JP2721554B2 - ペルヒドロ‐1,4:5,8‐ジメタノナフタレン‐2,3‐ジメタノールの製造方法 - Google Patents

ペルヒドロ‐1,4:5,8‐ジメタノナフタレン‐2,3‐ジメタノールの製造方法

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JP2721554B2 JP1212411A JP21241189A JP2721554B2 JP 2721554 B2 JP2721554 B2 JP 2721554B2 JP 1212411 A JP1212411 A JP 1212411A JP 21241189 A JP21241189 A JP 21241189A JP 2721554 B2 JP2721554 B2 JP 2721554B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジメタノールの製造方法に関する。
本発明の方法により製造されるペルヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールは、各種の
構造材料として有用な高分子化合物の原料化合物として
用いられる。
〔従来の技術〕
従来、ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−
2,3−ジメタノールを原料に用いて得られるポリエステ
ルはガラス転移温度が高く、寸法安定性に優れ、写真用
フイルムのベースなどに用いられることが知られている
(米国防衛特許第896,033号明細書およびジャーナル・
オブ・ポリマー・サイエンス:ポリマー・ケミストリイ
・エデイシヨン(Journal of Polymer Science:Polymer
Chemistry Edition)、10巻、3191頁(1972年)参
照)。これらの文献には、フマル酸ジエチルとシクロペ
ンタジエンからデイールス−アルダー(Diels Alder)
反応により1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジカルボン酸
ジエチルを得、次いでこれにパラジウム触媒を用いて水
素ガスを反応させることによりペルヒドロ−1,4:5,8−
ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジカルボン酸ジ
エチルを得、さらにこれに銅−クロム触媒を用いて水素
ガスを反応させることによりペルヒドロ−1,4:5,8−ジ
メタノナフタレン−トランス−2,3−ジメタノールを得
る方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジ
メタノールを製造する上記の方法には次の二つの問題点
がある。第一には、中間体である1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジ
カルボン酸ジエチルを製造するに際し、反応温度180℃
において18時間という長い反応時間を要し、かつ目的物
の収率は僅か22%と低い。第二には、1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3
−ジカルボン酸ジエチルからペルヒドロ−1,4:5,8−ジ
メタノナフタレン−2,3−ジメタノールを製造するに際
し、二重結合への水素添加反応とエステルの還元反応と
を異なる触媒の存在下に異なる反応条件で実施してお
り、煩雑な工程を必要とする。このように従来提案され
ている方法では、目的とする化合物を得るのに長い時間
を要し、かつ目的とする化合物の収率が低い。
本発明の目的は、ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−2,3−ジメタノールを工業的に有利に製造す
るための方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、下記一般式(I) R1OOC−CH=CH−COOR2 (I) (式中、R1およびR2はそれぞれアルキル基を表す。) で示される化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロ
ペンタジエンを反応させ(以下、この反応を第1段の反
応と呼称する)、得られた下記一般式(II) (式中、R1およびR2は上記の定義したとおりである。) で示される化合物に銅−クロムまたは亜鉛系酸化物触媒
の存在下で水素ガスを反応させる(以下、この反応を第
2段の反応と呼称する)ことを特徴とするペルヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールの製
造方法を提供することによつて達成される。
一般式(I)および一般式(II)におけるR1およびR2
が表すアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基
が好ましく、その具体例としては次のものが挙げられ
る。
一般式(I)で示される化合物はトランス体、シス体
またはそれらの混合物であつてもよい。また、一般式
(I)で示される化合物としては1種の化合物であつて
もよいし、2種以上の化合物の混合物であつてもよい。
本発明の方法においては、シクロペンタジエンまたは
ジシクロペンタジエンをシクロペンタジエンに換算した
量で一般式(I)で示される化合物に対して2モル倍以
上使用するのが好ましい。その使用量はシクロペンタジ
エンに換算した量で一般式(I)で示される化合物に対
して2〜6モル倍の範囲がより好ましく、2〜4モル倍
の範囲が特に好ましい。シクロペンタジエンに換算した
使用量が一般式(I)で示される化合物に対して2モル
倍より少ない場合には、シクロペンタジエンと一般式
(I)で示される化合物の1対1の付加生成物、すなわ
ち5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸エステルの生
成量が増える結果、一般式(II)で示される化合物の収
率が低下することから好ましくない。一方、その使用量
が例えば6モル倍を越えて多い場合には、シクロペンタ
ジエンと一般式(I)で示される化合物の3対1の付加
生成物、すなわち1,2,3,4,4a,5,8,8a,9,9a,10,10a−ド
デカヒドロ−1,4:5,8:9,10−トリメタノアントラセン−
2,3−ジカルボン酸エステルの生成量が増える結果、一
般式(II)で示される化合物の収率が低下し、さらにシ
クロペンタジエンオリゴマーの生成量が増えるために反
応液の粘度上昇または沈殿物生成が起こる結果、反応操
作が困難になる場合があり好ましくない。
シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの反
応系内への添加方法については、使用する全量を反応開
始時に仕込んでから所定の温度まで昇温してもよく、ま
た反応容器の内温が所定の温度に達したのちに連続的ま
たは継続的に添加してもよい。さらにまた、使用する全
量の一部、例えば全量の90%程度以下の量を昇温する前
に仕込んでおき、残量を昇温開始後に添加してもよい。
後二者の場合、反応容器の内温が所定の温度に達したの
ち10時間以内、好ましくは8時間以内、より好ましくは
6時間以内で連続的または断続的に添加するのがよい。
添加に10時間よりも長い時間を費やす場合には、生成し
た一般式(II)で示される化合物が重合または分解によ
つて一部失われることがあり好ましくない。
シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの添
加を連続的に実施する場合は、添加速度を一定に保つて
もよいし、変化させてもよい。添加するには適当な送液
ポンプを使用すればよい。断続的に添加する場合は、シ
クロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの全量を
2以上の適当な数のフラクシヨンに分け、それを上記の
好ましい添加時間内に添加すればよい。この場合、添加
には適当な送液ポンプを用いればよい。添加は反応容器
を一旦室温程度にまで冷却したのちに実施することもで
きる。
第1段の反応において、反応時間は通常30分間ないし
15時間、好ましくは30分間ないし10時間、より好ましく
は1時間ないし10時間の範囲である。
本発明の方法の第1段の反応においては反応温度が反
応速度および一般式(II)で示される化合物の収率に大
きな影響を与える。反応は200℃〜250℃の範囲の温度で
行うのが好ましい。反応温度は200℃〜250℃の範囲がよ
り好ましく、210℃〜240℃の範囲が特に好ましい。反応
温度が250℃を越えて高い場合には、生成した一般式(I
I)で示される化合物が重合または分解により消費さ
れ、また原料であるシクロペンタジエンまたはジシクロ
ペンタジエンが重合するため、その損失が大となり、一
方、反応温度が200℃よりも低い場合には、反応速度が
著しく低下し、目的とする一般式(II)で示される化合
物の収率が低下することから、いずれの場合も好ましく
ない。
第1段の反応は溶媒の不存在下で行うことも可能であ
るが、適当な反応溶媒の存在下で行うのが一般式(II)
で示される化合物の収率が良好となる点で好ましい。反
応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテ
ル;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール;塩化メチレン、クロロホルム等のハ
ロゲン化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン等の含窒素化合物などが用いられるが、
これらのうちで芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素が
一般式(II)で示される化合物の収率が良好となる点で
好ましく、特には芳香族炭化水素が好ましい。反応溶媒
は通常、全原料化合物に対して0.1〜100重量倍の範囲の
量で用いられる。反応溶媒の使用量は全原料化合物に対
して0.2〜50重量倍の範囲が好ましく、0.2〜10重量倍の
範囲がより好ましい。反応溶媒の使用量が0.1重量倍よ
り少ない場合には、一般式(II)で示される化合物の収
率が低下することがあり、またその使用量が100重量倍
を越える場合には、反応速度が低下することがあり、い
ずれの場合も好ましくない。
第1段の反応は、例えば、金属製または耐圧ガラス製
の反応容器に一般式(I)で示される化合物、シクロペ
ンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要に
応じて適当な反応溶媒を仕込み、所定の温度に加熱して
行われる。反応を空気中で行うこともできるが、窒素、
アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス中で行う方が好ま
しい。また、通常は機械的な攪拌を行うのがよい。な
お、本発明の方法の第1段の反応における上記の好まし
い温度条件下ではジシクロペンタジエンは容易にシクロ
ペンタジエンに分解して反応することから、必ずしもシ
クロペンタジエンを原料として用いる必要性はない。第
1段の反応の終了後、反応混合物からの一般式(II)で
示される化合物の単離は、反応混合物を蒸留するか、ま
たは使用する反応溶媒の種類によつては反応混合物から
析出する一般式(II)で示される化合物を濾別すること
により行われる。単離された一般式(II)で示される化
合物は第2段の反応に供される。また、一般式(II)で
示される化合物は第1段の反応で得られた反応混合物か
ら単離せずに第2段の反応に供することもできる。単離
しない場合には、第1段の反応が終了した時点で、その
反応混合物に触媒および必要に応じて溶媒を仕込み、反
応容器内を水素ガスで置換すれば、第2段の反応を開始
することができるという操作上の利点がある。
本発明の方法における第2段の反応では、一般式(I
I)で示される化合物の二重結合への水素添加反応とエ
ステルのアルコールへの還元反応が同時に進行する。
第2段の反応の反応温度は、反応速度が十分に高く、
また分解等の副反応が実質的に起こらなければ特に限定
されないが、通常150℃〜350℃の範囲内である。また水
素ガスの圧力についても反応速度が十分に高ければ特に
限定はされないが、水素ガスの圧力は通常10kg/cm2以上
である。
第2段の反応において用いられる銅−クロムまたは亜
鉛系酸化物触媒は、具体的には銅とクロム、銅と亜鉛ま
たは銅とクロムと亜鉛の酸化物である。これらの金属酸
化物は触媒として単独で用いることも可能であるが、ア
ルミナ、シリカ、ケイソウ土などの担体に担持して用い
ることも可能である。また、金属酸化物はタングステ
ン、モリブデン、レニウム、ジルコニウム、マンガン、
チタン、鉄、バリウム、マグネシウム、カルシウムなど
から選ばれる他の金属またはこれらの金属の化合物で部
分的に変性されていてもよい。担持されていてもよくま
た部分的に変性されていてもよい金属酸化物は水素化ま
たは脱水素などの反応に用いられる触媒として商業生産
されており、容易に入手することができるほか、例えば
オーガニツク・シンサシーズ:コレクテイブ・ボリウム
(Organic Syntheses:Collective Volume)、II.142(1
943);ジヤーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル
・ソサイテイ(Journal of the American Chemical Soc
iety)、54.1138(1932);ジヤーナル・オブ・ザ・ア
メリカン・ケミカル・ソサテイ(同上)、58.1053(193
6);インダストリアル・アンド・エンジニアリング・
ケミストリイ(Industrial and Engineering Chemistr
y)、27.134(1935);インダストリアル・アンド・エ
ンジニアリング・ケミストリイ(同上)、21.1052(192
9)などに記載されている方法に従つて調製することも
できる。かかる金属酸化物は、その種類によつては使用
に先立つて水素処理すれば触媒活性が向上する場合があ
る。これらの金属酸化物は通常一種のみで用いられる
が、二種またはそれ以上を組み合せて用いることもでき
る。銅−クロムまたは亜鉛系酸化物触媒は通常一般式
(II)で示される化合物に対して0.001重量%〜20重量
%の範囲内の量が用いられる。
第2段の反応は第1段と同様に溶媒の不存在下で行う
こともできるが、適当な反応溶媒の存在下で行うのがペ
ルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタ
ノールの収率が良好となる点で好ましい。反応溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ールなどが用いられるが、これらのうちで芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素およびエーテルがペルヒドロ−1,4:
5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールの収率が
良好となる点で好ましい。反応溶媒は通常一般式(II)
で示される化合物に対して0.1〜100重量倍の範囲の量で
用いられる。反応溶媒の使用量は一般式(II)で示され
る化合物に対して0.2〜50重量倍の範囲が好ましく、0.2
〜10重量倍の範囲がより好ましい。反応溶媒の使用量が
0.1重量倍より少ない場合には、ペルヒドロ−1,4:5,8−
ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールの収率が低下
することがあり、またその使用量が100重量倍を越える
場合には、反応速度が低下することがあり、いずれの場
合も好ましくない。
第2段の反応には攪拌槽型反応器、気泡塔型反応器、
充填塔型反応器などの一般の水素添加反応に用いられる
任意の形状の反応器が用いられる。反応は回分式または
連続式のいずれの操作方法によつても行うことができ
る。反応の際には反応器に一般式(II)で示される化合
物、触媒および必要に応じて適当な溶媒を仕込み、所定
の圧の水素ガスを満たし、所定の温度に加熱して反応さ
せる。なお、一般式(II)で示される化合物の供給は一
括して反応器に仕込むことができるほか、反応中に連続
的または断続的に実施することもできる。使用する水素
ガスは実質的に純水素であつてもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスとの混合物であつてもよ
い。
第2段の反応の反応時間は特に限定されないが、通常
1時間ないし30時間の範囲内である。反応時間が短すぎ
る場合には、反応が十分に進行せず、また長すぎる場合
には、分解等の副反応のためペルヒドロ−1,4:5,8−ジ
メタノナフタレン−2,3−ジメタノールの収率が低下す
ることがあり、いずれの場合も好ましくない。
第2段の反応の終了後、反応混合物からのペルヒドロ
−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールの
単離は、反応混合物を蒸留するか、または使用する反応
溶媒の種類によつては反応混合物から析出するペルヒド
ロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノール
を濾別することによつて行われる。得られたペルヒドロ
−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールを
さらに精製する必要がある場合には、アセトンまたは酢
酸エチルなどの溶媒を用いた再結晶により実施すること
ができる。
上記のようにして得られるペルヒドロ−1,4:5,8−ジ
メタノナフタレン−2,3−ジメタノールは公知の方法に
従つて各種の構造材料、機能材料として有用なポリエス
テル、ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネー
トに容易に誘導することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例によつて何ら限定されるものでは
ない。
実施例1 電磁攪拌装置を備えた内容1のオートクレーブにフ
マル酸ジブチル171g(0.75モル)、ジシクロペンタジエ
ン128g(0.97モル)およびp−キシレン300gを仕込み、
窒素ガスで系内を置換した。次いで、オートクレーブの
内温を230℃に昇温し、同温度で攪拌下に2時間反応さ
せたのち、定量ポンプを用いてジシクロペンタジエン64
g(0.48モル)を30分かけて添加し、さらに2時間反応
させた。この反応混合物から減圧蒸留により1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン−トランス−2,3−ジカルボン酸ジブチル124gを得
た。
上記と同じオートクレーブに1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス
−2,3−ジカルボン酸ジブチル124g、銅−クロム酸化物
(日揮化学(株)製、N−203−SD)5gおよびp−キシ
レン300gを仕込み、系内を水素ガスで十分置換したの
ち、水素ガスを300kg/cm2となるように仕込み、210℃で
20時間攪拌した。反応中は系内の圧力が常に300kg/cm2
に保たれるように水素ガスを供給した。反応終了後、反
応混合物をガスクロマトグラフイーにより分析した結
果、未反応の1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:
5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン酸ジブチル
はほとんど存在せず、また二重結合のみが水添されたペ
ルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−
2,3−ジカルボン酸ジブチルおよびエステル部分のみが
還元された1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジメタノール
は全く認められなかつた。反応混合物を取り出し、触媒
を濾別したのち、p−キシレンを除去した。残渣を酢酸
エチルより再結晶することにより、白色結晶64gを得
た。得られた結晶の1H-NMRスペクトルは次の通りであ
り、該結晶はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン−トランス−2,3−ジメタノールであることが確かめ
られた。フマル酸ジブチルに基づく収率は39%であつ
た。
0.8〜2.0ppm:12H 2.0〜2.3ppm:4H(ノルボルナン骨格橋頭位のプロトン) 3.0〜3.8ppm:6H(酸素原子に結合したメチレン基のプロ
トンおよび水酸基のプロトン) 実施例2 実施例1で用いたオートクレーブにマレイン酸ジエチ
ル129g(0.75モル)、ジシクロペンタジエン128g(0.97
モル)およびp−キシレン300gを仕込み、窒素ガスで系
内を置換した。次いで、オートクレーブの内温を210℃
に昇温し、同温度で攪拌下に6時間反応させた。この反
応混合物から減圧蒸留により、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−シス−2,3
−ジカルボン酸ジエチル99gを得た。
上記と同じオートクレーブに1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−シス−2,3
−ジカルボン酸ジエチル99g、銅−亜鉛酸化物(日揮化
学(株)製、N−211の微粉化物)4gおよびp−キシレ
ン300gを仕込み、系内を水素ガスで十分置換したのち、
水素ガスを260kg/cm2仕込み、210℃で24時間攪拌した。
反応中は系内の圧力が常に260kg/cm2に保たれるように
水素ガスを供給した。冷却後、反応混合物を取り出し、
触媒を濾別したのち、p−キシレンを除去した。残渣を
酢酸エチルより再結晶することにより、白色結晶52gを
得た。得られた結晶の1H-NMRスペクトルを測定した結
果、該結晶はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン−シス−2,3−ジメタノールであることが確かめられ
た。マレイン酸ジエチルに基づく収率は31%であつた。
実施例3 実施例1で用いたオートクレーブにフマル酸ジメチル
108g(0.75モル)、ジシクロペンタジエン149g(1.13モ
ル)およびp−キシレン300gを仕込み、窒素ガスで系内
を置換した。次いで、オートクレーブの内温を220℃に
昇温し、同温度で攪拌下に4時間反応させた。室温まで
冷却後、反応混合物に銅−クロム酸化物(前記と同じ)
4gを加え、系内を水素ガスで十分置換したのち、水素ガ
スを220kg/cm2仕込み、210℃で20時間反応させた。冷却
後、反応混合物を減圧蒸留に付することにより、ペルヒ
ドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トラス−2,3−ジ
メタノール64gを得た。フマル酸ジメチルに基づく収率
は38%であつた。
比較例1 実施例1で用いたオートクレーブにフマル酸ジメチル
108g(0.75モル)、ジシクロペンタジエン128g(0.97モ
ル)およびp−キシレン300gを仕込み、窒素ガスで系内
を置換した。次いで、オートクレーブの内温を180℃に
昇温し、同温度で攪拌下に20時間反応させた。反応終了
後、10%のパラジウムを担持させた活性炭6gを添加し、
系内を水素ガスで置換したのち、水素ガスを210kg/cm2
仕込み、80℃で1時間攪拌下に反応させた。反応混合物
を減圧蒸留に付し、次いで、その残渣をエタノールから
再結晶することにより、ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタ
ノナフタレンジカルボン酸ジメチル52gを得た。
内容300mlのオートクレーブにペルヒドロ−1,4:5,8−
ジメタノナフタレンジカルボン酸ジメチル52g、銅−ク
ロム酸化物(前記と同じ)5gおよび1,4−ジオキサン100
mlを仕込んだ。次いで、系内を水素ガスで置換したの
ち、水素ガスを仕込み、300kg/cm2の圧力下、200℃で20
時間反応させた。反応終了後、1,4−ジオキサンを除去
することにより得られた白色粉末を酢酸エチルから再結
晶した結果、19gのペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフ
タレン−2,3−ジメタノールが得られた。フマル酸ジメ
チルに基づく収率は11%であつた。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、従来提案されている方法に比
して反応操作的に容易に、しかも短い反応時間でかつ良
好な収率で、ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン−2,3−ジメタノールが製造される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) R1OOC−CH=CH−COOR2 (I) (式中、R1およびR2はそれぞれアルキル基を表す。) で示される化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロ
    ペンタジエンを反応させ、得られた下記一般式(II) (式中、R1およびR2は上記に定義したとおりである。) で示される化合物に銅−クロムまたは亜鉛系酸化物触媒
    の存在下で水素ガスを反応させることを特徴とするペル
    ヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノ
    ールの製造方法。
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