JPH0873683A - 耐衝撃性に優れた樹脂組成物及びゴルフボール表皮材 - Google Patents

耐衝撃性に優れた樹脂組成物及びゴルフボール表皮材

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JPH0873683A
JPH0873683A JP6210199A JP21019994A JPH0873683A JP H0873683 A JPH0873683 A JP H0873683A JP 6210199 A JP6210199 A JP 6210199A JP 21019994 A JP21019994 A JP 21019994A JP H0873683 A JPH0873683 A JP H0873683A
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達也 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高反発弾性でなおかつ耐衝撃性に優れたゴル
フボール表皮材として有用なアイオノマー樹脂組成物を
提供する。 【構成】 不飽和カルボン酸含有量が5〜10モル%、
メルトフローレートが110〜500g/10分のエチ
レン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の6
0〜80モル%を二価の金属イオンで中和してなり、そ
のメルトフローレートが0.1〜5.0g/10分のア
イオノマー樹脂の少なくとも25重量%以上と、不飽和
カルボン酸含有量が5〜10モル%のエチレン−不飽和
カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも20
モル%以上を一価の金属イオンで中和した曲げ剛性率2
90MPa以上を有するアイオノマー樹脂とを配合す
る。 【効果】 本発明のアイオノマー樹脂組成物をゴルフボ
ールの表皮として使用することによって、飛距離と打撃
時の耐久性に優れたボールを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフボール表皮材と
して有用なアイオノマー樹脂組成物に関する。さらに詳
しくは、高反発弾性でかつなお耐衝撃性に優れたゴルフ
ボール表皮材用の特定のアイオノマー樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】従来のツーピースゴルフ
ボールや一部の糸巻きゴルフボールの表皮材にはアイオ
ノマー樹脂が多用されている。これは、アイオノマー樹
脂が反発弾性、耐カット性、耐衝撃性に優れ、かつ加工
しやすいという理由によるものである。特に、金属イオ
ンとしてナトリウムイオンを用いた反発弾性に優れるナ
トリウムアイオノマーと、亜鉛イオンを用いた耐衝撃性
及び耐カット性に優れる亜鉛アイオノマーを適当な割合
で溶融混合することにより、ナトリウムアイオノマーそ
のものよりも反発弾性が向上することが知られており、
この様なアイオノマー樹脂の混合物を表皮材として用い
たゴルフボールが提案され、広範に使用されている(米
国特許第3819768号明細書)。
【0003】一般にゴルフボールに要求される性能とし
ては、飛距離、コントロール性能、耐久性、打撃時の感
触等であるが、その中でも特に飛距離を伸ばしたいとい
うゴルファーの要求は非常に強い。ゴルフボールの飛距
離を伸ばすための一つの手法として、反発弾性の高い材
料を表皮材として用いることが有効であることが知られ
ており、これまでにも高反発弾性のアイオノマー樹脂及
びその混合物に関する多数の特許が提案されている。
【0004】特開平2−297383号公報には、反発
弾性に優れるゴルフボール用表皮材として、ナトリウム
アイオノマーよりも反発弾性に優れるリチウムイオンの
アイオノマーを主成分として、二価または三価の金属イ
オンのアイオノマーとの混合物が提案されている。さら
に、特開平2−149277号公報、特公平4−508
33号公報には、リチウムアイオノマーを一成分とした
反発弾性に優れるゴルフボール用表皮材が提案されてい
る。
【0005】また特開平3−207382号公報には、
反発弾性に優れるゴルフボール用表皮材として、エチレ
ン−アクリル酸共重合体をベースとした曲げ剛性率が3
000kg/cm2 (294MPa)以上のアルカリ金
属イオン中和アイオノマーと、曲げ剛性率1500kg
/cm2 (147MPa)以上の二価金属中和アイオノ
マーの混合物が提案されており、アルカリ金属イオン中
和アイオノマーの曲げ剛性率が3000kg/cm2
満では反発弾性が不足するので適さないとしている。さ
らに特公平4−49426号公報、特開平2−2687
79号公報には、エチレン−アクリル酸共重合体のアイ
オノマーを少なくとも一成分として用いた反発弾性に優
れるゴルフボール用表皮材が提案されている。
【0006】さらにまた特開平4−96771号公報に
は、不飽和カルボン酸含有量が16〜30重量%と高い
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を一価または二価
の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を表皮材中2
0重量%以上配合する反発弾性に優れるゴルフボールが
提案されている。さらに特開平6−114124号公報
には、不飽和カルボン酸含有量が18.5〜21.5重
量%と高いエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の二つ
以上のアイオノマーの混合物を用いた、高反発係数のゴ
ルフボール用表皮材が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしアイオノマー樹
脂は、反発弾性が高くなる程硬度及び剛性が高くなる傾
向にあるが、一方で硬度及び剛性が高くなる程耐衝撃性
が低下することが知られている。
【0008】従って上記従来技術は、ゴルフボールの反
発弾性を向上させる有効な手法と認められるが、同時に
表皮材の硬度及び剛性が高くなるため、この様な表皮材
を用いたゴルフボールは、飛距離を伸ばしたいというゴ
ルファーの要求は満たすものの、耐久性、耐衝撃性が悪
くなるという欠点も有していた。高反発弾性でかつ高剛
性のアイオノマー樹脂が、ゴルフボールの表皮材として
実用に供された例が少ないのは、耐衝撃性が劣っている
ことによると推定される。
【0009】本発明者らは、比較的メルトフローレート
の高いエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を二価の金
属イオンで所定割合中和した特定のアイオノマーと、エ
チレン−不飽和カルボン酸共重合体を一価の金属イオン
で中和した高反発弾性でかつ高剛性の特定のアイオノマ
ーとを、所定の割合で配合することにより、高い反発弾
性を有しながら耐衝撃性が著しく改善されることを見い
だした。
【0010】すなわち、本発明の目的は、高反発弾性で
なおかつ耐衝撃性に優れたゴルフボール表皮材として有
用なアイオノマー樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、二価の
金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と一価の金属
イオンで中和されたアイオノマー樹脂とから成る樹脂組
成物において、不飽和カルボン酸含有量が5〜10モル
%、メルトフローレートが110〜500g/10分の
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基
の50〜80モル%を二価の金属イオンで中和してな
り、そのメルトフローレートが0.1〜5.0g/10
分のアイオノマー樹脂(A)の少なくとも25重量%以
上と、不飽和カルボン酸含有量が5〜10モル%のエチ
レン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少
なくとも20モル%以上を一価の金属イオンで中和した
曲げ剛性率290MPa以上を有するアイオノマー樹脂
(B)とを配合してなる反発弾性及び耐衝撃性に優れた
樹脂組成物が提供される。
【0012】本発明によればまた、上記アイオノマー樹
脂組成物から成るゴルフボール表皮材が提供される。
【0013】
【作用】本発明では、特定の二価金属イオン中和アイオ
ノマー、すなわち不飽和カルボン酸含有量が5〜10モ
ル%、メルトフローレートが110〜500g/10分
のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル
基の60〜80モル%を二価の金属イオン、特に亜鉛イ
オン、マグネシウムイオンで中和してなり、そのメルト
フローレートが0.1〜5.0g/10分のアイオノマ
ー樹脂(A)と、高剛性の特定の一価金属イオン中和ア
イオノマー、すなわち不飽和カルボン酸含有量が5〜1
0モル%の不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基
の少なくとも20モル%以上を一価の金属イオン、特に
アルカリ金属イオンで中和した曲げ剛性率290MPa
以上を有するアイオノマー樹脂(B)とを選択し、これ
らを、少なくとも25重量%以上のアイオノマー樹脂
(A)を配合して組み合わせることにより、高い反発弾
性を有しながら著しく改善された耐衝撃性を有するゴル
フボール表皮材用樹脂組成物が得られる。
【0014】アイオノマー組成物から成るゴルフボール
表皮材として、高反発弾性のものを使用することは、ゴ
ルファーの求めるボールの飛距離を伸ばす上では重要で
あるが、一方で高反発弾性のアイオノマー組成物は一般
に硬度及び剛性が高くなる傾向があり、このような表皮
材は耐衝撃性が劣るという欠点を有していた。
【0015】本発明では、上記の特定のエチレン−不飽
和カルボン酸共重合体の二価金属イオン中和アイオノマ
ー(A)を選択し、これを特定の高反発弾性でかつ高剛
性のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一価金属イ
オン中和アイオノマーと組み合わせることによって、高
い反発弾性を有しながら著しく耐衝撃性を改善すること
に成功したものである。上記の選択及び組み合わせが重
要であることは、後述する例の表1及び表2を参照する
ことにより明白となろう。
【0016】この組成物をゴルフボール表皮材として使
用することにより、高反発弾性でなおかつ耐衝撃性に優
れたゴルフボールを提供できる。
【0017】
【発明の好適態様】本発明に用いるエチレン−不飽和カ
ルボン酸共重合体としては、エチレンと不飽和カルボン
酸との二元共重合体、あるいはエチレン、(メタ)アク
リル酸エステル及び不飽和カルボン酸の三元共重合体が
使用される。
【0018】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸ハーフエステ
ル、フマール酸ハーフエステル等の炭素数3〜8のエチ
レン系不飽和カルボン酸が上げられるが、アクリル酸、
メタクリル酸が好適である。
【0019】この共重合体には、(メタ)アクリル酸エ
ステルが共重合成分として含有されていてもよく、この
共重合成分として、例えば(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチルのようなアクリル
酸エステルやメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0020】このような(メタ)アクリル酸エステルの
共重合割合としては、0〜10モル%、特に0〜8モル
%が好ましい。またこの共重合体には、本発明の目的を
損なわない範囲で少量のスチレンあるいは酢酸ビニルな
どの他の単量体が共重合されていてもよい。かかる共重
合体は、高温、高圧下、各重合成分をランダム共重合す
ることによって得ることができる。
【0021】アイオノマー化の方法は、すでに知られて
いるように、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体
を、金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、酢酸
塩、アルコキシド等によって、溶融状態または水等の媒
体に溶解または懸濁した状態で、部分的または完全に中
和する方法等がある。
【0022】本発明の好適な態様では、エチレン−不飽
和カルボン酸共重合体の二価金属イオン中和アイオノマ
ー(A)として、不飽和カルボン酸含有量が5〜10モ
ル%、好ましくは5.4〜8.5モル%、メルトフロー
レートが110〜500g/10分、好ましくは150
〜350g/10分のエチレン−不飽和カルボン酸共重
合体のカルボキシル基の60〜80モル%、好ましくは
65〜80モル%を、二価の金属イオン、好ましくは亜
鉛及びマグネシウムからなる群より選択された少なくと
も一種の二価金属のイオン、特に好ましくは亜鉛イオン
で中和してなり、そのメルトフローレートが0.1〜
5.0g/10分、好ましくは0.4〜4.5g/10
分のアイオノマーを使用するのがよい。
【0023】不飽和カルボン酸含有量が上記範囲より少
ない共重合体を用いると、反発弾性の高い組成物が得ら
れず、また不飽和カルボン酸含有量が10モル%より多
い共重合体を用いると、吸湿性が大きく、また耐衝撃性
が低下するので好ましくない。
【0024】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の1
90℃、2160荷重におけるメルトフローレートが1
10g/10分よりも小さいと、金属イオンで中和した
アイオノマーの溶融状態での流動性が低くなり過ぎて成
形加工性を阻害し、またエチレン−不飽和カルボン酸共
重合体のメルトフローレートが500g/10分よりも
大きいと、耐衝撃性が劣るために好ましくない。
【0025】上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体
の二価金属イオンによる中和度が60モル%より低い
と、組成物の耐衝撃性の改善度合いが低く、また中和度
が80モル%よりも大きいと、アイオノマーの溶融状態
での流動性が低くなり過ぎて成形加工性を阻害するため
に好ましくない。
【0026】アイオノマーの190℃、2160g荷重
におけるメルトフローレートが0.1g/10分より小
さいと、溶融状態での流動性が低くなり過ぎて成形加工
性を阻害し、またメルトフローレートが5.0g/10
分より大きいと、耐衝撃性の改善効果が劣るために好ま
しくない。
【0027】本発明の好適な態様では、エチレン−不飽
和カルボン酸共重合体の一価金属イオン中和アイオノマ
ー(B)として、不飽和カルボン酸含有量が5〜10モ
ル%、好ましくは5.4〜8.5モル%のエチレン−不
飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも
20モル%以上、好ましくは25〜60モル%を一価の
金属イオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウ
ムのアルカリ金属からなる群より選択された少なくとも
一種の金属のイオンで中和した曲げ剛性率290MPa
以上、好ましくは300MPa以上を有するアイオノマ
ーを使用するのがよい。
【0028】不飽和カルボン酸含有量が5モル%より少
ない共重合体を用いると、反発弾性の高い組成物が得ら
れず、また不飽和カルボン酸含有量が10モル%より多
い共重合体を用いると、吸湿性が大きく、また耐衝撃性
が低下するので好ましくない。
【0029】中和度及び曲げ剛性が上記範囲より低い
と、反発弾性の高い組成物が得られないので好ましくな
い。
【0030】一価金属イオン中和アイオノマー(B)と
しては、190℃、2160g荷重におけるメルトフロ
ーレートが0.1〜30g/10分、特に0.5〜15
g/10分のものが好ましい。
【0031】本発明のエチレン−不飽和カルボン酸共重
合体の二価金属イオン中和アイオノマー(A)とエチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体の一価金属イオン中和ア
イオノマー(B)との組成物は、合計の重量を100重
量%とした時に、少なくともアイオノマー(A)が25
重量%以上配合されることが好ましい。
【0032】アイオノマー(A)の配合割合が上記範囲
よりも少ないと、耐衝撃性の改善効果が低く好ましくな
い。
【0033】本発明の上記組成物は、前記アイオノマー
(A)と前記アイオノマー(B)とを、プラスチック用
の単軸または二軸押出機、あるいはプラストミル、バン
バリーミキサー等のインテンシブミキサーを用いて、1
00〜280℃の温度下で溶融混練することによって得
られる。
【0034】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で少量の他の重合体を配合してもよい。
またゴルフボール表皮材に通常配合されているような種
々の添加剤を配合してもよいことは勿論である。このよ
うな添加剤として各種着色剤、無機充填剤、酸化防止
剤、耐候安定剤、分散剤などを例示することができる。
例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫黄亜鉛
などの顔料や各種染料、色素などが代表的な添加剤であ
る。
【0035】本発明の樹脂組成物による表皮は、公知の
ソリッドゴルフボール用コア及び糸巻きゴルフボール用
コアのいずれの被覆にも使用することができる。上記ソ
リッドコアとは、ゴムを主体とするゴム組成物を加熱
(架橋)して一体成形したものであり、糸巻きコアと
は、芯体上に糸ゴムを巻き付けたものである。
【0036】コアに表皮材を被覆する方法は特に限定さ
れるものではなく、通常の方法で行われる。例えば、本
発明によるアイオノマー樹脂組成物、あるいはそれに必
要に応じて他の成分を配合した表皮材用組成物を、あら
かじめハーフシェルと呼ばれる半球殻状に成形し、それ
を二枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分
間加圧成形するか、あるいは表皮材用組成物を直接射出
成形してコアを包み込む方法が採用される。表皮の厚さ
は通常1.0〜3.0mm程度である。そして表皮の成
形時に、必要に応じてボール表面にディンブルの形成が
行われ、また得られたボールは必要に応じてペイント仕
上げ、スタンプなどが施される。
【0037】
【実施例】次に例を上げて本発明をさらに詳細に説明す
る。なお本発明の組成物を調製するために使用したアイ
オノマー樹脂は表1の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】また組成物及び原料の物性を測定した試験
方法は以下の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR): JIS−K6760準拠 温度190℃、荷重2160g (2)引張強度及び伸び JIS−K6760準拠 180℃で熱プレス成形した2mm厚みのシートを打ち
抜いて測定試片とし、23℃、相対湿度50%下で14
日間放置後に測定を行った。 (3)曲げ剛性率:JIS−K7106準拠 180℃で熱プレス成形した3mm厚みのシートを打ち
抜いて測定試片とし、23℃、相対湿度50%下で14
日間放置後に測定を行った。 (4)硬度(ショアD硬度):JIS−K7215準拠 180℃で熱プレス成形した3mm厚みのシートを打ち
抜いて測定試片とし、23℃、相対湿度50%下で14
日間放置後にこれを重ね合わせて測定を行った。 (5)反発弾性率:JIS−K6301準拠 180℃で熱プレス成形した12.7mm、直径29.
0mmの直円柱形試片とし、23℃、相対湿度50%下
で14日間放置後に測定を行った。 (6)衝撃エネルギー:樹脂温度240℃、金型温度2
0℃にて射出成形した2mm厚み、120×120mm
の角板を作成し、23℃、相対湿度50%下で14日間
放置後に測定を行った。測定は高速衝撃試験機(レオメ
トリックス社製)を用い、先端半球状(5/8インチ
径)の打撃芯にて、−20℃雰囲気下で12時間調整し
た試験片の中央部を12m/秒の速度で打ち抜き、破壊
に要する衝撃エネルギーを測定した。
【0040】実施例〜、比較例〜 表2に示す配合の組成物を、40mmφ単軸押出機(ナ
カタニ機械(株)製)を用いて樹脂温度185〜190
℃、スクリュー回転数40rpmでメルトブレンドし、
得られた組成物の物性を評価した。その結果を表2に示
した。
【0041】比較例〜は、従来の技術に基づくゴル
フボール表皮材用のアイオノマー樹脂組成物である。反
発弾性を高くするために、メタクリル酸含有量の高いエ
チレン−メタクリル酸共重合体をベースとした一価金属
中和アイオノマーと二価金属中和アイオノマーとを組み
合わせた組成物となっている。これらの組成物では、反
発弾性が高くなるのに伴って剛性が高くなり、一方で明
かな耐衝撃性の低下が認められる。従来の技術では、反
発弾性を高くしようとすると付随的に耐衝撃性が低下
し、ゴルフボールの表皮材として好ましくないことが判
る。なお比較例は、ゴルフボール表皮材として従来使
用されている組成物(特開平6−79017号公報)で
ある。
【0042】実施例〜は、従来技術に基づく組成物
の中で最も反発弾性の高い比較例とほとんど同等の反
発弾性を有しながら、著しく良好な耐衝撃性を示してい
る。これらの組成物には、一価金属中和アイオノマーと
して、極めて高反発弾性でかつ高剛性のアイオノマーa
が共通して用いられているが、一方二価金属イオン中和
アイオノマーとしてはアイオノマーd、e、fがそれぞ
れ使われている。比較例に比べて、本発明に基づく一
価金属イオン中和アイオノマーと二価金属イオン中和ア
イオノマーとの組成物は、高い反発弾性を有しながら、
著しく改善された耐衝撃性を示すことが判る。
【0043】同様の傾向が実施例と比較例を比べた
場合、さらに実施例と比較例を比べた場合に認めら
れ、本発明に基づく組成物は高い反発弾性を有しながら
著しく改善された耐衝撃性を示すことが判る。
【0044】また比較例は、二価金属イオン中和アイ
オノマーとして中和度がやや低アイオノマーが使用され
ており、反発弾性は高いものの耐衝撃性の改善度合いが
不足している。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によって、高反発弾性でなおかつ
耐衝撃性に優れたアイオノマー樹脂組成物が提供でき
た。かかる組成物をゴルフボールの表皮として使用する
ことによって、飛距離と打撃時の耐久性に優れたボール
を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二価の金属イオンで中和されたアイオノ
    マー樹脂と一価の金属イオンで中和されたアイオノマー
    樹脂とから成る樹脂組成物において、不飽和カルボン酸
    含有量が5〜10モル%、メルトフローレートが110
    〜500g/10分のエチレン−不飽和カルボン酸共重
    合体のカルボキシル基の60〜80モル%を二価の金属
    イオンで中和してなり、そのメルトフローレートが0.
    1〜5.0g/10分のアイオノマー樹脂(A)の少な
    くとも25重量%以上と、不飽和カルボン酸含有量が5
    〜10モル%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の
    カルボキシル基の少なくとも20モル%以上を一価の金
    属イオンで中和した曲げ剛性率290MPa以上を有す
    るアイオノマー樹脂(B)とを配合してなる耐衝撃性に
    優れた樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記アイオノマー樹脂(A)の二価金属
    が、亜鉛及びマグネシウムからなる群より選択された少
    なくとも一種の二価金属である請求項1記載のアイオノ
    マー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記アイオノマー樹脂(B)の一価金属
    が、リチウム、ナトリウム及びカリウムのアルカリ金属
    からなる群より選択された少なくとも一種の一価金属で
    ある請求項1記載のアイオノマー樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記アイオノマー樹脂(A)及び(B)
    の不飽和カルボン酸が、アクリル酸及びメタクリル酸か
    らなる群より選択された少なくとも一種の不飽和カルボ
    ン酸である請求項1記載のアイオノマー樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和カルボン酸含有量が5〜10モル
    %、メルトフローレートが110〜500g/10分の
    エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基
    の60〜80モル%を二価の金属イオンで中和してな
    り、そのメルトフローレートが0.1〜5.0g/10
    分のアイオノマー樹脂(A)の少なくとも25重量%以
    上と、不飽和カルボン酸含有量が5〜10モル%のエチ
    レン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少
    なくとも20モル%以上を一価の金属イオンで中和した
    曲げ剛性率290MPa以上を有するアイオノマー樹脂
    (B)とを混合してなる耐衝撃性に優れたゴルフボール
    表皮材。
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