JPH0892613A - 金属粉末の製造方法及び製造装置 - Google Patents

金属粉末の製造方法及び製造装置

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JPH0892613A
JPH0892613A JP22926894A JP22926894A JPH0892613A JP H0892613 A JPH0892613 A JP H0892613A JP 22926894 A JP22926894 A JP 22926894A JP 22926894 A JP22926894 A JP 22926894A JP H0892613 A JPH0892613 A JP H0892613A
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metal powder
producing
metal salt
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JP22926894A
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Masaaki Okawara
正明 大川原
Shizuo Aijima
静夫 相嶋
Takashi Ito
崇 伊藤
Fujio Iijima
富士夫 飯島
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OGAWARA KAKOKI KK
OOGAWARA KAKOKI KK
Original Assignee
OGAWARA KAKOKI KK
OOGAWARA KAKOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属塩を含む溶液から成る液滴を加熱するこ
とにより、金属塩又は生成した金属酸化物を分解すると
ともに金属を溶融し、その後固化する金属粉末の製造方
法であって、金属塩を含む溶液が可燃性溶剤を含有し、
液滴より気化した可燃性溶剤と燃焼用ガスとの燃焼反応
により生じる燃焼熱により金属塩若しくは生成した金属
酸化物の分解及び金属の溶融を行い、外部からの加熱、
可燃性溶剤の溶液中の濃度及び燃焼用ガス中の酸素濃度
を適宜調整することにより燃焼の際の炎部の温度を調節
し、さらに溶融した金属を冷却手段を用いて冷却し固化
する金属粉末の製造方法。 【効果】 微細で均一な粒径を有し、不純物の混入が少
なく、かつ平滑な表面を有する球状の金属粉末を製造す
ることができる。又、装置を大型化できるとともに、装
置の立ち上げ、立ち下げにかかる時間を短縮できるた
め、金属粉末の大量生産が可能となるとともに、生産効
率を上げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機能材料等、特に
電気伝導性ペーストの製造に好適に用いられる金属粉末
の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属粉末は、電子回路、抵抗、コンデン
サあるいはICパッケージ等を製造するための導体ペー
スト、抵抗ペーストの材料として、エレクトロニクスの
分野において広く使用されている。導体ペーストあるい
は抵抗ペーストは、金属、合金あるいは金属酸化物の粉
末を、ガラス質結合剤その他の添加剤と共に、有機ビヒ
クル中に均一に混合分散させて製造する。これらのペー
ストは、基板上に導体被膜あるいは抵抗被膜を形成する
のに用いられる。
【0003】これらのペーストに用いられる金属粉末に
は、次のような性質が要求される。 1) 粒径が小さく、均一であること。粒径はペースト
中での金属粉末の分散性に影響を与える。緻密で均一な
被膜を形成するためには、金属粉末の粒径を小さくかつ
均一にし、分散性を良くすることが必要である。粒径は
0.1〜10μmの範囲内であることが好ましい。 2) 粒子の形状が球状であり、平滑な表面を有するこ
と。粒子の形状、表面状態は、金属粉末の凝集性及びペ
ースト中での金属粉末の分散性に影響を与える。球状で
平滑な表面を有する粒子とすることにより、分散性を良
くし、凝集を少なくすることができる。 3) 不純物の混入が少ないこと。不純物は、導体ペー
スト又は抵抗ペーストとしての特性を落とし、又、半導
体とのオーム接合性、耐腐食性、耐環境性等の電気特性
に悪影響を及ぼす。
【0004】金属粉末を製造する方法としては、金属化
合物の溶液に還元剤を作用させて湿式還元する方法(湿
式還元法)、金属の溶湯をアトマイズする方法(アトマ
イズ法)、金属を真空中又は不活性ガス中で蒸発させて
微粉化する方法(蒸発法)等が知られている。しかし、
これらの方法では、前記の条件を兼ね備えた金属粉末を
得ることには限界があり、又、方法によってはコストが
高くつき好ましくない。
【0005】そこで、特開昭50−137856号公報
に噴霧液滴を熱分解して粉末を製造することが開示され
ており、特開昭62−1807号公報には、金属塩溶液
を高温雰囲気中に噴霧し、溶媒の蒸発、金属塩の熱分解
及び金属の溶融を瞬時に起こさせて微粉末を得る方法
(噴霧熱分解法)が開示されている。これらの方法を用
いることにより、微細で均一な粒径を有し、不純物の混
入が少ない金属粉末を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によって得られる金属粉末は、加熱温度が金属の融
点より低い場合には多孔質となり、密度が低いため、表
面に窪みができ、平滑な表面を有する球状の粒子が得に
くいという問題があった。又、この方法では、通常、金
属塩溶液を噴霧する炉は外部から加熱されるため、大容
量のヒーターが必要となり、装置が高価となり運転費が
高くなるとともに、炉の径を一定の値より大きくするこ
とが出来ないため、スケールアップが難しいという問題
があった。さらに、炉内温度が安定し、金属塩溶液の噴
霧を開始することができる状態になるまでに時間がかか
るという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属塩
を含む溶液から成る液滴を加熱することにより、金属塩
又は生成した金属酸化物を分解するとともに金属を溶融
し、その後固化する金属粉末の製造方法であって、金属
塩を含む溶液が可燃性溶剤を含有し、液滴より気化した
可燃性溶剤と燃焼用ガス(支燃用ガスともいう。)との
燃焼反応により生じる燃焼熱により金属塩又は生成した
金属酸化物の分解及び金属の溶融を行い、外部からの加
熱、可燃性溶剤の溶液中の濃度及び燃焼用ガス中の酸素
濃度を適宜調整することにより燃焼の際の炎部の温度を
調節し、さらに溶融した金属を冷却手段を用いて冷却し
固化する金属粉末の製造方法が提供される。上記方法に
おいて、着火手段を用いて、気化した可燃性溶剤に点火
し、保炎手段を用いて燃焼を持続させることが好ましい
が、電気ヒーター等の着火と保炎を兼ね備えた、外部か
らの着火保炎手段を用いてもよい。又、燃焼用ガスが酸
素を21体積%以上、金属塩を含む溶液が可燃性溶剤を
30重量%以上、可燃性溶剤としてメタノールを使用す
る場合には50重量%以上含有し、燃焼の際の保炎手段
の保炎部の温度が500℃以上であることが好ましい。
【0008】又、本発明によれば、炉、炉の一端に設け
た噴霧手段、当該噴霧手段の近傍に設けた着火手段、炉
の外側面に設けた保炎手段、及び炉の他端近傍に設けた
冷却手段より構成される金属粉末の製造装置であって、
着火手段により金属塩溶液の液滴から気化する可燃性溶
剤に点火し、保炎手段が燃焼を持続させることにより、
金属塩あるいは生成した金属酸化物の分解及び金属の溶
融を行い、溶融した金属を冷却手段により固化する金属
粉末の製造装置が提供される。保炎手段は、当該炉の外
側に設置したヒーターであることが好ましいが、着火手
段と保炎手段とが一体となった着火保炎手段を用いても
よい。又、冷却手段は、炉に設けた流入孔より導入する
冷却ガスであることが好ましい。
【0009】
【作用】本発明による金属粉末の製造は、図1に示す原
理による。金属塩の粒子又は溶液を可燃性の溶剤と混合
した金属塩溶液は、高温雰囲気中に微粒化された液滴1
として噴霧される。液状の球体である液滴1は高温雰囲
気中で乾燥し、可燃性の溶剤が気化して生じた可燃性ガ
ス2を放出する。溶剤が蒸発することにより金属塩溶液
の液滴1は濃縮され半固体となる。この可燃性ガス2に
着火して燃焼を開始するとともに、保炎手段により他の
液滴粒子を着火させ、燃焼を持続させる。燃焼により、
金属塩3は析出固化し多孔質の固体となる。燃焼の際
に、金属によっては酸化が起こり金属酸化物が生成す
る。可燃性ガスの燃焼で生じた燃焼熱により、金属塩3
あるいは金属酸化物は熱分解を起こし、さらに金属4が
溶融し、再び液状の球体となる。さらに、冷却ガスの導
入等の冷却手段により、溶融した金属4は固化し金属粉
末5となる。
【0010】本発明においては、燃焼熱による加熱によ
り金属塩溶液の液滴中の溶媒を除き、金属塩を分解した
後に金属の溶融が起こるため、液状の金属が表面張力に
より球形となり、緻密で平滑な表面を有する球状粉末を
得ることができる。一方、従来の方法では、外部からの
加熱により炉内を高温にすることにより、金属の粒子化
を行うので、運転費も高くなり装置も高価となる。
【0011】可燃性溶剤は、着火手段又は着火保炎手段
によって点火され、その燃焼熱を利用して金属塩を熱分
解し、金属を溶融する。従って、着火手段又は着火保炎
手段としてヒーターを用いる場合は、炉の外部には、燃
焼を持続できる程度の小型のヒーターを設置すればよ
く、大容量のヒーターを設置する必要がなくなる。又、
炉内温度が安定し、金属塩溶液の噴霧を開始することが
できる状態になるまでに時間がかかるという問題もな
い。さらに、外部ヒーターによる加熱の場合には、炉の
径を一定の値より大きくすることは不可能であるが、本
発明を用いることにより装置を大型化でき、生産効率を
改善することができる。
【0012】金属塩としては、加熱分解により目的とす
る金属、例えば、金、銀、白金、パラジウム等の貴金
属、銅、ニッケル、コバルト、鉄、アルミニウム、モリ
ブデン、タングステン等の金属又はこれらの酸化物を析
出するものであればいかなるものでもよく、例えば、こ
れらの金属の硝酸塩、硫酸塩、塩化物、アンモニウム
塩、リン酸塩、カルボン酸塩、金属アルコラート、樹脂
酸塩等が用いられる。又、同一の金属の異なる種類の塩
を複数併用してもよく、2種以上の異なる種類の金属の
塩を混合して用いてもよい。又、複塩や錯塩を用いても
よい。
【0013】上記の金属塩の1種あるいは2種以上を可
燃性溶媒に溶解又は混合等し、金属塩溶液を作成する。
可燃性溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、エチルメチルケトン、ト
ルエン、キシレン等の有機溶剤を単独で、あるいは2種
以上混合して用いることができるが、金属塩を溶液とし
て供給するためにはアルコール類、ケトン類等の有機溶
剤を用いることが好ましい。又、上記の金属塩の1種あ
るいは2種以上を、一旦、水等の溶媒に溶解した後、上
記の可燃性溶剤に溶解又は混合して用いてもよい。又、
金属塩の溶解性や、燃焼温度を調整するため、水と可燃
性溶剤との混合物に上記の金属塩の1種又は2種以上を
溶解して用いてもよい。金属塩溶液は、可燃性溶剤を3
0重量%以上含有することが好ましく、又、可燃性溶剤
としてメタノールを用いる場合には、50重量%以上含
有することが望ましい。
【0014】単一の金属の塩溶液を用いた場合には、純
金属粉末が得られ、合金を形成する2種以上の金属から
成る溶液を用いた場合には、合金粉末を得ることができ
る。又、合金を生成しない2種以上の金属から成る溶液
を用いた場合には、混合粉末が得られることがある。
【0015】金属塩溶液を噴霧する手段としては、圧力
ガスを噴霧媒体として使用する二流体ノズルや、超音波
振動子とキャリアーガスとの組合せによる超音波ノズ
ル、又は大容量の噴霧に向く高圧ポンプを使った加圧ノ
ズル等が好適に用いられる。又、圧力ガスや、キャリア
ーガスとして、金属塩溶液と同じ溶媒ガスを使用するこ
とができる。
【0016】可燃性ガスの着火手段としては、パイロッ
トバーナー、イグニッションコイル等が好適に用いら
れ、又、燃焼を持続する保炎手段としては、保炎バーナ
ータイル、電気ヒーター等を炉の周囲に設置する、ある
いは、補助バーナーを設置する等の方法がとられる。ま
た、着火・保炎の両方を兼ねて、外部に小型の電気ヒー
ターを使用する等の方法もとられる。
【0017】燃焼は、その炎部が、用いた金属塩の分解
温度及びその金属の融点より高い温度となるように行わ
れることが必要である。金属塩が分解する際、あるいは
分解した後に、その金属が、融点より低い温度で酸化物
を形成するようなものである場合には、燃焼は、その炎
部が、金属酸化物の分解温度及びその金属の融点より高
い温度となるように行われることが必要である。又、合
金を形成する2種類以上の金属塩から成る溶液を用いた
場合には、燃焼は、その炎部が、それぞれの金属塩の分
解温度及びそれらの金属より成る合金の融点より高い温
度となるように行われることが必要である。炎部の温度
は、金属の融点より、50〜1500℃高いことが好ま
しく、100〜1000℃高いことがより好ましく、2
00〜800℃高いことがさらに好ましい。
【0018】通常、燃焼ガスとして空気を使う場合、可
燃性溶剤を理想的に燃焼したときの、炎部における温度
は2000℃前後であるが、金属塩を含有していたり、
溶剤としてアルコールを使う場合は、一般に、炎部の温
度は1000℃前後となり、粒子の温度はさらに低くな
る。従って、外部から大容量の電気ヒーター等で十分な
加熱を行わないと、金属塩を分解したり、金属を溶融す
ることは困難である。そこで、一般の工業用酸素ガスと
空気、若しくはアルゴン等との混合ガス、又は富酸素ガ
スを燃焼用ガスとして使用することにより、炎部を十分
高温にして反応が行われることが必要である。燃焼用ガ
スは、酸素を21体積%以上含有することが好ましい。
【0019】又、金属塩の分解、金属の溶融は、金属の
種類、加熱温度等に応じて、酸化雰囲気、還元雰囲気、
不活性雰囲気中で行われる。炎部の温度の調節は、パイ
ロットバーナーの火力調整、外部電気ヒータ等の保炎手
段の出力調整の他、金属塩溶液中の金属塩、可燃性溶媒
及び水の混合比率、燃焼用ガス中の酸素濃度の調整、可
燃性溶媒の選択により、炉心管内部(反応ゾーン)の温
度を調節することにより行う。
【0020】溶融した金属を冷却する手段としては、冷
却ガスを炉内に導入する方法が一般的であるが、炉壁を
冷却してもよい。用いる冷却ガスの種類は、金属塩溶液
によって異なるが、窒素ガス、空気又はアルゴンガスを
用いることが好ましい。冷却用ガスの温度は、40〜1
20℃とすることが望ましい。さらに、下流にサイクロ
ン、バグフィルター等の固気分離装置を置く場合には、
それらの装置の耐熱性を考えると、冷却用ガスに粉体を
同伴した炉出口のガス温度を70〜260℃に冷却する
ことが好ましい。
【0021】金属粉末の粒径は、金属塩の濃度、溶媒の
種類及び混合比、噴霧速度、噴霧液滴の大きさ、及び加
熱温度に依存し、これらの条件を適宜変えることにより
調節することができる。噴霧液滴のサイズは粒径に直接
関係し、二流体ノズルを使用した場合には、噴霧媒体と
しての圧力ガスの流量を増加させることにより、粒径を
より小さくすることができる。又、溶媒の沸点が低い
と、加熱時の沸騰により液滴の***が起こり易くなるた
め、液滴が微細化し、粒径の小さな金属粉末が得られる
と考えられる。
【0022】図2に金属粉末の製造を行う装置の一例を
示す。図2の概略図において、炉24はその上部に噴霧
器13及びパイロットバーナー14を有し、下部はバグ
フィルタ18と連結しており、上部に、流入孔21を有
する。噴霧器13の周囲に保炎バーナータイル16が設
けられ、胴部外周面には保温材17が設けられている。
噴霧器13は二重管構造を有し、原液タンク11と噴霧
用圧力ガス流入孔20とに連結している。
【0023】金属塩溶液19は金属塩溶液タンク11よ
り噴霧器13に送られ、流入孔20より流入する圧縮空
気あるいは圧縮酸素等の圧力ガスにより炉24内の反応
ゾーン26に噴霧される。又、燃料用ガスは流入孔21
より供給される。パイロットバーナー14は、噴霧され
た液滴より放出する可燃性ガスに点火し、燃焼は保炎バ
ーナータイル16により持続される。燃焼熱により溶融
した金属粒子は、炉24の下部に送られ、流入孔22よ
り流入する空気により冷却され金属粉末となる。金属粉
末は、流入孔23より流入する空気あるいは窒素
(N2)等により、捕集のために設けられたバグフィル
ター18に送られ、排ガスは流出孔25より流出する。
【0024】図3に金属粉末の製造を行う装置の他の例
を示す。図3の概略図に示す装置は、着火手段と保炎手
段が一体となった着火・保炎手段として外部電気ヒータ
ー31を有する以外は、図2に示した装置と同じであ
る。
【実施例】本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
【0025】(実施例1)図2の概略図に示された装置
を使用し、70%メタノール水溶液に、硝酸銀を1mo
l/lの割合で溶解し、二流体ノズルに2kg/hrの
流量で供給した。その際、二流体ノズルの微粒化及び燃
焼用として5kg/hrの流量で圧縮空気を流し、パイ
ロットバーナーで500℃に予備加熱された石英管内に
噴霧し、着火・保炎した。このとき二流体ノズルの外側
から5kg/hrで燃焼ガスとして空気を導入して燃焼
空気の不足分を補うとともに、溶融した液滴を順次冷却
空気導入部に運ばれるようにした。燃焼後の石英管内部
は温度計41で1300℃まで上昇し、液滴は熱分解さ
れた後、冷却空気により冷却されバグフィルターで捕集
された。尚、Agの融点は961℃である。
【0026】(実施例2〜9)図3の概略図に示した装
置を使用し、着火・保炎手段として外部電気ヒーターを
使用した他は、実施例1と同様な操作によりAg粉末を
製造した。製造条件及び得られたAg粉末の形状を表1
に示す。
【0027】(比較例1)パイロットバーナーで着火
後、すぐに消火した他は、実施例1と同じ条件でAg粉
末を製造した。保炎手段を使用しないと燃焼が不安定で
断続的になるため、石英管内部の温度が安定せず、温度
は700℃程度までしか上昇しなかった。
【0028】(比較例2、3)実施例2と同様な操作に
よりAg粉末を製造した。製造条件及び得られたAg粉
末の形状を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1で得られた粉末は、最大粒径3.
0μm、最小粒径0.3μmの表面が平滑で球状のAg
粉末であったのに対し、比較例1で得られた粉末は多孔
質になっており、破砕されているものも見られ、最大粒
径5.0μm、最小粒径0.5μmであった。球形化で
きなかった原因は、燃焼が不安定で、石英管内部の温度
が銀の融点より低かったので、熱分解により生成した銀
粒子が溶融しなかったためと考えられる。
【0031】実施例2〜9及び比較例2、3の結果より
わかるように、電気ヒーター部(着火・保炎部温度)、
メタノール濃度、燃焼ガスの酸素濃度は、いずれも大き
い値であるほど、粒子の球形化に好ましい影響を与え
た。又、これらの値の一つが小さい場合でも、他の値を
大きくとることにより、粒子形状を許容範囲内とするこ
とができた。
【0032】
【発明の効果】本発明を用いることにより、微細で均一
な粒径を有し、不純物の混入が少なく、かつ平滑な表面
を有する球状の金属粉末を製造することができる。又、
装置を大型化できるとともに、装置の立ち上げ、立ち下
げにかかる時間を短縮できるため、金属粉末の大量生産
が可能となるとともに、生産効率を上げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による金属粉末の製造方法の原理を示
す模式図である。
【図2】 本発明による金属粉末の製造装置の一例を示
す概略図である。
【図3】 本発明による金属粉末の製造装置の他の例を
示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・金属塩溶液の液滴、2・・・可燃性ガス、3・・・金属
塩、4・・・金属、5・・・金属粉末、11・・・金属塩溶液タ
ンク、12・・・送液ポンプ、13・・・噴霧器、14・・・パ
イロットバーナー、15・・・炉心管、16・・・保炎バーナ
ータイル、17・・・保温材、18・・・バグフィルタ、19
・・・金属塩溶液、20・・・流入孔、21・・・流入
孔、22・・・流入孔、23・・・流入孔、24・・・炉、25・
・・流出孔、31・・・電気ヒーター、41・・・温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 富士夫 神奈川県横浜市緑区池辺町3847 大川原化 工機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属塩を含む溶液から成る液滴を加熱す
    ることにより、金属塩又は生成した金属酸化物を分解す
    るとともに金属を溶融し、その後固化する金属粉末の製
    造方法であって、当該金属塩を含む溶液が可燃性溶剤を
    含有し、当該液滴より気化した当該可燃性溶剤と燃焼用
    ガスとの燃焼反応により生じる燃焼熱により金属塩若し
    くは生成した金属酸化物の分解及び金属の溶融を行い、
    外部からの加熱、当該可燃性溶剤の当該溶液中の濃度及
    び当該燃焼用ガス中の酸素濃度を適宜調整することによ
    り燃焼の際の炎部の温度を調節し、さらに溶融した金属
    を冷却手段を用いて冷却し固化することを特徴とする金
    属粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 気化した可燃性溶剤に着火手段を用いて
    点火し、保炎手段を用いて燃焼を持続させる請求項1に
    記載の金属粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 当該燃焼用ガスが酸素を21体積%以上
    含有し、当該金属塩を含む溶液が可燃性溶剤を30重量
    %以上含有し、燃焼の際の当該保炎手段の保炎部の温度
    が500℃以上である請求項1または2に記載の金属粉
    末の製造方法。
  4. 【請求項4】 着火手段と保炎手段とが一体となった着
    火保炎手段を用いる請求項1、2又は3に記載の金属粉
    末の製造方法。
  5. 【請求項5】 炉、炉の一端に設けた噴霧手段、当該噴
    霧手段の近傍に設けた着火手段、炉の外側面に設けた保
    炎手段、及び炉の他端近傍に設けた冷却手段より構成さ
    れる金属粉末の製造装置であって、 当該着火手段により金属塩溶液の液滴から気化する可燃
    性溶剤に点火し、当該保炎手段が燃焼を持続させること
    により、金属塩あるいは生成した金属酸化物の分解及び
    金属の溶融を行い、溶融した金属を当該冷却手段により
    固化することを特徴とする金属粉末の製造装置。
  6. 【請求項6】 当該保炎手段がヒーターである請求項5
    に記載の金属粉末の製造装置。
  7. 【請求項7】 当該冷却手段が炉に設けた流入孔より導
    入する冷却ガスである請求項5又は6に記載の金属粉末
    の製造装置。
  8. 【請求項8】 着火手段と保炎手段とが一体となった着
    火保炎手段を有する請求項5、6又は7に記載の金属粉
    末の製造装置。
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JP2019142730A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 住友金属鉱山株式会社 複合タングステン酸化物粒子の製造方法

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