JPH0873306A - 衣料用防虫剤組成物 - Google Patents

衣料用防虫剤組成物

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JPH0873306A
JPH0873306A JP6313963A JP31396394A JPH0873306A JP H0873306 A JPH0873306 A JP H0873306A JP 6313963 A JP6313963 A JP 6313963A JP 31396394 A JP31396394 A JP 31396394A JP H0873306 A JPH0873306 A JP H0873306A
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JP
Japan
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clothing
insect repellent
hydroquinone
repellent composition
stabilizer
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Pending
Application number
JP6313963A
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English (en)
Inventor
Toshio Takahashi
敏夫 高橋
Nobuyuki Nishida
信行 西田
Yoshihiro Namite
良裕 南手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainihon Jochugiku Co Ltd
Original Assignee
Dainihon Jochugiku Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainihon Jochugiku Co Ltd filed Critical Dainihon Jochugiku Co Ltd
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  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 有効成分として、5−プロパルギル−2−フ
リルメチル 2,2.3,3−テトラメチルシクロプロ
パンカルボキシレートを含有し、かつ、安定剤として、
一般式I 【化1】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わす。R
は、そのいずれかが水素原子を表し、他方は炭素数
が3〜6のアルキル基を表わす。)で表わされるハイド
ロキノン及びハイドロキノンモノメチルエーテル系化合
物を配合してなる衣料用防虫剤組成物、および、これと
エムペントリンとの混合組成物であって、テフラメトリ
ンがエムペントリンに対して2.0倍以上の比率で配合
されてなる衣料用防虫剤組成物。 【効果】 本発明の衣料用防虫剤組成物は、衣料害虫に
対する高い殺虫、防虫効果、温血動物に対する低毒性、
金属に対する化学的安定性に加え、安定剤の併用により
着色防止効果を備えると共に、エムペントリンとの混合
組成物では、エムペントリンの銅系金属に対する変色、
変質作用を抑制するので極めて実用性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効成分として、5−
プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,3,3−テ
トラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以降、テ
フラメトリンと称す)を含有する衣料用防虫剤組成物の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防虫剤としては、パラジクロルベ
ンゼン、ナフタリン、樟脳が一般的であったが、常温揮
散性ピレスロイドが開発されるや、その一部が実用化さ
れるようになった。これらの常温揮散性ピレスロイド
は、従来の防虫剤とは異なり、下記のような特徴を有し
ている。 イ.防虫効果のみならず殺虫効果も示すこと。 ロ.極微量で、害虫に効果を発揮すること。 ハ.温血動物に低毒性であること。 ニ.従来の防虫剤特有のいやな臭いがないこと。 特に、エムペントリンは、高い殺虫、防虫効果を奏する
ものとして実用化に至り、その用途の拡大が期待されて
いるが、金属(特に銅系化合物)の影響を受けて、変色
あるいは変質等の問題を起こしやすいという重大な欠点
があり、これを避けようとすれば、使用時の揮散量を抑
えて殺虫、防虫効果を犠牲にせざるを得なかった。そこ
で、本発明者らは、高い殺虫、防虫効果はもちろん、温
血動物に対する低毒性、ならびに化学的安定性(金属の
影響を受けにくいこと)等の要求を具備する有効成分の
開発を進め、有用な化合物としてテフラメトリンを見い
出すと共に、既にいくつかの特許(特開平5−1731
2号,特開平5−320013号など)を出願した。
【0003】しかし、テフラメトリンを含有する衣料用
防虫剤は、引き出し等に収納された通常使用条件では全
く問題はないものの、例えば太陽光にさらされるといっ
た極端な条件下では着色しやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パラジクロ
ルベンゼンの発ガン性や、現行の常温揮散性ピレスロイ
ドの金属に対する不安定さが問題視されている現状に鑑
み、高い殺虫、防虫効果、温血動物に対する低毒性、な
らびに化学的安定性(金属の影響を受けにくいこと)を
備えたテフラメトリン衣料用防虫剤の改良に係り、テフ
ラメトリンに起因する着色を生じない組成物を開発する
目的でなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を続け、安定剤として一般式
【化3】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わす。また、
、Rは、そのいずれかが水素原子を表し、他方は
炭素数が3〜6のアルキル基を表わす。)などのハイド
ロキノン及びハイドロキノンモノメチルエーテル系化合
物がテフラメトリンの光による着色を防止する効果にす
ぐれていることを見い出し本発明を完成した。
【0006】すなわち、請求項1の発明は、有効成分と
して、テフラメトリンを含有し、かつ安定剤として、一
般式I
【化4】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わす。また、
、Rは、そのいずれかが水素原子を表し、他方は
炭素数が3〜6のアルキル基を表わす。)で表わされる
ハイドロキノン及びハイドロキノンモノメチルエーテル
系化合物の1種又は2種以上を、テフラメトリンに対し
て0.1〜1.0倍量配合した衣料用防虫剤組成物に係
るものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、安定剤として更に一般式II
【化5】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わす。また、
,Rは同一又は相異って炭素数が3〜6のアルキ
ル基を表わす。)で表わされるハイドロキノン系化合物
の1種又は2種以上を、テフラメトリンに対して0.0
5〜0.5倍量配合したものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の構成におい
て、一般式Iの安定剤として特にモノターシャリーブチ
ルハイドロキノン、3−ターシャリーブチル−4−ヒド
ロキシアニソール及び2−ターシャリーブチル−4−ヒ
ドロキシアニソールから選ばれた1種又は2種以上を用
いたものである。
【0009】請求項4の発明は、請求項2の構成におい
て、一般式Iの安定剤として特にモノターシャリーブチ
ルハイドロキノン、3−ターシャリーブチル−4−ヒド
ロキシアニソール及び2−ターシャリーブチル−4−ヒ
ドロキシアニソールから選ばれた1種又は2種以上を、
更に一般式IIの安定剤として特に2,5−ジターシャ
リーブチルハイドロキノンを用いたものである。
【0010】請求項5の発明は、請求項1または2のい
ずれかの構成において、有効成分として、テフラメトリ
ンとエムペントリンを共に含有し、かつ、テフラメトリ
ンをエムペントリンに対して2.0倍以上の比率で配合
したものである。
【0011】請求項6の発明は、請求項3または4のい
ずれかの構成において、有効成分として、テフラメトリ
ンとエムペントリンを共に含有し、かつ、テフラメトリ
ンをエムペントリンに対して2.0倍以上の比率で配合
したものである。
【0012】
【作用】請求項1の構成によると、テフラメトリンのす
ぐれた特性、すなわち、高い殺虫、防虫効果、温血動物
に対する低毒性、金属の影響を受けにくい性質に加え、
一般式Iの安定剤による着色防止効果が付与され、非常
に有用な衣料用防虫剤組成物が提供される。
【0013】テフラメトリンは常温で液体で、通常好ま
しくは適当な担体、賦形剤を用いて、例えばマット、シ
ート状等の殺虫、防虫剤に調製される。その配合量につ
いては、殺虫、防虫効果を奏するに必要な揮散量を所定
期間(例えば6ヶ月間)保持するように、形態、適用分
野等に応じて適宜決定されうる。
【0014】なお、これに、他の殺虫、防虫成分、例え
ば、エムペントリン、(ただし、エムペントリンの変
色、変質作用が抑制される配合比率での混合組成物)、
アレスリン、フラメトリンなどの従来のピレスロイド系
殺虫剤、防虫剤、フェニトロチオン、DDVPなどの有
機リン剤、NAC、MTMCなどのカーバメート剤など
を適宜配合してもかまわないし、また必要ならばピペロ
ニルブトキサイド、MGK−264、サイネピリン50
0、S−421などのピレスロイド用共力剤を加えても
よい。更に、殺菌剤、忌避剤、芳香剤、防臭剤などを適
宜添加して多目的組成物を得ることもできるし、適当な
色素等を配合してインジケーター機能を付与することも
可能である。
【0015】請求項1の発明で用いられる一般式Iの安
定剤としては次のようなものがあげられるがもちろんこ
れらのみに限定されるものでない。
【0016】(1) モノターシャリーブチルハイドロ
キノン
【安定剤A】(2) モノターシャリーアミルハイドロ
キノン
【安定剤B】(3) モノイソプロピルハイドロキノン
【安定剤C】(4) モノ(2,2−ジメチルブチル)
ハイドロキノン
【安定剤D】(5) 3−ターシャリーブチル−4−ヒ
ドロキシアニソール
【安定剤E】(6) 2−ターシャリーブチル−4−ヒ
ドロキシアニソール
【安定剤F】(7) 3−ターシャリーアミル−4−ヒ
ドロキシアニソール
【安定剤G】(8) 3−イソプロピル−4−ヒドロキ
シアニソール
【安定剤H】
【0017】一般式Iの安定剤は、ある程度の揮散性を
有するので、テフラメトリンと共に蒸散し、衣類に付着
したテフラメトリンの光による着色を防止することもで
きる。これらの化合物のなかでは、着色防止効果、入手
性等の点からモノターシャリーブチルハイドロキノン、
3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソール、
2−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソールが
好ましく使いやすい。(通常、ブチルヒドロキシアニソ
ール(BHA)という工業製品名で3−ターシシャリー
ブチル−4−ヒドロキシアニソールと2−ターシャリー
ブチル−4−ヒドロキシアニソールの混合物が入手てき
る。)なお、一般式Iのハイドロキノン及びハイドロキ
ノンモノメチルエーテル系化合物の配合量は、テフラメ
トリンに対して0.1倍量以下では効果がなく、一方、
1.0倍量以上では格別効果の増強がないばかりか、防
虫剤組成物の物理性への影響、衣類にしみを生じる危惧
があったりして好ましくなかった。
【0018】請求項2の構成によると、更に一般式II
の安定剤の添加で、より確実な着色防止効果が付与され
る。
【0019】一般式IIの安定剤としては例えば次のよ
うな化合物を例示できるが、これらのみに限定されな
い。
【0020】(9) 2,5−ジターシャリーブチルハ
イドロキノン
【安定剤I】(10) 2,5−ジターシャリーアミル
ハイドロキノン
【安定剤J】(11) 2,5−ジイソプロピルハイド
ロキノン
【安定剤K】(12) 2,5−ジターシャリーブチル
−4−ヒドロキシアニソール
【安定剤L】(13) 2,5−ジターシャリーアミル
−4−ヒドロキシアニソール
【安定剤M】
【0020】一般式IIの安定剤は揮散性に乏しいの
で、例えば、テフラメトリンと共に担持体に含浸させて
おけば、衣料防虫剤として使用中、担持体に残存するテ
フラメトリンの光による着色防止に特に効果的である。
かかる一般式IIのハイドロキノン系安定剤の配合量
は、テフラメトリンに対して0.05〜0.5倍量が好
ましく、0.05倍量以下では十分な効果が得られな
い。
【0021】なお、一般式Iや一般式IIのハイドロキ
ノン及びハイドロキノンモノメチルエーテル系安定剤
は、光による着色防止の点で特に有効であるが、テフラ
メトリンの空気に対する経時安定性向上のために、通
常、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノ
ール(BHT),2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2′−メ
チレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェ
ノール)などのフェノール系安定剤が併用される。ま
た、これらの安定剤のほかに、適宜ホスファイト系、ア
ミン系、有機イオウ系などの従来の種々の安定剤を混合
してもよいことはもちろんである。
【0022】請求項3の構成によると、一般式Iの安定
剤のなかでも特に有用なモノターシャリーブチルハイド
ロキノン、3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシア
ニソール及び2−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシ
アニソールから選ばれた1種又は2種以上を用いたの
で、より性能のすぐれた衣料用防虫剤組成物が提供され
る。
【0023】また、請求項4の構成によると、一般式I
の安定剤のなかで特に有用なモノターシャリーブチルハ
イドロキノン、3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキ
シアニソール及び2−ターシャリーブチル−4−ヒドロ
キシアニソールから選ばれた1種又は2種以上と、更に
一般式IIの安定剤のなかで特に有用な2,5−ジター
シャリーブチルハイドロキノンを用いたので、より一層
確実な着色防止効果が得られる。
【0024】請求項5の構成によると、一般式I、一般
式IIの安定剤によるテフラメトリンの着色防止効果に
加えて、テフラメトリンがエムペントリンの銅系金属に
対する変色、変質作用を抑制し、更に殺虫、防虫効果の
面でも両者の混合が高い相乗効果を奏するので、極めて
有用な混合組成物が提供される。このことは、エムペン
トリンが有していた重大な欠点、つまり、銅系金属を含
む衣類、タトウ紙、家具等に変色、変質を生じやすいこ
と、もしくはこれを避けるために、揮散量を抑えなけれ
ばならないという相反する課題を解消し、エムペントリ
ンを殺虫、防虫剤として十分活用できる道を開いた点
で、極めて意義深い発見といえる。
【0025】テフラメトリンが、エムペントリンの変
色、変質作用を抑制する機構については不明な点が多い
が、この化合物が有するプロパルギル基が関与している
ものと推定される。テフラメトリンとエムペントリンの
配合比率は、前者がエムペントリンに対して2.0倍以
上配合されることが必要で、2.0倍以下では十分な抑
制作用を示さない。
【0026】請求項6の構成によると、一般式I、一般
式IIの安定剤のなかで特に有用な化合物を用いたの
で、より性能のすぐれたエムペントリンとの混合組成物
が提供される。
【0027】本発明の衣料用防虫剤組成物は、マット、
シート状、あるいは、固剤、液剤の形態に調製される
が、マット、シート状の担体としては、パルプ製マッ
ト、紙、織布、不織布、あるいは、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エチレン
酢酸ビニール等のプラスチック成型品、多孔性ガラス材
料等をあげることができる。なお、アダマンタン、シク
ロドデカン、トリイソプロピル−トリオキサン等の昇華
性担体を用いて揮散性の調整を図ることもでき、また、
ポリビニルアルコール、アルギン酸、カラギーナン等の
ゲル化剤を用いてゲル状の形態に調製することもでき
る。更に、必要ならば、固剤の形態に調製するにあた
り、ケイ酸ナトリウム、カオリン、タルク等の各種鉱物
質粉末、木粉、でんぷん等の各種植物質粉末や、シクロ
デキストリン等の包接化合物を用いることができる。一
方、液剤の形態を調製するにあたり用い得る担体として
は、水、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリ
コールエーテル類、ケロシン等の脂肪族炭化水素類をは
じめとする各種溶剤のほか、通常の各種乳化剤、分散
剤、噴射剤、塗膜形成剤等をあげることができる。
【0028】こうして得られた薬剤含有担体は、通常、
プラスチックケース、あるいは紙、不織布袋等に収納し
て実用に供されるが、包装することなく投入したり、直
接衣類に接触される如く、噴霧、塗布等により適用して
もよいことはもちろんである。
【0029】而して、本発明の衣料用防虫剤組成物から
調製された防虫剤は、タンス、衣裳箱等の衣類収納家具
に適用して、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメ
マルカツオブシムシ等の衣料害虫に高い駆除効果を奏す
るほか、書庫、展示室等での防虫対策などに極めて有用
なものである。
【0030】
【実施例】次に、本発明によって提供される衣料用防虫
剤組成物がすぐれたものであることをより明らかにする
ため実施例及び効果の試験成績を示す。
【0031】実施例1 テフラメトリン0.07g、エムペントリン0.03
g、安定剤A(モノターシャリーブチルハイドロキノ
ン)0.04g、BHT0.007g、香料微量及び灯
油0.01gを含む本発明衣料用防虫剤組成物を、厚さ
2mm、縦22mm、横35mmの厚紙マットに含浸さ
せ、不織布袋に収納して衣料用防虫剤を得た。
【0032】実施例2 テフラメトリン0.3g、安定剤A0.15g、ブチル
ヒドロキシアニソール(安定剤E、Fの混合物)0.1
5g、安定剤I(2,5−ジターシャリーブチルハイド
ロキノン)0.02g、BHT0.03g、香料微量及
び灯油0.05gを含む本発明衣料用防虫剤組成物を、
厚さ1mm、縦60mm、横80mmの厚紙マットに含
浸させ、プラスチックケースに収納して衣料用防虫剤を
得た。
【0033】実施例3 トリメチレンノルボルナンとアダマンタンの混合物(混
合比;前者:後者=8:2(重量部))100gに対
し、テフラメトリン1gと安定剤B(モノターシャリー
アミルハイドロキノン)0.3g、BHT0.08gを
配合して衣料用防虫剤を得た。
【0034】試験例1 テフラメトリンの光による着色
の防止試験 実施例1に準じて調製した表1に示す各処方の厚紙マッ
ト(厚さ2mm、縦22mm、横35mm)を、上面と
下面の高さの距離が約8mmの箱状プラスチックケース
に収納し、これを白色の木綿布で包んだものを試料とし
た。試料を蛍光灯を4灯設置した高さ80cm、横10
0cm、縦40cmの試験用タンス内に置き、4日間蛍
光灯を連続照射し、木綿布及びマットの着色程度を観察
したところ表1の如くであった。な
【0035】
【表1】
【0036】試験の結果、本発明の衣料用防虫剤組成物
によるときは、蛍光灯連続照射という極端な条件下にお
いてもテフラメトリンに起因する衣類への着色はほとん
ど認められず、一般式Iの安定剤が蒸散テフラメトリン
の光に対する安定化に有効であることが確認された。ま
た、一般式IIの安定剤を更に添加することによって、
マットの着色がより確実に抑えられることも明らかにな
った。これに対し、対照例で示されるように、一般式I
の安定剤の配合量がテフラメトリンに対して0.1倍量
以下では効果が低く、1.0倍量を越えると組成物の物
理性の点などで問題があった。また、対照例4のよう
に、一般式IIの安定剤のみでは、揮散性が低いため蒸
散テフラメトリンにまでその安定化効果が及ばず、更に
対照例5の如く、モノメチルハイドロキノンでは効果が
ほとんど認められなかった。
【0037】試験例2 蒸散による実用試験 室内の窓ぎわに置かれた半透明製ファンシーケース(容
積700l)の中に、実施例2に準じて調製した衣料用
防虫剤と、これに密着させて白色布を吊るした。試験開
始直後に、イガの1令幼虫10匹を放飼した直径4c
m、幅2cmのガラスリング(両面を羊毛布でカバー)
をケース内に設置し、2日後、7日後の死虫率を観察し
た。更に6ヶ月後に、同様の殺虫、防虫試験を実施する
と共に、白色布上の着色程度を観察した。また、試験開
始からケース内に入れておいた真ちゅう製ボタン付洋服
についても観察したところ表2の如くであった。着色の
程度を示す符号は試験例1と同様である。
【0038】
【表2】
【0039】試験の結果、本発明の衣料用防虫剤組成物
によるときは、エムペントリンのみを含有する防虫剤
(対照例1)に比べ、イガ幼虫に対し長期間にわたり同
等以上の殺虫、防虫効果を示し、衣類への着色がなく、
かつ真ちゅう製ボタンへの影響もなかった。これに対
し、対照例で示されるように、一般式Iの安定剤を所定
量以上配合しない防虫剤(対照例2,3)の場合、光の
強い条件下では衣類への着色の懸念があった。なお、エ
ムペントリンとの混合組成物については、本発明処方の
場合、エムペントリンの金属に対する影響がテフラメト
リンの作用によって問題のない程度にまで抑えられ実用
上極めて有用であったのに対し、対照例4に示すよう
に、テフラメトリンのエムペントリンに対する比率が
2.0倍量以下では、この変色、変質抑制効果は不十分
であった。
【0040】
【発明の効果】上記のように、請求項1の発明によると
きは、衣料害虫に対する高い殺虫、防虫効果、温血動物
に対する低毒性、金属に対する化学的安定性に加え、一
般式Iの安定剤に基づく着色防止効果が付与され、非常
に有用な衣料用防虫剤組成物が提供される。
【0041】請求項2の発明によると、更に一般式II
の安定剤の添加で、より確実な着色防止効果が得られ
る。
【0042】請求項3の発明によると、請求項1の発明
のなかでも、より性能のすぐれた衣料用防虫剤組成物を
得ることができる。
【0043】請求項4の発明によると、請求項2の発明
のなかでも、より性能のすぐれた衣料用防虫剤組成物を
得ることができる。
【0044】請求項5の発明によると、エムペントリン
との混合組成物であって、エムペントリンの銅系金属に
対する変色、変質作用が抑制され、かつテフラメトリン
の着色防止効果が付与された衣料用防虫剤組成物が提供
される。
【0045】請求項6の発明によると、請求項5の発明
のなかでも、より性能のすぐれた衣料用防虫剤組成物が
提供される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分として、5−プロパルギル−2
    −フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
    プロパンカルボキシレートを含有し、かつ安定剤とし
    て、一般式I 【化1】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わす。また、
    、Rは、そのいずれかが水素原子を表し、他方は
    炭素数が3〜6のアルキル基を表わす。)で表わされる
    ハイドロキノン及びハイドロキノンモノメチルエーテル
    系化合物の1種又は2種以上を、5−プロパルギル−2
    −フリルメチル−2,2,3,3−テトラメチルシクロ
    プロパンカルボキシレートに対して0.1〜1.0倍量
    配合したことを特徴とする衣料用防虫剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の衣料用防虫剤組成物にお
    いて、安定剤として更に一般式II 【化2】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わす。また、
    、Rは同一又は相異って炭素数が3〜6のアルキ
    ル基を表わす。)で表わされるハイドロキノン及びハイ
    ドロキノンモノメチルエーテル系化合物の1種又は2種
    以上を、5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,
    2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレ
    ートに対して0.05〜0.5倍量配合したことを特徴
    とする衣料用防虫剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の衣料用防虫剤組成物にお
    いて、一般式Iで表わされる安定剤が、モノターシャリ
    ーブチルハイドロキノン、3−ターシャリーブチル−4
    −ヒドロキシアニソール及び2−ターシャリーブチル−
    4−ヒドロキシアニソールから選ばれた1種又は2種以
    上であることを特徴とする衣料用防虫剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の衣料用防虫剤組成物にお
    いて、一般式Iで表わされる安定剤が、モノターシャリ
    ーブチルハイドロキノン、3−ターシャリーブチル−4
    −ヒドロキシアニソール及び2−ターシャリーブチル−
    4−ヒドロキシアニソールから選ばれた1種又は2種以
    上であり、かつ一般式IIで表わされる安定剤が、2,
    5−ジターシャリーブチルハイドロキノンであることを
    特徴とする衣料用防虫剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の衣料用防虫剤組
    成物において、有効成分として、5−プロパルギル−2
    −フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
    プロパンカルボキシレートとエムペントリンを共に含有
    し、5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,
    3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
    をエムペントリンに対して2.0倍以上の比率で配合し
    たことを特徴とする衣料用防虫剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の衣料用防虫剤組
    成物において、有効成分として、5−プロパルギル−2
    −フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
    プロパンカルボキシレートとエムペントリンを共に含有
    し、5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,
    3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
    をエムペントリンに対して2.0倍以上の比率で配合し
    たことを特徴とする衣料用防虫剤組成物。
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