JPH0894362A - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents

振動型ジャイロスコープ

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JPH0894362A
JPH0894362A JP6251248A JP25124894A JPH0894362A JP H0894362 A JPH0894362 A JP H0894362A JP 6251248 A JP6251248 A JP 6251248A JP 25124894 A JP25124894 A JP 25124894A JP H0894362 A JPH0894362 A JP H0894362A
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vibrator
elastic
detecting
driving
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JP6251248A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Tomikawa
義朗 富川
Kazumasa Onishi
一正 大西
Akira Sato
昭 佐藤
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Priority to US08/531,260 priority patent/US5691595A/en
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動型ジャイロスコープにおいて、振動子の
振動特性を良好にして、高精度な角速度の検出ができる
ようにする。 【構成】 振動子10は、恒弾性体Aの表裏両面に圧電
材料層B,Bが積層されている。振動子10に3枚の弾
性片10a,10b,10cが形成されている。電極層
により、弾性片10bにはf1,f2による遇力が与え
られ、ある時点で+x方向となるように駆動される。こ
のとき弾性片10cは+x方向へ、10aは−y方向へ
変形するように振動駆動される。振動子が回転すると、
弾性片10bと10cにはある時点で+y、弾性片10
aには−yとなる振動が発生する。これが圧電効果によ
る電圧として検出され角速度が求められる。弾性片10
b,10cの側端14bと基部10dの側端14aとを
不連続な形状とすることにより、弾性片の振動により基
部10dに捻り応力などが作用せず、高精度な振動を実
現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動子が振動しながら
回転したときに発生するコリオリ力を利用して回転角速
度を検出する振動型ジャイロスコープに係り、特に小型
で量産が容易であり且つ安定した角速度の検出が可能な
振動型ジャイロスコープに関する。
【0002】
【従来の技術】回転角速度を検出するジャイロスコープ
は、航空機や船舶の慣性航法システムなどに使用されて
いるが、最近では、車載用ナビゲーションシステムやロ
ボットや無人走行車の姿勢制御、さらにはテレビカメラ
やビデオカメラの画面振れ防止装置、およびアミューズ
メント関連機器などにも使用されるようになってきてい
る。このような種々の分野の使用に適するジャイロスコ
ープとしては小型のものが必要になっており、そこで振
動型ジャイロスコープが着目されている。
【0003】図13はこの種の振動型ジャイロスコープ
の基本構造を示している。この振動型ジャイロスコープ
は、恒弾性金属(エリンバ)により形成された柱状の振
動子1に、駆動用の圧電素子2と検出用の圧電素子3が
貼着されている。駆動用の圧電素子2により振動子1に
x軸方向への曲げ振動を与えながら、振動子1を軸Oを
中心として回転させると、振動子1に対しy軸方向へコ
リオリ力が作用する。このコリオリ力による振動子1の
y軸方向の曲げ振動が圧電素子3により電圧として検出
される。振動子1の質量をm、駆動用の圧電素子2によ
り与えられる振動子1のx軸方向の振動速度をv(ベク
トル値)、O軸を中心とする角速度をω(ベクトル値)
とすると、コリオリ力F(ベクトル値)は、
【0004】
【数1】F=2m(v×ω) (×はベクトル積) となり、コリオリ力Fは角速度ωに比例する。このコリ
オリ力Fによる振動子1のy軸方向への変形振動が、検
出用圧電素子3により電圧に変換され、この検出電圧か
ら角速度ωが求められる。
【0005】しかしながら、図13に示したジャイロス
コープでは、高価な恒弾性金属を柱状に加工しているた
め、材料の部留まりが悪く、また高精度な柱状に加工し
なくてはならないために加工コストが高くなる。またこ
の種のジャイロスコープでは、駆動用の圧電素子2によ
り振動子1を曲げ振動させたときの共振周波数を調整す
る必要があるが、このため柱状の振動子1のいずれかの
部分を削って調整する必要があり、調整作業が非常に繁
雑である。
【0006】そこで、本発明の発明者は、図14に示す
ように、平板状の恒弾性金属の振動子4を使用した二脚
音叉型の振動型ジャイロスコープについて検討した。こ
のジャイロスコープは、振動子4の先端中心部に溝4a
を形成し、平板内を2片の弾性片4bと4cに分離した
ものである。図15(A)に示すように、駆動用の圧電
素子を用いてそれぞれの弾性片4bと4cを板面方向に
沿って固有の共振周波数にて振動させる。この振動はあ
る時点での振幅が、弾性片4bと4cとで+x方向と−
x方向とで示すように逆位相とする。このような振動が
与えられた状態で振動子4に対し軸Oを中心とする回転
が与えられると、各弾性片4bと4cには図15(B)
に示すようにコリオリ力による−yおよび+y方向の変
形が生じる。この変形を検出用の圧電素子により検出
し、電圧に変換することにより角速度ωを求めることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図14お
よび図15に示した板状の二脚音叉型の振動子4を使用
した振動型ジャイロスコープには以下に列記する問題点
がある。 (1)二脚音叉型では、弾性片4bと4cが非対称の振
動を生じるために、振動子全体に捻れ応力が生じ、安定
した角速度の検出ができない欠点がある。また、駆動時
の共振周波数を調整する場合、全ての弾性片4bと4c
を別々にトリミングする必要があるため、共振周波数の
調整作業が繁雑である。またこの調整時に弾性片4bと
4cとが非対称形状となるおそれがあり、さらに検出精
度の低下をもたらすことになる。
【0008】(2)二脚音叉型では、コリオリ力により
各弾性片4b,4cにy方向の変形振動が生じた場合
に、振動の節線が図14にて(イ)と(ロ)の位置に現
れる。よって振動子4は、その後端中央にて例えば支持
棒5で片持ち支持することが必要になり、その支持構造
が限られてしまう。支持棒5を使用した片持ち支持で
は、機械的支持強度が不安定であり、振動子4が外部振
動の影響を受けやすくなる。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、安価で製造容易な平板型の振動子を用いて、安定
した角速度の検出を可能とし、また周波数調整を容易に
し、また安定した支持構造にできる振動型ジャイロスコ
ープを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平板状の弾性
体に2箇所の溝が形成されて互いに分離された3枚の弾
性片が形成された振動子と、圧電効果により前記弾性片
を板面方向へ変形できまたは板面方向への変形に基づく
電圧を検出できる第1の駆動・検出手段と、圧電効果に
より前記弾性片を板厚方向へ変形できまたは板厚方向へ
の変形に基づく電圧を検出できる第2の駆動・検出手段
とを有し、前記一方の駆動・検出手段により弾性片を変
形振動させながら振動子を回転させたときに、コリオリ
力により弾性片に生じる変形振動に基づく電圧を他方の
駆動・検出手段により検出して振動子の角速度を求める
ことを主要部としている。
【0011】さらに本発明は、3枚の弾性片の幅および
前記2箇所の溝の間隔を加算した全幅寸法が、振動子の
弾性片が形成されていない基部の幅寸法よりも短く形成
されていることを特徴とするものである。
【0012】上記の幅寸法の違いを実現するために、例
えば、振動子の、弾性片と基部との境界部分にて、左右
両側に位置する弾性片の側端と、基部の側端との間に段
差を形成するものである。
【0013】この場合に、段差の幅方向の深さ寸法が、
弾性片の幅寸法の0.8倍未満であることが好ましい。
【0014】また本発明は、前記主要部を備えたものに
おいて、前記第1の駆動・検出手段が、弾性片に板厚方
向に延びる線を中心軸とした回転方向への偶力を与える
ように相反する方向へ変形力を与えることが可能な対を
成す電極を有し、前記第2の駆動・検出手段が、弾性片
の板厚内で板面方向に延びる線を中心軸とした回転方向
への偶力を与えるように相反する方向へ変形力を与える
ことが可能な対を成す電極を有していることを特徴とす
るものである。
【0015】また、本発明での前記第2の駆動・検出手
段は、弾性片が板厚方向へ2次以上の共振モードで振動
したときに、弾性片の表面の圧縮部分と伸長部分とを区
別して検出できるものであることを特徴とするものであ
る。
【0016】上記第2の駆動・検出手段は、弾性片が板
厚方向へ2次以上の共振モードで振動したときに、弾性
片の表面の圧縮部分と伸長部分とで異なる分極方向とさ
れた圧電材料層と、この圧電材料層の表面に形成された
電極層とから構成することが可能であり、または、第2
の駆動・検出手段は、弾性片が板厚方向へ2次以上の共
振モードで振動したときに、弾性片の表面の圧縮部分と
伸長部分とで同じ分極方向とされた圧電材料層と、この
圧電材料層の表面にて前記圧縮部分と伸長部分とで異な
るものとして形成された電極層とから構成することが可
能である。
【0017】上記において、弾性片が板厚方向へ2次の
共振モードで振動するものである場合に、弾性片の基部
側での検出領域の長さが、弾性片の全長の0.5倍未満
の範囲であることが好ましい。
【0018】さらに本発明は、前記振動子が、恒弾性体
の表裏両面に圧電材料層が積層されたものであり、各圧
電材料層の表面に電極層が設けられ、この電極層と圧電
材料層とで前記第1と第2の駆動・検出手段が構成され
ていることを特徴とするものである。
【0019】また、上記全ての手段において、3枚の弾
性片は、両側に位置しているものが同じ方向へ変形し中
央のものがこれらと逆方向へ変形する振動モードにて駆
動されるものとなる。
【0020】また本発明は、上記の全ての手段による特
徴を全て兼ね備えたものとして構成することが可能であ
る。
【0021】
【作用】上記手段では、振動子が平板状の弾性体により
形成され、溝で分離された3枚の弾性片を備えている。
各弾性片を板面方向へ駆動する駆動方式では、第1の駆
動・検出手段の圧電効果により、弾性片を板面方向へ例
えば1次の共振モードにて振動させる。例えば3枚の弾
性片の両側に位置するものを同じ位相にてある時点で同
じ方向へ変形するように駆動し、中央の弾性片を、前記
両側のものと逆の変位にて振動させ、ある時点で前記両
弾性片が逆方向に変形するように駆動する。この振動子
が回転すると、コリオリ力により、各弾性片が前記板面
方向と直交する方向の板厚方向へ変形して振動する。こ
のとき例えば各弾性片は2次の共振モードで振動するよ
うに振動周波数が調整される。第2の駆動・検出手段で
は、各弾性片のコリオリ力による変形振動が電圧として
検出される。この電圧に基づいて振動子の回転角速度が
求められる。
【0022】また逆に、第2の駆動・検出手段により、
各弾性片を板厚と直交する方向へ弾性変形させて振動さ
せる。この場合も、ある時点での変形方向が、両側の弾
性片と中央の弾性片とで逆向きとなるように駆動する。
この振動子が回転すると、コリオリ力により、各弾性片
が、前記板厚方向と直交する方向の板面方向へ変形して
振動する。この場合も、例えば板厚方向の振動が2次の
共振モードで板面方向の振動が1次の共振モードとなる
ように、共振周波数が調整される。第1の駆動・検出手
段の圧電効果により前記板面方向の振動が電圧として検
出され、この電圧に基づいて回転角速度が求められる。
【0023】振動子に3枚の弾性片が設けられている場
合、弾性片の共振振動における周波数の調整の際に、必
ずしも全ての弾性片をトリミングなどする必要がない。
例えば両側の弾性片と中央の弾性片とが互いに逆の位相
(逆の変位)にて変形する振動モードの場合には、中央
の弾性片の長さを変えるだけで共振周波数の調整ができ
る。共振周波数を簡単に調整できるために、振動子の対
称性を損なうことがなく、角速度の検出が、安定した高
精度なものとなる。
【0024】また、3枚の弾性片を備えた振動子では、
両側の弾性片と中央の弾性片がある時点で相反する方向
へ変形する振動モードを採用できる構造であるため、振
動子の弾性片が形成されていない基部に、振動やねじれ
がほとんど生じることがなく、よってこの基部を剛性支
持することが可能になる。そのために振動子の支持が安
定し、弾性片の安定した振動を実現できる。
【0025】また振動子が平板状であるために、プレス
による打ち抜き加工などによる製造が可能であり、量産
性に優れたものとなる。
【0026】また、本発明では、3枚の弾性片の幅およ
び前記2箇所の溝の間隔を加算した全幅寸法が、振動子
の弾性片が形成されていない基部の幅寸法よりも短く形
成されている。これは、左右両側に位置する弾性片の側
端と、振動子の基部の側端との間に段差を形成すること
により実現可能である。振動子の側端において弾性片と
基部とを不連続とすることにより、振動片の振動変形の
応力が振動子の基部に伝達されにくくなり、弾性片の振
動の際に基部および振動子全体にねじれ応力などが生じ
にくくなる。その結果、弾性片の駆動振動およびコリオ
リ力による振動が安定し、角速度の検出が安定して行わ
れる。
【0027】さらに、第1の駆動・検出手段を、弾性片
に対し板面方向へ偶力を与えることが可能な対を成す電
極を有する構造とし、且つ第2の駆動・検出手段を、弾
性片に対し板厚方向へ偶力を与えることが可能な対を成
す電極を有する構造とすることにより、弾性片の板面方
向と板厚方向のいずれの方向への駆動であっても、少な
いエネルギー損失により高精度に振動駆動できるように
なる。また第1の駆動・検出手段または第2の駆動・検
出手段によりコリオリ力による弾性片の変形を検出する
ときにも、対をなす電極を有することにより高い出力に
て電圧を取り出すことができ、これによっても検出精度
を高くできる。
【0028】また、弾性片が板厚方向へ2次の共振モー
ドまたはさらに高次の共振モードにて振動する場合に、
弾性片の表面には圧縮部分と伸長部分が生じる。そこで
第2の駆動・検出手段では、圧縮部分の圧縮歪みと伸長
部分の引っ張り歪みを区別して検出できるようにしてい
る。仮に圧縮部分と伸長部分に対し同じ検出を行うと、
コリオリ力により弾性片が変形したときに圧縮部分の検
出電圧が伸長部分の検出電圧を一部相殺することになり
振動変形の検出電圧の出力が低下する。そこで本発明で
は圧縮部分と伸長部分を区別して検出し、両部分の検出
電圧を例えば加算できるようにし、前記相殺が生じるの
を防止している。その結果、振動検出出力を高くでき、
角速度の検出精度を高めることができるようになる。
【0029】さらに本発明では、前記振動子を、恒弾性
体の表裏両面に圧電材料層が積層された積層体により構
成できるものとしている。この振動子では、恒弾性体が
芯層であるために、振動子全体のヤング率が良好に安定
し、また環境変化によって左右されることがなく、常に
安定した弾性機能を発揮できる。また圧電材料層が弾性
体の表裏両面に積層されているため、圧電材料の圧電効
果による歪み力を大きくでき、また弾性片の歪みに基づ
く検出電圧を高くでき、駆動効率が向上され、且つ高精
度な角速度の検出を可能にできる。
【0030】したがって、本発明では、振動子全体が、
恒弾性体の表裏両面に圧電材料層が積層された積層体に
より構成されることが好ましく、または少なくとも弾性
片のほぼ全体が、恒弾性体の表裏両面に圧電材料層が積
層された積層体により構成されることが好ましい。振動
子全体が、恒弾性体の表裏両面に圧電材料層が積層され
た積層体により構成される場合には、この積層体の材料
からプレスで打ち抜き加工などすることにより、振動子
を容易に形成することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の振動型ジャイロスコープに用いら
れる振動子の基本的な構造および動作を示す斜視図、図
2は図1に示した振動子の支持構造を示す斜視図であ
る。図1に示す平板状の振動子10は、恒弾性金属(エ
リンバ)を主体として構成されたものである。本発明の
好ましい実施例では、恒弾性金属の平板材の表裏両面の
全面に圧電材料層が積層され、この圧電材料層の表面に
電極層が形成される。
【0032】前記恒弾性金属(エリンバ)は、室温付近
にて温度変化に対するヤング率の変化がほとんどない材
料であり、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロ
ム)、Ti(チタン)の合金、またはこれにCo(コバ
ルト)を加えた合金などである。以下の説明では、平板
状の振動子の各弾性片の板厚方向をyで示し、この板厚
方向yと直交する方向の板面方向をxで表わす。また図
1に示すようにx−y平面での振動子の回転角速度をω
で表わす。
【0033】図1に示すように、振動子10は、板材の
先端から同じ長さの2つの溝11,11が切り込まれて
いる。溝11,11は振動子10の板厚方向(y方向)
へ貫通して形成されたものであり、これにより中央の弾
性片10aと、その左右両側の弾性片10b,10cの
計3枚の弾性片がx方向へ分離されて形成されている。
恒弾性金属(恒弾性体)表裏全面に形成された圧電材料
層と、その表面に形成された電極層とで、第1の駆動・
検出手段と、第2の駆動・検出手段とが構成される。な
お、電極層の具体的な配置などについては後述する。第
1の駆動・検出手段は、圧電効果により、各弾性片10
a,10b,10cを板面方向(x方向)へ駆動できる
ものであり、また各弾性片が板面方向(x方向)へ変形
したときには、圧電効果によりその変形歪みを電圧とし
て検出できるものとなっている。第2の駆動・検出手段
は、圧電効果により、各弾性片10a,10b,10c
を板厚方向(y方向)へ駆動できるものであり、また各
弾性片が板厚方向(y方向)へ変形したときには、圧電
効果によりその変形歪みを電圧として検出できるものと
なっている。
【0034】この振動子10の弾性片10a,10b,
10cの振動モードは、各弾性片が板面方向(x方向)
へ振動する板面振動モード(以下、「Hモード」と呼
ぶ)と、各弾性片が板厚方向(y方向)へ振動する板厚
振動モード(Vモード)とがある。角速度(ω)の検出
方法としては、第1の駆動・検出手段の圧電効果によ
り、両側の弾性片10bと10cが、ある時点での振幅
方向が共に+x方向となるように駆動され、また中央の
弾性片10aがその時点での振幅方向が−x方向となる
ように駆動される(Hモードの振動)。このとき振動子
10を角速度ωにて回転させると、コリオリ力が生じ、
弾性片10bと10cの振幅方向が共に+y方向で、中
央の弾性片10aの振幅方向が逆の−y方向となるよう
に変形振動する(Vモードの振動)。各弾性片のy方向
への振動による振動変形は、圧電効果を利用した第2の
駆動・検出手段により電圧として検出される。前記数1
に記載したように、コリオリ力は角速度(ω)に比例す
るため、各弾性片のy方向への振動による変形量を例え
ば電圧として検出することにより、角速度(ω)を求め
ることができる。
【0035】または、中央の弾性片10aを駆動するこ
となく、第1の駆動・検出手段により、両側の弾性片1
0bと10cのみを共に同じ位相にてある時点での振幅
方向が+x方向となるように振動駆動する。このとき弾
性片10bと10cの+x方向への振動の反力により中
央の弾性片10aが前記弾性片10bと10cと逆の位
相にて−x方向に振動する。このとき振動子10を角速
度ωにて回転させると、コリオリ力により、弾性片10
bと10cの振動方向が、ある時点での振幅方向が共に
+y方向で、このときに中央の弾性片10aの振幅方向
が逆に−y方向となる振動が発生する。この弾性片のy
方向への振動変形を第2の駆動・検出手段により検出す
ることによっても、角速度(ω)を求めることができ
る。
【0036】あるいは、第2の駆動・検出手段により、
各弾性片がy方向へ駆動される(Vモード)。この場合
に、全ての弾性片10a,10b,10cを駆動し、図
1に示すように、ある時点で弾性片10bと10cが+
y方向へ、中央の弾性片10aが−y方向へ変形するよ
うに所定周波数にて振動駆動される。この振動子10を
回転させると、各弾性片10a,10b,10cは、コ
リオリ力により板面方向(x方向)へ変形して共振振動
する(Hモード)。このときの図1に示す位相での弾性
片のx方向への振動変形が第1の駆動・検出手段により
電圧として検知され、これにより角速度(ω)が求めら
れる。
【0037】または、両側の弾性片10bと10cのみ
をy方向へ駆動することも可能である。この場合には、
反力により中央の弾性片10aが、弾性片10bと10
cと逆の変位にて振動する。あるいは中央の弾性片10
aのみをy方向へ駆動してもよい。この場合には左右両
側の弾性片10bと10cが反力により、中央の弾性片
10aと逆の変位にて変形する。これらの振動子10を
回転させると、コリオリ力により弾性片10a,10
b,10cが図1に示すようにx方向へ変形する。この
変形振動が第1の駆動・検出手段により検出される。
【0038】本発明の振動子では、本願の先願である特
願平6−82579号の明細書に記載しているように、
左右の弾性片10b,10cと中央の弾性片10aとが
y方向へ互いに異なる位相で振動するときの共振周波数
の調整作業を、中央の弾性片10aの長さを変えるだけ
で完了することができる。この中央の弾性片10aの長
さを変える周波数調整では、振動子10の形状の対称性
が変わらないため、調整作業により非対称になって捻り
振動などが生じることはない。また、上記のy方向への
共振振動での共振周波数の調整については、それぞれの
弾性片10a,10b,10cのx方向への共振振動の
周波数には影響がない。このため弾性片10a,10
b,10cのy方向の2次共振の振動周波数を、x方向
の1次共振の振動周波数に近づける調整が容易である。
すなわち、弾性片10aの長さ調整により、各弾性片を
x方向へ1次共振モードにて振動させ、y方向へ2次共
振モードにて共振させてることにより、x方向とy方向
の両共振モードでの振動数を近づけることができ、振動
型ジャイロスコープとして好ましいものになる。
【0039】また、この振動子10では、y方向の振動
に着目した場合、中央の弾性片10aと、両側の弾性片
10b,10cとが互いに逆の位相で振動するため、溝
11,11が形成されていない基部10dの基端におけ
る振幅がきわめて小さい。また、基部10dに捻り振動
も生じにくい。したがって図2に示すように、振動子1
0の基部10dの基端部分を剛体12aと12bにより
挟持する支持構造が可能になる。このような剛体支持に
よって、振動子の振動モードに影響が生じることがな
い。
【0040】本発明は、図1に示す形状で前述したVモ
ードとHモードの振動モードを有する振動子10を備え
たことを主要部とするものであるが、図3は、振動動作
がさらに安定し、角速度(ω)を高精度に検出できる振
動子10の形状を示している。図3(A)は振動子10
の平面図、図3(B)はその側面図である。この振動子
10は、芯層が平板状の恒弾性金属により形成された恒
弾性体A(板厚Ta)であり、その表裏両面全域に圧電
材料層B(板厚Tb)が積層された積層体により構成さ
れている。図3(A)に示す振動子10は中心線O1−
O1に対して左右(図示上下)にて対称形状である。3
枚の弾性片10a,10b,10cは全て幅寸法が同じ
(Wa)である。各弾性片を分離しているの両溝11,
11の間隔寸法は共に(Wb)である。また3枚の弾性
片10a,10b,10cは全て同じ長さ寸法(La)
であり、剛体による支持部の縁から、基部10dと弾性
片の境界までの長さ(基部10dの長さ)は(Lb)で
ある。
【0041】図3(A)に示すように、振動子10の左
右両側の弾性片10bと10cの外側の側端14b,1
4bと、基部10dの両側の側端14a,14aとの間
には段差13,13が形成されている。この段差13,
13は直角の角部を有して凹状に形成されたものであ
る。段差13,13の角部と、前記溝11,11の底部
の位置は、同一線D上に位置している。そして、段差1
3,13の幅方向の切込み深さは左右両方共にWsであ
る。その結果、3枚の弾性片10a,10b,10cの
幅寸法Waと2箇所の溝11の間隔寸法Wbとの合計
(3×Wa+2×Wb)は、基部10dの幅寸法W0よ
りも(2×Ws)の寸法分だけ短くなっている。振動子
10の弾性片10b,10cが形成されている側端14
b,14bと、基部10dの側端14a,14aとの間
に段差13,13が形成されて、側端が不連続となって
いる結果、弾性片10a,10b,10cがx方向およ
びy方向へ振動するときに、側端14b,14bに生じ
る応力が段差13,13により不連続となるように遮断
され、この応力が基部10dの剛体支持側の基端に及び
にくくなっている。その結果、弾性片10a,10b,
10cの振動により基部10dに捻り方向などの不要な
振動が生じにくくなり、弾性片の振動が安定し、角速度
の検出精度を高くできる。
【0042】図4は、段差13,13を形成した振動子
10を使用して実際に角速度を測定した結果を示してい
る。実験に使用した振動子は図12に示したものである
が、各部の寸法等は、図3に示す。実験に使用した振動
子10は、Waが7mm、Wbが0.6mm、Wsが
2.0mm、Laが20mm、Lbが30mm、Taが
0.6mm、Tbが0.25mmである。この振動子1
0において、第1の駆動・検出手段により、弾性片10
bと10cをある時点での振幅方向が+x方向となり、
中央の弾性片10aをその時点での振幅方向が−x方向
となるように振動させ、振動子10を角速度ωで回転さ
せた。このときのコリオリ力により各弾性片に生じた図
1に示すようなモードのy方向の振動変形を第2の駆動
・検出手段により電圧値として検出した。
【0043】この振動子10を備えた振動型ジャイロス
コープにおいて、コリオリ力による弾性片のy方向への
振動変形に基づく検出電圧を図5にてベクトルV0で示
す。V1は、振動子10が回転していないときの漏れ出
力電圧であり、振動子10が回転したときに角速度ωに
比例して検出される電圧がV2である。また、φはV0と
V1の位相差である。図3に示す形状の振動子10によ
る角速度ωの検出が安定し、安定したV2が得られるこ
とを示すために、図4では、横軸にV0・cosφを示し、
縦軸にV0・sinφを示している。図4の線図中の上下に
延びる線は測定値のばらつきを示し黒丸はばらつきの平
均値を示している。図4によれば、測定値のばらつきが
非常に狭い範囲であり、図3に示すように段差13,1
3を有する振動子10を用いた角速度の検出精度が非常
に高くなっているのが解る。
【0044】次に、図6は、前記段差13,13の深さ
Wsの変化が、共振周波数にどの程度の影響を与えるか
を調べた結果である。この実験に使用した振動子は、W
aが2.6mm、Wbが0.2mm、Laが6mm、L
bが10mm、Taが0.2mm、Tbが0.1mmで
ある。この振動子10において段差13の深さWsを変
化させたもの(W0を変化させたもの)を複数種類製造
し、それぞれにおいて図1に示すx方向への振動(Hモ
ード)と、y方向への振動(Vモード)における共振周
波数(kHz)を測定した。図6は、横軸がWs/Wa
で、縦軸が共振周波数(kHz)である。図6では、黒
丸で示したHモードの共振周波数は、Ws/Waの値に
影響を受けず、常に安定していることが解る。逆にVモ
ードでは、共振周波数がWs/Waの値に影響を受ける
ことが解る。ただし、Ws/Waが0.8mm未満であ
ると、Ws/Waが変動しても、Vモードの共振周波数
の変化がわずかである。
【0045】すなわち、図4に示したように、段差1
3,13を設けることにより、振動子10の捻り振動な
どを防ぎ、角速度の検出精度を高くできるが、例えばW
s/Waが0.8以上であると、製造時の公差などによ
りWs/Waの値にばらつきが生じると、Vモードの共
振周波数にばらつきを生じることになる。そこで、図6
から、Ws/Waを好ましくは0.8未満または0.8
未満で0.5以上、さらに好ましくは0.75以下また
は0.75以下で0.5以上、あるいは0.65以下ま
たは0.65以下で0.5以上に設定すると、製造時の
公差によりWs/Waにばらつきが生じたとしても、共
振周波数の変動がほとんど生じないことになる。逆にい
えば、段差13,13を形成し、Ws/Waの値を前記
のいずれかの範囲に設定すると、製造時の精度が低く、
ラフな加工を行っても、共振振動数の変動が生じること
がなく、常に図4に示すような安定した角速度の検出が
できることになる。なお、図4の実験に使用した振動子
10はWs/Waが0.5である。また、上記の効果
は、左右の弾性片10b,10cの側端14b,14b
と、基部10dの側端14a,14aとの間に段差13
が形成され、側端14bと14aとが不連続な形状にな
ることにより奏されるものであり、よって段差13の形
状は必ずしも直角である必要はなく、側端14bと14
aが曲線的につながっているものであってもよい。ある
いは図7に示すように、基部10dの、弾性片との境界
部分の幅寸法をW1で示すようにやや大きくし、この部
分と弾性片10b,10cとの間に段差13,13を形
成してもよい。
【0046】次に、図8は前記振動子10を駆動するた
めに電極層の形成例を示すものである。図8(A)は図
3(A)に示す振動子10の各弾性片10a,10b,
10cの端面を拡大して示したものである。図8(B)
は他の形成例であり、1枚の弾性片10bの端部のみを
拡大して示した端面拡大図である。図8(A)(B)に
示す振動子10は、その本体の全体が、恒弾性体Aの表
裏両面に圧電材料層Bが積層された積層体により形成さ
れている。図8(A)(B)に示す振動子10は、図1
に示すのと同じ振動モードにて共振振動するものとなっ
ている。各弾性片10a,10b,10cは、板面方向
(x方向)へ1次共振によりHモードにて振動するよう
に駆動され、振動子10が回転したときに、各弾性片1
0a,10b,10cは、コリオリ力により板厚方向
(y方向)へ2次共振のVモードにて振動する。
【0047】図1に示すように、左右両側の弾性片10
bと10cは同じ位相にて駆動され、ある時点での振幅
方向は+x方向である。したがって、弾性片10bと1
0cは同じ構成の第1の駆動・検出手段によりx方向へ
駆動される。図8(A)に示す例では、恒弾性体Aの表
裏両面に積層された圧電材料層B,Bの分極方向が弾性
片の面積の範囲内にて同じである。図8(A)では、圧
電材料層B,Bの分極方向が厚さ方向へ互いに相反する
方向であり、白抜きの矢印で示すように、分極方向は圧
電材料層の表面方向である。
【0048】弾性片10bに着目した場合に、図示上面
側の圧電材料層Bの表面には対を成す電極層21aと2
2aが積層されている。各電極層21aと22aには交
流電圧が与えられるが、ある時点で電極層21aに
(+)電圧が印加され、電極層22aには(−)電圧が
印加される。このとき、図3(A)に示すように、電極
層21aの部分では圧電材料層Bに伸長力(伸び方向の
歪み)f1が作用し、電極層22aの部分では圧縮力
(圧縮方向への歪み)f2が作用する。x平面内で対を
成して形成された電極層21aと22aにより、x平面
内での偶力を発揮する相反する力f1とf2が作用す
る。この力f1とf2は、弾性片の板厚方向(y方向)
に延びる仮想線Oyを中心軸とする回転方向の偶力とな
る。また、交流電圧により電極層21aに(−)電圧が
電極層22aに(+)電圧が作用したときには力f1と
f2の方向は逆向きになる。このように対を成す電極層
21aと22aが形成されている部分にて圧電材料層B
にOyを中心軸とする回転方向への偶力が作用すること
により、弾性片10bは±x方向へ効率よく振動させら
れる。
【0049】なお図8(A)の実施例では、図示下側の
圧電材料層Bの表面にも対を成す電極層21bと22b
が形成されている。この電極層21bと22bに与えら
れる電圧の位相は前記電極層21aおよび22aと同じ
である。したがって、図8での図示下側の圧電材料層B
に対して、上側の圧電材料層Bと同じ位相により、仮想
線Oyを中心軸として回転する方向への偶力が作用す
る。よって、弾性片10bは表裏両面の両圧電材料層
B,Bにより相反する方向への力f1とf2が与えら
れ、表裏両面のこの偶力により、±x方向へ振動駆動さ
れる。弾性片10bが偶力により駆動されることによ
り、弾性片10bは、±x方向へ確実に駆動され、エネ
ルギー損失が少なくなる。
【0050】図8(A)の左側に示される弾性片10c
では、弾性片10bと同じ構成の電極層が形成されてい
る。すなわち、弾性片10bでは、図8(A)の図示上
側の圧電材料層Bの表面に対を成す電極層21aと22
aが形成され、図示下側の圧電材料層Bの表面に対を成
す電極層21bと22bが形成されている。弾性片10
bに形成された各電極層と、弾性片10cに同じ符号で
示された各電極層とでは、同じ極性で同じ位相の駆動電
圧が印加される。したがって、弾性片10cは、弾性片
10bと同様に、表裏両側において、相反する力f1と
f2により、仮想線Oyを中心軸とする回転方向への偶
力により駆動される。中央の弾性片10aの図示上側の
圧電材料層Bの表面にはx方向に離れて対を成す電極層
23aと24aが形成され、図示下側の圧電材料層Bの
表面には同じくx方向に離れて対を成す電極層23bと
24bが形成されている。電極層23aと24aとで
は、ある時点で極性が逆の電圧が与えられ、これは電極
層23bと24bにおいても同じである。よって、中央
の弾性片10aも、板厚方向(y方向)へ延びる仮想線
Oyを中心軸とした回転方向への偶力が与えられる。
【0051】この実施例では、圧電材料層Bと、その表
面に形成された電極層21a,21b,22a,22
b,23a,23b,24a,24bとにより、第1の
駆動・検出手段が構成されている。この第1の駆動・検
出手段により、各弾性片10a,10b,10cは、板
厚方向(y)方向に延びる線Oyを中心軸とする回転方
向への偶力により板面方向(x方向)へ駆動されるが、
その位相すなわちある時点での振幅方向は、両側の弾性
片10b,10cと、中央の弾性片10aとで逆方向で
ある(図1参照)。上記の板面方向(x方向)への振動
モード(Hモード)の1次共振にて、各弾性腕10a,
10b,10cが駆動されている振動子10が回転する
と、コリオリ力により、各弾性片10a,10b,10
cにy方向への力が発生し、図1に示すように各弾性片
がy方向へ振動する。この振動は第2の駆動・検出手段
により検出される。
【0052】そのために、弾性片10bには、板厚方向
に離れた位置にて、各圧電材料層B,Bの表面に、対を
成す電極層25と26が形成されている。仮にこの電極
層25と26に対して駆動電圧を与えた場合、例えばあ
る時点で電極層25に(+)電圧を、電極層26に
(−)電圧を与えた場合、弾性片10bは+y方向へ曲
げ変形される。すなわち図3(B)に示すように、ある
時点で一方の電極層25に印加される(+)電圧によ
り、図示下側の圧電材料層Bには伸長力faが作用し、
電極層26に印加される(−)電圧により図示上側の圧
電材料層Bには圧縮力fbが作用する。この力faとf
bは、弾性片の長さ方向への相反する方向の力であり、
この力faとfbにより、弾性片10bの板厚内にて板
面方向(x方向)に延びる仮想線Oxを中心とした回転
方向への偶力が与えられる。
【0053】ただし、電極層21a,21b,22a,
22bにより、弾性片10bがx方向へ駆動されている
ときには、電極層25と26は、弾性片10bのコリオ
リ力によるy方向への振動歪みを検出するために使用さ
れる。コリオリ力により、弾性片10bがある時点で+
y方向へ振動変形すると、図示下側の圧電材料層Bには
伸長力が作用し、図示上側の圧電材料層Bには圧縮力が
作用する。よって圧電効果により電極層25にて(+)
電圧が、電極層26にて(−)電圧が検出される。弾性
片10bが−y方向へ変形したときの検出電圧は上記と
逆である。例えば電極層26による検出電圧の極性を反
転させ、電極層25による検出電圧に加算することによ
り、弾性片10bのコリオリ力によるy方向への変形を
検出できる。
【0054】このように、板厚方向(y方向)へ偶力を
発揮できる構成の電極層25と26を使用してコリオリ
力による変形を検出すると、対を成す電極の双方によ
り、弾性片の伸び歪みと圧縮歪みがそれぞれ検出される
ことになる。それぞれの電極層25と26による検出電
圧を差動することにより検出電圧が高くなり、高精度な
角速度の検出が可能になる。
【0055】図1に示すように、弾性片10cはコリオ
リ力により弾性片10bと同じ位相にて振動変形する。
よって、弾性片10cには、弾性片10bに設けられた
のと同じ構造の電極層25と26が形成されている。こ
の電極層25と26によりコリオリ力の検出を行うとき
には、電極層25と26とで、伸長変形と圧縮変形の相
反する方向の両方の変形を検出でき、検出出力が高くな
って、角速度を高精度に検出できることになる。中央の
弾性片10aは、両側の弾性片10bおよび10cと逆
の位相にてy方向へ変形するものであり、この弾性片1
0aには表裏両側に電極層27と28が形成されてい
る。この電極層27と28も、弾性片10aに対し仮想
線Oxを中心とする回転方向への偶力を与えることがで
きるものであり、またコリオリ力による変形を検出する
ときには、両電極層27と28とで、圧縮と伸長の両方
向の変形を検出できるものとなっている。
【0056】このように、圧電材料層B,Bと電極層2
5,26,27,28とで構成された第2の駆動・検出
手段では、各弾性片がy方向へ変形したときに、その圧
縮変形(歪み)と伸長変形(歪み)とが別々の電極によ
り圧電効果の電圧として検出できる。両電圧の検出値の
差を加算することにより、コリオリ力による変形を高い
電圧にて出力できる。なお、各弾性片10a,10b,
10cをy方向へ変形させて振動駆動し、この振動子1
0を回転させて、コリオリ力による各弾性片10a,1
0b,10cのx方向への変形を検出する場合には、前
記電極層25,26,27,28に駆動電圧を与える
と、図3(B)に示す力faとfbの偶力により、各弾
性片をy方向へ効果的に駆動できる。またコリオリ力に
よるx方向への変形は、電極層21a,21b,22
a,22b,23a,23b,24a,24bにて電圧
として検出される。例えば対を成す電極層21aと22
aでは、弾性片10bがコリオリ力によりx方向へ変形
したときに、伸長変形と圧縮変形が共に別々の電極層か
ら検出されることになり、高い検出出力が得られること
になる。
【0057】また図8(A)では、恒弾性体Aの表裏両
面に積層された圧電材料層Bが、その全面にて同じ分極
方向を有するものとなっている。ただし図8(B)に示
すように、各電極層に対面する部分にて圧電材料層Bの
分極方向を変えることが可能である。図8(B)は弾性
片10bのみを示しているが、弾性片10cと10aに
おいても同様に各電極層に対面する部分にて分極方向を
相違させることができる。図8(B)の例では、弾性片
10bをある時点で+x方向へ変形させる場合に、各電
極21a,21b,22a,22bに与えられる電圧の
位相が同じになる。この場合も、弾性片10bは偶力に
て+x方向へ駆動される。また、弾性片10bが例えば
+y方向へ変形した場合には、電極層25と26により
伸長と圧縮とによる電圧が検出されるが、両電圧層25
と26とで同じ位相(同じ極性)の電圧が得られる。
【0058】次に、図9は、各弾性片がy方向へ2次の
共振モードにて振動した状態を模式的に示している。例
えば、弾性片10bが2次の共振モードによりある時点
で−y方向へ変形した場合、図示上側に積層されている
圧電材料層Bに着目すると、(イ)の部分では伸長され
て引っ張り歪みが生じる。ただし、弾性片10bと基部
10dとの境界部の(ロ)の部分では、圧縮による歪み
が生じる。図示下側に積層されている圧電材料層Bで
は、その逆であり、(イ)の部分で圧縮歪みとなり、
(ロ)の部分で引っ張り歪みになる。
【0059】仮に、第2の駆動・検出手段を構成する電
極層25と26および圧電材料層が、弾性片10bの長
さ方向全長Laに、同じものとして形成されているとす
る。弾性片10bが図9に示す状態で変形した場合、上
側の電極層26では本来圧電材料層Bの引っ張り歪みに
基づく電圧が検出されるはずであるが、(ロ)の部分で
は圧電材料層Bが部分的に圧縮歪みとなるため、(ロ)
の部分での圧電効果による電位は(イ)の部分と極性が
逆になる。すなわち(ロ)の部分の圧電効果により検出
電圧が(イ)の部分での本来の引っ張り歪みによる圧電
効果の検出電圧を相殺してしまう。よってコリオリ力に
より弾性片のy方向への変形を検出する際に、この検出
電圧の出力が低下し、検出精度が低下することになる。
【0060】そこで図10(A)(B)で示す実施例で
は、(イ)の部分(伸長部分)と(ロ)の部分(圧縮部
分)とで、弾性片10bの変形を区別して検出できるよ
うにしている。図10(A)は、図8(A)に示すよう
に、弾性片10bの表裏両面に積層された圧電材料層B
が、その全域にわたって同じ分極方向の場合を示してい
る。この場合に、弾性片10bに設けられる第2の駆動
・検出手段を構成する電極25と26を、(イ)の部分
と(ロ)の部分とで別々のものとする。図10(A)で
は、(イ)の部分に電極層25a,26aが形成され、
(ロ)の部分に短い電極25b,26bが形成されてい
る。
【0061】図10(A)において、弾性片10bが2
次の共振モードにて振動し、ある時点で図9に示す状態
の変形となったとき、図示上側の圧電材料層Bでは、
(イ)の部分が引っ張り歪みとなって電極層26aに
(+)電圧が検出され、(ロ)の部分が圧縮歪みとなっ
て電極層26bに(−)電圧が検出される。下側の圧電
材料層Bでは、逆に電極層25aに(−)電圧が、電極
層25bに(+)電圧が検出される。例えば電極層25
aと26bの検出電圧の極性を反転させ、電極層26a
と25bでの検出電圧に加算すると、(イ)の部分での
引っ張り歪みと(ロ)の部分での圧縮歪みとが相殺され
ることなく、加算されて検出されることになる。
【0062】図10(B)は、図8(B)に示したよう
に、各電極層に対面する圧電材料層の分極方向が相違す
る場合について示している。図10(B)では、(イ)
の部分と(ロ)の部分とで、表裏の圧電材料層B,Bの
分極方向が逆方向となっている。この場合には、表示両
面の圧電材料層B,Bの表面にはLa方向にわたって同
じ電極層25と26が形成される。図10(B)では、
弾性片10bが図9と同じ状態に変形したときに、
(イ)の部分と(ロ)の部分で圧電材料層Bの分極方向
が相違しているため、電極層26では、(イ)の部分の
圧電材料層の引っ張り歪みにより(−)電圧が得られ、
(ロ)の部分の圧縮歪みにより同様に電極層26に
(−)電圧が得られる。図示下側の圧電材料層でも、
(イ)の部分の圧縮歪みにより電極層25に(−)電圧
が得られ、(ロ)の部分の引っ張り歪みにより電極層2
5に(−)電圧が得られる。図10(B)に示す例で
は、伸長部分と圧縮部分とが区別して検出されるが、全
て同じ極性の電圧出力となるため、電極層25と電極層
26の検出電圧を加算することにより、弾性片10bの
2次共振モードの振動変形を前記相殺を生じさせずに高
精度に検出できることになる。ただし、図10(A)に
示す電極層25b,26bの長さL1または図10
(B)での分極方向が相違している部分の長さL1が、
あまり長くなると、L1の範囲において、伸長と圧縮の
検出電圧の相殺が発生することになる。
【0063】そこで、図11は、上記長さL1と弾性片
の長さLaとの比が検出精度に及ぼす影響を示してい
る。図11は、L1/Laの比を変化させた場合の、振
動子10の1片の弾性片の等価容量Cを調べた結果であ
る。等価容量Cが大きいほど、角速度の検出精度が高く
なる。図11では、恒弾性体Aの厚さTaに対する圧電
材料層Bの厚さTbの比が異なるものについても等価容
量を調べている。○印はTb/(Ta/2)が1/3、
□印はTb/(Ta/2)が2/3、◇印はTb/(T
a/2)が3/3、△印はTb/(Ta/2)が4/
3、×印はTb/(Ta/2)が5/3である。図11
では横軸がL1/Laで、縦軸が等価容量Cである。こ
の測定は、1層の恒弾性体Aと1層の圧電材料層Bとの
積層体について行っているため、図11ではTaを1/
2倍として示している。
【0064】図11では、圧電材料層Bの厚さTbが、
恒弾性体Aの厚さTaよりも厚くなっている△印と×印
とでは、等価容量が不安定であることが解る。これは、
圧電材料層Bの厚さ寸法が大きくなりすぎると、恒弾性
体のヤング率に対して弾性片の質量が大きくなりすぎ、
安定した共振振動が得られなくなることを示している。
したがって、恒弾性体に圧電材料層が積層された積層体
により振動子10が形成される場合、1層の圧電材料層
の厚さTbが、恒弾性体Aの厚さTaの1/2と同じか
それ以下に設定することが好ましい。
【0065】次に、図11では、L1=0と、L1/L
a=1となる等価容量をC0で示している。すなわち、
弾性片の長さLa全長が同じ圧電材料層と同じ電極層に
より形成されたもの(図10にてL1の部分が形成され
ていないもの)の等価容量をC0で示している。全体の
等価容量が、上記C0よりも高くなれば、図10に示す
L1の部分を設けたことにより、振動変形の検出精度が
高くなることを意味している。図11の結果では、L1
/Laが0.5未満、さらに好ましくは0.4未満、あ
るいは0.1以上で0.4未満であることが好ましいこ
とが解る。
【0066】なお、図10(A)(B)に示すように、
圧電材料層の伸長部分と圧縮部分とを区別して検出する
のは、他の弾性片10cと10aにおいても同様であ
る。また、図9と図10では、弾性片が2次共振モード
により変形する場合について説明したが、3次以上の高
次の共振モードの場合も、圧電材料層に圧縮変形と伸長
変形の部分が生じるが、この場合にも図10に示すよう
に各部分で歪みを区別して検出することにより、圧縮と
伸長の相殺が生じない、高精度な検出ができる。図12
は、恒弾性体Aの表裏両面に圧電材料層B,Bが形成さ
れているものにおいて、この圧電材料層B,Bの表面に
図8と図9に示した電極パターンが形成された全体構造
を示している。図12に示す電極層の符号は、図8と図
9に示す電極層の符号に相当している。
【0067】図12(A)は、振動子10を図8と図1
0での図示上方から見た平面図、図12(B)は側面
図、図12(C)は図8と図10での図示下方から見た
底面図である。まず、恒弾性体Aの表裏両面に形成され
た圧電材料層Bが、振動子全面において同じ分極方向で
ある場合、すなわち図8(A)と図10(A)に示した
構造である場合、図12(A)(C)に示す各電極のう
ちハッチングで示しているものが、ある時点での駆動電
圧または検出電圧が(+)である場合を示し、またハッ
チングなしで示しているものがある時点での駆動電圧ま
たは検出電圧が(−)の場合を示している。
【0068】あるいは、図8(B)および図10(B)
に示すように、各電極層に対面する部分で圧電材料層の
分極方向が相違している場合では、図12(A)にハッ
チングで示している電極層の下側に形成されている圧電
材料層の分極方向が紙面手前方向、ハッチングなしで示
している部分では、分極方向は紙面奥方向である。図1
2(C)で示す底面図においてもハッチングで示してい
る電極層の部分では分極方向が紙面手前方向であり、ハ
ッチングなしで示している電極層の部分では分極方向が
紙面奥方向である。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明の振動型ジャイロス
コープでは、振動子が平板形状であるために、量産が容
易で安価に製造できる。また剛体支持が可能であり、支
持条件が安定する。さらに、中央の弾性片のトリミング
だけで共振周波数の調整ができ、周波数の設定が容易で
ある。
【0070】また、3枚の弾性片の両側のものの側端
と、振動子の基部の側端とを不連続な形状とすることに
より、基部に捻り応力が作用しにくくなり、安定した共
振を実現できる。
【0071】また、HモードとVモードの双方において
弾性片を偶力により駆動できる電極構成とすることによ
り、弾性片をHモードまたはVモードに効率良く駆動で
き、またコリオリ力による変形の検出も高精度にできる
ようになる。
【0072】また、弾性片が板厚方向へ2次以上の共振
モードにて振動する場合に、圧縮部分と伸長部分を区別
して検出し、その加算出力を得ることにより、弾性片の
y方向への変形を高精度に検出できるようになる。
【0073】また、恒弾性体の表裏両面に圧電材料層が
積層された積層体により、振動子が形成されると、弾性
片に対して圧電効果による大きな歪み力を与えることが
可能であり、また弾性片の変形歪みの検出も高精度にで
きるようになる。また積層体を打ち抜いて振動子を形成
することにより、個々の圧電材料層を位置決めして接着
する作業が不要になり、製造が容易になるとともに、製
品精度も高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動子の基本的な形状および動作状態を示す斜
視図、
【図2】振動子の支持構造を示す斜視図、
【図3】(A)は振動子の好ましい平面形状を示す平面
図、(B)はその側面図、
【図4】図3に示す形状の振動子を用いた振動型ジャイ
ロスコープの検出精度を説明する線図、
【図5】振動型ジャイロスコープロスの検出電圧を説明
するベクトル図、
【図6】図3に示す段差13の深さと共振周波数との関
係を示す線図、
【図7】他の実施例による振動子を示す平面図、
【図8】(A)は電極層の形成例を示す各弾性片の端面
拡大図、(B)は電極層の異なる形成例を示す弾性片の
端面拡大図、
【図9】弾性片が板厚方向へ2次共振モードにて変形し
た状態を示す説明図、
【図10】(A)(B)は、図9に示す変形歪みを効果
的に検出できる検出部の構造を実施例別に示す側面図、
【図11】図10に示すL1部分の長さと振動子の等価
容量との関係を示す線図、
【図12】振動子に形成された電極層の具体例を示すも
のであり、(A)は振動子の平面図、(B)は側面図、
(C)は底面図、
【図13】従来の振動型ジャイロスコープの振動子を示
す斜視図、
【図14】板材による二脚音叉型の振動子を示す斜視
図、
【図15】(A)は図14の振動子の駆動振動状態を示
す模式図、(B)はコリオリ力による変形を示す模式
図、
【符号の説明】
A 恒弾性体、 B 圧電材料層、 10 振動子、 10a,10b,10c 弾性片 10d 基部 11 溝 12a,12b 剛体 21a,21b,22a,22b,23a,23b,2
4a,24b 第1の駆動・検出手段を構成する電極
層、 25,26,27,27 第2の駆動・検出手段を構成
する電極層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昭 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の弾性体に2箇所の溝が形成され
    て互いに分離された3枚の弾性片が形成された振動子
    と、圧電効果により前記弾性片を板面方向へ変形できま
    たは板面方向への変形に基づく電圧を検出できる第1の
    駆動・検出手段と、圧電効果により前記弾性片を板厚方
    向へ変形できまたは板厚方向への変形に基づく電圧を検
    出できる第2の駆動・検出手段とを有し、前記一方の駆
    動・検出手段により弾性片を変形振動させながら振動子
    を回転させたときに、コリオリ力により弾性片に生じる
    変形振動に基づく電圧を他方の駆動・検出手段により検
    出して振動子の角速度を求めるものであって、3枚の弾
    性片の幅および前記2箇所の溝の間隔を加算した全幅寸
    法が、振動子の弾性片が形成されていない基部の幅寸法
    よりも短く形成されていることを特徴とする振動型ジャ
    イロスコープ。
  2. 【請求項2】 振動子の、弾性片と基部との境界部分に
    て、左右両側に位置する弾性片の側端と、基部の側端と
    の間に段差が形成されている請求項1記載の振動型ジャ
    イロスコープ。
  3. 【請求項3】 段差の幅方向の深さ寸法が、弾性片の幅
    寸法の0.8倍未満である請求項2記載の振動型ジャイ
    ロスコープ。
  4. 【請求項4】 平板状の弾性体に2箇所の溝が形成され
    て互いに分離された3枚の弾性片が形成された振動子
    と、圧電効果により前記弾性片を板面方向へ変形できま
    たは板面方向への変形に基づく電圧を検出できる第1の
    駆動・検出手段と、圧電効果により前記弾性片を板厚方
    向へ変形できまたは板厚方向への変形に基づく電圧を検
    出できる第2の駆動・検出手段とを有し、前記一方の駆
    動・検出手段により弾性片を変形振動させながら振動子
    を回転させたときに、コリオリ力により弾性片に生じる
    変形振動に基づく電圧を他方の駆動・検出手段により検
    出して振動子の角速度を求めるものであって、前記第1
    の駆動・検出手段は、弾性片の板厚方向に延びる線を中
    心軸とした回転方向への偶力を与えるように相反する方
    向へ変形力を与えることが可能な対を成す電極を有し、
    前記第2の駆動・検出手段は、弾性片の板厚内で板面方
    向に延びる線を中心軸とした回転方向への偶力を与える
    ように相反する方向へ変形力を与えることが可能な対を
    成す電極を有していることを特徴とする振動型ジャイロ
    スコープ。
  5. 【請求項5】 平板状の弾性体に2箇所の溝が形成され
    て互いに分離された3枚の弾性片が形成された振動子
    と、圧電効果により前記弾性片を板面方向へ変形できま
    たは板面方向への変形に基づく電圧を検出できる第1の
    駆動・検出手段と、圧電効果により前記弾性片を板厚方
    向へ変形できまたは板厚方向への変形に基づく電圧を検
    出できる第2の駆動・検出手段とを有し、前記一方の駆
    動・検出手段により弾性片を変形振動させながら振動子
    を回転させたときに、コリオリ力により弾性片に生じる
    変形振動に基づく電圧を他方の駆動・検出手段により検
    出して振動子の角速度を求めるものであって、前記第2
    の駆動・検出手段は、弾性片が板厚方向へ2次以上の共
    振モードで振動したときに、弾性片の表面の圧縮部分と
    伸長部分とを区別して検出できるものであることを特徴
    とする振動型ジャイロスコープ。
  6. 【請求項6】 第2の駆動・検出手段は、弾性片が板厚
    方向へ2次以上の共振モードで振動したときに、弾性片
    の表面の圧縮部分と伸長部分とで異なる分極方向とされ
    た圧電材料層と、この圧電材料層の表面に形成された電
    極層とから構成されている請求項5記載の振動型ジャイ
    ロスコープ。
  7. 【請求項7】 第2の駆動・検出手段は、弾性片が板厚
    方向へ2次以上の共振モードで振動したときに、弾性片
    の表面の圧縮部分と伸長部分とで同じ分極方向とされた
    圧電材料層と、この圧電材料層の表面にて前記圧縮部分
    と伸長部分とで異なるものとして形成された電極層とか
    ら構成されている請求項5記載の振動型ジャイロスコー
    プ。
  8. 【請求項8】 弾性片は板厚方向へ2次の共振モードで
    振動するものであり、弾性片の基部側での検出領域の長
    さが弾性片の全長の0.5倍未満の範囲である請求項5
    ないし7のいずれかに記載の振動型ジャイロスコープ。
  9. 【請求項9】 平板状の弾性体に2箇所の溝が形成され
    て互いに分離された3枚の弾性片が形成された振動子
    と、圧電効果により前記弾性片を板面方向へ変形できま
    たは板面方向への変形に基づく電圧を検出できる第1の
    駆動・検出手段と、圧電効果により前記弾性片を板厚方
    向へ変形できまたは板厚方向への変形に基づく電圧を検
    出できる第2の駆動・検出手段とを有し、前記一方の駆
    動・検出手段により弾性片を変形振動させながら振動子
    を回転させたときに、コリオリ力により弾性片に生じる
    変形振動に基づく電圧を他方の駆動・検出手段により検
    出して振動子の角速度を求めるものであって、前記振動
    子は、恒弾性体の表裏両面に圧電材料層が積層されたも
    のであり、各圧電材料層の表面に電極層が設けられ、こ
    の電極層と圧電材料層とで前記第1と第2の駆動・検出
    手段が構成されていることを特徴とする振動型ジャイロ
    スコープ。
  10. 【請求項10】 3枚の弾性片は、両側に位置している
    ものが同じ方向へ変形し中央のものがこれらと逆方向へ
    変形する振動モードにて駆動される請求項1ないし9の
    いずれかに記載の振動型ジャイロスコープ。
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