JP2793635B2 - 窒化ケイ素粉末組成物 - Google Patents

窒化ケイ素粉末組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高靭性且つ高温における曲げ強度が高い焼
結体を製造することができる窒化ケイ素粉末組成物に関
する。窒化ケイ素は、高温構造材料としてガスタービン
部材、ノズル、軸受等に利用されている。
〔従来の技術〕
従来、窒化ケイ素粉末の製造方法としては、(1)金
属ケイ素直接窒化法、(2)シリカ還元窒化法、(3)
ハロゲン化ケイ素法が知られている。これらの方法でつ
くられる粉末は、製造履歴が異なるためか金属不純物量
や酸素量あるいは粒径、比表面積が同程度であつても、
粉末の焼結性や焼結後の焼結体の特性、例えば曲げ強
度、破壊靭性値に大きな違いがある。
一般には、(1)の方法で製造された粉は、易焼結性
であるが高温曲げ強度が低い、(2)の方法の粉末は、
難焼結性であるが高温曲げ強度が高い、(3)の方法の
粉末は、中間的な性能を示すといわれている。
酸素量については、(1)の方法の粉末は、粉砕工程
を経るため通常全酸素量が2重量%を超える場合が多
く、少なくても1.5重量%はある。(1)の方法で不純
物除去のために酸処理等の工程を通すと全酸素量は低減
するがそれでも1.0重量%未満にすることは難しい。一
方、(2)の方法の粉末でも、原料としてシリカ粉末を
用いるためにシリカの残留があり、全酸素量は2重量%
を超えるのが普通である。
以上の粉末が現在入手可能なものである。当然のこと
ながら、粉末の焼結性及び焼結体特性には、粉体酸素量
の影響があるのはもちろんであるが、その他に比表面
積、結晶性、粒子形状、粒度(微粉)等様々の粉体特性
がからみあつており、前記各製法の粉末特性が焼結体特
性にどのように関係しているかはほとんどわかつていな
いのが現状である。
また、焼結体の靭性と高温強度については、一般に靭
性を高くすると高温強度が低下し、高温強度を高くする
と靭性が低下する。現在までに窒化ケイ素で高靭性且つ
高温強度の高い焼結体は得られていない。靭性強化につ
いては、炭化ケイ素ウイスカー等を添加するウイスカー
強化、分散粒子を添加する粒子分散強化等が知られてい
る。例えば、特開昭64−33076号公報では、窒化ケイ素
に熱膨張率の異なるSiC等のセラミツクウイスカーを混
入し、焼結体に於ける靭性を向上させている。しかし、
ウイスカー強化の場合、分散性、配向等の問題があり、
大型形状の焼結体を製造するのが難しいし、またコスト
的にも非常に高価であり、しかもSiCウイスカーについ
ては近年発ガン性等の問題が指摘されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
窒化ケイ素焼結体の高温強度と破壊靭性は相反する部
分があり、双方が共に優れている焼結体を得ることは非
常にむずかしい。
本発明の目的は、前記課題を解決した窒化ケイ素焼結
体を製造するに好適な窒化ケイ素粉末を提供することに
あり、且つ同粉末を金属ケイ素直接窒化法にて製造する
ことにより、他の製法、例えばハロゲン化ケイ素法によ
る粉末等に比べ安価に提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、金属ケイ素粉末を原料として得
られた酸素含有量0.6重量%以下、平均粒径0.3〜0.8μ
mの粉末であつて、主成分窒化ケイ素と、Cr3C2,Cr2N,T
iB2,TiN,NbB2及びTaNの中から選ばれた1種又は2種以
上の成分とからなることを特徴とする窒化ケイ素粉末組
成物である。
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
本発明における窒化ケイ素粉末組成物中の酸素量は0.
6重量%以下である。酸素量が0.6重量%を超えると、焼
結の際に生じるα→β転移が低温側より起こりやすくな
り、さらには焼結助剤が形成する粒界相の量が多くなる
ので窒化ケイ素の溶解性が大きくなる。その結果、β核
の数が多くなり、充分に成長したアスペクト比の高いβ
柱状晶を得ることが困難となり、高温強度及び靭性の優
れた焼結体を得ることができなくなる。
平均粒径は、特に常圧焼結を採用する場合に非常に重
要であり、一般的には、小さいことが好ましいといわれ
ている。本発明の窒化ケイ素粉末組成物の平均粒径は、
0.3〜0.8μmの範囲である。0.8μmを超えると、焼結
助剤例えば酸化イツトリウム、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム等と窒化ケイ素粉末組成物中に含まれる酸
素との反応により生じる複合酸化物への窒化ケイ素の溶
解度の低下が起こり充分に緻密化しなくなる。一方、0.
3μm未満であると焼結助剤が形成する粒界相への窒化
ケイ素の溶解度が大きくなり、その結果、β核の数が多
くなつて充分に成長したアスペクト比の高いβ柱状晶を
得ることができなくなる。
一般に、窒化ケイ素中の酸素量が少なくなると、一般
的な焼結助剤Y2O3,Al2O3系では、S.H.ハンプシヤ及びK.
H.ジヤツク〔S.H.Hampshire,K.H.Jack、プロシーデイン
グス オブ ブリテイツシユ セラミツク ソサイエテ
イ(Proc.Brit.Ceram.Soc.)第31巻、第37〜49頁(198
1)〕らが述べているように、液相量が十分に得られな
いため、焼結しずらくなる。すなわち、相境界反応律速
となり、一般には拡散を速める効果のある焼結助剤例え
ばMgOを添加して焼結する。その場合、焼結性は改善さ
れるが、前述したようなアスペクト比の高いβ柱状晶に
問題が残る。
これに対し、本発明では、窒化ケイ素とCr3C2,Cr2N,T
iB2,TiN,NbB2及びTaNの中から選ばれた1種又は2種以
上の成分(以下副成分という)を合成時に複合させるこ
とにより、前述の低酸素量の組成物であるにもかかわら
ず、一般的な焼結助剤Y2O3,Al2O3系においても充分に緻
密化させることができるものである。すなわち、窒化ケ
イ素粉末組成物中の副成分が、焼結時に、添加した焼結
助剤が形成する粒界相に溶解し、粒界相の組成を変化さ
せ窒化ケイ素の粒界相への溶解度を大きくし、緻密化を
促進するものである。また、このような粒界相は、同時
に窒化ケイ素の焼結にともなうα→β転移を高温側に遅
らせるので、その結果、焼結体中に発達したアスペクト
比の大きいβ柱状晶が生成され、焼結体特性における高
温強度及び靭性を向上させることができる。なお、窒化
ケイ素100重量部に対する副成分の割合は、1〜10重量
部が好ましい。
本発明の窒化ケイ素粉末組成物を製造するには、金属
ケイ素粉末と副成分の粉末をボールミル、V型混合器等
で混合し、0.8g/cm3程度のカサ密度に成形した後、窒
素、アンモニア、水素等の雰囲気中1300〜1450℃程度の
温度で窒化を行いインゴツトを合成する。得られたイン
ゴツトは、常法により、例えば、粗砕・中砕後、ボール
ミル、振動ミル、ジエツトミル、アトライターミル等で
湿式又は乾式粉砕し窒化ケイ素粉末組成物を得る。粉末
の粒度としては前述した少なくとも平均粒径を十分に留
意し、粉砕機を含め、適切な条件で処理する。
本発明の窒化ケイ素粉末組成物を用いる大きな特徴
は、α→β転移で生成するアスペクト比の大きいβ柱状
晶が数多く見られることである。すなわち、β柱状晶の
大きさは不均質であるが、その不均質が例えば数十μm
単位の領域で均質であり、且つ、その組織が高温強度発
現に重要な役割をなしていることである。
一般に、高温強度発見は粒界相の強化、例えば高融点
粒界相を合成できるような焼結助剤の選択や、ガラス質
の結晶化等が主に研究され、その大半が焼結側からのア
プローチであつた。そこで、本発明者らは、粉体側のア
プローチ、例えば、酸素の異つた粉体、比表面積の異な
つた粉体、結晶化度の異つた粉体等から焼結助剤一定下
で種々実験した結果、金属ケイ素直接窒化法において、
金属ケイ素粉末に副成分を添加して窒化することにより
粒界相の組成を変化させ、焼結体中のβ柱状晶の太さ、
アスペクト比を制御すると共にβ柱状晶における稜線の
はつきりしたβ柱状晶、言い換えれば、結晶性の高いβ
柱状晶を析出させ且つ、粒界相自体を強化することによ
り焼結体の高靭性化を達成したものである。さらに述べ
れば、(30μm)×(25μm)焼結体の視野中におい
て、アスペクト比が大きいと思われる5本のβ柱状晶の
平均アスペクト比が10以上あれば高温強度が単位密度当
り250MPa以上発現できることを本発明により見出したも
のであり、これは理論密度に近い値に焼結できれば、温
度1200℃の強度において、700MPa以上の発現は十分に可
能となるものである。
〔実施例〕
以下、実施例と比較例をあげて更に具体的に本発明を
説明するが、本発明は、これに限定されない。
実施例1〜10、比較例1〜5 金属ケイ素粉末(純度99.98重量%)100重量部に対し
第1表に示すような副成分(市販品)を添加混合し、そ
の混合粉末0.5kgを、150×150×20t(mm)形状に成形し
た後、窒素及びアンモニアからなる混合雰囲気中1300〜
1450℃で窒化を行つた。得られたインゴツトを粗砕、中
砕、湿式粉砕及び酸処理を行つて、窒化ケイ素粉末組成
物とした。その粉体特性を第1表に示す。
次に、この窒化ケイ素粉末組成物に焼結助剤として平
均粒径1.5μmのY2O35重量部と平均粒径0.8μmのAl2O3
2重量部を添加し、1,1,1−トリクロロエタンを加え4時
間ボールミルで湿式混合し、乾燥後100kg/cm2の成形圧
で6×10×60mm形状に金型成形し、、それを2700kg/cm2
の成形圧でCIP成形した。これらの成形体をカーボンル
ツボにセツトし、N2ガス雰囲気中1800℃の温度で4時間
焼成した焼結体を得た。得られた焼結体は、研削後、相
対密度、破壊靭性値(KIC)、室温(σRT)及び1200℃
(σ1200)における3点曲げ強度を測定した。その結果
を第1表に示す。
得られた焼結体をSEM観察したところ、実施例1〜10
については、成長したアスペクト比の大きいβ柱状晶を
呈する組織であつた。その1例として実施例1、比較例
1のSEM写真をそれぞれ第1図及び第2図に示した。
なお、第1表に示した測定値は次の方法によつた。
(1) 酸素(重量%):LECO社製TC−136型O/N同時分
析計による。
(2) 比表面積(m2/g):湯浅アイオニクス社製カン
ターソーブJr.BET1点法による。
(3) 平均粒径(μm):掘場製作所社製CAPA−700
による。
(4) 相対密度(%):アルキメデス法による。
(5) 3点曲げ強度(MPa):島津製作所社製オート
グラフAG−2000Aによる。
(6) 破壊靭性値(MPa・m1/2):IM法による。
〔発明の効果〕
本発明の窒化ケイ素粉末組成物は、低酸素で且つ焼結
性に優れており、高温強度及び靭性の優れた焼結体を得
ることができる。
これは、窒化ケイ素粉末組成物中のCr3C2,Cr2N,TiB2,
TiN,NbB2及びTaNの副成分が粒界相に作用し、窒化ケイ
素のβ柱状晶の発生とその成長を制御した結果によるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は、それぞれ実施例1と比較例1で得ら
れた窒化ケイ素焼結体の粒子構造の組織を示す5000倍の
SEM写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−185865(JP,A) 特開 昭62−235260(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/584 - 35/587 C01B 21/068

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属ケイ素粉末を原料として得られた酸素
    含有量0.6重量%以下、平均粒径0.3〜0.8μmの粉末で
    あつて、主成分窒化ケイ素と、Cr3C2,Cr2N,TiB2,TiN,Nb
    B2及びTaNの中から選ばれた1種又は2種以上の成分と
    からなることを特徴とする窒化ケイ素粉末組成物。
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