JPH0874684A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

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JPH0874684A
JPH0874684A JP21582894A JP21582894A JPH0874684A JP H0874684 A JPH0874684 A JP H0874684A JP 21582894 A JP21582894 A JP 21582894A JP 21582894 A JP21582894 A JP 21582894A JP H0874684 A JPH0874684 A JP H0874684A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
engine
value
correction coefficient
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JP21582894A
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English (en)
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Yuji Okumura
祐司 奥村
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発燃料キャニスタからのパージガスにより
機関空燃比の乱れが増大することを防止する。 【構成】 機関1の排気通路3に設けたO2 センサ31
出力に基づいて、機関空燃比をフィードバック制御する
制御回路20を設ける。制御回路20は蒸発燃料キャニ
スタ10からのパージガス流量を制御するパージ制御弁
15の開度を調節し、パージガスのパージ率を空燃比フ
ィードバック制御における空燃比補正係数の平均値FA
FAVに基づいて制御するとともに、空燃比補正係数平
均値FAFAVと最新の空燃比補正係数FAFとの差が
所定値以上に大きくなった場合にはパージ率変更を禁止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸発燃料を吸着するキ
ャニスタからのパージガスの機関吸気通路への供給を制
御する蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料タンクからの蒸発燃料が
大気に放出されることを防止するために、蒸発燃料をキ
ャニスタに吸着させ、機関運転時に該キャニスタにパー
ジ空気を通過させてキャニスタから吸着した燃料を放出
させるとともに、パージ空気と放出された燃料との混合
気(パージガス)を機関吸気通路に供給して機関で燃焼
させる蒸発燃料処理装置が知られている。
【0003】この種の蒸発燃料処理装置としては、例え
ば特開平6−2591号公報に記載されたものがある。
同公報の装置は、キャニスタから機関吸気通路に供給さ
れるパージガスのパージ率(パージガス流量QPGと機関
吸入空気量Qとの比、QPG/Q)を制御するパージソレ
ノイド弁を設け、このパージソレノイド弁の開度(デュ
ーティ比)を空燃比フィードバック制御におけるフィー
ドバック制御値の平均値に基づいて制御している。
【0004】すなわち、同公報の装置では、排気通路に
配置した空燃比センサ出力に基づいて機関空燃比を目標
空燃比にフィードバック制御しており、このフィードバ
ック制御値(FAF)がスキップ的に増大または減少す
る毎に、前回のスキップ直前のFAFの値と、今回スキ
ップ直前のFAFの値との平均値を算出する。また、パ
ージ率は、このFAF平均値の大きさに応じて増加また
は減少される。
【0005】パージガスが機関吸気通路に導入されると
パージガス中の蒸発燃料により機関に供給される全体の
燃料量は増大するため、機関空燃比はパージガス供給に
よってリッチ側に移行する。しかし、機関空燃比はフィ
ードバック制御により目標空燃比に制御されているた
め、リッチ側に移行した空燃比はフィードバック制御に
より目標空燃比に収束するようになる。この場合、パー
ジガス導入時の機関空燃比が目標空燃比から大きく外れ
ているとパージガス導入により機関空燃比の目標空燃比
からのずれが更に大きくなり、目標空燃比に収束するま
での時間が長くなる場合が生じる。
【0006】上記公報の装置は、FAF平均値に基づい
て機関空燃比の目標空燃比からの偏差を判断し、この偏
差が大きい場合にはパージ率を小さく設定してパージガ
スの影響により機関空燃比の目標空燃比からのずれが大
きくなることを防止したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
6−2591号公報の装置のようにFAFのスキップ変
化毎に算出されるFAF平均値に基づいてパージ率を制
御していると、逆に空燃比の乱れが大きくなる場合が生
じる。すなわち、上記公報の装置では機関空燃比は理論
空燃比を目標値としてフィードバック制御されており、
FAFは機関がリッチ空燃比からリーン空燃比に、また
はリーン空燃比からリッチ空燃比に反転した場合にスキ
ップ的に増大または減少される。このため、機関空燃比
がリッチ空燃比とリーン空燃比との間で周期的に変動し
ている場合には、FAFの平均値は適宜な時間間隔で算
出、更新され、FAF平均値は機関の空燃比に対応した
値となっている。
【0008】しかし、機関空燃比がリーンまたはリッチ
側の一方にずれた状態の運転が続くと空燃比の反転が生
じないためFAFの値は更新されず、空燃比のずれが生
じる前に計算された平均値が保持されることになる。例
えば、機関が定常運転状態からスロットル弁を全閉して
急減速したような場合には、機関吸入空気量の急激な低
下により機関空燃比は理論空燃比からリッチ側に大きく
外れた状態になる。このような状態では空燃比は反転し
なくなるため、パージ率は減速開始前に算出されたFA
Fの平均値に基づいて制御されることになる。従って、
減速開始前に算出されたFAF平均値によってはパージ
率が増大される場合が生じ、減速によりリッチになった
空燃比が更にリッチ側に移行してしまい空燃比の乱れが
増大する問題が生じる。
【0009】本発明は上記問題に鑑み、機関減速時等、
空燃比がリッチまたはリーン側にずれた状態で機関が運
転される場合に、パージガスによる空燃比の乱れの増大
を防止することが可能な蒸発燃料処理装置を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内燃機
関の排気通路に配置された空燃比センサと、前記空燃比
センサ出力に基づいて空燃比補正係数を算出する補正係
数算出手段と、前記空燃比補正係数に基づいて機関に供
給する燃料量を制御する手段と、前記補正係数算出手段
により算出された空燃比補正係数が極大値または極小値
に到達する毎に前記空燃比補正係数の平均値を算出する
平均値算出手段と、機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸
着するキャニスタと、前記平均値算出手段により算出さ
れた空燃比補正係数の平均値に基づいて前記キャニスタ
から機関吸気通路へ供給されるパージガスのパージ率を
制御するパージ制御手段と、前記補正係数算出手段によ
り算出された最新の空燃比補正係数の値と、前記平均値
算出手段により算出された空燃比補正係数の平均値との
差が所定値以上の場合に前記パージ制御手段によるパー
ジ率の変更を禁止する禁止手段、とを備えた蒸発燃料処
理装置が提供される。
【0011】
【作用】平均値算出手段は、空燃比補正係数が極大値ま
たは極小値に到達する毎に、すなわち機関空燃比が目標
空燃比に対してリッチ空燃比側とリーン空燃比側との間
で反転する毎に空燃比補正係数の平均値を算出する。従
って、機関空燃比が目標空燃比に対してリッチ空燃比側
またはリーン空燃比側にずれた状態が続き、空燃比補正
係数が増加または減少を続けていると、空燃比補正係数
の値は更新されず、空燃比のずれが生じる以前に算出さ
れた平均値がそのまま保持されることになる。このた
め、保持されている平均値と最新の空燃比補正係数の値
との差は徐々に大きくなる。
【0012】禁止手段は、上記平均値と空燃比補正係数
の最新の値との差が所定値以上になった場合、すなわ
ち、空燃比補正係数の平均値が現在の機関空燃比から予
め定めた範囲以上に外れた状態になった場合に、キャニ
スタのパージ率の変更を禁止する。
【0013】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明の蒸発燃料処理装置を車両用
内燃機関に適用した場合の構成を示す全体図である。図
1において、1は内燃機関本体、2は吸気通路、3は排
気通路をそれぞれ示す。
【0014】吸気通路2には、吸入空気量を直接計測す
る、例えばベーン型のエアフローメータ4が設けられて
いる。エアフローメータ4は、例えばポテンショメータ
を内蔵し、吸入空気量に比例したアナログ電圧の出力信
号を発生するものである。また、図1に6で示すのは、
吸気通路に設けられたスロットル弁であり、運転者のア
クセルペダル操作に応じて開閉し、機関1の吸入空気量
を制御する。
【0015】また、本実施例では、スロットル弁6に
は、スロットル弁が全閉になったときにアイドル信号
(LL信号)を出力するアイドルスイッチ8が設けられ
ている。アイドルスイッチ8からのLL信号は後述する
制御回路20の入力ポートに供給される。図1に10で
示すのは、機関の燃料タンク11からの蒸発燃料を吸着
するキャニスタである。キャニスタ10は、通路12を
介して燃料タンク11の上部空間に接続され、タンク内
の蒸発燃料をキャニスタ10内の活性炭等の吸着剤13
に吸着する。また、キャニスタ10は吸気通路2のスロ
ットル弁6下流側部分にパージ制御弁15を有するパー
ジ通路14により接続されている。パージ制御弁15
は、機関運転中に開弁され、キャニスタ10の吸着剤に
吸着された蒸発燃料を吸気通路2にパージする。すなわ
ち、パージ制御弁15が開弁するとキャニスタ10内に
は吸気通路2のスロットル弁6下流側の負圧が作用する
ため、キャニスタ10に設けられたパージ空気入口16
からはキャニスタ内に空気が流入する。このパージ空気
は吸着剤13に吸着された蒸発燃料を離脱させ、蒸発燃
料を含むパージガスとなってパージ通路14から機関吸
気通路2に流入し、機関燃焼室内で燃焼する。これによ
り、吸着剤13の蒸発燃料による飽和が防止される。
【0016】パージ制御弁15はソレノイドアクチュエ
ータを有する電磁弁とされ、後述のエンジン制御回路2
0によりソレノイドの駆動パルスのデューティ比(駆動
電流のオン時間に対する駆動電流のオン/オフ合計時間
の比)を制御することにより、パージ制御弁15を通過
するパージガスの量が調節される。本実施例では、後述
するように、制御回路20は機関空燃比に応じてパージ
ガス率、すなわちパージガス流量QPGと機関吸入空気量
Qとの比(QPG/Q)の値を設定し、エアフローメータ
4により検出された機関吸入空気量Qの値から上記パー
ジ率を得るのに必要なパージ制御弁15開度(駆動パル
スデューティ比)を設定する。
【0017】これにより、機関吸入空気量が変動しても
機関吸入空気量Qに対するパージガス流量QPGの割合は
一定に保たれるため、パージガスにより機関空燃比が大
きく変動することが防止される。なお、パージ制御弁1
5としては、電磁弁に限らず制御回路20の制御信号に
応じてパージガスの流量を制御可能な形式のものであれ
ば本発明に使用することができる。
【0018】また、図1に7で示したのは、機関1の各
気筒の吸気ポートに機関燃料ポンプ(図示せず)からの
加圧燃料を噴射する燃料噴射弁である。燃料噴射弁7は
エンジン制御回路20の制御信号に応じて開弁し、開弁
時間に比例した量の燃料を機関吸気ポートに供給する。
また、機関排気通路3には、O2 センサ31と、その下
流に触媒コンバータ35とが設けられている。触媒コン
バータ35は三元触媒を内蔵し、排気空燃比が理論空燃
比近傍の場合に排気中のNOX 、HC、COの三成分を
同時に浄化する機能を有する。また、O2 センサ31は
排気中の酸素濃度を検出し、排気空燃比が理論空燃比よ
り大きいか(リーン側か)、小さいか(リッチ側か)に
応じた出力電圧を発生するものである。本実施例では、
2 センサ31の出力はエンジン制御回路に供給され、
2 センサ31の出力に基づいて機関の空燃比が理論空
燃比にフィードバック制御される。
【0019】図1に32で示すのは、機関1のディスト
リビュータに設けられた回転数センサである。回転数セ
ンサ32は、機関クランク軸回転数に応じた周波数のパ
ルス信号を発生するものである。図1に20で示すエン
ジン制御回路は、双方向性バス21で相互に接続された
ROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダム
アクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)
24、入力ポート25及び出力ポート26とを備えてい
る。
【0020】制御回路20は、機関の燃料噴射制御、回
転数制御等の基本制御を行う他、本実施例では、後述す
るようにパージ制御弁15の駆動パルスのデューティ比
を調節してパージ率を制御するパージ制御を行ってい
る。これらの制御のため、制御回路20の入力ポート2
5には、エアフローメータ4及びO2 センサ31の出力
がマルチプレクサ内蔵型AD変換器27を介して入力さ
れている他、機関冷却水温度等を表す信号が図示しない
センサからAD変換器27を介して入力されている。更
に、制御回路20の入力ポート25には機関回転数の演
算のために回転数センサ32の回転数パルスが入力され
ている。
【0021】また、制御回路20の出力ポートは、図示
しない駆動回路を介して燃料噴射弁7とパージ制御弁1
5とにそれぞれ接続され、燃料噴射量とパージ制御弁1
5の開度との制御を行っている。次に、図2、図3を用
いて本実施例のパージ制御の前提となる機関空燃比制御
について説明する。本実施例では、図1の燃料噴射弁7
からの燃料噴射量TAUは制御回路20により以下のよ
うに設定される。
【0022】すなわち、制御回路20は一定クランク回
転角(例えばクランク軸1回転毎)に吸入空気量Qと機
関回転数NEとを用いて燃料噴射量TAUを次式により
計算する。 TAU={α×(Q/NE)×β}×FAF+γ ここでQ/NEは機関1回転当たりの吸入空気量であ
る。αは、予め定められた定数であり、α×(Q/N
E)は理論空燃比を得るために必要な燃料噴射量を表
す。また、β、γはそれぞれ機関運転状態に応じて設定
される補正係数、FAFは後述するように、排気通路の
2 センサ31の出力に応じて設定される空燃比補正係
数である。上記により燃料噴射量TAUが算出される
と、制御回路20は図示しない駆動回路を介して燃料噴
射弁7をTAUに相当する時間だけ開弁駆動し、TAU
に相当する量の燃料が各気筒の吸気ポートに噴射され
る。すなわち、運転条件が同一であれば、機関の燃料供
給量(空燃比)は空燃比補正係数FAFの値に応じて変
化する。
【0023】図2、図3は空燃比補正係数FAFの算出
ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンで
は、空燃比補正係数FAFは、O2 センサ31の出力に
基づいて機関空燃比を目標値(理論空燃比)にフィード
バック制御するように決定される。本ルーチンは制御回
路20により一定時間毎(例えば4ms毎)に実行され
る。
【0024】図2においてルーチンがスタートすると、
ステップ201では、O2 センサ31による空燃比の閉
ループ(フィードバック)条件が成立しているか否かが
判断される。例えば、冷却水温が所定値以下のときや、
エンジン始動中は閉ループ条件が成立しておらず、その
他の場合には閉ループ条件が成立する。閉ループ条、が
成立していないときには、図3ステップ230で空燃比
補正係数FAFの値を1.0にセットしてそのままルー
チンを終了する。ステップ201で閉ループ条件が成立
したときにはステップ202に進む。
【0025】ステップ202では、O2 センサ31の出
力V1 がA/D変換されて取込まれ、次いでステップ2
03ではV1 が比較電圧VR1以下、例えば0.45V以
下か否か、すなわち空燃比がリーンであるか否かを判断
する。空燃比がリーン(V1≦VR1) であれば、ステッ
プ204に進んでディレイカウンタCDLYが負か否か
が判断され、CDLY>0であればステップ205にお
いてCDLYを0とした後、ステップ206に進む。ス
テップ206では、ディレイカウンタCDLYが1減算
され、ステップ207、208においてディレイカウン
タCDLYが最小値TDLでガードされる。この場合、
ディレイカウンタCDLYが最小値TDLに到達したと
きにはステップ209において空燃比フラグF1が
“0”(リーン)とされる。なお、最小値TDLは負の
値である。
【0026】これに対してリッチ(V1 >VR1)であれ
ば、ステップ210においてディレイカウンタCDLY
が正か否かが判断され、CDLY<0であればステップ
211においてCDLYを0とした後、ステップ212
に進む。ステップ212ではディレイカウンタCDLY
が1加算され、ステップ213、214においてディレ
イカウンタCDLYが最大値TDRでガードされる。こ
の場合、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到
達したときにはステップ215において空燃比フラグF
1が“1”(リッチ)とされる。なお、最大値TDRは
正の値である。
【0027】次いで図3、ステップ216では、空燃比
フラグF1が反転(“0”→“1”または“1”→
“0”に変化)したか否かが判断される。空燃比フラグ
F1が反転したときには、ステップ217において空燃
比フラグF1の値により、リッチからリーンへの反転
か、リーンからリッチへの反転かが判断される。リッチ
からリーンへの反転であれば、ステップ218で現在の
FAFの値をリッチスキップ直前のFAF値(FAFS
R)としてRAM23に記憶した後、ステップ220に
おいて現在のFAF値をFAF+RSRとスキップ的に
増大する。また逆に、リーンからリッチへの反転であれ
ば、ステップ219で現在のFAFの値をリーンスキッ
プ直前のFAF値(FAFSL)としてRAM23に記
憶した後、ステップ221で現在のFAF値をFAF−
RSLとスキップ的に減少させる。
【0028】すなわち、ステップ220、221では空
燃比補正係数のスキップ処理が行われる。また、上記ス
テップ218、219の実行によりいずれかのスキップ
処理が実行される毎にスキップ処理実行直前のFAFの
値がFAFSR、FAFSLとして記憶される。後述す
るように、FAFSR、FAFSLの値はFAFの周期
的変動のそれぞれ極小値と極大値とを表している。
【0029】また、ステップ220、221のいずれか
のスキップ処理が行われると、ステップ222では、F
AFの平均値FAFVがFAFSRとFAFSLとの算
術平均(FAFSR+FAFSL)/2として計算さ
れ、RAM23に記憶される。すなわち、ステップ22
2では、ステップ220、221のスキップ処理が実行
される毎に、空燃比補正係数FAFの最新の極小値と極
大値との平均値FAFAVが算出される。
【0030】ステップ816で空燃比クラブF1の符号
が反転していなかったときにはステップ223、22
4、225において積分処理が行われる。ステップ22
3においてF1=“0”か否かが判断され、F1=
“0”(リーン)であればステップ224においてFA
FがFAF+KIRとされ、F1=“1”(リッチ)で
あればステップ225においてFAFがFAF−KIL
とされる。ここで、積分定数KIR、KILはスキップ
量RSR、RSLに比して十分小さく設定されている。
【0031】ステップ220、221、224、225
において演算された空燃比補正係数FAFはステップ2
26、227において最小値、例えば0.8にてガード
され、またステップ228、229において最大値、例
えば1.2にてガードされる。これにより、何らかの原
因で空燃比補正係数FAFが大きくなり過ぎ、もしくは
小さくなり過ぎるのが阻止される。
【0032】上述の空燃比制御において、遅れ時間TD
L、TDRは短時間の一時的なO2センサ出力31変動
により空燃比補正係数FAFが補正されることを防止す
るために設けられており、所定時間リーン状態またはリ
ッチ状態が続いた時のみ空燃比フラグF1を反転(0→
1または1→0に変化)させるためのものである。すな
わち、空燃比フラグF1により表される空燃比状態(リ
ッチ/リーン)はO2センサ31出力の短時間の変動に
対して安定したものとなっている。
【0033】また、上述のように空燃比補正係数FAF
は、空燃比フラグF1がリッチ状態のときには減少さ
れ、リーン状態のときは増大され、機関空燃比が理論空
燃比に近づくように燃料噴射量を増減補正する。図4
は、上記制御を実行した場合の機関空燃比(図4(A)
)、空燃比フラグF1(図4(B) )、空燃比補正係数
FAF(図4(C) 実線)及び平均値FAFV(図4(C)
点線)の定常運転中の変化を説明する図である。図4に
示すように、空燃比フラグF1(図4(B) )は機関空燃
比(図4(A) )がリーン空燃比からリッチ空燃比、また
はリッチ空燃比からリーン空燃比に反転した後所定時間
(TDR、TDL)経過後に0から1または1から0に
変化し、空燃比補正係数FAF(図4(C) 実線)は空燃
比フラグF1が0から1、または1から0に変化する毎
にスキップ状に増減される。 すなわち、それぞれのス
キップ直前のFAF値(図4(C) 、FAFSR、FAF
SL)はFAFの変動サイクル中のそれぞれ極大値と極
小値とを表すことになる。
【0034】また、図4(C) 点線に示すように空燃比補
正係数の平均値FAFAVは、FAFのスキップ処理が
行われる毎に、前回スキップ実行直前のFAF値(FA
FSLまたはFAFSR)と今回スキップ実行直前のF
AF値(FAFSRまたはFAFSL)の算術平均とし
て計算される。このため、スキップ処理が実行された
後、次回のスキップ処理が実行されるまではFAFAV
の値は更新されない。
【0035】図4に示したように、機関の安定した定常
運転が行われている場合には、機関空燃比は理論空燃比
を中心としてリーン側とリッチ側とに比較的短い周期
(例えば1秒程度)で振れるように空燃比補正係数FA
Fの値が変動し、空燃比補正係数の平均値FAFAVの
値は1.0近傍になる。このような場合には、FAFA
Vの値は機関の平均空燃比に対応した値となるため、後
述するようにFAFVの値に応じてパージガスのパージ
率を調節することにより、パージガスの影響で機関空燃
比が理論空燃比から大きく外れることが防止される。
【0036】ところが、機関の定常運転以外では空燃比
補正係数平均値FAFAVは必ずしも機関の平均空燃比
に対応した値にならない場合が生じる。例えば機関が定
常運転状態から減速に入った場合や、アイドル運転時に
レーシング(空ぶかし)を行った後等では、急激な吸入
空気量低下や、吸気負圧増大による吸気ポート壁面に付
着した燃料の気化などにより、機関空燃比は理論空燃比
よりリッチ側に移行する。このような場合も図2、図3
の空燃比フィードバック制御により、機関空燃比はある
程度の時間が経過すると理論空燃比近傍に修正され、リ
ッチ空燃比とリーン空燃比との間で周期的に反転を繰り
返すようになる。しかし、機関空燃比が理論空燃比近傍
に修正され、空燃比の反転が生じるようになるまでは空
燃比補正係数の平均値FAFAVは更新されず、機関空
燃比がリッチ空燃比に移行する前に計算された値がその
まま保持されることになる。
【0037】図5は上記により機関空燃比がリッチ側に
ずれた場合の機関空燃比(図5(A))、空燃比フラグF
1(図5(B) )、空燃比補正係数FAF(図5(C) 実
線)、平均値FAFAV(図5(D) 点線)の変化を示す
図4と同様な図である。図5(A) 、(B) に示すように、
機関空燃比がリッチ側にずれてF1の値が1になったま
まで変化しなくなると、図5(C) 実線に示すように、空
燃比補正係数FAFの値は図3ステップ223、225
の積分処理の実行によりガード値(本実施例では0.
8)に到達するまで減少を続ける。
【0038】一方、フラグF1の値が反転しないため、
この間空燃比補正係数の平均値FAFAVの値は更新さ
れず、空燃比がリッチ側に移行する前のFAFAVの値
がそのまま保持されることになる。このため、FAFA
Vの値はもはや機関の空燃比には対応しておらず、この
FAFAVの値に基づいてパージ率を制御していると、
機関空燃比が大幅にリッチになっているにもかかわらず
パージ率が増大されてしまい、機関空燃比の理論空燃比
からのずれが大きくなる。このように、機関空燃比が理
論空燃比から大きくずれた状態での運転が続くと、触媒
コンバータ35では排気ガスの浄化能力が低下し、特に
HC、COなどのエミッションが増大する問題が生じ
る。
【0039】本実施例では、制御回路20は図2、図3
のルーチンで計算される最新の空燃比補正係数FAFの
値とその平均値FAFAVの値とを比較し、これら2つ
の値の差が所定値以上になった場合には、FAFAVが
機関空燃比に対応しなくなったと判断してパージガスの
パージ率の変更を禁止するようにしている。これによ
り、実際の機関空燃比に対応していないFAFAVの値
に基づいてパージ率が増減制御されてしまい、空燃比の
乱れが大きくなることが防止される。
【0040】図6は本実施例の上記パージ制御動作を説
明するフローチャートである。本ルーチンは、制御回路
20により一定時間毎(例えば4ms毎)に実行される。
図6においてルーチンがスタートすると、ステップ60
1では、RAM23に格納した空燃比補正係数FAFと
平均値FAFAVとの値が読みだされる。なお、本ルー
チンは、図2、図3のルーチンと同じ時間間隔(本実施
例では4ms)で実行されるため、ステップ601で読み
だされるFAFの値は図2、図3のルーチンで算出され
た最新の値であり、またFAFAVの値は前回スキップ
処理が実行されたときの値となる。
【0041】次いで、ステップ603ではアイドルスイ
ッチ8の出力信号(LL信号)がオンか否かから機関が
アイドル状態(スロットル弁6が全閉の状態)であるか
否かが判定される。機関がアイドル状態にない場合に
は、ステップ607で空燃比補正係数の平均値FAFA
Vが、0.95から1.1の範囲にあるか否かを判定
し、この範囲にFAFAVがある場合にはステップ60
9でパージ率PGRを前回ルーチン実行時の値PGR
i-1 から所定値ΔPGR(例えばΔPGR=0.005
%)だけ増大させる。また、ステップ609終了後、ス
テップ611、613ではパージ率PGRを最大値PG
MAX でガードし、パージ率が無制限に増加することを
防止する。本実施例では、パージ率の最大値PGRMAX
は5%程度の値とされる。
【0042】ステップ607でFAFAVが上記範囲に
ない場合にはパージ率PGRの変更は行わず、そのまま
ルーチンを終了する。本実施例で、空燃比補正係数の平
均値FAFAVの値が0.95≦FAFAV≦1.1の
範囲にあるときにのみパージ率の変更を行うのは、空燃
比補正係数の値にはガード値(0.8≦FAF≦1.
2)が設けられており、図2、図3の空燃比制御ルーチ
ンの実行による機関空燃比の理論空燃比への修正の速度
が制限されるため、FAFAVの値が上記範囲外のとき
にパージ率を増大させると、パージガス導入による影響
を空燃比制御ルーチンで修正できなくなる場合が生じる
からである。
【0043】一方、ステップ603で機関がアイドル状
態にないと判断された場合には、次にステップ605に
進み、前回スキップ処理時に算出された空燃比補正係数
平均値FAFAVと、最新のFAFとの値との差の絶対
値が所定値(本実施例では0.1)以下か否かが判断さ
れる。この差が所定値以上である場合には平均値FAF
AVの値は機関の空燃比に対応していないと考えられる
ため、パージ率PGRの更新は行わずそのままルーチン
を終了する。また、FAFAVとFAFとの差が所定範
囲内であった場合には、ステップ607以下を実行して
FAFAVの値に基づいてパージ率PGRを変更する。
【0044】本実施例で、機関がアイドル状態の場合に
のみFAFAVとFAFとの差に基づいてパージ率変更
可否を判断(ステップ601、605)しているのは、
スロットル弁全閉状態の減速時等では前述のように機関
空燃比がリッチ側にずれる場合が生じることおよび、ス
ロットル弁全閉状態では機関吸入空気量の低下により機
関空燃比の変動周期(スキップ処理の間隔)が通常運転
時より長くなるため、FAFAVの更新間隔も長くな
り、FAFAVが機関空燃比と対応しなくなる場合が生
じるためである。なお、機関がアイドル状態にあるか否
かにかかわらずステップ605の判定を行い、パージ率
の更新可否を判断するようにしても良いことはいうまで
もない。
【0045】本実施例によれば、上記のようにFAFA
Vの値が実際の機関空燃比と対応しなくなった場合には
パージ率の更新が禁止されるため、例えば機関減速時
や、レーシング後のアイドル運転時、アイドル運転と走
行とが頻繁に繰り返される渋滞時等にパージガスにより
空燃比の乱れが大きくなることが防止される。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、空燃比補正係数平均値
FAFAVの値と最新の空燃比補正係数FAFの値との
差が所定値以上に大きくなり、平均値FAFAVが機関
の実際の空燃比を反映しなくなった場合にはパージ率の
更新が禁止されるため、パージガスの影響により空燃比
の乱れが増大することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸発燃料処理装置を適用した車両用内
燃機関の実施例の構成を示す概略図である。
【図2】図1の内燃機関の空燃比制御操作を説明するフ
ローチャートの一部である。
【図3】図1の内燃機関の空燃比制御操作を説明するフ
ローチャートの一部である。
【図4】図2、図3の空燃比制御を補足説明するタイミ
ング図である。
【図5】図2、図3の空燃比制御を補足説明するタイミ
ング図である。
【図6】図1の実施例のパージ制御操作を説明するフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関本体 2…吸気通路 7…燃料噴射弁 10…キャニスタ 11…燃料タンク 15…パージ制御弁 20…制御回路 31…O2 センサ31

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置された空燃比
    センサと、 前記空燃比センサ出力に基づいて空燃比補正係数を算出
    する補正係数算出手段と、 前記空燃比補正係数に基づいて機関に供給する燃料量を
    制御する手段と、 前記補正係数算出手段により算出された空燃比補正係数
    が極大値または極小値に到達する毎に前記空燃比補正係
    数の平均値を算出する平均値算出手段と、 機関燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタ
    と、 前記平均値算出手段により算出された空燃比補正係数の
    平均値に基づいて前記キャニスタから機関吸気通路へ供
    給されるパージガスのパージ率を制御するパージ制御手
    段と、 前記補正係数算出手段により算出された最新の空燃比補
    正係数の値と、前記平均値算出手段により算出された空
    燃比補正係数の平均値との差が所定値以上の場合に前記
    パージ制御手段によるパージ率の変更を禁止する禁止手
    段、とを備えた蒸発燃料処理装置。
JP21582894A 1994-09-09 1994-09-09 蒸発燃料処理装置 Pending JPH0874684A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6668808B2 (en) 2001-05-22 2003-12-30 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Controller for controlling an evaporated fuel amount to be purged
JP2006307858A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Ti Automotive Fuel Systems Sas 自動車の燃料タンクのための、ポンプ・モジュールおよびフィルターを備えた組合せ体
JP2015102077A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6668808B2 (en) 2001-05-22 2003-12-30 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Controller for controlling an evaporated fuel amount to be purged
JP2006307858A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Ti Automotive Fuel Systems Sas 自動車の燃料タンクのための、ポンプ・モジュールおよびフィルターを備えた組合せ体
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