JPH0872687A - ブレーキシステム装置 - Google Patents

ブレーキシステム装置

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JPH0872687A
JPH0872687A JP20881294A JP20881294A JPH0872687A JP H0872687 A JPH0872687 A JP H0872687A JP 20881294 A JP20881294 A JP 20881294A JP 20881294 A JP20881294 A JP 20881294A JP H0872687 A JPH0872687 A JP H0872687A
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JP
Japan
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hydraulic
brake
damping chamber
pulsation damping
pulsation
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Application number
JP20881294A
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English (en)
Inventor
Takahito Ogaki
孝人 大垣
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンチロック作動時における、騒音、振動を
低減させたブレーキシステムを提供する。 【構成】 マスターシリンダと、車輪ブレーキと、アン
チロック用モジュレータとからなり、該アンチロック用
モジュレータは、マスターシリンダと車輪ブレーキとを
結ぶ主流路と、該主流路から分岐し、マスターシリンダ
側の帰還点へ主流路の分岐点から作動液を帰還させる還
流路と、該還流路に設けられたポンプと、車輪ブレーキ
のブレーキ圧を減圧し、又は加圧する液圧制御弁とを有
するブレーキシステム装置において、上記主流路に、該
ブレーキ配管よりも大きい内径を有する管で構成される
容積膨張型管形状をなし、作動液の液圧脈動を減衰させ
る液圧脈動減衰室を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のブレーキシステ
ム装置に関し、詳しくは、アンチロック作動時に液圧制
御弁を作動させて、車輪ブレーキより作動液を還流路に
排出させ、該還流路に設けたポンプによりマスターシリ
ンダ側に還流させる還流方式のアンチロック装置におい
て、上記液圧制御弁及びポンプ作動時における液圧脈動
のマスターシリンダ側及び/又は車輪ブレーキ側への伝
達を抑制すると共に、アンチロック作動時の騒音及び振
動を低減するためのブレーキシステム装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近来、アンチロック装置普及期を迎え、
コストの低減、コンパクト化による小型車への適用が要
求されている。該要求に応えるアンチロック装置として
は、例えば、特公昭49−28307号(ドイツ特許7
19446号)明細書に開示されている。
【0003】上記特公昭49−28307号明細書で
は、アンチロック装置は、マスターシリンダと車輪ブレ
ーキとを結ぶ主流路から分岐し、該分岐点よりも上流
側、すなわちマスターシリンダ側の主流路上にある帰還
点へ作動液を帰還させる還流路と、該還流路に設けら
れ、作動液を還流させるポンプと、上記分岐点から作動
液を還流路へ排出することにより車輪ブレーキのブレー
キ圧を減圧し、また、上記帰還点よりも下流の主流路か
ら上記分岐点を経由して車輪ブレーキへ作動液を供給す
ることにより車輪ブレーキのブレーキ圧を加圧する液圧
制御弁とを有する方式を採用している。なお、以下、こ
のような方式を還流方式と呼ぶ。
【0004】上記のような装置においては、液圧制御弁
として、帰還点と分岐点との間の主流路に電磁作動によ
るノーマリオープンの入力弁を設けると共に、分岐点と
ポンプとの間の還流路に電磁作動によるノーマリクロー
ズの出力弁が設けられており、上記2つの電磁弁の切り
替えによって減圧、保持、加圧の3つのモードによりア
ンチロック作動時のブレーキ液圧制御を行っている。
【0005】また、同様な還流方式として、英国特許
(願)8512610号明細書において、上記電磁作動
の入力弁に代わって、非電磁作動の流量制御弁を設け、
一車輪あたり1つの電磁弁により減圧と緩昇圧の2つの
モードでアンチロック制御を行う装置が提案されてい
る。
【0006】しかしながら、上記還流方式のアンチロッ
ク装置においては、アンチロック減圧時に車輪ブレーキ
から排出された作動液がポンプによりマスターシリンダ
と液圧制御弁との間に帰還されるため、ブレーキペダル
の振動及び配管系の振動に基づく騒音などの問題が発生
している。
【0007】上記したポンプの脈動がマスターシリンダ
側に伝わるのを減少させるために、種々の方法が提案さ
れている。例えば、西ドイツ特許出願第2643860
号明細書において、ポンプ吐出口と帰還点の間に絞りを
設け、該絞りとポンプ吐出口との間に大面積を有する緩
衝室を設ける方法が提案されており、また、特公昭56
−142733号明細書及び特公昭61−16656号
明細書において、帰還点とマスターシリンダとの間にマ
スターシリンダから帰還点に向かう方向を順方向とする
逆止弁手段を設け、ポンプ吐出圧をマスターシリンダへ
伝えない方法が提案されている。
【0008】更に、実開昭63−98869号明細書に
おいて、ポンプ吐出圧を受けるピストンを設け、該ピス
トンをポンプ作動時に移動させてマスターシリンダと上
記帰還点との間を絞り連通させ、ポンプ脈動をマスター
シリンダ側へ伝達しないようにする装置が提案されてい
る。
【0009】また、ポンプ及び液圧制御弁の作動によ
る、車輪ブレーキへの脈動伝達低減方法もいくつか提案
されている。例えば、実開平3−047848号明細書
において、車輪ブレーキと液圧制御弁との間を分岐し
て、経路調を変えることにより脈動位相をずらせて再合
流させ、位相打消を図る方法が提案され、特開平3−2
00460号明細書において、ブレーキ配管の末端にブ
レーキ配管と同じ長さのサブ配管を設け、液圧脈動と逆
位相の振動を発生させて液圧振動を低減させる方法が提
案されている。
【0010】更にまた、特開平6−24306号明細書
において、マスターシリンダ及び車輪ブレーキへの脈動
伝達低減方法として、マスターシリンダとアンチロック
用モジュレータ、又はアンチロックモジュレータと車輪
ブレーキとの間にブレーキ導管の内径よりも大きな内径
を有する反射減衰装置を組み込む方法が提案されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の液圧脈動の伝達防止方法には種々の問題があ
る。すなわち、上記西ドイツ特許出願第2643860
号明細書で開示された方法では、ポンプ吐出量の全量が
絞りを通るため、絞りの手前のポンプ吐出圧が増大し、
ポンプの負荷が大きくなること、大径の緩衝室を設ける
ために形状が大きくなり、端栓などを必要とすることな
どの問題がある。また、特公昭56−142733号明
細書で開示された方法ではポンプ吐出圧と逆止弁との間
にアキュムレータを要し、装置の大型化やコストアップ
などの問題がある。
【0012】更に、上記実開昭63−98869号明細
書で開示された方法では、通常ブレーキ時にピストンが
移動し、ブレーキペダルのストロークが増加するという
欠点があると共に、構造が複雑でありコスト高になるこ
となどの問題がある。また、上記実開平3−04784
8号明細書で開示された方法では、ブレーキ液圧脈動の
半波長分の長さの配管、すなわち、ブレーキ液の液圧脈
動伝達速度が約1300m/sであるから、100Hz
の脈動を打ち消すためには、1300/2/100=
6.5(m)もの長さの配管が必要となり、しかも、狭
い周波数範囲の脈動しか打ち消すことができない。
【0013】更にまた、上記特開平3−200460号
明細書で開示された方法においても、長い配管が必要で
あり、狭い周波数範囲の脈動しか低減できず、上記特開
平6−24306号明細書で開示された方法では、コス
トアップすると共にエア抜き性が悪いなどの問題があっ
た。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するためになされたものであり、マスターシリンダ
と、車輪ブレーキと、アンチロック用モジュレータから
なり、該アンチロック用モジュレータは、上記マスター
シリンダと上記車輪ブレーキとを結ぶ主流路と、該主流
路から分岐する分岐点よりも上流側、すなわちマスター
シリンダ側の帰還点へ上記主流路の分岐点から作動液を
帰還させる還流路と、該還流路に設けられ作動液を還流
させるポンプと、上記車輪ブレーキから還流路へ作動液
を排出させることにより車輪ブレーキのブレーキ圧を減
圧し、また、上記主流路から車輪ブレーキへ作動液を供
給することにより車輪ブレーキのブレーキ圧を加圧する
液圧制御弁とを有するブレーキシステム装置において、
上記主流路に、該ブレーキ配管の内径よりも大きい内径
を有する管で構成される容積膨張型管形状をなし、作動
液の液圧脈動を減衰させる液圧脈動減衰室を備えたこと
を特徴とするブレーキシステム装置を提供するものであ
る。
【0015】本願の特許請求の範囲の請求項2に記載の
発明において、上記請求項1の液圧脈動減衰室は、両端
から、主流路を形成する上記ブレーキ配管をそれぞれ挿
着されて挿入管型形状を形成することを特徴とする。
【0016】本願の特許請求の範囲の請求項3に記載の
発明において、上記請求項1の液圧脈動減衰室は、主流
路を形成する上記ブレーキ配管との接続部に、該ブレー
キ配管の内径よりも小さい内径を有する管を設けると共
に、両端から、該小さい内径を有する管をそれぞれ挿着
されて挿入管型形状を形成することを特徴とする。
【0017】本願の特許請求の範囲の請求項4に記載の
発明において、上記請求項1の液圧脈動減衰室は、主流
路を形成する上記ブレーキ配管を接続するためのそれぞ
れの接続部にエア抜き用ブリーダを設けることを特徴と
する。
【0018】本願の特許請求の範囲の請求項5に記載の
発明において、上記請求項1の液圧脈動減衰室は、主流
路を形成する上記ブレーキ配管を接続するためのそれぞ
れの接続部にオリフィスを設けたことを特徴とする。
【0019】本願の特許請求の範囲の請求項6に記載の
発明において、上記請求項1から請求項5のいずれかの
液圧脈動減衰室を、上記マスターシリンダと上記分岐点
との間の上記主流路に備えたことを特徴とする。
【0020】本願の特許請求の範囲の請求項7に記載の
発明において、上記請求項1から請求項5のいずれかの
液圧脈動減衰室を、上記分岐点と上記車輪ブレーキとの
間の上記主流路に備えたことを特徴とする。
【0021】本願の特許請求の範囲の請求項8に記載の
発明において、上記請求項1から請求項5のいずれかの
液圧脈動減衰室を、上記マスターシリンダと上記分岐点
との間の上記主流路と、上記分岐点と上記車輪ブレーキ
との間の上記主流路とに備えたことを特徴とする。
【0022】
【作用及び効果】特許請求の範囲の請求項1に記載の装
置は、該ブレーキ配管の内径よりも大きい内径を有する
管で構成される容積膨張型管形状をなし、作動液の液圧
脈動を減衰させる液圧脈動減衰室をブレーキ配管からな
る主流路に備えたことから、ポンプ及び液圧制御弁の作
動によって生じる液圧脈動が広い周波数範囲で効果的に
抑制することができ、アンチロック作動時の騒音及び振
動を低減することができる。また、上記液圧脈動減衰室
は、通常のブレーキ配管の内径を太くした形状であるこ
とから、取り付けに際して通常配管と同様に容易な取り
扱いができると共に、ブレーキ作動時のブレーキの効き
遅れや戻り遅れなどの不具合が生じることなく、ポンプ
の負荷の増大や装置の大型化やコストアップが生じるこ
ともない。
【0023】特許請求の範囲の請求項2に記載の装置に
おいては、上記液圧脈動減衰室が、両端から、主流路を
形成する上記ブレーキ配管をそれぞれ挿着されて挿入管
型形状を形成することから、ポンプ及び液圧制御弁の作
動によって生じる液圧脈動が広い周波数範囲で効果的に
抑制することができ、アンチロック作動時の騒音及び振
動を低減することができる。また、上記液圧脈動減衰室
は、通常のブレーキ配管の内径を太くした形状であるこ
とから、取り付けに際して通常配管と同様に容易な取り
扱いができると共に、ブレーキ作動時のブレーキの効き
遅れや戻り遅れなどの不具合が生じることなく、ポンプ
の負荷の増大や装置の大型化やコストアップが生じるこ
ともない。
【0024】特許請求の範囲の請求項3に記載の装置に
おいては、上記液圧脈動減衰室が、主流路を形成する上
記ブレーキ配管との接続部に、該ブレーキ配管の内径よ
りも小さい内径を有する管を設けると共に、両端から、
該小さい内径を有する管をそれぞれ挿着されて挿入管型
形状を形成することから、ポンプ及び液圧制御弁の作動
によって生じる液圧脈動が広い周波数範囲で効果的に抑
制することができ、アンチロック作動時の騒音及び振動
を低減することができる。また、上記液圧脈動減衰室
は、通常のブレーキ配管の内径を太くした形状であるこ
とから、取り付けに際して通常配管と同様に容易な取り
扱いができると共に、ブレーキ作動時のブレーキの効き
遅れや戻り遅れなどの不具合が生じることなく、ポンプ
の負荷の増大や装置の大型化やコストアップが生じるこ
ともない。
【0025】特許請求の範囲の請求項4に記載の装置に
おいては、上記液圧脈動減衰室において、主流路を形成
する上記ブレーキ配管を接続するためのそれぞれの接続
部にエア抜き用ブリーダを設けたことから、液圧脈動減
衰室におけるエア抜き性の悪化を防ぐことができると共
に、ポンプ及び液圧制御弁の作動によって生じる液圧脈
動が広い周波数範囲で効果的に抑制することができ、ア
ンチロック作動時の騒音及び振動を低減することができ
る。また、上記液圧脈動減衰室は、通常のブレーキ配管
の内径を太くした形状であることから、取り付けに際し
て通常配管と同様に容易な取り扱いができると共に、ブ
レーキ作動時のブレーキの効き遅れや戻り遅れなどの不
具合が生じることなく、ポンプの負荷の増大や装置の大
型化やコストアップが生じることもない。
【0026】特許請求の範囲の請求項5に記載の装置に
おいては、上記液圧脈動減衰室において、主流路を形成
する上記ブレーキ配管を接続するためのそれぞれの接続
部にオリフィスを設けたことから、ポンプ及び液圧制御
弁の作動によって生じる液圧脈動が広い周波数範囲で更
に効果的に抑制することができ、アンチロック作動時の
騒音及び振動を低減することができる。また、上記液圧
脈動減衰室は、通常のブレーキ配管の内径を太くした形
状であることから、取り付けに際して通常配管と同様に
容易な取り扱いができると共に、ブレーキ作動時のブレ
ーキの効き遅れや戻り遅れなどの不具合が生じることな
く、装置の大型化やコストアップが生じることもない。
【0027】特許請求の範囲の請求項6に記載の装置に
おいては、上記請求項1から請求項5のいずれかの液圧
脈動減衰室を、上記マスターシリンダと上記分岐点との
間のブレーキ配管からなる主流路に備えたことから、ポ
ンプ及び液圧制御弁の作動によって生じる液圧脈動がマ
スターシリンダ側へ伝達することを広い周波数範囲で効
果的に抑制することができ、アンチロック作動時の騒音
及び振動を低減することができると共に、ブレーキペダ
ルのタッチをよくすることができる。
【0028】特許請求の範囲の請求項7に記載の装置に
おいては、上記請求項1から請求項5のいずれかの液圧
脈動減衰室を、上記分岐点と上記車輪ブレーキとの間の
ブレーキ配管からなる主流路に備えたことから、ポンプ
及び液圧制御弁の作動によって生じる液圧脈動がホイー
ルシリンダ側へ伝達することを広い周波数範囲で効果的
に抑制することができ、アンチロック作動時の騒音及び
振動を低減することができる。
【0029】特許請求の範囲の請求項8に記載の装置に
おいては、上記請求項1から請求項5のいずれかの液圧
脈動減衰室を、上記マスターシリンダと上記分岐点との
間のブレーキ配管からなる主流路と、上記分岐点と上記
車輪ブレーキとの間のブレーキ配管からなる主流路とに
備えたことから、ポンプ及び液圧制御弁の作動によって
生じる液圧脈動がマスターシリンダ側及びホイールシリ
ンダ側へ伝達することを広い周波数範囲で効果的に抑制
することができ、アンチロック作動時の騒音及び振動を
低減することができると共に、ブレーキペダルのタッチ
をよくすることができる。
【0030】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づき、本発明に
ついて詳細に説明する。図1は、本発明の装置における
第1実施例の構成を示す全体構成図である。
【0031】図1において、ブレーキペダル1の踏力を
ブレーキ液圧に変換するマスターシリンダ2と車輪ブレ
ーキ4におけるホイールシリンダ5とを配管Lで接続し
てなる主流路aが形成される。該主流路aには、車輪ブ
レーキ4におけるホイールシリンダ5へのブレーキ液圧
の減圧、保持又は加圧を行って制動力を制御するアンチ
ロックモジュレータ6が介設されている。
【0032】更に、上記主流路aには、上記マスターシ
リンダ2と該アンチロックモジュレータ6との間に、作
動液であるブレーキ液の液圧脈動を抑制する第1液圧脈
動減衰室3が、上記アンチロックモジュレータ6と上記
ホイールシリンダ5との間には第2液圧脈動減衰室7が
介設されている。なお、ホイールシリンダを含む車輪ブ
レーキは各車輪ごとに設けられているが、ここでは、代
表して1つの車輪のみを示して説明を行う。
【0033】上記アンチロックモジュレータ6は、2位
置切換弁をなすノーマリオープンの第1ソレノイドバル
ブ8と、同じく2位置切換弁をなすノーマリクローズの
第2ソレノイドバルブ9と、ホイールシリンダ5から第
2ソレノイドバルブ9により減圧したブレーキ液を一時
的に貯蔵するリザーバ10と、該リザーバ10に貯蔵さ
れたブレーキ液を主流路aに還流させるポンプ11と、
該ポンプ11を駆動するモータ12と逆止弁13,1
4,15とから構成されている。
【0034】上記第1ソレノイドバルブ8は、第1液圧
脈動減衰室3と第2液圧脈動減衰室7との間の主流路a
に介設され、また、上記第1ソレノイドバルブ8をバイ
パスする還流路bが逆止弁13を介設して形成される。
なお、逆止弁13は、主流路aにおける、第2液圧脈動
減衰室7側の分岐点P1から第1液圧脈動減衰室3側の
帰還点P2の方向へのみブレーキ液が流れるようになっ
ている。
【0035】更に、第1ソレノイドバルブ8と第2液圧
脈動減衰室7との間の主流路aにおける上記分岐点P1
に、上記第2ソレノイドバルブ9を介設してリザーバ1
0が配管接続され、更にまた、第2ソレノイドバルブ9
とリザーバ10との間に逆止弁14を介してポンプ11
が配管接続され、該ポンプ11は、逆止弁15を介し
て、第1液圧脈動減衰室3と第1ソレノイドバルブ8と
の間の主流路aにおける帰還点P2に配管接続されて、
還流路cを形成する。なお、逆止弁14は第2ソレノイ
ドバルブ9とリザーバ10との接続部からポンプ11の
方向へ、逆止弁15はポンプ11から帰還点P2の方向
へのみブレーキ液が流れるようになっている。
【0036】以上のような構成において、アンチロック
制御時には、上記第1ソレノイドバルブ8のソレノイド
及び第2ソレノイドバルブ9のソレノイドが励磁し、モ
ータ12が作動しそれに伴ってポンプ11が作動する。
【0037】これにより、ノーマリオープンの第1ソレ
ノイドバルブ8が閉じて、マスターシリンダ2からホイ
ールシリンダ5へのブレーキ液供給路を閉じ、ノーマリ
クローズの第2ソレノイドバルブ9が開いて、ホイール
シリンダ5のブレーキ液の排出路を開くことにより、ホ
イールシリンダ5のブレーキ液が第2液圧脈動減衰室7
を介してリザーバ10に流れて、ホイールシリンダ5の
ブレーキ液圧が下がる。そして、ホイールシリンダ5の
ブレーキ液圧の減圧が開始されるとポンプ11が作動し
て、リザーバ10内のブレーキ液を汲み上げ、該ブレー
キ液は還流路cを通り、第1液圧脈動減衰室3を介して
マスターシリンダ2に還流される。
【0038】なお、アンチロック制御中において、ドラ
イバーがブレーキ圧の低下を望んでブレーキペダル1の
踏力を減じた場合、第1ソレノイドバルブ8をバイパス
して、ホイールシリンダ5のブレーキ液を、第2液圧脈
動減衰室7を通り、更に逆止弁13を有する還流路bを
通り、第1液圧脈動減衰室3を通ってマスターシリンダ
2へ排出する。
【0039】また、ホイールシリンダ5のブレーキ液圧
の減圧により、車輪のロックが回避された場合、第1ソ
レノイドバルブ8と第2ソレノイドバルブ9のそれぞれ
のソレノイドの励磁が解かれ、第1ソレノイドバルブ8
のバルブが開き、第2ソレノイドバルブ9のバルブが閉
じて、アンチロック制御を解除し、ホイールシリンダ5
のブレーキ液圧が主流路aを使用して再加圧される。
【0040】次に、図2は、図1で示した本発明の装置
の第1実施例で使用した第1液圧脈動減衰室3の一例を
示した断面図であり、図2を用いて、第1液圧脈動減衰
室3の構造を説明する。なお、上記第2液圧脈動減衰室
7は第1液圧脈動減衰室3と同じものであるので、その
説明は省略する。
【0041】図2において、円筒形をした液圧脈動減衰
用管50の一方の開放端には、ジョイントコネクタ51
Aによって配管Lが接続され、他方の開放端には、ジョ
イントコネクタ51Bによって配管Lが接続されてい
る。
【0042】上記液圧脈動減衰用管50の内径は、主流
路aに使用した配管Lの内径よりも大きければ液圧脈動
を低減する効果があるが、十分な効果を得るためには少
なくとも配管Lの内径の2倍以上あることが望ましく、
乗用車に使用する場合は、上記ブレーキシステム装置が
エンジンルーム内にあることを考慮すると、配管Lの内
径の2倍から6倍であることが望ましい。なお、配管L
の内径は、一般的には約φ2.7mmである。
【0043】ここで、アンチロック制御時に、第1ソレ
ノイドバルブ8、第2ソレノイドバルブ9が作動し、ホ
イールシリンダ5からブレーキ液が第2液圧脈動減衰室
7を通り、分岐点P1から第2ソレノイドバルブ9を通
りリザーバ10に貯えられ、ポンプ11が作動すること
によって、リザーバ10のブレーキ液は逆止弁14,1
5を介して還流路cを通って帰還点P2に還流される。
そのため、ポンプ11からの吐出液流が第1液圧脈動減
衰室3を通ってマスターシリンダ2に流れ、同時に液圧
脈動もマスターシリンダ2に伝わる。
【0044】上記のように、マスターシリンダ2に伝わ
る液圧脈動は、200Hz以下の周波数においてレベル
が高く、アンチロック制御時に発生する騒音や振動を低
減するには、200Hz以下の周波数の液圧脈動を減少
させる必要がある。
【0045】液圧脈動減衰用管50の長さlと、低減さ
せたい液圧脈動の周波数fと、液圧脈動伝達速度cとの
関係は理論的に f=c/(2πl)………………………(1) で表すことができる。
【0046】ここで、ブレーキ液の場合、液圧脈動伝達
速度cは、c≒1300m/sであることから、上記
(1)式より、液圧脈動減衰用管50の長さlは、f=
200Hzの脈動を低減するためには、l≒1.0m、
f=100Hzの脈動を低減するためには、l≒2.1
m、f=50Hzの脈動を低減するためには、l≒4.
2mとすればよい。
【0047】このことは、実験からも確認されており、
図3は、液圧脈動減衰室3を使用しなかった場合のアン
チロック制御時におけるマスターシリンダ2及びホイー
ルシリンダシリンダ5におけるブレーキ液圧の脈動を示
している。
【0048】図3において、縦軸はブレーキ液の液圧を
示しており、横軸は時間を示している。M/Cで示した
グラフがマスターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈
動を示しており、W/Cで示したグラフがホイールシリ
ンダ5におけるブレーキ液圧の脈動を示している。
【0049】図4は、内径φ7mm、長さ2.1mの液
圧脈動減衰用管50を有する液圧脈動減衰室をマスター
シリンダ側、すなわち、図1における第1液圧脈動減衰
室3に使用した場合のアンチロック制御時におけるマス
ターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈動を示してお
り、図5は、図4の場合と同じ液圧脈動減衰室をホイー
ルシリンダ側、すなわち、図1における第2液圧脈動減
衰室7に使用した場合のアンチロック制御時におけるホ
イールシリンダ5のブレーキ液圧を示している。なお、
図4及び図5においても、図3と同様に縦軸は液圧、横
軸は時間を示しており、図3、図4及び図5におけるデ
ータは、内径がφ2.7mmの配管を使用して行った実
験によるものである。
【0050】図3、図4及び図5のグラフとも、小刻み
に脈動している状態が読みとれるが、図3と、図4及び
図5を比較すると、図4及び図5の方が、明らかに脈動
の振幅の幅が小さくなっていると共に、脈動が減少して
いることがわかり、図3で示した振動の振幅の幅の半分
以下になっている。
【0051】更に、図2で示した液圧脈動減衰室の効果
を明確にするため、図2で示した液圧脈動減衰室を使用
した場合と、使用しなかった場合の、マスターシリンダ
2及びホイールシリンダ5におけるブレーキ液圧の脈動
の周波数分析を行った結果を図6から図9で示してい
る。なお、図6から図9において、縦軸は脈動の強さを
示し、横軸は脈動の周波数を示している。
【0052】図6は、液圧脈動減衰室を使用しなかった
場合の、マスターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈
動において、0kHzから1kHzまでの各周波数にお
ける強さを示している。また、図7は、液圧脈動減衰室
を使用しなかった場合の、ホイールシリンダ5における
ブレーキ液圧の脈動において、0kHzから1kHzま
での各周波数における強さを示している。
【0053】これに対して、図8は、図2の液圧脈動減
衰室を図1の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合の、
マスターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈動におい
て、0kHzから1kHzまでの各周波数における脈動
の強さを示しており、図9は、図2の液圧脈動減衰室を
図1の第2液圧脈動減衰室7に使用した場合の、ホイー
ルシリンダ5におけるブレーキ液圧の脈動において、0
kHzから1kHzまでの各周波数における脈動の強さ
を示している。
【0054】図6と図8を比較して、図8の方が各周波
数においてブレーキ液圧の脈動の強さが減少しているこ
とがわかるが、特に0.1kHz近辺における減少が大
きく、10dBV以上減衰していることがわかる。この
ことから、図2の液圧脈動減衰室を図1の第1液圧脈動
減衰室3に使用することによって、マスターシリンダ2
におけるブレーキ液圧の脈動、特に100Hz近辺の周
波数の脈動を減少させることがわかる。
【0055】更に、図7と図9を比較して、図9の方が
特に0.1kHz近辺におけるブレーキ液圧の脈動の強
さの減少が大きく、最大で約15dBV減衰しているこ
とがわかる。このことから、図2の液圧脈動減衰室を図
1の第2液圧脈動減衰室7に使用することによって、ホ
イールシリンダ5におけるブレーキ液圧の脈動、特に1
00Hz近辺の周波数の脈動を減少させることがわか
る。
【0056】次に、図10は、図1で示した本発明の装
置の第1実施例で使用した第1液圧脈動減衰室3の他の
例を示した断面図であり、上記第1実施例で示した液圧
脈動減衰室の代わりに図10で示した液圧脈動減衰室を
使用して本発明の装置の第2実施例とし、図10を用い
て、本第2実施例における第1液圧脈動減衰室3の構造
を説明する。なお同様に、上記第2液圧脈動減衰室7は
第1液圧脈動減衰室3と同じものであるので、その説明
は省略すると共に、ここでは、図2で示した第1液圧脈
動減衰室3との相違点のみ説明する。
【0057】図10において、図2との相違点は、液圧
脈動減衰用管50の一方の開放端に、配管Lが液圧脈動
減衰用管50の内部にまで挿入され、ジョイントコネク
タ51Aによって固定されて接続されている。更に、液
圧脈動減衰用管50の他方の開放端には、配管Lが液圧
脈動減衰用管50の内部にまで挿入され、ジョイントコ
ネクタ51Bによって固定されて接続されている。この
ように、上記第1液圧脈動減衰室3は配管Lを挿入した
挿入管型形状を形成しているため、液圧脈動を減衰させ
る効果が大きくなる。
【0058】ここで、配管Lにおいて、液圧脈動減衰用
管50の内部にジョイントコネクタ51A側から挿入さ
れている部分の長さをlaとし、液圧脈動減衰用管50
の内部にジョイントコネクタ51B側から挿入されてい
る部分の長さをlbとすると、la及びlbは、共に、
0ないしは液圧脈動減衰用管50の全長l程度で効果が
得られる。
【0059】la又はlbの一方が0で、他方が液圧脈
動減衰用管50の全長lに対して1/2の長さの場合、
図2で示した構造の液圧脈動減衰室における液圧脈動減
衰用管50の断面積を2倍にし、長さを1/2にしたも
のと同様の効果が得られる。
【0060】また、la又はlbの一方が0で、他方が
液圧脈動減衰用管50の全長lに対して1/4の長さの
場合、図2で示した構造の液圧脈動減衰室における液圧
脈動減衰用管50の断面積を4倍にし、長さを3/4に
したものと同様の効果が得られる。
【0061】更にまた、la又はlbの一方が液圧脈動
減衰用管50の全長lの1/2、他方が液圧脈動減衰用
管50の全長lに対して1/4の長さの場合、図2で示
した構造の液圧脈動減衰室における液圧脈動減衰用管5
0の断面積を4倍にし、長さを1/4にしたものと同様
の効果が得られる。
【0062】次に、図10で示した液圧脈動減衰室にお
いて、la及びlbを具体的にいく種類かの長さの組み
合わせを行って、液圧脈動を減衰させる効果を測定した
データを示す。なお、以下、測定に際しては特に明記し
ない限り内径がφ2.7mmの配管を使用して行い、ま
た、図1の第1液圧脈動減衰室3に、本実施例の液圧脈
動減衰室を使用した場合のデータを示しているが、図1
の第2液圧脈動減衰室7に使用しても同様の効果が得ら
れるものである。
【0063】図11は、laを0.5m、lbを0にし
て、図1の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合のアン
チロック制御時におけるマスターシリンダ2のブレーキ
液圧を測定した結果を示している。図11において、図
3から図5と同様に、縦軸はブレーキ液の液圧を示して
おり、横軸は時間を示している。
【0064】図11のグラフにおいても、小刻みに脈動
している状態が読みとれるが、図3及び図11を比較す
ると、図11の方が明らかに脈動の振幅の幅が小さくな
っていると共に、脈動が減少していることがわかり、図
2の液圧脈動減衰室を使用した場合における図4で示し
たデータよりも更に脈動が減少していることがわかる。
【0065】更に、図10で示した液圧脈動減衰室の効
果を明確にするため、図10で示した液圧脈動減衰室を
図1の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合の、マスタ
ーシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈動の周波数分析
を行った結果を図12で示している。なお、図12にお
いて、縦軸は脈動の強さを示し、横軸は脈動の周波数を
示している。
【0066】図6と図12を比較して、図12の方が各
周波数においてブレーキ液圧の脈動の強さが減少してい
ることがわかるが、特に0.1kHz近辺から0.3kH
zにおける減少が大きく、多いところで約20dBV減
衰していることがわかる。また、図2の液圧脈動減衰室
を使用した場合における図8で示したデータと比較して
も、0.1kHz近辺から0.3kHzにおけるブレーキ
液圧の脈動の強さが減少していることがわかる。
【0067】このことから、図10の液圧脈動減衰室を
図1の第1液圧脈動減衰室3に使用することによって、
マスターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈動を減少
させ、更に、図2の液圧脈動減衰室を図1の第1液圧脈
動減衰室3に使用した場合よりも、マスターシリンダ2
におけるブレーキ液圧の脈動を減少させることがわか
る。
【0068】また、図13は、laを1m、lbを0に
して、図1の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合のア
ンチロック制御時におけるマスターシリンダ2のブレー
キ液圧を測定した結果を示している。図13において
も、図3から図5、及び図11と同様に、縦軸はブレー
キ液の液圧を示しており、横軸は時間を示している。
【0069】図13のグラフにおいても、小刻みに脈動
している状態が読みとれるが、図3及び図13を比較す
ると、図13の方が明らかに脈動の振幅の幅が小さくな
っていると共に、脈動が減少していることがわかり、図
2の液圧脈動減衰室を使用した場合における図4で示し
たデータよりも更に脈動が減少していることがわかる。
【0070】更に、図10で示した液圧脈動減衰室でl
aを1m、lbを0にした場合の効果を明確にするた
め、laを1m、lbを0にした液圧脈動減衰室を図1
の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合の、マスターシ
リンダ2におけるブレーキ液圧の脈動の周波数分析を行
った結果を図14で示している。なお、図14におい
て、縦軸は脈動の強さを示し、横軸は脈動の周波数を示
している。
【0071】ここで、液圧脈動減衰室を使用しなかった
場合の図6と上記図14とを比較して、図14の方が各
周波数においてブレーキ液圧の脈動の強さが減少してい
ることがわかり、また、図10で示した液圧脈動減衰室
においてlaを0.5m、lbを0にした場合における
図12で示したデータよりも、更に、0.3kHz近辺
から0.4kHzにおけるブレーキ液圧の脈動の強さが
減少していることがわかる。
【0072】このことから、図10の液圧脈動減衰室を
図1の第1液圧脈動減衰室3に使用することによって、
図2の液圧脈動減衰室を図1の第1液圧脈動減衰室3に
使用した場合よりも、マスターシリンダ2におけるブレ
ーキ液圧の脈動を減少させることがわかると共に、図1
0の液圧脈動減衰室において、laを0.5mから1m
にして図1の第1液圧脈動減衰室3に使用することによ
り、更にマスターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈
動を減少させることがわかる。
【0073】図15は、laを1m、lbを0.5mに
して、図1の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合のア
ンチロック制御時におけるマスターシリンダ2のブレー
キ液圧を測定した結果を示している。図15において
も、図3から図5、図11、図13と同様に、縦軸はブ
レーキ液の液圧を示しており、横軸は時間を示してい
る。
【0074】図15のグラフにおいても、小刻みに脈動
している状態が読みとれるが、図3及び図15を比較す
ると、図15の方が明らかに脈動の振幅の幅が小さくな
っていると共に、脈動が減少していることがわかり、図
2の液圧脈動減衰室を使用した場合における図4で示し
たデータよりも更に脈動が減少していることがわかる。
【0075】更に、図10で示した液圧脈動減衰室でl
aを1m、lbを0.5mにした場合の効果を明確にす
るため、laを1m、lbを0.5mにした液圧脈動減
衰室を図1の第1液圧脈動減衰室3に使用した場合の、
マスターシリンダ2におけるブレーキ液圧の脈動の周波
数分析を行った結果を図16で示している。なお、図1
6において、縦軸は脈動の強さを示し、横軸は脈動の周
波数を示している。
【0076】ここで、液圧脈動減衰室を使用しなかった
場合の図6と上記図16とを比較して、図16の方が各
周波数においてブレーキ液圧の脈動の強さが減少してい
ることがわかり、また、図10で示した液圧脈動減衰室
でlaを1m、lbを0にした場合における図14で示
したデータとほぼ同じ効果を得ることができる。
【0077】このことから、図10の液圧脈動減衰室を
図1の第1液圧脈動減衰室3に使用することによって、
図2の液圧脈動減衰室を図1の第1液圧脈動減衰室3に
使用した場合よりも、マスターシリンダ2におけるブレ
ーキ液圧の脈動を減少させることがわかる。
【0078】次に、図17は、図1で示した本発明の装
置の第1実施例で使用した第1液圧脈動減衰室3の他の
例を示した断面図であり、上記第1実施例で示した液圧
脈動減衰室の代わりに図17で示した液圧脈動減衰室を
使用して本発明の第3実施例とし、図17を用いて本第
3実施例における第1液圧脈動減衰室3の構造を説明す
る。なお、同様に、上記第2液圧脈動減衰室7は第1液
圧脈動減衰室3と同じものであるので、その説明は省略
する共に、ここでは、図10で示した第1液圧脈動減衰
室3との相違点のみ説明する。
【0079】図17において、図2との相違点は、液圧
脈動減衰用管50の一方の開放端に、配管Lの内径より
も小さい内径を有する管52Aが液圧脈動減衰用管50
の内部にまで挿入され、ジョイントコネクタ53Aによ
って固定されて接続されている。また、上記管52A
は、ジョイントコネクタ54Aによって配管Lに接続さ
れている。
【0080】更に、液圧脈動減衰用管50の他方の開放
端には、配管Lの内径よりも小さい内径を有する管52
Bが液圧脈動減衰用管50の内部にまで挿入され、ジョ
イントコネクタ53Bによって固定されて接続されてい
る。また、上記管52Bは、ジョイントコネクタ54B
によって配管Lに接続されている。
【0081】このように、上記第1液圧脈動減衰室3
は、上記管52A及び52Bを挿入した挿入管型形状を
形成しているため、液圧脈動を減衰させる効果は更に大
きくなることから、図10で示したような挿入管型形状
をなした液圧脈動減衰室よりもコンパクトで同様の効果
が得られ、車両への搭載が更に容易になり、また、容積
も小さくすることができるために、ブレーキ液自体の圧
縮性に起因する、ブレーキをかけたときの剛性感の低下
を小さくすることができる。なお、管52A及び管52
Bは、内径がφ1mm又はφ2mm程度あれば、ブレー
キの効き遅れ感を生じることはない。
【0082】次に、図18は、図1で示した本発明の装
置の第1実施例で使用した第1液圧脈動減衰室3の他の
例を示した断面図であり、上記第1実施例で示した液圧
脈動減衰室の代わりに図18で示した液圧脈動減衰室を
使用して本発明の装置の第4実施例とし、図18を用い
て、本第4実施例における第1液圧脈動減衰室3の構造
を説明する。なお同様に、上記第2液圧脈動減衰室7は
第1液圧脈動減衰室3と同じものであるので、その説明
は省略すると共に、ここでは、図10で示した第1液圧
脈動減衰室3との相違点のみ説明する。
【0083】図10で示したような挿入管型形状をなし
た液圧脈動減衰室は、構造上、液圧脈動減衰室内のエア
に対して、エア抜け性が悪いという欠点がある。そこ
で、図18で示した本実施例における液圧脈動減衰室
は、図10の液圧脈動減衰室におけるジョイントコネク
タ51Aと液圧脈動減衰用管50との嵌合部に液圧脈動
減衰室内のエアを抜くエア抜き用ブリーダ55Aを、ジ
ョイントコネクタ51Bと液圧脈動減衰用管50との嵌
合部に液圧脈動減衰室内のエアを抜くエア抜き用ブリー
ダ55Bを設けることによって、液圧脈動減衰室内のエ
ア抜け性をよくしたものである。
【0084】次に、図19は、図1で示した本発明の装
置の第1実施例で使用した第1液圧脈動減衰室3の他の
例を示した断面図であり、上記第1実施例で示した液圧
脈動減衰室の代わりに図19で示した液圧脈動減衰室を
使用して本発明の装置の第5実施例とし、図19を用い
て、本第5実施例における第1液圧脈動減衰室3の構造
を説明する。なお同様に、上記第2液圧脈動減衰室7は
第1液圧脈動減衰室3と同じものであるので、その説明
は省略すると共に、ここでは、図10で示した第1液圧
脈動減衰室3との相違点のみ説明する。
【0085】図19で示した本実施例における液圧脈動
減衰室は、配管Lと液圧脈動減衰用管50との接合部に
直径がφ1mm又はφ2mm程度のオリフィス56Aを
有するジョイントコネクタ57Aと、同様に、配管Lと
液圧脈動減衰用管50との接合部に直径がφ1mm又は
φ2mm程度のオリフィス56Bを有するジョイントコ
ネクタ57Bを使用したことが図10で示した液圧脈動
減衰室との相違点であり、このことにより、本実施例に
おける液圧脈動減衰室の液圧脈動を減衰させる効果は更
に高まる。
【0086】ここで、上記第1実施例から第5実施例に
おいて、液圧脈動減衰室をマスターシリンダ側とホイー
ルシリンダ側の両方に設けたが、場合に応じて上記液圧
脈動減衰室をマスターシリンダ側又はホイールシリンダ
側のいずれか一方にだけ配置してもよく、また、省スペ
ースを図るために、管状の液圧脈動減衰室を蛇行させた
り、L字型やU字型に形成してもよい。その際には、図
20の(a)のように管自体を曲げてもよいし、図20
の(b)のようにエルボー型継ぎ手58を用いて管を曲
げてもよい。なお、これらのような場合においても、液
圧脈動減衰室の動作及び作用は上記実施例と同じである
のでここではその説明を省略する。
【0087】本発明は、上記第1実施例から第5実施例
に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられ、
本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定められるべ
きものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置における第1実施例の構成を示
す全体構成図である。
【図2】 図1で示した本発明の装置の第1実施例で使
用した液圧脈動減衰室の一例を示した断面図である。
【図3】 液圧脈動減衰室を使用しなかった場合のアン
チロック制御時におけるマスターシリンダ2及びホイー
ルシリンダ5の脈動を示したグラフである。
【図4】 図2で示した液圧脈動減衰室を使用した場合
のアンチロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈
動を示したグラフである。
【図5】 図2で示した液圧脈動減衰室を使用した場合
のアンチロック制御時におけるホイールシリンダ5の脈
動を示したグラフである。
【図6】 液圧脈動減衰室を使用しなかった場合のアン
チロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を周
波数分析した結果を示したグラフである。
【図7】 液圧脈動減衰室を使用しなかった場合のアン
チロック制御時におけるホイールシリンダ5の脈動を周
波数分析した結果を示したグラフである。
【図8】 図2で示した液圧脈動減衰室を使用した場合
のアンチロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈
動を周波数分析した結果を示したグラフである。
【図9】 図2で示した液圧脈動減衰室を使用した場合
のアンチロック制御時におけるホイールシリンダ5の脈
動を周波数分析した結果を示したグラフである。
【図10】 本発明の装置の第2実施例で使用した液圧
脈動減衰室を示した断面図である。
【図11】 図10で示した液圧脈動減衰室において、
laを0.5m、lbを0にして使用した場合のアンチ
ロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を示し
たグラフである。
【図12】 図10で示した液圧脈動減衰室において、
laを0.5m、lbを0にして使用した場合のアンチ
ロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を周波
数分析した結果を示したグラフである。
【図13】 図10で示した液圧脈動減衰室において、
laを1m、lbを0にして使用した場合のアンチロッ
ク制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を示したグ
ラフである。
【図14】 図10で示した液圧脈動減衰室において、
laを1m、lbを0にして使用した場合のアンチロッ
ク制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を周波数分
析した結果を示したグラフである。
【図15】 図10で示した液圧脈動減衰室において、
laを1m、lbを0.5mにして使用した場合のアン
チロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を示
したグラフである。
【図16】 図10で示した液圧脈動減衰室において、
laを1m、lbを0.5mにして使用した場合のアン
チロック制御時におけるマスターシリンダ2の脈動を周
波数分析した結果を示したグラフである。
【図17】 本発明の装置の第3実施例で使用した液圧
脈動減衰室を示した断面図である。
【図18】 本発明の装置の第4実施例で使用した液圧
脈動減衰室を示した断面図である。
【図19】 本発明の装置の第5実施例で使用した液圧
脈動減衰室を示した断面図である。
【図20】 本発明の装置において、管の曲げ方の例を
示した図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスターシリンダ 3 第1液圧脈動減衰室 4 車輪ブレーキ 5 ホイールシリンダ 6 アンチロックモジュレータ 7 第2液圧脈動減衰室 8 第1ソレノイドバルブ 9 第2ソレノイドバルブ 10 リザーバ 11 ポンプ 12 モータ 13,14,15 逆止弁 50 液圧脈動減衰用管 51A,51B ジョイントコネクタ 55A,55B エア抜き用ブリーダ 56A,56B オリフィス 57A,57B オリフィス付ジョイントコネクタ 58 エルボー型継ぎ手 L 配管 a 主流路 b,c 還流路 P1 分岐点 P2 帰還点

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスターシリンダと、車輪ブレーキと、
    アンチロック用モジュレータからなり、該アンチロック
    用モジュレータは、上記マスターシリンダと上記車輪ブ
    レーキとを結ぶ主流路と、該主流路から分岐する分岐点
    よりも上流側、すなわちマスターシリンダ側の帰還点へ
    上記主流路の分岐点から作動液を帰還させる還流路と、
    該還流路に設けられ作動液を還流させるポンプと、上記
    車輪ブレーキから還流路へ作動液を排出させることによ
    り車輪ブレーキのブレーキ圧を減圧し、また、上記主流
    路から車輪ブレーキへ作動液を供給することにより車輪
    ブレーキのブレーキ圧を加圧する液圧制御弁とを有する
    ブレーキシステム装置において、 上記主流路に、該ブレーキ配管の内径よりも大きい内径
    を有する管で構成される容積膨張型管形状をなし、作動
    液の液圧脈動を減衰させる液圧脈動減衰室を備えたこと
    を特徴とするブレーキシステム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブレーキシステム装置
    にして、上記液圧脈動減衰室は、両端から、主流路を形
    成する上記ブレーキ配管をそれぞれ挿着されて挿入管型
    形状を形成することを特徴とするブレーキシステム装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のブレーキシステム装置
    にして、上記液圧脈動減衰室は、主流路を形成する上記
    ブレーキ配管との接続部に、該ブレーキ配管の内径より
    も小さい内径を有する管を設けると共に、両端から、該
    小さい内径を有する管をそれぞれ挿着されて挿入管型形
    状を形成することを特徴とするブレーキシステム装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のブレーキシステム装置
    にして、上記液圧脈動減衰室は、主流路を形成する上記
    ブレーキ配管を接続するためのそれぞれの接続部にエア
    抜き用ブリーダを設けることを特徴とするブレーキシス
    テム装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のブレーキシステム装置
    にして、上記液圧脈動減衰室は、主流路を形成する上記
    ブレーキ配管を接続するためのそれぞれの接続部にオリ
    フィスを設けたことを特徴とするブレーキシステム装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のブレーキシステム装置にして、上記液圧脈動減衰室
    を、上記マスターシリンダと上記分岐点との間の上記主
    流路に備えたことを特徴とするブレーキシステム装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のブレーキシステム装置にして、上記液圧脈動減衰室
    を、上記分岐点と上記車輪ブレーキとの間の上記主流路
    に備えたことを特徴とするブレーキシステム装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のブレーキシステム装置にして、上記液圧脈動減衰室
    を、上記マスターシリンダと上記分岐点との間の上記主
    流路と、上記分岐点と上記車輪ブレーキとの間の上記主
    流路とに備えたことを特徴とするブレーキシステム装
    置。
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