着される。
【0017】中ぐり主軸9の後端部には軸受部材13に
よってナット保持組立体15が相対回転可能に連結され
ている。ナット保持組立体15は、主軸ハウジング1よ
り支持されたリニアガイドバー17と軸線方向に移動可
能に係合して回り止めされ、中ぐり主軸9の中心軸線上
にてボールナット19を固定支持している。
【0018】ボールナット19にはボールねじ棹21が
螺合している。ボールねじ棹21は、中ぐり主軸9の中
心軸線に沿って延在し、後端部を軸受部材23によって
主軸ハウジング1より回転可能に支持され、歯車25、
中間歯車27、歯車29によってW軸サーボモータ31
と駆動連結されている。
【0019】これによりボールねじ棹21は、W軸サー
ボモータ31によって回転駆動され、ボールナット19
との螺合によって中ぐり主軸9を軸線方向に移動させ
る。W軸サーボモータ31には位置検出器としてロータ
リエンコーダ41が接続されている。
【0020】中ぐり主軸9の先端近傍部には油圧式の主
軸クランプ装置33が設けられている。主軸クランプ装
置33は、作動室35に油圧を供給されることにより楔
部材37によって中ぐり主軸9とスリーブ軸5とを締結
し、中ぐり主軸9を任意の軸線方向位置にてクランプし
て中ぐり主軸9の軸線方向移動を拘束する。
【0021】次に図2を参照をしてW軸サーボモータ3
1のサーボ制御系について説明する。このサーボ制御系
は、位置制御ループをメインループとし、速度制御ルー
プと電流制御ループとをマイナーループとしてカスケー
ド構成されており、パルス分配器51と、位置偏差カウ
ンタ53と、D/Aコンバータ55と、速度制御回路5
7と、電流制御回路59とを含んでいる。
【0022】パルス分配器51は、二つのANDゲート
61、63と、一つのNOTゲート65と、二つのOR
ゲート67、69とを有し、位置指令(指令パルスと符
号)とロータリエンコーダ43による位置検出のパルス
信号とを与えられ、ORゲート67はそれらパルス信号
をアップダウンカウンタである位置偏差カウンタ53の
アップカウント端子に入力し、ORゲート69はそれら
パルス信号を位置偏差カウンタ53のダウンカウント端
子に入力する。
【0023】ロータリエンコーダ41はインクリメンタ
ル型のものであり、このロータリエンコーダ41が出力
するA相パルス信号とB相パルス信号は、方向弁別・パ
ルス整形回路71に入力されることにより、方向を弁別
され、プラス方向、マイナス方向に応じて所定のパルス
列をもってORゲート67あるいは69の何れかに入力
され、またANDゲート61、63とNOTゲート65
とによる論理回路によって指令パルス信号は符号(+,
−)に応じてORゲート67あるいは69に入力され
る。
【0024】位置偏差カウンタ53は、ORゲート67
あるいは69より指令パルス信号と位置検出のパルス信
号をアップカウント端子あるいはダウンカウント端子に
入力することによって位置指令値と位置検出値との差で
ある位置偏差をカウントし、偏差パルスの溜り量(カウ
ント値)をD/Aコンバータ55に入力する。
【0025】速度制御回路57はD/Aコンバータ55
より位置偏差相当のアナログ信号と微分器73よりA相
パルス信号の単位時間当たり微分値による速度信号とを
入力して速度偏差に基づく電流指令信号を電流制御回路
59へ出力し、電流制御回路59は速度制御回路57よ
りの電流指令信号と電流検出器75により検出されるW
軸サーボモータ31の電流値との偏差に基づいて電流指
令信号をW軸サーボモータ31のモータ駆動回路77へ
出力する。
【0026】以上の構成、動作は、サーボコントローラ
による通常の位置制御であり、サーボ制御系は、この発
明による中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張
補正方法の実施のために、上述の回路構成に加えて、以
下に説明する回路構成を含んでいる。
【0027】電流検出器75により検出されるW軸サー
ボモータ31の電流値iの信号は差動増幅器79にも入
力される。差動増幅器79は、主軸クランプ装置33に
よって中ぐり主軸9がクランプされた当初のW軸サーボ
モータ31の電流値io と、サーボオン状態にて、それ
以降(主軸クランプ状態下)に電流検出器75により検
出されるW軸サーボモータ31の電流値iとを比較し、
その差による電圧信号をV/Fコンバータ81と極性弁
別回路83とに入力する。
【0028】差動増幅器79の出力信号(電圧信号)
は、V/Fコンバータ81によるパルス信号化におい
て、そのパルス信号の1パルスの重みが上述の指令パル
ス信号のそれと等価となるように、可変抵抗器85によ
り出力レベルを設定される。
【0029】中ぐり主軸9がクランプされた当初のW軸
サーボモータ31の電流値io は、通常、ゼロであり、
この電流値(クランプ開始時電流値)io がゼロ以外を
示す場合には、ラッチ回路等を使用してクランプ開始時
電流値io を差動増幅器79の反転入力端子に与えれば
よい。
【0030】V/Fコンバータ81は中ぐり主軸9がク
ランプされた当初のW軸サーボモータ31の電流値io
と電流検出器75により検出されるW軸サーボモータ3
1の電流値iとの差に相当する周波数のパルス信号(以
下、これを熱膨張相当パルス信号と云う)を発生して、
これをANDゲート87、89に与え、また極性弁別回
路83は差動増幅器79の出力信号の極性に応じてプラ
ス側のANDゲート87とマイナス側のANDゲート8
9の何れか一方にハイレベル信号を入力する。
【0031】熱変位によって中ぐり主軸9が伸長した場
合には、サーボオン状態では、電流検出器75により検
出されるW軸サーボモータ31の電流値iはサーボロッ
ク作用によって主軸クランプ当初のモータ電流値io よ
り中ぐり主軸9の熱膨張量に比例して増加する。
【0032】即ち、主軸クランプ中もサーボオン状態が
維持されると、W軸サーボモータ31は中ぐり主軸9の
熱膨張による逆回転駆動力に対して現在位置を維持すべ
くサーボロック作用し、中ぐり主軸9の後方への伸長量
に相当してW軸サーボモータの電流値iが主軸クランプ
当初の電流値io より増加する。従って熱変位によって
中ぐり主軸9が伸長した場合の差動増幅器79の出力信
号の極性はプラスになる。
【0033】なお、主軸9が熱変位によって伸長したこ
とにより、サーボロック作用によってW軸サーボモータ
31の電流値iが増加した状態のまま、中ぐり主軸9の
クランプが解放されると、中ぐり主軸9はその熱変位に
相当する分、前方に飛び出すことになる。
【0034】ANDゲート87と89には主軸クランプ
装置33によって中ぐり主軸9がクランプされているこ
とを示すクランプ信号(主軸クランプ時にはハイレベル
信号)が入力され、ハイレベル信号を入力している間
は、プラス側のANDゲート87がダウンカウント入力
用のORゲート69に熱膨張相当パルス信号を出力する
か、あるいはマイナス側のANDゲート89がアップカ
ウント用のORゲート67に熱膨張相当パルス信号を出
力する。
【0035】またANDゲート87は熱膨張相当パルス
信号をカウンタ回路91へ熱膨張相当パルス信号を出力
し、カウンタ回路85へ熱膨張相当パルス信号のパルス
数をカウントとして熱膨張量を示す検出信号を出力す
る。
【0036】主軸クランプ時におけるサーボオン状態下
のモータ電流値の増加は、主軸クランプ装置33による
中ぐり主軸9のクランプ位置と中ぐり主軸9の後端との
間の軸線方向の熱膨張量に対して比例関係にあり、中ぐ
り主軸9が全長に亙って均等に軸線方向に熱膨張すると
仮定すると、中ぐり主軸9のクランプ位置と先端(工具
支持端)との間の熱膨張量は下式により演算される。 ΔLf=(Lf/Lr)ΔLr
【0037】但し、Lfは中ぐり主軸9のクランプ位置
と先端との軸長、Lrは中ぐり主軸9のクランプ位置と
後端との軸長、ΔLfはサーボモータ電流値の差より算
出される中ぐり主軸9のクランプ位置と先端との間の軸
線方向の熱膨張量、ΔLrはサーボモータ電流値の差よ
り算出される中ぐり主軸9のクランプ位置と後端との間
の軸線方向の熱膨張量である。
【0038】したがって、中ぐり主軸9の全体の軸線方
向の熱膨張量は、ΔLf+ΔLrとなる。
【0039】これによりロータリエンコーダ43の検出
精度に依存することなく主軸クランプ時の中ぐり主軸9
の熱膨張量を高精度に検出することができる。
【0040】主軸クランプ時において、中ぐり主軸9が
熱膨張すると、上述のようにプラス側のANDゲート8
7の出力がオン状態になり、熱膨張相当パルス信号がA
NDゲート87よりダウンカウント入力用のORゲート
69に入力される。これにより位置偏差カウンタ53が
ダウンカウントされ、マイナス方向の偏差パルスの溜り
量が発生する。これにより上述の通常のサーボ制御時と
同等の位置制御によってサーボモータ31が逆方向に駆
動され、サーボモータ31の電流値iが主軸クランプ当
初のモータ電流値io に戻る。
【0041】このように、主軸クランプ時には、サーボ
モータ31の電流値iを主軸クランプ当初のモータ電流
値io に戻す制御、換言すれば、主軸クランプ当初のモ
ータ電流値io を制御目標値とするフィードバック制御
がリアルタイムに行われ、中ぐり主軸9の熱膨張がリア
ルタイムに吸収される。これにより主軸クランプ時にサ
ーボオフにすることなく、サーボオン状態のままで中ぐ
り主軸9のクランプが解放された時に主軸9が飛び出し
移動することが回避され、同時に中ぐり主軸9の熱膨張
補正補正が行われる。
【0042】図3、図4は、この発明による工作機械の
中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法
の実施に使用する中ぐり主軸装置の他の一つの実施の形
態を示している。尚、図3、図4に於いて、図1、図2
に対応する部分は図3、図4に付した符号と同一の符号
を付けてその説明を省略する。
【0043】この実施例では、送り機構に作用している
送り方向の負荷を負荷検出手段として、ボールねじ棹2
1に作用する軸方向負荷(荷重)を検出するロードセル
43と、ロードセル43により検出される軸方向負荷の
うち、中ぐり主軸9をクランプしたクランプ当初の値
(クランプ開始時負荷)ro をラッチするラッチ回路9
3とが設けられている。
【0044】差動増幅器79は、ラッチ回路93にラッ
チされているクランプ開始時負荷ro と、サーボオン状
態にて、それ以降(主軸クランプ状態下)にロードセル
43により検出される軸方向負荷rとを比較し、その差
による電圧信号をV/Fコンバータ81と極性弁別回路
83とに入力する。
【0045】熱変位によって中ぐり主軸9が伸長した場
合には、サーボオン状態でサーボオン状態では、W軸サ
ーボモータ31によるサーボロック作用に基づくボール
ねじ棹21の駆動によりボールねじ棹21に圧縮力が作
用し、ボールねじ棹21に作用する軸方向負荷が中ぐり
主軸9の熱変位量に比例して増大する。従ってロードセ
ル43により検出される軸方向負荷rはモータ電流値i
と等価のものとなる。
【0046】この実施例では、主軸クランプ時には、ロ
ードセル43により検出される軸方向負荷rを主軸クラ
ンプ当初の軸方向負荷ro に戻す制御、換言すれば、主
軸クランプ当初の軸方向負荷ro を制御目標値とするフ
ィードバック制御がリアルタイムに行われることにな
り、中ぐり主軸9の熱膨張がリアルタイムに吸収され
る。これにより主軸クランプ時にサーボオフにすること
なく、サーボオン状態のままで中ぐり主軸9のクランプ
が解放された時に主軸9が飛び出し移動することが回避
され、同時に中ぐり主軸9の熱膨張補正が行われる。
【0047】なお、この発明による工作機械の中ぐり主
軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法は、フウ
トウェア処理により実施することも可能ある。
【0048】以上に於ては、この発明を特定の実施の形
態について詳細に説明したが、この発明は、これらに限
定されるものではなく、この発明の範囲内にて種々の実
施の形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発
明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法に
よれば、主軸クランプ中もサーボオン状態を維持し、主
軸クランプ当初のサーボモータの電流値とそれより以降
のクランプ状態下のサーボモータの電流値との差値より
中ぐり主軸の軸線方向の熱膨張量を検出するから、ロー
タリエンコーダの分解能の如何に拘らず中ぐり主軸の軸
線方向の熱膨張量を高精度にリアルタイムに検出するこ
とができる。
【0050】またこの発明による中ぐり主軸装置の熱膨
張補正方法では、主軸クランプ時には主軸クランプ当初
のサーボモータの電流値を制御目標相当値とし、主軸ク
ランプ中にサーボオン状態にて検出されるサーボモータ
の電流値をフィードバック信号として位置制御が行われ
ることになり、クランプ時における中ぐり主軸の軸線方
向の熱膨張がリアルタイムに吸収されるから、主軸クラ
ンプ中もサーボオン状態が維持されても、クランプ解除
時に中ぐり主軸が軸線方向に飛び出し移動することがな
く、同時に中ぐり主軸の熱膨張補正が行われる。
【0051】これにより、この発明による中ぐり主軸装
置の熱膨張補正方法においては、ロータリエンコーダの
検出精度に依存することなく、しかも位置検出器として
アブソリュート型のロータリエンコーダを必要とした
り、サーボ再起動時に原点位置を再設定したりすること
を必要とすることなく、高精度に信頼性が高い熱膨張熱
膨張補正が行われると云う効果が得られる。
【0052】この発明により中ぐり主軸装置の熱膨張補
正方法では、主軸クランプ時には負荷検出手段により検
出される送り機構の送り方向負荷の主軸クランプ当初の
検出値を制御目標相当値とし、主軸クランプ中にサーボ
オン状態にて負荷検出手段により検出される送り機構の
送り方向負荷をフィードバック信号として位置制御が行
われることになり、クランプ時における中ぐり主軸の軸
線方向の熱膨張がリアルタイムに吸収されるから、主軸
クランプ中もサーボオン状態が維持されても、クランプ
解除時に中ぐり主軸が軸線方向に飛び出し移動すること
がなく、同時に中ぐり主軸の熱膨張補正が行われる。
【0053】これにより、この発明による中ぐり主軸装
置の熱膨張補正方法においては、ロータリエンコーダの
検出精度に依存することなく、しかも位置検出器として
アブソリュート型のロータリエンコーダを必要とした
り、サーボ再起動時に原点位置を再設定したりすること
を必要とすることなく、高精度に信頼性が高い熱膨張熱
膨張補正が行われると云う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱
膨張検出方法および熱膨張補正方法の実施に使用する中
ぐり主軸装置の一つの実施の形態を示す構成図である。
【図2】この発明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱
膨張検出方法および熱膨張補正方法の実施に使用する中
ぐり主軸のサーボモータのサーボ制御系の一つの実施の
形態を示すブロック線図である。
【図3】この発明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱
膨張検出方法および熱膨張補正方法の実施に使用する中
ぐり主軸装置の他の一つの実施の形態を示す構成図であ
る。
【図4】この発明による工作機械の中ぐり主軸装置の熱
膨張検出方法および熱膨張補正方法の実施に使用する中
ぐり主軸のサーボモータのサーボ制御系の他の一つの実
施の形態を示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 主軸ハウジング 5 スリーブ軸 9 中ぐり主軸 11 テーパ孔 19 ボールナット 21 ボールねじ棹 31 W軸サーボモータ 33 主軸主軸クランプ装置 41 ロータリエンコーダ 43 ロードセル 51 パルス分配器 53 位置偏差カウンタ 55 D/Aコンバータ 57 速度制御回路 59 電流制御回路 61、63 ANDゲート 65 NOTゲート 67、69 ORゲート 71 方向弁別・パルス整形回路 73 微分器 75 電流検出器 77 モータ駆動回路 79 差動増幅器 81 V/Fコンバータ 83 極性弁別回路 85 可変抵抗器 87、89 ANDゲート 91 カウンタ回路 93 ラッチ回路
フロントページの続き (72)発明者 覚張 勝治 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械株式 会社沼津事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に移動可能に設けられて先端に
    工具を保持する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方
    向に位置決め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を
    任意の軸線方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の
    軸線方向移動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送
    り機構をサーボモータにより駆動し、サーボ制御により
    前記中ぐり主軸の軸線方向の位置制御を行う工作機械の
    中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法において、 前記クランプ機構により前記中ぐり主軸をクランプした
    クランプ当初の前記サーボモータの電流値を検出する共
    に、サーボオン状態にてそれより以降のクランプ状態下
    の前記サーボモータの電流値を検出し、主軸クランプ当
    初の前記サーボモータの電流値とそれより以降のクラン
    プ状態下の前記サーボモータの電流値との差値より前記
    中ぐり主軸の軸線方向の熱膨張量を検出することを特徴
    とする中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法。
  2. 【請求項2】 軸線方向に移動可能に設けられて先端に
    工具を保持する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方
    向に位置決め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を
    任意の軸線方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の
    軸線方向移動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送
    り機構をサーボモータにより駆動し、サーボ制御により
    前記中ぐり主軸の軸線方向の位置制御を行う工作機械の
    中ぐり主軸装置の熱膨張補正方法において、 前記クランプ機構により前記中ぐり主軸をクランプした
    クランプ当初の前記サーボモータの電流値を検出すると
    共に、サーボオン状態にてそれより以降のクランプ状態
    下の前記サーボモータの電流値を検出し、主軸クランプ
    当初の前記サーボモータの電流値が保たれるように前記
    サーボモータを駆動し、主軸クランプ時における前記中
    ぐり主軸の軸線方向の熱膨張をリアルタイムに吸収する
    ことを特徴とする中ぐり主軸装置の熱膨張補正方法。
  3. 【請求項3】 軸線方向に移動可能に設けられて先端に
    工具を保持する中ぐり主軸と、前記中ぐり主軸を軸線方
    向に位置決め移動させる送り機構と、前記中ぐり主軸を
    任意の軸線方向位置にてクランプして当該中ぐり主軸の
    軸線方向移動を拘束するクランプ機構とを有し、前記送
    り機構をサーボモータにより駆動し、サーボ制御により
    前記中ぐり主軸の軸線方向の位置制御を行う工作機械の
    中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法において、 前記クランプ機構により前記中ぐり主軸をクランプした
    クランプ当初の前記送り機構に作用している送り方向の
    負荷を負荷検出手段によって検出すると共に、サーボオ
    ン状態にてそれより以降の負荷を負荷検出手段によって
    検出し、主軸クランプ当初の負荷が保たれるように前記
    サーボモータを駆動し、主軸クランプ時における前記中
    ぐり主軸の軸線方向の熱膨張をリアルタイムに吸収する
    ことを特徴とする中ぐり主軸装置の熱膨張補正方法。
JP25770895A 1995-10-04 1995-10-04 工作機械の中ぐり主軸装置の熱膨張検出方法および熱膨張補正方法 Pending JPH09103935A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021065141A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 芝浦機械株式会社 工作機械

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WO2021065141A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 芝浦機械株式会社 工作機械
CN114502322A (zh) * 2019-10-03 2022-05-13 芝浦机械株式会社 机床

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