JPH0859800A - ラクトン系ポリオールの製造方法 - Google Patents

ラクトン系ポリオールの製造方法

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JPH0859800A
JPH0859800A JP21798094A JP21798094A JPH0859800A JP H0859800 A JPH0859800 A JP H0859800A JP 21798094 A JP21798094 A JP 21798094A JP 21798094 A JP21798094 A JP 21798094A JP H0859800 A JPH0859800 A JP H0859800A
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valerolactone
lactone
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ring
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Hidekazu Saito
秀和 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 pKa値が11以上で、かつ分子内に活性水
素を含有しない第3級アミン化合物の存在下に、活性水
素原子を有するポリオール化合物を開始剤として用い、
置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを開環付加重
合させることを特徴とするラクトン系ポリオールの製造
方法である。 【効果】 本発明により製造されるラクトン系ポリオ
ールは、柔らかく、耐加水分解性に優れたポリウレタン
やエラストマーを提供する原料として有用であり、シー
ト、フィルム、ロール、ギア、ソリッドタイヤ、ベル
ト、ホース、チューブ、パッキング材、防振材、靴底、
スポーツ靴、機械部品、自動車部品、スポーツ用品、弾
性繊維、人工皮革、繊維処理剤、接着剤、コーティング
剤、バインダー、塗料など広範囲な各種の用途の樹脂原
料に有効に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラクトンの開環重合に
よるラクトン系ポリオールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性水素原子を二個有する化合物を開始
剤として、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを
開環重合することにより得られる両末端にヒドロキシル
基を有するポリエステルポリオールは、ε−カプロラク
トンの開環重合により得られるポリカプロラクトンや、
ジカルボン酸とジオールとの縮重合により得られるポリ
エステルポリオールと同様に、ポリウレタンやポリエス
テルエラストマー等の原料として有用な化合物である。
【0003】その中でも、β−メチル−δ−バレロラク
トンの開環重合により得られるポリ(β−メチル−δ−
バレロラクトン)ポリオール(以下、PMVLと略記す
る)は、常温で流動性を持った液状であり、その取り扱
い易さの面でその他のポリエステルポリオールに比べて
はるかに優れている。また、柔らかく、耐加水分解性に
優れたポリウレタンやポリエステルエラストマーを提供
する原料として有用であり、工業的規模で生産されてい
る。
【0004】ポリエーテルポリオール、ポリエステルポ
リオール、ポリカーボネートポリオールなどの活性水素
原子を有する化合物に、置換もしくは非置換のδ−バレ
ロラクトンを開環付加させることによりラクトン系ポリ
オールを得る反応は、通常、硫酸、燐酸等の鉱酸、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水酸化
ナトリウム、炭酸カリウム、酸化カルシウム等のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩およ
び重炭酸塩、n−ブチルリチウム等のアルキル金属化合
物、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、酸性イオン交
換樹脂、活性白土等の固体酸、テトライソプロピルチタ
ネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニル錫、
テトラオクチル錫、ジフェニル錫ジラウレート等の有機
金属等の触媒の存在下にて行われる。(特開昭60−5
5026号公報、特開昭64−85968号公報) 一般に、生成した重合物が熱的に安定な場合には、反応
の際に使用した触媒が残存していても問題ない。しかし
ながら、上記公知の方法にしたがって得られるラクトン
系ポリオールは分子内に置換もしくは非置換のδ−バレ
ロラクトンを含むために比較的熱力学的に不安定であ
り、そのために、反応の際に使用した触媒が残存してい
ると、保存中に安定性が損なわれたり、あるいはその後
該ラクトン系ポリオールを用いて高分子物質を製造する
際に望ましくない副反応を引き起こしたりする。これを
防止するためには、得られたラクトン系ポリオールを水
で洗浄するなどして触媒物質を除去することが考えられ
るが、通常は触媒成分を除くことは容易ではない。
【0005】酸性イオン交換樹脂、活性白土等の固体酸
触媒を用いてラクトン系ポリオールを製造した場合に
は、濾過により簡便に触媒を除去することができるが、
微量の固体酸触媒等から溶出する不純物の混入を避ける
ことが困難なため、やはり保存中にラクトン系ポリオー
ルの安定性が損なわれたり、あるいはその後の重合反応
により高分子物質を製造する際に望ましくない副反応を
引き起こしたりする。
【0006】そのため、例えば特開昭60−55026
号公報および特開昭64−85968号公報等に記載さ
れている触媒を用いてPMVLを製造する場合には、P
MVLを溶解し、かつ水と混和しない溶媒を用いて反応
を行ったのち、反応液を水で数回洗浄し、あるいは溶媒
の不存在下に反応を行い、反応液に溶媒を加えたのち水
で数回洗浄し、その後分液し、望ましくは減圧下で溶媒
および水を除去するという方法が採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者等の
検討によると、ポリプロピレングリコールやポリテトラ
メチレングリコールなどのポリエーテルポリオールを開
始剤として置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを
開環付加させることにより得られるラクトン系ポリオー
ルから触媒を水洗浄で除くことは非常に困難であること
が分かった。
【0008】さらに、上記方法は触媒物質を除くための
専用設備を必要とし、あるいは該触媒物質を除去する際
に膨大な量の、しかも高いCOD値を示す排水を処理す
る必要があるなどの欠点を有している。しかも、この方
法は、使用する溶媒を回収、精製および貯蔵する設備を
必要とする。
【0009】開環付加重合物の利点としては、重縮合物
と異なり、製造中に水を副生しないために製品中に含有
される水の量が少なく、使用時の脱水操作が不要になる
点が挙げられるが、製品を水で洗浄すると、この利点も
なくなる。
【0010】本発明の目的は、これらの問題点を解消し
て、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンから重合
体を工業的に有利に製造する方法を提案することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】従来、ピリジン、キノリ
ンなどの第3級アミン化合物系触媒を用いて置換もしく
は非置換のδ−バレロラクトンの開環付加反応を行った
場合には、該反応は起こらないとされていた。(講座重
合反応論7、三枝武夫著) 本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、pKa値が11以
上で、かつ分子内に活性水素を有しない第3級アミン化
合物を用いた場合には、工業的に満足しうる反応速度で
置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンの開環付加反
応が進行するだけでなく、置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを一成分として含む重合物中から蒸留によ
り容易に触媒成分を除去できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、pKa値が11以上
で、かつ分子内に活性水素を有しない第3級アミン化合
物の存在下に、ポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの活性水
素原子を有するポリオール化合物を開始剤として使用す
る、置換基を有していてもよいδ−バレロラクトンの開
環付加重合によるラクトン系ポリオールの製造方法であ
る。
【0013】本発明において用いられる上記第3級アミ
ン化合物の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ
(5.4.0)ウンデセン−7が挙げられる。第3級ア
ミン化合物の好ましい使用量は、置換もしくは非置換の
δ−バレロラクトンの重量を基準にして0.001〜1
0重量%、好適には0.01〜3重量%である。
【0014】本発明において、前記ポリエーテルポリオ
ールとして、具体的にはポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドのブロックまたはランダム共
重合体、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランのブ
ロックまたはランダム共重合体等を挙げることができ
る。
【0015】また、前記ポリエステルポリオールとし
て、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオ
ペンチルグリコール等のジオールとコハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカ
ルボン酸とを縮重合したものなどを挙げることができ
る。
【0016】さらに、前記ポリカーボネートポリオール
として、具体的にはポリテトラメチレンカーボネート、
ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレン
カーボネート、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネ
ート、ポリノナメチレンカーボネートなどを挙げること
ができる。
【0017】本発明において用いられる活性水素原子を
有するポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール等であるが、その1種または2種以上を使用する
ことができる。
【0018】本発明において用いられるδ−バレロラク
トンは置換されていてもよく、その場合の置換基の例は
メチル基、エチル基等の低級アルキル基である。これら
の置換基を有するδ−バレロラクトンの具体例を挙げる
ならばβ−メチル−δ−バレロラクトン、β−エチル−
δ−バレロラクトン、γ,γ−ジメチル−δ−バレロラ
クトン等である。
【0019】本発明の方法において、得られる重合物の
分子量は、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンと
活性水素原子を有するポリオール化合物とのモル比を調
節することにより任意に調整することが可能である。
【0020】また、本発明にしたがう反応は、通常、窒
素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行わ
れる。この反応を行うにあたり、置換もしくは非置換の
δ−バレロラクトンおよびポリエーテルポリオール、ポ
リエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールな
どは、できる限り水分含有量を低下させておくことが望
ましい。また、第3級アミン化合物についても同様に水
分含有量をできる限り低くしておくことが望ましい。
【0021】本反応は、通常、溶媒の存在下または不存
在下に、−20℃以上の温度で行われるが、ポリ−δ−
バレロラクトンが熱的に必ずしも安定とは言えないた
め、200℃を越えない温度条件を選択するのがよく、
さらに好ましい温度条件は20℃〜80℃である。
【0022】本反応は、通常、溶媒を用いないで実施さ
れるが、溶媒を用いて実施することもできる。この目的
に使用しうる溶媒は活性水素を保有しない有機溶媒であ
り、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの
溶媒も使用する場合には、その使用に先立ってできる限
り水分含有量を低下させておくことが望ましい。 本発
明において、反応で得られる反応混合物はそのまま次の
反応の原料として使用することもできるが、触媒および
未反応の置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを除
去して、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、ポリカーボネートポリオールなどと置換もしくは
非置換のδ−バレロラクトンの付加物を精製して使用す
ることが望ましい。この反応混合物の処理は、例えば、
該反応混合物をそのまま薄膜蒸発装置を用いて減圧条件
下に処理することによりなしうる。その処理の際に回収
された未反応の置換もしくは非置換のδ−バレロラクト
ンおよび第3級アミン化合物はそのまま次の重合系に投
入することも可能である。
【0023】本発明によるラクトン系ポリオールの製造
方法は、開始剤がポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオールまたはポリカーボネートポリオール類であ
る場合のみならず水酸基およびアミノ基などの活性水素
原子を有する化合物にも広く適用できる。
【0024】本発明により製造されるラクトン系ポリオ
ールは、開始剤として用いるポリエーテルポリオール、
ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール
等の結晶化傾向を低下させる。また、柔らかく、耐加水
分解性に優れたポリウレタンやエラストマーを提供する
原料として有用であり、シート、フィルム、ロール、ギ
ア、ソリッドタイヤ、ベルト、ホース、チューブ、パッ
キング材、防振材、靴底、スポーツ靴、機械部品、自動
車部品、スポーツ用品、弾性繊維、人工皮革、繊維処理
剤、接着剤、コーティング剤、バインダー、塗料など広
範囲な各種の用途の樹脂原料に有効に使用することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されるものではない。
【0026】実施例1 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したポリテトラメチレングリコール(分子量1000)
100gおよびあらかじめ脱水したβ−メチル−δ−バ
レロラクトン245gを仕込み、窒素雰囲気下撹拌しな
がら30℃のバスに浸した。しかる後に、滴下ロートよ
りあらかじめ脱水した2.5gの1,8−ジアザビシク
ロ(5.4.0)ウンデセン−7(サンアプロ社製)を
速やかに加えた。滴下終了後、さらに30℃〜35℃で
36時間撹拌を続けた。反応混合物は粘調な液体とな
り、この重合物中のβ−メチル−δ−バレロラクトンを
液体クロマトグラフィーで分析したところ41.7gで
あった。
【0027】得られた重合物をワイパー式薄膜蒸留装置
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体297gを得た。
【0028】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体はポリテトラメチレング
リコール(分子量1000)にβ−メチル−δ−バレロ
ラクトンが開環付加重合したラクトン系ポリオールであ
ることが確認された。
【0029】このものは、水酸基価36.5mgKOH
/g、酸価0.3mgKOH/gであることより分子量
は3050であった。
【0030】さらに、元素分析結果から残存N分は0.
02%であった。
【0031】実施例2 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したポリヘキサメチレンカーボネート(分子量750)
150gおよびあらかじめ脱水したβ−メチル−δ−バ
レロラクトン340gを仕込み、窒素雰囲気下撹拌しな
がら60℃のバスに浸した。しかる後に、滴下ロートよ
りあらかじめ脱水した2.7gの1,8−ジアザビシク
ロ(5.4.0)ウンデセン−7(サンアプロ社製)を
速やかに加えた。滴下終了後、さらに60℃〜65℃で
24時間撹拌を続けた。反応混合物は粘調な液体とな
り、この重合物中のβ−メチル−δ−バレロラクトンを
液体クロマトグラフィーで分析したところ75.3gで
あった。
【0032】得られた重合物をワイパー式薄膜蒸留装置
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体410gを得た。
【0033】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体はポリヘキサメチレンカ
ーボネート(分子量750)にβ−メチル−δ−バレロ
ラクトンが開環付加重合したラクトン系ポリオールであ
ることが確認された。
【0034】このものは、水酸基価53.6mgKOH
/g、酸価0.3mgKOH/gであることより分子量
は2082であった。
【0035】さらに、元素分析結果から残存N分は0.
02%であった。
【0036】実施例3 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
した1,9−ノナンジオールアジペート(分子量80
0)100gおよびあらかじめ脱水したδ−バレロラク
トン350gを仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら45
℃のバスに浸した。しかる後に、滴下ロートよりあらか
じめ脱水した3gの1,8−ジアザビシクロ(5.4.
0)ウンデセン−7(サンアプロ社製)を速やかに加え
た。滴下終了後、さらに45℃で36時間撹拌を続け
た。反応混合物は粘調な液体となり、この重合物中のδ
−バレロラクトンを液体クロマトグラフィーで分析した
ところ68.5gであった。
【0037】得られた重合物をワイパー式薄膜蒸留装置
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体376gを得た。
【0038】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体は1,9−ノナンジオー
ルアジペート(分子量800)にδ−バレロラクトンが
開環付加重合したラクトン系ポリオールであることが確
認された。
【0039】このものは、水酸基価36.3mgKOH
/g、酸価0.5mgKOH/gであることより分子量
は3050であった。
【0040】さらに、元素分析結果から残存N分は0.
02%であった。
【0041】比較例1 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したポリテトラメチレングリコール(分子量1000)
120gおよびあらかじめ脱水したβ−メチル−δ−バ
レロラクトン300gを仕込み、窒素雰囲気下撹拌しな
がら60℃のバスに浸した。しかる後に、滴下ロートよ
り2mlの25%n−ブチルリチウムのヘキサン溶液
(日本アルキルアルミ社製)を速やかに加えた。滴下終
了後、発熱が認められたが内温が60℃〜65℃になっ
てからさらに5時間撹拌を続けた。
【0042】反応混合物は粘調な液体となり、この重合
物中のβ−メチル−δ−バレロラクトンを液体クロマト
グラフィーで分析したところ54gであった。
【0043】得られた重合液にトルエン600mlを加
え、水250mlで5回洗浄した。
【0044】この操作時に生じた廃水はCODが172
0ppmと高いために焼却処分した。 水洗後の液はロ
ータリーエバポレーターにてトルエンを留去した後、ワ
イパー式薄膜蒸留装置を用いて、180℃、1torr
以下の条件下で処理して、無色透明の粘性のある液体3
55gを得た。
【0045】回収したトルエンは、酸価が0.5KOH
mg/gと高くなったために焼却処分した。
【0046】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体はポリテトラメチレング
リコール(分子量1000)にβ−メチル−δ−バレロ
ラクトンが開環付加重合したラクトン系ポリオールであ
ることが確認された。
【0047】このものは、水酸基価36.5mgKOH
/g、酸価0.3mgKOH/gであることより分子量
は3050であった。
【0048】さらに、原子吸光法によりLi含有量は
2.5ppmであった。
【0049】
【発明の効果】本発明により製造されるラクトン系ポリ
オールは、開始剤として用いるポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール等の結晶化傾向を低下させる。また、柔らかく、耐
加水分解性に優れたポリウレタンやエラストマーを提供
する原料として有用であり、シート、フィルム、ロー
ル、ギア、ソリッドタイヤ、ベルト、ホース、チュー
ブ、パッキング材、防振材、靴底、スポーツ靴、機械部
品、自動車部品、スポーツ用品、弾性繊維、人工皮革、
繊維処理剤、接着剤、コーティング剤、バインダー、塗
料など広範囲な各種の用途の樹脂原料に有効に使用する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pKa値が11以上で、かつ分子内に活
    性水素を含有しない第3級アミン化合物の存在下に、活
    性水素原子を有するポリオール化合物を開始剤として用
    い、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを開環付
    加重合させることを特徴とするラクトン系ポリオールの
    製造方法。
  2. 【請求項2】活性水素原子を有するポリオール化合物
    が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
    ル、ポリカーボネートポリオールの1種または2種以上
    である、請求項1に記載のラクトン系ポリオールの製造
    方法。
  3. 【請求項3】置換もしくは非置換のδ−バレロラクトン
    がβ−メチル−δ−バレロラクトンである、請求項1,
    2に記載のラクトン系ポリオールの製造方法。
JP21798094A 1994-08-19 1994-08-19 ラクトン系ポリオールの製造方法 Pending JPH0859800A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519343A (ja) * 2007-02-16 2010-06-03 アルケマ フランス 少なくとも一種の環状モノマーのコポリマーの製造方法
WO2023068348A1 (ja) * 2021-10-22 2023-04-27 株式会社クラレ 樹脂組成物
US11866547B2 (en) * 2017-07-11 2024-01-09 Henkel Ag & Co. Kgaa Method for producing functionalized polyesters

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