JPH0881263A - 窒化アルミニウム焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体

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JPH0881263A
JPH0881263A JP6220718A JP22071894A JPH0881263A JP H0881263 A JPH0881263 A JP H0881263A JP 6220718 A JP6220718 A JP 6220718A JP 22071894 A JP22071894 A JP 22071894A JP H0881263 A JPH0881263 A JP H0881263A
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JP
Japan
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sintered body
aln
oxide
oxyfluoride
acid solution
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Application number
JP6220718A
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English (en)
Inventor
Katsuyoshi Oishi
克嘉 大石
Akihiro Horiguchi
昭宏 堀口
Mitsuo Kasori
光男 加曽利
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
Fumio Ueno
文雄 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨などにより形状が変化されることなく、
外観性および表面平滑性が良好なAlN焼結体を提供し
ようとするものである。 【構成】 内部の酸化物または酸フッ化物の濃度(C
1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度(C
2 )の比(C2 /C1 )が0.1以下であることを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム焼結
体(AlN焼結体)に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器においては、IC、LSI等の
電子デバイスの実装、回路形成、および絶縁を目的とし
てアルミナ基材とする回路基板が使用されている。しか
しながら、前記アルミナ基材は熱伝導率が約20W/m
・Kと低いため、近年のLSIの高密度化、高集積化に
対応して高熱伝導性のAlN焼結体からなる基材を有す
る回路基板が注目されている。
【0003】ところで、AlNは共有結合を持つため、
高硬度で、熱伝導率が高いものの、難焼結性である。こ
のため、Y23 、YF3 などの種々の焼結助剤が開発
され、現在ではAlN粉末にY23 を添加し、成形し
た成形体を常圧、窒素雰囲気中、1900℃、96時間
の焼結を行うことにより内部の不純物酸素量が500p
pm以下、熱伝導率が260W/m・Kである良好なA
lN焼結体が得られている。また、YF3 の添加では1
600℃の低温焼結が可能になっている。
【0004】前記焼結助剤添加成形体が1800℃の温
度で常圧焼結することができるのは、焼結時に酸化物、
フッ化物、酸フッ化物の液相成分がAlN粒界に存在
し、AlNの拡散を助長しているからであると考えられ
ている。このようなメカニズムにより焼結がなされるも
のの、焼結完了後の焼結体表面に前記液相成分が固化し
たものが存在し、AlN焼結体の外観や表面粗さを悪化
させる。
【0005】AlN焼結体をPKGなどのパッケージや
回路基板の基材に応用する場合には、従来、前記液相成
分の固化物を研磨により除去してから用いているために
問題がなかった。しかしながら、キャビティ付きのAl
N焼結体PKGの場合には形状が変化してしまう研磨工
程を採用することが不可能であるために問題を生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、研磨
などにより形状が変化されることなく、外観性および表
面平滑性が良好なAlN焼結体を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるAlN焼
結体は、内部の酸化物または酸フッ化物の濃度(C1
に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度(C2
の比(C2 /C1 )が0.1以下であることを特徴とす
るものである。
【0008】前記濃度比C2 /C1 を規定したのは理由
は、その比が0.1を越えると外観性および表面平滑が
良好なAlN焼結体を得ることができなるからである。
本発明に係わるAlN焼結体は、次のような方法により
製造される。
【0009】まず、AlN粉末に希土類元素の酸化物、
フッ化物または酸フッ化物を焼結助剤として添加し、ボ
ールミル中で混合粉砕する。前記AlN粉末は、実質的
にあらゆる入手可能な粉末を用いることができるが、焼
結性の観点から不純物酸素量が0.2〜1.8重量%、
平均一次粒子径が3.5μm以下、より好ましくは0.
1〜2.5μmであることが望ましい。
【0010】前記混合粉末中には、必要に応じて着色
化、高強度化のためにTi、W、Mo、Ta、Nb等の
遷移金属の酸化物、炭化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ
酸塩、硝酸塩を前記AlN粉末に対して遷移金属換算で
0.05〜1重量%で配合することを許容する。また、
焼結温度の低減化のために酸化アルミニウム、フッ化ア
ルミニウム等のアルミニウム化合物や酸化珪素、窒化珪
素等の珪素化合物をAlN粉末に対して1重量%以下の
範囲で配合することを許容する。
【0011】次いで、前記混合粉末をアクリル系バイン
ダ、ポリビニルブチラール系バインダのような有機バイ
ンダにn−ブタノールなどのアルコール系溶媒またはメ
チルイソブチルケトン、トルエンのような有機溶剤と共
に混練した後、金型プレス、静水圧プレスまたはシート
成形等により成形して成形体を作製する。ひきつづき、
前記成形体を窒素等の非酸化性雰囲気中、1500〜1
900℃、1〜100時間焼結することによりAlN焼
結体を製造する。この後、この焼結体表面に存在する酸
化物、フッ化物または酸フッ化物を塩酸、硝酸、硫酸お
よびこれらの混酸からなる酸溶液で選択的に溶解、除去
することにより、前記酸化物または酸フッ化物の濃度比
2 /C1 が0.1以下のAlN焼結体とする。
【0012】前記酸溶液は、0.05〜10規定の濃
度、120℃以下の温度であることが好ましい。この理
由は、前記酸溶液の濃度を0.05規定未満にするとに
酸化物、フッ化物または酸フッ化物を溶解するのに多大
な時間を要する。一方、前記酸溶液の濃度が10規定を
越えるとAlNそのものが溶解される恐れがある。より
好ましい前記酸溶液の濃度は、1〜5規定、さらに好ま
しくは1〜3規定である。また、酸溶液のより好ましい
温度は常温から100℃である。
【0013】
【作用】本発明によれば、内部の酸化物または酸フッ化
物の濃度(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化
物の濃度(C2 )の比(C2 /C1 )が0.1以下にす
ることにより研磨などにより形状が変化されることな
く、外観性および表面平滑性が良好なAlN焼結体を得
ることができる。このようなAlN焼結体は、その表面
の酸化物、フッ化物または酸フッ化物を塩酸、硝酸、硫
酸およびこれらの混酸からなる酸溶液で選択的に溶解、
除去することにより簡単に得ることができる。また、本
発明に係わるAlN焼結体は平均粒径が小さく、かつ高
い熱伝導率、高い強度を有する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 (実施例1)まず、不純物酸素量0.98重量%、平均
一次粒子径0.6μmのAlN粉末96.2重量%、平
均粒径0.1μm、純度99.9%のY23 3.0重
量%、平均粒径0.5μm、純度99.9%のAl2
3 0.5重量%および平均粒径0.1μm、純度99.
9%のWO3 がW換算で0.3重量%からなる混合粉体
にn−ブタノールを添加し、湿式ボールミルにより解
砕、混合した後、n−ブタノールを除去して原料粉末を
調製した。つづいて、この原料粉末にアクリル系バイン
ダ5重量%を添加して造粒した後、この造粒粉を50M
Paの一軸加圧下で成形して圧粉体とした。この圧粉体
を窒素ガス雰囲気中、700℃まで加熱して脱脂処理を
行った。ひきつづき、前記脱バインダ圧粉体をAlN焼
結体からなる容器中にセットし、この容器をカーボンヒ
ータを有する焼結炉内に入れ、1気圧の純窒素ガスの雰
囲気下にて、1600℃、6時間焼結することによりA
lN焼結体を製造した。
【0015】得られたAlN焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定した。その結果、3.30g/cm3
十分に緻密化されていた。また、前記AlN焼結体から
直径10mm、厚さ3mmの円板を切り出し、21±2
℃の室温下でJIS−R1611に従ってレーザフラッ
シュ法により熱伝導率を測定した。その結果、140W
/m・Kであった。
【0016】さらに、前記AlN焼結体について表面X
線回折装置で調べた。その結果、AlN焼結体表面に存
在する物質はフッ化物、酸フッ化物であることがわかっ
た。同時に、表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その
結果、焼結体表面は多量のフッ化物、酸フッ化物で覆わ
れていた。AlN焼結体の表面粗さは、Raで3μmで
あった。
【0017】次いで、前記AlN焼結体を100℃、1
規定の塩酸溶液に2時間浸漬した後、乾燥した。前記塩
酸溶液処理後のAlN焼結体について表面X線回折装置
で調べたところ、AlN焼結体表面にはAlN粒子のみ
が存在し、フッ化物、酸フッ化物は存在しないことがわ
かった。同時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、
酸化物およびフッ化物が観察された。これらの結果から
内部の酸化物または酸フッ化物の濃度(C1 )に対する
表面の酸化物または酸フッ化物の濃度(C2 )の比(C
2/C1 )は零であることが確認された。
【0018】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子のみが観察された。AlN
焼結体の表面粗さは、Raで0.1μmと極めて平滑で
あった。
【0019】(比較例1)実施例1と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、1規定のリン酸溶液に2時間浸
漬し、その後乾燥した。
【0020】前記リン酸溶液理後のAlN焼結体につい
て表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が存在することがわかった。同時に
焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にもYO
F、Y4 Al29 が存在することがわかった。これら
の結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1)に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1 )は、10であり、表面の方
が酸フッ化物等の濃度が高いことがわかった。
【0021】また、前記リン酸溶液処理後のAlN焼結
体について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が多く観
察された。AlN焼結体の表面粗さは、Raで2.6μ
mであり、表面が粗悪な状態であった。
【0022】(比較例2)実施例1と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、1規定のリン酸溶液に12時間
浸漬し、その後乾燥した。
【0023】前記リン酸溶液理後のAlN焼結体につい
て表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が存在することがわかった。同時に
焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にもYO
F、Y4 Al29 が存在することがわかった。これら
の結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1)に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1 )は、8であり、表面の方が
酸フッ化物等の濃度が高いことがわかった。
【0024】また、前記リン酸溶液処理後のAlN焼結
体について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が多く観
察された。AlN焼結体の表面粗さは、Raで2.2μ
mであり、表面が粗悪な状態であった。
【0025】(比較例3)実施例1と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、0.03規定の塩酸溶液に24
時間浸漬し、その後乾燥した。
【0026】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が存在することがわかった。同時に
焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にもYO
F、Y4 Al29 が存在することがわかった。これら
の結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度(C
1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度(C
2 )の比(C2 /C1 )は12であり、表面の方が酸フ
ッ化物等の濃度が高いことがわかった。
【0027】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が多く観
察された。AlN焼結体の表面粗さは、Raで2.6μ
mであり、表面が粗悪な状態であった。
【0028】(実施例2)まず、不純物酸素量0.98
重量%、平均一次粒子径0.6μmのAlN粉末94.
7重量%、平均粒径0.1μm、純度99.9%のY2
3 5.0重量%、および平均粒径0.1μm、純度9
9.9%のWO3 がW換算で0.3重量%からなる混合
粉体にn−ブタノールを添加し、湿式ボールミルにより
解砕、混合した後、n−ブタノールを除去して原料粉末
を調製した。つづいて、この原料粉末にアクリル系バイ
ンダ5重量%を添加して造粒した後、この造粒粉を50
MPaの一軸加圧下で成形して圧粉体とした。この圧粉
体を窒素ガス雰囲気中、700℃まで加熱して脱脂処理
を行った。ひきつづき、前記脱バインダ圧粉体をAlN
焼結体からなる容器中にセットし、この容器をカーボン
ヒータを有する焼結炉内に入れ、1気圧の純窒素ガスの
雰囲気下にて、1800℃、6時間焼結することにより
AlN焼結体を製造した。
【0029】得られたAlN焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定した。その結果、3.30g/cm3
十分に緻密化されていた。また、前記AlN焼結体から
直径10mm、厚さ3mmの円板を切り出し、21±2
℃の室温下でJIS−R1611に従ってレーザフラッ
シュ法により熱伝導率を測定した。その結果、140W
/m・Kであった。
【0030】さらに、前記AlN焼結体について表面X
線回折装置で調べた。その結果、AlN焼結体表面に存
在する物質はフッ化物、酸フッ化物であることがわかっ
た。同時に、表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その
結果、焼結体表面は多量のフッ化物、酸フッ化物で覆わ
れていた。AlN焼結体の表面粗さは、Raで2.6μ
mであった。
【0031】次いで、前記AlN焼結体を100℃、1
規定の塩酸溶液に2時間浸漬した後、乾燥した。前記塩
酸溶液処理後のAlN焼結体について表面X線回折装置
で調べたところ、AlN焼結体表面にはAlN粒子のみ
が存在し、フッ化物、酸フッ化物は存在しないことがわ
かった。同時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、
酸化物およびフッ化物が観察された。これらの結果から
内部の酸化物または酸フッ化物の濃度(C1 )に対する
表面の酸化物または酸フッ化物の濃度(C2 )の比(C
2/C1 )は零であることが確認された。
【0032】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子のみが観察された。AlN
焼結体の表面粗さは、Raで0.1μmと極めて平滑で
あった。
【0033】(実施例3)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、0.1規定の塩酸溶液に24時
間浸漬し、その後乾燥した。
【0034】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.02であることが確
認された。
【0035】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.6μ
mと極めて平滑であった。
【0036】(実施例4)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、1規定の硝酸溶液に2時間浸漬
し、その後乾燥した。
【0037】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.06であることが確
認された。
【0038】また、前記硝酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.9μ
mと極めて平滑であった。
【0039】(実施例5)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、0.1規定の硝酸溶液に2時間
浸漬し、その後乾燥した。
【0040】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.08であることが確
認された。
【0041】また、前記硝酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで1.6μ
mであった。
【0042】(実施例6)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を50℃、1規定の塩酸溶液に2時間浸漬
し、その後乾燥した。
【0043】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.05であることが確
認された。
【0044】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで1.2μ
mであった。
【0045】(実施例7)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を25℃、1規定の塩酸溶液に2時間浸漬
し、その後乾燥した。
【0046】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.08であることが確
認された。
【0047】また、前記塩酸硝酸溶液処理後のAlN焼
結体について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その
結果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅か
に観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで1.8
μmてあった。
【0048】(実施例8)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、10規定の塩酸溶液に30分間
浸漬し、その後乾燥した。
【0049】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.001であることが
確認された。
【0050】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.16
μmと極めて平滑であった。
【0051】(実施例9)実施例2と同様な焼結後のA
lN焼結体を100℃、5規定の塩酸溶液に1時間浸漬
し、その後乾燥した。
【0052】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.01であることが確
認された。
【0053】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.18
μmと極めて平滑であった。
【0054】(実施例10)実施例2と同様な焼結後の
AlN焼結体を100℃、0.5規定の塩酸溶液に6時
間浸漬し、その後乾燥した。
【0055】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.002であることが
確認された。
【0056】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.15
μmと極めて平滑であった。
【0057】(実施例11)実施例2と同様な焼結後の
AlN焼結体を100℃、0.05規定の塩酸溶液に3
6時間浸漬し、その後乾燥した。
【0058】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.001であることが
確認された。
【0059】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.13
μmと極めて平滑であった。
【0060】(実施例12)実施例2と同様な焼結後の
AlN焼結体を100℃、1規定の硝酸溶液に1時間浸
漬し、その後乾燥した。
【0061】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.100であることが
確認された。
【0062】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで1.9μ
mであった。
【0063】(実施例13)実施例2と同様な焼結後の
AlN焼結体を100℃、1規定の塩酸−硝酸混合溶液
に1時間浸漬し、その後乾燥した。
【0064】前記塩酸溶液理後のAlN焼結体について
表面X線回折装置で調べたところ、AlN以外にYO
F、Y4 Al29 が少量存在することがわかった。同
時に焼結体内部をX線回折で調べたところ、内部にも酸
化物(Y4 Al29 )が存在することがわかった。こ
れらの結果から内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
(C2 )の比(C2 /C1)は0.001であることが
確認された。
【0065】また、前記塩酸溶液処理後のAlN焼結体
について表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その結
果、焼結体表面はAlN粒子以外に島状の異物が僅かに
観察された。AlN焼結体の表面粗さはRaで0.12
μmと極めて平滑性であった。
【0066】(実施例14)まず、不純物酸素量0.9
8重量%、平均一次粒子径0.6μmのAlN粉末9
6.2重量%、平均粒径0.1μm、純度99.9%の
YF3 3.0重量%、平均粒径0.5μm、純度99.
9%のAl23 0.5重量%および平均粒径0.1μ
m、純度99.9%のWO3 がW換算で0.3重量%か
らなる混合粉体にn−ブタノールを添加し、湿式ボール
ミルにより解砕、混合した後、n−ブタノールを除去し
て原料粉末を調製した。つづいて、この原料粉末にアク
リル系バインダ5重量%を添加して造粒した後、この造
粒粉を50MPaの一軸加圧下で成形して圧粉体とし
た。この圧粉体を窒素ガス雰囲気中、700℃まで加熱
して脱脂処理を行った。ひきつづき、前記脱バインダ圧
粉体をAlN焼結体からなる容器中にセットし、この容
器をカーボンヒータを有する焼結炉内に入れ、1気圧の
純窒素ガスの雰囲気下にて、1600℃、6時間焼結し
た。その後、得られた焼結体をAlN焼結体からなる容
器中にセットし、0.9気圧の純窒素雰囲気中、165
0℃、96時間焼結することによりAlN焼結体を製造
した。
【0067】得られたAlN焼結体の密度をアルキメデ
ス法により測定した。その結果、3.30g/cm3
十分に緻密化されていた。また、前記AlN焼結体から
直径10mm、厚さ3mmの円板を切り出し、21±2
℃の室温下でJIS−R1611に従ってレーザフラッ
シュ法により熱伝導率を測定した。その結果、140W
/m・Kであった。
【0068】さらに、前記AlN焼結体について表面X
線回折装置で調べた。その結果、AlN焼結体表面に存
在する物質はフッ化物、酸フッ化物であることがわかっ
た。同時に、表面をSEM電子顕微鏡で観察した。その
結果、焼結体表面は多量のフッ化物、酸フッ化物で覆わ
れていた。AlN焼結体の表面粗さは、Raで5.0μ
mであった。
【0069】次いで、前記AlN焼結体を100℃、1
規定の塩酸溶液に2時間浸漬した後、乾燥した。前記塩
酸溶液処理後のAlN焼結体について表面X線回折装置
で調べたところ、AlN焼結体表面にはAlN粒子のみ
が存在し、フッ化物、酸フッ化物は存在しないことがわ
かった。同時に焼結体断面をX線回折で調べたところ、
見掛け上、粒界に異物が見られなかった。AlN粒子の
平均粒径は、4μmであった。AlN焼結体の表面粗さ
は、Raで0.1μmと極めて平滑であった。
【0070】また、JIS−R1601に従って、Al
N焼結体の4点曲げ強度を測定した。その結果、360
MPaの強度を有していた。密度をアルキメデス法によ
り測定したところ、3.26g/cm3 であった。
【0071】さらに、前記AlN焼結体から直径10m
m、厚さ3mmの円板を切り出し、21±2℃の室温下
でJIS−R1611に従ってレーザフラッシュ法によ
り熱伝導率を測定した。その結果、260W/m・Kで
あった。
【0072】(比較例4)まず、不純物酸素量0.98
重量%、平均一次粒子径0.6μmのAlN粉末96.
2重量%、平均粒径0.1μm、純度99.9%のYF
3 3.0重量%、平均粒径0.5μm、純度99.9%
のAl23 0.5重量%および平均粒径0.1μm、
純度99.9%のWO3 がW換算で0.3重量%からな
る混合粉体にn−ブタノールを添加し、湿式ボールミル
により解砕、混合した後、n−ブタノールを除去して原
料粉末を調製した。つづいて、この原料粉末にアクリル
系バインダ5重量%を添加して造粒した後、この造粒粉
を50MPaの一軸加圧下で成形して圧粉体とした。こ
の圧粉体を窒素ガス雰囲気中、700℃まで加熱して脱
脂処理を行った。ひきつづき、前記脱バインダ圧粉体を
AlN焼結体からなる容器中にセットし、この容器をカ
ーボンヒータを有する焼結炉内に入れ、1気圧の純窒素
ガスの雰囲気下にて、1600℃、6時間焼結した。そ
の後、得られた焼結体をカーボンヒータからなる容器中
にセットし、1気圧の還元窒化雰囲気中、1900℃、
96時間焼結することによりAlN焼結体を製造した。
【0073】得られたAlN焼結体を100℃の湯中で
洗浄し、その後乾燥した。前記AlN焼結体について表
面X線回折装置で調べたところ、AlN焼結体表面には
AlN粒子のみが存在し、フッ化物、酸フッ化物は存在
しないことがわかった。同時に表面をSEM電子顕微鏡
で観察したところ、焼結体表面はAlN粒子のみが観察
された。さらに、焼結体断面をSEMで観察したとこ
ろ、見掛け上、粒界に異物が見られなかった。AlN粒
子の平均粒径は、12μmであった。AlN焼結体の表
面粗さは、Raで0.1μmと極めて平滑であった。
【0074】また、密度をアルキメデス法により測定し
たところ、3.26g/cm3 であった。前記AlN焼
結体から直径10mm、厚さ3mmの円板を切り出し、
21±2℃の室温下でJIS−R1611に従ってレー
ザフラッシュ法により熱伝導率を測定した。その結果、
260W/m・Kであった。さらに、JIS−R160
1に従って、AlN焼結体の4点曲げ強度を測定した。
その結果、250MPaで前記実施例14に比べて強度
が劣っていた。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば研
磨などにより形状が変化されることなく、外観性および
表面平滑性が良好で、さらに高強度、高熱伝導性を有す
るAlN焼結体を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角野 裕康 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部の酸化物または酸フッ化物の濃度
    (C1 )に対する表面の酸化物または酸フッ化物の濃度
    (C2 )の比(C2 /C1 )が0.1以下であることを
    特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
JP6220718A 1994-09-16 1994-09-16 窒化アルミニウム焼結体 Pending JPH0881263A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012092014A (ja) * 2003-11-21 2012-05-17 Toshiba Corp 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体

Cited By (4)

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JP2012116750A (ja) * 2003-11-21 2012-06-21 Toshiba Corp 半導体装置用放熱板
JP5060048B2 (ja) * 2003-11-21 2012-10-31 株式会社東芝 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体

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