JPH0867769A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0867769A
JPH0867769A JP20704194A JP20704194A JPH0867769A JP H0867769 A JPH0867769 A JP H0867769A JP 20704194 A JP20704194 A JP 20704194A JP 20704194 A JP20704194 A JP 20704194A JP H0867769 A JPH0867769 A JP H0867769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
resin
weight
parts
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20704194A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Iwama
道夫 岩間
Yukihiro Yoda
幸廣 與田
Motoi Takenaga
基 武永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP20704194A priority Critical patent/JPH0867769A/ja
Publication of JPH0867769A publication Critical patent/JPH0867769A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 樹脂100重量部に対して A)ポリリン酸アンモニウム 10〜25重量
部 B)多価水酸基含有化合物 1〜19重量部 C)非置換のアミノ基を一分子内に2個以上もつトリア
ジン環含有化合物、アルデヒド及び分子内にトリアジン
環を含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物を反応さ
せて得られる反応生成物 1〜19重量部 を含有する難燃性樹脂組成物。 【効果】 樹脂に対する難燃性組成物の量が比較
的少量で優れた難燃性を示す。よって、成型加工性が良
好であり樹脂の機械的性能の低下をもたらすことなく、
UL94試験のV0を満足する極めて優れた難燃性を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂の機械的性能を維持
しながらも高度の難燃性を有する非ハロゲン系難燃剤で
難燃化された難燃性樹脂組成物に関する。詳しくは難燃
剤としてポリリン酸アンモニウム、多価水酸基有化合
物、非置換のアミノ基を一分子内に2個以上もつトリア
ジン環含有化合物、アルデヒド及び分子内にトリアジン
環を含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物を反応さ
せて得られる反応生成物を併用して難燃化された難燃性
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂は、電気的特性、機械的強度に優れ
るため家電製品、電気電子部品等に多用されている。し
かし燃え易い為、種々の用途で樹脂材料に対する難燃性
が要求されてきている。従来、難燃剤としてはハロゲン
系難燃剤が多用されてきたが、燃焼時の腐食性ガス、有
毒ガスの発生が問題となっており、最近、難燃剤の非ハ
ロゲン化へのニーズが高まっている。現在使用されてい
る非ハロゲン系難燃剤は金属水酸化物系を主としており
これには水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムが
挙げられる。しかしこれらは樹脂に多量に添加しなけれ
ば難燃性を発揮することができず、そのため樹脂の成型
加工性及び機械的性能の低下をもたらすという欠点があ
る。また、金属水酸化物の吸湿性のため樹脂のブリード
等の問題もある。更に難燃剤にポリリン酸アンモニウム
を使用した系において特開平5−140412号公報に
は、ポリスチレン系樹脂、ポリリン酸アンモニウム、ポ
リヒドロキシ化合物、シランカップリング剤の組み合わ
せが記載されており、特開平5−39394号公報に
は、ポリプロピレン系樹脂、ポリリン酸アンモニウム、
ペンタエリスリトール、有機シリコーン化合物の組み合
わせが記載されているが、樹脂に対して難燃剤の添加量
が比較的多く必要となり、所望の難燃性は得られるが樹
脂の成型加工性及び樹脂の機械的性能の劣化を避ける事
ができないという問題がある。
【0003】また、特開昭60−36542号公報には
樹脂用の難燃剤としてポリリン酸アンモニウムとジペン
タエリスリトールの組み合わせが提案されているが、成
型体の炎にさらされている時間が短く、温度が十分上が
っていない場合には優れた難燃性を示すが、炎にさらさ
れている時間が延びると、チャーの耐熱性が低いため
か、一旦着火すると自己消火性が小さく燃え続けるとい
う欠点がある。
【0004】本発明はUL94規格のV−0を達成する
ことのできる難燃性に優れた、また成型加工性の良い、
更に樹脂の機械的強度を維持した難燃性樹脂組成物を提
供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム、
多価水酸基含有化合物及び非置換のアミノ基を一分子内
に2個以上もつトリアジン環含有化合物及びアルデヒド
及び分子内にトリアジン環を含まずかつ炭素数が2以上
のアミン化合物を反応させて得られる反応生成物を併用
すると、従来技術より比較的少ない添加部数で所望の難
燃性が得られ、成型加工性も良く、更に樹脂の機械的強
度がそれほど低下しないことを見いだし本発明を完成さ
せるに至った。
【0006】すなわち本発明は、 樹脂 100重量部 ポリリン酸アンモニウム 10〜25重量部 多価水酸基含有化合物 1〜19重量部 非置換のアミノ基を一分子内に2個以上もつトリアジン
環含有化合物、アルデヒド及び分子内にトリアジン環を
含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物を反応させて
得られる反応生成物(以下、「反応生成物M」と略記)
1〜19重量部 を含有する難燃性樹脂組成物に関する。
【0007】本発明で用いる樹脂はポリオレフィン系樹
脂として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン/プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリメチ
ルペンテン、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、
エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン
等、スチレン系樹脂として例えば、ポリスチレン、耐衝
撃性ポリスチレン、ABS樹脂、MBS樹脂、AS樹
脂、スチレン/メチルメタクリレート共重合体が使用で
きる。熱可塑性ポリエステル樹脂として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
ミド樹脂として6−ナイロン、6,6−ナイロン、ポリ
エーテル樹脂としてポリフェニレンオキシド、ポリフェ
ニレンオキシド/耐衝撃性ポリスチレンブレンド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート/ABS樹脂
等が挙げられる。
【0008】本発明で用いるポリリン酸アンモニウムは
平均粒径40μm以下、かつ25℃の水90ml中に10
g分散させたとき、30min後の溶解量が1g以下であ
るものが好適である。ポリリン酸アンモニウムの平均粒
子径が40μmより大きい場合、樹脂に対する分散性が悪
くなり高度な難燃性を得る事ができないばかりか、成型
樹脂の機械的強度の低下をもたらす。また上記溶解量が
1gを越えると成型後の樹脂がブリードするために機械
的強度低下の原因となる。このような特性を備えた市販
品のポリリン酸アンモニウムとして、EXOLIT422 (ヘキスト
社製)、Phoscheck 30(モンサント社製)、また吸湿性を
更に抑制した表面被覆型ポリリン酸アンモニウムとして
EXOLIT462 (ヘキスト社製)等が例示される。
【0009】本発明で使用するポリリン酸アンモニウム
は、樹脂100重量部に対して10〜25重量部添加す
るのが好ましく、更に好ましくは15〜20重量部であ
る。ポリリン酸アンモニウム使用量が10重量部より少
ない場合、高度な難燃性を発揮する事ができないため好
ましくない。また、ポリリン酸アンモニウム使用量が2
5重量部を越える場合、難燃性はそれほど向上せず、む
しろ樹脂の機械的性能の低下をもたらす。
【0010】本発明で用いる多価水酸基含有化合物はペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペ
ンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、トリ
スヒドロキシエチルイソシアネート、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、デンプン、ブドウ糖、セルロー
ス、ソルビトール等である。これら多価水酸基含有化合
物のうち多価アルコール化合物は樹脂との馴染みが良
く、低水溶性及び低吸湿性の点で好ましく、とりわけジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポ
リペンタエリスリトール(縮合度≧4)は水溶性、吸湿
性が低いため本発明に適している。
【0011】これらの平均粒子径は40μm以下である
ことが好ましいが、とりわけポリリン酸アンモニウムの
平均粒子径よりも小さい方がポリリン酸アンモニウムの
表面を覆う事ができ難燃性向上の点で望ましい。多価水
酸基含有化合物の 平均粒子径が40μmよりも大きい
場合、樹脂中の分散度合いが低くなり高度な難燃性を得
難く、また樹脂の機械的性能の低下をもたらす。
【0012】これら多価水酸基含有化合物は樹脂100
重量部に対し、その使用量としては1〜19重量部の範
囲内にある。樹脂への添加部数が1重量部未満の場合、
高度な難燃性を得る事ができない。逆に19重量部を越
えた場合、難燃性は向上するが、樹脂の成型性及び機械
的強度の低下をもたらす。とりわけ水酸基含有率の高い
物を使用すれば、その使用量を減らす事ができ、難燃性
以外の諸物性に対しても好ましい影響を及ぼす。
【0013】本発明における非置換のアミノ基を一分子
内に2個以上もつトリアジン環含有化合物としては、メ
ラミン、アンメリン、メラム、ベンゾグアナミン、アセ
トグアナミン、フタロジグアナミン、CTUグアナミン
(味の素社製)、ブチレンジグアナミン、メチレンジメ
ラミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミ
ン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラ
ミン、1,3−ヘキシレンジメラミン等である。
【0014】また、アルデヒドとしてはホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド等がある。
【0015】分子内にトリアジン環を含まずかつ炭素数
が2以上のアミン化合物としては、例えば脂肪族アミ
ン、脂環族アミン、芳香族アミンがある。具体的には脂
肪族アミンとしてエチルアミン、ジメチルアミン、n−
プロピルアミン、i−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチル
アミン等のモノアミン、1,2−ジアミノエタン、1,
3−ジアミノプロパン、N−メチルエチレンジアミン、
1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、
1,5−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン等
のジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン等のポリアミン、脂環族アミンとしてイソホロ
ンジ アミン、シクロヘキシルアミン、水添ジアミノジ
フェニルメタン、2,5−(または2,6−)ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンビス(メチルアミン)、1,4
−ジアミノシクロヘキサン、芳香族アミンとしてアニリ
ン、フェニリレンジアミン、トリアミノベンセン、キシ
リレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ノルボル
ネンジアミン、複素環を含有するアミンとして2−アミ
ノフラン、フルフリルアミン、2−アミノピリジン、2
−アミノピペリジン、ピペリジン、ピペラジン、2ーメ
チルピペラジン、2,5−ジメチルヒペラジン、2,
3,5,6−テトラメチルピペラジン等が挙げられる。
反応生成物Mは上記非置換のアミノ基を一分子内に2個
以上もつトリアジン環含有化合物を少なくとも1種、ア
ルデヒドを少なくとも1種及び分子内にトリアジン環を
含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物を少なくとも
1種含むものを反応させて得られる反応生成物である。
【0016】アミン化合物の炭素/窒素の原子数の比は
特に制限はないが0. 5〜10程度が望ましい。この比
が小さいアミン化合物を用いると、反応生成物を樹脂の
難燃剤成分として使用するとき、添加重量当たりの難燃
効果が大きい物が得られる。炭素/窒素の原子数の比が
10を越えるアミン化合物を使用した場合、反応生成物
は難燃効果が小さく、樹脂の難燃剤成分として使用する
とき、大量添加が必要でこれを使用した樹脂組成物の諸
物性の低下を引き起こして望ましくない。
【0017】反応は主に水を媒体として行われるが、メ
タノール、エタノールなどのアルコール類又は水と上記
アルコール類との混合溶媒を媒体として行うこともでき
る。
【0018】反応は非置換のアミノ基を一分子内に2
個以上もつトリアジン環含有化合物、アルデヒド及び分
子内にトリアジン環を含まずかつ炭素数が2以上のアミ
ン化合物を共存させて行うこともできるが、非置換の
アミノ基を一分子内に2個以上もつトリアジン環含有化
合物とアルデヒドとを一旦反応させ、更にこの反応生成
物とトリアジン環を含まずかつ炭素数が2以上のアミン
化合物を反応させることもできる。また、アルデヒド
と分子内にトリアジン環を含まずかつ炭素数が2以上の
アミン化合物を反応させてから非置換のアミノ基を一分
子内に2個以上もつトリアジン環含有化合物を反応させ
ることもできる。特に好ましくは生成物が高収率で得ら
れることと、高度な難燃性を得る点で上記の反応であ
る。
【0019】本反応は広いpH範囲で行う事ができる
が、反応の雰囲気が酸性であるか塩基性であるかによっ
て反応生成物中のアミン成分の含有量が異なる。即ち、
酸性側での反応生成物は非置換のアミノ基を一分子内に
2個以上もつトリアジン環含有化合物とアルデヒドの生
成物同士の反応が優先されてしまい、分子内にトリアジ
ン環を含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物の含有
量が少ない反応生成物になる。逆に塩基性側では非置換
のアミノ基を一分子内に2個以上持つトリアジン環含有
化合物とアルデヒドの生成物は分子内にトリアジン環を
含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物と優先的に反
応し、アミン成分の含有量が多い反応生成物になる。反
応時のpHとしてはpH9〜13が望ましく、反応生成
物Mは非置換のアミノ基を一分子内に2個以上持つトリ
アジン環含有化合物と分子内にトリアジン環を含まずか
つ炭素数が2以上のアミン化合物がアルデヒド由来の炭
化水素基で結合された構造になっている事が望ましい。
【0020】従来のメラミン樹脂が酸性雰囲気でメチロ
ール化メラミン又は低分子量メラミン樹脂同士が縮合し
て架橋物になっていくのに対して、本発明に使用する反
応生成物Mは、分子内にトリアジン環を含まずかつ炭素
数が2以上のアミン化合物をジアミンとした場合は、ト
リアジン環含有化合物とジアミンがアルデヒド化合物に
より高分子量化された構造を主にとっている。
【0021】以上本発明で使用する反応生成物Mは従来
のメラミン、尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素等
のアミノ化合物とホルムアルデヒドよりつくられた、メ
チロール化物を酸性側で縮合させたアミノ樹脂とは構造
的に全く異なる反応生成物である。
【0022】上記反応で生成する反応生成物Mは原料の
組み合わせ及び反応生成物の分子量により、水溶性の生
成物と不水溶性の生成物を含むが、本発明の目的である
難燃性樹脂組成物用の難燃剤成分として使用するには、
水に溶解しないような生成物が望ましい。
【0023】このような観点から、反応生成物Mの分子
量は大きい方が有利であり、そのためにはアルデヒドと
非置換のアミノ基を一分子内に2個以上持つトリアジン
環含有化合物から生成するメチロール化物は分子内に2
個以上のメチロール基を有している生成物が高分子量化
し易く望ましい。
【0024】また分子内にトリアジン環を含まずかつ炭
素数が2以上のアミン化合物がジアミン以上のポリアミ
ンでかつ比較的疎水的なアミン化合物である事が望まし
い。炭素/窒素原子数の比の高いアミン化合物は通常疎
水性が高くなり生成物の親水性を下げる面では有利であ
るが生成物の難燃性能の面では不利であるので、使用す
るアミン化合物の炭素/窒素原子数の比は10以下のも
のが望ましい。このようなアミンの具体例としてピペラ
ジン、イソホロンジアミン、2,5−(又は2,6−)
ビシクロ[2.2.1]ヘプタンビス(メチルアミ
ン)、シクロヘキセンジアミン、フェニレンジアミン、
キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0025】上記のようにして調製された反応生成物M
の平均粒子径はポリリン酸アンモニウムの平均粒子径よ
りも小さい事が望ましい。好ましくは40μm以下であ
る。反応生成物Mの平均粒子径が40μmよりも大きい
場合、樹脂への分散性が悪くなり高度な難燃性を得る事
ができないばかりか樹脂の機械的強度も低下する。反応
生成物Mの樹脂への添加部数は1〜19重量部の範囲内
である。1重量部未満の場合、他成分との相乗効果を発
揮し難くなり高度な難燃性を得る事ができない。19重
量部を越えると難燃性は向上するが樹脂の成型性及び機
械的強度の低下をもたらす。
【0026】本発明の難燃剤組成物が難燃化する樹脂の
難燃性、特に自己消火性は該難燃剤組成物が樹脂中に持
ち込む分子内にトリアジン環を含まずかつ炭素数が2以
上のアミン化合物成分の量に影響されており、自己消火
性を確実に該樹脂に付与するには樹脂成分100重量部
に対して0. 5重量部以上の上記アミン化合物成分を含
ませる事が望ましい。そのため、反応生成物Mとしてア
ミン成分の含有量の多い物を使用すれば、その使用量を
減らす事ができ、難燃性以外の諸物性に対しても好まし
い影響を及ぼす。
【0027】本発明の難燃剤組成物を先に列記した樹脂
に所定量練り込む事で優れた難燃性と樹脂性能を兼備し
た難燃性樹脂組成物が得られる。練り込み方法として、
ヘンシェルミキサー(商品名)で樹脂と本発明の難燃剤
組成物を均一に混合してから、2軸押出機で溶融混練す
る方法を主に用いる。均一混合時、本発明の難燃剤は粒
子径が40μmより小さい混合物である事が、難燃性を
向上させる上でも、また成形物の表面外観や、機械的物
性を向上させる上でも望ましい。混合前に3者を40μ
m以下に粉砕しておいてから混合しても良く、混合しな
がら40μm以下に粉砕して行っても良い。この混練時
に、必要に応じてヒンダードフェノール系抗酸化剤、ヒ
ンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、TiO2、カー
ボンブラック等の顔料、ガラス繊維、カーボン繊維等の
充填剤などを本難燃剤組成物と共に樹脂に混合すること
ができる。溶融混練時の好ましい温度は250℃以下で
ある。
【0028】以上、難燃剤成分は樹脂100重量部に対
して合計30重量部以下でかつポリリン酸アンモニウム
以外の難燃剤添加部数が20重量部以下である事が好ま
しい。上記難燃剤添加部数が30重量部を越えると難燃
性は向上するが成型加工性の悪化及び樹脂の機械的性能
の低下となるため好ましくない。
【0029】
【実施例】以下に本発明の内容を実施例で具体的に説明
する。 [製造例]なお製造例中の収率は、収率計算を(仕込メ
ラミン重量)+(ホルマリン重量)+(アミン重量)−
(仕込アミンのモル数×2×18)を理論収量として行
ったものである。%は重量%を示す。
【0030】製造例1 0.1N−NaOH溶液80mlに、メラミン(三井東
圧化学(株)製)1 2.6g(0.1mol)を分散させ、
これに37%ホルムアルデヒド水溶液24.3g(0.3
mol)を加え、65℃で1時間反応させた(pH1
2)。これにピペラジン 12.9g(0.15mol)添加
したところ5分で白色固体が析出してきた。65℃で1
時間反応を継続した後、室温に冷却してから濾過、水洗
を行った。得られた白色固体の収率は80%であった。
【0031】製造例2、3 0.1N−NaOH溶液80mlに、メラミン、ホルマ
リン、分子内にトリアジン環を含まずかつ炭素数が2以
上のアミン化合物を表1のモル比及び重量で仕込んだ以
外は製造例1に同じ。
【0032】
【表1】
【0033】[実施例] 実施例1 ポリプロピレン(三井ノーブレンBJHH、三井東圧化学社製) 100重量部 ポリリン酸アンモニウム(Exolit422*1)、ヘキスト社製) 18重量部 [ *1)平均粒子径18μm、25℃水90ml中に10g分散させたとき の30分後の溶解量は0.8g] 製造例1の反応生成物 5重量部 ジペンタエリスリトール(広栄化学社製) 3重量部 抗酸化剤(イルガノックス1010、チバガイキー社製) 0.1重量部 よりなる混合物をヘンシェルミキサーを用いて、5kg
作成し、2軸押出機で220℃混練しペレット化した。
【0034】該ペレットを80℃の乾燥機で2時間乾燥
した後、射出成形を行い126mm×12.6mm ×3.1mmのUL
燃焼試験片とASTM D256で規定されるアイゾッ
ト試験片及びASTM D638に規定される引っ張り
試験片を作成した。
【0035】燃焼試験はUL94垂直試験に準拠して行
った。評価としての、V0、V2、×は簡単に言うと、
V0;高度の難燃性、V2;ある程度の難燃性、×;難
燃性なしである。アイゾット試験はASTM D256
に準拠し、引っ張り試験はASTM D638に準拠し
て行った。本実施例及び以後の実施例での難燃性樹脂組
成物の組成及び評価結果を表2に示した。
【0036】実施例2〜6 難燃性樹脂組成物の評価用試験片作成方法及び評価方法
は実施例1に同じ。難燃性樹脂組成物の組成、及び評価
結果は表2に示した。実施例1〜6で評価した結果、製
造例1〜3で合成した反応生成物Mと多価水酸基含有化
合物とポリリン酸アンモニウムとの組み合わせで使用し
たところポリプロピレン及びHIPS(耐衝撃性ポリス
チレン)にUL94 V0の難燃性を付与できた。ま
た、成型加工性も良好であり、成型樹脂の機械的強度も
維持できた。
【0037】比較例1 実施例1の組成からジペンタエリスリトールを除いた組
成で評価した。難燃性樹脂組成物の評価用試験片作成方
法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性樹脂組成物の
組成、及び評価結果は表3に示した。ある程度の難燃性
は得られたものの、本願で要求している高度な難燃性を
得ることはできなかった。
【0038】比較例2 実施例1の組成から製造例1の反応生成物を除いた組成
で評価した。難燃性樹脂組成物の評価用試験片作成方法
及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性樹脂組成物の組
成、及び評価結果は表3に示した。燃焼試験において試
験片は燃焼してしまい、難燃性は全く得られなかった。
【0039】比較例3 実施例1の組成からジペンタエリスリトールを除いた組
成で評価した。難燃性樹脂組成物の評価用試験片作成方
法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性樹脂組成物の
組成、及び評価結果は表3に示した。燃焼試験において
試験片は燃焼してしまい、難燃性は全く得られなかっ
た。
【0040】比較例4 実施例1の組成から製造例1で得た反応生成物を除いた
組成で評価した。難燃性樹脂組成物の評価用試験片作成
方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性樹脂組成物
の組成、及び評価結果は表3に示した。燃焼試験におい
て試験片は燃焼してしまい、難燃性は全く得られなかっ
た。
【0041】比較例5 実施例1の組成のうちポリリン酸アンモニウムの添加量
を30重量部にし評価した。難燃性樹脂組成物の評価用
試験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性
樹脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。高度
な難燃性は得られたが、樹脂の機械的強度が極端に低下
した。
【0042】比較例6 実施例1の組成のうちポリリン酸アンモニウムの添加量
を18重量部にし評価した。難燃性樹脂組成物の評価用
試験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性
樹脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。樹脂
の機械的強度は維持できたが、高度な難燃性は得られな
かった。
【0043】比較例7 実施例1の組成のうち多価水酸基含有化合物の添加量を
0.5重量部にし評価した。難燃性樹脂組成物の評価用
試験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性
樹脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。樹脂
の機械的強度は維持できたが、高度な難燃性は得られな
かった。
【0044】比較例8 実施例1の組成のうち多価水酸基含有化合物の添加量を
25重量部にし評価した。難燃性樹脂組成物の評価用試
験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性樹
脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。高度な
難燃性は得られたが、樹脂の機械的強度が極端に低下し
た。
【0045】比較例9 実施例4の組成のうち製造例1で得た化合物の添加量を
0.5重量部にし評価した。難燃性樹脂組成物の評価用
試験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性
樹脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。燃焼
試験において試験片は燃焼し、難燃性は全く得られなか
った。
【0046】比較例10 実施例4の組成のうち製造例1で得た化合物の添加量を
25重量部にし評価した。難燃性樹脂組成物の評価用試
験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性樹
脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。高度な
難燃性は得られたが、樹脂の機械的強度が極端に低下し
た。
【0047】比較例11 比較例2の組成で、ジペンタエリスリトールの添加量を
8重量部にして、評価した。難燃性樹脂組成物の評価用
試験片作成方法及び評価方法は実施例1に同じ。難燃性
樹脂組成物の組成、及び評価結果は表3に示した。ジペ
ンタエリスリトールの添加量を若干増加させても、燃焼
試験において試験片は燃焼してしまい、難燃性は全く得
られなかった。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、樹脂に対
する難燃性組成物の量が比較的少量で優れた難燃性を示
すものである。よって、成型加工性が良好であり樹脂の
機械的性能の低下をもたらすことなく、UL94試験の
V0を満足する極めて優れた難燃性を示す樹脂組成物で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂100重量部に対して A)ポリリン酸アンモニウム 10〜25重量部 B)多価水酸基含有化合物 1〜19重量部 C)非置換のアミノ基を一分子内に2個以上もつトリア
    ジン環含有化合物、アルデヒド及び分子内にトリアジン
    環を含まずかつ炭素数が2以上のアミン化合物を反応さ
    せて得られる反応生成物 1〜19重量部 を含有する難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリリン酸アンモニウムが平均粒径
    40μm以下、かつ25℃の水90ml中に10g分散さ
    せたとき、30min後の溶解量が1g以下である請求項
    1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記反応生成物が、pH9〜13で反
    応させて得られた生成物である請求項1記載の難燃性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 多価水酸基含有化合物がペンタエリス
    リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
    リトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、
    グリセリン、ポリエチレングリコールから選ばれる請求
    項1記載の難燃性樹脂組成物。
JP20704194A 1994-08-31 1994-08-31 難燃性樹脂組成物 Pending JPH0867769A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20704194A JPH0867769A (ja) 1994-08-31 1994-08-31 難燃性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20704194A JPH0867769A (ja) 1994-08-31 1994-08-31 難燃性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0867769A true JPH0867769A (ja) 1996-03-12

Family

ID=16533233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20704194A Pending JPH0867769A (ja) 1994-08-31 1994-08-31 難燃性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0867769A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5271894B2 (ja) 難燃性ポリアミド組成物
US8202924B2 (en) Polytriazinyl compounds as flame retardants and light stabilizers
JPH08176343A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3007512B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2000154181A (ja) 新規2−置換グアナミン化合物及び2−置換グアナミン化合物を有効成分とする難燃性樹脂組成物
CN104072803B (zh) 一种磷酸盐阻燃剂及制备方法
US4670483A (en) Flame retardant polyurethane compositions
US5795930A (en) Water insoluble ammonium polyphosphate powder for flame-retardant thermoplastic polymer composition
US20130123397A1 (en) Crystalline resin composition
JP3508360B2 (ja) 難燃剤および難燃性樹脂組成物
JPH07188458A (ja) 難燃剤組成物およびそれを用いた難燃性樹脂組成物
JPH09302237A (ja) 難燃性熱可塑性重合体組成物
JPH0867769A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH11106644A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JPH07165982A (ja) 難燃剤組成物とそれを用いた難燃性樹脂組成物
JPH0618944B2 (ja) 難燃性ポリプロピレン樹脂組成物
JPH09235407A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2844301B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JPH1126060A (ja) ポリアミド樹脂製ヒンジ付コネクター
JP2506278B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JPH0867768A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH0657774B2 (ja) 難燃性ポリプロピレン樹脂組成物
JP3494080B2 (ja) ポリオレフィン樹脂系成形材料
JP2000063365A (ja) 新規2―置換グアナミン化合物のイソシアヌル酸塩及び2―置換グアナミン化合物のイソシアヌル酸塩を有効成分とする難燃性樹脂組成物
JPH09268236A (ja) 難燃剤組成物、それが配合された熱可塑性樹脂組成物及びその難燃性成形品