JPH0862559A - テトラヒドロキナゾリン化合物、それを含有する液晶組成物、それを有する液晶素子及びそれらを用いた表示方法、表示装置 - Google Patents

テトラヒドロキナゾリン化合物、それを含有する液晶組成物、それを有する液晶素子及びそれらを用いた表示方法、表示装置

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JPH0862559A
JPH0862559A JP21678594A JP21678594A JPH0862559A JP H0862559 A JPH0862559 A JP H0862559A JP 21678594 A JP21678594 A JP 21678594A JP 21678594 A JP21678594 A JP 21678594A JP H0862559 A JPH0862559 A JP H0862559A
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crystal composition
tetrahydroquinazoline
alkyl group
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Takashi Iwaki
孝志 岩城
Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Gouji Tokanou
剛司 門叶
Yoko Yamada
容子 山田
Shinichi Nakamura
真一 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 応答速度が速く、コントラストが高く、応答
速度の温度依存性を軽減させるのに効果的なテトラヒド
ロキナゾリン化合物、これを含む液晶組成物、及び該液
晶組成物を使用する液晶素子並びにそれらを用いた表示
方法及び表示装置を提供する。 【構成】 6−ペンチル−2−(4−デシルフェニル)
−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリンなどのテト
ラヒドロキナゾリン化合物、該化合物の少なくとも1種
を含有する液晶組成物、及び該液晶組成物を1対の電極
基板間に配置してなる液晶素子ならびにそれらを用いた
表示方法および表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なテトラヒドロキ
ナゾリン化合物、それを含有する液晶組成物およびそれ
を使用した液晶素子並びにそれらを用いた表示方法、表
示装置に関し、さらに詳しくは電界に対する応答特性が
改善された新規な液晶組成物、およびそれを使用した液
晶表示素子や液晶−光シャッター等に利用される液晶素
子並びにそれらを用いた表示方法、該液晶素子を表示に
使用した表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶は電気光学素子として種
々の分野で応用されている。現在実用化されている液晶
素子はほとんどが、例えばエム シャット(M.Sch
adt)とダブリュ ヘルフリッヒ(W.Helfri
ch)著“アプライド フィジックス レターズ”
(“Applied Physics Letter
s”)Vol.18,No.4(1971.2.15)
P.127〜128の“Voltage Depend
ent Optical Activity of a
Twisted Nematic Liquid Cr
ystal”に示されたTN(Twisted Nem
atic)型の液晶を用いたものである。
【0003】これらは、液晶の誘電的配列効果に基づい
ており、液晶分子の誘電異方性のために平均分子軸方向
が、加えられた電場により特定の方向に向く効果を利用
している。これらの素子の光学的な応答速度の限界はミ
リ秒であるといわれ、多くの応用のためには遅すぎる。
【0004】一方、大型平面ディスプレイへの応用で
は、価格、生産性などを考え合わせると単純マトリクス
方式による駆動が最も有力である。単純マトリクス方式
においては、走査電極群と信号電極群をマトリクス状に
構成した電極構成が採用され、その駆動のためには、走
査電極群に順次周期的にアドレス信号を選択印加し、信
号電極群には所定の情報信号をアドレス信号と同期させ
て並列的に選択印加する時分割駆動方式が採用されてい
る。
【0005】しかし、この様な駆動方式の素子に前述し
たTN型の液晶を採用すると走査電極が選択され、信号
電極が選択されない領域、或いは走査電極が選択され
ず、信号電極が選択される領域(所謂“半選択点”)に
も有限に電界がかかってしまう。
【0006】選択点にかかる電圧と、半選択点にかかる
電圧の差が充分に大きく、液晶分子を電界に垂直に配列
させるのに要する電圧閾値がこの中間の電圧値に設定さ
れるならば、表示素子は正常に動作するわけであるが、
走査線数(N)を増加して行なった場合、画面全体(1
フレーム)を走査する間に一つの選択点に有効な電界が
かかっている時間(duty比)が1/Nの割合で減少
してしまう。
【0007】このために、くり返し走査を行なった場合
の選択点と非選択点にかかる実効値としての電圧差は、
走査線数が増えれば増える程小さくなり、結果的には画
像コントラストの低下やクロストークが避け難い欠点と
なっている。
【0008】この様な現象は、双安定性を有さない液晶
(電極面に対し、液晶分子が水平に配向しているのが安
定状態であり、電界が有効に印加されている間のみ垂直
に配向する)を時間的蓄積効果を利用して駆動する(即
ち、繰り返し走査する)ときに生ずる本質的には避け難
い問題点である。
【0009】この点を改良する為に、電圧平均化法、2
周波駆動法や、多重マトリクス法等が既に提案されてい
るが、いずれの方法でも不充分であり、表示素子の大画
面化や高密度化は、走査線数が充分に増やせないことに
よって頭打ちになっているのが現状である。
【0010】この様な従来型の液晶素子の欠点を改善す
るものとして、双安定性を有する液晶素子の使用がクラ
ーク(Clark)およびラガウェル(Lagerwa
ll)により提案されている(特開昭56−10721
6号公報、米国特許第4,367,924号明細書
等)。双安定性液晶としては、一般にカイラルスメクテ
ィックC相(SmC 相)又はH相(SmH 相)
を有する強誘電性液晶が用いられる。
【0011】この強誘電性液晶は電界に対して第1の光
学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双安定状
態を有し、従って前述のTN型の液晶で用いられた光学
変調素子とは異なり、例えば一方の電界ベクトルに対し
て第1の光学的安定状態に液晶が配向し、他方の電界ベ
クトルに対しては第2の光学的安定状態に液晶が配向さ
れている。また、この型の液晶は、加えられる電界に応
答して、上記2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電
界の印加のないときはその状態を維持する性質(双安定
性)を有する。
【0012】以上の様な双安定性を有する特徴に加え
て、強誘電性液晶は高速応答性であるという優れた特徴
を持つ。それは強誘電性液晶の持つ自発分極と印加電場
が直接作用して配向状態の転移を誘起するためであり、
誘電率異方性と電場の作用による応答速度より3〜4オ
ーダー速い。
【0013】この様に強誘電性液晶はきわめて優れた特
性を潜在的に有しており、このような性質を利用するこ
とにより、上述した従来のTN型素子の問題点の多くに
対して、かなり本質的な改善が得られる。特に、高速光
学光シャッターや高密度、大画面ディスプレイへの応用
が期待される。このため強誘電性を持つ液晶材料に関し
ては広く研究がなされているが、現在までに開発された
強誘電性液晶材料は、低温作動特性、高速応答性、コン
トラスト等を含めて液晶素子に用いる十分な特性を備え
ているとは言い難い。
【0014】応答時間rと自発分極の大きさPsおよび
粘度ηの間には、下記の式[1]
【0015】
【数1】 (ただし、Eは印加電界である。)の関係が存在する。
【0016】したがって、応答速度を速くするには、 (ア)自発分極の大きさPsを大きくする (イ)粘度ηを小さくする (ウ)印加電界Eを大きくする 方法がある。
【0017】しかし印加電界は、IC等で駆動するため
上限があり、出来るだけ低い方が望ましい。よって、実
際には粘度ηを小さくするか、自発分極の大きさPsの
値を大きくする必要がある。
【0018】一般的に自発分極の大きい強誘電性カイラ
ルスメクチック液晶化合物においては、自発分極のもた
らすセルの内部電界も大きく、双安定状態をとり得る素
子構成への制約が多くなる傾向にある。又、いたずらに
自発分極を大きくしても、それにつれて粘度も大きくな
る傾向にあり、結果的には応答速度はあまり速くならな
いことが考えられる。
【0019】また、実際のディスプレイとしての使用温
度範囲が例えば5〜40℃程度とした場合、応答速度の
変化が一般に20倍程もあり、駆動電圧および周波数に
よる調節の限界を越えているのが現状である。
【0020】また、一般に、液晶の複屈折を利用した液
晶素子の場合、直交ニコル下での透過率は、下記の
[2]式で表わされる。
【0021】
【数2】 [2]式中、I は入射光強度、Iは透過光強度、θ
は以下で定義される見かけのチルト角、Δnは屈折
率異方性、dは液晶層の膜厚そして、λは入射光の波長
である。
【0022】前述の非らせん構造におけるチルト角θ
は、第1と第2の配向状態でのねじれ配列した液晶分
子の平均分子軸方向の角度として現われることになる。
[2]式によれば、見かけのチルト角θ が22.5
°の角度の時最大の透過率となり、双安定性を実現する
非らせん構造でのチルト角θ は22.5°にできる
限り近いことが必要である。
【0023】しかしながら、前述のクラークとラガウォ
ールによって発表された双安定性を示す非らせん構造の
強誘電性液晶に対して適用した場合には、下記の如き問
題点を有し、コントラスト低下の原因となっている。
【0024】第1に、従来のラビング処理したポリイミ
ド膜によって配向させて得られた非らせん構造の強誘電
性液晶での見かけのチルト角θ (2つの安定状態の
分子軸のなす角度の1/2)が強誘電性液晶でのチルト
角(後述の図4に示す三角錐の頂角の1/2の角度θ)
と較べて小さくなっている為に透過率が低い。
【0025】第2に電界を印加しないスタテック状態に
おけるコントラストは高くても、電圧を印加して駆動表
示を行った場合に、マトリックス駆動における非選択期
間の微少電界により液晶分子が揺らぐ為に黒が淡くな
る。
【0026】以上、述べたように強誘電性液晶素子を実
用化するためには、高速応答性を有し、応答速度の温度
依存性が小さく、かつコントラストの高いカイラルスメ
クチック相を示す液晶組成物が要求される。
【0027】さらにディスプレイの均一なスイッチン
グ、良好な視角特性、低温保存性、駆動ICへの負荷の
軽減などのために液晶組成物の自発分極、カイラルスメ
クチックCピッチ、コレステリックピッチ、液晶相をと
る温度範囲、光学異方性、チルト角、誘電異方性などを
適正化する必要がある。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の強誘電性液晶素子を実用できるようにするために、応
答速度が速く、しかもその温度依存性を軽減させ、また
コントラストを高くするのに効果的なテトラヒドロキナ
ゾリン化合物、これを含む液晶組成物、特に強誘電性カ
イラルスメクチック液晶組成物、および該液晶組成物を
使用する液晶素子並びにそれらを用いた表示方法および
表示装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は下記の一
般式(I)
【0030】
【化4】R−Q−Ph−R (I)
【0031】(式中、Rは炭素原子数が1〜18の直
鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。ただし、
該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の−CH−は
ヘテロ原子が隣接しない条件で−O−,−S−,−CO
−,−OCO−,−COO−,−CH=CH−,−C≡
C−に置き換えられていてもよい。Rは炭素原子数が
10〜20の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を
示す。ただし、該アルキル基中の1つもしくは2つ以上
の−CH−はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−,
−S−,−CO−,−OCO−,−COO−,−CH=
CH−,−C≡C−に置き換えられていてもよい。Qは
5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジ
イルを示し、Phは1,4−フェニレンを示す。)
【0032】で表わされる新規なテトラヒドロキナゾリ
ン化合物、該化合物の少なくとも1種を含有する液晶組
成物、及び該液晶組成物を1対の電極基板間に配置して
なる液晶素子並びにそれらに表示方法、表示装置を提供
するものである。
【0033】尚、本発明の一般式(I)のテトラヒドロ
キナゾリン化合物は、それ自体単独で液晶であるか否か
は特に限定されず、他の液晶性化合物等と組み合わされ
た液晶組成物中で、その一成分として適切な機能を奏
し、優れた特性を付与するものであるが、化合物の特性
や安定性等の点で液晶性化合物であることが好ましい。
【0034】一般式(I)で表わされるテトラヒドロキ
ナゾリン化合物のうち液晶相の温度幅、混和性、粘性、
配向性等の観点から好ましい化合物としてR が炭素
原子数1〜10の直鎖状アルキル基である化合物があげ
られる。また、液晶相の温度幅、他の液晶との相溶性あ
るいは配向性などの点から、さらに好ましい化合物とし
てR が炭素原子数10〜18の直鎖状アルキル基、
アルコキシ基、アルカノイルオキシ基である化合物があ
げられる。
【0035】西ドイツ公開特許公報第2951099号
には、6−アルキル−2−(4−アルキルフェニル)−
5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリンが示されてい
る。しかし、該西ドイツ公開特許公報第2951099
号に示されている化合物は、フェニル基に結合している
アルキル基が炭素原子数8までであり、実施例で具体的
に開示されている化合物はN相のみをもつ化合物であ
る。また、用途としてはTNC(twisted ne
matic cell)あるいはコレステリック−ネマ
チック相転移の原理に基づく電気光学表示素子に用いる
ための化合物であることが記載されている。
【0036】本発明者らは、フェニル基に結合している
アルキル基の炭素原子数を10から20とすることによ
り、スメクチック相を有する液晶性化合物を製造し、こ
の化合物を少なくとも1種含有する強誘電性カイラルス
メクチック液晶組成物およびそれを使用した液晶素子が
良好な配向性、高速応答性、応答速度の温度依存性の軽
減等の諸特性の改良がなされ、良好な表示特性が得られ
ることを見い出したものである。
【0037】また、本発明のテトラヒドロキナゾリン化
合物は他の化合物との相溶性がよく、液晶組成物として
の自発分極、カイラルスメクチックCピッチ、Chピッ
チ、液晶相をとる温度範囲、光学異方性、チルト角、誘
電異方性などの調整に使用することも可能である。
【0038】次に、前記一般式(I)で示されるテトラ
ヒドロキナゾリン化合物の合成法の一例を以下に示す。
【0039】
【化5】 (RはRまたは、縮合条件で安定でありR に変
換可能な基、R,R,Q,Phは前記定義のとうり
である) 次に一般式(I)で示されるテトラヒドロキナゾリン化
合物の具体的な構造式を示す。
【0040】
【化6】 (1) C25 −Q−Ph−C1021 (2) C511−Q−Ph−C1021 (3) C1021−Q−Ph−C1225 (4) C511−Q−Ph−OC1021 (5) C1225−Q−Ph−OC1837 (6) C613−Q−Ph−COOC1225 (7) C817−Q−Ph−C2041 (8) C1021−Q−Ph−OC1225 (9) C1837−Q−Ph−C1837 (10) C511−Q−Ph−OCOC1021 (11) C49 −Q−Ph−OC1633 (12) C1021−Q−Ph−OCOC1225 (13) C613−Q−Ph−OCH2 CH2 OC817 (14) C817−Q−Ph−OCOCH=CHC817 (15) C1021−Q−Ph−OCO(CH28 C≡CH
【0041】
【化7】 (19) C25 −Q−Ph−C1123 (21) CH3 O(CH24 −Q−Ph−C1225 (22) C613O(CH22 −Q−Ph−OCOC1633 (23) C511−Q−Ph−SC1225 (26) C1429−Q−Ph−C1633 (29) C1633−Q−Ph−COOC1837 (30) C1123−Q−Ph−C1531 (31) C511−Q−Ph−C1817 (32) C1021−Q−Ph−COC1225
【0042】
【化8】 (35) C1021−Q−Ph−OC1021 (36) C1021−Q−Ph−OCOC1021
【0043】本発明の液晶組成物は前記一般式(I)で
示されるテトラヒドロキナゾリン化合物の少なくとも一
種と他の液晶性化合物1種以上とを適当な割合で混合す
ることにより得ることができる。併用する他の液晶性化
合物の数は1〜50、好ましくは1〜30、より好まし
くは3〜30の範囲である。
【0044】また、本発明による液晶組成物は強誘電性
液晶組成物、特に強誘電性カイラルスメクチック液晶組
成物が好ましい。
【0045】本発明で用いる他の液晶性化合物として
は、特開平4−272989号公報(23)〜(39)
ページに記載の化合物(III)〜(XII)、好まし
い化合物(IIIa)〜(XIId)、更に好ましい化
合物(IIIaa)〜(XIIdb)が挙げられる。更
に、次の一般式(XIII)〜(XVIII)で示され
る液晶性化合物も用いることができる。
【0046】
【化9】 R'7−[Py2]−X'7−[Ph]−X'8−([PhY'7])N−[Tn]−R' 8 (XIII) R’7−X’9−[Py2]−[Ph]−OCO−[Ph4F] (XIV) R’7−X’9−[Py2]−[Ph]−OCO−[Ph34F] (XV) R'7−([PhY'7])Q−[Tz1]−[PhY'8]−X'7−([PhY'9] )R−([Cy])T−X’10−R'8 (XVI) R'7−[Bo2]−A'4−X’9−R'8 (XVII) R'7−[Bt2]−A'4−X’9−R'8 (XVIII)
【0047】ここでR'7、R'8は水素原子又は炭素数1
〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該ア
ルキル基中の1つもしくは隣接しない2つ以上の−CH
2 −はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−CO
−、−CH(CN)−、−C(CN)(CH3 )−に置
き換えられていてもよい。
【0048】更にR'7、R'8は好ましくは下記のi)〜
viii)である。
【0049】i) 炭素数1〜15の直鎖アルキル基
【0050】
【化10】 p:0〜5、 q:2〜11 整数 光学活性でもよい
【0051】
【化11】 r:0〜6、 s:0または1、 t:1〜14 整
数 光学活性でもよい
【0052】
【化12】 w:1〜14 整数 光学活性でもよい
【0053】
【化13】 A:0〜2、 B:1〜15 整数 光学活性でもよい
【0054】
【化14】 C:0〜2、 D:1〜15 整数 光学活性でもよい
【0055】vii) −H
【0056】
【化15】 uは0、1、vは1〜15の整数を示す。
【0057】
【化16】 xは0〜2、yは1〜15の整数を示す。
【0058】N、Q、R、T:0または1 Y'7
Y'8、Y'9:HまたはF A'4:Ph、Np X'7、X'8、X’9:単結合、−
COO−、−OCO−、−CH2 O−、−OCH2
【0059】(XIII)の好ましい化合物として(X
IIIa)が挙げられる。
【0060】
【化17】 R'7−[Py2]−[Ph]−OCO−[Tn]−R'8 (XIIIa)
【0061】(XVI)の好ましい化合物として(XV
Ia)、(XVIb)が挙げられる。
【0062】
【化18】 R'7−[Tz1]−[Ph]−X’7−R'8 (XVIa) R'7−[PhY'7]−[Tz1]−[PhY'8]−X’7−R'8 (XVIb)
【0063】(XVII)の好ましい化合物として(X
VIIa)、(XVIIb)が挙げられる。
【0064】
【化19】 R'7−[Boa2]−[Ph]−O−R'8 (XVIIa) R'7−[Boa2]−[Np]−O−R'8 (XVIIb)
【0065】(XVIII)の好ましい化合物として
(XVIIIa)〜(XVIIIc)が挙げられる。
【0066】
【化20】 R'7−[Btb2]−[Ph]−R'8 (XVIIIa) R'7−[Btb2]−[Ph]−O−R'8 (XVIIIb) R'7−[Btb2]−[Np]−O−R'8 (XVIIIc)
【0067】(XVIa)、(XVIb)の好ましい化
合物として(XVIba)〜(XVIbc)が挙げられ
る。
【0068】
【化21】 R'7−[Tz1]−[Ph]−O−R'8 (XVIaa) R'7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−R'8 (XVIba) R'7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−O−R'8 (XVIbb) R'7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−OCO−R'8 (XVIbc)
【0069】Ph、Py2、Tn等の略記については以
下の基を示す。
【0070】
【化22】
【0071】本発明のテトラヒドロキナゾリン化合物
と、1種以上の上述の液晶性化合物、あるいは液晶組成
物とを混合する場合、混合して得られた液晶組成物中に
占める本発明のテトラヒドロキナゾリン化合物の割合は
1重量%〜80重量%、好ましくは1重量%〜60重量
%、さらに好ましくは1重量%〜40重量%とすること
が望ましい。
【0072】また、本発明のテトラヒドロキナゾリン化
合物を2種以上用いる場合は、混合して得られた液晶組
成物中に占める本発明のテトラヒドロキナゾリン化合物
2種以上の混合物の割合は1重量%〜80重量%、好ま
しくは1重量%〜60重量%、さらに好ましくは1重量
%〜40重量%とすることが望ましい。
【0073】更に、本発明の強誘電性液晶素子における
強誘電性液晶層は、先に示したようにして作成した強誘
電性液晶組成物を真空中、等方性液体温度まで加熱し、
素子セル中に封入し、徐々に冷却して液晶層を形成させ
常圧に戻すことが好ましい。
【0074】図1は強誘電性液晶素子の構成の説明のた
めに、本発明の強誘電性液晶層を有する液晶素子の一例
を示す断面概略図である。
【0075】図1を参照して、液晶素子は、それぞれ透
明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた一対のガラ
ス基板2間にカイラルスメクチック相を示す液晶層1を
配置し、且つその層厚をスペーサー5で設定してなるも
のであり、一対の透明電極3間にリード線6を介して電
源7より電圧を印加可能に接続する。また一対の基板2
は、一対のクロスニコル偏光板8により挟持され、その
一方の外側には光源9が配置される。
【0076】2枚のガラス基板2には、それぞれIn
,SnO あるいはITO(インジウム チン
オキサイド;Indium Tin Oxide)等
の薄膜から成る透明電極3が被覆されている。その上に
ポリイミドの様な高分子の薄膜をガーゼやアセテート植
毛布等でラビングして、液晶をラビング方向に配列する
ための絶縁性配向制御層4が形成されている。
【0077】また、絶縁物質として、例えばシリコン窒
化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化
物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、
硼素窒化物、水素を含有する硼素窒化物、セリウム酸化
物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン
酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層を形
成し、その上にポリビニルアルコール、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセ
タール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミ
ド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユ
リヤ樹脂、アクリル樹脂やフォトレジスト樹脂などの有
機絶縁物質を配向制御層として、2層で絶縁性配向制御
層4が形成されてもよく、また無機物質絶縁性配向制御
層あるいは有機物質絶縁性配向制御層単層であっても良
い。
【0078】この絶縁性配向制御層が無機系ならば蒸着
法などで形成でき、有機系ならば有機絶縁物質を溶解さ
せた溶液、またはその前駆体溶液(溶剤に0.1〜20
重量%、好ましくは0.2〜10重量%)を用いて、ス
ピンナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプ
レー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件
下(例えば加熱下)で硬化させ形成させることができ
る。
【0079】絶縁性配向制御層4の層厚は通常10Å〜
1μm、好ましくは10Å〜3000Å、さらに好まし
くは10Å〜1000Åが適している。
【0080】この2枚のガラス基板2はスペーサー5に
よって任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径
を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサーとし
てガラス基板2枚で挟持し、周囲をシール材、例えばエ
ポキシ系接着材を用いて密封する方法がある。その他、
スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを
使用しても良い。この2枚のガラス基板の間に強誘電性
液晶が封入されている。
【0081】強誘電性液晶が封入された強誘電性液晶層
1は、一般には0.5〜20μm、好ましくは1〜5μ
mである。
【0082】透明電極3からはリード線によって外部の
電源7に接続されている。また、ガラス基板2の外側に
は、偏光板8が貼り合わせてある。図1の例は透過型で
あり、光源9を備えている。
【0083】図2は、強誘電性を利用した液晶素子の動
作説明のために、セルの例を模式的に描いたものであ
る。21aと21bは、それぞれIn ,Sn
あるいはITO(インジウム チン オキサイド;
Indium Tin Oxide)等の薄膜からなる
透明電極で被覆された基板(ガラス板)であり、その間
に液晶分子層22がガラス面に垂直になるよう配向した
SmC 相又はSmH 相の液晶が封入されてい
る。太線で示した線23が液晶分子を表わしており、こ
の液晶分子23はその分子に直交した方向に双極子モー
メント(P⊥)24を有している。基板21aと21b
上の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶
分子23のらせん構造がほどけ、双極子モーメント(P
⊥)24がすべて電界方向に向くよう、液晶分子23は
配向方向を変えることができる。液晶分子23は、細長
い形状を有しており、その長軸方向と短軸方向で屈折率
異方性を示し、従って例えばガラス面の上下に互いにク
ロスニコルの偏光子を置けば、電圧印加極性によって光
学特性が変わる液晶光学変調素子となることは、容易に
理解される。
【0084】本発明における光学変調素子で好ましく用
いられる液晶セルは、その厚さを充分に薄く(例えば1
0μ以下)することができる。このように液晶層が薄く
なるにしたがい、図3に示すように電界を印加していな
い状態でも液晶分子のらせん構造がほどけ、その双極子
モーメントPaまたはPbは上向き(34a)又は下向
き(34b)のどちらかの状態をとる。このようなセル
に、図3に示す如く一定の閾値以上の極性の異なる電界
Ea又はEbを電圧印加手段31aと31bにより付与
すると、双極子モーメントは、電界Ea又はEbの電界
ベクトルに対応して上向き34a又は下向き34bと向
きを変え、それに応じて液晶分子は、第1の安定状態3
3aかあるいは第2の安定状態33bの何れか一方に配
向する。
【0085】このような強誘電性液晶素子を光学変調素
子として用いることの利点は、先にも述べたが2つあ
る。その第1は、応答速度が極めて速いことであり、第
2は液晶分子の配向が双安定性を有することである。第
2の点を、例えば図3によって更に説明すると、電界E
aを印加すると液晶分子は第1の安定状態33aに配向
するが、この状態は電界を切っても安定である。又、逆
向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状
態33bに配向して、その分子の向きを変えるが、やは
り電界を切ってもこの状態に留っている。又、与える電
界EaあるいはEbが一定の閾値を越えない限り、それ
ぞれ前の配向状態にやはり維持されている。
【0086】図5は本発明で用いた駆動波形の一例であ
る。図5(A)の中のS は選択された走査線に印加
する選択走査波形を、Sは選択されていない非選択走
査波形を、I は選択されたデータ線に印加する選択
情報波形(黒)を、I は選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表わしている。ま
た、図中(I −S )と(I −S )は選
択された走査線上の画素に印加する電圧波形で、電圧
(I −S)が印加された画素は黒の表示状態をと
り、電圧(I −S )が印加された画素は白の表
示状態をとる。
【0087】図5(B)は図(A)に示す駆動波形で、
図6に示す表示を行ったときの時系列波形である。図5
に示す駆動例では、選択された走査線上の画素に印加さ
れる単一極性電圧の最小印加時間Δtが書込み位相t
の時間に相当し、1ラインクリヤt位相の時間が2
Δtに設定されている。
【0088】さて、図5に示した駆動波形の各パラメー
タV ,V ,Δtの値は使用する液晶材料のスイ
ッチング特性によって決定される。ここでは、バイアス
比V /(V +V )=1/3に固定されてい
る。
【0089】バイアス比を大きくすることにより駆動適
正電圧の幅を大きくすることは可能であるが、バイアス
比を増すことは情報信号の振幅を大きくすることを意味
し、画質的にはちらつきの増大、コントラストの低下を
招き好ましくない。我々の検討ではバイアス比1/3〜
1/4程度が実用的であった。
【0090】本発明の液晶素子を表示パネル部に使用
し、図7及び図8に示した走査線アドレス情報をもつ画
像情報なるデータフォーマット及びSYNC信号による
通信同期手段をとることにより、液晶表示装置を実現す
る。
【0091】図中、符号はそれぞれ以下の通りである。 101 強誘電性液晶表示装置 102 グラフィックスコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0092】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックスコントローラ102にて行われ、図7及び図8に
示した信号転送手段にしたがって表示パネル103に転
送される。グラフィックスコントローラ102は、CP
U(中央演算処理装置、以下GCPU112と略す)及
びVRAM(画像情報格納用メモリ)114を核に、ホ
ストCPU113と液晶表示装置101間の画像情報の
管理や通信をつかさどっており、本発明の制御方法は主
にこのグラフィックスコントローラ102上で実現され
るものである。なお、該表示パネルの裏面には光源が配
置されている。
【0093】
【実施例】以下、実施例により本発明について更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0094】実施例1 6−ペンチル−2−(4−デシルフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロキナゾリン(例示化合物No.
2)の製造 (工程1)4−ペンチル−2−ヒドロキシメチレン−シ
クロヘキサノンの合成無水エーテル35mlに水素化ナ
トリウム1.19g(60%油性、29.7mmol)
を加え氷水冷下で撹拌した。そこへエタノール0.17
mlを加えた後、4−ペンチルシクロヘキサノン5.0
0g(29.7mmol)およびギ酸エチル3.30g
(44.6mmol)を1時間かけて滴下した。滴下
後、室温で8時間撹拌し、水にあけエーテル層を分離し
た。水層を酢酸エチルで2回抽出した。水層を6N塩酸
で酸性とし、酢酸エチルで抽出し、水洗後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別後、溶媒を
留去して4−ペンチル−2−ヒドロキシメチレン−シク
ロヘキサノン4.55gを得た。収率78.0%。
【0095】(工程2)6−ペンチル−2−(4−デシ
ルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリ
ンの合成 4−ペンチル−2−ヒドロキシメチレンシクロヘキサノ
ン0.7g(3.56mmol)、4−デシルベンズア
ミジン塩酸塩1.06g(3.56mmol)、ナトリ
ウムメトキシド0.48g(8.88mmol)および
エタノール12mlを加え、還流下6時間撹拌した。そ
の後水にあけ酢酸エチルで抽出した。水洗後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別し、溶媒
を減圧下にて留去した。残渣をシリカゲルカラム(展開
溶媒:トルエン)で精製し、エタノールで2回再結晶
し、6−ペンチル−2−(4−デシルフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.58gを得
た。収率38.7%。
【0096】
【数3】
【0097】実施例2 6−ペンチル−2−(4−デシルオキシフェニル)−
5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(例示化合物
No.4)の製造 (工程1)6−ペンチル−2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリンの合成 4−ペンチル−2−ヒドロキシメチレンシクロヘキサノ
ン4.40g(22.4mmol)、4−ヒドロキシベ
ンズアミジン塩酸塩3.51g(22.4mmol)、
ナトリウムメトキシド4.24g(78.4mmol)
およびエタノール60mlを加え、還流下で10時間撹
拌した。その後、水にあけ6N塩酸で酸性とし酢酸エチ
ルで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
硫酸ナトリウムを濾別した後、溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲルカラム(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=2
/1)で精製し、ヘキサンで結晶化したあと冷凍庫に入
れ、濾取し冷ヘキサンで洗った。乾燥後、6−ペンチル
−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,6,7,8−
テトラヒドロキナゾリン2.12gを得た。収率31.
9%。
【0098】(工程2)6−ペンチル−2−(4−デシ
ルオキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキ
ナゾリンの合成 6−ペンチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.12g(0.
40mmol)、ヨードデカン0.11g(0.40m
mol)、水酸化カリウム0.03g(85%、0.4
5mmol)およびDMF(N,N−ジメチルホルムア
ミド)5mlを加え、110℃で5時間撹拌した。反応
後、水にあけ、トルエンで抽出し、水洗後無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別した後、溶媒
を留去し残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:トルエ
ン)で精製し、エタノールから再結晶して6−ペンチル
−2−(4−デシルオキシフェニル)−5,6,7,8
−テトラヒドロキナゾリン0.1gを得た。収率57.
1%。
【0099】
【数4】
【0100】実施例3 6−ペンチル−2−(4−ウンデカノイルオキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(例示
化合物No.10)の製造 6−ペンチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.20g(0.
67mmol)、ウンデカン酸0.12g(0.67m
mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.13g
(0.67mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジ
ン0.02gおよび塩化メチレン20mlを加え、室温
で5時間撹拌した。生成したジシクロヘキシル尿素を濾
別し、塩化メチレンで洗い濾液とあわせ、減圧下に濃縮
した。残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン)
により精製し、エタノールから再結晶して、6−ペンチ
ル−2−(4−ウンデカノイルオキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.18gを得
た。収率58.1%。
【0101】
【数5】
【0102】実施例4 6−デシル−2−(4−デシルオキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(例示化合物N
o.35)の製造 (工程1)4−デシル−2−ヒドロキシメチレン−シク
ロヘキサノンの合成無水エーテル50mlに水素化ナト
リウム0.84g(60%油性、21.0mmol)を
加え、氷水冷下で撹拌した。そこへエタノール0.17
mlを加えた後、4−デシルシクロヘキサノン5.00
g(21.0mmol)およびギ酸エチル2.33g
(31.5mmol)を40分かけて滴下した。滴下
後、室温で8時間撹拌し水にあけ、エーテル層を分離し
た。水層を酢酸エチルで2回抽出した。次いで水層を6
N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出し、水洗後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別した
後、溶媒を留去して、4−デシル−2−ヒドロキシメチ
レンシクロヘキサノン4.2gを得た。収率75.0
%。
【0103】(工程2)6−デシル−2−(4−ヒドロ
キシルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナ
ゾリンの合成 4−デシル−2−ヒドロキシメチレンシクロヘキサノン
2.0g(7.5mmol)、4−ヒドロキシベンズア
ミジン塩酸塩1.18g(7.5mmol)、ナトリウ
ムメトキシド1.42g(26.3mmol)およびエ
タノール50mlを加え、還流下で10時間撹拌した。
その後、水にあけ6N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽
出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナ
トリウムを濾別した後、溶媒を留去し残渣をシリカゲル
カラム(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=2/1)で
精製し、ヘキサンで結晶化したあと冷凍庫へ入れ濾取
し、冷ヘキサンで洗った。乾燥後、6−デシル−(2−
ヒドロキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ
キナゾリン1.07gを得た。収率38.9%。
【0104】(工程3)6−デシル−2−(4−デシル
オキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナ
ゾリンの合成 6−デシル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.2g(0.5
5mmol)、ヨードデカン0.15g(0.55mm
ol)、水酸化カリウム0.05g(85%、0.76
mmol)およびDMF8mlを加え、110℃で6時
間撹拌した。反応後水にあけ、トルエンで抽出し、水洗
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを
濾別した後、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラム(展
開溶媒:トルエン)で精製し、エタノールから再結晶し
て、6−デシル−2−(4−デシルオキシフェニル)−
5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.14gを
得た。収率50.1%。
【0105】
【数6】
【0106】実施例5 6−デシル−2−(4−ドデシルオキシフェニル)−
5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(例示化合物
No.8)の製造 6−デシル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.25g(0.
68mmol)、ヨードドデカン0.19g(0.68
mmol)、水酸化カリウム0.05g(85%、0.
75mmol)およびDMF8mlを加え、110℃で
6時間撹拌した。反応後水にあけ、トルエンで抽出し、
水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウ
ムを濾別した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラ
ム(展開溶媒:トルエン)で精製し、エタノールから再
結晶して、6−デシル−2−(4−ドデシルオキシフェ
ニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.
17gを得た。収率48.0%。
【0107】
【数7】
【0108】実施例6 6−デシル−2−(4−ウンデカノイルオキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(例示
化合物No.36)の製造 6−デシル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン0.2g(0.5
5mmol)、ウンデカン酸0.1g(0.55mmo
l)、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.11g
(0.55mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジ
ン0.02gおよび塩化メチレン20mlを加え室温で
5時間撹拌した。生成したジシクロヘキシル尿素を濾別
し、塩化メチレンで洗い濾液とあわせ、減圧下に濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン)で
精製し、エタノールから再結晶して、6−デシル−2−
(4−ウンデカノイルオキシフェニル)−5,6,7,
8−テトラヒドロキナゾリン0.16gを得た。収率5
4.4%。
【0109】
【数8】
【0110】実施例7 下記化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Aを作
成した。
【0111】
【化23】
【0112】更にこの液晶組成物Aに対して、以下に示
す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組
成物Bを作成した。
【0113】
【化24】
【0114】実施例8 2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガ
ラス板上にITO膜を形成し、電圧印加電極を作成し、
さらにこの上にSiO を蒸着させ絶縁層とした。ガ
ラス板上にシランカップリング剤[信越化学(株)製K
BM−602]0.2%イソプロピルアルコール溶液を
回転数2000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布
し、表面処理を施した。この後、120℃にて20分間
加熱乾燥処理を施した。
【0115】さらに表面処理を行なったITO膜付きの
ガラス板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)SP−
510]1.5%ジメチルアセトアミド溶液を回転数2
000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布した。成
膜後、60分間,300℃加熱縮合焼成処理を施した。
この時の塗膜の膜厚は約250Åであった。
【0116】この焼成後の被膜には、アセテート植毛布
によるラビング処理がなされ、その後イソプロピルアル
コール液で洗浄し、平均粒径2μmのシリカビーズを一
方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理
軸が互いに平行となる様にし、接着シール剤[リクソン
ボンド(チッソ(株))]を用いてガラス板をはり合わ
せ、60分間,100℃にて加熱乾燥しセルを作成し
た。
【0117】このセルに実施例7で混合した液晶組成物
Bを等方性液体状態で注入し、等方相から20℃/hで
25℃まで徐冷することにより、強誘電性液晶素子を作
成した。このセルのセル厚をベレック位相板によって測
定したところ約2μmであった。
【0118】この強誘電性液晶素子を使ってピーク・ト
ウ・ピーク電圧Vpp=20Vの電圧印加により直交ニ
コル下での光学的な応答(透過光量変化0〜90%)を
検知して応答速度(以後、光学応答速度という)を測定
した。その測定結果を次に示す。
【0119】
【表1】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 411μsec 214μsec 120μsec
【0120】比較例1 実施例7で混合した液晶組成物Aをセル内に注入する以
外は全く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を作
成し、光学応答速度を測定した。その測定結果を次に示
す。
【0121】
【表2】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 668μsec 340μsec 182μsec
【0122】実施例9 実施例7で使用した例示化合物のかわりに以下に示す例
示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物
Cを作成した。
【0123】
【化25】
【0124】液晶組成物Cをセル内に注入する以外は全
く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、
光学応答速度を測定し、スイッチング状態を観察した。
この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノドメイ
ン状態が得られた。その測定結果を次に示す。
【0125】
【表3】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 402μsec 209μsec 116μsec
【0126】実施例10 下記化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Dを作
成した。
【0127】
【化26】
【0128】更にこの液晶組成物Dに対して、以下に示
す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組
成物Eを作成した。
【0129】
【化27】
【0130】液晶組成物Eをセル内に注入する以外は全
く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、
光学応答速度を測定し、スイッチング状態を観察した。
この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノドメイ
ン状態が得られた。その測定結果を次に示す。
【0131】
【表4】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 508μsec 249μsec 140μsec
【0132】比較例2 実施例10で混合した液晶組成物Eをセル内に注入する
以外は全く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を
作成し、光学応答速度を測定した。その結果を次に示
す。
【0133】
【表5】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 784μsec 373μsec 197μsec
【0134】実施例11 実施例10で混合した例示化合物の代わりに以下に示す
化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物F
を作成した。
【0135】
【化28】
【0136】液晶組成物Fをセル内に注入する以外は全
く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、
光学応答速度を測定し、スイッチング状態を観察した。
この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノドメイ
ン状態が得られた。その測定結果を次に示す。
【0137】
【表6】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 489μsec 242μsec 139μsec
【0138】実施例12 下記化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Gを作
成した。
【0139】
【化29】
【0140】更にこの液晶組成物Gに対して、以下に示
す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組
成物Hを作成した。
【0141】
【化30】
【0142】液晶組成物Hをセル内に注入する以外は全
く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、
光学応答速度を測定し、スイッチング状態を観察した。
この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノドメイ
ン状態が得られた。その測定結果を次に示す。
【0143】
【表7】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 422μsec 214μsec 114μsec
【0144】比較例3 実施例12で混合した液晶組成物Gをセル内に注入する
以外は全く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を
作成し、光学応答速度を測定した。その測定結果を次に
示す。
【0145】
【表8】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 653μsec 317μsec 159μsec
【0146】実施例13 実施例12で使用した例示化合物の代わりに以下に示す
例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成
物Iを作成した。
【0147】
【化31】
【0148】液晶組成物Iをセル内に注入する以外は全
く実施例8と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、
光学応答速度を測定し、スイッチング状態を観察した。
この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノドメイ
ン状態が得られた。その測定結果を次に示す。
【0149】
【表9】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 401μsec 202μsec 110μsec
【0150】実施例7〜13より明らかな様に、本発明
による液晶組成物B,C,E,F,HおよびIを含有す
る強誘電性液晶素子は、低温における作動特性、高速応
答性が改善され、また光学応答速度の温度依存性も軽減
されたものとなっている。
【0151】実施例14 実施例8で使用したポリイミド樹脂前駆体1.5%ジメ
チルアセトアミド溶液に代えて、ポリビニルアルコール
樹脂[クラレ(株)製PUA−117]2%水溶液を用
いた他は全く同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、
実施例8と同様の方法で光学応答速度を測定した。その
測定結果を次に示す。
【0152】
【表10】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 408μsec 211μsec 118μsec
【0153】実施例15 実施例8で使用したSiO を用いずに、ポリイミド
樹脂だけで配向制御層を作成した以外は全く実施例8と
同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例8と同
様の方法で光学応答速度を測定した。その測定結果を次
に示す。
【0154】
【表11】 10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 412μsec 214μsec 121μsec
【0155】実施例14,15より明らかな様に、素子
構成を変えた場合でも本発明に従う強誘電性液晶組成物
を含有する素子は、実施例8と同様に低温作動特性が非
常に改善され、かつ応答速度の温度依存性が軽減された
ものとなっている。
【0156】実施例17 下記化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Jを作
成した。
【0157】
【化32】
【0158】更にこの液晶組成物Jに対して、以下に示
す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組
成物Kを作成した。
【0159】
【化33】
【0160】次に、これらの液晶組成物を以下の手順で
作成したセルを用いて、光学的な応答を観察した。2枚
の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス
板上にITO膜を形成し、電圧印加電極を作成し、さら
にこの上にSiO を蒸着させ絶縁層とした。ガラス
板上にシランカップリング剤[信越化学(株)製KBM
−602]0.2%イソプロピルアルコール溶液を回転
数2000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布し、
表面処理を施した。この後、120℃にて20分間加熱
乾燥処理を施した。
【0161】さらに表面処理を行なったITO膜付きの
ガラス板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)SP−
510]1.0%ジメチルアセトアミド溶液を回転数3
000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布した。成
膜後、60分間,300℃加熱縮合焼成処理を施した。
この時の塗膜の膜厚は約120Åであった。
【0162】この焼成後の被膜には、アセテート植毛布
によるラビング処理がなされ、その後イソプロピルアル
コール液で洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズ
を一方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング
処理軸が互いに平行となる様にし、接着シール剤[リク
ソンボンド(チッソ(株))]を用いてガラス板をはり
合わせ、60分間,100℃にて加熱乾燥しセルを作成
した。
【0163】このセルのセル厚をベレック位相板によっ
て測定したところ約1.5μmであった。このセルに液
晶組成物Kを等方性液体状態で注入し、等方相から20
℃/hで25℃まで徐冷することにより、強誘電性液晶
素子を作成した。
【0164】ここの強誘電性液晶素子を用いて前述した
図5に示す駆動波形(1/3バイアス比)で30℃にお
ける駆動時のコントラストを測定した結果、12.2で
あった。
【0165】比較例4 実施例16で混合した液晶組成物Jをセル内に注入する
以外は全く実施例16と同様の方法で強誘電性液晶素子
を作成し、同様の駆動波形を用い30℃における駆動時
のコントラストを測定した。その結果、コントラストは
6.7であった。
【0166】実施例17 実施例16で使用した例示化合物の代わりに以下に示す
例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成
物Lを作成した。
【0167】
【化34】
【0168】この液晶組成物を用いた以外は全く実施例
16と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例
16と同様の駆動波形を用いて30℃における駆動時の
コントラストを測定した。その結果、コントラストは1
1.7であった。
【0169】実施例18 実施例16で使用した例示化合物の代わりに以下に示す
例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成
物Mを作成した。
【0170】
【化35】
【0171】この液晶組成物を用いた以外は全く実施例
16と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例
16と同様の駆動波形を用いて30℃における駆動時の
コントラストを測定した。その結果、コントラストは1
0.8であった。
【0172】実施例16〜18より明らかな様に、本発
明による液晶組成物K,LおよびMを含有する強誘電性
液晶素子は、駆動時におけるコントラストが高くなって
いる。
【0173】実施例19 実施例16で使用したポリイミド樹脂前駆体1.0%ジ
メチルアセトアミド溶液に代えて、ポリビニルアルコー
ル樹脂[クラレ(株)製PUA−117]2%水溶液を
用いた他は全く実施例16と同様の方法で強誘電性液晶
素子を作成し、実施例16と同様の方法で30℃におけ
る駆動時のコントラストを測定した結果、コントラスト
は14.9であった。
【0174】実施例20 実施例16で使用したSiO を用いずに、ポリイミ
ド樹脂だけで配向制御層を作成した以外は全く実施例1
6と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例1
6と同様の方法で30℃における駆動時のコントラスト
を測定した結果、コントラストは15.3であった。
【0175】実施例21 実施例16で使用したポリイミド樹脂前駆体1.0%ジ
メチルアセトアミド溶液に代えて、ポリアミド酸(日立
化成(株)製、LQ1802)1%NMP溶液を用い、
270℃で1時間焼成した以外は全く実施例16と同様
の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例16と同様
の方法で30℃における駆動時のコントラストを測定し
た。その結果コントラストは17.6であった。
【0176】実施例19,20および21より明らかな
様に、素子構成を変えた場合でも本発明に従う強誘電性
液晶組成物を含有する素子は、実施例16と同様に高い
コントラストが得られている。また、駆動波形を変えた
場合においても詳細に検討した結果、同様に本発明の強
誘電性液晶組成物を含有する液晶素子の方がより高いコ
ントラストが得られることが判明した。
【0177】
【発明の効果】本発明のテトラヒドロキナゾリン化合物
を含有する液晶組成物は、液晶組成物が示す強誘電性を
利用して動作させることが出来る。このようにして利用
されうる本発明の強誘電性液晶素子は、スイッチング特
性が良好で、高速応答性、光学応答速度の温度依存性の
軽減、高コントラスト等の優れた特性を有する液晶素子
とすることができる。
【0178】なお、本発明の液晶素子を表示素子として
光源、駆動回路等と組み合わせた表示装置は良好な装置
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液
晶素子の一例の断面概略図である。
【図2】液晶のもつ強誘電性を利用した液晶素子の動作
説明のために素子セルの一例を模式的に表わす斜視図で
ある。
【図3】液晶のもつ強誘電性を利用した液晶素子の動作
説明のために素子セルの一例を模式的に表わす斜視図で
ある。
【図4】チルト角(θ)を示す説明図である。
【図5】本発明で用いる液晶素子の駆動法の波形図であ
る。
【図6】図5(B)に示す時系列駆動波形で実際の駆動
を行ったときの表示パタ−ンの模式図である。
【図7】強誘電性を利用した液晶素子を有する液晶表示
装置とグラフィックスコントローラを示すブロック構成
図である。
【図8】液晶表示装置とグラフィックスコントローラと
の間の画像情報通信タイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック相を有する液晶層 2 ガラス基板 3 透明電極 4 絶縁性配向制御層 5 スペーサー 6 リード線 7 電源 8 偏光板 9 光源 I 入射光 I 透過光 21a 基板 21b 基板 22 カイラルスメクチック相を有する液晶層 23 液晶分子 24 双極子モーメント(P⊥) 31a 電圧印加手段 31b 電圧印加手段 33a 第1の安定状態 33b 第2の安定状態 34a 上向きの双極子モーメント 34b 下向きの双極子モーメント Ea 上向きの電界 Eb 下向きの電界 101 強誘電性液晶表示装置 102 グラフィックスコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 333/38 C09K 19/34 9279−4H // C07D 213/55 (72)発明者 山田 容子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるテトラヒド
    ロキナゾリン化合物。 【化1】R−Q−Ph−R (I) (式中、Rは炭素原子数が1〜18の直鎖状、分岐状
    または環状のアルキル基を示す。ただし、該アルキル基
    中の1つもしくは2つ以上の−CH−はヘテロ原子が
    隣接しない条件で−O−,−S−,−CO−,−OCO
    −,−COO−,−CH=CH−,−C≡C−に置き換
    えられていてもよい。Rは炭素原子数が10〜20の
    直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。ただ
    し、該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の−CH
    −はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−,−S−,−
    CO−,−OCO−,−COO−,−CH=CH−,−
    C≡C−に置き換えられていてもよい。Qは5,6,
    7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジイルを示
    し、Phは1,4−フェニレンを示す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)において、Rが炭素
    原子数1〜10の直鎖状アルキル基である請求項1記載
    のテトラヒドロキナゾリン化合物。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)において、Rが炭素
    原子数10〜18の直鎖状アルキル基、アルコキシ基ま
    たはアルカノイルオキシ基である請求項1記載のテトラ
    ヒドロキナゾリン化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のテトラヒドロキナゾリン
    化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする液
    晶組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で示されるテトラヒドロキ
    ナゾリン化合物を前記液晶組成物に対して1〜80重量
    %含有する請求項4記載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で示されるテトラヒドロキ
    ナゾリン化合物を前記液晶組成物に対して1〜60重量
    %含有する請求項4記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(I)で示されるテトラヒドロキ
    ナゾリン化合物を前記液晶組成物に対して1〜40重量
    %含有する請求項4記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 前記液晶組成物がカイラルスメクチック
    相を有する請求項4記載の液晶組成物。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の液晶組成物を一対の電極
    基板間に配置してなることを特徴とする液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記電極基板上に配向制御層が設けら
    れている請求項9記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 前記配向制御層がラビング処理された
    層である請求項10記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 液晶分子の配列によって形成されたら
    せんが解除された膜厚で前記一対の電極基板を配置する
    請求項9記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の液晶素子を有すること
    を特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】 さらに液晶素子の駆動回路を有する請
    求項13記載の表示装置。
  15. 【請求項15】 光源を有する請求項13記載の表示装
    置。
  16. 【請求項16】 下記一般式(I)で示されるテトラヒ
    ドロキナゾリン化合物の少なくとも一種を含有する液晶
    組成物を用いた表示方法。 【化2】R−Q−Ph−R (I) (式中、Rは炭素原子数が1〜18の直鎖状、分岐状
    または環状のアルキル基を示す。ただし、該アルキル基
    中の1つもしくは2つ以上の−CH −はヘテロ原子
    が隣接しない条件で−O−,−S−,−CO−,−OC
    O−,−COO−,−CH=CH−,−C≡C−に置き
    換えられていてもよい。Rは炭素原子数が10〜20
    の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。ただ
    し、該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の−CH
    −はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−,−S−,
    −CO−,−OCO−,−COO−,−CH=CH−,
    −C≡C−に置き換えられていてもよい。Qは5,6,
    7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジイルを示
    し、Phは1,4−フェニレンを示す。)
  17. 【請求項17】 前記一般式(I)において、Rが炭
    素原子数1〜10の直鎖状アルキル基である請求項16
    記載の表示方法。
  18. 【請求項18】 前記一般式(I)において、Rが炭
    素原子数10〜18の直鎖状アルキル基、アルコキシ基
    またはアルカノイルオキシ基である請求項16記載の表
    示方法。
  19. 【請求項19】 一般式(I)で示されるテトラヒドロ
    キナゾリン化合物を前記液晶組成物に対して1〜80重
    量%含有する請求項16記載の表示方法。
  20. 【請求項20】 一般式(I)で示されるテトラヒドロ
    キナゾリン化合物を前記液晶組成物に対して1〜60重
    量%含有する請求項16記載の表示方法。
  21. 【請求項21】 一般式(I)で示されるテトラヒドロ
    キナゾリン化合物を前記液晶組成物に対して1〜40重
    量%含有する請求項16記載の表示方法。
  22. 【請求項22】 前記液晶組成物がカイラルスメクチッ
    ク相を有する請求項16記載の表示方法。
  23. 【請求項23】 下記一般式(I)で示されるテトラヒ
    ドロキナゾリン化合物の少なくとも一種を含有する液晶
    組成物を一対の電極基板間に配置した液晶素子を用いた
    表示方法。 【化3】R−Q−Ph−R (I) (式中、Rは炭素原子数が1〜18の直鎖状、分岐状
    または環状のアルキル基を示す。ただし、該アルキル基
    中の1つもしくは2つ以上の−CH −はヘテロ原子
    が隣接しない条件で−O−,−S−,−CO−,−OC
    O−,−COO−,−CH=CH−,−C≡C−に置き
    換えられていてもよい。Rは炭素原子数が10〜20
    の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。ただ
    し、該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の−CH
    −はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−,−S−,
    −CO−,−OCO−,−COO−,−CH=CH−,
    −C≡C−に置き換えられていてもよい。Qは5,6,
    7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジイルを示
    し、Phは1,4−フェニレンを示す。)
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