JPH0893828A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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Publication number
JPH0893828A
JPH0893828A JP23146794A JP23146794A JPH0893828A JP H0893828 A JPH0893828 A JP H0893828A JP 23146794 A JP23146794 A JP 23146794A JP 23146794 A JP23146794 A JP 23146794A JP H0893828 A JPH0893828 A JP H0893828A
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JP
Japan
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chamber
shock absorber
communication passage
leaf valve
damping force
Prior art date
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Pending
Application number
JP23146794A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kobayashi
孝夫 小林
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はダンパ機構として好適な油圧緩衝器
に関し、伸長側減衰力、及び圧縮側減衰力を、高い自由
度の下に個別調整可能とすることを目的とする。 【構成】 内部に流体を充填したシリンダ26に、その
内部空間を上室34と下室36とに隔成するピストンロ
ッド12を摺動自在に挿入する。ピストンロッド12の
下端に、上室34と下室36とを連通する連通路16及
び連通孔18を設ける。連通路16内に所定の傾斜角を
もって、かつその外周がほぼ連通路16の内周に沿う弾
性材からなるリーフバルブ20を配設する。リールバル
ブ20を上面又は下面から支持する第1ピン22及び第
2ピン24を、それぞれ所望の圧縮側減衰力、及び伸長
側減衰力を実現し得る位置に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧緩衝器に係り、特
にダンパ機構として好適な油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用ショックアブソーバ等
において、流体を充填したシリンダ内に、その内部空間
を2つの空間に隔成するとともに、2つの空間を連通す
る連通路を備えるピストンを配設してなる油圧緩衝器が
用いられている。
【0003】かかる油圧緩衝器には、伸長方向、及び圧
縮方向のそれぞれに対して、適当な減衰力が要求され、
例えば実開昭60−89433号公報には、単一のフロ
ーティングバルブを用いてピストンの内周側に伸長時用
流体通路を、ピストンの外周側に圧縮時用流体通路を形
成してなる油圧緩衝器が開示されている。
【0004】この場合、油圧緩衝器の伸長時と圧縮時と
で、異なる減衰力を設定することが可能であり、車両用
ショックアブソーバの特性を、車両の特性に応じて適切
に設定することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の油
圧緩衝器は、その伸長時、及び圧縮時における減衰力特
性が、共に単一のフローティングバルブの特性に委ねら
れる構成である。従って、減衰力特性を変更すべく、フ
ローティングバルブを構成する板材の剛性、板厚、使用
枚数等を変更すれば、伸長側減衰力、及び圧縮側減衰力
が共に変更されることになる。
【0006】このように、上記従来の構成は、予め設定
された伸長側減衰力、及び圧縮側減衰力を個々に実現す
る手段としては有効であるが、伸長側減衰力、及び圧縮
側減衰力を個別に調整する必要が生じた場合には、極め
て自由度が少ないという問題を有するものであった。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、シリンダの内部空間を隔成するピストンに設け
られた連通路内に、伸長側減衰力、及び圧縮側減衰力の
個別調整に対して十分な自由度を有するバルブ機構を設
けることにより、上記の課題を解決する油圧緩衝器を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、内部に流
体を充填したシリンダと、該シリンダの内部空間を第1
室と第2室とに隔成する隔成部材と、前記第1室と前記
第2室とを連通する連通路と、該連通路内に所定の傾斜
角をもって配設され、その外周がほぼ前記連通路の内周
に沿う弾性を有する部材からなるバルブ体と、該バルブ
体を所定の状態に支持すべく、前記バルブ体を前記第1
室側から支持する第1支持部材、及び前記第2室側から
支持する第2支持部材とを具備する油圧緩衝器により達
成される。
【0009】
【作用】本発明に係る油圧緩衝器において前記シリンダ
の内部には、流体が充填されている。従って、その内部
空間を隔成する前記隔成部材が変位するに際しては、前
記連通路内を流体が流通するに伴う流通抵抗が生ずる。
【0010】一方、前記連通路内には、所定の傾斜角を
もって前記バルブ体が配設されている。ここで、前記バ
ルブ体は、その外周がほぼ前記連通路の内周に沿う弾性
を有する部材で構成され、前記第1及び第2支持部材に
よって支持されている。
【0011】ところで、前記油圧緩衝器が伸縮しようと
する場合、その伸縮しようとする方向に応じて、前記第
1室の内圧と前記第2室の内圧とに差圧が生ずる。そし
て、かかる差圧は、前記連通路内に配設される前記バル
ブ体の両面に作用する。
【0012】この際、前記バルブ体は、前記連通路内に
所定の傾斜角をもって配設されていおり、その両面に差
圧が生ずると、一方の傾斜端は前記連通路の内周に押圧
され、他方の傾斜端は前記連通路の内周から離間する方
向に押圧される状況となる。そして、その結果前記バル
ブ体が弾性変形し、前記連通路の内周との間に隙間が生
ずると、その隙間を流体が流通して前記油圧緩衝器の伸
縮が許容される。
【0013】これに対して、前記バルブ体は、前記第1
室側からは前記第1支持部材により、また前記第2室側
からは前記第2支持部材によりそれぞれ支持されて所定
の状態を維持しており、前記第1室が前記第2室に比し
て低圧となった場合は前記第1支持部材が、またその逆
の場合は前記第2支持部材が、それぞれ前記バルブ体の
変位を規制すべく機能する。
【0014】従って、前記バルブ体と前記連通路の内周
との間の隙間の生じ易さは、前記バルブ体の弾性特性
と、前記第1支持部材、及び第2支持部材が、それぞれ
前記バルブ体を支持する位置とによって決定されること
になる。
【0015】このため、前記第1支持部材の設置位置を
調整することで、前記流体が第2室から第1室へ流通す
る際の流通抵抗を、また、前記第2支持部材の設置位置
を調整することで、前記流体が第1室から第2室へ流通
する際の流通抵抗を、それぞれ個別に調整することが可
能であり、伸長方向及び圧縮方向のそれぞれについて高
い自由度の下に減衰力を個別に調整し得る油圧緩衝器の
実現が可能となる。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である油圧緩衝器
10の全体構成を表す正面断面図を示す。尚、本実施例
の油圧緩衝器10は、車両用サスペンション機構におけ
るショックアブソーバとして構成されたものである。
【0017】同図において、ピストンロッド12は、そ
の上端部で図示しない車体に連結される部材である。ピ
ストンロッド12の下端には、油圧緩衝器10において
適当な減衰力を発生させる弁機構14が設けられてい
る。以下、図2を参照して、弁機構14の構成について
詳説する。
【0018】図2は、弁機構14の3面図であり、同図
(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は平
面図をそれぞれ示している。
【0019】各図に示す如く、弁機構14は、ピストン
ロッド12の下端から軸方向に向かって設けられた連通
路16、連通路16と後述する上室34とを連通する連
通孔18、連通路16内に配設されたリーフバルブ2
0、リーフバルブ20を支持する第1ピン22及び第2
ピン24からなる構成である。
【0020】ここで、リーフバルブ20は、弾性材から
なる楕円形のバルブであり、図2(A)に示す如く連通
路16内に所定の傾斜角をもって配設された場合に、そ
の外周が、全周に渡って連通路16の内周に沿うように
構成されている。
【0021】また、第1ピン22は、所定の傾斜角をも
って配設されたリーフバルブ20の最上端部近傍を、連
通路16の内壁に当接させる方向にリーフバルブ20の
上面を支持すべく、第2ピン24は、所定の傾斜角をも
って配設されたリーフバルブ20の最下端部近傍を、連
通路16の内壁に当接させる方向にリーフバルブ20の
下面を支持すべく、共にピストンロッド12に設けられ
た挿入孔に圧入されている。
【0022】尚、以後、リーフバルブ20の最上端、及
び最下端の如く、配設姿勢に所定の傾斜を与えたことに
より生じた、その部材の最上端、及び最下端を、傾斜端
と総称することにする。
【0023】ところで、ピストンロッド12は、図1に
示す如く、シリンダ26内に挿入されている。ここで、
シリンダ26の上端部には、その内周面にピストンロッ
ド12を摺動可能に支持するブッシュ28を備えるドー
ナツ状のロッドガイド30が配設されている。
【0024】一方、ピストンロッド12は、その下端部
に他の部位に比して径の太い部分、すなわちピストンに
相当する部分を備えており、更にこの太径部の外周に
は、シリンダ26の内周面と摺動可能なピストンバンド
32が巻回されている。
【0025】従って、本実施例のピストンロッド12
は、シリンダ26内に、シリンダ26の上端部とピスト
ンロッド12の下端部の2点で摺動自在に支持されてい
ることになる。
【0026】この結果、シリンダ26内の空間は、ピス
トンロッド12により、ピストンバンド32上方の上室
34と、ピストンバンド32下方の下室36とに隔成さ
れることになる。すなわち、先述の連通路16と連通孔
18により上室34と下室36とが連通される。
【0027】尚、ピストンロッド12の側面には、ピス
トンロッド12が伸長側変位端に達すると、ロッドガイ
ド30の下端に当接して以後の変位を規制するリバウン
ドストッパ38が配設されている。
【0028】ところで、シリンダ26の下端部には、上
述した弁機構14とほぼ同一の構成からなる弁機構40
が設けられている。以下、その3面図である図3を参照
して、弁機構40の構成について説明する。尚、図3に
おいては、同図(A)が正面図、同図(B)が側面図、
同図(C)が平面図をそれぞれ示している。
【0029】各図に示す如く、弁機構40はシリンダ2
6の下端に嵌合されるベースケース42を基材として構
成される。ベースケース42は、その中央に軸方向に貫
通する連通路44を備えると共に、連通路44と後述の
リザーバ室56とを連通するための複数の連通溝46を
備えている。
【0030】連通路44内には、上述したリーフバルブ
20と同様に、弾性材からなる楕円形のバルブであるリ
ーフバルブ48が、所定傾斜角をもって配設されてい
る。この際、リーフバルブ48の外周は、全周に渡って
連通路44の内周に当接している。
【0031】また、リーフバルブ48の上面には、リー
フバルブ48の上側傾斜端近傍を連通路44の内周に当
接させるべくベースケース42に圧入された第1ピン5
0が、リーフバルブ48の下面には、リーフバルブ48
の下側傾斜端近傍を連通路44の内周に当接させるべく
ベースケース42に圧入された第2ピン52が、それぞ
れ当接している。
【0032】ところで、シリンダ26は、アウタシェル
54内に挿入されている。ここで、シリンダ26には、
上述の如くその上端にロッドガイド30が、その下端に
ベースケース42が固定されており、これらロッドガイ
ド30、及びベースケース42の外周をアウタシェル5
4の内周に当接させることで、アウタシェル54と、シ
リンダ26及びピストンロッド12との位置決めを行っ
ている。
【0033】また、本実施例においては、ロッドガイド
30の最大径、及びベースケース42の最大径を、図1
に示す如くシリンダ26の径に比して十分大きく設計し
ている。
【0034】このため、シリンダ26がアウタシェル5
4内に挿入されると、シリンダ26とアウタシェル54
との間には、所定体積を有するリザーバ室56が設けら
れることになる。更に、ベースケース42の最大径をも
った外周がアウタシェル54の内周に接しており、ベー
スケース42はシリンダ26の嵌合されているため、ア
ウタシェル54に対するシリンダ26の位置決めがなさ
れている。また、アウタシェル54の下端にはロアキャ
ップ62が溶接により固定され、前記ベースケース42
と当接している。これにより、連通路44及び連通溝4
6が下室36とリザーバ室56とを連通する通路として
機能している。
【0035】尚、上述したシリンダ26の内部、すなわ
ち上室34、下室36の内部には、アブソーバオイルが
充填されている。また、リザーバ室56には、その下部
空間にはアブソーバオイルが、その上部空間にはアブソ
ーバガスが、それぞれ存在するように、両者が適当に充
填されている。
【0036】一方、アウタシェル54の上端には、中央
部にオイルシール58を備えるリングナット60が螺着
され、ピストンロッド12がシリンダ26内を摺動する
場合を含めて、アウタシェル54の内部に適当なシール
性が確保されている。
【0037】次に、油圧緩衝器10の動作について説明
する。
【0038】図1に示す状態において、ピストンロッド
12に伸長方向の外力が付与された場合、ピストンバン
ド32がシリンダ26に対して上方へ摺動しようとし、
ピストンロッド12が上方へ変位しようとする。その結
果、上室34の内圧、及び連通路16内リーフバルブ2
0上方空間の内圧が上昇すると共に、下室36の内圧、
及び連通路16内リーフバルブ20下方空間の内圧が低
下する。
【0039】かかる圧力分布の変化は、リーフバルブ2
0の上下に差圧を生み出し、リーフバルブ20をその上
面側から下面側へ押圧する力を発生させる。
【0040】これに対して、上述の如くリーフバルブ2
0は、所定の傾斜角をもって連通路16内に配設されて
おり、かかる外力のうちリーフバルブ20の上側傾斜端
近傍に作用する外力については、リーフバルブ20を連
通路16の内壁に押圧する力として作用する。
【0041】このため、かかる圧力分布が生じた場合、
リーフバルブ20の上側傾斜端近傍では、通常時に比べ
てより強力な力で連通路16が遮断状態とされることに
なる。
【0042】一方、リーフバルブ20の下側傾斜端近傍
については、リーフバルブ20を上面側から下面側へ押
圧する力は、リーフバルブ20を連通路16の内壁から
離間させる方向に作用する。
【0043】従って、その押圧力が所定のレベルを越え
ると、図4に示す如く、リーフバルブ20が弾性変形す
ることで、連通路16の内壁との間に隙間が形成され、
リーフバルブ20の上面側の空間から下面側の空間へ向
かうアブソーバオイルの流れが許容される状態となる。
【0044】そして、このようにアブソーバオイルの流
れが許容される状態となると、リバウンドストッパ38
がロッドガイド30に当接する位置を上限として、ピス
トンロッド12の更なる変位が可能となる。
【0045】ところで、油圧緩衝器10の伸長側減衰力
特性は、ピストンロッド12に付与された伸長側の力に
対して、どれだけの流量のアブソーバオイルが連通路1
6内を流通するかによって決定される。
【0046】従って、本実施例においては、リーフバル
ブ20の上下に生じた差圧に対して、どれだけの面積の
隙間がリーフバルブ20の下側傾斜端近傍と連通路16
の内壁との間に形成されるかによって、油圧緩衝器10
の伸長側減衰力特性が決定されることになる。
【0047】これに対して、上述の如くリーフバルブ2
0は弾性材で構成されており、その弾性係数が小さいほ
ど、より容易に、大面積の隙間を形成することが可能で
ある。この意味で、リーフバルブ20の弾性係数が油圧
緩衝器10の伸長側減衰力特性を決定するうえで重要な
因子であることは明らかである。
【0048】一方、上述の如く、リーフバルブ20の下
面は、第2ピン24によって支持されている。従って、
リーフバルブ20の上下に差圧が生じた際に弾性変形し
得る部位は第2ピン24の当接位置から下側傾斜端に至
るまでの部位に限定される。従って、第2ピンが下側傾
斜端から離れた位置に配設されるほど、より大きな領域
が弾性変形できることとなり、同一の差圧に対して、よ
り大面積の隙間が形成可能となる。
【0049】この意味で、本実施例においては、第2ピ
ンの配設位置も、油圧緩衝器10の伸長側減衰力特性を
決定するうえで、重要な因子の一つであることになる。
【0050】ところで、ピストンロッド12のロッド部
における断面積がs、シリンダ26の有効断面積がSで
ある場合、ピストンロッド12が上方に距離Lだけ変位
すると、上室34から下室36へは、v=(S−s)×
Lなる量のアブソーバオイルが流出する。
【0051】これに対して、かかるピストンロッド12
の変位に伴って、下室36の体積は、ΔV=S×Lだけ
増加することとなり、上室34から流入するアブソーバ
オイルのみでその体積増加量を賄うことはできない。
【0052】本実施例においてシリンダ26の下端に弁
機構40を設け、更に弁機構40を介して連通するリザ
ーバ室56を設けたのは、かかる現象に対処するためで
ある。
【0053】即ち、本実施例においては、上記の如くピ
ストンロッド12が上方に向けて変位し、その結果、下
室36の内圧が低下すると、弁機構40が上述した弁機
構14と同様の原理で開弁し、リザーバ室56から下室
へ向けて適量のアブソーバオイルが流入する。
【0054】この際、リザーバ室56内には、アブソー
バオイルと共にアブソーバガスが封入されており、大幅
な圧力変動を伴うことなくアブソーバオイルを流出させ
ることが可能とされている。このため、ピストンロッド
12の変位に伴う圧力の不均衡が緩和され、適切な作動
状態の維持が可能とされている。
【0055】一方、図1に示す状態において、ピストン
ロッド12に圧縮方向の外力が付与された場合は、ピス
トンバンド32がシリンダ26に対して下方へ摺動し、
すなわちピストンロッド12が下方へ変位し、リーフバ
ルブ20の下方空間に高圧、リーフバルブ20の上方空
間に低圧を発生させる。この場合、リーフバルブ20に
は、その下面側から上面側へ向かう押圧力が作用する。
【0056】この結果、上述の如くピストンロッド12
が伸長方向に変位する場合とは逆に、リーフバルブ20
の下側傾斜端近傍には、連通路16の内壁に向かう押圧
力が作用し、また上側傾斜端近傍には、連通路16の内
壁から離間する方向に向かう押圧力が作用する。
【0057】従って、その押圧力が所定のレベルを越え
ると、図5に示す如く、リーフバルブ20が弾性変形す
ることで、連通路16の内壁との間に隙間が形成され、
リーフバルブ20の下面側の空間から上面側の空間へ向
かうアブソーバオイルの流れが許容される状態となる。
【0058】そして、このようにアブソーバオイルの流
れが許容される状態となると、ピストンロッド12の下
端がベースケース42に当接する位置を下限として、ピ
ストンロッド12の更なる変位が可能となる。
【0059】この場合、油圧緩衝器10の圧縮側減衰力
特性は、リーフバルブ20の弾性係数、及びリーフバル
ブ20を上面側から支持する第1ピン22の配設位置に
よって決定されることになる。
【0060】尚、ピストンロッド12が圧縮方向に変位
する場合においても、上室34と下室36との間でアブ
ソーバオイルを授受するだけでは、不当な圧力の不均衡
を生ずることは、ピストンロッド12が伸長方向に変位
する場合と同様である。 このため、ピストンロッド1
2が圧縮方向に変位する場合においては、弁機構40の
リーフバルブ48の下側傾斜端近傍が適当に開弁され、
下室36からリザーバ室56へ向かうアブソーバオイル
の流れが許容されることになる。
【0061】上述した如く、本実施例の油圧緩衝器10
においては、リーフバルブ20の弾性係数が、伸長側及
び圧縮側の減衰力特性に共に影響していると共に、第1
ピン22の配設位置は圧縮側減衰力特性のみに、また第
2ピン24の配設位置は伸長側減衰力特性のみに、それ
ぞれ影響している。
【0062】従って、伸長側減衰力特性のみ、又は圧縮
側減衰力特性のみを個別に調整する必要がある場合に
は、第2ピン24、又は第1ピン22の配設位置を個別
に調整すれば、所望の特性を適切に実現することが可能
である。
【0063】具体的には、図6において、第2ピン24
の配設位置と連通路16の中心線との距離aを大きく設
定するほど伸長側減衰力のみを大きくすることができ、
また、第1ピン22の配設位置と連通路16の中心線と
の距離bを大きく設定するほど圧縮側減衰力を大きくす
ることができる。
【0064】この意味で、本実施例の油圧緩衝器10
は、伸長側及び圧縮側の減衰力特性を個別に調整するこ
とが困難な油圧緩衝器に比して、減衰力特性の調整に関
して著しく高い自由度を有することになり、油圧緩衝器
10によれば、車両特性に応じたきめ細やかなチューニ
ングが可能となるという利益を得ることができる。
【0065】また、油圧緩衝器10における弁機構14
は、連通路16内にリーフバルブ20を配設することで
実現される極めて簡単な構成である。従って、高い生産
性の確保、低コスト化の実現等が容易であると共に、高
度な加工精度等を要求することなく高信頼性、高耐久性
を確保することができるという利益をも有している。
【0066】更に、油圧緩衝器10の構成によれば、リ
ーフバルブ20が吸着状態となる危惧がなく、ランド面
をもつ弁機構を有する油圧緩衝器等と比較して、極めて
高い信頼性が確保できるという効果をも享受することが
できる。
【0067】尚、伸長側減衰力、及び圧縮側減衰力を共
に調整する場合には、リーフバルブ20の弾性係数を変
更することが有効であることは前記した通りであるが、
リーフバルブ20に付与する傾斜角αを変更することに
よっても同様の調整を実現することが可能である。以
下、その調整手法について説明する。
【0068】すなわち、図6に示す傾斜角αを小さくし
て、なおリーフバルブ20により連通路16を適切に閉
塞するためには、リーフバルブ20の幅cを拡大する必
要が生じる。
【0069】そして、その幅cが拡大すれば、第1ピン
22及び第2ピン24と連通路16の中心線との距離
b,aが同一でも、より容易にリーフバルブ20と連通
路16との間に大きな隙間を形成することが可能とな
り、事実上リーフバルブ20の弾性係数が低下したと同
様の状態が実現されたことになる。
【0070】ところで、上述した実施例は、リーフバル
ブ20,48を支持する部材として、第1ピン22,5
0、及び第2ピン24,52の2本のピンを用いている
が、これに限るものではなく、より確実にリーフバルブ
20,48を支持する必要がある場合には、片側2本づ
つ計4本のピンを用いる構成としてもよい。
【0071】また、上記実施例に示す油圧緩衝器10
は、車両用ショックアブソーバに適用することを前提と
したものであるが、その適用範囲はこれに限るものでは
なく、広くダンパ機構を構成する油圧緩衝器に適用する
ことが可能である。
【0072】尚、上記実施例においては、ピストンロッ
ド12の下端部並びにベースケース42が前記した隔成
部材に、上室34、下室36、リザーバ室56が前記し
た第1室、第2室に、連通路16、連通孔18及び連通
路44、連通溝46が前記した連通路に、リーフバルブ
20,48が前記したバルブ体に、第1ピン22,50
が前記した第1支持部材に、第2ピン24,52が前記
した第2支持部材にそれぞれ相当している。
【0073】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、隔成部材
の変位抵抗が、バルブ体の弾性特性に加え、バルブ体を
第1室側、及び第2室側からそれぞれ支持する第1支持
部材、及び第2支持部材の設置位置の影響をも受けるこ
とから、第1及び第2支持部材の設置位置を個々に調整
することで、伸長側減衰力と圧縮側減衰力とを容易に個
別調整し得る油圧緩衝器を実現することができる。
【0074】更に、本発明の構成によれば、連通路の導
通状態を制御するバルブ体と、他の構成部品とが吸着す
る危惧がなく、適切な動作状態を維持するという観点か
ら高い信頼性を得ることができると共に、動作不良に伴
う異音の発生を抑制し得るという利益をも享受すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である油圧緩衝器の全体構成
を表す正面断面図である。
【図2】本実施例の油圧緩衝器の要部である弁機構の3
面図である。
【図3】本実施例の油圧緩衝器の他の要部である弁機構
の3面図である。
【図4】本実施例の油圧緩衝器の伸長時の動作を説明す
るための図である。
【図5】本実施例の油圧緩衝器の圧縮時の動作を説明す
るための図である。
【図6】本実施例の油圧緩衝器の減衰力特性の調整手法
を説明するための図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 12 ピストンロッド 14,40 弁機構 16,44 連通路 18 連通孔 20,48 リーフバルブ 22,50 第1ピン 24,52 第2ピン 26 シリンダ 34 上室 36 下室 42 ベースケース 46 連通溝 54 アウタシェル 56 リザーバ室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に流体を充填したシリンダと、 該シリンダの内部空間を第1室と第2室とに隔成する隔
    成部材と、 前記第1室と前記第2室とを連通する連通路と、 該連通路内に所定の傾斜角をもって配設され、その外周
    がほぼ前記連通路の内周に沿う弾性を有する部材からな
    るバルブ体と、 該バルブ体を所定の状態に支持すべく、前記バルブ体を
    前記第1室側から支持する第1支持部材、及び前記第2
    室側から支持する第2支持部材とを具備することを特徴
    とする油圧緩衝器。
JP23146794A 1994-09-27 1994-09-27 油圧緩衝器 Pending JPH0893828A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003333904A (ja) * 2002-05-15 2003-11-25 Yanmar Agricult Equip Co Ltd 田植機
JP2010012944A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Yamaha Motor Co Ltd 懸架装置の制御システムおよび車両
JP2019089354A (ja) * 2017-11-10 2019-06-13 株式会社Soken 表示制御装置、及び表示制御プログラム

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