JPH0878274A - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品の製造方法

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JPH0878274A
JPH0878274A JP6229050A JP22905094A JPH0878274A JP H0878274 A JPH0878274 A JP H0878274A JP 6229050 A JP6229050 A JP 6229050A JP 22905094 A JP22905094 A JP 22905094A JP H0878274 A JPH0878274 A JP H0878274A
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ceramic material
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Yasushi Suganuma
靖 菅沼
Hiroshi Kishi
弘志 岸
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型化、大容量化でき、電流のリークがなく、
生産性の高い積層セラミックコンデンサ等のセラミック
電子部品を提供すること。 【構成】セラミックス層を電気泳動法により形成したセ
ラミック材料層の焼成体で構成し、内部電極をスパッタ
リング法又は蒸着法にて形成した積層セラミックコンデ
ンサ等のセラミック電子部品。 【効果】セラミック層を厚さのバラツキがなく、薄く、
緻密にでき、電流のリークがないとともに、内部電極も
薄く、均一で厚さのバラツキなく形成でき、両者により
小型かつ大容量であり、生産性の高い積層セラミックコ
ンデンサ等のセラミック電子部品を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層セラミックコンデ
ンサ等のセラミック層と導電体層を有するセラミック電
子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサ等のセラミッ
ク電子部品をプリント基板に搭載して使用することが多
く行われている。この積層セラミックコンデンサは、セ
ラミック誘電体層と内部電極を交互に積層し、内部電極
をセラミック誘電体層を挟んで対向させ、かつその内部
電極の端部を交互に反対側に導出した構造を有するもの
であるが、その製造を行うにはセラミック誘電体粉末を
液中に分散させて得たスラリーをドクタブレード等を用
いて所定の厚みのグリーンシートを作成し、これに金属
材料ペーストを内部電極の所定のパターンにスクリーン
印刷し、ついで、この金属材料ペーストを印刷したグリ
ーンシートを数10枚ないし数100枚重ねて、圧着
し、積層体を得る。この積層体は多数の積層セラミック
コンデンサ単位を有するように作成されるので、各単位
毎に裁断される。裁断されたそれぞれの個別体は900
℃以上で焼成される。そしてその焼成体の両端面に上記
した金属材料ペースト印刷膜の焼成体である内部電極と
接続する外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサ
が得られる。近年、電子機器の小型化が進み、機器内に
電子部品を高密度に設けることが要求されており、これ
に応えるために、セラミック電子部品、特に積層セラミ
ックコンデンサはその小型化、大容量化が必要となって
きており、積層セラミックコンデンサの1層の厚さを5
μm以下にすることが当面の課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに積層セラミックコンデンサの1層当たりの厚さが薄
くなると、1層当たりのセラミック層にかかる電圧が大
きくなり、電流のリークの問題を生じ易くなるが、上記
した従来の積層セラミックコンデンサの製造方法では、
グリーンシートを作成するときにセラミック誘電体粉末
をシート状に保つために必要な有機バインダ(樹脂分、
溶剤等からなる)を上記したように積層体を裁断して得
た各個別体を焼成するときに分解揮発させて除去するの
で、その通過跡に空孔が残り、これが電流のリークの原
因となり、所定の容量を得ることができないという問題
を生じる。これは積層セラミックコンデンサを得る際の
障害となっており、緻密な組織の欠陥のないセラミック
ス層を有する積層セラミックコンデンサの出現が望まれ
ている。また、セラミック層の厚さが5μm以下になる
と、内部電極層の厚みも薄膜とするのでなければ得られ
る積層セラミックコンデンサの小型化ができなくなり、
通常の膜厚のまま小型化しようとすればセラミック層の
数が相対的に減ることになるから大容量化も実現できな
くなるが、従来の金属材料ペーストをスクリーン印刷す
る方法では、この薄膜を連続的に信頼性高く作成するそ
の薄膜化には限界があり、1μm以下の膜厚にすること
は難しく、さらにその塗布膜の厚みのバラツキもあると
いう問題があった。また、上記のようにグリーンシート
を用いる方法では、そのシートの形成工程、圧着工程が
必要であり、その設備が必要であるとともに、工程が多
く、その改善が望まれていた。電子部品の小型化という
課題は、他の積層セラミックインダクタ、積層セラミン
クトランス、積層LC部品、さらにはこれらに電子回路
を組み込んだ複合電子部品や、多層基板等においても同
じである。
【0004】本発明の第1の目的は、小型化できるセラ
ミック電子部品の製造方法を提供することにある。本発
明の第2の目的は、電流のリークのない耐電圧の高い
(またはセラミック素体層に空孔のない)セラミック電
子部品の製造方法を提供することにある。本発明の第3
の目的は、厚みのバラツキがなく、緻密で均一な内部電
極の薄膜化が可能なセラミック電子部品の製造方法を提
供することにある。本発明の第4の目的は、大容量化の
できるセラミックコンデンサの製造方法を提供すること
にある。本発明の第5の目的は、簡易な設備で生産工程
の単純なセラミック電子部品の製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、セラミックス層と導電体層を有
するセラミック電子部品において、該セラミックス層は
セラミックス粉末を電着液中の粒子に用いて電気泳動法
により形成したセラミック材料層の焼成体を有し、該導
電体層はスパッタリング法又は蒸着法により形成するセ
ラミック電子部品の製造方法を提供するものである。ま
た、本発明は、(2)、セラミックス粉末を電着液中の
粒子に用いて電気泳動法によりセラミックス材料層を形
成するセラミックス材料層形成工程と、スパッタリング
法若しくは蒸着法により導電体層を形成する導電体形成
工程と、該セラミックス材料層形成工程と該導電体形成
工程を有することにより得られる積層体を焼成する工程
を有するセラミック電子部品の製造方法、(3)、積層
体はセラミック材料層と、内部導体となる導電体層を順
次積層し、最後にセラミック材料層を積層した構造体で
あり、該セラミック材料層の第1のセラミック材料層は
セラミックス粉末を分散させた電着液中に設けた導電板
に通電する電気泳動法により該導電板上に形成されたセ
ラミックス材料層であり、該導電体層の第1の導電体層
はスパッタリング法若しくは蒸着法により該第1のセラ
ミック材料層に選択的に形成した導電体層であり、該セ
ラミック材料層の第2以後のセラミック材料層及び該導
電体層の第2以後の導電体層はそれぞれ先行の導電体層
及びセラミック材料層を形成した導電板をそれぞれセラ
ミックス粉末を分散させた電着液中に設けた電気泳動法
及びスパッタリング法若しくは蒸着法により順次形成し
た上記(2)のセラミック電子部品の製造方法、
(4)、セラミック材料層に選択的に形成する導電体層
は必要箇所が導電体粒子を通過可能でありそれ以外は通
過不能でありかつ取り外し可能のマスクを介して該セラ
ミック材料層に導電体粉末をスパッタリング若しくは蒸
着法により形成する上記(3)のセラミック電子部品の
製造方法、(5)、セラミック材料層はセラミック誘電
体材料層であり、導電体材料層は内部電極材料層であ
り、積層体の焼成体は積層セラミック素体であり、積層
セラミックコンデンサを製造する上記(3)又は(4)
のセラミック電子部品の製造方法を提供するものであ
る。
【0006】上記のほかに、(7)、セラミック材料層
はセラミック磁性体材料層であり、導電体層はインダク
タの導体の一部を形成する内部電極層であり、積層体の
焼成体は積層セラミックインダクタ素体であり、積層セ
ラミックインダクタを製造する上記(3)又は(4)の
セラミック電子部品の製造方法、(8)、積層体の焼成
体は上記(5)の積層セラミックコンデンサ素体と上記
(7)の積層セラミックインダクタ素体の複合体であ
り、積層セラミックLC部品を製造する上記(3)又は
(4)のセラミック電子部品の製造方法を提供すること
ができ、また、(9)、積層体の焼成体が多層基板であ
る上記(2)のセラミック電子部品の製造方法も提供で
きる。
【0007】本発明において、セラミックス粉末とは、
チタン酸系の誘電体材料粉末、フェライト系の磁性材料
粉末その他通常のセラミック電子部品に用いられるセラ
ミックス粉末を言う。チタン酸系の誘電体材料粉末とし
ては、BaTiO3 、Pb(Mg,Nb)O3 等が挙げ
られ、フェライト系の磁性材料粉末としては、Mn−Z
n系、Ni−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Mg−Zn
系等のフェライトが挙げられ、これらはそれぞれの対応
する原料粉末を仮焼し、その仮焼物を粉砕して得られ
る。これらセラミックス粉末の形状、大きさ、粒径分布
としては均一で微細なものが好ましい。電着液の溶媒と
しては、乾燥等を考えれば、有機溶剤が好ましく、例え
ばアセトン、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、
エステル類等の電離効果の大きい極性溶媒その他の溶媒
が使用でき、これらは単独又は複数併用することができ
る。
【0008】本発明においては、電気泳動法によりセラ
ミック材料層を形成し、このセラミック材料層にスパッ
タリング又は蒸着法により形成した導電体層を有する
が、その複数の導電体層の一部を電気泳動法により形成
した導電体材料層の焼成体で構成しても良い。電気泳動
法によりセラミック材料層、導電体材料層を形成するに
は、セラミックス粉末又は導電体粉末を分散させたスラ
リーに、1組以上の陽極と陰極となる導電体、例えば金
属板又はマスクを張り付けた金属板を浸漬させ、陽極と
陰極に電圧を印加し、セラミックス粉末又は導電体粉末
を電気泳動により付着させる(電着ともいう)ことによ
り形成できるが、さらに例えばセラミック材料層の上に
導電体材料層を形成しようとするときは、セラミック材
料層を形成した電極を用い、導電体材料粉末を含む電着
液を用いて電着を行なう。導電体材料層にセラミック材
料層を形成する場合もこれに準じて行う。この際、導電
体材料層が後の焼成により例えば積層セラミックコンデ
ンサや積層セラミックインダクタの内部電極となるもの
であるときは、セラミック材料層に選択的に形成されな
ければならず、そのために上記マスクを用いるが、この
マスクとしては、必要箇所が電着液中の荷電粒子を通過
可能でありそれ以外は通過不能でありかつ取り外し可能
又は着脱自在であることが好ましく、具体的には高分子
フィルム、金属板、セラミックス板等を容易に剥離可能
な接着剤で張りつけることが挙げられる。
【0009】これらのマスクを付した例えばセラミック
材料層を有する電極を用いて導電体粉末の電着を行え
ば、そのマスクを通過した導電体粉末の荷電粒子だけが
セラミック材料層に電着され、選択的にセラミック材料
層を形成することができる。このようにして、電気泳動
用電極として用いた金属板にセラミック材料層を形成
し、さらにその上に導電体材料層を選択的に形成できる
が、さらにセラミック材料層を形成するには、これらの
材料層を形成した金属板を電極に用いて最初にセラミッ
ク材料層を電着により形成した場合と同様に操作すれば
良く、以下同様に導電体材料層、セラミック材料層を形
成でき、全体で数十層ないし数百層の積層を行うことが
できる。電極間には直流電圧が印加されるが、その電圧
は例えば電極間距離1cm当たり50〜1000ボルト
が挙げられるがこれに限らず、通電時間も数10分ない
し数時間が例示される。電圧が高いと、セラミック粉末
の被覆速度は大きくなり、通電時間が長ければその被覆
膜の厚さは大きくなる。電着を行うときの電極の形状
は、最初開口のない平板電極を使用してセラミック材料
層を形成し、それからその電極からセラミック材料層を
剥がし、ついで例えば積層セラミックコンデンサの内部
電極と同じ形状の電極をそのセラミック材料層に付着さ
せて導電体粒子の電着を行うことにより、セラミック材
料層に任意の形状の導電体材料層を形成できる。
【0010】上記は、導電体材料層を電気泳動法により
形成し、その焼成体を内部電極等の一部の導電体層とす
る場合であるが、導電体層としては少なくともスパッタ
リング法又は蒸着法により形成された導電体層を有する
ことが必須である。これらスパッタリング法又は蒸着法
は、上記のように形成された金属板上のセラミック材料
層に対して行われるが、その導電体層が後の焼成により
例えば積層セラミックコンデンサや積層セラミックイン
ダクタの内部電極となるものであるときは、セラミック
材料層に選択的に形成されなければならず、そのために
は上記と同様のマスクを用いるが、このマスクとして
は、必要箇所がスパッタリング又は蒸着の際に発生する
粒子を通過可能でありそれ以外は通過不能でありかつ取
り外し可能又は着脱自在であることが好ましく、具体的
には高分子フィルム、金属板、セラミックス板等を容易
に剥離可能な接着剤で張りつけることが挙げられる。ス
パッタリング法又は蒸着法による導電体層の導電体とし
ては、銀、銅、パラジウム、ニッケル等の金属のいずれ
か又はこれら各々の合金等の金属を挙げることができる
が、これに限らず、スパッタリング、蒸着を行えるもの
であれば良い。なお、スパッタリングとは、例えば金属
を陰極とし、相手電極との間に、真空中又はそれに近い
状態で高圧を印加することにより、金属を飛び散らせて
相手の電極に付着させ、薄膜を形成することをいい、蒸
着とは、真空又はそれに近い状態で物質を加熱して蒸発
させ、基材に付着させて薄膜を形成することをいう。な
お、電気泳動法による導電体層は、上記金属、その他カ
ーボン、さらにはこれら導電体を含有する樹脂を電気泳
動法により形成した導電体材料層を焼成して得ることが
できる。
【0011】電気泳動法により形成されたセラミック材
料層と、このセラミック材料層にスパッタリング法、蒸
着法や電気泳動法により形成された導電体層あるいは導
電体材料層は積層され、その積層体が得られるが、この
積層体は電極の金属板から剥がされ、特別な圧着を必要
とすることがなくても良く、焼成されるが、その焼成温
度は、導電体材料の融点、酸化性等を考慮して決められ
るが、銀の場合には800℃以上、950℃以下が好ま
しいが、その他の高融点の金属の場合にはこれに限られ
ない。上記は積層セラミックコンデンサを中心に説明し
たが、積層セラミックインダクタ、積層セラミックトラ
ンス、積層LC部品、さらにはこれらに電子回路を組み
込んだ複合電子部品や、多層基板、単層のセラミックコ
ンデンサ等においても適用できる。
【0012】
【作用】電気泳動法とは、コロイド溶液または懸濁液や
エマルジョン中に電極を入れてこれに直流電圧を加える
ことによりコロイド粒子または微細粒子がどちらか一方
の極に移動する現象をいうので、例えば金属板の電極を
用い、コロイド粒子または微細粒子にセラミック粉末を
用いると(通常、液体中の粉体は荷電粒子として扱え
る)、電極にこれらセラミック粉末の粒子は互いに反対
の電荷の静電引力により付着しその層を形成でき、さら
にこの層にスパッタリング法又は蒸着法等を用いて導電
体層を形成でき、以下同様にしてセラミック材料層と導
電体層の積層体を得ることができ、これを焼成すると積
層セラミックコンデンサ等のセラミック部品を製造する
ことができる。この電気泳動を利用して粒子の層を形成
する、いわゆる電着は、その電着速度が大きく、電着液
に用いる粒子の種類、大きさ、形状、表面電化数、溶媒
の種類、溶媒中の電解質の種類、イオン強度、あるいは
pH、温度、加えた電圧等などによりその速度を調整で
き、バインダーを含まないようにもでき、さらには粒子
同士は反発しあうためので、空孔のない緻密なセラミッ
ク層等を例えば5μm以下の薄層にすることができる。
また、スパッタリング法又は蒸着法により、0.1〜
0.5μmの金属薄膜を連続的かつ信頼性高く作成する
ことができる。このようにセラミック粉末を電着するこ
とができ、導電体粒子をスパッタリング又は蒸着できる
のでその積層体は圧着を特に必要とすることもない。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 実施例1 100mlビーカーにアセトン50ml、平均粒径が
0.3μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)5gを入
れて混合し、超音波分散させてセラミック誘電体粉末の
スラリーを得た。また、白金板を陰極、白金棒を陽極と
し、両電極間が500V/cmとなるよに電源、白金
板、白金棒を固定し、電極セットを準備した。この状態
で、まず、電極セットの白金板、白金棒を上記セラミッ
ク誘電体粉末のスラリーに浸漬し、ついで両電極間に5
00V/cmの電圧を白金板の電着層が3.5μmにな
るまで印加し続け、3.5μmのセラミック材料層を形
成した。
【0014】次に、白金板、白金棒の電極を引き上げて
乾燥させ、白金板の上記セラミック材料層に縞状にスリ
ットのパターンを形成したポリエステルフィルムからな
るマスクを当てがい、その周辺を剥離容易な接着剤によ
り仮止めした。その後、電極材料のニッケル(Ni)を
マグネトロンスパッタリング装置によりスパッタリング
を行い、0.5μmのパターン化された内部電極層を形
成した。さらに、マスクを外した後、上記セラミック材
料層を形成したと同様にして上記のパターン化された内
部電極層を形成したセラミック材料層上にセラミック材
料層を形成し、以下同様にパターン化された内部電極
層、セラミック材料層を順次形成し、全部で内部電極
層、セラミック材料層それぞれを100層形成した。最
後にセラミック材料層と内部電極層の積層体を白金板か
ら剥がし、所定の大きさの角型にカットした積層体を9
50℃で2時間焼成し、セラミック素体チップを得た。
その厚さは2.7μmであった。なお、このセラミック
素体チップは、セラミック材料層の焼成体であるセラミ
ック層と、内部電極層の焼成体である内部電極の積層体
からなり、内部電極は交互に積層体チップの両側端面に
導出されるように、上記マスクはそのスリットのパター
ンを形成したものを用いる。セラミック素体チップの両
側端に銀ペーストを塗布し、焼き付けて銀電極を形成し
た。このようにしてチップ型積層セラミックコンデンサ
10個を得、これらを150℃、300Vの条件で寿命
試験を行ったところ、全て10000秒以上の寿命を持
ち、実用に耐えることが確認された。また、静電容量を
測定したところ25μFであった。
【0015】実施例2 実施例1と同様にしてセラミック誘電体粉末のスラリー
を調製し、電極セットを準備した。次に実施例1と同様
にして白金板に3.5μmのセラミック材料層を形成し
た後、今度は所定のパターンのマスクを用い、蒸着法に
よりニッケルを蒸着し、0.1μmの厚さのバターン化
された内部電極層を形成した。このパターン化した内部
電極層を形成したセラミック材料層に有する白金板を用
いて、最初にセラミック材料層を形成したと同様にセラ
ミック材料層を形成し、以下同様に内部電極層、セラミ
ック材料層を順次形成し、全体で内部電極層、セラミッ
ク材料層それぞれを100層積層し、以下実施例1と同
様に、カット、950℃での2時間の焼成を行ってセラ
ミック素体チップを得、これに銀電極の形成を行ってチ
ップ型積層セラミックコンデンサ10個を得、これらに
ついても実施例1と同様に試験したところ、全て100
00秒以上の寿命を持ち、実用に耐えることが確認され
た。また、セラミック素体チップの厚さは2.7μmで
あり、チップ型積層セラミックコンデンサの静電容量は
27μFであった。
【0016】比較例 チタン酸バリウムのスラリー(BaTiO3 88.65
重量部、ポリビニルブチラール樹脂9.85重量部、エ
タノール100重量部、トルエン100重量部)を調製
し、これをドクターブレード法にてポリエステルフィル
ム上に塗布・乾燥し、乾燥膜厚3.5μmのグリーンシ
ートを作成した。このグリーンシートにPdペースト
(Pd粉末50重量部、エチルセルロース5重量部、ブ
チルカルビトール45重量部)を所定のパターンにスク
リーン印刷した。このようにPdペーストを印刷したグ
リーンシートを表裏合わせて100枚重ねた後、圧着
し、所定の大きさにカットして積層体チップを得た。こ
れを950℃、2時間焼成し、セラミック素体チップを
得、これに実施例1と同様に銀電極を形成し、チップ型
積層セラミックコンデンサを得た。このようにして得た
チップ型積層セラミックコンデンサ10個について実施
例1と同様に試験したところ、10000秒以上の寿命
を持ったものは無かった。また、セラミック素体チップ
の厚さは2.7μmであり、積層セラミックコンデンサ
の静電容量は25μFであった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、電気泳動法によりセラ
ミック材料層を形成し、これとスパッタリング法又は蒸
着法により形成した導電体層を積層し、焼成するように
したので、セラミック材料層の焼成体を例えば5μm以
下の薄層とすることができるとともに、導電体層を例え
は0.1〜0.5μmとすることができ、セラミック電
子部品を小型化することができるのみならず、セラミッ
クグリーンシートや導電体材料ペーストを用いる従来の
方法に比べてバインダーを用いておらず、その分解揮発
の必要がないので、空隙のない緻密な組織とすることが
でき、電流のリークのない耐電圧性のセラミック電子部
品を提供することができる。さらに例えば積層セラミッ
クコンデンサを有する部品では薄層の緻密なセラミック
層及び内部電極層と、小型のままそのセラミック層及び
内部電極層の層数を多くすることができることによる相
乗効果によりその大容量化することができ、小型化かつ
大容量化することにより性能を一段と向上させることが
できる。このように積層セラミックコンデンサを小型
化、大容量化できると、同じ大ききさであれば、より大
容量化ができ、同じ容量であれば、より小型化ができ
る。また、電気泳動法による方法は簡易な設備で良く、
これとスパッタリング法又は蒸着法を併用した方法は、
従来のグリーンシートを用いるものに比べて圧着工程を
必要としない等生産工程が単純であるから、設備費、能
率の点からも生産性を向上させることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス層と導電体層を有するセラ
    ミック電子部品において、該セラミックス層はセラミッ
    クス粉末を電着液中の粒子に用いて電気泳動法により形
    成したセラミック材料層の焼成体を有し、該導電体層は
    スパッタリング法又は蒸着法により形成するセラミック
    電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス粉末を電着液中の粒子に用
    いて電気泳動法によりセラミックス材料層を形成するセ
    ラミックス材料層形成工程と、スパッタリング法若しく
    は蒸着法により導電体層を形成する導電体形成工程と、
    該セラミックス材料層形成工程と該導電体形成工程を有
    することにより得られる積層体を焼成する工程を有する
    セラミック電子部品の製造方法
  3. 【請求項3】 積層体はセラミック材料層と、内部導体
    となる導電体層を順次積層し、最後にセラミック材料層
    を積層した構造体であり、該セラミック材料層の第1の
    セラミック材料層はセラミックス粉末を分散させた電着
    液中に設けた導電板に通電する電気泳動法により該導電
    板上に形成されたセラミックス材料層であり、該導電体
    層の第1の導電体層はスパッタリング法若しくは蒸着法
    により該第1のセラミック材料層に選択的に形成した導
    電体層であり、該セラミック材料層の第2以後のセラミ
    ック材料層及び該導電体層の第2以後の導電体層はそれ
    ぞれ先行の導電体層及びセラミック材料層を形成した導
    電板をそれぞれセラミックス粉末を分散させた電着液中
    に設けた電気泳動法及びスパッタリング法若しくは蒸着
    法により順次形成した請求項2記載のセラミック電子部
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミック材料層に選択的に形成する導
    電体層は必要箇所が導電体粒子を通過可能でありそれ以
    外は通過不能でありかつ取り外し可能のマスクを介して
    該セラミック材料層に導電体粉末をスパッタリング若し
    くは蒸着法により形成する請求項3記載のセラミック電
    子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 セラミック材料層はセラミック誘電体材
    料層であり、導電体層は内部電極層であり、積層体の焼
    成体は積層セラミック素体であり、積層セラミックコン
    デンサを製造する請求項3又は4記載のセラミック電子
    部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6942901B1 (en) 1999-01-07 2005-09-13 The Penn State Research Foundation Fabrication of particulate tapes by electrophoretic deposition
JP2008103630A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂基板内蔵用キャパシタ材料の製造方法
WO2024070428A1 (ja) * 2022-09-27 2024-04-04 太陽誘電株式会社 セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法
WO2024070427A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 太陽誘電株式会社 セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法

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