JPH0857533A - クラッドバーおよびその製造方法 - Google Patents

クラッドバーおよびその製造方法

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JPH0857533A
JPH0857533A JP6192990A JP19299094A JPH0857533A JP H0857533 A JPH0857533 A JP H0857533A JP 6192990 A JP6192990 A JP 6192990A JP 19299094 A JP19299094 A JP 19299094A JP H0857533 A JPH0857533 A JP H0857533A
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JP
Japan
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preform
clad
bar
bus bar
heating
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Withdrawn
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JP6192990A
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English (en)
Inventor
Hideo Takizawa
英男 瀧澤
Heigo Kobayashi
丙午 小林
Koichi Akagawa
孝一 赤川
Toshiro Kimura
敏郎 木村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄い厚みの拡散層を接合部に有するクラッド
バーおよびその製造方法を提供する。 【構成】先ず、チタンパイプの内面と銅丸棒の外面とが
脱スケールされる。次に、チタンパイプの内側に銅丸棒
が挿入されプリフォームが形成される。次に、前記プリ
フォームに対して減面率10%で引き抜き加工が行われ
る。次に、引き抜き工程を終了した前記プリフォームが
炉内において650〜850°で加熱される。次に、加
熱したプリフォームに対して傾斜圧延が行われ、接合面
に生じる拡散層の厚みが5μm以下のクラッドブスバー
が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性金属材料で被覆さ
れた円形断面クラッドブスバーに関する。
【従来の技術】従来では、電解装置などに用いられる電
極棒としては、耐食性被覆金属としてのチタン(Ti)
と導電性コア金属としての銅(Cu)とを、平ロールに
よって圧着した平形クラッドブスバー用いられていた。
しかし、電極棒としては、電解装置の構造上の観点から
円形断面クラッドブスバーを用いることが望ましい。円
形断面クラッドブスバーを製造する方法としては、例え
ば、圧延圧接法、爆発圧接法、熱間静水圧押出し法およ
び熱間静水圧成形(HIP:Hot Isostatic Pressing)
法が知られている。
【0001】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した圧延
圧接法では、孔型ロールを用いて円形断面クラッドブス
バーを製造しようとすると、孔型ロールによって圧延さ
れる上下方向の接合に対してサイド方向の接合が弱くな
ってしまい、良好な円形断面クラッドブスバー等を製造
することが困難であり、また、断面の真円度も悪いとい
う問題がある。また、爆発圧接法、熱間静水圧押出し法
およびHIP法では、生産効率が低いという問題があ
る。
【0002】さらに、HIP法では、昇温先行形のHI
P処理パターンで接合するため、高温域でも保持時間が
1時間以上にもなり、しかも、高温高圧下でTiとCu
とが圧接されるため、TiとCuとの接合部に生じる拡
散層の厚みが増大するという問題がある。すなわち、当
該拡散層の厚みが増大すると、円形断面クラッドブスバ
ーの接触抵抗が大きくなり電極棒としては不適切にな
る。また、拡散層の厚みが増大すると、円形断面クラッ
ドブスバーの接合強度も低下してしまう。
【0003】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされ、接合部に適切な厚みの拡散層を有する円形断
面クラッドバーおよびその製造方法を提供することを目
的とする。また、本発明は、高い生産効率を有する円形
断面クラッドバーの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の
クラッドバーは、被覆管と、前記被覆管の中空部に挿入
されたコア材と、前記被覆管と前記コア材との接合面に
5 μm 以下の厚さの拡散層とを有する。
【0005】また、本発明のクラッドバーは、好ましく
は、外径(D0)に対する肉厚(t) の比(t/D0)が0.02以上の
被覆管の内面とコア材の外面の酸化膜を脱スケールする
脱スケール工程と、前記被覆管内に前記コア材を挿入し
てプリフォームを形成する挿入工程と、前記プリフォー
ムを減面率10% 以上で引き抜き加工する引き抜き加工工
程と、前記引き抜き加工されたプリフォームを650 〜85
0 ℃で加熱する加熱工程と、前記加熱工程を終えたプリ
フォームに減面率15% 以上で、引張装置により前方より
張力を加えつつ傾斜圧延を施す傾斜圧延工程とによって
製造されている。
【0006】また、本発明のクラッドバーの製造方法
は、外径(D0)に対する肉厚(t) の比(t/D0)が0.02以上の
被覆管の内面とコア材の外面の酸化膜を脱スケールする
脱スケール工程と、前記被覆管内に前記コア材を挿入し
てプリフォームを形成する挿入工程と、前記プリフォー
ムを減面率10% 以上で引き抜き加工する引き抜き加工工
程と、前記引き抜き加工されたプリフォームを650 〜85
0 ℃で加熱する加熱工程と、前記加熱工程を終えたプリ
フォームに減面率15% 以上で、引張装置により前方より
張力を加えつつ傾斜圧延を施す傾斜圧延工程とを有す
る。
【0007】
【作用】本発明のクラッドバーの製造法においては、先
ず、脱スケール工程が行われる。この脱スケール工程で
は、接合面となる耐食性被覆管の内面とコア材の外面の
酸化膜を除去する。このように接合面の酸化膜を除去
し、清浄化を図ることによ後工程の熱間傾斜圧延での加
工時に接合面の剥離を抑制し、接合後の所定の接合強度
を得ることが可能となる。また、本発明においては、接
合面にろう材やインサート材を介在させる必要はない。
【0008】次に挿入工程において、前記耐食性被覆管
内に前記コア材を挿入し、プリフォームが形成される。
次に引き抜き加工工程が行われる。この引き抜き加工工
程では、外径(D0)に対する肉厚(t) の比(t/D0)が0.02以
上の前記耐食性被覆管に前記コア材が挿入された状態で
(前記プリフォーム)、冷間で減面率10% 以上で引き抜
き加工を行う。引き抜き加工工程は接合面を密着させる
ために行う。引き抜き加工時に前記耐食性被覆管に生ず
るスプリングバックが所定以上大きくなると、前工程の
前記脱スケール工程で洗浄された接合面が、後工程の加
熱工程において酸化し、最終的なクラッドバーの接合強
度が著しく劣化もしくは接合不可能となる。スプリング
バックは被覆管の外径(D0)に対する肉厚(t) の比(t/D0)
が大きいほど、また、引き抜き加工における減面率が大
きいほど小さくなる。本発明の実験によれば肉厚外径比
(t/D0)が0.02以上、かつ、減面率10% 以上ではスプリン
グバックが小さくなり良好な接合状態が得られる。
【0009】次に加熱工程が行われる。この加熱工程で
は、前記引き抜き加工工程を終えた前記プリフォームが
650 〜850 ℃で加熱される。この加熱工程は後工程の傾
斜圧延工程において熱間加工を行うための工程である。
また、このように650 ℃以上の温度で加熱することによ
り、接合面に若干の拡散接合を生じさせることができ
る。但し、拡散接合のみによる接合では十分な接合強度
を得ることはできず、冷却過程で生ずる熱応力によって
界面の剥離を生ずる。このことから後工程の傾斜圧延工
程が必須となる。また、前述のように若干の拡散接合を
生じさせることにより、後工程の傾斜圧延工程におい
て、加工時に生じる応力によって被覆管がコア材から剥
離し単独で変形し、プリフォームが座屈および接合不良
となることを抑制することができる。また、拡散層の厚
さが過大となるとクラッドブスバーとしての特性(接合
強度、接触抵抗)の低下を招くため、上述のように850
℃以下の温度で加熱することにより、接合部に生じる拡
散層の厚さが過大になることを防ぐ。
【0010】次に傾斜圧延工程が行われる。この傾斜圧
延工程では前記加熱工程において加熱されたプリフォー
ムに対して減面率15% 以上で、引張装置により前方より
張力を加えつつ、傾斜圧延を行う。前述の様に孔型圧延
を行った場合には加圧面である上下面の接合は良好であ
るが、サイド部の接合不良が生じやすく、成形後の製品
の真円度も悪い。傾斜圧延を行うことによってクラッド
バーには、周方向に見て均等に圧力が加えられるため、
均等に良好な接合が得られ、さらに真円度も良好なクラ
ッドバーが製造できる。また、このように減面率15% 以
上で傾斜圧延を行うことにより、被加工材(前記プリフ
ォーム)の中心部まで塑性変形を生じさせることがで
き、円形断面クラッドバーの断面が多角形化したり、耐
食性被覆管が剥離したりすることを回避することができ
る。また、減面率15% 以上で傾斜圧延を行うことによ
り、延性のある拡散層が薄く延ばされ、更には破壊され
て金属結合を新たに形成し、接合強度を著しく高める作
用を有する。
【0011】この時、拡散層厚さと接合強度および接触
抵抗との間には図6(A) および図6(B) に示す関係が成
立する。適度な加熱と傾斜圧延の組み合わせにより、拡
散層の破壊が生じ、通電に好ましい低接触抵抗と、電解
槽組立時の溶接等の後工程に十分耐えうる高い接合強度
とを兼ね備えることが可能となる。
【0012】また、傾斜圧延時に引張装置によって前方
より張力を付与しつつ成形することは、製品の曲がりを
抑制する上で必須である。これはクラッドバーの後工程
においてストレーナー等によって真直度矯正を行った場
合、異種金属境界の変形抵抗差により接合面での剥離が
生じ易い。このため、傾斜圧延工程においてはロール出
側において製品の破断限界の10〜50% の張力を与え、所
望の真直度を保障することが必要である。また、この張
力は被加工材の断面多角形化等の不安定成形の抑制にも
有効に作用する。
【0013】上述した本発明のクラッドバーの製造法に
よって耐食性被覆管と、前記被覆管の中空部に挿入され
たコア材と、前記被覆管と前記コア材との接合面に5 μ
m 以下の厚さの拡散層とを有するクラッドバーが製造さ
れる。
【0014】このようにして製造された本発明のクラッ
ドバーは接合面に生ずる拡散層の厚さが5 μm 以下であ
ることから低い接触抵抗と大きな接合せん断強度を有
し、優れた特性を有する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施態様に係わるクラッドバ
ーおよびその製造方法について説明する。本実施例に係
わるクラッドブスバーは、導電性コア材としての銅丸棒
の外側に耐食被覆管としてチタンパイプを被覆したもの
である。図1は、本実施態様に係わるクラッドブスバー
の製造工程を説明するための図である。図1に示すよう
に、本実施態様に係わるクラッドブスバーの製造工程で
は、脱スケール工程、挿入工程、引き抜き加工工程、加
熱工程および傾斜圧延工程が順に行われる。以下、各工
程について詳細に説明する。
【0016】脱スケール工程 接合面となるチタンパイプの内面と銅丸棒の外面の酸化
膜をそれぞれ脱スケールし、付着した汚れおよび酸化膜
を除去する。チタンパイプは、外径(D0)に対する肉
厚(t)の肉厚外径比(t/D0)が0.02以上であ
る。この脱スケールは、例えば、酸洗などの化学的手法
またはサンドブラスト、ワイヤブラシなどの機械的手法
などによって行う。このように、チタンパイプと銅丸棒
とを脱スケールすることで、後の加熱工程において接合
部に薄い拡散層を形成させることができ、所定の接合強
度を得ることが可能になる。
【0017】挿入工程 図2に示すように、脱スケール工程を終えたチタンパイ
プ2の内側に、銅丸棒3を挿入する(以下、チタンパイ
プ2の内側に銅丸棒3を挿入した棒全体をプリフォーム
とも記す)
【0018】引き抜き加工工程 挿入工程を終了後、図3に示すように、プリフォーム4
を例えば減面率10%以上で引き抜き加工を行う。耐食
被覆管としてチタンパイプ2の肉厚外径比(t/D0)
を0.02以上とし、かつ、減面率10%以上で引き抜
き加工を行うことによりスプリングバックを抑制し、加
熱工程での接合面酸化を抑制する。
【0019】加熱工程 引き抜き加工工程を終えたプリフォーム4を加熱炉に入
れ、650〜850℃の温度で15〜30分間加熱す
る。このように、650℃以上の温度で加熱することで
接合部に薄い拡散層を形成することができる。また、8
50℃以下の温度で加熱することで、接合部に生じる拡
散層の厚さが過大にならず、クラッドブスバーの特性に
悪影響を及ぼすことを防止できる。また、このように、
加熱時間を15分以上にすることで、温度を均一にした
状態でプリフォーム4を加熱できる。また、加熱時間を
30分以下にすることで、接合部に生じる拡散層の厚さ
が過大になり、クラッドブスバーの特性に悪影響を及ぼ
すことを防止できる。
【0020】傾斜圧延工程 傾斜圧延工程では傾斜圧延装置を用いて、上述の加熱を
行ったプリフォーム4に対して、減径加工が行われ、ク
ラッドブスバーが製造される。以下、かかる傾斜圧延工
程において用いられる傾斜圧延装置について説明する。
図4は、当該傾斜圧延工程において用いられる傾斜圧延
装置を説明するための図、図5(A)は図4に示す傾斜
圧延装置の上面図、図5(B)は図4に示す傾斜圧延装
置の側面図、図5(C)は図4に示す傾斜圧延装置の正
面図である。
【0021】図5(C)に示すように、本実施例の傾斜
圧延装置は、パスライン11を中心として、3個の成形
ロール12a,12b,12cを120°間隔で配設し
ており、成形ロール12a,12b,12cの回転軸の
一端は図4に示すようにロール駆動モータ31a,31
bの駆動軸に固定されている。また、成形ロール12
a,12b,12cと駆動モータ31a,31bとは、
一体となってロール昇降シリンダ32a,32bによっ
て昇降し、製品外径を決定する。
【0022】成形ロール12a,12b,12cは、図
5(B)に示すように、パスライン11に対して交差角
αだけ傾斜すると共に、図5(A)に示すように、パス
ライン11に直交する軸(ロール昇降シリンダの中心
軸)を中心として送り角βだけ回転角度を有する。この
送り角βによって、成形ロール12a,12b,12c
の回転に応じたパスライン11方向の送り力が成形ロー
ル12a,12b,12cからプリフォーム4に付与さ
れる。
【0023】このとき、ロール交差角αは約45°に固
定され、送り角βは好ましくは0〜25°の範囲で可変
である。また、製品引張部30は傾斜圧延中前進止め3
3の位置から後進止め34の位置に向かって後退する。
製品引張部30には、クラッドブスバー13の一端を把
持する素材クリッパ29が取り付けられている。製品引
張部30は、傾斜圧延中には、素材クリッパ29によっ
てクラッドブスバー13を把持し、所定の引張力を付与
しつつ、後退移動する。傾斜圧延工程では、この傾斜圧
延装置を用いて、外径D1のプリフォーム4を減面率1
5%以上で圧延し、外径D2のクラッドブスバー13を
製造する。
【0024】このようにプリフォーム4を減面率15%
で圧延することで、プリフォーム4を塑性変形中心まで
変形させることができ、成形されたプリフォーム4の断
面が多角形化したり、プリフォーム4の断面に座屈が生
じて不安定成形となることを回避できる。
【0025】図6(A)はクラッドブスバーの接合部に
生じる拡散層厚さとせん断強度との関係を示すグラフで
あり、図6(B)はクラッドブスバーの接合部に生じる
拡散層厚さと接触抵抗との関係を示すグラフである。上
述した傾斜圧延工程によって得られるクラッドブスバー
13は、接合部に生じる拡散層の厚みが5μm以下であ
る。その結果、クラッドブスバー13の接合強度は図6
(A)に示すように17kgf/mm2 以上となり、接
触抵抗は図6(B)に示すように2×10-5Ωcm2
下となり、例えば電極棒としては優れた特性を有する。
【0026】本実施態様のクラッドブスバーの製造方法
によれば、引き抜き加工工程および傾斜圧延工程におい
てプリフォーム4に均一に圧力を加えることができる。
その結果、良好な円形断面を有するクラッドブスバーを
得ることができる。また、その工程の特性上、生産効率
を高めることができる。さらに、炉内加熱時間を15〜
30分程度にすることができ、接合部に生じる拡散層の
厚みが過大になり、クラッドブスバーの特性に悪影響を
及ぼすことを防止できる。すなわち、クラッドブスバー
の接触抵抗が過大になったり、せん断強度が低下してし
まうことを防止できる。その結果、例えば電極棒として
良好なクラッドブスバーを得ることができる。
【0027】以下、本発明の実施態様をさらに具体的な
実施例に基づいて説明するが、本発明の以下の実施例に
限定されない。実施例1 脱スケール工程 42.7mmの外径(D0)および2.0mmの肉厚
(t)を有し、比(t/D0)が0.047であるチタ
ンパイプの内面と、36.0mmの外径を有する36.
0mmの銅丸棒の外面とを酸洗で脱スケールを行った。
【0028】挿入工程 脱スケール工程を終えた上記チタンパイプ2内側に、上
記銅丸棒3を挿入した(以下、かかる挿入を行った棒全
体をプリフォームとも記す)。引き抜き加工工程 挿入工程を終了後、上記プリフォームを減面率33%で
引き抜き加工した。加熱工程 引き抜き加工工程を終えたプリフォームを炉に入れ、7
50℃の温度で15分間加熱した。傾斜圧延工程 加熱工程を終えたプリフォームを減面率36%で圧延し
た。その結果、製造されたクラッドブスバーは、せん断
接合強度が19.2kgf/mm2 となり、拡散層の厚
さが2.3μmとなった。このとき、交差角αは45°
であり、送り角βは6.0°であり、成形ロール12
a,12b,12cの回転速度は100rpmであり、
引張装置の後退速度は70mm/secであった。ま
た、この時の張力は1.7tonfであり、製品破断張
力の23%であった。
【0029】比較例1 本比較例1では、傾斜圧延工程において減面率を11%
にしたこと以外は前述した実施例1と同様にしてクラッ
ドブスバーを製造した。以下、比較例1について詳述す
る。脱スケール工程 上述した実施例1と同様に、42.7mmの外径(D
0)および2.0mmの肉厚(t)を有し、比(t/D
0)が0.047であるチタンパイプの内面と、36.
0mmの外径を有する36.0mmの銅丸棒の外面とを
酸洗で脱スケールを行った。挿入工程 脱スケール工程を終えた上記チタンパイプ2内側に、上
記銅丸棒3を挿入した(以下、プリフォームとも記
す)。引き抜き加工工程 挿入工程を終了後、上記プリフォームを減面率33%で
引き抜き加工した。加熱工程 引き抜き加工工程を終えたプリフォームを炉に入れ、7
50℃の温度で15分間加熱した。傾斜圧延工程 加熱工程を終えたプリフォームを減面率11%で圧延し
た。その結果、製造されたクラッドブスバーは、断面形
状が多少多角化していた。また、このクラッドブスバー
は、径の許容公差である(±0.5mm)を越えてお
り、接合率は87%であり、拡散層の厚さは7.2μm
であり、せん断強度は11.4kg/mm 2 であった。
このとき、交差角αは45°であり、送り角βは6.0
°であり、成形ロール12a,12b,12cの回転速
度は100rpmであり、引張装置の後退速度は70m
m/secであった。また、この時の張力は1.7to
nfであり、製品破断張力の23%であった。
【0030】比較例2 本比較例2では、加熱工程において加熱温度を900℃
にしたこと以外は前述した実施例1と同様にしてクラッ
ドブスバーを製造した。以下、比較例2について詳述す
る。脱スケール工程 上述した実施例1と同様に、42.7mmの外径(D
0)および2.0mmの肉厚(t)を有し、比(t/D
0)が0.047であるチタンパイプの内面と、36.
0mmの外径を有する36.0mmの銅丸棒の外面とを
酸洗で脱スケールを行った。挿入工程 脱スケール工程を終えた上記チタンパイプ2内側に、上
記銅丸棒3を挿入した(以下、プリフォームとも記
す)。引き抜き加工工程 挿入工程を終了後、上記プリフォームを減面率33%で
引き抜き加工した。加熱工程 引き抜き加工工程を終えたプリフォームを炉に入れ、9
00℃の温度で15分間加熱した。傾斜圧延工程 加熱工程を終えたプリフォームを減面率36%で圧延し
た。その結果、製造されたクラッドブスバーの拡散層の
厚さは19.3μmであり、せん断強度は10.5kg
/mm2 であった。このとき、交差角αは45°であ
り、送り角βは6.0°であり、成形ロール12a,1
2b,12cの回転速度は100rpmであり、引張装
置の後退速度は70mm/secであった。また、この
時の張力は1.7tonfであり、製品破断張力の23
%であった。
【0031】評価 上述した実施例1と比較例1および比較例2とを比べる
と、クラッドブスバーの拡散層の厚みについては、実施
例は比較例に比べて薄くなっている。そのため、実施例
のクラッドブスバーは比較例のクラッドブスバーに比べ
て、接触抵抗が小さくなり、せん断強度は大きくなって
いる。その結果、実施例のクラッドブスバーによれば、
比較例のクラッドブスバーに比べて高い電流効率を得る
ことができ、しかも高い強度を得ることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明のクラッドバーの製造方法によれ
ば、接合部の拡散層の厚みが5μm以下のクラッドブス
バーを製造できる。また、本発明のクラッドバーの製造
方法によれば、生産効率を高めることができる。また、
本発明のクラッドバーによれば、拡散層の厚みが5μm
以下であることから、接触抵抗は低く、せん断強度は大
きい。そのため、本発明のクラッドバーを例えば電極棒
として用いれば優れた特性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係わるクラッドブスバーの製造
工程を説明するための図で ある。
【図2】図2は図1に示すクラッドブスバーの製造工程
において、チタンパイプの内側に銅丸棒を挿入したとき
の様子を示す図である。
【図3】図3は図1に示すクラッドブスバーの製造工程
における引き抜き加工工程を説明するための図である。
【図4】図4は図1に示すクラッドブスバーの製造工程
における傾斜圧延工程を説明するための図である。
【図5】図5(A)は図4に示す傾斜圧延装置の上面
図、図5(B)は図4に示す傾斜圧延装置の側面図、図
5(C)は図4に示す傾斜圧延装置の正面図である。
【図6】図6(A)はクラッドブスバーの接合部に生じ
る拡散層厚さとせん断強度との関係を示すグラフであ
り、図6(B)はクラッドブスバーの接合部に生じる拡
散層厚さと接触抵抗との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2・・・チタンパイプ 3・・・銅丸棒 4.22a・・・プリフォーム 11、19・・・パスライン 12a,12b,12c,25a,25b,25c・・
・ロール 13・・・クラッドブスバー 29・・・素材クリッパ 30・・・製品引張部 α・・・交差角 β・・・送り角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 敏郎 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆管と、 前記被覆管の中空部に挿入されたコア材と、 前記被覆管と前記コア材との接合面に5 μm 以下の厚さ
    の拡散層とを有するクラッドバー。
  2. 【請求項2】外径(D0)に対する肉厚(t) の比(t/D0)が0.
    02以上の被覆管の内面とコア材の外面の酸化膜を脱スケ
    ールする脱スケール工程と、前記被覆管内に前記コア材
    を挿入してプリフォームを形成する挿入工程と、前記プ
    リフォームを減面率10% 以上で引き抜き加工する引き抜
    き加工工程と、 前記引き抜き加工されたプリフォームを650 〜850 ℃で
    加熱する加熱工程と、 前記加熱工程を終えたプリフォームに減面率15% 以上
    で、引張装置により前方より張力を加えつつ傾斜圧延を
    施す傾斜圧延工程とによって製造された請求項1に記載
    のクラッドバー。
  3. 【請求項3】外径(D0)に対する肉厚(t) の比(t/D0)が0.
    02以上の被覆管の内面とコア材の外面の酸化膜を脱スケ
    ールする脱スケール工程と、 前記被覆管内に前記コア材を挿入してプリフォームを形
    成する挿入工程と、前記プリフォームを減面率10% 以上
    で引き抜き加工する引き抜き加工工程と、前記引き抜き
    加工されたプリフォームを650 〜850 ℃で加熱する加熱
    工程と、前記加熱工程を終えたプリフォームに減面率15
    % 以上で、引張装置により前方より張力を加えつつ傾斜
    圧延を施す傾斜圧延工程とを有するクラッドバーの製造
    方法。
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