JPH0876152A - レーザ走査発振装置 - Google Patents

レーザ走査発振装置

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JPH0876152A
JPH0876152A JP6270789A JP27078994A JPH0876152A JP H0876152 A JPH0876152 A JP H0876152A JP 6270789 A JP6270789 A JP 6270789A JP 27078994 A JP27078994 A JP 27078994A JP H0876152 A JPH0876152 A JP H0876152A
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laser
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ走査発振装置において、機械的な可動
部を不要として走査安定性を向上し、さらに2次元以上
の走査を可能とする。 【構成】 ピッチd1 で2次元状に配されたN個のアレ
イレーザ10から出射する、波長λのコヒーレントに発振
するレーザ光束Liを、焦点距離f1 のフーリエ変換レ
ンズ20に入射し、このフーリエ変換レンズ20のフーリエ
変換面SA上に角スペクトル差Δαで交差させ、このフ
ーリエ変換面SA上に配設されたフーリエ変換レンズア
レイ光学系30により、入射したレーザ光束Liを微小領
域に分割する。走査駆動手段70によって駆動される位相
変調手段60により、このレーザ光束Liを微小領域ごと
に位相変調し、レーザ光束Lの波面を全体として光軸に
垂直な方向から傾け、これにより進行方向が光軸に対し
て傾いたレーザ光束L′を得る。走査駆動手段70により
位相変調パターンを変えることにより、レーザ光束の向
きを自在に変えて走査可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ走査発振装置に関
し、詳細には機械的な可動部のない外部共振器型のレー
ザ走査発振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりレーザは、情報の記録された媒
体からその情報を読み取り、あるいは情報を記録媒体に
記録するなど、種々の分野でスキャナとして使用されて
いる。
【0003】このようにスキャナとして使用されるレー
ザはレーザ装置から予め設定された所定の一方向に出射
され、この所定の方向に出射されたレーザ光束は回転す
るポリゴンミラーやガルバノメータを用いた光偏向器等
の走査系に入射され、その回転方向や偏向方向に応じた
方向に反射されることによって走査される。通常この走
査は1次元走査であるが、必要に応じて、上述の1次元
走査系にこの走査系とは異なる方向へ走査を行う他の走
査系を組み合わせることによって2次元走査を実現して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来用
いられている走査系は、回転部などの機械的な可動部を
有するため、走査安定性には限度があり、走査速度を向
上させたうえで走査精度を向上させるのは困難である。
また単一の走査系では、上述のように1次元走査のみが
可能であり、2次元以上の走査を実現することができな
い。さらに走査光の光量を増大するために複数の光源よ
りそれぞれ出射した複数のレーザ光束を同時に走査する
場合は、変調素子を必要とし、これらの光束の間隔など
を精密に制御するのは困難である。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、機械的な可動部を有さず、2次元以上の走査を可
能とし、複数のレーザ光束を容易に合波して光量を増大
することを可能としたレーザ走査発振装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ走査発振
装置は、通過する所定の仮想面上において互いに所定の
角スペクトルをもって交差する、複数のレーザ光束を出
射するレーザ光源と、この仮想面の近傍に設けられた、
レーザ光束を微小領域に分割してそれぞれフーリエ変換
するフーリエ変換レンズアレイ光学系と、フーリエ変換
レンズアレイ光学系によりフーリエ変換された後の複数
のレーザ光束の波面が、全体として所定の方向に対して
同位相となるように、微小領域に分割されたレーザ光束
ごとにレーザ光束の位相を変調するアレイ状の位相変調
手段と、フーリエ変換レンズアレイ光学系より出射され
るレーザ光束の進行方向を変化させるように、位相変調
手段を駆動する走査駆動手段と、走査駆動手段により走
査されるレーザ光束を受ける位置に設けられたレーザ光
束を反射する第1のレーザ共振器用ミラーおよびレーザ
光源の後方の位置に設けられた第2のレーザ共振器用ミ
ラーからなるレーザ共振器用ミラー光学系とを備え、前
記フーリエ変換レンズアレイ光学系の焦点距離およびア
レイピッチ、複数のレーザ光源の数およびレーザ光束の
波長、ならびにレーザ光束が交差する各位置における各
レーザ光束の角スペクトルの変化分が、フーリエ変換レ
ンズアレイ光学系のフーリエ変換面上に複製されるレー
ザ光源の多数のフーリエ変換像が全体として一定ピッチ
で並ぶように設定されたことを特徴とするものである。
【0007】このように設定されたレーザ走査発振装置
によれば、フーリエ変換レンズアレイ光学系を出射した
レーザ光束は、常に単一の波面を有しコヒーレントな合
波レーザを、光軸に対して傾斜した所望の方向に走査す
ることができる。なお、光軸に対して傾斜した所望の方
向とは、光軸方向をも含む意味である。また仮想面の近
傍に設けとは、仮想面とフーリエ変換レンズアレイ光学
系のフーリエ変換面とを近接させてフーリエ変換レンズ
アレイ光学系を設けることを意味するものである。この
近接には、仮想面とフーリエ変換レンズアレイ光学系の
フーリエ変換面とを一致させることをも含むものとす
る。
【0008】ここで上記第1のレーザ共振器用ミラー
は、透過率の低い半透鏡などで構成されるものであっ
て、この共振器構造内の増幅率が減衰率を上回るとき、
レーザ光束は共振器用ミラー光学系の間で繰り返し反射
される間に増幅され、その一部は第1のレーザ共振器用
ミラーを透過してこのレーザ走査発振装置より出射する
ものである。
【0009】また上記レーザ走査発振装置において、複
数のレーザ光束の光学的結合によって生じる合波レーザ
光束の強度分布パターンが略完全な単峰性となるよう
に、上記フーリエ変換レンズアレイ光学系のアレイピッ
チとレーザ光束が交差する位置における各レーザ光束の
角スペクトルの変化分との積の値を0を超え2未満に設
定することができ、この場合同位相で高出力のコヒーレ
ントな合波レーザを走査発振することができる。なお、
この値が1以外の場合には、フーリエ変換レンズアレイ
光学系を通過した後のレーザ光束の波面が全体として滑
らかに接続されるように各微小領域ごとに位相変調をす
る必要があるが、上記値が1の場合には特に位相変調を
行なう必要がなく、より望ましい。
【0010】なお上記レーザ光源は、各レーザ光源が各
別にレーザ光束を出射するレーザ光源が複数個配列され
たアレイレーザ光源であってもよいし、または上記所定
の仮想面に平行な面内の任意の位置から複数のレーザ光
束を出射し得るバルク状レーザ光源(媒体)であっても
よい。
【0011】また、レーザ光源の後端面と第2のレーザ
共振器用ミラーとの間であってレーザ光源の後端面にそ
のフーリエ変換面が一致するようにフーリエ変換レンズ
を設け、第1のレーザ共振器用ミラーにより反射されて
レーザ光源に入射しレーザ光源の後端面より出射したレ
ーザ光束を、該フーリエ変換レンズと前記第2の共振器
用ミラーにより位相共役なレーザ光束として反射して再
度該レーザ光源の後端面より入射させ、前記第1のレー
ザ共振器用ミラーにより反射されて前記レーザ光源に入
射するレーザ光束の位相分布に対して位相共役なレーザ
光束として前記レーザ光源から出射させる構成を採るこ
とができる。
【0012】このような構成を採ることにより、第1の
レーザ共振器用ミラーにより反射されてレーザ光源に入
射し再びレーザ光源より出射した、いわゆるラウンドト
リップしたレーザ光束の位相分布を、もとのレーザ光束
の位相分布と同一に維持することができる。
【0013】またこの構成による効果と同様の効果を得
るものとして、レーザ光源の後端面と第2のレーザ共振
器用ミラーとの間にコリメータレンズアレイおよびプリ
ズムを設け、第2のレーザ共振器用ミラーをプリズムの
反射面に配設して、第1のレーザ共振器用ミラーにより
反射されてレーザ光源に入射し該レーザ光源の後端面よ
り出射したレーザ光束を、該コリメータレンズアレイと
プリズムとにより位相共役なレーザ光束として反射して
再度該レーザ光源の後端面より入射させ、前記第1のレ
ーザ共振器用ミラーにより反射されて前記レーザ光源に
入射するレーザ光束の位相分布に対して位相共役なレー
ザ光束として前記レーザ光源から出射させる構成や、第
2のレーザ共振器用ミラーを位相共役ミラーとし、レー
ザ光源の後端面と位相共役ミラーとの間に集光光学系を
設け、第1のレーザ共振器用ミラーにより反射されてレ
ーザ光源に入射しレーザ光源の後端面より出射したレー
ザ光束を、該集光光学系と位相共役ミラーとにより位相
共役なレーザ光束として反射して再度該レーザ光源の後
端面より入射させ、前記第1のレーザ共振器用ミラーに
より反射されて前記レーザ光源に入射するレーザ光束の
位相分布に対して位相共役なレーザ光束とし前記レーザ
光源から出射させる構成を採ることもできる。
【0014】ここで上記集光光学系には、所定の距離の
自由空間も含むものとする。
【0015】さらに複数のレーザ光源を光軸に垂直な2
次元面内で斜交格子状に配置し、フーリエ変換レンズア
レイ光学系を構成する複数のフーリエ変換レンズ光学系
および位相変調手段を、レーザ光源の配置である斜交格
子に応じた相反格子状に配列することにより、より一層
稠密な配列のフーリエ変換レンズアレイ光学系を用いる
ことかできるため、レーザ光の合波効率を上げることが
できる。
【0016】なお上記「斜交格子状に配置する」とは、
所定の斜交座標系における2方向についてそれぞれ各別
に一定の間隔をもって周期的に(skew periodic )配置
することを意味するものである。
【0017】すなわち一般に、直交するx−y座標系に
おいて下記連立方程式(21),(22)の解として与えら
れる斜交格子上の点に配置すればよい。
【0018】
【数21】
【0019】また上記「斜交格子に応じた相反格子」と
は、直交するx−y座標系をフーリエ変換して得られる
1 −u2 直交座標系において、下記連立方程式(2
4),(25)の解として与えられる格子上の点を意味す
るものである。
【0020】
【数23】
【0021】
【作用および発明の効果】本発明のレーザ走査発振装置
によれば、レーザ光源より出射した複数のレーザ光束
が、互いに交差して通過する所定の仮想面上において互
いに所定の角スペクトルを有するため、この仮想面上
に、これら複数のレーザ光束による干渉縞(遠視野像)
が投影される。
【0022】この干渉縞は、上記仮想面にそのフーリエ
変換面が近接するような所定面上に配されたフーリエ変
換レンズアレイ光学系によって微小領域に分割される。
この微小領域に分割された遠視野像は、各微小領域ごと
に、フーリエ変換レンズアレイ光学系を構成する各レン
ズによって、このレンズアレイ光学系のフーリエ変換面
上に、前記複数のレーザ光源のフーリエ変換像として複
製される。ここで仮想面上の複数のレーザ光束が交差す
る各位置における角スペクトルの変化分、フーリエ変換
レンズアレイ光学系の焦点距離およびアレイピッチ、前
記複数のレーザ光源の数、並びにレーザ光束の波長が所
定の値に設定されているため、この複製された多数のフ
ーリエ変換像は一定ピッチで並ぶ。
【0023】このレーザ走査発振装置の共振器構造内で
発振可能なスーパーモードは、共振器構造内を自己無撞
着に伝搬する各レーザの振幅と位相とのセットで決定さ
れる。これは共振器を表す固有値方程式の解ベクトルと
して与えられ、レーザ光源の数だけの固有モードが存在
する。
【0024】本発明のレーザ走査発振装置の共振器構造
内で発振可能な固有モードのうち、フーリエ変換レンズ
アレイ光学系より出射する各レーザ光束が所定方向に対
して同位相となる固有モードの、発振に必要なパワース
レシホールドゲイン値が、最も小さい。したがってフー
リエ変換レンズアレイ光学系より出射する各レーザ光束
が所定方向に対して同位相となる固有モードが、自己組
織的に形成されて発振する。このときフーリエ変換レン
ズアレイ光学系より出射する複数のレーザ光束は、全体
として単一の波面を形成する。
【0025】この同位相のレーザ光束が担持する前記レ
ーザ光源より出射した複数のレーザ光束のフーリエ変換
像のそれぞれに対して、隣接するフーリエ変換像の位相
とは僅かずつ異なるように、アレイ状の位相変調手段が
位相を順次進め、あるいは遅らせて変調する。そしてこ
の変調の度合いは、走査駆動手段により決定される。
【0026】このようにフーリエ変換像の位相を僅かず
つ進め、あるいは遅らせることにより、各レーザ光源は
フーリエ変換レンズアレイ光学系より出射するレーザ光
束の波面が全体としてその進めた位相または遅らせた位
相に対応した角度だけ光軸からずれた方向に対して同位
相となるように、出射レーザ光束がレンズアレイ光学系
のフーリエ変換面において所定の位相の傾きをもって発
振するモードが自己組織的に形成されて発振する。した
がってレーザ光束はその進めた位相または遅らせた位相
に対応した角度だけ光軸からずれた方向に進行する。
【0027】ここで変調する位相の程度を連続的に変化
させる走査駆動手段によって、レーザ光束の進行方向を
連続的に、かつスムーズに変化させることができる。
【0028】進行方向が変化してフーリエ変換レンズア
レイ光学系より出射したレーザ光束は、共振器ミラー光
学系(半透鏡など)に入射し、入射方向と反対の方向に
反射され、通過した光路を逆方向に進行し、レーザ光源
に戻り、この光源の後方に設けられた共振器用ミラー光
学系の他方(反射鏡)により反射され、増幅率が減衰率
を上回ると、この2つの共振器ミラー光学系の間で反射
を繰り返す間に光束のパワーが増幅され、上述の共振器
ミラー光学系の一方(半透鏡など)より出射する。
【0029】この作用は、レーザ光束がどの方向に進行
した場合にも同様であるから、走査駆動手段による位相
変調手段の駆動によって、光軸に対するレーザ光束の進
行方向を連続的に変化させることができ、機械的な可動
部が不要となるため走査安定性、走査速度を向上するこ
ともできる。
【0030】また、レーザ光源、位相変調素子およびフ
ーリエ変換レンズを2次元状に配列することにより2次
元以上の走査も可能であり、また2次元状に配列するこ
とにより多数のレーザ光束を合波して光量の増大を図る
ことができる。この場合、上記各アレイの配列としては
最密構造をとることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明のレーザ走査発振装置の実施態
様について図面を用いて説明する。なお以下の解析は、
下記(i) 〜(iv)の前提のもとに行うものとする。
【0032】(i) アレイレーザを構成する各レーザは
単一縦および横モードで発振する。
【0033】(ii) アレイレーザを構成する各レーザは
エアリービームである。
【0034】(iii) アレイレーザを構成する各レーザ間
の結合は、共振器内のラウンドトリップによる結合効果
によってのみ結合している。
【0035】(iv) 共振器ミラーによって部分的に反射
されたもどり光はフーリエ変換レンズアレイ系によって
光量ロスおよび位相差なくアレイレーザを構成する各レ
ーザに振り分けられる。
【0036】図1は本発明の第1の実施例のレーザ走査
発振装置の構成を示す図である。図示のレーザ走査発振
装置は、波長λのコヒーレントに発振するレーザ光束L
iを出射するN個のレーザ光源11がピッチd1 で2次元
状に配されたアレイレーザ10と、アレイレーザ10に対向
して配された焦点距離f1 のフーリエ変換レンズ20と、
このフーリエ変換レンズ20のフーリエ変換面SA上に配
設された、アレイレーザ10の遠視野像を微小領域に分割
するビームエキスパンダアレイ(エキスパンダレンズア
レイ)31、複数のフーリエ変換レンズ33i がアレイ状に
配列されたフーリエ変換レンズアレイ33からなるフーリ
エ変換レンズアレイ光学系30と、フーリエ変換レンズア
レイ光学系30に対向して配された集光レンズ41、第1の
共振器ミラー42、アレイレーザ10のレーザ光束出射面の
裏面側に設けられた第2の共振器ミラー50からなる共振
器ミラー光学系40と、前記フーリエ変換レンズアレイ光
学系30のビームエキスパンダアレイ31とフーリエ変換レ
ンズアレイ33との間に設けられ、フーリエ変換レンズア
レイ光学系30によりフーリエ変換された後の前記複数の
レーザ光束の波面が、全体として所定の方向に対して同
位相となるように、微小領域に分割されたレーザ光束ご
とにレーザ光束の位相を変調する位相変調素子61がアレ
イ状に配された位相変調手段60と、フーリエ変換レンズ
アレイ光学系30より出射されるレーザ光束Lの進行方向
を、所望の周期で変化させるように、位相変調手段60を
駆動する走査駆動手段70とを備えてなる構成である。
【0037】また上記アレイレーザ10とフーリエ変換レ
ンズ20は、このフーリエ変換レンズ20のフーリエ変換面
SAにおいて、アレイレーザ10の各レーザ光源11より出
射されたレーザ光束Liがそれぞれ角スペクトル差(角
スペクトルαm の変化分)Δαを有して交差するように
配される。
【0038】なお、フーリエ変換レンズアレイ光学系30
は、フーリエ変換レンズ20のフーリエ変換面SAとフー
リエ変換レンズアレイ光学系30の前側のフーリエ変換面
SBとが一致するように配される。
【0039】ここで、アレイレーザ10を構成するレーザ
光源11の数N、フーリエ変換レンズアレイ光学系30のレ
ンズピッチ(アレイピッチ)p、フーリエ変換レンズア
レイ光学系30の焦点距離f2 、レーザ光束の波長λ、お
よび上記角スペクトル差Δαは下記式(1) ,(2) の関係
を満たすように設定されている。
【0040】
【数1】
【0041】
【数2】
【0042】なお、説明は簡単化のためにアレイレーザ
10およびフーリエ変換レンズアレイ光学系30等は、図1
の紙面内で1次元状に配列されたものと見なして解析を
行うものとする。上式(1) ,(2) は、下記式(3) ,(4)
に書き替えることもでき、複数のレーザ光源の近視野像
がフーリエ変換レンズアレイ光学系30のフーリエ変換面
SCに全体として等間隔で複製されるための条件を示す
ものである。
【0043】
【数3】
【0044】
【数4】
【0045】また、第1の共振器ミラー42の反射面の曲
率半径は、集光レンズ41により集光されるレーザ光束の
第1の共振器ミラー42における波面の曲率半径に等しく
設定されている。なおこの曲率半径の設定方法について
は後述する。
【0046】次に本実施例のレーザ走査発振装置の作用
について説明する。
【0047】アレイレーザ10を構成する各レーザ光源11
よりそれぞれ出射したレーザ光束Liは、フーリエ変換
レンズ20によりそのフーリエ変換面SAにおいて互いに
所定の角度差(λ・Δα)を有するように交差して重ね
合わされる。このフーリエ変換面SA上にアレイレーザ
10の遠視野像が形成され、そのフーリエ変換面SA上の
光軸からの距離uにおける振幅分布Ψ1 (u)は、各中
心角スペクトルαm を有する出射レーザ光束の振幅分布
を重ね合わせた干渉パターンとなり、下記式(5) で与え
られる。
【0048】
【数5】
【0049】この式(5) で与えられる振幅分布Ψ
1 (u)の干渉パターンは、フーリエ変換レンズアレイ
光学系30によりフーリエ変換レンズ光学系(ビームエキ
スパンダ31およびフーリエ変換レンズ33i )のアレイ数
に対応した多数の微小領域に分割され、フーリエ変換レ
ンズアレイ光学系30の後側のフーリエ変換面SC上の各
微小領域ごとにアレイレーザ10の近視野像が複製され
る。このときフーリエ変換レンズアレイ光学系30の後側
フーリエ変換面SC上の光軸(フーリエ変換レンズアレ
イ光学系30を構成する各フーリエ変換レンズ光学系の光
軸ではなく、フーリエ変換レンズアレイ光学系30全体の
光軸を指す)からの距離wにおけるアレイレーザ10の振
幅分布Ψ2 (w)は、下記式(6) で与えられる。
【0050】
【数6】
【0051】ここで上式(3) は、フーリエ変換レンズ20
のフーリエ変換面SA上に投影されるアレイレーザ10の
干渉稿のピッチの整数倍に、フーリエ変換レンズアレイ
光学系30のアレイピッチpが合致することを意味し、式
(3) を式(6) に代入し、位置ズレ量δ=0に設定するこ
とにより上記アレイレーザ10の振幅分布Ψ2 (w)は下
記式(7) のように変形することができる。
【0052】
【数7】
【0053】上式(7) によれば、アレイレーザ10のレー
ザ光源数Nが奇数の場合、あるいは上式(1) (または式
(3) )のIが偶数の場合、フーリエ変換レンズアレイ光
学系(以下、レンズアレイ光学系と略す)30の後側フー
リエ変換面SC上に複製されたアレイレーザ10の近視野
像が示す発振位相および強度は、アレイレーザ10を出射
したときの発振位相および強度を維持し、Nが偶数かつ
Iが奇数の場合は、レンズアレイ光学系30のアレイピッ
チpに対して交互に位相が反転した分布となる。このよ
うに位相が反転した場合は、レンズアレイ光学系30のア
レイピッチpに対応して発生するπの位相差を、位相変
調手段60により位相をπだけ変調することによって補正
することができ、レンズアレイ光学系30の後側フーリエ
変換面SC上に、発振位相の保存されたアレイレーザ10
の振幅分布が複製される。
【0054】ところで、上述のようにレンズアレイ光学
系30の後側フーリエ変換面SC上に複製されたアレイレ
ーザ10のピッチd2 、アレイレーザ10のビーム径D、フ
ィルファクタ(アレイレーザ10のピッチd2 に対するビ
ーム径Dの比)Fは、それぞれ以下の式(8) 〜(10)で表
される。
【0055】
【数8】
【0056】
【数9】
【0057】
【数10】
【0058】上式(10)より、フィルファクタFはI=1
のとき最大値をとり、このときフィルファクタFは効率
ηに反比例する。従って効率ηを小さくすることによっ
てフィルファクタFを大きくすることができる。
【0059】ここで本実施例のレーザ装置は、前記式
(2) (または(4) )を満足するように設定されているた
め、レンズアレイ光学系30を構成する複数のフーリエ変
換レンズ光学系のうち互いに隣接するフーリエ変換レン
ズ光学系によって複製されたアレイレーザ10の近視野像
間の距離もd2 となり、レンズアレイ光学系30の後側フ
ーリエ変換面SC上には全体として等ピッチのアレイレ
ーザ10の近視野像が投影される。
【0060】ここでフーリエ変換面SC上に複製された
アレイレーザ10の近視野像が全体として等ピッチに並ぶ
ということを図15を用いて詳細に説明する。図15の概念
図に示すように、レンズアレイ光学系30を構成する複数
のフーリエ変換レンズ光学系ごとに対応して複製される
アレイレーザ10の近視野像10A は、所定の間隔d2 でピ
ーク10Aiを示す。このピーク10Aiの位置はアレイレーザ
10を構成する複数のレーザ光源11のピッチd1 に対応し
たものである。ここで互いに隣接する2つのフーリエ変
換レンズ光学系により複製されたアレイレーザの2つの
近視野像10A に注目すると、この2つの近視野像10A の
間で互いに隣接する2つのピーク10Ai間の距離dA は、
前記式(2) (または(4) )を満足するとき、1つのフー
リエ変換レンズ光学系により複製されたアレイレーザ10
の近視野像10A のピーク10Aiのピッチd2 に等しく、こ
のようにフーリエ変換面SCにおけるアレイレーザ10の
近視野像10A の互いに隣接するピーク10Ai間の距離がす
べて等しいときに、アレイレーザ10の近視野像が全体と
して等ピッチに並ぶという。
【0061】このとき上式(7) は下記式(11)のように変
形される。なお、Nが偶数かつIが奇数の場合は、レン
ズアレイ光学系30のアレイピッチpに対して交互に反転
する位相分布は位相変調手段60によって補正されている
ものとする。
【0062】
【数11】
【0063】さらに、レンズアレイ光学系30のファーフ
ィールド(遠視野)におけるアレイレーザ10の振幅分布
Ψ3 (fw )は上式(11)をフーリエ変換することによっ
て求められ、これを下記式(12)に示す。
【0064】
【数12】
【0065】ここで、より具体的な構成について下記に
示す。まず各構成要素のパラメータを下記のとおりに設
定する。
【0066】 アレイレーザ10を構成するレーザ光源11の数N=9 アレイレーザ10のレーザ光源11間ピッチd1 =125 μm レーザ光束の波長λ=781.25nm フーリエ変換レンズ20の焦点距離f1 =8mm I=1 , η=1 レンズアレイ光学系のアレイ数M=21 これらの数値を式(1) ,(2) ,(8) 〜(10)に代入し、他
のパラメータの値を設定する。すなわち、 レンズアレイ光学系30のアレイピッチp=50μm レンズアレイ光学系30の焦点距離f2 =355.6 μm レンズアレイ光学系30の後側フーリエ変換面SCに複製
されたアレイレーザ10のピッチd2 =5.6 μm レンズアレイ光学系30の後側フーリエ変換面SC上に複
製されたアレイレーザ10のビーム径D=9.1 μm フィルファクタF=1.64 上述のように各構成要素のパラメータが設定されたレー
ザ走査発振装置によって出射されるレーザビームの遠視
野角θに対する強度分布を図2に示す。
【0067】図2より、本実施例のレーザ走査発振装置
は単峰性が十分確保された強度分布のレーザビームを出
射することが確認された。
【0068】次に本実施例のレーザ走査発振装置の発振
固有モードについて解析する。
【0069】このレーザ走査発振装置の共振器構造内で
発振可能なスーパーモードは、共振器構造内を自己無撞
着に伝播する各レーザの振幅と位相とのセットで決定さ
れ、次の固有値方程式(13)の解ベクトルとして表わさ
れ、N個のモードが存在する。
【0070】
【数13】
【0071】ここでRr は共振器構造内の反射マトリク
スを表し、eは固有ベクトル、rはレーザ後端面の振
幅反射率、rは出射ミラーの振幅反射率、σはスーパー
モードの複素伝達定数をそれぞれ示すものである。
【0072】上述の固有値方程式(13)より(ro
r)-1exp(−i2σL)はRr の固有値λνであ
り、共振器構造のスーパーモードはマトリクスRr の固
有ベクトルである。これによりこの共振器構造のスーパ
ーモードのパワースレシホールドゲインgνは固有値λ
νから次式(14)で与えられる。
【0073】
【数14】
【0074】また、反射マトリクスは共振器内のラウン
ドトリップによるアレイレーザ10を構成する各レーザ光
源11間の結合係数を表す。すなわち共振器構造内のラウ
ンドトリップにより、アレイレーザ10を構成するレーザ
光源11からそれぞれ出射されるレーザビームは光軸に対
して反対側に反射されて、その反射された位置にあるレ
ーザビームと結合する。さらに共振器ミラー42により反
射されたレーザビームはアレイレーザ10の出射面上に集
光することなく、回折効果によりビームは拡がって周辺
にある他のレーザビームと結合する。
【0075】ここで簡単のためレンズアレイ光学系30の
フーリエ変換面SC上に複製されるアレイレーザ10の近
視野像を2次的アレイレーザ光源とみなすと、アレイレ
ーザ10を構成するレーザ光源11間の結合は、2次的アレ
イレーザ光源間の共振器用ミラー光学系40での反射によ
る結合に等しい。光軸から距離y0 の位置にあるフーリ
エ変換面SC上の2次的レーザ光源が共振器ミラー42に
より反射されてフーリエ変換面SC上に集光される場合
について、光軸から集光位置までの距離yを求めると下
式(15)のように算出される(集光位置は各レーザビーム
のビーム径が十分小さいものとして近軸光線追跡により
求めた)(図3参照)。
【0076】
【数15】
【0077】上式(15)を整理するとy=−y0 となり、
光軸に対して対称の位置に反射されて結合する。したが
ってこの結合の効果と回折によるビームの拡がりの効果
との相乗作用により、上記結合係数を示す反射マトリッ
クスRr の各要素{rij}は、アレイレーザ10およびレ
ンズアレイ30が1次元状に配され、かつ前述の式(1)を
満足するとき次式(16)のように表わすことができる。
【0078】
【数16】
【0079】レンズアレイ30の後側フーリエ変換面SC
上に形成される2次的アレイレーザ光源10と、その2次
的アレイレーザ光源10が共振器ミラー光学系40によって
反射・結像される位置との間の距離zを大きくするのに
したがって、アレイレーザ光源10より出射する各レーザ
ビームLiは並列に、かつ均一に結合される。
【0080】位相変調を行なわない場合について、上記
固有値方程式(13)によりパワースレシホールドゲイン値
を計算した結果を図4に示す(前述のN=9の場合のも
の)。この図4からアレイレーザ10より出射する各レー
ザビームLiが同位相で発振する固有モード(ν=1)
のパワースレシホールド値が最も小さく、かつ、距離z
を大きくするのにしたがって速やかに他の固有モード
(ν=2〜9)とのパワースレシホールドゲイン値の差
が十分大きくなるため、各レーザビームLiが同位相で
発振する固有モードの弁別性が十分に確保されることが
確認された。
【0081】上述のように本実施例のレーザ走査発振装
置によれば、フーリエ変換レンズアレイ光学系と共振器
ミラー光学系とにより、アレイレーザをコヒーレントに
合波して発振させることができ、また前式(1) ,(2)
(または(3) ,(4) )を満足するように各構成要素のパ
ラメータを設定し、レンズアレイ光学系30の後側フーリ
エ変換面SCとその共振器ミラー光学系40により反射・
結像される位置との間の距離zを十分大きくすることに
より、各レーザビームを均一に結合することができる。
さらに式(1) (または(3) )のIを「1」に設定するこ
とにより、第1の共振器ミラー42より透過して出射する
合波レーザビームの強度分布を図2に示すような単峰性
の優れた強度分布とすることができ容易に高出力のレー
ザビームを得ることができる。
【0082】図5は、図1に示したフーリエ変換レンズ
アレイ33および位相変調手段60を通過した後のレーザ光
束の波面S,S′を示す図である。ここでアレイレーザ
10のレーザ光源数Nが奇数の場合または上記式(1) のI
の値が偶数の場合であって、位相変調素子61による位相
変調が行われていない場合には、レーザ光束Lの波面S
は実線で示すように、光軸に対して略垂直で、全体とし
て光軸方向に垂直な1つの波面を形成する。これは、ア
レイレーザ10を構成するレーザ光源11の数N、アレイレ
ーザ10のピッチd1 、フーリエ変換レンズ20の焦点距離
1 、フーリエ変換レンズアレイ光学系30のレンズピッ
チp、フーリエ変換レンズアレイ光学系30の焦点距離f
2 、レーザ光束の波長λが上記式(1) ,(2) (または
(3) ,(4))の関係を満たすように設定されており、か
つアレイレーザ10は各レーザLiが同位相で発振するモ
ードが自己組織的に形成されて発振するためである。
【0083】一方、位相変調手段60が走査駆動手段70に
より駆動されて、微小領域に分割されたレーザ光束ごと
に所定の位相の傾きに応じた位相変調が行われると、フ
ーリエ変換レンズアレイ光学系30から出射されるレーザ
光束の波面が全体として位相変調に対応した角度だけ光
軸に対して傾いた方向について同位相となるように、各
レンズ33i ごとの微小領域において図5の破線で示すよ
うな所定の傾きをもった波面S′(=S′1 ,S′2
S′3 ,S′4 ,…)で発振するモードが自己組織的に
形成される。
【0084】ここでNが偶数かつIが奇数の場合は、前
述したように、微小領域ごとに交互に反転する位相分布
を補正するように、位相変調手段60を走査駆動手段70に
より駆動すればよい。
【0085】上述の作用によりフーリエ変換レンズアレ
イ光学系30より出射したレーザ光束Lは、集光レンズ41
に入射し、この集光レンズ41により集光された後に、第
1の共振器ミラー42に入射する。
【0086】図6はこの集光の様子を示すものであり、
第1の共振器ミラー42の曲率半径の設定方法について説
明するものである。レンズアレイ光学系30より出射した
レーザ光束Lはガウスビームと見なすことができ、集光
レンズ41の焦点距離f3 の位置におけるビームウエスト
径dは下記式(17)で表すことができる。
【0087】
【数17】
【0088】ここで、|zl −f3 |の値はzB の値に
対して非常に小さい(|zl −f3|《zB )ため、上
式(17)は下記式(18)のように整理される。
【0089】
【数18】
【0090】したがって集光レンズ41の焦点距離f3
ら距離lにおけるレーザ光束Lの波面の曲率半径Rは、
下記式(19)で表すことができる。
【0091】
【数19】
【0092】第1の共振器ミラー42が、入射したレーザ
光束を常に入射方向と反対方向に反射するためには、入
射したレーザ光束の波面の曲率半径Rと等しい曲率半径
を有するミラー42に対して、集光レンズ41で屈折された
レーザ光束がミラー42に垂直に入射するように、集光レ
ンズ41からレンズアレイ光学系30の後側フーリエ変換面
までの距離zl が次式(20)を満たすように設定されれば
よい。
【0093】
【数20】
【0094】このように第1の共振器ミラー42により入
射方向と反対方向に反射されたレーザ光束Lは、第1の
共振器ミラー42と第2の共振器ミラー50との間で共振
し、増幅率が減衰率を上回ると、そのパワーが増幅さ
れ、コヒーレントに合波されたレーザ光束の一部が、第
1の共振器ミラー42の半透鏡面を透過して外部に出力さ
れる。
【0095】ここで走査駆動手段70により位相変調手段
60に所望の走査パターンの信号を入力することにより、
レーザ光束の位相を変調して光軸に対する波面の傾きを
変え、レーザ光束を所望の方向に走査することができ
る。
【0096】このように本実施例のレーザ走査発振装置
によれば、図2に示したような単峰性の優れた強度分布
のレーザ光束を1次元状に、あるいは2次元状に自在に
走査することができる。
【0097】なお、式(1) の左辺の値が整数「1」でな
い場合であっても、その値が0を上回る2未満の範囲の
値に設定された場合、位相変調手段60により、所定の位
相変調を施すことによって単峰性の優れた合波レーザ光
束を得ることができる。
【0098】ここで所定の位相変調とは、図7に示すよ
うにフーリエ変換レンズ33を通過した後のレーザ光の波
面が全体として滑らかに接続されるように、各位相変調
素子61を駆動して位相を変調することを意味するもので
ある。
【0099】ところで、上述の第1の共振器ミラーは必
ずしも入射するレーザビームを反対方向に反射せしめる
必要はない。
【0100】すなわち例えば図8に示すように、位相分
布が揃えられ、集光レンズ41を出射したレーザビームL
0 の波面S0 と、このレーザビームL0 のビームウエス
ト部で反射された反射ビームL1 の波面S1 とは一致す
る。したがって、像面湾曲収差の補正された集光レンズ
41によって集光されたレーザビームのビームウエスト部
に、光軸に垂直に平面状の共振器ミラー43を配置した構
成によっても、所定の走査角度の範囲内においては反射
レーザビームの波面が入射レーザビームの波面と重なる
ため、前述のコヒーレントに合波されたレーザ光束を得
ることができる。
【0101】したがって第1の共振器ミラーは、入射す
るレーザビームを必ずしも入射方向と反対の方向に反射
させるものには限るものではない。
【0102】ところで図9の実線で示されるようなアレ
イレーザ10からの出射レーザビームの波面に対し、走査
駆動手段70および位相変調素子61によりフーリエ変換レ
ンズアレイ光学系30からの出射レーザビームの波面が光
軸に対して対応する角度だけ傾いた方向について同位相
となるような位相変調を施すと、共振器ミラー42からフ
ーリエ変換レンズ20までの光学系はレーザビームの波面
に関して可逆な光学系となるため、共振器ミラー42によ
って反射され再びアレイレーザ10の出射端面まで到達し
た反射レーザビームの波面はアレイレーザ10からの出射
レーザビームの波面と等しくなる。ところが反射レーザ
ビームがアレイレーザ10を構成する各レーザ出射端面に
入射され第2の共振器ミラー50により反射されて再びア
レイレーザ10の出射端面に到達すると、再びアレイレー
ザ10の出射端面から出射されるレーザビームの波面は図
9の破線で示されるような光軸について対称な分布とな
る。従って共振器内をラウンドトリップとしてももとの
波面の位相分布とならず、位相の揃った合波がなされな
いことになる。実際には、導波路12が有限の幅を有する
ため、この導波路12の中を異なる方向に進む光路が存在
し、もとのレーザビームと同一位相を有する成分がもと
のレーザビームと結合する作用によりレーザビームの増
幅が行われるが、この場合の増幅効率は顕著に高いもの
ではないため、増幅効率を飛躍的に向上することができ
ない。
【0103】そこで、第1の共振器ミラー42により反射
され集光レンズ41を通過してアレイレーザ10に入射した
レーザビームの波面の光軸に対する傾きを変えて、ラウ
ンドトリップしたレーザビームの波面をもとの出射波面
と一致させることが増幅効率を高めるうえでより望まし
い。
【0104】図10はそのようなラウンドトリップしたレ
ーザビームの位相分布をもとの位相分布と一致させる構
成のレーザ走査発振装置の要部を示すものである。すな
わち図10(A)は、アレイレーザ10の後端面と第2のレ
ーザ共振器ミラー51との間であって、アレイレーザ10の
後端面からその焦点距離だけ離間した位置にコリメータ
レンズ53を設け、その後方にプリズム52を設け、さらに
第2のレーザ共振器ミラー51を、入射したレーザビーム
Liを光軸について対称の位置に出射するように、プリ
ズム52の2つの反射面に設ける。
【0105】この構成のレーザ走査発振装置によれば、
ラウンドトリップしてアレイレーザ10より出射したレー
ザビームLiは光軸について対称な位置より出射される
ため、その波面はもとの出射ビームの波面と一致し、増
幅効率を高めるうえで非常に有用である。
【0106】また図10(B)は、アレイレーザ10の後端
面と第2のレーザ共振器ミラー54との間であって、アレ
イレーザ10の後端面とそのフーリエ変換面が一致する位
置に、第1のレーザ共振器ミラー42により反射されてア
レイレーザ10に入射したレーザビームLiを光軸につい
て対称の位置に反射させるようにフーリエ変換レンズ55
を備えた構成のレーザ走査発振走査装置の要部を示す図
である。
【0107】この構成のレーザ走査発振装置によれば、
ラウンドトリップしてアレイレーザ10より出射したレー
ザビームLiは光軸について対称な位置より出射される
ため、その波面はもとの出射ビームの波面と一致し、増
幅効率を高めるうえで非常に有用である。なお上述の図
10(A),(B)に示したレーザの構成は一般にリング
レーザ構成と称される。
【0108】さらに図10(C)は、図10(B)の構成に
おいて、フーリエ変換レンズ55に代えて集光レンズ57を
使用し、また第2の共振器ミラーとして位相共役ミラー
56を使用した構成を採るものである。なお位相共役ミラ
ー56は、アレイレーザ10の後端面より十分離れた(アレ
イレーザ後端面からの出射レーザビームが十分に重ね合
わされる程度の)位置に配される。
【0109】位相共役ミラーとは、BaTiO3 などのフォ
トリフラクティブ媒質により形成され、位相補正作用,
時間反転性などの性質を有するミラーである(「はじめ
ての人への位相共役光学」(応用物理;第62巻,第6
号,567 〜574 ページ;1993)等参照)。
【0110】この構成のレーザ走査発振装置によれば、
第1の共振器ミラー42により反射されてアレイレーザ10
に入射し、位相共役ミラー56に入射したレーザビーム
が、この位相共役ミラー56により位相補正および時間反
転されてアレイレーザ10のもとの導波路12に戻る。した
がって、その波面はもとの出射波面と一致し、増幅効率
を高めるうえで非常に有用である。
【0111】また、上述のようなアレイレーザの後方に
おいて特殊な共振器ミラー光学系を使用することなく、
ラウンドトリップしたレーザビームの位相分布をもとの
レーザビームの位相分布と一致させる構成も採ることが
できる。
【0112】図11は、レーザ光源として複数の個別なレ
ーザ光源であるアレイレーザ10を用いる代わりに、固体
レーザ媒体のような連続的な任意の位置からレーザ発光
可能な媒体(以下、バルク状レーザ媒体という)を使用
する構成のレーザ走査発振装置を示す概略図である。
【0113】このレーザ走査発振装置によれば、レーザ
発光点の位置ずれが生じた場合、上式(6) において指数
関数の第3項は発光点の位置ずれを示すものであるか
ら、この位置ずれにより、レンズアレイ光学系30を構成
する各フーリエ変換レンズ光学系によって複製されるレ
ーザビームの位相分布は光軸に対して所定の傾斜角度を
有する。
【0114】このようなバルク状レーザ媒体13を用いて
構成したレーザ走査発振装置においては、共振器光軸方
向から所定角度傾斜した方向について同位相となるレー
ザビームを発振させるために走査駆動手段60により位相
変調素子61に与えた位相分布に、レンズアレイ33からの
出射レーザ光束の位相分布が重ね合わされて、全体とし
て上記所定角度傾斜した方向について同位相となるよう
に、バルク状レーザ媒体13内で自動的に複数個のレーザ
発光点が位置ずれを伴ってレーザ発光する。したがっ
て、ラウンドトリップしたレーザビームの波面をもとの
レーザビームの波面と一致させることができる。なお、
バルク状レーザ媒体13は励起光等により予め励起させて
おくものとする。
【0115】なお上記各実施例のレーザ走査発振装置
は、説明の簡単化のために1次元配列のアレイレーザに
ついて説明したが、光軸に垂直な平面上にレーザ光源11
を2次元面内に配列した場合(あるいは2次元状のバル
ク状レーザ媒体を用いた場合)に適用することもでき
る。以下、この2次元面内に配列されたアレイレーザに
よるレーザ装置について説明する。
【0116】図12(A)は多数のレーザ光源11が2次元
面(x−y座標系)内に配列されたアレイレーザ10″を
示す概念図である。図示のアレイレーザ10″は斜交周期
的に配列されており、一方の斜交格子軸をx軸とし、ア
レイレーザ10″の中心近傍にあるレーザ光源11を原点に
設定した配列である。このとき斜交格子軸の交点、すな
わち各レーザ光源11の配置位置は下記連立方程式(21),
(22)を満たすように設定されているものとする。
【0117】
【数21】
【0118】このように配置されたアレイレーザ10″を
図1に示したレーザ走査発振装置のアレイレーザ10と置
換した状態の概略図を図13に示す。アレイレーザ10″よ
りそれぞれ出射したレーザ光束はフーリエ変換レンズ20
によりそのフーリエ変換面SA(u1 −u2 座標系)上
において互いに所定の角度差を有するように交差して重
ね合わされ、干渉パターンを生じる。このフーリエ変換
面SA上においては、このアレイレーザ10″の遠視野像
が形成され、その振幅分布Ψ1 (u1 ,u2 )は下記式
(23)で表される。
【0119】
【数22】
【0120】式(23)により振幅分布Ψ1 (u1 ,u2
は、アレイレーザ10″の配列である斜交格子に対する相
反格子上にピークをもつ周期的な分布となり、各ピーク
を示す位置は下記連立方程式(24),(25)の解によって与
えられる。
【0121】
【数23】
【0122】このフーリエ変換面SA(u1 −u2 座標
系)上におけるピークの位置を図11(B)に示す。この
相反格子軸間の直交距離は下記式(26),(27)により与え
られる。
【0123】
【数24】
【0124】そこでこの相反格子と相似な周期構造を持
った位相変調素子61のアレイによる位相変調手段60″お
よびフーリエ変換レンズアレイ光学系30″(または単に
フーリエ変換レンズアレイ33′)を、u1 −u2 座標平
面SAに前側フーリエ変換面SBが一致するように設け
れば、相反格子上にピークを持つ周期的な分布となるア
レイレーザ10″の遠視野像は多数の微小領域に分割さ
れ、フーリエ変換レンズアレイ光学系30″の後側のフー
リエ変換面SC(w1 −w2 座標系)上に各微小領域毎
にアレイレーザ10″の近視野像が複製される(図13にお
いて位相変調手段60″およびフーリエ変換レンズアレイ
光学系30″を簡略化して記載している)。このときフー
リエ変換レンズアレイ光学系30″の後側フーリエ変換面
SC上におけるアレイレーザ10″の振幅Ψ2 (w1 ,w
2 )は、下記式(28)で与えられる。
【0125】
【数25】
【0126】
【数26】
【0127】ここでフーリエ変換レンズアレイ光学系3
0″のアレイピッチと、アレイレーザ10″の各レーザ光
源11より出射したレーザ光束の角スペクトルの変化分と
は、次式(29)、(30)の関係を満たすように設定されてい
る。下記式(29)、(30)は、フーリエ変換レンズ20のフー
リエ変換面SA上に投影され、アレイレーザ10″の配列
である斜交格子に対する相反格子上に周期的ピークを持
つ干渉縞の2方向のピッチの整数倍に、上記相反格子と
相似な周期構造を持ったフーリエ変換レンズアレイ光学
系30″の対応する各方向のアレイピッチP1 ,P2 が一
致することを意味している。
【0128】
【数27】
【0129】したがって上式(28)は下式(31)のように変
形される。なおフーリエ変換レンズ20のフーリエ変換面
SA上に投影されるアレイレーザ10″の干渉稿が、フー
リエ変換レンズアレイ光学系30″に対して位置ずれを生
じてないものとして位相差δ1 =0,δ2 =0とする。
【0130】
【数28】
【0131】さらにフーリエ変換面SC(w1 −w2
標系)において複製されるアレイレーザ10″の近視野像
が各方向ごとに一定ピッチで並ぶためには、次式(32),
(33),(34)を満たす必要がある。
【0132】
【数29】
【0133】なお、式(34)は複製された隣接するアレイ
レーザの近視野像間のずれが生じないための条件式であ
る。
【0134】なお、レンズアレイ光学系30″の後側フー
リエ変換面SCに複製されたアレイレーザ10″の近視野
像内のレーザビーム位置が重複する場合は、レンズアレ
イ光学系30″のフーリエ変換面SC上で全体として均一
な光強度となるように、各レーザ光源11の増幅率(レー
ザ光出力)を制御する必要がある。
【0135】またレンズアレイ光学系30″より出射され
たレーザ光束の遠視野での強度分布を略完全な単峰性の
ビーム形状とするためには、さらに式(29),(30)におい
てI1 =1,I2 =1と設定する必要がある。
【0136】なおアレイレーザは上述のように互いに異
なる2方向にそれぞれ周期的に配列されるものでなくて
もよい。例えば図14に示すように、少なくとも1方向に
周期的な配列構造のアレイレーザ10″であれば、フーリ
エ変換レンズ20のフーリエ変換面SA上にこの配列構造
に応じた周期的な配列構造の遠視野像が形成され、この
遠視野像の配列構造に応じた構造の位相変調手段60″お
よびフーリエ変換レンズアレイ33″を、その前側フーリ
エ変換面SBがフーリエ変換レンズ20のフーリエ変換面
SAと一致するように設けることにより、フーリエ変換
レンズアレイ33″の後側のフーリエ変換面SC上に、ア
レイレーザ10″の近視野像が全体として十分近接して複
製される。近視野像が十分近接して複製されれば、共振
器ミラー光学系により反射されたレーザ光束は光学的に
結合し、アレイレーザはコヒーレントに合波されて発振
し、これに所望の位相変調を施すことにより、共振器光
軸上の所望の位置にレーザビームを走査することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるレーザ走査発振装置の構成を示
す概略構成図
【図2】図1に示した実施例のレーザ装置によって出射
される合波レーザビームの振幅分布Ψ3 を示す振幅分布
【図3】2次的アレイレーザ光源より出射されたレーザ
ビームの軌跡を説明するための光路図
【図4】パワースレシホールドゲイン値の計算結果を示
すグラフ(N=9の場合)
【図5】図1に示したフーリエ変換レンズアレイ光学系
30および位相変調手段60を通過した後のレーザ光束の波
面S,S′を示す図
【図6】第1の共振器用ミラー42の曲率半径の設定方法
を説明するための説明図
【図7】フーリエ変換レンズアレイ光学系30の通過した
後の波面状態を示す概念図、(A)は位相変調を施す以
前の波面状態、(B)は位相変調を施した後の波面状態
【図8】ビームウエスト部に平面ミラーを傾斜させて配
置した構成のレーザ走査発振装置の例の要部を示す概略
【図9】光軸に対して傾斜した波面(位相分布)の反射
およびラウンドトリップによる変化を説明する説明図
【図10】ラウンドトリップによる位相分布の変化を補
正する構成のレーザ走査発振装置の例を示す概略図、
(A)コリメータレンズとプリズムを使用する構成,
(B)フーリエ変換レンズと平面ミラーを使用する構
成,(C)集光レンズと位相共役ミラーを使用する構成
【図11】バルク状レーザ媒体を使用するレーザ走査発
振装置の例を示す概略図
【図12】(A)2次元面(x−y座標系)内における
アレイレーザ10′を構成するレーザ光源11の配列状態示
す概念図,(B)フーリエ変換面(u1 −u2 座標系)
上におけるアレイレーザ10″の近視野像の振幅分布Ψ1
(u1 ,u2 )のピークの位置を示す概念図
【図13】斜交周期的に配列されたアレイレーザ10″を
使用するレーザ走査発振装置の例を示す概略図
【図14】1方向に周期的な配列構造のアレイレーザ1
0″を使用するレーザ走査発振装置の例を示す概略図
【図15】全体として等ピッチに並ぶアレイレーザの近
視野像を説明するための概念図
【符号の説明】
10 アレイレーザ 11 レーザ光源 20,33i フーリエ変換レンズ 30 フーリエ変換レンズアレイ光学系 31 ビームエキスパンダアレイ 33 フーリエ変換レンズアレイ 40 共振器用ミラー光学系 41 集光レンズ 42,50 共振器ミラー 60 位相変調手段 61 位相変調素子 70 走査駆動手段 L,L′ レーザ光束 S,S′ 波面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通過する所定の仮想面上において互いに
    所定の角スペクトルをもって交差する、複数のレーザ光
    束を出射するレーザ光源と、 前記仮想面の近傍に設けられた、前記レーザ光束を微小
    領域に分割してそれぞれフーリエ変換するフーリエ変換
    レンズアレイ光学系と、 該フーリエ変換レンズアレイ光学系によりフーリエ変換
    された後の前記複数のレーザ光束の波面が、全体として
    所定の方向に対して同位相となるように、該微小領域に
    分割されたレーザ光束ごとに該レーザ光束の位相を変調
    するアレイ状の位相変調手段と、 該フーリエ変換レンズアレイ光学系より出射される前記
    レーザ光束の進行方向を変化させるように、前記位相変
    調手段を駆動する走査駆動手段と、 該走査駆動手段により走査されるレーザ光束を受ける位
    置に設けられた該レーザ光束を反射する第1のレーザ共
    振器用ミラーおよび前記レーザ光源の後方の位置に設け
    られた第2のレーザ共振器用ミラーからなるレーザ共振
    器用ミラー光学系とを備え、 前記フーリエ変換レンズアレイ光学系の焦点距離および
    アレイピッチ、前記複数のレーザ光源の数および前記レ
    ーザ光束の波長、ならびに前記レーザ光束が交差する各
    位置における各レーザ光束の角スペクトルの変化分が、
    前記フーリエ変換レンズアレイ光学系のフーリエ変換面
    上に複製される前記レーザ光源の多数のフーリエ変換像
    が全体として一定ピッチで並ぶように設定されたことを
    特徴とするレーザ走査発振装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のレーザ光束の光学的結合によ
    って生じる合波レーザ光束の強度分布パターンが略完全
    な単峰性となるように、前記フーリエ変換レンズアレイ
    光学系のアレイピッチと前記レーザ光束が交差する位置
    における各レーザ光束の角スペクトルの変化分との積の
    値が0を超え2未満に設定されていることを特徴とする
    請求項1記載のレーザ走査発振装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光源がレーザ光束を各別に出
    射するレーザ光源が複数個配列されたアレイレーザ光源
    であることを特徴とする請求項1または2のうちいずれ
    か1項に記載のレーザ走査発振装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光源が、前記所定の仮想面に
    平行な面内の任意の位置からレーザ光束を出射し得るバ
    ルク状レーザ光源であることを特徴とする請求項1また
    は2のうちいずれか1項に記載のレーザ走査発振装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザ光源の後端面と前記第2のレ
    ーザ共振器用ミラーとの間であって該レーザ光源の後端
    面にそのフーリエ変換面が一致するようにフーリエ変換
    レンズを設け、前記第1のレーザ共振器用ミラーにより
    反射されて前記レーザ光源に入射し該レーザ光源の後端
    面より出射したレーザ光束を、該フーリエ変換レンズと
    前記第2の共振器用ミラーにより位相共役なレーザ光束
    として反射して再度該レーザ光源の後端面より入射さ
    せ、前記第1のレーザ共振器用ミラーにより反射されて
    前記レーザ光源に入射するレーザ光束の位相分布に対し
    て、位相共役なレーザ光束として前記レーザ光源から出
    射させるようにしたことを特徴とする請求項1から4の
    うちいずれか1項に記載のレーザ走査発振装置。
  6. 【請求項6】 前記レーザ光源の後端面と前記第2のレ
    ーザ共振器用ミラーとの間にコリメータレンズアレイお
    よびプリズムを設け、前記第2のレーザ共振器用ミラー
    を該プリズムの反射面に配設して、前記第1のレーザ共
    振器用ミラーにより反射されて前記レーザ光源に入射し
    該レーザ光源の後端面より出射したレーザ光束を、該コ
    リメータレンズアレイとプリズムとにより位相共役なレ
    ーザ光束として反射して再度該レーザ光源の後端面より
    入射させ、前記第1のレーザ共振器用ミラーにより反射
    されて前記レーザ光源に入射するレーザ光束の位相分布
    に対して位相共役なレーザ光束として前記レーザ光源か
    ら出射させるようにしたことを特徴とする請求項1から
    4のうちいずれか1項に記載のレーザ走査発振装置。
  7. 【請求項7】 前記第2のレーザ共振器用ミラーが位相
    共役ミラーであり、前記レーザ光源の後端面と該位相共
    役ミラーとの間に集光光学系を設け、前記第1のレーザ
    共振器用ミラーにより反射されて前記レーザ光源に入射
    し該レーザ光源の後端面より出射したレーザ光束を、該
    集光光学系と位相共役ミラーとにより位相共役なレーザ
    光束として反射して再度該レーザ光源の後端面より入射
    させ、前記第1のレーザ共振器用ミラーにより反射され
    て前記レーザ光源に入射するレーザ光束の位相分布に対
    して位相共役なレーザ光束として前記レーザ光源から出
    射させるようにしたことを特徴とする請求項1から4の
    うちいずれか1項に記載のレーザ走査発振装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のレーザ光源が光軸に垂直な面
    内で斜交格子状に配置され、前記フーリエ変換レンズア
    レイ光学系を構成する複数のフーリエ変換レンズ光学系
    および前記位相変調手段が前記斜交格子に応じた相反格
    子状に配列されたことを特徴とする前記を特徴とする請
    求項1から7のうちいずれか1項に記載のレーザ走査発
    振装置。
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