JPH0730577Y2 - パレット搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はパレット搬送装置に係り、更に詳細には、ワ
ーク貯蔵装置と板材加工機との間に、ワークを載置した
パレットあるいは空パレットを、搬送ラインより退避さ
せるパレット持上げ装置を備えたパレット搬送装置に関
する。

（従来の技術） 従来、ワーク貯蔵装置と板材加工機との間に設けた搬送
コンベアにて、ワークを積載したパレットあるいは空パ
レットを搬送する際、同一搬送ラインにてワークを積載
したパレットとワークを板材加工機にてすべて加工した
空パレットとを、同時に入替え搬送するには、例えば、
ポイント切替え装置を備えた分岐迂回路を設けていた。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上述した従来のワーク搬送ラインに設けたポ
イント切替え方式の迂回路を備えた搬送装置にては、必
ず迂回路にパレットが進入してからでないと、他のパレ
ットは搬送できず、作業性が悪く、板材加工機の待ち時
間が多くかかり、生産性が向上しないという問題があっ
た。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、パレット
を一方向及び上記一方向と逆の方向へ搬送自在の搬送コ
ンベアを備えたフレームに、上記搬送コンベアを間にし
て支柱を相対して設け、上記両支柱に上下動自在に設け
られた各パレット受に、前記搬送コンベアに搬入された
パレットを持上げ自在の吊上げフックを設け、前記搬送
コンベアの搬送方向の両側に、搬送コンベアへのパレッ
トの進行を検知する検知センサをそれぞれ設け、前記搬
送コンベア上に搬入された第１のパレットを前記吊上げ
フックによって所望高さに持上げた状態にあるときに、
前記第１のパレットの搬入方向の逆方向から前記搬送コ
ンベアに搬入された第２のパレットを逆方向へ通過自在
に構成してなるものである。

（作用） 上記構成において、搬送コンベアにパレットが一方向か
ら搬入されると、当該パレットの進行は検知センサによ
って検知される。そして、搬送コンベアにパレットが搬
入されると、パレット受が上昇され、当設パレット受に
備えた吊上げフックでもってパレットを所望位置まで持
上げる。

上述のごとくパレットを持上げた状態において、逆方向
から別のパレットが搬送コンベアに搬入されると、別の
パレットの進行が検知センサによって検知されると共
に、持上げられた状態のパレットの下方位置を逆方向に
通過する。

別のパレットが逆方向に通過すると、持上げられていた
パレットが搬送コンベア上に再び下降されて一方向へ搬
送される。

したがって、２つのパレットは衝突することなしに同一
の搬送コンベア上を一方向へ及び逆方向へ搬送される。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図を参照するに、板材搬送装置１は、ワーク貯蔵装
置３と搬送コンベア５と板材加工機７などを備えて配設
されている。ワーク貯蔵装置３は、例えば、自動倉庫等
のごとく、下部に昇降自在なリフタテーブル９が設けら
れ、このリフタテーブル９にパレット11Aに積載された
ワークＷが載置される。前記ワーク貯蔵装置３と板材加
工機７間には、複数の搬送コンベア５が配設され、その
搬送コンベア５の適所に、ワークＷを載置したパレット
11Aあるいは空パレット11Bを持上げるパレット持上げ装
置13が設けてある。なお、板材加工機７は、例えばタレ
ットパンチプレスであり、搬送コンベア５の出側に設け
てある。

上記構成により、ワーク貯蔵装置３に貯蔵されたパレッ
ト11Aに載置したワーク（素材）Ｗは、例えば、クレー
ン等によりリフタテーブル９上に移載され、搬送コンベ
ア５側へ搬出される。搬送コンベア５に移送されたワー
クＷを載置したパレット11Aは、搬送コンベア５により
搬送し、所定の位置に設けたパレット持上げ装置13によ
り、例えば第１図において２点鎖線で示すごとく退避位
置へ持上げられる。

一方、板材加工機７にてワークＷに所定の加工が施され
製品として搬出され、例えば空になった空パレット11B
は、前述したワークＷを載置したパレット11Aが退避位
置にあるので、衝突することなく、搬送コンベア５によ
りワーク貯蔵装置３内へ格納される。

上述したごとく、ワークＷを載置したパレット11Aある
いは空パレット11Bは、待ち時間なしに入替えが可能と
なり、板材加工機７の待ち時間が短縮し、生産性の向上
を図ることができる。

前記パレット持上げ装置13について、更に詳細に説明す
る。

第２図乃至第４図を参照するに、フレーム15を構成する
下部フレーム17に搬送コンベア５が設けられている。こ
の搬送コンベア５は、下部フレーム17上に立設したブラ
ケット19に、モータ21が係止され、このモータ21の出力
軸23に係止したスプロケット25と、駆動軸27に設けたス
プロケット29間にチェーン31が掛回してある。

前記駆動軸27の両端側を前記下部フレーム17上に立設し
たブラケット33に設けた軸受34に回転自在に支承され、
駆動軸27の両先端にそれぞれスプロケット35が係止さ
れ、このスプロケット35と対向して所定距離はなれた位
置にある従動側のスプロケット37に、搬送用チェーン39
が掛回されている。なお、従動側のスプロケット37は、
前記下部フレーム17上に立設した前記ブラケット33に回
転自在に支承されている。

更に、前記駆動軸27の振れを防ぎ回転自在に支承するブ
ラケット41が設けられ、前記モータ21の回転を伝達する
チェーン31の張りを調節するテンショナ43と、搬送用チ
ェーン39の張りを調節するテンショナ45が適所に設けて
ある。

上記構成により、モータ21を駆動することによって、ス
プロケット25は回転しチェーン31を介してスプロケット
29に回転が伝達され、駆動軸27を回転させる。駆動軸27
の回転によりスプロケット35,37に掛回された搬送用チ
ェーン39は走行し、この搬送用チェーン39上に乗って、
スキッド47上に積載したワークＷを載置したパレット11
A、および空パレット11Bが搬送される。

前記搬送コンベア５を跨いで、前記下部フレーム17上に
２本の支柱49が相対して立設してあり、この支柱49の上
部に上部フレーム51が横架し、一体的にフレーム15が構
成されている。なお、支柱49を垂直に保持するため、支
柱49の左右側（第４図において左右側）にターンバック
ル53を介してワイヤ55が張られている。

支柱49の左右側にはガイドレール57が垂直に延設され、
パレット受59に複数箇所配設したガイドローラ61が、前
記ガイドレール57に係合し転動自在に設けられている。
すなわち、支柱49に対しパレット受59は昇降自在とな
る。

前記パレット受59には、水平に延伸したバー63が設けら
れ、このバー63の両端部近傍に吊上げフック65が突設し
てある。なお、吊上げフック65は充分パレット11A,11B
を支承する長さを有している。更に、吊上げフック65の
上部には、吊上げフック65上にパレット11あるいは11B
が乗っているか、否かを検知する検知センサ67が、斜め
に対向して設けてある。

前記パレット受59を昇降させる駆動手段としては、フレ
ーム15を構成する上部フレーム51に流体圧作動のシリン
ダ69が係止され、このシリンダ69のピストンロッド71に
係合した二股接手73に、チェーン駆動装置75が係止され
ている。

すなわち、チェーン駆動装置75は、第２図において右側
のパレット受59を駆動するため、前記シリンダ69のピス
トンロッド71に係止した二股接手73にチェーン77が係止
され、このチェーン77は上部フレーム51に設けた軸受79
に、回転自在に支承された２連プーリ81およびプーリ83
を掛回して、プーリ受85に連結されている。このプーリ
受85には、軸受87が設けられ、軸受87に回動自在に支承
されたプーリ89にチェーン91が掛回され、このチェーン
91の片端は、前記支柱49に一体的に設けられたブラケッ
ト93に係止され、チェーン91の他端はパレット受59に設
けたブラケット95に係止されている。

一方、第２図において左側のパレット受59を駆動するた
め、前記シリンダ69のピストンロッド71に係止した二股
接手73にチェーン97が係止され、このチェーン97は２連
プーリ81およびプーリ83を掛回してプーリ受85に連結さ
れている。このプーリ受85には、軸受87が設けられ、軸
受87に回転自在に支承されたプーリ89にチェーン91が掛
回され、このチェーン91の片端は、前記支柱49に一体的
に設けられたブラケット93に係止され、チェーン91の他
端はパレット受59に設けたブラケット95に係止されてい
る。

なお、符号97は、前記流体圧作動のシリンダ69を駆動す
るための流体圧発生源を支承するブラケットであり、符
号99は、搬送コンベア５上にパレット11A,11Bが進行し
た際、検知する検知センサである。

上記構成により、図示を省略したが流体圧発生源より配
管部材を介してシリンダ69が駆動される。シリンダ69を
引込側に作動させることにより、ピストンロッド71は引
込みチェーン77と97は、当時に同量引張られ移動し、プ
ーリ受85は上昇する。プーリ受85の上昇により、プーリ
89に掛回されたチェーン91の、片端は支柱49に設けた固
定したブラケット93に係止されているので、パレット受
59はプーリ受85の上昇移動量の倍量上昇させることがで
きる。

換言すれば、パレット受59の移動量の半分がシリンダ69
のストローク量となり、シリンダ69の小型化を図ること
ができる。

パレット受59が上昇することにより、パレット受59より
突設した吊上げフック65は、ワークＷを載置したパレッ
ト11Aあるいは空パレット11Bを第２図に２点鎖線で示す
ごとく所定の距離持上げることができる。なお、パレッ
ト受59を下降させるためには、シリンダ69のピストンロ
ッド71を突出側に作動させることにより可能となる。

上述したごとく、シリンダ69により同時に同期してパレ
ット受59を水平に昇降させることができ、重心の位置に
無関係に捩れの発生なく、機械の損傷を防ぐことができ
る。また、ワーク貯蔵装置３より搬送されたワークＷを
載置したパレット11A,あるいは、板材加工機７に加工済
の空パレット11Bが、パレット持上げ装置13を備えた搬
送コンベア５上に移った時、検知センサ99の検知信号に
よりシリンダ69を作動させる。シリンダ69の作動により
チェーン駆動装置75を介して吊上げフック65にてパレッ
ト11Aあるいは11Bを搬送コンベア５の上面より所定の距
離持上げる。

ワークＷを載置したパレット11A、あるいは、空パレッ
ト11Bが搬送コンベア５の上方に持上げられると、他の
パレットが通過することができ、板材加工機７の待ち時
間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。

なお、この考案は前述した実施例に限定されることな
く、適宜の変更を行なうことにより、その他の態様で実
施し得るものである。本実施例ではパレット持上げ装置
13でパレット11Aを持上げているが、パレット11Bを持上
げるようにしても構わない。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要す
るに本考案は、パレットを一方向及び上記一方向と逆の
方向へ搬送自在の搬送コンベア（５）を備えたフレーム
（15）に、上記搬送コンベア（５）を間にして支柱（4
9）を相対して設け、上記両支柱（49）に上下動自在に
設けられた各パレット受（59）に、前記搬送コンベア
（５）に搬入されたパレットを持上げ自在の吊上げフッ
ク（65）を設け、前記搬送コンベア（５）の搬送方向の
両側に、搬送コンベア（５）へのパレットの進行を検知
する検知センサ（99）をそれぞれ設け、前記搬送コンベ
ア（５）上に搬入された第１のパレットを前記吊上げフ
ック（65）によって所望高さに持上げた状態にあるとき
に、前記第１のパレットの搬入方向の逆方向から前記搬
送コンベア（５）に搬入された第２のパレットを逆方向
へ通過自在に構成してなるものである。

上記構成より明らかなように、本考案においては、搬送
コンベア５は一方向及び逆方向へパレットを移送自在で
あり、この搬送コンベア５の搬送方向の両側には、パレ
ットの進行を検知する検知センサ99が設けてあるから、
どちら方向からパレットが搬入された場合であってもパ
レットの進行を検知することができるものである。

そして、第１のパレットが搬送コンベア５に搬入された
後に、パレット受59を上昇することにより、吊上げフッ
ク65によって第１のパレットを持上げることができるも
のである。したがって、逆方向から第２のパレットが搬
入される場合、持上げた状態の第１のパレットの下を通
過させることができるものである。

この際、搬送コンベア５に対する第２のパレットの進行
を検知センサ99によって検知することができるから、搬
送コンベア５に対する第２のパレットの進行途中に第１
のパレットを下降して互に干渉を生じるようなことを防
ぐことが可能なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施する一実施例のパレット搬送装
置における配置説明図、第２図乃至第４図はパレット持
上げ装置を示し、第２図は正面図、第３図は第２図にお
ける平面図、第４図は第２図における側面図である。 １…パレット搬送装置 ３…ワーク貯蔵装置 ５…搬送コンベア ７…板材加工機 11A,11B…パレット 13…パレット持上げ装置 15…フレーム 49…支柱 59…パレット受 69…シリンダ 75…チェーン駆動装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パレットを一方向及び上記一方向と逆の方
   向へ搬送自在の搬送コンベア（５）を備えたフレーム
   （15）に、上記搬送コンベア（５）を間にして支柱（4
   9）を相対して設け、上記両支柱（49）に上下動自在に
   設けられた各パレット受（59）に、前記搬送コンベア
   （５）に搬入されたパレットを持上げ自在の吊上げフッ
   ク（65）を設け、前記搬送コンベア（５）の搬送方向の
   両側に、搬送コンベア（５）へのパレットの進行を検知
   する検知センサ（99）をそれぞれ設け、前記搬送コンベ
   ア（５）上に搬入された第１のパレットを前記吊上げフ
   ック（65）によって所望高さに持上げた状態にあるとき
   に、前記第１のパレットの搬入方向の逆方向から前記搬
   送コンベア（５）に搬入された第２のパレットを逆方向
   へ通過自在に構成してなることを特徴とするパレット搬
   送装置。