JPH085833A - 光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置 - Google Patents

光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置

Info

Publication number
JPH085833A
JPH085833A JP6138488A JP13848894A JPH085833A JP H085833 A JPH085833 A JP H085833A JP 6138488 A JP6138488 A JP 6138488A JP 13848894 A JP13848894 A JP 13848894A JP H085833 A JPH085833 A JP H085833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
index layer
layer
low
bulb
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6138488A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kawakatsu
晃 川勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP6138488A priority Critical patent/JPH085833A/ja
Publication of JPH085833A publication Critical patent/JPH085833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Fastening Of Light Sources Or Lamp Holders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤外領域である700〜2000nmでのカ
ット率をさらに高めて、赤外線の放射を抑制した光干渉
体や発光効率を向上したハロゲン電球などの管球を提供
することを目的とする。 【構成】 透光性基体(ガラスバルブ)1と、この基体
(ガラスバルブ)1上につぎの順序を1組として少なく
とも1組が重層形成された金属酸化物からなる低屈折率
層L…−中間屈折率層M…−高屈折率層H…−中間屈折
率層M…−低屈折率層L…で構成した多層光干渉膜5を
備えた光干渉体(管球、照明装置)である。 【効果】 700〜2000nm位までの波長域の光線
の大部分をカットでき、また、可視域での透過率が高
く、かつ、クラックや剥離の発生がない強固な光干渉体
が得られ、管球に適用した場合は発光効率の向上がはか
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透光性基体や電球などの
ガラスバルブの表面に、可視光透過赤外線反射作用を有
する多層光干渉膜を形成した光干渉体や管球に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から高層ビル内や自動車室内の冷房
負荷を低減させるため、窓ガラスの表面に太陽光に含ま
れる熱線を遮断する多層光干渉膜を設け、省エネルギ化
をはかることが行われている。
【0003】また、管球分野においても効率を向上して
省エネルギ化をはかることが、たとえばハロゲン電球な
どにおいてバルブの表面に可視光透過赤外線反射作用を
有する多層光干渉膜を形成することによって、フィラメ
ントから放射した可視光はバルブを透過させるとともに
赤外線はこの光干渉膜で反射してフィラメントに帰還さ
せ、これによってフィラメントを加熱して発光効率を高
めることが行われている。
【0004】このような可視光透過赤外線反射作用を有
する光干渉膜としては、高屈折率を示すたとえば酸化チ
タン(TiO2 )膜と低屈折率を示すたとえば酸化けい
素(SiO2 )膜とを交互に積層して多層化し、層数や
層の厚さを適宜選ぶことにより光の干渉を利用して、所
望の波長域の光を選択的に透過および反射させるもので
ある。
【0005】この電球においては、膜の層数が多いほど
赤外線の反射率を高くすることができ省電力の効果も大
きい。
【0006】しかし、層数を多くしていくと波長域70
0〜1500nmの範囲を効率よく反射するが、ある程
度以上層数を多くすると波長域700〜1500nmの
反射率最大値が大きくなるが、透過ピークが発生しやす
く1500nm以上も同様で、層数を多くしても赤外線
の遮断率が高まらず図7に示すように逆に低下する。な
お、図7は47層を形成したものの透過率特性を示し、
図中実線は一部の高屈折率層の光学膜厚がλ/2のも
の、点線は一部の低屈折率層の光学膜厚がλ/2のもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は赤外領域であ
る700〜1500nmのカットに加えて1500〜2
000nmでのカット率をさらに高めて、赤外線の放射
を抑えた光干渉体や発光効率を向上したハロゲン電球な
どの管球を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光干渉体は、透
光性基体と、この基体上につぎの順序を1組として少な
くとも1組が重層形成された金属酸化物からなる低屈折
率層−中間屈折率層−高屈折率層−中間屈折率層−低屈
折率層で構成した多層光干渉膜とを具備していることを
特徴としている。
【0009】また、透光性基体と、この基体上に重層さ
れた金属酸化物からなる高屈折率層−低屈折率層間につ
ぎの順序を1組として少なくとも1組が重層形成された
金属酸化物からなる低屈折率層−中間屈折率層−高屈折
率層−中間屈折率層−低屈折率層からなる多層光干渉膜
とを具備していることを特徴としている。
【0010】また、重層形成された1組の金属酸化物か
らなる低屈折率層−中間屈折率層−高屈折率層−中間屈
折率層−低屈折率層の各層の光学膜厚は、 L/2・M/2・H/a・M/2・L/2 但し、Lは低屈折率層の光学膜厚 Mは中間屈折率層の光学膜厚 Hは高屈折率層の光学膜厚 aは定数で0.85〜1.15の範囲 であることを特徴としている。
【0011】また、重層形成された低屈折率層n■−中
間屈折率層nm−高屈折率層nhの各層の屈折率の関係
は、 nm−n■÷nh−n■=0.5〜0.6 であることを特徴としている。
【0012】また、本発明の管球は、請求項1ないし請
求項4に記載の透光性基体が内部に発光部材を封装した
ガラスバルブであることを特徴としている。
【0013】さらに、本発明のハロゲン電球は、内部に
コイル状のフィラメントと不活性ガスおよびハロゲンを
封装したガラスバルブと、このガラスバルブの表面に重
層された金属酸化物からなる高屈折率層−低屈折率層間
に、つぎの順序を1組として少なくとも1組が重層形成
された金属酸化物からなる低屈折率層−中間屈折率層−
高屈折率層−中間屈折率層−低屈折率層からなる多層光
干渉膜とを具備し、上記各層の光学膜厚を L/2・M/2・H/a・M/2・L/2 但し、Lは低屈折率層の光学膜厚 Mは中間屈折率層の光学膜厚 Hは高屈折率層の光学膜厚 aは定数で0.85〜1,15の範囲 かつ、上記重層形成された低屈折率層n■−中間屈折率
層nm−高屈折率層nhの各層の屈折率の関係を nm−n■÷nh−n■=0.5〜0.6 としたことを特徴としている。
【0014】さらにまた、本発明の照明装置は、請求項
5に記載の管球または請求項6に記載のハロゲン電球が
器具または灯体に装着されていることを特徴としてい
る。
【0015】
【作用】多層光干渉膜中に形成した(L/2・M/2・
H/a・M/2・L/2)、(L/2・M/2・H/a
・M/2・L/2)、(…… ……)
(L=低屈折率層、M=中間屈折率層、H=高屈折率
層)の(L/2・M/2・H/a・M/2・L/2)n
の組膜が作用して、700〜2000nmの波長域の光
線の大部分をカットし、また、可視域での透過率が高く
発光効率の向上ができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は管球たとえば自動車の前照灯に使用される
定格が12V55Wのハロゲン電球Lを示す。図中1は
アルミノシリケートガラスからなる外径が約16mmの
球形状をなすバルブで、このバルブ1の内部には発光源
をなすコイル状のフィラメント2と臭素(Br)、塩素
(Cl)よう素(I)やふっ素(F)などの少なくとも
一種のハロゲンおよびアルゴン(Ar)などの不活性ガ
スが封入してある。このコイル状のフィラメント2は内
部導線3a,3bに支持され、バルブ1の中心軸に沿っ
て配設されている。なお、4は圧潰封止部、6は封止部
4に接合された取付位置調整フランジ6a付の口金であ
る。
【0017】また、5はバルブ1の外表面上に形成され
た多層光干渉膜からなる可視光透過赤外線反射膜であ
る。
【0018】この可視光透過赤外線反射膜5(以下、赤
反膜と称する。)は図2に模型的に拡大して示すよう
に、バルブ1(ガラス)の外表面側から第1層目には低
屈折率を示す金属酸化物からなる低屈折率層L1が、第
2層目には上記低屈折率層L…と後記の高屈折率層H…
との間の屈折率nを有する中間屈折率層M2が、第3層
目には第1層目より高屈折率を示す金属酸化物からなる
高屈折率層H3が、第4層目には上記第2層目と同じ屈
折率nを有する中間屈折率層M4が、第5層目には上記
第1層目と同じ低屈折率層L5が、第6層目には上記第
2、4層目と同じ中間屈折率層M6が、第7層目には上
記第3層目と同じ高屈折率層H7が、第8層目には上記
第2、4、6層目と同じ中間屈折率層M8が、第9層目
には上記第1、5層目と同じ低屈折率層L9が、以下第
10層目から第20層目まで上記中間屈折率層M…−高
屈折率層H…−中間屈折率層M…−低屈折率層L…−中
間屈折率層M…の順で重層して形成されている。また、
第21層目から第71層目までは、上記低屈折率層L2
1、L…、L71と高屈折率層H22、H…、H70と
が交互に重層して形成されている。
【0019】すなわち、従来の赤反膜5は低屈折率層L
…、L…と高屈折率層H…、H…とを交互に重層して形
成した構成であったが、本発明の赤反膜5は第1層目か
ら第5層目までの低屈折率層L1−中間屈折率層M2−
高屈折率層H3−中間屈折率層M4−低屈折率層L5、
第5層目から第9層目までの低屈折率層L5−中間屈折
率層M6−高屈折率層H7−中間屈折率層M8−低屈折
率層L9、第9層目から第13層目までなど低屈折率層
L…−中間屈折率層M…−高屈折率層H…−中間屈折率
層M…−低屈折率層L…を1組とした組膜51、この実
施例では5組の組膜51を形成している。
【0020】そして、上記赤反膜5を構成する各層の材
料としては、たとえば高屈折率層H…が酸化チタン(T
iO2 )(屈折率nh=2.20)、低屈折率層L…が
酸化けい素(SiO2 )(屈折率n■=1.46)で、
中間屈折率層M…が酸化チタン(TiO2 )に酸化アル
ミニウム(Ai2 3 )を50重量%混合したもの(屈
折率nm=1.85)からなる。
【0021】また、高屈折率層H…の光学膜厚(H=屈
折率nh×膜厚d)はH/aで(aは実験の結果、光学
特性(透過率特性や反射率特性)が良好となるように決
めた定数で0.85〜1.15の範囲)、低屈折率層L
…の光学膜厚(L=屈折率n■×膜厚d)はL/2で、
中間屈折率層M…の光学膜厚(M=屈折率nm×膜厚
d)はM/2で形成してあり、上記組をなす5層の光学
膜厚の関係は、 (L/2・M/2・H/a・M/2・L/2) かつ、各層の屈折率nの関係は、 nm−n■÷nh−n■=0.5〜0.6 の範囲にある。
【0022】そして、上記のような赤反膜5を浸漬法に
より形成するには、まず、バルブ1内にフィラメント2
を封装して排気し、ハロゲンおよび不活性ガスなどを封
入した電球Lを用意する。また別途に、高屈折率層H…
を形成する物質としてはたとえばテトライソプロピルチ
タネートなどの有機チタン化合物をアセチルアセトン、
ポリエチレングリコールに反応させエタノール系の溶剤
に溶かしたチタン含有量が2〜10重量%、粘度約2.
0cpsに調整したチタン溶液と、低屈折率層L…を形
成する物質としてたとえばエチルシリケート重合体など
の有機けい素化合物を有機溶剤に溶かし、けい素含有量
が2〜10重量%、粘度約1.0cpsに調整したけい
素溶液と、中間屈折率層M…を形成する物質として上記
のチタン溶液とアルミナ溶液との混合溶液とを用意す
る。
【0023】まず、上記電球のバルブ1を、恒温恒湿の
雰囲気中で上記のけい素溶液中に浸漬して所定速度で引
き上げ、乾燥後空気中約800℃(700〜900℃)
で約10分間焼成して第1層目の酸化けい素(Si
2 )膜からなる低屈折率層L1を形成する。
【0024】つぎに、この第1層目の酸化けい素(Si
2 )膜(L1)を形成したバルブ1を恒温恒湿の雰囲
気中でチタン・アルミナ混合溶液中に浸漬して所定速度
で引き上げ、乾燥後空気中約800℃(700〜900
℃)で約10分間焼成して第2層目の酸化チタン・アル
ミナ混合(TiO2 ・Al2 3 )膜からなる中間屈折
率層M2を形成する。
【0025】つぎに、この第2層目の酸化チタン・アル
ミナ混合(TiO2 ・Al2 3 )膜(L1)を形成し
たバルブ1を恒温恒湿の雰囲気中で上記のチタン溶液中
に浸漬して所定速度で引き上げ、乾燥後空気中約800
℃(700〜900℃)で約10分間焼成して第3層目
の酸化チタン(TiO2 )膜からなる高屈折率層H3を
形成する。
【0026】以下、上記と同様にして第4層目以降の中
間屈折率層M…、低屈折率層L…、高屈折率層H…を順
次重層してここでは全部で計71層形成してある。
【0027】また、上記の各膜の光学膜厚は、酸化チタ
ン(TiO2 )膜からなる高屈折率層H3、H…、H7
0がλ/a(aは実験の結果、光学特性(透過率特性や
反射率特性)が良好となるように決めた定数で0.85
〜1.15の範囲)で、酸化けい素(SiO2 )膜から
なる低屈折率層L1、L…、L71がλ/2、酸化チタ
ン・アルミナ混合(TiO2 ・Al2 3 )膜からな中
間折率層M2、M…、M20がλ/2で形成してある。
【0028】上記浸漬による被膜形成では一回の浸漬に
よって形成できる膜厚には限界があり、λ/2膜を作る
酸化けい素(SiO2 )膜からなる低屈折率層L1、L
…、L71および酸化チタン・アルミナ混合(TiO2
・Al2 3 )膜からな中間折率層M2、M…、M20
はλ/4膜を2回重層形成することによって成される。
このような赤反膜5を形成した電球Lを点灯すると、
バルブ1の中心軸上に配設したフィラメント2は発熱し
て可視光とともに大量の赤外線を放射し、フィラメント
2から放射した光のうち可視光の殆どはバルブ1および
赤反膜5を透過してバルブ1外方へと放射される。ま
た、フィラメント2から放射した700〜1500nm
の波長域はもとより2000nm位までの赤外線を赤反
膜5で反射してフィラメント2に戻し、フィラメント2
を再加熱して発光をより高くし、この結果フィラメント
2からの可視光放射が増して、発光効率が向上できる。
また、赤反膜は剥離することなく強固な被膜が得られ
た。
【0029】これは、上記赤反膜5中に形成した低屈折
率層L…−中間屈折率層M…−高屈折率層H…−中間屈
折率層M…−低屈折率層L…(L/2・M/2・H/a
・M/2・L/2)を1組とした組膜51が作用して、
700〜2000nmの波長をカットするためである。
図3にこの組膜51の透過率特性を示す。
【0030】なお、上記組膜51の低屈折率層L…−中
間屈折率層M…−高屈折率層H…−中間屈折率層M…−
低屈折率層L…(L/2・M/2・H/a・M/2・L
/2)の光学膜厚が変化した場合は、可視域での透過率
の凹凸が大きくなり可視光透過率が低下して好ましくな
い。また、各層の屈折率nの関係値nm−n■÷nh−
n■が0.5〜0.6の範囲から外れると、上記と同様
に可視域での透過率の凹凸が大きくなり可視光透過率が
低下して好ましくない。
【0031】また、本発明の光干渉膜からなる赤反膜を
形成した電球の光学特性を図3のグラフに示す。図4に
おいて横軸は波長(nm)、縦軸は光透過率(%)であ
る。この図4から明らかなように、図7に示す従来の赤
反膜を形成した電球に比べて、700nm以上の波長域
のカットが高く、特に約1000nm以上の透過率低下
域が幅広くなり、かつ、可視領域での透過が高く発光効
率を向上できた。この発光効率は赤反膜を全く形成して
いない電球に比べ、従来の47層を形成したものが約3
6%の向上に対し、本発明品は従来被膜品を上回る約4
4.6%の向上をみることができた。
【0032】そして、上記ハロゲン電球Lは図5に示す
照明装置すなわち前照灯の灯具を構成する、内面にアル
ミニウムなどの反射面7aを形成した反射鏡7に装着し
て使用される。なお、8は前面レンズである。
【0033】なお,本発明は上記実施例に限定されな
い。たとえば、多層光干渉膜を形成する対象は電球に限
らず、高層ビルや車両などの窓ガラスの表面に形成して
熱線を遮断し省エネルギー化をはかってもよい。
【0034】また、多層光干渉膜を構成する高屈折率層
と低屈折率層および中間屈折率層の層数は上記実施例の
全層数が71層に限定されるものではない。また、赤反
膜中に形成される低屈折率層L…−中間屈折率層M…−
高屈折率層H…−中間屈折率層M…−低屈折率層L…
(L/2・M/2・H/a・M/2・L/2)を1組
(n=1)とした組膜は、全層中の5組(n=5)に限
らず、被層する全層数に応じて適宜決めればよく((L
/2・M/2・H/a・M/2・L/2)n )、また、
その形成箇所はバルブに近接した箇所に限らない。ま
た、バルブ表面への多層光干渉膜の形成は外表面側に限
らず、内表面側でもあるいは内外の両表面であってもよ
い。
【0035】また、高屈折率を示す金属酸化物の材料と
しては酸化チタン(TiO2 )に限らず、酸化タンタル
(Ta2 5 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化
亜鉛(ZnS)、酸化セリウム(CeO2 )などでも、
また、低屈折率を示す金属酸化物の材料としては酸化け
い素(SiO2 )に限らず、ふっ化マグネシウム(Mg
2 )、ふっ化セリウム(CeF4 )、氷晶石(Na2
AlF6 )などでもよい。また、中間屈折率を示す金属
酸化物の材料としては上記に示す高、低屈折率材料の混
合物、単体のガドリニウム(Gd)、ランタン(L
a)、イットリウム(Y)、プラセオジム(Pr)、ア
ルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)などの酸化
物、セリウム(Ce)、ランタン(La)、ネオジム
(Nd)などの弗化物、酸化チタン(TiOx)、酸化
けい素(SiOx)など高、低屈折率材料によって適宜
選択すればよい。
【0036】また、被膜の形成は浸漬方法に限らず、真
空蒸着、PVD、CVD、イオンプレーティングなどの
方法によるものであってもよい。さらに、バルブのガラ
ス材質は石英ガラスに限らず、所要の透光性と光屈折率
と耐熱性を併有するものであれば他の硬質や軟質のガラ
ス材質であってもよい。また、本発明は上記球形状のバ
ルブ1を用いた電球Lに限らず、図6(a)に示すよう
な円筒形状や(b)に示すようなレモン形状などの非円
筒形状のバルブ1を用いた管球であってもよく、このよ
うな曲面を有するバルブ1への被膜の形成は溶液に浸漬
したバルブ1の引上げ速度を曲面の状態に応じて変化さ
せ膜厚を調整するようにしても差支えない。
【0037】さらにまた、本発明はバルブの一端に封止
部を形成した自動車前照灯用の電球に限らず、他の用途
の投光用などのハロゲン電球やハロゲンを封入しない種
類の電球あるいはメタルハライドランプなどの高圧放電
ランプなどの管球であってもよく、放電ランプの場合の
発光源とは放電電極を指すものである。また、封止部が
バルブの両端部に設けてある両口金形の管球であっても
よい。
【0038】そして、この管球が装着して使用される照
明装置は、実施例の自動車用の前照灯に限らず、光・熱
反射膜やダイクロイック膜などの可視光反射赤外線透過
膜が形成された反射鏡内や各種の照明器具であっても差
支えない。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、7
00〜1500nmの波長域はもとより2000nm位
までの波長域の光線の大部分をカットでき、また、可視
域での透過率が高く、かつ、クラックや剥離の発生がな
い強固な光干渉体が得られ、管球に適用した場合は発光
効率の向上がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す自動車前照灯用ハロゲン
電球の正面図である。
【図2】図1の電球の可視光透過赤外線反射膜部分を示
す拡大断面図である。
【図3】本発明の光干渉膜中の組膜の波長と光透過率と
の関係を示すグラフである。
【図4】波長と光透過率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例を示す前照灯用灯具の断面図で
ある
【図6】(a)、(b)は本発明の他の実施例を示すハ
ロゲン電球の正面図である。
【図7】従来品の可視光透過赤外線反射膜の波長と光透
過率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
L:電球(管球) 1:ガラスバルブ 2:コイル状のフィラメント(発光源) 5:多層光干渉膜(可視光透過赤外線反射膜) H3〜H70:高屈折率層 L1〜L71:低屈折率層 M2〜M20:中間屈折率層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基体と;この基体上につぎの順序
    を1組として少なくとも1組が重層形成された金属酸化
    物からなる低屈折率層−中間屈折率層−高屈折率層−中
    間屈折率層−低屈折率層で構成した多層光干渉膜と;を
    具備していることを特徴とする光干渉体。
  2. 【請求項2】 透光性基体と;この基体上に重層された
    金属酸化物からなる高屈折率層−低屈折率層間につぎの
    順序を1組として少なくとも1組が重層形成された金属
    酸化物からなる低屈折率層−中間屈折率層−高屈折率層
    −中間屈折率層−低屈折率層からなる多層光干渉膜と;
    を具備していることを特徴とする光干渉体。
  3. 【請求項3】 上記重層形成された1組の金属酸化物か
    らなる低屈折率層−中間屈折率層−高屈折率層−中間屈
    折率層−低屈折率層の各層の光学膜厚は、 L/2・M/2・H/a・M/2・L/2 但し、Lは低屈折率層の光学膜厚 Mは中間屈折率層の光学膜厚 Hは高屈折率層の光学膜厚 aは定数で0.85〜1.15の範囲 であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の光干渉体。
  4. 【請求項4】 上記重層形成された低屈折率層n■−中
    間屈折率層nm−高屈折率層nhの各層の屈折率の関係
    は、 nm−n■÷nh−n■=0.5〜0.6 であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の光干渉体。
  5. 【請求項5】】 上記請求項1ないし請求項4に記載の
    透光性基体が内部に発光部材を封装したガラスバルブで
    あることを特徴とする管球。
  6. 【請求項6】 内部にコイル状のフィラメントと不活性
    ガスおよびハロゲンを封装したガラスバルブと;このガ
    ラスバルブの表面に重層された金属酸化物からなる高屈
    折率層−低屈折率層間に、つぎの順序を1組として少な
    くとも1組が重層形成された金属酸化物からなる低屈折
    率層−中間屈折率層−高屈折率層−中間屈折率層−低屈
    折率層からなる多層光干渉膜とを具備し、上記各層の光
    学膜厚を L/2・M/2・H/a・M/2・L/2 但し、Lは低屈折率層の光学膜厚 Mは中間屈折率層の光学膜厚 Hは高屈折率層の光学膜厚 aは定数で0.85〜1.15の範囲 かつ、上記重層形成された低屈折率層n■−中間屈折率
    層nm−高屈折率層nhの各層の屈折率の関係を nm−n■÷nh−n■=0.5〜0.6 としたことを特徴とるハロゲン電球。
  7. 【請求項7】 上記請求項5に記載の管球または請求項
    6に記載のハロゲン電球が器具または灯体に装着されて
    いることを特徴とする照明装置。
JP6138488A 1994-06-21 1994-06-21 光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置 Pending JPH085833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6138488A JPH085833A (ja) 1994-06-21 1994-06-21 光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6138488A JPH085833A (ja) 1994-06-21 1994-06-21 光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH085833A true JPH085833A (ja) 1996-01-12

Family

ID=15223277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6138488A Pending JPH085833A (ja) 1994-06-21 1994-06-21 光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH085833A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6356020B1 (en) * 1998-07-06 2002-03-12 U.S. Philips Corporation Electric lamp with optical interference coating
JP2008066203A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Canon Inc 照明装置及び撮像装置
JP2009031741A (ja) * 2007-06-28 2009-02-12 Nippon Electric Glass Co Ltd 光学多層膜基材
WO2012128109A1 (ja) * 2011-03-18 2012-09-27 コニカミノルタホールディングス株式会社 熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体
WO2013183557A1 (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 旭硝子株式会社 近赤外線カットフィルタ
JP2020201351A (ja) * 2019-06-07 2020-12-17 キヤノン株式会社 光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6356020B1 (en) * 1998-07-06 2002-03-12 U.S. Philips Corporation Electric lamp with optical interference coating
JP2008066203A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Canon Inc 照明装置及び撮像装置
JP4585998B2 (ja) * 2006-09-08 2010-11-24 キヤノン株式会社 照明装置及び撮像装置
JP2009031741A (ja) * 2007-06-28 2009-02-12 Nippon Electric Glass Co Ltd 光学多層膜基材
WO2012128109A1 (ja) * 2011-03-18 2012-09-27 コニカミノルタホールディングス株式会社 熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体
JP5854039B2 (ja) * 2011-03-18 2016-02-09 コニカミノルタ株式会社 熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体
US9366788B2 (en) 2011-03-18 2016-06-14 Konica Minolta, Inc. Heat radiation reflective film and method for producing the same, and heat radiation reflector
WO2013183557A1 (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 旭硝子株式会社 近赤外線カットフィルタ
CN104204873A (zh) * 2012-06-04 2014-12-10 旭硝子株式会社 近红外线截止滤波器
JPWO2013183557A1 (ja) * 2012-06-04 2016-01-28 旭硝子株式会社 近赤外線カットフィルタ
US9726797B2 (en) 2012-06-04 2017-08-08 Asahi Glass Company, Limited Near-infrared cut filter
JP2020201351A (ja) * 2019-06-07 2020-12-17 キヤノン株式会社 光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4663557A (en) Optical coatings for high temperature applications
GB2103830A (en) Optical tantalum pentoxide coatings for high temperature applications
JPS60258846A (ja) 白熱電球
US8253309B2 (en) Incandescent lamp incorporating reflective filament supports and method for making it
JPH085833A (ja) 光干渉体、管球およびハロゲン電球ならびに照明装置
JP2003051284A (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JPH0320960A (ja) 白熱電球
JP3438289B2 (ja) 電球および照明装置
JP2007242370A (ja) リフレクターおよび光源装置
JP2002175704A (ja) 長寿命反射鏡ランプ
JP3153050B2 (ja) 白熱電球
JPS61250958A (ja) メタルハライドランプ
JP2687243B2 (ja) 多層光干渉膜
JP3496498B2 (ja) 白熱電球
JPH07240190A (ja) 管球およびハロゲン電球ならびに照明装置
JPH10134767A (ja) 透明保温膜付きメタルハライドランプ
JP2948949B2 (ja) 白熱電球
JPH0259585B2 (ja)
JP2696758B2 (ja) 多層光干渉膜
JPH08292308A (ja) 反射体およびこれを用いた反射形照明装置
JP3054663B2 (ja) 多層膜反射鏡
JPH06111792A (ja) 管 球
JP2790468B2 (ja) ハロゲン電球の製造方法
JPH0320961A (ja) 白熱電球
JPS644167Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040511