JPH0892743A - 被覆切削工具及びその製造方法 - Google Patents

被覆切削工具及びその製造方法

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JPH0892743A
JPH0892743A JP7155464A JP15546495A JPH0892743A JP H0892743 A JPH0892743 A JP H0892743A JP 7155464 A JP7155464 A JP 7155464A JP 15546495 A JP15546495 A JP 15546495A JP H0892743 A JPH0892743 A JP H0892743A
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    • C23C16/22Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性複合セラミックコーティングを上に
のせて有する品及びこのような品の製造方法を提供す
る。 【構成】 焼結炭化物合金或はセラミック基材は完全に
稠密な密着性の連続金属酸化物相及び完全に稠密な密着
性の不連続金属酸化物相を含むドープされた2相の金属
酸化物層を含む耐摩耗性複合セラミックコーティングを
有する。連続金属酸化物相は酸化アルミニウム、酸化イ
ットリウム、或は酸化ジルコニウムを含み、不連続金属
酸化物相は酸化アルミニウム、酸化イットリウム、或は
酸化ジルコニウムの分散された離散した第二相を含み、
連続金属酸化物相は不連続金属酸化物相と金属酸化物が
異なる。連続金属酸化物相及び/又は不連続金属酸化物
相はドーパントを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性複合セラミッ
クコーティングを上にのせて有する品及びこのような品
の製造方法に関する。一層特には、本発明は、2又はそ
れ以上の相の複合金属酸化物コーティングを上に付着さ
せた焼結炭化物合金カッティングインサート及びセラミ
ックカッティングインサート、並びにかかるカッティン
グインサートの製造方法に関する。これらのカッティン
グインサートは、金属鉄の丸削り用に特に有用である。
【0002】
【従来技術】焼結炭化物合金材料は知られており、採鉱
バイトビット、金属切削工具及び穴ぐりバイト、金属延
伸ダイ、耐摩耗性機械部品、等のような用途において広
く用いられている。また、そのような材料の耐摩耗性、
耐熱性、及び耐薬品性のような使用特性は、例えば炭化
金属、窒化金属、或はセラミックスの1つ又はそれ以上
の薄いコーティングを塗布することによって高めること
ができることも知られている。基材組成を改良すること
により及びコーティング材料の重ねられる層の種々の組
合せを適用することによって、これらの被覆基材の、例
えば機械加工用途における性能の向上に長足の進歩がな
された。しかし、厳しさの増す使用条件、例えば高い切
削速度或は極めて高い温度及び/又は腐食環境における
使用は、そのような材料の性能に対して増大する要求を
提起している。
【0003】米国特許第4,701,384号は、焼結
炭化物合金基材上の複合コーティングを指向するもので
あり、少なくとも2つの相の複合セラミックコーティン
グを有する焼結炭化物合金基材を含む切削工具のような
耐摩耗性品を開示している。第一相は、アルミニウム、
イットリウム、或はジルコニウムの酸化物を含む、厚さ
0.1〜20ミクロンの連続金属酸化物マトリックス層
である。アルミニウム、ジルコニウムもしくはイットリ
ウムの酸化物、或はこれらの固溶体の少なくとも1つの
不連続な第二のもしくは追加の相がマトリックス層内に
離散した第二相として分散される。追加の相材料はマト
リックス材料と異なる。
【0004】米国特許第4,745,010号は、複合
セラミックコーティングを焼結炭化物合金基材上に付着
するプロセスを指向するものであり、切削工具のような
耐摩耗性品を開示している。アルミニウム、ジルコニウ
ム、及びイットリウムの内の二種又はそれ以上のガス状
ハライドを、他の反応体と共に、焼結炭化物合金基材上
を900°〜1250℃、圧力1トル〜周囲圧力で通し
て複合セラミックコーティングを基材上に形成する。コ
ーティングは、少なくとも一種の異なる金属酸化物の粒
子を中に分散させた連続した第一相金属酸化物相マトリ
ックスである。好適なプロセスでは、ハロゲン化金属の
内の一種又はそれ以上が、異なるハロゲン化金属を含有
するガス状混合物の中にパルス状で送られて粒子の付着
を調節する。
【0005】米国特許第4,619,866号は、被覆
焼結炭化物合金体及びそれから生じる品の製造方法を指
向するものであり、焼結炭化物合金或はセラミックスを
化学蒸着によってセラミック酸化物、特に酸化アルミニ
ウムの薄い耐摩耗性層で被覆する改良された方法を開示
している。その開示された方法は、硫黄、セレン、テル
ル、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス及びこれらの混
合物からなる群より選ぶドーパントを用いる。その方法
は、耐摩耗性層の成長速度の増大を得、並びに層の均一
性及び厚さに関し最適化された性質を得、生成する品を
切削作業用に一層良く適したものにすると開示されてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様は、耐摩
耗性複合セラミックコーティングを基材に付着させる方
法に関する。基材は焼結炭化物合金及びセラミックから
なる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む。その方法
は、(1)第一ハロゲン化金属ガス、(2)第二ハロゲ
ン化金属ガス、(3)揮発性酸化性ガス、(4)キャリ
ヤーガス、及び(5)ドーパントを基材の上を、2相の
耐摩耗性金属酸化物層を基材上に付着させるように、通
すことを含む。2相の金属酸化物層を含む複合セラミッ
クコーティングは、完全に稠密な密着性の連続した金属
酸化物相及び完全に稠密な密着性の不連続な金属酸化物
相を含む。
【0007】第一ハロゲン化金属ガスはハロゲン化アル
ミニウム、ハロゲン化イットリウム、及びハロゲン化ジ
ルコニウムからなる群より選ぶ部材を含む。第一ハロゲ
ン化金属ガスを、基材の上を、基材上に付着させて第一
ハロゲン化金属ガスの金属酸化物を含む連続した金属酸
化物相を形成する分圧、流量、及び基材暴露時間で通
す。
【0008】第二ハロゲン化金属ガスはハロゲン化アル
ミニウム、ハロゲン化イットリウム、及びハロゲン化ジ
ルコニウムからなる群より選ぶ部材を含む。第二ハロゲ
ン化金属ガスは第一ハロゲン化金属ガスと異なり、第一
ハロゲン化金属ガスと混合し、基材の上を、基材上に付
着させて第二ハロゲン化金属ガスの金属酸化物を含む不
連続金属酸化物相を形成する分圧、流量、及び基材暴露
時間で通す。不連続金属酸化物相を連続金属酸化物相内
に離散した第二相として分散させる。
【0009】ドーパントは硫黄、硫黄の化合物、セレ
ン、セレンの化合物、テルル、テルルの化合物、リン、
リンの化合物、ヒ素、ヒ素の化合物、アンチモン、アン
チモンの化合物、ビスマス及びビスマスの化合物からな
る群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む。ドーパント
は、金属酸化物を付着させる間存在させる。ドーパント
は、キャリヤーガス及び酸化性ガスからなる群より選ぶ
少なくとも一種の部材に、全ガス容積を基準にして約
0.003〜1%の量で加えるのが好ましい。ドーパン
トは、キャリヤーガス及び酸化性ガスからなる群より選
ぶ少なくとも一種の部材に、全ガス容積を基準にして約
0.02〜0.3%の量で加えるのが一層好ましい。
【0010】その方法は、必要に応じて、更に、基材と
耐摩耗性複合セラミックコーティングとの間に中間層を
付着させることを含む。中間層は厚さ約0.5〜10ミ
クロンを有し、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バ
ナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タ
ングステン、及びケイ素からなる群より選ぶ少なくとも
一種の部材の炭化物、窒化物、炭窒化物(carbon
itride)、酸化物、及び硼化物からなる群より選
ぶ少なくとも一種の部材を含むのが好ましい。中間層は
TiC及びTiNからなる群より選ぶ少なくとも一種の
部材を含むのが好ましく、かつ中間層は厚さ約1〜8ミ
クロンを有するのが好ましい。
【0011】第二ハロゲン化金属ガスを第一ハロゲン化
金属ガスに、2相の金属酸化物層を付着させる間混合す
るのが好ましい。第二ハロゲン化金属ガスを第一ハロゲ
ン化金属ガスの中に混入することを、不連続金属酸化物
相のサイズ及び分布を、下記:(1)第二ハロゲン化金
属ガスの分圧;(2)化学蒸着反応させるための反応装
置の温度、及び(3)ハロゲン化金属の混合の度合いに
よって定めるように行うのが好ましい。必要に応じて、
連続金属酸化物相の付着を十分な時間行った後に、混合
工程を開始し、それで基材と2相の金属酸化物層との間
に、単相の連続金属酸化物層を形成する。
【0012】必要に応じて、第一金属酸化物層を基材上
に付着させる間、第二ハロゲン化金属ガスのパルス化を
行い、それで少なくとも2つの2相の金属酸化物層及び
少なくとも1つの単相の連続金属酸化物層を含む層にさ
れた耐摩耗性複合セラミックコーティングを形成しても
よい。必要に応じて、第一金属酸化物層を基材上に付着
させる間、第二ハロゲン化金属ガスのパルス化を断続し
て行い、それで少なくとも2つの2相の金属酸化物層及
び少なくとも1つの単相の連続金属酸化物層を含む層に
された耐摩耗性複合セラミックコーティングを形成して
もよい。第二ハロゲン化金属ガスを断続してパルス化す
ることは、単にガスをパルス化するよりも一層層にされ
た層を生成する。図1は断続したパルス化によって形成
される層にされた層の例であるのに対し、連続したパル
ス化は図2に一層近く似た層を生成する。
【0013】好ましくは、ハロゲン化金属ガス及びドー
パントを基材の上を温度約700°〜1250℃で、及
び好ましくは圧力約1トル〜周囲圧力で通す。第一ハロ
ゲン化金属ガス、第二ハロゲン化金属ガス、揮発性酸化
性ガス、キャリヤーガス、及びドーパントを基材の上を
温度約950°〜1150℃で通すのが一層好ましい。
【0014】本発明の方法では、第一ハライドガスを第
一金属の上を、第一ハロゲン化金属ガスを形成するよう
に通し、該第一ハロゲン化金属ガスを反応装置内の基材
の上を通す。第二ハライドガスを第二金属の上を、別の
囲むことが可能な容器内で第二ハロゲン化金属ガスを形
成するように通す。第一金属はアルミニウム及びアルミ
ニウムの塩からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材で
あり、第二金属はジルコニウム、ジルコニウム塩、イッ
トリウム、及びイットリウム塩からなる群より選ぶ少な
くとも一種の部材であるのが好ましい。
【0015】別法として、本発明の方法は、更に、第一
ハライドガスをアルミニウム、アルミニウム塩、イット
リウム、イットリウム塩、ジルコニウム、及びジルコニ
ウム塩からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む
第一金属の上を通すことによって第一ハロゲン化金属ガ
スを形成し;第二ハライドガスをアルミニウム、アルミ
ニウム塩、イットリウム、イットリウム塩、ジルコニウ
ム、及びジルコニウム塩からなる群より選ぶ少なくとも
一種の部材を含む第二金属の上を通すことによって第二
ハロゲン化金属ガスを形成し;及び第三ハライドガスを
アルミニウム、アルミニウム塩、イットリウム、イット
リウム塩、ジルコニウム、及びジルコニウム塩からなる
群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む第三金属の上を
通すことによって第三ハロゲン化金属ガスを形成するこ
とを含む。第一、第二及び第三金属は互いに異なる。第
一、第二及び第三ハロゲン化金属ガスを基材の上を温度
約700°〜1250℃で通し、不連続金属酸化物相は
アルミニウム、イットリウム及びジルコニウムからなる
群より選ぶ二種の金属の酸化物の離散した第二相を含
む。第一金属はアルミニウムであり、連続金属酸化物相
は酸化アルミニウムを含むのが好ましい。
【0016】本発明の別の態様は、基剤及び耐摩耗性複
合セラミックコーティングを含む耐摩耗性品に関する。
基剤及び耐摩耗性複合セラミックコーティングは、本発
明の方法において上記した通りである。すなわち、上記
した通りに、基剤は焼結炭化物合金及びセラミックから
なる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含み、複合セラ
ミックコーティングは完全に稠密な密着性の連続金属酸
化物相及び完全に稠密な密着性の不連続金属酸化物相を
含む2相の金属酸化物層を含む。複合セラミックコーテ
ィングは、厚さ約0.1〜30ミクロンを有するのが好
ましく、厚さ約0.1〜20ミクロンを有するのが一層
好ましい。本発明の耐摩耗性品は、本発明の方法の場合
のように、必要に応じて、更に、上記した通りに基材と
複合セラミックコーティングとの間に中間層を含む。
【0017】連続金属酸化物相は完全に稠密性でありか
つ密着性であり、酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、及び酸化ジルコニウムからなる群より選ぶ部材を含
む。連続金属酸化物相は酸化アルミニウムを含むのが好
ましい。連続金属酸化物相は酸化アルミニウムを含み、
不連続金属酸化物相は酸化ジルコニウムを含むのが一層
好ましい。この場合、酸化ジルコニウム粒子は複合セラ
ミックコーティングの全容積を基準にして50容積%未
満を構成するのが好ましい。別法として、連続金属酸化
物相は酸化ジルコニウムを含み、他方不連続金属酸化物
相は酸化イットリウムを含むのがよく;或は連続金属酸
化物相は酸化イットリウムを含み、不連続金属酸化物相
は酸化ジルコニウムを含む。
【0018】不連続金属酸化物相は完全に稠密性であり
かつ密着性であり、酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、及び酸化ジルコニウムからなる群より選ぶ部材を含
み、不連続金属酸化物相を構成する金属酸化物は連続金
属酸化物相において構成する金属酸化物と異なる。不連
続金属酸化物相は連続金属酸化物相内に実質的に一様に
分布されるのが好ましい。第二相粒子は、1×10-7
1×10-5メートルのサイズ範囲の別個の等軸粒子とし
て存在するのがよい。本明細書中上記した通りの化学蒸
着法は、驚くべきことに、また、1×10-10 〜1×1
-7メートルのサイズ範囲の極めて微細な粒子或はナノ
結晶を成長させる。両方のサイズが同時に存在すること
は、独特の二モードサイズ分布を化学蒸着されたコーテ
ィングにおいて従来見られないものにさせる。これの略
図を図3に例示する。
【0019】その上、連続金属酸化物相は酸化アルミニ
ウムを含み、他方不連続金属酸化物相は酸化イットリウ
ム及び酸化ジルコニウムの両方を含んでよい。この場
合、不連続金属酸化物相は酸化イットリウムを含む第一
不連続金属酸化物相、及び酸化ジルコニウムを含む第二
不連続金属酸化物相を含み、第一及び第二不連続金属酸
化物相は互いに別である。
【0020】必要に応じて、複合セラミックコーティン
グは、不連続相を中に持たない第一連続金属酸化物相を
含む単相層、及びその上に、不連続金属酸化物相を中に
有する第二連続金属酸化物相を含む2相層を含むことが
できる。この場合、基材は炭化タングステンを含むのが
好ましく、連続金属酸化物相は酸化アルミニウムを含む
のが好ましく、不連続金属酸化物相は酸化ジルコニウム
を酸化アルミニウム中に分散させて含んで連続酸化アル
ミニウム相の上に2相の酸化アルミニウム/酸化ジルコ
ニウム不連続金属酸化物相を形成するのが好ましく、こ
の耐摩耗性品は、更に、基材と複合セラミックコーティ
ングとの間に中間層を含むのが好ましい。中間層はTi
Cを含み、厚さ約2〜5ミクロンを有するのが好まし
い。酸化ジルコニウム粒子は複合セラミックコーティン
グの全容積を基準にして50容積%未満を構成するのが
好ましい。酸化ジルコニウムに好適な量は、コーティン
グの機能性に依存する。酸化アルミニウム相の微結晶成
長を再核形成によって減少させるための第二相として、
酸化ジルコニウムを10容積%より少ない量で存在させ
るのが好ましい。セラミック酸化物コーティングの化学
的不活性及び熱伝達特性への誘因として、酸化ジルコニ
ウムを25〜50容積%の範囲で存在させるのが好まし
い。
【0021】最後に、本発明の別の態様は、本発明の方
法に従って製造する品に類似して、基剤及び該基材上に
化学蒸着によって付着させる一様に分布した耐摩耗性複
合セラミックコーティングを含んで本発明に従う耐摩耗
性品を生じる耐摩耗性品に関する。本発明の目的は、化
学蒸着を用いて一様な2相の極めて耐摩耗性の複合セラ
ミックコーティングを基材上に高速で付着させる方法を
提供するにある。複合セラミックコーティングは、連続
金属酸化物相及び不連続金属酸化物相を基材上に、金属
酸化物層の成長速度を増大させかつまた厚い、並びに薄
い金属酸化物コーティングを基材上に付着させるのを可
能にするドーパントの存在において付着させてなる。そ
の方法は、連続及び不連続の両方の金属酸化物相の存在
により、使用の極限条件下で極めて高い耐摩耗性及び耐
薬品摩耗性を示す耐摩耗性品を急速に生成する。
【0022】本明細書中で用いる通りの「セラミック」
なる語句は、取り分けアルミニウム、イットリウム、及
びジルコニウムの金属酸化物を含む。本明細書中で用い
る通りの「ハライドガス」なる語句は、少なくとも一種
のハロゲン原子を含むが、金属原子を含まない分子を含
むガスを言う。「ハロゲン化金属ガス」なる語句は、金
属原子及びハロゲン原子の両方を含む分子を含むガスを
言う。本明細書中で用いる通りの「基材上」なる語句
は、コーティングが基材と直接接触しているかどうかに
関係なく、基材上に位置させたコーティングを含む。本
明細書中で用いる通りの「単相の金属酸化物層」なる語
句は、不連続金属酸化物相を存在させないで、連続金属
酸化物相を含む金属酸化物層を言う。
【0023】本明細書中で用いる通りの「単相の金属酸
化物層」なる語句は、不連続金属酸化物相の離散した第
二相を埋め込んだ連続金属酸化物相を含む金属酸化物層
を言う。本明細書中で用いる通りの「2相の金属酸化物
層」なる語句は、特に単一の金属酸化物、或は一種より
多い金属酸化物にすることができる一種又はそれ以上の
完全に稠密な密着性の不連続金属酸化物相を離散した第
二相の形で埋め込んだマトリックスとして働く完全に稠
密な密着性の連続金属酸化物相を含む複合層を言う。離
散した第二相は、単一の金属の酸化物、或は一種より多
い金属の金属酸化物の固溶体にすることができ、各々の
個々の離散した粒子は、一種又はそれ以上の金属の一種
又はそれ以上の酸化物を含む一種又はそれ以上の化合物
にすることができ、異なる離散した第二相は実質的に異
なる組成を有してよい。粒子は、球、棒、ウイスク、等
のように規則的な形であっても、或は不規則な形であっ
てもよい。
【0024】本明細書中で用いる通りの「複合セラミッ
クコーティング」なる語句は、少なくとも2相の金属酸
化物層を含み、更に1相の金属酸化物層を含んでよいコ
ーティングを言う。本発明に従う品は、密着性の2又は
それ以上の相の複合セラミックコーティングを金属炭化
物合金及び/又はセラミック基材(焼結金属炭化物、例
えばWC−Co或は関係のある物質が好ましい)上に付
着させ、複合セラミックコーティングは連続金属酸化物
相、及び不連続金属酸化物相を含むことによって製造す
ることができる。
【0025】2相金属酸化物層を基材上に付着させた品
及び付着させるプロセスの種々の詳細は、SARIN等
に係る米国特許第4,701,384号及びSARIN
等に係る米国特許第4,745、010号に開示されて
おり、これらの米国特許の両方を全体で本明細書中に援
用する。その上、ドープした金属酸化物層を基材上に付
着させた品及び付着させるプロセスの種々の詳細は、S
MITH等に係る米国特許第4,619,866号に開
示されており、これを全体で本明細書中に援用する。
【0026】基材に密着性であり、耐摩耗性、化学的攻
撃或は高温における破壊に対し耐性なドーした2又はそ
れ以上の相の酸化物をベースにした複合セラミックコー
ティングの付着は、付着させる間プロセスパラメーター
を注意深く調節することに依存する。不連続金属酸化物
相はコーティングに一層大きな耐摩耗性を付与し、Al
23 、ZrO2 、もしくはY23 、或はこれらの組
合せの不連続な離散した第二相を、Al23 、ZrO
2 、或はY23 を含む異なる連続相内に含むことがで
きる。好適なコーティングは、連続Al23 相内の離
散したZrO2粒子及び/又はY23 粒子、連続Zr
2 相内の離散したY23 粒子、連続Y23 粒子相
内の離散したZrO2 粒子、或は連続Al23 相内の
離散したY23 安定化されたZrO2 粒子すなわちY
23 −ZrO2 溶液を含む。
【0027】不連続金属酸化物相の離散した第二相は連
続金属酸化物相全体を通して一様に分布させるのがよ
く、離散した第二相の分布を調節して、例えば、各々が
連続金属酸化物相を含み、不連続金属酸化物相を中に持
たない1つ又はそれ以上の層を、各々が連続金属酸化物
相内に分散させた、好ましくは連続金属酸化物相全体を
通して調節した間隔で分散させた離散した第二相の不連
続金属酸化物相を含む1つ又はそれ以上の層と共に有す
る層を成した構造を達成するのがよい。同様に、付着を
調節して、調節した深さの連続金属酸化物相を含みかつ
不連続金属酸化物相を持たない第一層を、連続金属酸化
物相及び不連続金属酸化物相の両方を含む第二層と共に
付着させるのがよい。層を成した層において第二相の組
成を、コーティングにおいて第二相の勾配濃度を確立す
るように調節するのがよい。
【0028】ドーパントは調節した量で用い、硫黄、硫
黄の化合物、セレン、セレンの化合物、テルル、テルル
の化合物、リン、リンの化合物、ヒ素、ヒ素の化合物、
アンチモン、アンチモンの化合物、ビスマス及びビスマ
スの化合物からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を
含む。硫黄のドーパントの化合物の例はH2 S、CS2
及びCOSである。セレンのドーパントの例はSeCl
4 、Se2 Cl2 及びH2 Seである。テルルのドーパ
ントの例はTeCl2 、TeCl4 及びH2 Teであ
る。リンのドーパントの例はPCl3 及びPH3 であ
る。ヒ素のドーパントの例はAsCl3 及びAsH3
ある。アンチモンのドーパントの例はSbCl3 ,Sb
3 及びSbCl5 である。ビスマスのドーパントの例
はBiCl4及びBiCl3 である。ドーパントは硫黄
もしくはリン、或はH2 SもしくはPCl3 のような硫
黄もしくはリンを含有する化合物を含む。本発明の品及
び方法を、以下に硫黄或はリンドーパントによって説明
するが(他を示さない場合)、本発明はドーパントとし
てのセレン、テルル、ヒ素、アンチモン、及びビスマス
からなる群より選ぶ一種又はそれ以上の部材に等しく適
用可能であることは理解されるべきである。ドーパント
は、基材上に金属酸化物相の実質的に一様な分布を達成
する程の量で存在させるのが好ましい。
【0029】ドーパントを供給するための適した形態
は、適したドーパントとして上記した元素の内の一種又
はそれ以上を含有する分子を有するガスである。本発明
に従えば、硫黄、リン、及び/又は対応する元素を、プ
ロセスに化合物形態で導入するのが普通である。しか
し、発明が遭遇する効果を実現するためには、硫黄或は
リンを供給するために使用する化合物は適した純度であ
るばかりでなく、またプロセス自体に、或はプロセスに
よって造られる生成物に対して悪影響を与える元素が存
在しないことも重要である。従って、プロセスに関与す
る硫黄或はリン含有成分(或は成分)は、プロセスに有
害な異元素を含有しない組成にすべきである。化学蒸着
の分野において知られている通りに、ケイ素は有害な元
素であると考えられる。本発明の方法を妨げるその他の
成分或は化合物もまた避けるべきである。硫化水素(H
2 S)及び塩化リン(PCl3 )は、ドーパントを方法
において用いる種々のガスの内の一種又はそれ以上に注
意深く調節しかつ最適化して導入することを可能にする
化合物の例である。カーボンオキシスルフィド(CO
S)或はホスフィン(PH3 )もまた用いることができ
る。
【0030】本発明に従う品を製造する好適な方法は、
ハロゲン化金属とその他の反応体ガスとの混合物を含む
ガスの混合物を注意深く調節した条件下で用いて化学蒸
着(CVD)によってそれぞれの金属酸化物を基材上に
付着させることを含む。別法として、当業者に知られて
いる通りに、本発明の品は、また、適した物理蒸着(P
ACVD)プロセスによって製造することもできる。C
VD及びPACVDプロセスの記述は文献において一般
に行き渡っている。CVDプロセスをある程度詳細に記
載する資料はK.G.Gunther,H.Frell
er,H.E.Hintermann及びW.Koni
g、「Advanced Coatings by V
apor Phase Processes」、Ann
alsof the CIRP、38巻、2、198
9、645〜655頁である。PACVDをある程度詳
細に記載する資料はU.Konig,R.Tabers
ky及びH.Van den Berg、「Resea
rch,Development and Perfo
rmance of Cemented Carbid
e Tools Coated by Plasma−
ActivatedChemical Vapor D
eposition」、Surfaceand Coa
tings Technology、50(1991)
57〜62である。
【0031】本発明の方法は、アルミニウム、イットリ
ウム、及びジルコニウムのハロゲン化物からなる群より
選ぶ部材を含む第一ハロゲン化金属、及びアルミニウ
ム、イットリウム、及びジルコニウムのハロゲン化物か
らなる群より選ぶ異なる部材を含む第二ハロゲン化金属
を含む第一ガス状混合物を基材の上を通すことによって
行うのが好ましい。ハロゲン化金属ガスの各々は、更
に、水蒸気のような酸化性ガス、及びアルゴンのような
キャリヤーガスを含むのが好ましい。温度は約900°
〜1250℃にし、圧力は約1トル〜周囲圧力にするの
が好ましい。分圧比、流量、及び付着時間は、厚さ約
0.1〜30ミクロンを有する連続した完全に稠密な密
着性の耐摩耗性複合セラミックコーティングを基材上に
付着させる程のものにする。コーティングはアルミニウ
ム、イットリウム、及びジルコニウムの酸化物からなる
群より選ぶ少なくとも二種の部材を含む。第一ハロゲン
化金属ガスを、連続金属酸化物相を付着させるのに選ぶ
分圧で供給しながら、第二ハロゲン化金属ガスを、少な
くとも一種の不連続金属酸化物相を付着させるのに選ぶ
分圧で供給し、連続金属酸化物相内に離散した第二相と
して分散させて特に耐摩耗性の複合セラミックコーティ
ングを基材上に形成する。不連続金属酸化物相の離散し
た第二相を連続金属酸化物相内に含有する2相の金属酸
化物層を達成するためには、ガス流量のようなパラメー
ターを調節することによって付着を調節して連続金属酸
化物相及び不連続金属酸化物相の所望の付着を生成する
ことが重要である。
【0032】ハロゲン化金属は、ハライドガスを金属、
例えばグレイン或はチップの形態の金属粒子の上を通す
ことによって生成するのが好ましい。金属は別々にして
も、或は金属の混合物として、金属合金として、もしく
は金属塩として組み合わせてもよい。単一のハライドガ
スを組み合わせた金属の上を通してハロゲン化金属の混
合物を形成することができる。別法として、連続金属酸
化物相を形成する金属を別にし、別のハライドガス流を
金属の上を通して別のハロゲン化金属を形成し、これら
を後に2相の酸化物層を形成する間に組み合わせる、す
なわち蒸気状体で一緒に混合する。その上、アルゴンの
ようなキャリヤーガスをハライドガスに組み合わせても
よい。好適なハライドガスはCl2 及びHClであり、
上記した金属によりAlCl3 、ZrCl4 、及び/又
はYCl3 を形成する。これらをH2 及びCO2 のよう
な適した他のガス或はH2 Oのような他の揮発性の酸化
性ガスと組み合わせる。
【0033】金属の内の一種又はそれ以上を、化学蒸着
を行う反応装置内の別の容器に入れるのが有利になり得
る。ハライドガスは別の容器から反応装置に入り、その
後ハライドガスは反応装置内に収容されるそれぞれの粒
状金属の上を通すことによってそれぞれのハロゲン化金
属ガスに転化される。ハロゲン化金属ガスは、次いで反
応装置内で基材上に付着させる間酸化性ガスと反応す
る。この方法は、多域炉において或は反応装置内の位置
によって精確に調節することができる反応装置内の温度
勾配を利用して付着させる間ハライド−金属反応の温
度、並びにハロゲン化金属と酸化性ガスとを反応させる
温度を調節することの利点をもたらす。すなわち、別の
容器内の異なる金属を反応装置に関し異なる域或は位置
に配置して反応装置内の基材の位置を調節することによ
って、各々についての、及び同様にハロゲン化金属ガス
を酸化するための反応温度を調節することができる。
【0034】発明に従う好適な方法では、連続金属酸化
物層を付着させる間、第二ハロゲン化金属ガスを第一ハ
ロゲン化金属ガスの中にパルス状で送って混合させるこ
とによって、第二ハロゲン化金属ガスを第一ハロゲン化
金属ガスと断続的に混合する。不連続金属酸化物相を中
に持たない連続金属酸化物相を含む1つ又はそれ以上の
層が、不連続金属酸化物相を中に有する連続酸化物相を
含む1つ又はそれ以上の層と交互する層を成した複合セ
ラミックコーティングを形成するために、不連続金属酸
化物相を中に持たない連続金属酸化物相を含む第一金属
酸化物層を付着させた後に、不連続酸化物相の付着を、
第二ハロゲン化金属ガスを反応装置の中にパルス状で送
ることを開始するのが最も好ましい。
【0035】第二ハライドガス、すなわち金属と反応し
て第二ハロゲン化金属ガスを形成するハライドガスのパ
ルス化は、第一ハライドガスを第一金属の上を連続して
流すことを持続して第一ハロゲン化金属ガス、すなわち
連続酸化物相を形成するガスを形成しながら行うのが好
ましい。第二ハライドガスを第二金属の上を、不連続酸
化物の離散した第二相のサイズ及び分布を調節するため
に選定する間隔及び時間の間パルス状で送る。その上、
パルス化法は、連続金属酸化物相内の不連続金属酸化物
相の分布を調節する、例えば上記した通りに一様な分布
か或は層を成した分布のいずれかを達成するようにして
開始及び停止することができる。第二ハライドガスを第
二金属の上をパルス状で送ることは、第二ハロゲン化金
属ガスを反応装置の中に、故に基材の上をパルス状で送
る。第一ハロゲン化金属ガスは、第二ハロゲン化金属ガ
ス無しで、上記した通りに、連続酸化物相を付着させ、
不連続金属酸化物相を同時に付着させない程の時間流れ
させてよいのはもちろんである。
【0036】発明の別の好適な実施態様に従う方法は、
Cl2 或はHClのようなハライド蒸気を、必要に応じ
てこれにキャリヤーガスを混合してアルミニウム、イッ
トリウム及びジルコニウムからなる群より選ぶ二種又は
それ以上の金属及びそれらの金属塩の混合物或は合金上
を温度約250°〜1250℃で通してアルミニウム、
イットリウム及びジルコニウムの内の二種又はそれ以上
のハライドガス及び必要に応じてキャリヤーガスを含む
第一ガス状混合物を形成することを含む。金属塩はAl
(OH)3 、AlO(OH)3 、Y(OH)3 及びZr
(OH)4 のような水酸化物であり、これらはHClの
ようなハライドと反応してハロゲン化金属及び水を形成
する。この第一ガス状混合物に他の反応体ガスを混合し
て第二ガス状混合物を形成する。第二ガス状混合物を基
材上を温度約900°〜1250℃、圧力約1トル〜周
囲圧力で通し、それで複合セラミックコーティングを基
材上に付着させる。反応体ガス(すなわち、ハロゲン化
金属ガス及び酸化性ガス)、すべてのガスの流量、二種
又はそれ以上の金属の表面積及び表面積の比、並びに付
着時間の選定は、複合層が、前に開示したハロゲン化金
属ガスの内の一種の金属酸化物を含む連続金属酸化物
相、及び前に開示した一種又はそれ以上の他のハロゲン
化金属ガスの内の一種又はそれ以上の不連続金属酸化物
相の厚さ約0.1〜30ミクロンの密着性層を含むよう
に行う。不連続金属酸化物相は連続金属酸化物相内に離
散した第二相として分散される。
【0037】金属酸化物相を基材上に付着させるため
に、金属酸化物を基材に付着させる間、酸化性ガスを存
在させ、かつハロゲン化金属ガスと混和しなければなら
ない。その上、有効にするために、金属酸化物を反応装
置において基材に付着させる間、ドーパントもまた存在
させなければならない。
【0038】発明に従う別の好適な方法は、第一ハライ
ドガスを、必要に応じてこれにキャリヤーガスを混合し
てアルミニウム、イットリウム及びジルコニウム及びそ
れらの金属塩からなる群より選ぶ部材を含む第一金属の
上を温度約250°〜1250℃で通して第一ハロゲン
化金属ガスを形成することを含む。第二ハライドガスを
温度約250°〜1250℃、及び圧力約1トル〜周囲
圧力で、アルミニウム、イットリウム及びジルコニウム
及びそれらの金属塩からなる群より選ぶ一種又はそれ以
上の更なる金属の上を通す。第一及び第二ハライドガス
は同じであっても或は異なってもよく、必要に応じて、
いずれか或は両方に、第一キャリヤーガスと同じであっ
ても或は異なってもよい第二キャリヤーガスを混合する
ことができる。しかし、それぞれの第一及び第二ハライ
ドガスを暴露させるそれぞれの第一及び第二金属は異な
る金属である。生成する第一及び第二ハロゲン化金属ガ
スを、必要に応じて第一及び第二キャリヤーガス及びそ
の他の反応体ガスと共に基材の上を温度約900°〜1
250℃、及び圧力約1トル〜周囲圧力で通し、それで
複合セラミックコーティングを基材上に付着させる。反
応体ガス(例えば、酸化性ガス)、すべてのガスの流
量、二種又はそれ以上の金属の表面積及び表面積の比、
並びに付着時間は、複合層が、ハロゲン化金属ガスの内
の一種の金属酸化物を含む連続金属酸化物相、及び一種
又はそれ以上の他のハロゲン化金属ガスの内の一種又は
それ以上の不連続酸化物相の厚さ約0.1〜30ミクロ
ンの密着性層を含むように選定する。不連続金属酸化物
相は連続金属酸化物相内に離散した第二相として分散さ
れる。この好適な方法は、単に第一ハロゲン化金属ガス
を基材に付着させる間第二ハライドガスの流れを中止す
ることによって、組成の異なる、すなわち不連続金属酸
化物相を欠いたいくつかの層を有する複数の金属酸化物
層を付着させることを可能にする。
【0039】本発明に従う方法の最も好適な実施態様で
は、ガスを反応装置の領域内の基材の上を通す。その
上、第二ハロゲン化金属ガス及び不連続金属酸化物相を
形成するのに用いる第二金属を別の容器内に配置する。
別の容器は使用すべきそれぞれのガス状ハライドの源、
かつまた必要に応じてそれぞれのキャリヤーガス、及び
反応装置と作動連絡し、それでそれぞれの第二ハライド
ガスは別の容器の中に入り、その中の金属の表面の上を
通ってそれぞれのハロゲン化金属ガスを形成し、ハロゲ
ン化金属ガスは反応装置に流入して基材の上をガス状混
合物の成分として通る。
【0040】本発明に従う耐摩耗性品上の複合コーティ
ングの例は下記を含む:Al23連続金属酸化物相/
ZrO2 不連続金属酸化物相;ZrO2 連続金属酸化物
相/Y23 不連続金属酸化物相;Y23 連続金属酸
化物相/ZrO2 不連続金属酸化物相;Al23 連続
金属酸化物相/Y23 安定化ZrO2 不連続金属酸化
物相;Al23 連続金属酸化物相/Y23 不連続金
属酸化物相;並びにAl23 連続金属酸化物相/Zr
2 及びY23 不連続金属酸化物相。本発明に従う連
続及び不連続金属酸化物相は極めて耐摩耗性であり、完
全に稠密でありかつ密着性であり、材料の連続コーティ
ングを層にすることによって引き起こされる膨張係数及
び密着性の差異に付随する問題無しで二種又はそれ以上
の成分の耐摩耗性を組み合わせることを可能にする。
【0041】その上、連続金属酸化物相及び/又は不連
続金属酸化物相中に、並びに連続金属酸化物相及び/又
は不連続金属酸化物相付着させる間ドーパントを存在さ
せることは、付着された金属酸化物相の成長速度の相当
の増大を、均一に厚い耐摩耗性表面層、すなわちコーテ
ィングを基材上に一様に分布させるようにしてで生じ
る。金属酸化物相の付着速度の増大は金属酸化物を一層
急速に付着させ、それにより任意の所定の厚さについ
て、コーティング及び基材を高い温度において処理する
期間を短縮させ、それにより一層高い温度に一層長く暴
露される結果生じ得る連続及び不連続金属酸化物相、中
間層(存在するとすれば)、及び基材の構造及び組成の
不利な変化の可能性を低減させる。
【0042】金属酸化物相の成長速度は、本発明の方法
において用いるガスに加えるドーパント、例えば硫黄或
はリンの量に応じて、ドーパント容積%当り(例えば、
約0.01〜0.2容積%のH2 Sの濃度のH2 S)、
少なくとも約1〜2マイクロメーター/時で起きさせる
ことができ、これはドーパントを加えないで生成される
コーティングについて典型的な成長速度0.5マイクロ
メーター/時までを相当に越える。
【0043】本発明に従って製造される生成するコーテ
ィングは、本発明の耐摩耗性品に、他の化学蒸着プロセ
スによって製造されるが、連続及び不連続の両方の金属
酸化物相を用いず、それらの内の少なくとも一つがドー
パントを含む生成物の性能を越える性能を生じることが
できる機械的、物理的、及び化学的性質を付与する。本
発明の品の性能は、切削及び摩耗性能の領域において極
めて容易に観測することができる。縁及び角の回りの過
度のコーティング厚さが不利になる場合、本発明の耐摩
耗性品について、性能の向上が得られる。
【0044】その上、本発明においてドーパントを使用
しかつ存在させることは、基材の回りの厚さの均一な、
取り分け切削用途において関心のある範囲の厚さを有す
るセラミック酸化物、好ましくは酸化アルミニウムコー
ティングを有する耐摩耗性品を製造することを可能にす
る。本発明に関係するコーティングは、あらかじめ被覆
した並びに未被覆の基材、例えばバインダー金属に加え
て少なくとも一種の炭化物を含有する基材に塗被するこ
とができる。その上、ドーパントを使用しかつ存在させ
ることは、比較的厚い、すなわちドーパントを使用しな
い或は存在させない場合に比べて一層厚い2相の金属酸
化物層を付着させるのを可能にする。そのような一層厚
いコーティングは、耐摩耗性コーティングの量を増大さ
せ、それにより本発明のカッティングインサートの有用
な寿命を増大させる。
【0045】基材へのコーティングの密着性のそれ以上
の向上は、複合セラミックコーティングと基材との間
に、好ましくは厚さ約0.1〜15ミクロン、一層好ま
しくは厚さ約1〜8ミクロン、更に一層好ましくは厚さ
約2〜5ミクロンを有する少なくとも1つの薄い中間層
を付着させることによって達成することができる。中間
層はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、
ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステ
ン、及びケイ素からなる群より選ぶ少なくとも一種の部
材の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物、及び硼化物か
らなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含むのが好ま
しい。TiB2 、ZrB2 、等が切削工具において用い
るのに適した硼化物の例である。中間層は炭化チタン、
窒化チタン、及び炭窒化チタンからなる群より選ぶ少な
くとも一種の部材を含むのが好ましい。そのような付着
は、同じコーティングプロセスの先行部として知れられ
ている方法で、或は別の従来のコーティングプロセスに
おいて達成することができる。同様に、特殊用途、例え
ば摩擦、化粧品、摩耗及び熱の目的で、TiNのような
薄い外層を複合の上に知られている方法で塗被してもよ
い。
【0046】ドーパント、例えば硫黄或はリンを一層多
い量で、すなわち約0.05〜1容積%のPCl3 の量
で加える場合、焼結炭化物合金基材が存在するような中
間層が得られる。このタイプの中間層は2相の金属酸化
物層の下及び/又は内である。この中間層はドーパン
ト、例えば硫黄或はリン、並びに基材から放散される金
属、すなわち焼結炭化物合金基材のバインダー相を含有
する。そのような中間層はCo2 P或はCo2 Sからな
ることができる。この中間層の厚さは大概約0.3〜3
ミクロンである。ドーパント、例えば硫黄或はリンは、
また、時折焼結炭化物合金基材中に拡散し得る。その
上、リンをドーパントとして用いる場合、2相の金属酸
化物層は、基材のバインダー相から放散される金属、例
えばコバルトで冨化され得る。同様の作用は、その他の
ドーパント、特にリングループ(P、As、Sb、及び
Bi)のドーパントに関して得ることができる。
【0047】本発明において用いるべき基材は、硬質材
料(適用可能な場合、バインダー材料と共に)が好まし
く、焼結炭化物合金、セラミック及び焼結炭化物合金か
らなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含むのが好ま
しい。焼結炭化物合金を含む基材は、発明に従って製造
される2相の金属酸化物コーティングに更に層を付け加
えるつもりの例について、いわゆるガンマ相に関して冨
化された表面領域を有するのが好ましい。本発明に従っ
て行う化学蒸着プロセスは、付着させる他の層の付着と
別の工程で行うことができるが、引き続いてかつ同じ装
置で行うのが好ましく、それで各々の付着工程について
輪郭のはっきりした表面が利用できる。
【0048】不連続相の実質的に一様な分布を中に有す
る単層からなることができ、或は代わりに組成の異なる
複数の金属酸化物層からなることができる2相の金属酸
化物層は、大概厚さ約0.1〜30ミクロンを有するこ
とができる。2相の金属酸化物層は、厚さ約0.1〜2
0ミクロンを有するのが好ましく、厚さ約0.3〜9ミ
クロンを有するのが一層好ましい。当業者ならば、好適
な厚さは用途及び生成物に依存することになることを認
識する。
【0049】本発明の上記の及び更なる目的、特徴及び
利点は、添付図面を参照する好適な実施態様の下記の詳
細な記述において明らかになるものと思う。今図面を説
明すると、本発明の品及び方法の十分なものが、当業者
が本発明の基礎をなす原理及び概念を容易に理解するの
に必要とする通りに、本明細書中に述べられたことは理
解されるべきである。図1、2、及び3は本発明の耐摩
耗性品を指向するのに対し、図4は本発明の方法、並び
に本発明の方法の略図を指向し、図5はAl23 の関
数としての工具寿命データのグラフ図を提示する。
【0050】図1、2、及び3は、それぞれ本発明に従
う典型的な被覆品10、30及び60の拡大した詳細な
断面図を、一定の比例に応じて描かずに、概略的に例示
する。図1に示す通りに、造形した焼結WC材料である
基材12は、切削工具であっても或は極限条件下で耐摩
耗性を要するその他の品であってもよい。TiCの薄い
層14が基材の、少なくとも摩耗を受ける領域を覆う。
複合層16をTiC層14の上に配置し、これはAl2
3 の1相の金属酸化物層18及び20、並びにAl2
3 の連続金属酸化物相24及び不連続なZrO2 相を
含む2相の金属酸化物層22で造られる。図1に示す通
りに、2相部22の連続したAl23相24と1相部
18及び20の連続したAl23 相24との間に分離
は存在しない。複合コーティングのAl23 は、調節
した組成及び分布の第二相を中に分散させた単一の連続
相である。TiNの外層28を複合層の上に配置し、品
10に明瞭な識別色を与える。
【0051】図2は発明に従う品の別の実施態様を例示
する。2つの図における同様の特徴は、同じ参照番号に
よって識別する。図2では、基材12を図1に示すのと
同じようにして薄いTiC層14で覆う。2相の金属酸
化物層32をTiC層14の上に配置し、これは、連続
したAl23 相24全体を通して一様に分布されたY
23 安定化ZrO2 を含む不連続相粒子34を有する
連続したAl23 相24で造られる。TiNの外層2
8を2相の金属酸化物層32の上に配置する。図3は発
明に従う被覆品50の別の実施態様を例示する。図1及
び2の場合と同様の特徴は、同じ参照番号によって識別
する。図3では、基材12を図1及び2に示すのと同じ
ようにして薄いTiC層14で覆う。複合層62をTi
C層14の上に配置し、これは二モードのサイズ分布の
第二相粒子64及び66を有する連続した酸化アルミニ
ウム相24で造られる。両者は連続相24全体を通して
一様に分布される。TiNの外層28を2相の金属酸化
物層62の上に配置する。
【0052】図4は、本発明に従う方法を行うのに適し
た装置の略図を提示する。種々のガスの源は下記を含
む:ハライドガスとして働くH2 及びHCl;H2 と反
応して酸化性ガスとして働くH2 Oを生成するCO2
随意でありかつキャリヤーガスとして働くAr;ドーパ
ントとして働くH2 S或はPCl3 。第一マニホールド
上の個々のバルブ(「V」)は、これらのガスの内のあ
るものを第一導管33に供給することを可能にし、同様
に、第二マニホールド上の個々のバルブは、これらのガ
スの内の任意の組合せを第二導管34に供給することを
可能にする。
【0053】第一導管33を通って流れるガス混合物、
すなわち好ましくは第一ハライドガス及びキャリヤーガ
スを含むガス混合物を第一導管33の一部によってハロ
ゲン化反応装置36の中に向ける。第一ハライドガスの
一部は、また、第一導管33の下流端を出て、比較的大
きな表面積を有する粒状物、すなわちグレイン或はチッ
プの形態で存在する第一金属38の上を通る。第一金属
38は、常に反応装置チャンバー40内の内部雰囲気に
対して開いている。第一ハライドガスは第一金属と反応
し、第一ハロゲン化金属ガスを生成することになり、第
一ハロゲン化金属ガスは第一金属38から流れ出て反応
装置チャンバー40の中に入り、その中で金属酸化物を
基材41の上に及び/又はその上をおおって付着させる
間酸化性ガスと反応する。
【0054】第二ハロゲン化金属ガスは、第一導管33
の別のチャンバー46の下流端を出て、比較的大きな表
面積を有する粒状物、すなわちグレイン或はチップの形
態で存在する第二金属48の上を通る。第二金属48
を、当業者に知られている方法で作られ、パルス化機構
56によって繰り返し開放及び閉止されるパルス化バル
ブ50によってチャンバー40の中にパルス状で送る。
第二ハライドガスは第二金属48と反応し、第二ハロゲ
ン化金属ガスを生成することになり、第二ハロゲン化金
属ガスは別のチャンバー46の下流端から流れ出て反応
装置チャンバー40に入り、その中で第二金属酸化物を
基材41の上に及び/又はその上をおおって付着させる
間酸化性ガスと反応する。
【0055】その他の反応性及び酸化性ガスをガス管路
34により反応装置に供給するに、該ガス管路34は反
応装置の底部で第一導管33に合流する。反応装置内に
注入するすべてのガスを含む反応装置内の雰囲気及び基
材41を抵抗加熱器42によって加熱する。反応装置チ
ャンバー40内でガス流れを排気導管52に設置したポ
ンプ44によって保つ。排気導管52に、必要に応じ
て、また、バルブ及びコールドトラップ(例示せず)を
装着してもよい。別法として、それ程好ましいとは言え
ないが、米国特許第4,745,010号に開示される
通りに、第一ハライドガス及び第二ハライドガスの内の
いずれか或は両方を反応装置チャンバー40内に配置し
た加熱したハロゲン化反応装置チャンバーにおいて生成
してもよい。同米国特許を本明細書中に援用する。
【0056】その上、本発明の方法を行うための装置
は、また、種々のガス、及びガスの混合物を精製するた
めの系を1つ又はそれ以上収容することもできる。その
ようなガス精製系は、当業者に知られている方法で作ら
れかつ作動される。固或は液相のハロゲン化金属を蒸発
させることによるか或は金属とハロゲンとを反応させる
ことによるかのいずれかでハロゲン化金属をガスの形態
で製造することができる。水を蒸発させるか或は好まし
くは水素と二酸化炭素とを反応させるかのいずれかによ
って水蒸気をハロゲン化金属ガスに加えることができ
る。ドーパント、例えば硫黄、リン或はそれらの混合物
をハロゲン化金属ガスに、ドーパントをガス或はガスの
混合物として加えることによって加えることができる。
ドーパントの添加は、硫化水素(H2 S)或は塩化リン
(PCl3 )の形態で行い、これを全プロセスを通じて
ずっと、或は単にプロセスの一部として導入する。硫
黄、リン或はそれらの混合物は、また、現場で、ハロゲ
ン化反応装置38、或は付着反応装置40において発生
させてもよい。
【0057】酸化性ガス、ドーパントガス及びキャリヤ
ーガスの内のいずれか一種又はそれ以上をハライドガス
に加えた後にそれぞれの金属に暴露させることができ、
或は直接反応装置チャンバーに加えることができる。し
かし、酸化性ガス、ドーパント及びキャリヤーガスをハ
ロゲン化金属及び伴われるキャリヤーガスと反応チャン
バー内で組み合わせるのが好適である。このようにし
て、ガスを同時に混合及び加熱することができる。
【0058】被覆すべき基材は、直接、或は誘導加熱に
より、或は間接に加熱することにより、例えば支持板或
は反応装置それ自体を、例えば抵抗加熱器によって加熱
することによって加熱することができる。反応装置チャ
ンバー内の温度は、大概約700°〜約1250℃、好
ましくは約900°〜約1250℃、更に一層好ましく
は約950°〜約1150℃である。反応装置チャンバ
ー内の圧力は、大概約1トル〜周囲圧力、好ましくは約
10〜300トル、最も好ましくは約50〜200トル
である。
【0059】反応体中のガス状混合物中の第一及び第二
ハロゲン化金属ガスの濃度は、好ましくは水蒸気に関し
化学量論量を越えるべきである。ドーパント含有ガスの
濃度は、反応装置中にもたらす全ガス容積を基準にし
て、ガス分子中のS、Se、Te、P、As、Sb及び
/又はBiの原子当り大概約0.003〜1容積%の量
で存在させるべきである。ドーパント含有ガスは、反応
装置中にもたらす全ガス容積を基準にして、ガス分子中
のS、Se、Te、P、As、Sb及び/又はBiの原
子当り約0.02〜0.3容積%の量で存在させるのが
好ましい。ドーパントは、連続金属酸化物相を付着させ
る間、並びに不連続金属酸化物相を付着させる間の両方
で存在させるのが好ましい。
【0060】また、二酸化炭素の濃度を注意深くモニタ
ーすることも重要である。前に推奨したドーパント含有
ガスの量は、温度1000℃及び約100トルの反応装
置に入るガス中の二酸化炭素及び塩化アルミニウムのお
およそ化学量論量的割合の場合を言う。ガス状相の全圧
は、大概約1〜760トル、好ましくは約50〜200
トルの範囲である。
【0061】中間層を含む基材のコーティング或は隣接
部における硫黄或はリンの存在を、マイクロプローブ分
析によって立証することはしばしば容易である。極めて
少量の硫黄或はリンでさえ、或はそれらの存在によって
引き起こされる効果を検出するのに、一層複雑な分析の
方法、例えばイオン−マイクロプローブ、プロトン誘導
X線発光分光分析法を用いることができる。基材のコー
ティング及び/又は表面が硫黄、セレン、テルル、リ
ン、ヒ素、アンチモン及び/又はビスマスを少量、例え
ば0.1重量%より多く含有する場合に、優れた性能を
観測することができる。相当の量のドーパントが存在す
る必要はなく、所定の用途、すなわち耐摩耗性切削イン
サートにおける被覆体の使用に悪影響を与え得ることは
理解されるものと思う。
【0062】下記の例は、当業者に本発明を一層明らか
に理解しかつ実施させることを可能にするために提示す
る。これらの例は、発明の範囲に対する制限と考えるべ
きでなく、単に発明を例示しかつ代表するものと考える
べきである。
【0063】
【実施例】例1〜6 すべてのガス管路をそれぞれのガスで0.5〜1時間す
すぎ洗いをした後に、焼結炭化物合金材料、スチール切
削グレードC−5の切削工具インサートのサンプルを、
化学蒸着反応装置において知られている技術によって厚
さ約3ミクロンのTiCの層で被覆する。過剰の予備秤
量したジルコニウム金属チップを、図4の46のように
密閉容器に入れる。過剰のアルミニウムチップを、図4
の36のように別の容器に入れる。反応装置を排気して
約10トルにし、次いで水素を流してフラッシュしなが
ら低い圧力下で加熱してガス発生を増大させた後に付着
させる。付着手順に従って、反応装置を、付着圧力でか
つ水素でフラッシュしながら冷却して約300℃にし、
次いで周囲圧力でかつ窒素を流しながら冷却して室温に
する。
【0064】例1〜6についての付着反応条件を下記の
表1に挙げる。これらの例のすべてについて、ハライド
ガスはHClであり、ドーパントガスはH2 Sであり、
Al及びZr反応についてのキャリヤーガスはArであ
り、その他の反応体ガスはCO2 であり、H2 をキャリ
ヤーとする。HCl流量を調整して表1に示す塩化金属
流量をもたらす。例1〜6についての付着圧力は100
トルであり、温度は1000℃である。これらの例の各
々について、0.5〜2.5時間の範囲の期間の単相A
23 付着(ドーパントの存在において)を行った後
に、2相Al23 /ZrO2 付着を、またドーパント
の存在において開始する。単相付着の間、ArガスをZ
rの上を流れさせるが、HClガス流れを、Zrの上を
流すことに関して、止める。
【0065】
【表1】
【0066】例1〜6の結果を表2に示す。コーティン
グの厚さは断面光学的及び電子鏡検法によって測定す
る。コーティングの化学組成はX線蛍光分析によって求
める。コーティングを、図2に示す品と同様に、TiC
下層上に、単相アルミナ部分一面にわたる連続したアル
ミナ/ジルコニア層として、酸化物コーティング一面に
わたるTiN層を持たないで付着させる。酸化物コーテ
ィング及びTiC下層は満足すべき厚さ及び良好な密着
性を示す。
【0067】
【表2】
【0068】機械加工試験を、例1〜6の被覆切削工具
インサートに関し、及び比較のために、2種の異なる商
業グレードのAl23 を被覆したTiCベースのイン
サート(A及びB)に関して行う。インサート1〜6並
びにA及びBを、1045スチール工作物を900sf
m、0.015ipr、DOC0.08インチ(2.0
mm)の乾燥条件下で回転させることによって試験す
る。結果を図5に例示し、各々のタイプのインサートに
ついての工具寿命を示す。発明に従う方法によって被覆
したインサートは、有利なことに、現在商業上使用され
ている材料に匹敵する。
【0069】例7及び8 例1〜6のプロセスを例7及び8について反復して同じ
タイプのTiC被覆焼結炭化物合金切削工具インサート
を被覆するが、ZrCl4 を付着期間中断続的にパルス
化する。付着圧力及び温度は、それぞれ100トル及び
1000℃である。残りの反応条件を下記の表3に挙げ
る。生成する複合コーティングは図1に例示するものと
同様であるが、TiN層を酸化物コーティングの上に付
着させない。単相部分を酸化物層の2相部分の下に付着
させない。
【0070】
【表3】
【0071】最後に、発明を特定の手段、材料及び実施
態様に関して説明したが、発明は開示した事項に限定さ
れず、特許請求の範囲に記載する範囲内のすべての均等
物に及ぶことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う被覆品の拡大した詳細な断面図を
例示する。
【図2】本発明に従う被覆品の拡大した詳細な断面図を
例示する。
【図3】本発明に従う被覆品の拡大した詳細な断面図を
例示する。
【図4】ドープした2相の金属酸化物層を基材上に付着
させるための装置及び方法の略図である。
【図5】複合サンプルの工具寿命結果を純アルミナち比
較して提示する。
【符号の説明】
12 基材 14 TiC層 16 複合層 18 金属酸化物層 20 金属酸化物層 22 2相の金属酸化物層 24 連続Al23 相 28 TiNの外層 32 金属酸化物層 40 反応装置チャンバー 41 基材 42 抵抗加熱器 46 チャンバー 50 被覆品 56 パルス化機構 62 複合層 64 第二相粒子 66 第二相粒子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】 本発明において用いるべき基材は、硬質
材料(適用可能な場合、バインダー材料と共に)が好ま
しく、セラミック及び焼結炭化物合金からなる群より選
ぶ少なくとも一種の部材を含むのが好ましい。焼結炭化
物合金を含む基材は、発明に従って製造される2相の金
属酸化物コーティングに更に層を付け加えるつもりの例
について、いわゆるガンマ相に関して冨化された表面領
域を有するのが好ましい。本発明に従って行う化学蒸着
プロセスは、付着させる他の層の付着と別の工程で行う
ことができるが、引き続いてかつ同じ装置で行うのが好
ましく、それで各々の付着工程について輪郭のはっきり
した表面が利用できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】 機械加工試験を、例1〜6の被覆切削工
具インサートに関し、及び比較のために、2種の異なる
商業グレードのAlを被覆したTiCベースのイ
ンサート(A及びB)に関して行う。インサート1〜6
並びにA及びBを、1045スチール工作物を900s
fm(表面フィート/m)(270m/m)、0.01
5ipr(インチ/回転)(0.38mm/回転)、D
OC(カットの深さ)0.08インチ(2.0mm)の
乾燥条件下で回転させることによって試験する。結果を
図5に例示し、各々のタイプのインサートについての工
具寿命を示す。発明に従う方法によって被覆したインサ
ートは、有利なことに、現在商業上使用されている材料
に匹敵する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 16/38 16/40

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性複合セラミックコーティングを
    焼結炭化物合金及びセラミックからなる群より選ぶ少な
    くとも一種の部材で構成される基材に付着させる方法で
    あって、 第一ハロゲン化金属ガス、第二ハロゲン化金属ガス、揮
    発性酸化性ガス、キャリヤーガス、及びドーパントを基
    材上を温度700°〜1250℃、及び圧力1トル〜周
    囲圧力で、2相の耐摩耗性複合セラミックコーティング
    を該基材上に付着させ、該複合セラミックコーティング
    は完全に稠密な密着性の連続金属酸化物相及び完全に稠
    密な密着性の不連続金属酸化物相を含む2相の金属酸化
    物層を含むように通し;該第一ハロゲン化金属ガスはハ
    ロゲン化アルミニウム、ハロゲン化イットリウム、及び
    ハロゲン化ジルコニウムからなる群より選ぶ部材を含
    み、該第一ハロゲン化金属ガスを該基材上を、基材上に
    付着させて該第一ハロゲン化金属ガスの金属酸化物を含
    む連続金属酸化物相を形成する分圧、流量、及び基材暴
    露時間で通し;該第二ハロゲン化金属ガスはハロゲン化
    アルミニウム、ハロゲン化ジルコニウム、及びハロゲン
    化イットリウムからなる群より選ぶ部材を含み、該第二
    ハロゲン化金属ガスは該第一ハロゲン化金属ガスと異な
    り、該第二ハロゲン化金属ガスを該第一ハロゲン化金属
    ガスと混合し、該第二ハロゲン化金属ガスを該基材上
    を、基材上に付着させて該第二ハロゲン化金属ガスの金
    属酸化物を含む不連続金属酸化物相を形成する分圧、流
    量、及び基材暴露時間で通し、該不連続金属酸化物相を
    該連続金属酸化物相内に離散した第二相として分散さ
    せ;該ドーパントは硫黄、硫黄の化合物、セレン、セレ
    ンの化合物、テルル、テルルの化合物、リン、リンの化
    合物、ヒ素、ヒ素の化合物、アンチモン、アンチモンの
    化合物、ビスマス及びビスマスの化合物からなる群より
    選ぶ少なくとも一種の部材を含む方法。
  2. 【請求項2】 更に、基材と耐摩耗性複合セラミックコ
    ーティングとの間に中間層を付着させることを含み、該
    中間層は厚さ0.5〜10ミクロンを有し、チタン、ジ
    ルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタ
    ル、クロム、モリブデン、タングステン、及びケイ素か
    らなる群より選ぶ少なくとも一種の部材の炭化物、窒化
    物、炭窒化物、酸化物、及び硼化物からなる群より選ぶ
    少なくとも一種の部材を含む請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記2相の金属酸化物層を付着させる
    間、前記第二ハロゲン化金属ガスを前記第一ハロゲン化
    金属ガスの中にパルス状で送って混合させる請求項1の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記第二ハロゲン化金属ガスを前記第一
    ハロゲン化金属ガスの中にパルス状で送ることを、不連
    続金属酸化物相サイズ及び分布を、下記:第二ハロゲン
    化金属ガスの分圧;第二ハロゲン化金属ガスのパルスの
    間の間隔;及び第二ハロゲン化金属ガスをパルス状で送
    る期間によって定める用に行う請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 連続金属酸化物相の付着を十分な時間行
    った後に、パルス化工程を開始し、それで基材と2相の
    金属酸化物層との間に、単一相の連続金属酸化物層を形
    成する請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 第一金属酸化物層を付着させる間、前記
    第二ハロゲン化金属ガスのパルス化を断続して行い、そ
    れで少なくとも2つの2相の金属酸化物層及び少なくと
    も1つの単相の連続金属酸化物層を含む層にした耐摩耗
    性複合セラミックコーティングを形成する請求項4の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第一ハロゲン化金属ガス、前記揮発
    性酸化性ガス、前記第二ハロゲン化金属ガス、及び前記
    ドーパントを基材上を温度950°〜1150℃で通す
    請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 更に、基材と耐摩耗性複合セラミックコ
    ーティングとの間に、厚さ0.5〜10ミクロンを有す
    る少なくとも1つの中間層を付着させ、該中間層はチタ
    ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
    タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、及びケ
    イ素からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材の炭化
    物、窒化物、炭窒化物、酸化物、及び硼化物からなる群
    より選ぶ少なくとも一種の部材を含む請求項3の方法。
  9. 【請求項9】 前記ドーパントが、キャリヤーガス及び
    酸化性ガスからなる群より選ぶ少なくとも一種の部材
    と、全ガス容積を基準にして0.003〜1%の量で混
    和している請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 前記第一ハロゲン化金属ガス及び前記
    第二ハロゲン化金属ガスからなる群より選ぶ少なくとも
    一種を基材上を温度950°〜1150℃で通す請求項
    1の方法。
  11. 【請求項11】 前記ドーパントが、前記キャリヤーガ
    ス及び前記酸化性ガスからなる群より選ぶ少なくとも一
    種の部材と、全ガス容積を基準にして0.003〜1%
    の量で混和している請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 前記ドーパントが、前記キャリヤーガ
    ス及び前記酸化性ガスからなる群より選ぶ少なくとも一
    種の部材と、全ガス容積を基準にして0.02〜0.3
    %の量で混和している請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 前記連続金属酸化物相が酸化アルミニ
    ウムを含む請求項1の方法。
  14. 【請求項14】 第一ハライドガスを第一金属の上を通
    し、それで第一ハロゲン化金属ガスを形成し、第一ハロ
    ゲン化金属ガスを反応装置内の基材の上を通し;第二ハ
    ライドガスを第二金属の上を通し、それで第二ハロゲン
    化金属ガスを形成し、第二金属を反応装置内の別の囲む
    ことが可能な容器の中に入れ、別の容器は第二ハライド
    ガスの源及び反応装置と作動連絡し、それで第二ハライ
    ドガスは囲むことが可能な容器の中に入り、その中の第
    二金属上を通り、第二ハロゲン化金属ガスを形成するこ
    とができ、第二ハロゲン化金属ガスは反応装置に流入し
    て基材上を通る請求項8の方法。
  15. 【請求項15】 第一金属がアルミニウム及びアルミニ
    ウムの塩からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材であ
    り、第二金属がジルコニウム、ジルコニウム塩、イット
    リウム、及びイットリウム塩からなる群より選ぶ少なく
    とも一種の部材である請求項14の方法。
  16. 【請求項16】 第一ハライドガスをアルミニウム、ア
    ルミニウム塩、イットリウム、イットリウム塩、ジルコ
    ニウム、及びジルコニウム塩からなる群より選ぶ少なく
    とも一種の部材を含む第一金属の上を通すことによって
    第一ハロゲン化金属ガスを形成し;第二ハライドガスを
    アルミニウム、アルミニウム塩、イットリウム、イット
    リウム塩、ジルコニウム、及びジルコニウム塩からなる
    群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む第二金属の上を
    通すことによって第二ハロゲン化金属ガスを形成し;第
    三ハライドガスをアルミニウム、アルミニウム塩、イッ
    トリウム、イットリウム塩、ジルコニウム、及びジルコ
    ニウム塩からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含
    む第三金属の上を通すことによって第三ハロゲン化金属
    ガスを形成し;第一、第二及び第三金属は各々互いに異
    なり、第一、第二及び第三ハロゲン化金属ガスを基材の
    上を温度700°〜1250℃で通し、不連続金属酸化
    物相はアルミニウム、イットリウム及びジルコニウムか
    らなる群より選ぶ二種の金属の酸化物の離散した第二相
    を含む請求項8の方法。
  17. 【請求項17】 焼結炭化物合金及びセラミックからな
    る群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む基材;並びに
    該基材上の耐摩耗性複合セラミックコーティングを含
    み、該複合セラミックコーティングは完全に稠密な密着
    性の連続金属酸化物相及び完全に稠密な密着性の不連続
    金属酸化物相を含む2相の金属酸化物層を含み;該連続
    金属酸化物相は酸化アルミニウム、酸化イットリウム、
    及び酸化ジルコニウムからなる群より選ぶ部材を含む第
    一金属酸化物を含み;該不連続金属酸化物相は酸化アル
    ミニウム、酸化イットリウム、及び酸化ジルコニウムか
    らなる群より選ぶ部材を含む第二金属酸化物を含む離散
    した第二相を分散させて含み;該第二金属酸化物は該第
    一金属酸化物と異なり;該連続金属酸化物相及び該不連
    続金属酸化物相からなる群より選ぶ少なくとも一種の部
    材は、更に、硫黄、硫黄の化合物、セレン、セレンの化
    合物、テルル、テルルの化合物、リン、リンの化合物、
    ヒ素、ヒ素の化合物、アンチモン、アンチモンの化合
    物、ビスマス及びビスマスの化合物からなる群より選ぶ
    少なくとも一種の部材を含むドーパントを含む耐摩耗性
    品。
  18. 【請求項18】 更に、前記基材と前記複合セラミック
    コーティングとの間に中間層を含み、該中間層はチタ
    ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
    タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、及びケ
    イ素からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材の炭化
    物、窒化物、炭窒化物、酸化物、及び硼化物からなる群
    より選ぶ少なくとも一種の部材を含む請求項17の耐摩
    耗性品。
  19. 【請求項19】 前記中間層が厚さ0.5〜10ミクロ
    ンを有する請求項18の耐摩耗性品。
  20. 【請求項20】 連続金属酸化物相が酸化ジルコニウム
    を含み、不連続金属酸化物相が酸化イットリウムを含む
    請求項17の耐摩耗性品。
  21. 【請求項21】 連続金属酸化物相が酸化イットリウム
    を含み、不連続金属酸化物相が酸化ジルコニウムを含む
    請求項17の耐摩耗性品。
  22. 【請求項22】 連続金属酸化物相が酸化アルミニウム
    を含み、不連続金属酸化物相が酸化イットリウム及び酸
    化ジルコニウムを含む請求項17の耐摩耗性品。
  23. 【請求項23】 連続金属酸化物相が酸化アルミニウム
    を含み、不連続金属酸化物相が酸化イットリウムを含む
    第一不連続金属酸化物相及び酸化ジルコニウムを含む第
    二不連続金属酸化物相を含み、該第一及び第二不連続金
    属酸化物相は互いに別である請求項17の耐摩耗性品。
  24. 【請求項24】 不連続金属酸化物相が連続金属酸化物
    相内に実質的に一様に分散される請求項17の耐摩耗性
    品。
  25. 【請求項25】 連続金属酸化物相が酸化アルミニウム
    を含み、不連続金属酸化物相が酸化ジルコニウムを含む
    請求項24の耐摩耗性品。
  26. 【請求項26】 更に、TiC、TiCN、及びTiN
    からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む中間層
    を含み、該中間層は焼結炭化物合金と複合セラミックコ
    ーティングとの間にあり、中間層は厚さ1〜8ミクロン
    を有する請求項25の耐摩耗性品。
  27. 【請求項27】 酸化ジルコニウム粒子が複合セラミッ
    クコーティングの全容積を基準にして10容積%未満を
    構成する請求項25の耐摩耗性品。
  28. 【請求項28】 酸化ジルコニウム粒子が複合セラミッ
    クコーティングの全容積を基準にして25〜50容積%
    を構成する請求項25の耐摩耗性品。
  29. 【請求項29】 複合セラミックコーティングが連続金
    属酸化物相を含む第一単相層、並びに連続した金属酸化
    物相及び不連続金属酸化物相を含む第二2相層を含む請
    求項17の耐摩耗性品。
  30. 【請求項30】 前記基材が炭化タングステン及びコバ
    ルトを含む焼結炭化物合金基材を含み、前記連続金属酸
    化物相が酸化アルミニウムを含み、前記不連続金属酸化
    物相が酸化ジルコニウムを酸化アルミニウム中に分散さ
    せて含んで2相酸化アルミニウム/酸化ジルコニウム不
    連続金属酸化物相を形成する請求項29の耐摩耗性品。
  31. 【請求項31】 更に、前記基材と前記複合セラミック
    コーティングとの間に中間層を含み、該中間層はTiC
    を含み、かつ厚さ2〜5ミクロンを有する請求項30の
    耐摩耗性品。
  32. 【請求項32】 酸化ジルコニウム粒子が複合セラミッ
    クコーティングの全容積を基準にして10容積%未満を
    構成する請求項31の耐摩耗性品。
  33. 【請求項33】 前記複合セラミックコーティングが厚
    さ0.1〜30ミクロンを有する請求項17の耐摩耗性
    品。
  34. 【請求項34】 前記複合セラミックコーティングが厚
    さ0.1〜20ミクロンを有する請求項33の耐摩耗性
    品。
  35. 【請求項35】 焼結炭化物合金及びセラミックからな
    る群より選ぶ少なくとも一種の部材を含む基材;該基材
    上の一様に分布された耐摩耗性複合セラミックコーティ
    ングを含み、該複合セラミックコーティングは第一ハロ
    ゲン化金属ガス、第二ハロゲン化金属ガス、揮発性酸化
    性ガス、キャリヤーガス、及びドーパントを該基材上
    を、該基材上に完全に稠密な密着性の連続金属酸化物相
    及び完全に稠密な密着性の不連続金属酸化物相を含む2
    相の金属酸化物層を付着させるように通すことによって
    化学蒸着によって付着され:該第一ハロゲン化金属ガス
    はハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化イットリウム、
    及びハロゲン化ジルコニウムからなる群より選ぶ部材を
    含み、該第一ハロゲン化金属ガスを該基材の上を、基材
    上に付着させて該第一ハライドガスの金属酸化物を含む
    連続金属酸化物相を形成する分圧、流量、及び基材暴露
    時間で通し;該第二ハロゲン化金属ガスはハロゲン化ア
    ルミニウム、ハロゲン化イットリウム、及びハロゲン化
    ジルコニウムからなる群より選ぶ部材を含み、該第二ハ
    ライドガスは該第一ハライドガスと異なる金属を含み、
    該第二ハライドガスを該第一ハライドガスと混合し、該
    第二ハライドガスを該基材上を、基材上に付着させて該
    第二ハライドガスの金属酸化物を含む不連続金属酸化物
    相を形成する分圧、流量、及び基材暴露時間で通し、該
    不連続金属酸化物相は該連続金属酸化物相内に離散した
    第二相として分散され;該ドーパントは硫黄、硫黄の化
    合物、セレン、セレンの化合物、テルル、テルルの化合
    物、リン、リンの化合物、ヒ素、ヒ素の化合物、アンチ
    モン、アンチモンの化合物、ビスマス及びビスマスの化
    合物からなる群より選ぶ少なくとも一種の部材を含み、
    該ドーパントは該連続金属酸化物相及び該不連続金属酸
    化物相から選ばれる少なくとも一種の部材の該一様な分
    布を達成する程の量で存在する耐摩耗性品。
JP7155464A 1994-05-31 1995-05-31 被覆切削工具及びその製造方法 Pending JPH0892743A (ja)

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