JPH0873401A - 脂環式ジカルボン酸及びそのエステル、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
脂環式ジカルボン酸及びそのエステル、並びにそれらの製造方法Info
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- JPH0873401A JPH0873401A JP6234171A JP23417194A JPH0873401A JP H0873401 A JPH0873401 A JP H0873401A JP 6234171 A JP6234171 A JP 6234171A JP 23417194 A JP23417194 A JP 23417194A JP H0873401 A JPH0873401 A JP H0873401A
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Abstract
ル基は、ビシナル炭素上に結合していないため、脂環式
ポリエステルの原料として使用する場合に立体障害が生
じにくい。
Description
ン酸及びそのジエステル、並びにそれらの製造方法に関
する。詳しくは、光学材料、構造材料などのポリエステ
ルのモノマー原料や添加剤として有用な新規な脂環式ジ
カルボン酸及びそのジエステル、並びにそれらの製造方
法に関する。
ン酸や脂環式ジオールなどの脂環構造を有するモノマー
を原料として得られるポリエステルは、透明性、耐熱
性、耐薬品性、寸法安定性などの物理的、化学的特性に
優れていることが知られている。かかるポリエステル
は、その脂環骨格が本来もっている特性を生かして、光
ディスク、光カードの基板や液晶表示素子用基板等のよ
うな各種光学材料や構造材料として極めて有用なポリマ
ー素材となる。
酸成分モノマー原料としては、たとえば、特開平3−2
00830公報、特開平5−5026公報、特開平5−
17560公報等に記載されているビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2, 3−ジカルボン酸、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3, 4−ジカルボン
酸、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .0
2,7 .09,14]ヘプタデカン−4, 5−ジカルボン酸等
の脂環式ジカルボン酸およびそのジエステルが知られて
いる。しかし、これらの公報に記載の脂環式ジカルボン
酸及びそのジエステルは、いずれも官能基であるカルボ
ン酸基またはそのエステル基がビシナル炭素上に結合し
ているため、お互いの立体障害が生じ、モノマーの反応
性に乏しく、高分子量化が困難である。その結果、得ら
れてくる脂環式ポリエステルは、分子量分布も広く、低
分子量縮合体が残存してくるという欠点を持っている。
そのため、従来より知られている脂環式ポリエステルは
ポリマー素材として透明性や機械的強度は優れているも
のの、耐熱性、耐湿性、耐薬品性等の特性を十分に発揮
しないという問題がある。
うな従来のビシナル結合型の脂環式ジカルボン酸及びそ
のジエステルの課題を解決すべくなされたものであり、
これに代わる新規な脂環式ジカルボン酸及びそのジエス
テル、並びにそれらの製造方法を提供するものである。
(2):
示す。)で表される脂環式ジカルボン酸ジエステル、一
般式(3):
般式(4):
示す。)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステ
ル、一般式(5):
酸、及び一般式(6):
示す。)で表される脂環式トランス−ジカルボン酸ジエ
ステル、並びに一般式(7):
3,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン
(以下ヘキサシクロヘプタデセンという)を出発原料と
して、この二重結合部分を酸化剤を用いて酸化開裂する
ことを特徴とする前記一般式(3)で表される脂環式シ
ス−ジカルボン酸の製造方法、さらにこれを炭素数1〜
4の1価アルコールでエステル化することを特徴とする
前記一般式(4)で表される脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルの製造方法、及び、前記一般式(4)で表さ
れる脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルに、触媒とし
て金属アルコキシド類を作用させ、エステル基が互いに
トランスの立体配置になるように異性化することを特徴
とする前記一般式(6)で表される脂環式トランス−ジ
カルボン酸ジエステルの製造方法、さらにこれを加水分
解することを特徴とする前記一般式(5)で表される脂
環式トランス−ジカルボン酸の製造方法に関する。
(7)で表されるヘキサシクロヘプタデセンは、公知の
方法により製造することができる。すなわち、ジエン化
合物であるシクロペンタジエン又はジシクロペンタジエ
ンと、脂環式ジエノファイル化合物であるノルボルネン
又はテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセンとのディールス・アルダー反応により得るこ
とができる。なお、反応生成物は、いろいろなディール
ス・アルダー付加体の混合物(例えば、シクロペンタジ
エンとノルボルネンの反応の場合には、両原料の1:1
付加体であるテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、目的物の2:1付加体であるヘ
キサシクロヘプタデセン、3:1付加体であるオクタシ
クロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .1
13,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセンなど)であ
るが、原料のジエン化合物とジエノファイル化合物の仕
込みのモル量論比や反応条件を適当に選択することによ
り、目的物のヘキサシクロヘプタデセンへの反応選択率
を向上することが一般的に知られており、減圧蒸留によ
って容易に単離することができる。
は、下記構造式:
る数種の幾何異性体混合物であるが、本発明ではこれら
幾何異性体混合物を使用しても何ら差し支えない。上記
構造式で表される単一の幾何異性体が必要な場合には、
再結晶により簡単に精製することができる。
ス−ジカルボン酸は、一般式(7)で表されるヘキサシ
クロヘプタデセンの二重結合部分を酸化剤を用いて酸化
開裂することにより得ることができる。
段階で酸化開裂してジカルボン酸を得る方法としては、
たとえば、過マンガン酸塩を用いる方法[ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサイアティ・パーキン・トランス・
1(J.Chem.Soc.,Perkin.Tran
s.1)806頁(1973年)]、重クロム酸塩を用
いる方法[オルガニック・シンセシス(Org.Syn
th.)第4巻698頁(1963年)]、ルテニウム
金属触媒存在下で過ヨウ素酸塩を用いる方法[ジャーナ
ル・オブ・オルガニック・ソサイアティ(J.Org.
Chem.)第46巻19頁(1981年)]、硝酸を
用いる方法(特開昭59−190945公報)、オゾン
を用いる方法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカ
ル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc. )第
81巻4273頁(1959年)]等が知られている。
本発明の一般式(3)で表される脂環式シス−ジカルボ
ン酸の製造には、これら公知の酸化開裂反応をそのまま
採用することができる。
々検討したところ、酸化剤として過マンガン酸塩、重ク
ロム酸塩または硝酸を用いる方法では、目的物である一
般式(3)で表される脂環式シス−ジカルボン酸の収率
は低かった。一方、酸化剤として過ヨウ素酸塩を用いる
方法及びオゾンを用いる方法では、いずれも目的物であ
る一般式(3)で表される脂環式シス−ジカルボン酸を
高収率で得られることが判明したが、反応処理が繁雑で
あったり、あるいは反応試薬が高価であったりして工業
的製造の見地から不利であることもわかった。
いて、鋭意検討を重ねた結果、酸化剤として過マンガン
酸塩を用い、酸性条件下で酸化反応を行えば、極めて高
収率で目的物である一般式(3)で表される脂環式シス
−ジカルボン酸が得られることを新たに見出した。かか
る新たな本発明の酸化開裂反応を利用した一般式(3)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸の製造方法は、通
常酸化開裂反応が行われるアルカリ〜中性条件下を、過
マンガン酸塩の酸化力が増大する酸性条件下とすること
によりなされたものである。以下、一般式(3)で表さ
れる脂環式シス−ジカルボン酸の製造方法を、かかる新
たな本発明の酸化開裂反応について説明する。
しては、過マンガン酸カリウムが一般的である。過マン
ガン酸塩の使用量は、酸化開裂反応が化学量論的反応で
あるため、一般式(7)で表されるヘキサシクロヘプタ
デセン1モルに対して、通常1モル当量以上、好ましく
は、2〜4モル当量使用するのがよい。
硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの各種の無機酸や有機酸が
用いられる。これら酸のなかでも、酸による分解物の生
成が少なく、安価な点から硫酸、塩酸などの無機酸が好
ましい。これらの酸は、水で希釈して水溶液として使用
してもよく、希釈せずにそのまま使用してもよい。かか
る酸の使用量は、一般式(7)で表されるヘキサシクロ
ヘプタデセン1モルに対して、通常、0.2〜3モル当
量、好ましくは0.4〜2モル当量の範囲で用いられ
る。0.2モル当量に満たない場合には低収率となり、
3モル当量を越える場合には酸による分解物が副生する
ため、いずれの場合も好ましくない。
としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定され
ず、たとえば、水、アセトン;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素類;メチルクロリド、ジクロロメタン、クロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。こ
れらの溶媒のなかでも、一般式(7)で表されるヘキサ
シクロヘプタデセンと過マンガン酸塩の溶解性を考慮す
れば、水と有機溶媒の混合溶媒を一般式(7)で表され
るヘキサシクロヘプタデセン1重量部に対して1重量部
以上用いるのがよい。より好ましくは、水:アセトンの
1:9〜9:1(重量比)の混合溶媒を一般式(7)で
表されるヘキサシクロヘプタデセン1重量部に対して3
重量部以上用いるのがよい。
式(7)で表されるヘキサシクロヘプタデセン、過マン
ガン酸塩及び酸は一括して最初から溶媒とともに仕込ん
で反応させてもよく、それぞれを連続的若しくは断続的
に系内に加えながら反応させてもよい。また、過マンガ
ン酸塩のみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき続
いて一般式(7)で表されるヘキサシクロヘプタデセン
及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させ
てもよく、一般式(7)で表されるヘキサシクロヘプタ
デセンのみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき続
いて過マンガン酸塩及び酸を連続的若しくは断続的に系
内に加えて反応させてもよい。さらには、一般式(7)
で表されるヘキサシクロヘプタデセン及び酸を先に仕込
んでおき続いて過マンガン酸塩を連続的若しくは断続的
に系内に加えて反応させてもよく、過マンガン酸塩及び
酸を先に仕込んでおき続いて一般式(7)で表されるヘ
キサシクロヘプタデセンを連続的若しくは断続的に系内
に加えて反応させてもよく、一般式(7)で表されるヘ
キサシクロヘプタデセン及び過マンガン酸塩を先に仕込
んでおき続いて酸を連続的若しくは断続的に系内に加え
て反応させてもよい。
しくは0〜40℃とするのがよい。反応時間は、一般式
(7)で表されるヘキサシクロヘプタデセンと過マンガ
ン酸塩の量論比及び反応温度に依存するが、通常2〜2
4時間とするのがよい。
ス−ジカルボン酸ジエステルは、得られた一般式(3)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸をp−トルエンス
ルホン酸や硫酸等の酸触媒存在下、炭素数1〜4の1価
アルコールでエステル化するといったごく一般的な方法
により容易に得ることができる。1価アルコールの具体
例としてはメタノール、エタノール、n−またはiso
−プロパノール、n−、sec−またはtert−ブタ
ノール等があげられる。なお、エステル化は、通常、1
価アルコール中で行い、1価アルコールは、一般式
(3)で表される脂環式シス−ジカルボン酸の3重量倍
が必要とされる。
ランス−ジカルボン酸ジエステルは、得られた一般式
(4)脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルを異性化す
ることにより製造できる。異性化は、触媒として金属ア
ルコキシド類を作用させることにより、容易に、しかも
高収率で起こる。一般に、カルボニル基のα位に水素を
もつ化合物は、塩基性触媒の存在下で“ケト−エノレ−
ト”型の速い平衡をもつことは知られており、本発明の
異性化反応はこのことを応用した手法であるが、本発明
のような多環式脂肪族化合物に置換したジエステル基の
シス−トランスの異性化に利用したは例なく、かかる本
発明の異性化は本発明者らが初めて見出したものであ
る。なお、本発明者らは前記異性化反応の触媒として、
水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物やリチウムジイソプロピルアミド(LDA)等の
アルカリ金属アミド類を試みたが、上記のアルコキシド
系触媒と比較すると異性化率が低くかったり、副反応を
併発したりして好結果をもたらすことができなかった。
金属アルコキシド類としては、例えばリチウム、ナトリ
ウムまたはカリウム等のアルカリ金属のメトキシド、エ
トキシド、n−プロポキシド、iso−プロポキシド、
n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブト
キシド、ペントキシド等があげられる。これらのアルカ
リ金属アルコキシドは、別途に合成されたものを用いて
もよく、本異性化反応の同じ系内で合成して用いてもよ
い(例えば、異性化反応に用いる溶媒中、または該反応
に不活性で適当な溶媒中でアルコールとアルカリ金属も
しくはアルカリ金属水素化物とを反応させて合成し、そ
のままその溶液を反応に用いる。)。また、これらの金
属アルコキシド類は、それぞれ単独で使用してもよく、
複数の該アルコキシドを混合して使用してもよい。触媒
の使用量は、特に制限はないが、一般式(4)で表され
る脂環式シス−ジカルボン酸ジエステル1モルに対して
0.05〜0.5モル当量の範囲で使用するのが好まし
い。触媒量が0.05モル当量より少ない場合は、異性
化が起こらないか若しくは進行が極めて遅く実用的では
ない。また、0.5モル当量より多いと、触媒が強アル
カリ性のためいろいろな副反応を併発する危険性がでて
くる。
可能であるが、通常は適当な溶媒を用いる方がよい。使
用する溶媒としては、一般式(4)で表される脂環式ト
ランス−ジカルボン酸ジエステルを完全にまたは部分的
に溶解する事ができ、反応に不活性であれば特に制限は
ない。かかる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノー
ル等のアルコール類等の有機溶媒があげられる。好まし
くはテトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類等
の非プロトン性の有機溶媒がよい。また、これらの溶媒
は、市販されているものをそのまま使用しても充分に好
結果は得られるが、単蒸留若しくは脱水蒸留したものを
用いると一層よい。
℃、好ましくは−10〜50℃とするのがよい。反応時
間は、上述してきたような条件下では速やかに異性化が
完了する。従ってほとんどの場合5時間以内で充分であ
る。
ランス−ジカルボン酸は、得られた一般式(6)で表さ
れる脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルを加水分
解することにより製造できる。加水分解は、ごく一般的
な酸触媒存在下またはアルカリ触媒存在下の両条件で容
易に行うことができる。酸触媒としては、塩酸、硫酸等
を例示でき、アルカリ触媒としては水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等を例示できる。
ン酸及びそのジエステル、並びにそれらの製造方法が提
供される。かかる本発明の脂環式ジカルボン酸及びその
ジエステルは光学材料、構造材料などのポリエステルの
モノマー原料や添加剤として有用である。特に、官能基
であるカルボン酸基またはそのエステル基は、ビシナル
炭素上に結合していないため、脂環式ポリエステルの原
料として使用する場合には立体障害が生じにくい。ま
た、本発明によれば一般式(3)および一般式(4)で
表されるシス体、または一般式(5)および一般式
(6)で表されるトランス体のみを選択的に製造できる
ため、シス体またはトランス体の脂環式骨格のみをポリ
エステル中に導入できる。なお、本発明の新規な脂環式
ジカルボン酸及びそのジエステルは、一般式(1)およ
び一般式(2)で表されるようにシス体またはトランス
体にとらわれずにラセミ体として使用できることはもと
よりである。
的に説明するが本発明はこれらの実施例のみに何ら限定
されるものではない。また、各脂環式ジカルボン酸また
はそのジエステルの物性値、スペクトル等の測定には次
の装置を使用した。
((株)ヤナコ機器開発研究所製)。 NMR:BRUKER ARX300(ブルカー社
製)。 IR:FT−IR FTS−7(バイオ・ラッド社
製)。 元素分析:エレメンタルアナライザー 2400CHN
(パーキンエルマー社製)。
ペンタデカン−シス−10, 12−ジカルボン酸(一般
式(3)で表される脂環式シス−ジカルボン酸)の合成 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた5Lセパ
ラブルフラスコにアセトン2L、水700mL、硫酸3
5.5mL(0.67モル)、過マンガン酸カリウム3
02g(1.91モル)を仕込み、10〜15℃で撹拌
しながら一般式(7)で表されるヘキサシクロヘプタデ
セン144g(0.64モル)を1時間かけて滴下し、
更に室温で24時間反応を行った。その後、反応混合物
より生成した二酸化マンガンを除去した後、濾液を減圧
濃縮し、一般式(3)で表される脂環式シス−ジカルボ
ン酸の粗結晶151gを得た。ジメチルスルホキシド
(DMSO)140mL、水115mLの混合溶媒から
再結晶し、融点(分解)=256〜258℃の白色結晶
125gを得た(一般式(7)で表されるヘキサシクロ
ヘプタデセンからの収率67モル%、以下単に%とい
う)。この結晶は 1H−NMR、13C−NMR、IR及
び元素分析により同定し、目的の一般式(3)で表され
る脂環式シス−ジカルボン酸であることを確認した。以
下に、スペクトルデ−タを示す。
9−0.93(m, 4H)、1.37−1.42(m,
3H)、1.57(s, 2H)、1.66(dt, 1
H)、1.72(d, 1H)、2.03(s, 4H)、
2.16(q, 1H)、2.56(d, 2H)、2.8
8−2.98(m, 2H)、12.05(s, 2H)
(ppm)。
4.05、49.65、47.02、44.06、4
3.73、38.70、35.63、34.79、3
2.57、30.98(ppm)。
687、1265、1202(cm-1)。
ムを最初に仕込んでおき、続いて、硫酸と一般式(7)
で表されるヘキサシクロヘプタデセンを別々の滴下ロー
トより、1時間かけて反応系内へ滴下する方法に変えた
他は実施例1と全く同様に行った。その結果、再結晶し
た後に、130gの白色結晶を得た(収率70%)。 1
H−NMR、13C−NMR、IR及び元素分析により、
実施例1の一般式(3)で表される脂環式シス−ジカル
ボン酸と同一化合物であることを確認した。
ル)に変えた他は全く実施例1と同様に行った。その結
果、再結晶した後に、122gの白色結晶を得た(収率
66%)。 1H−NMR、13C−NMR、IR及び元素
分析により、実施例1の一般式(3)で表される脂環式
シス−ジカルボン酸と同一化合物であることを確認し
た。
ペンタデカン−シス−10, 12−ジカルボン酸ジメチ
ル(一般式(4)で表される脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルで、Rがメチル基)の合成 撹拌機、温度計、冷却器を備えた5Lセパラブルフラス
コに、実施例1で得られた一般式(3)で表される脂環
式シス−ジカルボン酸375g(1.30モル)、p−
トルエンスルホン酸14.5g(76mモル)、メタノ
ール3.5Lを仕込み、12時間メタノール還流温度で
エステル反応を行った。反応終了後、メタノールを減圧
留去し、415gの淡黄色粉末を得た。これをメタノー
ルから再結晶を行い、融点=142〜143℃の白色結
晶381gを得た(収率92%)。この結晶は 1H−N
MR、13C−NMR、IR及び元素分析により同定し、
目的の一般式(4)で表される脂環式シス−ジカルボン
酸ジメチルであることを確認した。以下に、スペクトル
デ−タを示す。
(dd,2H)、0.97(d, 1H)、1.03
(d, 1H)、1.42−1.50(m, 2H)、1.
57(bs, 1H)、1.61(bs, 2H)、1.6
8(d、1H)、1.88(dt、1H)、1.96
(s、2H)、2.13(s, 2H)、2.52(q,
1H)、2.69(d, 2H)、2.95−3.08
(m, 2H)、3.72(s, 6H)(ppm)。
8、51.46、50.18、47.70、44.8
9、44.33、39.07、36.05、35.1
6、32.71、31.35(ppm)。
726、1439、1381、1245、1189、1
150(cm-1)。
ペンタデカン−トランス−10, 12−ジカルボン酸ジ
メチル(一般式(6)で表される脂環式トランス−ジカ
ルボン酸ジエステルで、Rがメチル基)の合成 撹拌機、温度計、滴下漏斗、及び窒素導入管を備えた2
Lセパラブルフラスコに、実施例4で得られた一般式
(4)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジメチル2
74g(0.86モル)、テトラヒドロフラン1L、カ
リウムtert-ブトキシド19.3g(0.17モ
ル)を仕込み、0℃で2時間撹拌した。水50mLを加
えてクエンチした後、反応混合物を約300mLに減圧
濃縮し、さらに、水1L、酢酸エチル1Lで分液抽出を
行った。得られた有機層を減圧濃縮し、268gの淡黄
色固体を得た。この固体をヘキサンから再結晶を行い、
融点=52〜53℃の白色結晶255gを得た(収率9
3%)。この結晶は 1H−NMR、13C−NMR、IR
及び元素分析により同定し、目的の一般式(6)で表さ
れる脂環式トランス−ジカルボン酸ジメチルであること
を確認した。以下に、スペクトルデ−タを示す。
(d,1H)、0.98(dd, 2H)、1.10
(d,1H)、1.32(d, 1H)、1.45(d,
2H)、1.55(d, 1H)、1.68(s, 2
H)、1.94(t, 1H)、2.04−2.12
(m,1H)、2.14(S,2H)、2.23(s,
2H)、2.23−2.35(m,2H)、2.49
(d,2H)、3.69(s,6H)(ppm)。
6、51.68、49.18、48.96、46.8
5、45.25、36.27、35.93、35.0
6、33.90、31.27(ppm)。
726、1438、1367、1251、1194、1
143(cm-1)。
を9.7g(0.09モル)に変えた他は全く実施例5
と同様に行った。その結果、再結晶した後に、248g
の白色結晶を得た(収率91%)。 1H−NMR、13C
−NMR、IR及び元素分析により、実施例5の一般式
(6)で表される脂環式トランス−ジカルボン酸ジメチ
ルと同一化合物であることを確認した。
キシドの代わりにナトリウムメトキシド9.18g
(0.17モル)を用いた他は全く実施例5と同様に行
った。その結果、再結晶した後に、248gの白色結晶
を得た(収率91%)。 1H−NMR、13C−NMR、
IR及び元素分析により、実施例5の一般式(6)で表
される脂環式トランス−ジカルボン酸ジメチルと同一化
合物であることを確認した。
ペンタデカン−トランス−10, 12−ジカルボン酸
(一般式(5)で表される脂環式トランス−ジカルボン
酸)の合成 撹拌機、冷却器、温度計を備えた1L四つ口フラスコ
に、実施例5で得られた一般式(6)で表される脂環式
トランス−ジカルボン酸ジメチル51g(0.16モ
ル)、水酸化ナトリウム20g、水500mlを仕込
み、105℃で2時間激しく撹拌した。反応終了後、p
H1になるまで濃塩酸を加え、析出した白色結晶を濾別
し、水で洗浄し乾燥した(46g:収率99%、融点
(分解)=240〜242.5℃)。この結晶は 1H−
NMR、13C−NMR、IR及び元素分析により同定
し、目的の一般式(5)で表される脂環式トランス−ジ
カルボン酸であることを確認した。以下に、スペクトル
デ−タを示す。
1.01(m, 4H)、1.37−1.51(m,4
H)、1.62(q, 1H)、1.64(bs,2
H)、1.93(quin,1H)、2.05(s,2
H)、2.12(s,2H)、2.17−2.26
(m,2H)、2.32(d,2H)、12.08
(s,2H)(ppm)。
7、48.69、48.51、46.40、44.8
3、35.89、35.64、34.64、33.7
7、30.88(ppm)。
700、1278、1205(cm-1)。
ス−ジカルボン酸ジエステルは、得られた一般式(3)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸をp−トルエンス
ルホン酸や硫酸等の酸触媒存在下、炭素数1〜4の1価
アルコールでエステル化するといったごく一般的な方法
により容易に得ることができる。1価アルコールの具体
例としてはメタノール、エタノール、n−またはiso
−プロパノール、n−、sec−またはtert−ブタ
ノール等があげられる。なお、エステル化は、通常、1
価アルコール中で行い、1価アルコールは、一般式
(3)で表される脂環式シス−ジカルボン酸の3重量倍
以上が必要とされる。
℃、好ましくは−10〜50℃とするのがよい。反応時
間は、上述してきたような条件下では速やかに異性化が
進行するので、従って、ほとんどの場合5時間以内で充
分である。
Claims (12)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 で表わされる脂環式ジカルボン酸。
- 【請求項2】 一般式(2): 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
される脂環式ジカルボン酸ジエステル。 - 【請求項3】 一般式(3): 【化3】 で表される脂環式シス−ジカルボン酸。
- 【請求項4】 一般式(4): 【化4】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステル。 - 【請求項5】 一般式(5): 【化5】 で表される脂環式トランス−ジカルボン酸。
- 【請求項6】 一般式(6): 【化6】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
される脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステル。 - 【請求項7】 一般式(7): 【化7】 で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .1
10,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセンを出発原
料として、この二重結合部分を酸化剤を用いて酸化開裂
することを特徴とする請求項3記載の脂環式シス−ジカ
ルボン酸の製造方法。 - 【請求項8】 酸化剤として過マンガン酸塩を用いて、
酸性条件下で酸化開裂することを特徴とする請求項7記
載の製造方法。 - 【請求項9】 一般式(7): 【化8】 で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .1
10,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセンを出発原
料として、この二重結合部分を酸化開裂し、さらにこれ
を炭素数1〜4の1価アルコールでエステル化すること
を特徴とする請求項4記載の脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルの製造方法。 - 【請求項10】 酸化剤として過マンガン酸塩を用い
て、酸性条件下で酸化開裂することを特徴とする請求項
9記載の製造方法。 - 【請求項11】 一般式(4): 【化9】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルに、触媒と
して金属アルコキシド類を作用させ、エステル基が互い
にトランスの立体配置になるように異性化することを特
徴とする請求項6記載の脂環式トランス−ジカルボン酸
ジエステルの製造方法。 - 【請求項12】 一般式(4): 【化10】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルに、触媒と
して金属アルコキシド類を作用させ、エステル基が互い
にトランスの立体配置になるように異性化させ、さらに
これを加水分解することを特徴とする請求項5記載の脂
環式トランス−ジカルボン酸の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23417194A JP3304638B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 脂環式ジカルボン酸及びそのエステル、並びにそれらの製造方法 |
US08/522,711 US5670696A (en) | 1994-09-02 | 1995-09-01 | Alicyclic bifunctional compounds and processes for their preparation |
US08/796,344 US5808133A (en) | 1994-09-02 | 1997-02-07 | Alicyclic bifunctional compounds and processes for their preparation |
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Country | Link |
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-
1994
- 1994-09-02 JP JP23417194A patent/JP3304638B2/ja not_active Expired - Lifetime
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