JPH0858960A - 超重量物受取搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超重量物を移載搬送する搬送装置の提供。 【構成】 超重量物受取搬送装置２８は、平行な一対の
固定レール６１上を走行する走行台車５１と、この走行
台車上に水平回転可能に設けられたターンテーブル５２
と、このターンテーブル５２上に設けられた平行な一対
のターンレール７２と、このターンテーブルに対して垂
直で且つ互いに平行な一対の垂直レール７１を具えてタ
ーンレール上を往復移動する可動移載台５３と、超重量
物Ｗを積載し垂直レールを案内にして昇降する昇降フォ
ーク５４とを有している。昇降フォークはターンテーブ
ルの回転によって超重量物の方に向けられて下降させら
れた後、可動移載台の移動によって超重量物Ｗの下に進
入させられる。その後、昇降フォークは上昇させられて
超重量物を積載し、走行台車上に引き戻される。超重量
物はターンテーブルの回転によって向きを変えられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、超重量物、例えばトン
ネルの内壁を形作る円弧板状のセグメントを他の運搬台
車から受け取り、そのセグメントをトンネルの入口まで
搬送する装置に引き渡す場所まで搬送するための装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、トンネルの内壁を形作る
円弧板状のセグメントのように重量が約１０トンもあ
り、通常は、ストックヤードに貯留され、必要に応じて
運搬台車（図示省略）によって運び出され、各種の搬送
装置に引き継がれて、目的地のトンネル掘削現場の最先
端まで運ばれるような、超重量物がある。

【０００３】このような超重量物の搬送に適した搬送装
置として、造船所で使用されているような門形をしたク
レーン（図示省略）がある。この門型をしたクレーンは
超重量物を吊り下げて搬送するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
門型をしたクレーンは、吊り下げた超重量物が落下しな
いように、超重量物の吊下作業を慎重に行なわなければ
ならず、運搬作業に手間を要するという問題点を有して
いる。又、クレーンは、セグメントような板状の超重量
物を幾つか重ねて搬送すると、搬送中に揺れた場合、重
ねられた超重量物がずり落ちる恐れがあるという問題点
も有している。さらに、このクレーンは、搬送中に超重
量物の向きを変えることができないという問題点も有し
ている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、平行な一対の
固定レール上を走行する走行台車と、前記走行台車上に
水平回転可能に設けられたターンテーブルと、前記ター
ンテーブル上に設けられた平行な一対のターンレール
と、前記ターンテーブルに対して垂直で且つ互いに平行
な一対の垂直レールを具えて前記ターンレール上を往復
移動する可動移載台と、超重量物を積載し前記垂直レー
ルを案内にして昇降する昇降フォークとを有する受取搬
送装置により、前記の課題を解決した。

【０００６】

【作用】走行台車は、運搬台車によって運搬されてきた
超重量物を受け取る場所で待機している。走行台車の待
機中、昇降フォークは、下降させられ、且つ、ターンテ
ーブルの回転によって運搬台車の方に向けられ、さら
に、可動移載台の移動によって走行台車から突出しない
ように引っ込められている。

【０００７】超重量物が運搬台車によって運搬されてく
ると、可動移載台が移動し、昇降フォークを超重量物の
下方に進入させる。その後、昇降フォークは垂直レール
を案内にして上昇し、超重量物をすくい上げるようにし
て、受け取る。

【０００８】昇降フォークが超重量物を受け取った後、
可動移載台はターンレール上を移動して昇降フォークを
走行台車上に引き込む。昇降フォークが走行台車上に引
っ込むことよって、超重量物は運搬台車から受取搬送装
置に移載されたことになる。

【０００９】走行台車は、次の運搬装置の所まで走行
し、ターンテーブルの回転と可動移載台の移動とによっ
て昇降フォークを次の運搬装置の方に向け、次の運搬装
置の真上に超重量物を移動させる。その後、昇降フォー
クが下降し、超重量物は次の運搬装置上に移載される。
そして、昇降フォークは走行台車から突出しないように
引っ込む。

【００１０】空になった、走行台車は超重量物を受け取
る元の場所へ移動し、昇降フォークが運搬台車の方に向
き、超重量物受取搬送装置全体が待機状態なる。運搬台
車によって超重量物が運搬されてくると、走行台車は、
再度、超重量物を受け取って、次の運搬装置の所まで搬
送する。このように、走行台車は、運搬台車と次の運搬
装置との間を往復走行して超重量物を運搬台車から次の
運搬装置へと次々に搬送する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１乃至図５に基づ
いて説明する。超重量物受取搬送装置（以下、単に「受
取搬送装置」と称する。）２８は、図５に示すように、
海底トンネル掘削現場の海底に立設されて海上に突出し
た円筒状の人工島Ａの上端に貯留されたセグメントＷを
置台２１又は運搬台車２３から受け取って、人工島Ａの
縦抗内周を走行する次の運搬装置（図示省略）に引き渡
す台車である。

【００１２】セグメントＷは、台船Ｓで運ばれてきた
後、搬入クレーン２７によって人工島Ａに移され運搬台
車２３に降ろされ、運搬台車２３に運搬されて、ストッ
クヤードＹに前詰めされて貯留され、必要に応じて、運
搬台車２３、受取搬送装置２８、次の運搬装置等を経
て、トンネル掘削現場の最先端まで運ばれるようになっ
ている。なお、セグメントＷは、トンネルの内壁を形作
る円弧板状の建設資材であり、１つの重量が約１０トン
である。又、セグメントＷは、一対の置台２１，２１に
載置されて貯留される。受取搬送装置２８は、走行台車
５１、ターンテーブル５２、可動移載台５３、昇降フォ
ーク５４等で構成されている。

【００１３】走行台車５１について説明する。走行台車
５１（図２参照）は、互いに平行な一対の固定レール６
１，６１上を走行する車輪６２を四隅に具えている。走
行台車５１の略々中心には、後述するターンテーブル５
２の回転中心となる回転中心軸７７が梁６９に支持され
て立設されている。

【００１４】一対の固定レール６１の傍には、走行台車
５１の走行路に両端が固定された一対のチェーン８７，
８７が張設されている。チェーン８７の中間には、チェ
ーン８７を下から押し上げるようにスプロケット８８が
噛合している。スプロケット８８は、走行台車５１上の
減速機付きモータ８９に設けられている。スプロケット
８８の両側には、チェーン８７の張り具合を調節すると
ともに、チェーン８７をスプロケット８８に確実に噛合
させるアイドルスプロケット９０，９０が設けられてい
る。

【００１５】走行台車５１の動作を説明する。減速機付
きモータ８９を始動し、スプロケット８８を回転させる
と、チェーン８７が固定されているため、スプロケット
８８が転がるようにしてチェーン８７の下面を移動す
る。これに伴って、走行台車５１は、車輪６２に支持さ
れて固定レール６１上を走行し、運搬台車２３と次の搬
送装置との間を往復移動する。減速機付きモータ８９
は、２台設けられているが、互いに同期回転するように
なっている。

【００１６】ターンテーブル５２について説明する。タ
ーンテーブル５２は、走行台車５１内に設けられた断面
コ字状の円形ガイドレール６３内を走行可能な６つのガ
イドローラ６４によって、走行台車５１に支持されてい
る。ターンテーブル５２の中心には、走行台車５１上の
回転中心軸７７を受け入れる軸受７８が梁７９によって
設けられている。

【００１７】走行台車５１上には、減速機付きモータ６
５が組み込まれている。このモータ６５の出力軸６６に
はスプロケット６７が設けられている。このスプロケッ
ト６７には、両端がターンテーブル５２に取り付けられ
たチェーン６８の中間部分が噛合している。

【００１８】ターンテーブル５２の動作を説明する。モ
ータ６５を始動するとスプロケット６７が回転し、チェ
ーン６８が牽引される。ターンテーブル５２は、チェー
ン６８が牽引された方向にガイドローラ６４とガイドレ
ール６３との案内によって水平回転する。ターンテーブ
ル５２は、回転中心軸７７を中心にして水平回転する。
ターンテーブル５２が回転することによって、後述する
昇降フォーク５４の向きが変わり、受取搬送装置２８が
昇降フォーク５４によってセグメントＷの移載が行なえ
るようなる。

【００１９】可動移載台５３について説明する。可動移
載台５３は、ターンテーブル５２上に互いに平行に敷設
された一対のターンレール７２，７２上に往復移動可能
に設けられている。可動移載台５３は、四隅に設けられ
た可動用ローラ７３によってターンレール７２上に支持
されている。

【００２０】可動移載台５３は、ターンテーブル５２に
対して垂直で且つ互いに平行な一対の垂直レール７１，
７１を具えている。ターンテーブル５２と可動移載台５
３との間には、可動移載台用油圧シリンダ７４が設けら
れている。この可動移載台用油圧シリンダ７４は可動移
載台５３をターンテーブル５２上で往復移動させるため
のシリンダである。

【００２１】可動移載台５３の動作を説明する。可動移
載台用油圧シリンダ７４を作動させると、ピストン７５
がシリンダ７６を出没して、可動移載台５３がターンレ
ール７２と可動用ローラ７３に案内されて図１の左右方
向へ移動する。

【００２２】図３において、走行台車５１が図の上端に
停止しているとき、可動移載台５３を図３の右方向へ移
動させると後述する昇降フォーク５４が、走行台車５１
から突出してセグメントＷを置台２１又は運搬台車２３
から受け取ることができる。又、走行台車５１が図３の
下端に停止しているとき、可動移載台５３を図の下端の
方へ移動させると昇降フォーク５４は、走行台車５１か
ら突出して次の搬送装置（図示省略）へセグメントＷを
移すことができる。

【００２３】昇降フォーク５４について説明する。昇降
フォーク５４は、垂直フレーム８１と一対の爪８２，８
２とを有し、図１においてＬ字状に形成され、一対の垂
直レール７１に昇降可能に設けられている。垂直フレー
ム８１の四隅には、一対の断面コ字状の垂直レール７１
内を昇降走行する昇降用ローラ８３が設けられている。
垂直フレーム８１と可動移載台５３との間には、昇降フ
ォーク用油圧シリンダ８４が設けられている。この昇降
フォーク用油圧シリンダ８４は昇降フォーク５４を可動
移載台５３上で昇降させるためのシリンダである。

【００２４】昇降フォーク５４の動作を説明する。昇降
フォーク用油圧シリンダ８４を作動させると、ピストン
８５がシリンダ８６を出没し、昇降フォーク５４は、垂
直レール７１と昇降用ローラ８３を案内にして昇降す
る。昇降フォーク５４の昇降によって、セグメントＷが
昇降し、受取搬送装置２８は運搬台車２３或いは次の搬
送装置との間でセグメントＷの移載を行なうことができ
る。

【００２５】受取搬送装置２８の動作を説明する。走行
台車５１は、運搬台車２３によって運搬されてきたセグ
メントＷを受け取る場所で待機している（図３の上端
側）。このとき、昇降フォーク５４は、下降させられ、
且つ、ターンテーブル５２の回転によって運搬台車２３
の方に向けられ、さらに、可動移載台５３の移動によっ
て走行台車５１から突出しないように引っ込められてい
る。

【００２６】セグメントＷが運搬台車２３によって運搬
されてくると、可動移載台５３が移動し、昇降フォーク
５４をセグメントＷの下方に進入させる。このとき、セ
グメントＷは、運搬台車２３に積載されたままか、或い
は、運搬台車２３から置台２１上に降ろされているかの
何れかである。その後、昇降フォーク５４は垂直レール
７１を案内にして上昇し、セグメントＷをすくい上げる
ようにして、受け取る。

【００２７】昇降フォーク５４がセグメントＷを受け取
った後、可動移載台５３はターンレール７２上を移動し
て昇降フォーク５４を走行台車５１上に引き込む。昇降
フォーク５４が走行台車５１上に引っ込むことよって、
セグメントＷは運搬台車２３又は置台２１から受取搬送
装置２８に移載されたことになる。

【００２８】走行台車５１は、次の運搬装置の所（図３
の下端の方）まで固定レール６１を走行して、ターンテ
ーブル５２の回転と可動移載台５３の移動とによって昇
降フォーク５４を次の運搬装置（図示省略）の方に向
け、次の運搬装置の真上にセグメントＷを移動させる。
その後、昇降フォーク５４が下降して、セグメントＷは
次の運搬装置上に移載される。そして、昇降フォーク５
４は走行台車５１から突出しないように引っ込む。

【００２９】空になった、走行台車５１はセグメントＷ
を受け取る元の場所（図３の上端）へ移動し、昇降フォ
ーク５４が運搬台車２３の方に向き、超重量物受取搬送
装置全体が待機状態なる。運搬台車２３によってセグメ
ントＷが運搬されてくると、走行台車５１は、再度、セ
グメントＷを受け取って、次の運搬装置の所まで搬送す
る。

【００３０】このように、走行台車５１は、運搬台車２
３と次の運搬装置との間を往復走行してセグメントＷを
運搬台車２３から次の運搬装置へと次々に搬送する。な
お、受取搬送装置２８は、４枚のセグメント（総重量、
約４０トン）を積み重ねた状態で、向きを変えて搬送す
ることができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明の受取搬送装置は、昇降フォーク
で運搬台車から超重量物を支えて受け取り、次の搬送装
置へと搬送するようになっているため、次の効果を奏す
る。超重量物を円滑に搬送することができる。超重量物
の搬送中に超重量物を殆ど揺らすようなことがなく、超
重量物を重ねて安全に搬送することができる。従来の門
型をしたクレーンと異なって、超重量物の吊下作業を行
なう必要が無くなり、人手を介さず、自動的に且つ速や
かに移載を行なうことができる。又、本発明の受取搬送
装置の昇降フォークは、ターンテーブル上に設けられて
向きを変えることができるため、運搬台車や次の搬送装
置の設置場所にとらわれることなく超重量物の移載を行
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例の超重量物受取搬送装置の正
面図である。

【図２】 図１の平面図である。

【図３】 超重量物受取搬送装置の使用状態を示す平面
図である。

【図４】 走行台車を走行させるチェーンとスプロケッ
トとの概略側面図である。

【図５】 超重量物受取搬送装置の使用状態を示す平面
図である。

【符号の説明】

Ｗ セグメント（超重量物） ２８ 超重量物受取搬送装置 ５１ 走行
台車 ５２ ターンテーブル ５３ 可動
移載台 ５４ 昇降フォーク ６１ 固定
レール ７１ 垂直レール ７２ ター
ンレール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行な一対の固定レール上を走行する走
   行台車と、前記走行台車上に水平回転可能に設けられた
   ターンテーブルと、前記ターンテーブル上に設けられた
   平行な一対のターンレールと、前記ターンテーブルに対
   して垂直で且つ互いに平行な一対の垂直レールを具えて
   前記ターンレール上を往復移動する可動移載台と、超重
   量物を積載し前記垂直レールを案内にして昇降する昇降
   フォークとを有することを特徴とする、超重量物受取搬
   送装置。