JPH0893650A - ポンプ制御装置 - Google Patents

ポンプ制御装置

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Publication number
JPH0893650A
JPH0893650A JP6226364A JP22636494A JPH0893650A JP H0893650 A JPH0893650 A JP H0893650A JP 6226364 A JP6226364 A JP 6226364A JP 22636494 A JP22636494 A JP 22636494A JP H0893650 A JPH0893650 A JP H0893650A
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JP
Japan
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pump
pressure
valve
reservoir
brake
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Application number
JP6226364A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yamazaki
毅 山崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ポンプの吐出圧が設定上限圧を超えることを防
止するポンプ制御装置において、リリーフ弁なしでポン
プの吐出圧を制御可能とすることにより、リリーフ弁を
使用する場合の問題である作動液の気泡発生およびポン
プの高負荷連続を解消する。 【構成】ポンプ76を圧力源としてブレーキを作動させ
てトラクション制御を行うブレーキシステムにおいて、
ポンプ76とリザーバ70との間にパイロット式の開閉
弁190を設け、かつ、その開閉弁190を、常には開
状態にあるが、ポンプ76の吐出圧が設定上限圧に達し
た状態では閉状態となり、リザーバ70からポンプ76
に向かう向きのブレーキ液の流れを阻止するものとす
る。ブレーキ液の吸込みが阻止されれば、ポンプ76が
無効状態となって空転するのみとなり、吐出圧の増加も
駆動エネルギの無駄な消費も回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポンプの吐出圧を制御す
るポンプ制御装置に関するものであり、特に、ポンプの
吐出圧が設定圧を超えないようにする技術の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液圧作動装置に液圧を供給する装置とし
てポンプ制御装置が存在し、その一形式として、作動液
を蓄えるリザーバと、そのリザーバに蓄えられた作動液
を汲み上げて液圧作動装置に供給するポンプとを含むポ
ンプ制御装置が既に知られている。
【0003】液圧作動装置の一例は車両用のトラクショ
ン制御装置である。トラクション制御装置は、ポンプを
圧力源とし、車両駆動時にブレーキ操作とは無関係にブ
レーキを作用させることによって駆動車輪が空転するこ
とを抑制する制御であり、その一従来例が特開平5−6
5057号公報に記載されている。
【0004】ポンプを使用する場合には、ポンプの吐出
圧(以下、単に「ポンプ圧」ともいう)が上限圧を超え
ないようにすることによってポンプ制御装置自身のみな
らず液圧作動装置を保全したり、ポンプ圧を設定圧に一
定に制御して液圧作動装置に供給することが行われる。
そして、ポンプ圧が設定圧を超えないようにするための
技術として従来、前記公報にも記載されているように、
ポンプ制御装置においてポンプの吐出口にリリーフ弁を
設ける技術が存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リリーフ弁を
使用する場合には次のような問題がある。リリーフ弁は
一般に、図6に示すように、ハウジング300に摺動可
能に嵌合されたプランジャ302がスプリング304の
弾性力によって弁子306を弁座形成部材308に形成
された弁座に押し付ける構成とされる。リリーフ弁は、
ポンプの吐出側である高圧側と低圧側との間に設けら
れ、ポンプ圧が設定圧に達すると開かれ、ポンプからの
高圧の作動液がリリーフ弁を経て低圧側に放出され、こ
れによりポンプ圧が設定圧を超えることが防止される。
そのため、作動液の放出の際、作動液の圧力が急激に低
下し、作動液に溶解していた気体が分離して、作動液に
気泡(エアレーション)が発生し易い。気泡が発生する
とみかけ上作動液が圧縮性を有することとなり、液圧作
動装置の作動精度が低下する等の不都合が生じる。
【0006】そこで、請求項1の発明は、リリーフ弁を
用いることなく、ポンプを無効状態としてポンプ圧が設
定圧を超えることを防止することにより、作動液の気泡
発生という問題を解決することを課題としてなされたも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
に請求項1の発明は、ポンプ制御装置を、作動液を蓄え
るリザーバと、そのリザーバに蓄えられた作動液を汲み
上げて液圧作動装置に供給するポンプであってリザーバ
からポンプに向かう向きの作動液の流れが阻止された状
態では無効状態となるものと、そのポンプの吐出圧が設
定圧に達しない状態ではリザーバからポンプに向かう向
きの作動液の流れを許容し、達した状態ではその作動液
の流れを阻止する流通制御装置とを含むものとしたこと
を特徴とする。
【0008】なお、請求項1の発明は、例えば、液圧作
動装置等の過負荷防止のためにポンプ圧が上限圧を超え
ることを防止する過大圧防止という目的に使用したり、
ポンプ圧を一定に制御する調圧という目的に使用するこ
とができる。
【0009】
【作用】請求項1の発明に係るポンプ制御装置において
は、ポンプが、リザーバからポンプに向かう向きの作動
液の流れが阻止された状態では無効状態となるものとさ
れていて、ポンプ圧が設定圧に達した状態では、流通制
御装置によってリザーバからポンプに向かう向きの作動
液の流れが阻止され、ポンプが無効状態となり、ポンプ
圧がそのときの高さに維持される。すなわち、高圧の作
動液が低圧部に放出されることなく、ポンプ圧が設定圧
を超えることが防止されるのである。
【0010】
【発明の効果】したがって、請求項1の発明によれば、
ポンプ圧が設定圧を超えることを防止するために作動液
の圧力が急激に低下することがないため、リリーフ弁を
使用する場合のように、作動液に気泡が発生する心配が
ない。
【0011】
【発明の望ましい実施態様】以下、請求項1の発明の望
ましい実施態様のいくつかを列挙する。
【0012】(1) 請求項1の発明であって、前記流通制
御装置が、リザーバとポンプの吐出口との間に設けられ
たパイロット式であって、着座状態でリザーバからポン
プに向かう向きの作動液の流れを阻止し、離間状態で許
容する弁子および弁座と、それら弁子および弁座間の着
座・離間状態を制御するパイロットピストンとを有し、
かつ、そのパイロットピストンに、弁子が弁座に着座す
る向きにポンプの吐出圧が作用させられ、弁子が弁座か
ら離間する向きに、設定圧を実現する付勢手段の付勢力
が作用させられるものであるポンプ制御装置。
【0013】(2) 請求項1の発明であって、前記流通制
御装置が、ポンプの吐出圧を検出する圧力センサと、リ
ザーバとポンプの吐出口との間に設けられた電磁開閉弁
と、それら圧力センサと電磁開閉弁とに接続され、圧力
センサが検出したポンプの吐出圧が設定圧に達しない状
態では電磁開閉弁を開状態とし、達した状態では電磁開
閉弁を閉状態とするコントローラとを含む電気式である
ポンプ制御装置。
【0014】(3) マスタシリンダから延びて駆動車輪の
ブレーキシリンダに至る主通路に、マスタシリンダとブ
レーキシリンダとの間のブレーキ液の流通状態を制御す
る電磁弁が設けられ、主通路のうちその電磁弁とブレー
キシリンダとの間の部分に、リザーバから延びるポンプ
通路が接続され、そのポンプ通路に、リザーバ内のブレ
ーキ液を汲み上げて主通路に供給するポンプであってリ
ザーバからポンプに向かう向きのブレーキ液の流れが阻
止された状態では無効状態となるものが設けられ、その
ポンプの吐出圧が設定圧に達しない状態ではリザーバか
らポンプに向かう向きのブレーキ液の流れを許容し、達
した状態ではそのブレーキ液の流れを阻止する流通制御
装置が設けられ、コントローラがポンプを作動させて前
記電磁弁を含む電磁液圧制御装置を制御することによっ
て車両駆動時に駆動車輪が空転することを防止するトラ
クション制御を実行することを特徴とするブレーキシス
テム。
【0015】(4) (3) のブレーキシステムであって、前
記流通制御装置が、リザーバとポンプの吐出口との間に
設けられたパイロット式であって、着座状態でリザーバ
からポンプに向かう向きのブレーキ液の流れを阻止し、
離間状態で許容する弁子および弁座と、それら弁子およ
び弁座間の着座・離間状態を制御するパイロットピスト
ンとを有し、かつ、そのパイロットピストンに、弁子が
弁座に着座する向きにポンプの吐出圧が作用させられ、
弁子が弁座から離間する向きに、設定圧を実現する付勢
手段の付勢力が作用させられるものであるブレーキシス
テム。
【0016】(5) (4) のブレーキシステムであって、前
記コントローラが、さらに、前記電磁弁を含む電磁液圧
制御装置を制御することによって車両制動時に駆動車輪
がロックすることを防止するアンチロック制御を実行す
るものであり、前記流通制御装置が、それのパイロット
ピストンが、弁子が弁座に着座する向きにポンプの吐出
圧が作用させられ、弁子が弁座から離間する向きに、設
定圧を実現する付勢手段の付勢力とマスタシリンダの液
圧との双方が作用させられるものであるブレーキシステ
ム。
【0017】
【実施例】以下、請求項1の発明を図示の実施例に基づ
いて具体的に説明する。図1において符号10はマスタ
シリンダを示す。マスタシリンダ10は互いに独立した
2個の加圧室が互いに直列に配置されたタンデム型であ
る。マスタシリンダ10は、図示しないブースタを介し
てブレーキ操作部材としてのブレーキペダル14に連携
させられており、ブレーキペダル14の踏込み力によっ
て各加圧室に互いに等しい高さの液圧を機械的に発生さ
せる。
【0018】マスタシリンダ10の一方の加圧室には、
駆動車輪である左前輪のブレーキシリンダと非駆動車輪
である右後輪のブレーキシリンダとがそれぞれ接続さ
れ、他方の加圧室には、駆動車輪である右前輪のブレー
キシリンダと非駆動車輪である左後輪のブレーキシリン
ダとがそれぞれ接続されている。マスタシリンダ10の
各加圧室から延びる2つのブレーキ系統が互いに独立し
てダイヤゴナルに構成されているのである。左右前輪に
ついてはアンチロック制御とトラクション制御との双方
が実行され、左右後輪についてはアンチロック制御のみ
実行される。以下、一方のブレーキ系統のみを詳細に説
明し、他のブレーキ系統については、互いに構成が共通
するため、説明を省略する。
【0019】マスタシリンダ10の一方の加圧室は前輪
ブレーキ通路20により前輪ブレーキシリンダ22に接
続されている。前輪ブレーキ通路20の途中から後輪ブ
レーキ通路24が分岐させられており、その先端に後輪
ブレーキシリンダ26が接続されている。
【0020】前輪ブレーキ通路20のうち後輪ブレーキ
通路24の分岐位置より前輪ブレーキシリンダ22の側
の部分に、主通路用流通制御装置30と増圧弁32とが
それらの順に設けられている。
【0021】主通路用流通制御装置30は、通常ブレー
キ状態ではマスタシリンダ10と前輪ブレーキシリンダ
22との間のブレーキ液の双方向の流れを許容し、アン
チロック制御状態では少なくとも前輪ブレーキシリンダ
22からマスタシリンダ10に向かう向きのブレーキ液
の流れを許容し、トラクション制御状態では少なくとも
前輪ブレーキシリンダ22からマスタシリンダ10に向
かう向きのブレーキ液の流れを阻止するものである。
【0022】本実施例においては、主通路用流通制御装
置30が具体的に、電磁開閉弁であるマスタシリンダカ
ット弁34と、それのバイパス通路36と、その途中に
設けられた逆止弁38であってマスタシリンダ10から
前輪ブレーキシリンダ22に向かう向きのブレーキ液の
流れは許容するがその逆向きの流れは阻止するものとを
含む構成とされている。マスタシリンダカット弁34
は、通常ブレーキ状態およびアンチロック制御状態では
開状態、トラクション制御状態では閉状態に切り換わ
る。しかし、逆止弁38が設けられているため、トラク
ション制御中、マスタシリンダ10から前輪ブレーキシ
リンダ22に向かう向きのブレーキ液の流れが許容さ
れ、トラクション制御が終了しないうちにブレーキペダ
ル14が踏み込まれても通常通り前輪ブレーキシリンダ
22が増圧される。
【0023】一方、増圧弁32は常開の電磁開閉弁であ
る。この増圧弁32にもバイパス通路40が接続され、
その途中に逆止弁42が設けられている。ただし、逆止
弁42は、前輪ブレーキシリンダ22からマスタシリン
ダ10に向かう向きのブレーキ液の流れは許容するがそ
の逆向きの流れは阻止するものとされ、ブレーキ操作の
解除に伴うブレーキ液の戻りを促進する役割を果たす。
【0024】前輪ブレーキ通路20のうち増圧弁32と
前輪ブレーキシリンダ22との間の部分からリザーバ通
路46が延びてリザーバ70に至っている。リザーバ通
路46の途中には減圧弁72が設けられている。減圧弁
72は常閉の電磁開閉弁である。
【0025】リザーバ70からはまた、ポンプ通路74
も延びている。ポンプ通路74の途中にはリザーバ70
から作動液としてのブレーキ液を汲み上げるポンプ76
が設けられている。
【0026】ポンプ76は、回転シリンダ型ラジアルプ
ランジャ式である。このポンプ76においては、図2に
示すように、モータ78(図1参照)と共に回転するシ
リンダブロック158に3つのシリンダボア160が半
径方向に等間隔に形成され、それら各シリンダボア16
0にプランジャ162が実質的に気密かつ摺動可能に嵌
合されている。互いに嵌合されるシリンダボア160と
プランジャ162とが共同して形成する液室164内に
は付勢手段としてのスプリング166が圧縮状態で配設
されている。シリンダブロック158の外周側には、シ
リンダブロック158に対して偏心し、かつベアリング
168により軸線回りに回転可能に保持された円環状の
カムリング170が配設されている。カムリング170
の内周面の、各プランジャ162の頭部に対応する位置
にはそれぞれ各頭部が嵌入される凹み172が形成され
ており、シリンダブロック158が回転すると、各プラ
ンジャ162はカムリング170の凹み172に嵌まり
込んだまま回転し、各プランジャ162はカムリング1
70の偏心量に応じて往復運動する。
【0027】シリンダブロック158の中心部にはポン
プ76本体に固定の円柱状のピントル174が実質的に
気密かつ摺動可能に嵌合されている。このピントル17
4には、液室176を経てポンプ76の吸入口に連通し
た2つの吸入側軸方向穴180と、ポンプ76の吐出口
に連通した1つの吐出側軸方向穴184とがそれぞれ形
成されている。また、ピントル174には、各プランジ
ャ162が液室164の容積が増加する方向に移動する
行程(図において下側の半回転の行程)にある状態で、
液室164を連通孔185aを経て吸入側軸方向穴18
0に連通させる吸入側溝186と、各プランジャ162
が液室164の容積が減少する方向に移動する行程(図
において上側の半回転の行程)にある状態で、液室16
4を連通孔185aを経て吐出側軸方向穴184に連通
させる吐出側溝188とがそれぞれ形成されている。し
たがって、各プランジャ162が連通孔185aと吸入
側溝186とが互いに一致する吸込み行程にあれば、リ
ザーバ内のブレーキ液が液室164内に汲み上げられる
一方、各プランジャ162が連通孔185aと吐出側溝
188とが互いに一致する吐出し行程にあれば、液室1
64内に汲み上げられたブレーキ液が前輪ブレーキシリ
ンダ22に吐き出される。
【0028】このポンプ76においては、吸込み行程に
おいては、リザーバ70のスプリング204(図1参
照)の弾性力と各プランジャ162のスプリング166
の弾性力との共同によってリザーバ70内のブレーキ液
が液室164内に送り込まれる。リザーバ70が空にな
ったり、後述の開閉弁190(図1参照)が閉じられる
ことによってリザーバ70からポンプ76に向かう向き
のブレーキ液の流れが阻止される状態では、各プランジ
ャ162のスプリング166の弾性力は小さいから、ス
プリング166は各プランジャ162を凹み172に押
し付けることはできず、各プランジャ162は液室16
4を負圧にしない位置に保持される。すなわち、ポンプ
76は、プランジャ162の頭部と凹み172との間に
隙間が存在することを許容しつつ空転する無効状態とな
るのである。
【0029】図1に示すように、ポンプ通路74のうち
ポンプ76とリザーバ通路46の接続位置との間の部分
に、パイロット式の開閉弁190が設けられている。開
閉弁190は図3に示すように、ハウジング191と、
着座状態でリザーバ70からポンプ76に向かう向きの
ブレーキ液の流れを阻止し、離間状態で許容する球状の
弁子192および弁座194とを有している。ハウジン
グ191にパイロットピストン195が摺動可能に嵌合
されており、その先端に弁子192が保持されている。
パイロットピストン195には、弁子192が弁座19
4に着座する向きにポンプ76の吐出圧が作用させら
れ、一方、弁子192が弁座194から離間する向き
に、設定上限圧(請求項1の発明における「設定圧」の
一例である)を実現する付勢手段としてのスプリング1
97の弾性力とマスタシリンダ10の液圧との双方が作
用させられる。
【0030】したがって、開閉弁190は、常には弁子
192が弁座194から離間し、リザーバ70からポン
プ76に向かう向きのブレーキ液の流れを許容する吸入
許容状態にある。トラクション制御状態では、マスタシ
リンダ10の液圧(以下、「マスタシリンダ圧」とい
う)は0であるから、開閉弁190は、ポンプ76の吐
出圧(以下、単に「ポンプ圧」という)がスプリング1
97の弾性力に打ち勝つことができないときには吸入許
容状態、打ち勝つときにはパイロットピストン195が
前進して弁子192が弁座194に着座し、リザーバ7
0からポンプ76に向かう向きのブレーキ液の流れを阻
止する吸入阻止状態となる。すなわち、トラクション制
御状態では、開閉弁190が閉じるときの設定上限圧が
スプリング195の弾性力のみによって決まるのであ
る。アンチロック制御状態では、マスタシリンダ圧が0
ではないから、開閉弁190は、ポンプ圧がスプリング
195の弾性力とマスタシリンダ圧との和に打ち勝つこ
とができないときには吸入許容状態、打ち勝つときには
吸入阻止状態となる。すなわち、アンチロック制御状態
では、設定上限圧がスプリング195の弾性力とマスタ
シリンダ圧との双方によって決まるのである。ただし、
アンチロック制御中、ポンプ圧とマスタシリンダ圧とが
ほぼ一致するため、開閉弁190においてポンプ圧とマ
スタシリンダ圧とが相殺し、開閉弁190はスプリング
195の弾性力によって吸入許容状態に維持される。
【0031】図1に示すように、前記リザーバ70は補
助通路196によってマスタシリンダ10とも接続され
ている。その補助通路196には流入制御弁198が設
けられている。流入制御弁198は、通常ブレーキ状態
およびアンチロック制御状態ではマスタシリンダ10か
らリザーバ70へのブレーキ液の流入を阻止し、トラク
ション制御状態では許容するものである。本実施例にお
いては、流入制御弁198が具体的に、リザーバ70に
おけるリザーバピストンをパイロットピストンとして作
動するパイロット式とされている。
【0032】リザーバ70は、ハウジングにリザーバピ
ストン200が実質的に気密かつ摺動可能に嵌合される
ことによってハウジング内にブレーキ液を収容するリザ
ーバ室202が形成され、そのリザーバ室202の容積
が通常値から増加するときにはリザーバピストン200
が図示の通常位置から容積増加位置に、容積が通常値か
ら減少するときには通常位置から容積減少位置にそれぞ
れ変位するものである。リザーバピストン200の背後
に付勢手段としてのスプリング204がリテーナ206
を介して係合させられ、スプリング204の弾性力がリ
ザーバピストン200に付与される。しかし、リテーナ
206はそれのフランジ部がハウジングの段付部に当接
することによってリザーバ室202への接近限度が規制
されており、しかも、リテーナ206はリザーバピスト
ン200に緩く嵌合されている。したがって、リザーバ
ピストン200は、リザーバ室202の容積が減少すれ
ばリテーナ206を原位置に残したまま単独で前進し、
一方、リザーバ室202の容積が増加すればリテーナ2
06と共にスプリング204を圧縮しつつ後退する。
【0033】一方、流入制御弁198は、互いに共同し
てマスタシリンダ10からリザーバ室202に向かう向
きのブレーキ液の流れは阻止するがその逆向きの流れは
許容する弁子210と弁座212とを有し、かつ、弁子
210は常時付勢手段としてのスプリング214によっ
て弁座212に着座する向きに付勢されている。したが
って、流入制御弁198は常にはマスタシリンダ10内
のブレーキ液がリザーバ室202内に流入することを阻
止する流入阻止状態にある。しかし、弁子210とリザ
ーバピストン200との間に連携部材としてのピン21
8が配設されていて、リザーバピストン200が図示の
通常位置にあるときにはピン218は弁子210とリザ
ーバピストン200とに同時には係合しないが、リザー
バ室202の容積が減少してリザーバピストン200が
通常位置から容積減少位置に移動したときにはリザーバ
ピストン200がピン218を介して弁子210を弁座
212から離間する向きに移動させ、その結果、弁子2
10が弁座212から離間し、マスタシリンダ10内の
ブレーキ液がリザーバ室202内に流入することを許容
する流入許容状態となる。
【0034】アンチロック制御状態では、流入制御弁1
98はマスタシリンダ10の液圧によって閉じられるた
め、減圧時にブレーキシリンダ22,26からブレーキ
液がリザーバ室202に排出されると、ブレーキ液がリ
ザーバ室202内にスプリング204の弾性力によって
圧力下に蓄えられる。すなわち、リザーバ70は加圧式
なのである。
【0035】図1に示すように、前記後輪ブレーキ通路
24の途中には、常開の電磁開閉弁である増圧弁250
が設けられ、その増圧弁250には逆止弁252を有す
るバイパス通路254が設けられている。後輪ブレーキ
通路24のうち増圧弁250と後輪ブレーキシリンダ2
6との間の部分からリザーバ通路256が延びて前記リ
ザーバ70に至っている。そのリザーバ通路256の途
中には常閉の電磁開閉弁である減圧弁258が設けられ
ている。
【0036】なお、後輪ブレーキシリンダ26について
は、前輪ブレーキシリンダ22の場合とは異なり、マス
タシリンダカット弁34は設けられていない。後輪は非
駆動車輪であって、トラクション制御の対象にはなら
ず、非ブレーキ操作時にポンプ76によって後輪ブレー
キシリンダ26を増圧する必要がないからである。
【0037】以上説明したマスタシリンダカット弁3
4,増圧弁32,250,減圧弁72,258およびポ
ンプ76はコントローラ270に接続されている。コン
トローラ270はコンピュータを主体として構成されて
いる。それのROMにアンチロック制御およびトラクシ
ョン制御を実行するための各種プログラムが記憶されて
おり、CPUがRAMを利用しつつ各種プログラムを実
行することによりアンチロック制御およびトラクション
制御を実行する。
【0038】コントローラ270は、通常ブレーキ状態
では、マスタシリンダカット弁34を消磁状態(開状
態)、増圧弁32,250を消磁状態(開状態)、減圧
弁72,258を消磁状態(閉状態)とし、マスタシリ
ンダ10によって両ブレーキシリンダ22,26の液圧
が増減させられることを許容する。
【0039】コントローラ270はまた、車両制動時に
各輪にロック傾向が生じた場合には、マスタシリンダカ
ット弁34を消磁状態(開状態)としたまま、アンチロ
ック制御を実行する。アンチロック制御は、図示しない
速度センサを介して各輪の回転速度および車体の走行速
度を監視しつつ、少なくとも増圧モードと減圧モードと
を含む複数のモードを択一的に実行することにより、車
両制動時に各輪がロックすることを防止する。アンチロ
ック制御中ポンプ76が作動させられ、リザーバ70内
のブレーキ液が汲み上げられてマスタシリンダ10に戻
される。
【0040】コントローラ270はまた、車両駆動時
(発進時または加速時)に駆動車輪である左右前輪に空
転傾向が生じた場合には、マスタシリンダカット弁34
を励磁状態(閉状態)として、トラクション制御を実行
する。トラクション制御は、ポンプ76を作動させると
ともに、速度センサを介して駆動車輪である左右前輪の
回転速度および車体の走行速度を監視しつつ、少なくと
も増圧モードおよび減圧モードを含む複数のモードを択
一的に実行することにより、車両駆動時に左右前輪が空
転することを抑制する制御である。
【0041】トラクション制御開始直前には流入制御弁
198が流入阻止状態にあるが、トラクション制御が開
始されてポンプ76が作動させられれば、ポンプ76に
よってリザーバ室202内のブレーキ液が汲み上げられ
る。その結果リザーバ室202が負圧となればリザーバ
ピストン200が図1に示す通常位置から前進し、ピン
216が弁子210を弁座212から離間させる。これ
により流入制御弁198は流入許容状態に移行する。し
たがって、リザーバ室202内のブレーキ液が不足する
場合には、リザーバ室202にマスタシリンダ10から
のブレーキ液が補充される。
【0042】また、ポンプ圧が設定上限圧に達しない状
態では、開閉弁190が開状態にあり、リザーバ70か
らポンプ76に向かう向きのブレーキ液の流れが許容さ
れ、ポンプ76はリザーバ70内のブレーキ液を汲み上
げて前輪ブレーキシリンダ22に供給して増圧する。一
方、ポンプ圧が設定上限圧に達した状態では、開閉弁1
90が閉状態に切り換わり、リザーバ70からポンプ7
6に向かう向きのブレーキ液の流れが阻止され、ポンプ
76は無効状態となり、リザーバ70内のブレーキ液を
汲み上げることなく単に空転する。したがって、ポンプ
圧が設定上限圧を超えることが防止され、前輪ブレーキ
シリンダ22の過増圧という不都合が発生せずに済む。
【0043】以上の説明から明らかなように、本実施例
によれば、ポンプ圧が設定圧を超えることを防止するた
めにブレーキ圧が急激に低下することがないため、リリ
ーフ弁を使用する場合のように、ブレーキ液に気泡が発
生する心配がない。
【0044】リリーフ弁を使用する場合には、ポンプ圧
が設定圧に達した後にもポンプ76が有効状態とし続け
られ、ポンプ駆動のためにエネルギ(電力等)が無駄に
消費されるとともに、ポンプ駆動源(モータ78等)の
高負荷連続,ブレーキ液の温度上昇および作動音の増加
という問題がある。ブレーキ液の温度上昇という問題は
さらに、エアレーションの発生促進という問題をも生じ
させる。これに対し、本実施例によれば、ポンプ圧が設
定圧に達した後にはポンプ76が無効状態とされ、その
無効状態においてはポンプ76の駆動力が低減するか
ら、ポンプ駆動のためにエネルギが無駄に消費されずに
済むとともに、ポンプ駆動源にかかる負荷が低減され、
ブレーキ液の温度が上昇せず、しかも、作動音が増加し
ないという効果も得られる。
【0045】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ポンプを直接の圧力源とする形式のトラク
ション制御装置が請求項1の発明における「液圧作動装
置」の一例であり、回転シリンダ型ラジアルプランジャ
式のポンプ76が「ポンプ」の一例であり、加圧式のリ
ザーバ70が「リザーバ」の一例であり、パイロット式
の開閉弁190が「流通制御装置」の一例なのである。
【0046】なお、上記実施例においては、液圧作動装
置の一例として、ポンプを直接の圧力源とする形式のト
ラクション制御装置が使用されていたが、例えば、ポン
プで汲み上げたブレーキ液を高圧下に蓄えるアキュムレ
ータを圧力源とする形式、すなわち、ポンプを間接の圧
力源とする形式のトラクション制御装置を使用したり、
アンチロック制御装置を使用することもできる。
【0047】図4に別の実施例であるポンプ制御装置が
示されている。本実施例においては、リザーバ300と
ポンプ302の吐出口との間に常開の電磁開閉弁304
が設けられている。また、ポンプ302の吐出圧を検出
する圧力センサ306も設けられている。それら電磁開
閉弁304と圧力センサ306はコントローラ308に
接続されている。コントローラ308はコンピュータを
主体として構成されており、ROMに図5にフローチャ
ートで表されているポンプ圧制御ルーチンを始めとする
各種ルーチンが記憶されており、それら各種ルーチンを
CPUがRAMを利用しつつ実行することにより、ポン
プ圧が設定上限圧を超えないようにされている。
【0048】図5のポンプ圧制御ルーチンは一定時間ご
とに実行される。各回の実行時にはまず、ステップS1
(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても
同じ)において、圧力センサ306からの信号に基づい
てポンプ圧が検出される。次に、S2において、検出さ
れたポンプ圧が設定上限圧を超えたか否かが判定され
る。超えていない場合には判定がNOとなり、S3にお
いて、電磁開閉弁304に対してそれを開状態とする信
号(消磁信号)が出される。これに対し、検出されたポ
ンプ圧が設定上限圧を超えた場合には、S2の判定がY
ESとなり、S4において、電磁開閉弁304に対して
それを閉状態とする信号(励磁信号)が出される。以上
で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0049】なお、電磁開閉弁304のチャタリングを
防止する必要がある場合には、電磁開閉弁304の制御
パターンにヒステリシス特性を付加することが望まし
い。例えば、設定上限圧に近い大小2つの基準値を設
け、ポンプ圧が上昇して小さい基準値に達しても電磁開
閉弁304を閉状態とせず、大きい基準値に達したとき
にはじめて閉状態とし、また、ポンプ圧が低下して大き
い基準値に達しても電磁開閉弁304を開状態とせず、
小さい基準値に達したときにはじめて開状態とするよう
にして電磁開閉弁304を制御することが望ましいので
ある。
【0050】以上、請求項1の発明を図示の実施例に基
づいて具体的に説明したが、その他にも、特許請求の範
囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の
変形,改良を施した態様で請求項1の発明を実施するこ
とができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例であるポンプ制御装
置を含むブレーキシステムを示す系統図である。
【図2】図1におけるポンプ76を拡大して示す断面図
である。
【図3】図1における開閉弁190を拡大して示す断面
図である。
【図4】請求項1の発明の別の実施例であるポンプ制御
装置を示す系統図である。
【図5】図4におけるコントローラの構成要素の一部で
あるコンピュータによって実行されるポンプ圧制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【図6】リリーフ弁の一般的な構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 22 ブレーキシリンダ 70,300 リザーバ 76,302 ポンプ 190 開閉弁 304 電磁開閉弁 306 圧力センサ 308 コントローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動液を蓄えるリザーバと、そのリザーバ
    に蓄えられた作動液を汲み上げて液圧作動装置に供給す
    るポンプであってリザーバからポンプに向かう向きの作
    動液の流れが阻止された状態では無効状態となるもの
    と、そのポンプの吐出圧が設定圧に達しない状態ではリ
    ザーバからポンプに向かう向きの作動液の流れを許容
    し、達した状態ではその作動液の流れを阻止する流通制
    御装置とを含むことを特徴とするポンプ制御装置。
JP6226364A 1994-09-21 1994-09-21 ポンプ制御装置 Pending JPH0893650A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997047504A1 (de) * 1996-06-07 1997-12-18 Robert Bosch Gmbh Hydraulische fahrzeugbremsanlage mit einer blockierschutz- und antriebsschlupfregeleinrichtung
US6679684B2 (en) 2001-02-13 2004-01-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pump device having a device for restricting movement of a movable member movable to pressurize working fluid
KR100458017B1 (ko) * 2000-07-22 2004-11-26 주식회사 만도 브레이크 트랙션 콘트롤 시스템 및 그 제어방법
WO2007009869A1 (de) * 2005-07-20 2007-01-25 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung zum aufbau von bremskraft in einem bremssystem eines fahrzeugs

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