JPH08819B2 - 4−オキソ−4h−ピラン−3−カルボキサミド化合物を製造する方法 - Google Patents

4−オキソ−4h−ピラン−3−カルボキサミド化合物を製造する方法

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JPH08819B2
JPH08819B2 JP23771786A JP23771786A JPH08819B2 JP H08819 B2 JPH08819 B2 JP H08819B2 JP 23771786 A JP23771786 A JP 23771786A JP 23771786 A JP23771786 A JP 23771786A JP H08819 B2 JPH08819 B2 JP H08819B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサ
ミド化合物の新規な製造法に関するものである。この発
明によって得られる化合物は医薬、農薬あるいはそれら
の合成中間体として有用である。
(従来技術) この発明に係る4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボ
キサミド化合物を製造する方法としては従来幾つかの方
法が報告されている。エイ.マラムス(A.Mallams)等
はアセトアセトアニリド誘導体の或るものが、ポリン酸
と加熱下に処理することによって、対応する2,6−ジメ
チル−4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド化
合物を与えることを見出している[ジャーナル,オブ,
オルガニック,ケミストリー(J.Org.Chem.),29,3548
および3555(1964)参照]。アール.ガーナー(R.Garn
er)等[ジャーナル,オブ,ザ,ケミカル,ソサエティ
(J.Chem.Soc.)(C)、186(1966)参照]はマラムス
等の報告が電子吸引性の置換基を有するアセトアセトア
ニリド誘導体に特徴的な反動であることを支持してい
る。しかし、この方法によるとき、アセトアセトアニリ
ドそのものを用いると、2−ヒドロキシキノリン誘導体
を与え、ピロン化合物は生成すら認められていない。
特公昭45−31663号公報はイソシアナート類とジケテ
ンとを酸性触媒の存在下反応させることを特徴とする、
3,4−ジハイドロ−2,4−ジオキソ−6−メチル−2H−1,
3−オキサジン類および(又は)2,6−ジメチル−4−オ
キソ−4H−ピラン−3−カルボキサミト類(上記公報に
は3−カルバミル−2,6−ジメチル−4−ピロン類とし
ている)の製造法を記載しており、この併発反応におい
てO−クロロフェニルイソシアナート、o−ニトロフェ
ニルイソシアナート等のオルト置換体、m−ニトロフェ
ニルイソシアナート等のメタ置換体は後者の2,6−ジメ
チル−4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド類
への反応が優勢であると観測している。この方法は原料
のイソシアナートが容易に入手出来る場合には有効であ
るが、イソシアナートの構造が反応選択性に重大な影響
を有している結果、一般的に応用できる方法であるとは
言い難い。
また、ジケテンと第1級アリールアミン類との反応成
績体として、2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン
−3−カルボキサミド化合物が得られることは知られて
おり、次記のごとくアニリン誘導体、アミノトロポン
類、アミノピリジン類についてその反応が詳細が報告さ
れている。
加藤等[薬学雑誌、87.1212(1967)参照]はジケテ
ンとアニリン誘導体との反応を検討し、塩基性触媒の存
在下ではピリドン型閉環体が得られることを報告してお
り、例外として、p−ニトロアニリンは2,6−ジメチル
−N−(4−ニトロフェニル)−4−オキソ−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミドを与えることを明らかにしてい
る。
エイチ.トダ(H.Toda)等[ケミカル、アンド、ファ
ーマシューティカル、ブリティン(Chem.Pharm.Bull)1
9、1477(1971)参照]はアミノトロポン類のジケテン
との反応を報告しているが、4−アミノトロポンおよび
2−アミノトロポンを用いた場合には4−ピロン体が得
られ、5−アミノトロポロンを用いた場合にはピリドン
閉環体が得られている。アミノピリジン類の反応の検討
の結果[ティ.カトー(T.Kato)等[ケミカル、アン
ド、ファーマシューティカル、ブリティン(Chem.Pham.
Bull.),20、133(1972)参照]、2−アミノおよび4
−アミノピリジン誘導体は主として4−ピロン体を生成
し、3−アミノピリジン誘導体では主としてピリドン型
閉環体を生成することが明らからされた。また、異項環
アミンの反応性についての知見はアール、エフ、ローエ
ル(R.F.Lauer)等[ジャーナル、オブ、ヘテロサイク
リツク、ケミストリー(J.Hetrocyclic Chem.)13、291
(1976)参照]の報告にも見出すことができ、2−アミ
ノ−1,3,4−チアジアゾールが収率は不明ながら4−ピ
ロン体を与える。以上のことから明らかなように、ジケ
テンと第1級アリールアミン類との反応は、アリールア
ミンの構造が反応の選択性に重要な影響を及ぼし、原料
として1級のアリールアミン類を用いる限り、この選択
性を4−ピロン体生成に有利となるように変化させるこ
とは従来不可能であった。
同様にして、前記の方法で反応中間体と考えられるア
リールアミン類のアセトアセチル誘導体をジケテンと処
理した場合もアリールアミンの構造によってピリドン閉
環体が得られる場合および4−ピロン体が得られる場合
が報告されている。特筆すべきは、ピリドン閉環体の生
成が不可能である第2級アリールアミンであるN−メチ
ルアニリンの場合は、4級アンモニウムクロライドを触
媒としてほぼ定量的に4−ピロン体が得られる事実であ
る[エー.ファウ.デームロウ(E.V.Dehmlow)、ア
ー.エル.シェモウト(A.R.Shamout),リービッヒ
ス、アンナーレン、デア、ヒエミー(Liebigs Ann.Che
m.),2062(1982)参照]。
また、2,2,6−トリメチル−1,3−ジオキシン−4−オ
ンを用いて4−ピロン体を得る反応は知られている。テ
ィ・カトー等[ケミカル、アンド、ファーマシューティ
カル、ブリティン(Chem.Pharm.Bull.)30,1315(198
2)参照]は、アミド類ならびにそのアセトアセチル体
と、2,2,6−トリメチル−1,3−ジオキシン−4−オンと
の反応を検討しており、その中でN−ホルミルアセトア
セトアミドはN,N−ジメチルアニリン存在下、2,2,6−ト
リメチル−1,3−ジオキシン−4−オンと反応し、主生
成物としてピリドン型閉環体を、副生成物として4−ピ
ロン体を与えることを報告している。
上述した範囲の4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボ
キサミド化合物を製造する従来法は出発物質の構造によ
って選択率が影響をうける点で共通した特徴を有してお
り、一般的に応用しうる方法ではない。この困難さを回
避する方法も従来知られており、加藤等[薬学雑誌、10
1、40(1981)参照]3−モルホリノクロトンアニリド
誘導体とジケテンとを加熱反応すると、対応する4−ピ
ロン体が得られることを報告しているが、収率が低く、
例えば3−モルホリノクロトンアニリドとジケテンから
得られる2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン3−
カルボキサミドの収率は19%である。
(発明の構成) この発明は、一般式(I); [式(I)中、R1は置換基を有していてもよいアリール
基又は異項環基であり、R2とR3とは同一又は異なって低
級アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していて
もよいアリール基又は異項環基であり、R2とR3とで環を
形成してもよい。R4はC1〜C2のアルキル基、低級アルケ
ニル基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、低級ア
ルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアリー
ル基、アリール部分がハロゲン原子、低級アルキル基及
び低級アルコキシ基の1又は2個で置換されていてもよ
いアラルキル基、ハロゲン化アルキル基又は5もしくは
6員の異項環基である。]で表される化合物を、第3級
アミンの存在下、ジケテン又は一般式(II); [式中、R5,R6は水素原子、アルキル基又はフェニル基
を示し、R5,R6が共にアルキル基のときはシクロアルキ
ル基を形成してもよい。]で表される化合物とを反応さ
せて 一般式(III); [式中、R1、R4は上記に同じ]で表される化合物を得る
ことを特徴とする4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボ
キサミド化合物を製造する方法である。
一般式(I)によって、表わされる化合物は、次式
(IV)で表わされるβ−ケトアミド誘導体と、 R4−COCOCH2CONHR1 (IV) [式中R1、R4は式(I)、(III)中の定義に同じ] 式(V)で表わされる第1級アミンとの脱水縮合反応 [式中R2、R3は式(I)中の定義に同じ]によって得ら
れる生成物を意味する。
一般式(I)、(III)中のR1は、置換基を有してい
てもよいアリール基または異項環基を表わす。アリール
基としてはフェニル基またはナフチル基が含まれる。異
項環基としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選
ばれた1〜3個の異原子を含有する5員環または6員環
の異項環基が含まれ、殊にフリル、テトラヒドロフリ
ル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾ
リル、イソオキサゾリル、ピラゾリルのような5員環の
基、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニ
ルのよな6員環の基が挙げられる。
置換基は、この発明の反応に不活性な基であれば特に
限定されない。置換基の具体例としては、塩素原子、臭
素原子、フッ素原子のようなハロゲン原子;メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチルのようなアルキ
ル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシのようなアルコ
キシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニルのよ
うなアルコキシカルボニル基;シアノ基、ニトロ基、ト
リフルオロメチル基などが挙げられる。上記のアリール
基または異項環基は、これらの置換基が1〜3個、好ま
しくは1または2個置換されてもよい。
この発明は、前述のように反応自体に特徴を有するも
のであるが、R1は最終目的物(たとえば植物の成長抑制
作用を示す農薬、または抗炎症作用を示す医薬)として
有用な観点から選択するのが望ましい。
R2、R3は同一又は異なった低級アルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基、または異項環基であり、またR2
とR3とで環を形成にもよい。
低級アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、インペン
チル基が挙げられる。
シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロペン
チル又はシクロヘキシル基などが含まれる。また、2つ
のアルキル基には、それらが結合するアミノ基の窒素原
子および場合により他の異原子と共に、異項環基を形成
してもよい。このような異項環基の具体例としては、ピ
ロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン
環などが挙げられる。アリール基としてはフェニル基ま
たはナフチル基が含まれる。異項環基としては、窒素原
子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個の異原子
を含有する5員環または6員環の異項環基が含まれ、こ
とにフリル、テトラヒドロフリル、チエニル、チアゾリ
ル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリ
ル、ピラゾリル、ピリダジニルのような6員環の基が挙
げられる。
置換基は、この発明の反応に不活性な基であれば特に
限定されない。置換基の具体例としては、塩素原子、臭
素原子、フッ素原子のようなハロゲン原子:メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチルのようなアルキ
ル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシのようなアルコ
キシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニルによ
うなアルコキシカルボニル;シアノ基、ニトロ基、トリ
フルオロメチル基などが挙げられる。上記のアリール基
または異項環基は、これらの置換基が1〜3個、好まし
くは1または2個置換されてもよい。
式(I)、(III)のR4はC1〜C11のアルキル基、低級
アルケニル基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、
低級アルコキシアルキル基、置換基を有していてもよい
アリール基、アリール部分がハロゲン原子、低級アルキ
ル及び低級アルコキシ基の1〜2個で置換されてもよい
アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、5員若しくは6
員の異項環基を表わす。
低級アルケニル基及び低級アルキニル基には、ビニ
ル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブ
タジエニル、2−ペンテニル、1,4−ペンタジエニル、
1,6−ブタジエニル、1−ヘキセニル、エチニル、2−
プロピニルなどが含まれる。
シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロペン
チル又はシクロヘキシル基などが含まれる。
ハロゲン化アルキル基には、トリフルオロメチル、ク
ロルメチル基などが含まれる。
低級アルコキシアルキル基には、メトキシメチル、エ
トキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル基な
どが含まれる。
ハロゲン原子には塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素原子
が挙げられる。
低級アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペン
チル基が挙げられる。
低級アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ基が挙げられる。
アラルキル基には、ベンジル、3−フェニルプロピ
ル、4−フェニルブチル基などが含まれる。
5員もしくは6員の異項環基には、窒素原子、酸素原
子、硫黄原子から選択されたヘテロ原子を1〜3個含有
する5員もしくは6員の異項環基が含まれる。たとえ
ば、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、チアゾリ
ル、イソシアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリ
ル、ピラゾリルなどの5員環の基;ピリジル、ピリミジ
ニル、ピラジニル、ピリダジニルなどの6員環の基が挙
げられる。これらの基は、メチル又はエチルのようなア
ルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基で置換されても
よい。フェニル基で置換された場合、環内の2つの炭素
原子と結合して縮合環を形成してもよい。縮合環を形成
した場合の例としては、ベンゾチアゾリル、ベンゾフリ
ル、キナゾリニル、キノキサリニル基などが挙げられ
る。
一方、一般式(I)で表わされる化合物の反応相手と
しては、ジケテンあるいは一般式(II)で表わされる6
−メチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン化合物であ
り、後者はジケテンとケトンあるいはアルデヒドとの付
加物で従来既知の方法で製造することができる[エム・
エフ.キャロル(M.F.Carrol)、エイ.アール.バッタ
ー(A.R.Bader)、ジャーナル オブ アメリカン ケ
ミカル ソサイアティ(J.Amer.Chem.Soc.)74、6305
(1952);同誌75、5400(1953);エー.ファウ.デー
ムロウ(E.V.Dehmlow)、アー.エル.シェモウト(A.
R.Shamout)[リービッヒス、アンナーレン、デア、ヒ
エミー(Liebigs Ann.Chem.)1753(1982)参照。
一般式(II)におけるR5とR6は水素原子、アルキル基
あるいはフェニル基を意味し、またはR5とR6が共にアル
キル基のとき両者が結合してシクロアルキル基を形成し
ていてもよい。これらのR5とR6は、目的物に導入されな
い基であり、入手容易で安価なものを選択利用するのが
望ましい。一般式(II)の好ましい化合物としては、2,
2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オンが挙
げられる。
第3級有機塩基としては、脂肪族もしくは芳香第3級
アミンおよび窒素含有複素環塩基が含まれる。脂肪族第
3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、トリイソブチルアミン、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′
−テトラメチル−1,3−プロパンジアミンなど、芳香族
第3級アミンとしては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−
ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−o−トルイジンな
ど、窒素含有塩素環塩基としては、N−メチルピロリジ
ン、N−メチルモルホリン、1,4−ジアザシクロ(2.2.
2)オクタンなどが挙げられる。
この発明において一般式(II)で表わされる化合物を
用いて反応させる場合、無溶媒下に行なうことが可能で
あるが、より好ましくは例えばベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系の溶媒中均一系として反
応を行なうことが推奨される。また反応温度の設定は、
一般式(II)で表わされる化合物の熱分解温度を目安と
して、約100℃から150℃の範囲で行なう。反応速度の点
からこの温度は110℃乃至140℃が特に望ましい範囲であ
る。
また一般式(II)で表わされる化合物の使用量は、一
般式(I)で表わされる化合物に対して1当量以上用い
ることは当然であるが、好ましくは1.5〜3.0当量の範囲
で好結果が得られる。一般式(II)で表わされる化合物
を用いる場合には、熱分解生成物として式(VI)で表わ
されるカルボニル化合物が反応系中に発生する。
この化合物の融点が反応設定温度より低い場合には、
反応中使用溶解の一部と共に系外に留去しながら反応を
行なうことが有利である。従って反応は一般に使用溶解
の還流温度で行なうことが好ましいといえる。
一方、この発明においてジケテンを用いて反応する場
合は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどが芳香
族炭素系の溶媒中均一系として反応を行なうことが好ま
しく、反応温度は、約−20℃から130℃の範囲で行なう
ことができる。この反応の上限温度はジケテンの融点に
よって制限を受けるものであり、加圧下に反応を行なう
場合にはこの限りではない。またジケテンは一般式
(I)で表わされる化合物に対して、1当量以上、好ま
しくは、1.5〜3.0当量用いた場合好結果が得られる。
一般式(I)で表わされる化合物とジケテン又は一般
式(II)で表わされる化合物との反応の際使用する第3
級有機塩基の使用量は、一般式(I)の化合物に対し
て、0.5当量以上、好ましくは1頭領以上用いた場合に
好結果が得られる。10当量以上用いてもより大きな効果
はえられない。第3級有機塩基は上記に例示したものか
ら適宜選択利用すればよいが、トリエチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチ
アニリン、N−メチルピペリジンなどの使用が望まし
い。
(発明の効果) この発明の方法によると、従来選択的な合成が不可能
であった4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド
化合物が、入手しやすい原料を用い、簡単な操作によっ
て、収率よく得ることができるようになった。
(実施例) 以下実施例によってこの発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 2,6−ジメチル−4−オキソ−N−フェニル−4H−ピラ
ン−3カルボキサミドの合成 β−モルホリノクロトンアニリド2.4g(10mmol)、ト
リエチルアミン6.06g(60mmol)、トルエン12mlの混合
物を加熱還流させなかせら、ジケテン2.1g(25mmol)の
トルエン(8ml)溶液を加熱環流させながらジケテン2.1
g(25mmol)のトルエン(8ml)溶液を12分間かけて適
下、さらに2.5時間加熱還流した。溶媒を留去したの
ち、残渣を塩化メチレン、と水とともに分液ロートに移
し、抽出し、有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム
水、続いて水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。
常法により処理した後、得られた結晶性残渣を酢酸エチ
ルで再結晶して題記化合物を1.3g(収率53%)得た。
融点:148−149℃ IR(KBrディスク):1652、1682cm-1 NMR(CDCl3)δ値:2.24(s,3H),2.82(s,3H),6.20
(s,1H),6.80〜7.80(m,5H),11.97(br.,1H). 実施例2. 出発原料をβ−(N,N−ジメチルアミン)クロトンアニ
リドを使用するほか、以外は実施例に1に従って、2,6
−ジメチル−4−オキソ−N−フェニル−4H−ピラン−
3−カルボキサミドを50%の収率で得た。
実施例3. 2−エチル−6−メチル−4−オキソ−6−フェニル−
4H−ピラン−3−カルボキサミド β−モルホリノ−2−ペンテン酸アニリド2.6g(10mm
ol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン0.88g(10mmo
l)、トルエン(25ml)の混合物を加熱還流させなが
ら、2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オ
ン3.55g(25mmol)のトルエン(12ml)溶液を30分間か
けて適下し、さらに、2.5時間加熱還流した。溶媒を留
去させたのち、残渣を塩化メチレンと水と共に分液ロー
トに移して抽出し、有機層を1N塩酸飽和炭酸水素ナトリ
ウム水、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。常法により処理した後、得られた結晶性残渣を酢酸
エチルとヘキサンの混液で再結晶して、題記化合物を1.
1g(収率42.8%)得た。
融点:154.5−156℃ IR(KBrディスク):1650、1670cm-1 NMR(CDCl3)δ値:1.31(t,3H),2.27(s,3H)、3.28
(q,4H),6.18(s,1H),6.90−7.70(m,5H),11.90(b
r.,1H). 実施例4〜5 実施例1の方法に従い、対応するβ−ケトアミド誘導体
とN,N−ジメチルアミンより得ることができるエナミン
を出発原料として用い以下の化合物を得た。
6−メチル−N−(2,3−ジメチフェニル)−4−オキ
ソ−2−フェニル−4H−ピラン−3−カルボキサミド
(実施例4) 収率45% 融点:164〜166℃ IR(KBrディスク):1655、1697cm-1 NMR(CDCl3)δ値:2.24(s,6H)、2.31(s,3H)、6.23
(s,1H)、6.70〜7.65(m,8H)、10.47(br.,1H). N−(2−クロロフェニル)−6−メチル−4−オキソ
−2−フェニル−4H−ピラン−3−カルボキサミド(実
施例5) 収率:55% 融点:168〜170℃ IR(KBrディスク):1655、1700cm-1 NMR(CDCl3)δ値:2.34(s,3H)、6.31(s,3H)、6.80
〜8.32(m,9H)、10.23(br.,1H). 実施例6−7 実施例1の方法に従い、対応するβ−ケトアミド誘導体
とモルホリンより合成されるエナミンを出発原料として
用い以下の化合物を得た。
N−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−オキソ
−2−フェニル−4H−ピラン−3−カルボキサミド(実
施例6) 収率:60% 融点:194〜197℃ IR(KBrディスク):1650、1688cm-1 NMR(CDCl3)δ値:2.27(s,3H)、2.81(s,3H)、6.20
(s,1H)、7.00〜7.80(m,4H),12.05(br.,1H). 6−メチル−N−(2−メチルフェニル)−4−オキソ
−2−プロピル−4H−ピラン−3−カルボキサミド(実
施例7) 収率:48% 融点:118.5−120.5℃ IR(KBrディスク): 1620、1657、1697cm-1 NMR(CDCl3)δ値:1.00(t,3H)、1.75(six,2H)、2.2
8(s,3H)、2.36(s,3H)、3.23(t,2H)、6.16(s,1
H)6.80〜8.10(m,4H)、11.76(br.,1H). 実施例8 N−(2,6−ジエチルフェニル)−6−メチル−4−オ
キソ−2−フェニル−4H−ピラン−3−カルボキサミド N−(2,6−ジエチルフェニル)−3−モルホリノク
ロトンアミドを出発原料としカラムクロマトグラフィー
で単離すること以外は実施例1の方法に従って題記化合
物を得た。
収率42% 融点 68−69℃ IR(KBrディスク): 1627、1640、1670cm-1 NMR(CDCl3)δ値:0.98(t,3H)、1.17(t,6H)、1.75
(six,2H)2.28(s,3H)、2.63(g,4H)、3.24(t,2
H)、6.24(s,1H)7.06(s,3H)、10.98(br.1H).

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I); [式(1)中、R1は置換基を有していてもよいアリール
    基または異項環基であり、R2とR3とは同一または異なっ
    て低級アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有して
    いてもよいアリール基又は異項環基であり、R2とR3とで
    環を形成してもよい。R4はC1〜C12のアルキル基、低級
    アルケニル基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、
    低級がアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよ
    いアリール基、アリール部分がハロゲン原子、低級アル
    キル基及び低級アルコキシ基の1又は2個で置換されて
    いてもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基又は5
    もしくは6員の異項環基である。]で表される化合物
    を、第3級アミンの存在下、ジケテン又は一般式(I
    I); [式中、R5,R6は水素原子、アルキル基又はフェニル基
    を示し、R5,R6が共にアルキル基のときはシクロアルキ
    ル基を形成してもよい。]で表される化合物とを反応さ
    せて 一般式(III); [式中、R1、R4は上記に同じ]で表される化合物を得る
    ことを特徴とする4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボ
    キサミド化合物を製造する方法。
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