JPH0857506A - マンドレルミル - Google Patents

マンドレルミル

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JPH0857506A
JPH0857506A JP19812394A JP19812394A JPH0857506A JP H0857506 A JPH0857506 A JP H0857506A JP 19812394 A JP19812394 A JP 19812394A JP 19812394 A JP19812394 A JP 19812394A JP H0857506 A JPH0857506 A JP H0857506A
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JP
Japan
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roll
hole
roll stand
wall thickness
type
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JP19812394A
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English (en)
Inventor
Masayuki Yamada
将之 山田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マンドレルミルによる素管の縮径、減肉圧延に
際し、偶数スタンドの孔型ロールのフランジ側部分に発
生する「穴明き欠陥」を防止する。 【構成】奇数番目のロールスタンドのロール孔型形状
を、ロール孔型の溝底部分の曲率半径R1 の中心RO と
パスセンターPとの離間距離Sと、前記曲率半径R1 と
の比が 0.1以下を満たす形状または/および偶数番目の
ロールスタンドのロール孔型形状を、その孔型周長が直
前段の奇数番目のロールスタンドのロール孔型周長の0.
97倍以下を満たす形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無管の製造行程に
おいて、マンドレルバーを挿入した素管を連続的に縮
径、減肉圧延するマンドレルミルに関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の連続圧延機として、上下一対
の孔型ロールを有するロールスタンドを、隣接するロー
ルスタンドの孔型ロールのロール軸心が交互に90°位相
するように5〜8基タンデムに配置して構成されたロー
ルスタンド群のロール孔型配列内に、マンドレルバーを
挿入した素管を連続的に通して減肉、縮径圧延するマン
ドレルミルがある。
【0003】マンドレルミルで素管を圧延する場合、そ
の圧延中に素管の肉厚方向に貫通した「穴明き欠陥」と
呼ばれる疵が発生することがあり、この「穴明き欠陥」
は、高合金鋼やステンレス鋼等の熱間加工性の劣る鋼種
で、例えば、肉厚が10mm以下の薄肉管を圧延する場合に
多く発生する。
【0004】「穴明き欠陥」が発生するメカニズムとし
ては、いろいろあり、例えば次のように説明されてい
る。
【0005】図6は、マンドレルミルの肉厚圧下を加え
るロールスタンドにおける圧延中の素管の変形状態を示
す模式図で、素管1は楕円形状の孔型を有する孔型ロー
ル2A、2Bとマンドレルバー3によって拘束される孔
型ロールの孔型溝底部分(以下、単に溝底部分という)
である領域Iで減肉、縮径されて管軸長方向へ延伸し、
これに伴って孔型ロール2A、2Bとマンドレルバー3
によって拘束を受けない孔型ロールの孔型フランジ部分
(以下、単にフランジ部分という)である領域IIにも管
軸長方向への張力が作用し、フランジ部分に対応する部
分の素管1部分も減肉延伸される。
【0006】この時、各ロールスタンドにおけるフラン
ジ部分に対応する部分の素管1に作用する張力の応力状
態が単軸引張に近い状態であるため、素管1の変形能が
小さい場合には、前記張力によってフランジ部分と対応
する部分の素管1部分に肉厚方向へ貫通する「穴明き欠
陥」が発生するというのである。
【0007】この「穴明き欠陥」を防止する方法とし
て、特開昭63−154205号公報には、圧延に先立って高温
引張試験によって被圧延管材と同一材質の試験片の直径
減少率が40%以上となる温度域を求めておき、この温度
域で圧延する方法が提案されている。
【0008】また、特開平 5−50115 号公報には、上記
メカニズムとは異なり、圧下率が最大となる各ロールス
タンドの溝底部分の溝底中央部に対応する素管部分に
「穴明き欠陥」が発生するとしたうえで、第1ロールス
タンドの孔型ロールの孔型を、その溝底部分の溝底曲率
半径がロール溝底間間隔の0.54倍以下にした孔型ロー
ル、または/および第2ロールスタンドの孔型ロールの
孔型を、その溝底部分の溝底曲率半径がロール溝底間間
隔の0.52倍以下にした孔型ロールを用いる方法も提案さ
れている。
【0009】マンドレルミルでの管圧延に際しての加工
度(断面減少率)は、その仕上げ肉厚によって異なる。
すなわち、マンドレルミル圧延では、外径Di ×肉厚T
i の素管から外径Do ×肉厚To の管に仕上げるに当た
り、外径Dm が(Do −2×To )のマンドレルバーを
用い、肉厚圧下量(Ti −To )を一定値に定めて圧延
することで、同一外径素管Di から異なる肉厚To1、T
o2、・・・を有する同一外径Do の管に圧延する、いわ
ゆる同一外径段取り圧延法を採用するのが一般的であ
り、この場合、素管は仕上げ肉厚To1、To2、・・・に
応じて前記の肉厚圧下量が一定値になる肉厚Ti1、Ti
2、・・のものを、またマンドレルバーはその外径Dm
が(Do −2×To1)、(Do −2×To2)・・・のも
のを用いる。
【0010】したがって、仕上げ肉厚が薄い管を圧延す
る場合には前記加工度が高くなり、逆に仕上げ肉厚が厚
い管を圧延する場合には前記加工度が低くなるので、管
の仕上げ肉厚To によって加工度が異なることになる。
【0011】また、マンドレルミルでの管圧延時に発生
する「穴明き欠陥」を防止するのに必要とされる被加工
材の変形能は、前記加工度の大小によって異なり、加工
度が大きくなるほど高い変形能を有すことが要求され
る。
【0012】さらに、前記同一外径段取り圧延法での最
大加工度は、通常、素管を製造する穿孔圧延機の薄肉穿
孔圧延限界、すなわち、穿孔圧延機で穿孔可能な同一外
径素管の最小肉厚とマンドレルミル圧延で仕上げるべき
最小肉厚との関係から定められるので、「穴明き欠陥」
の発生を防止する目的で前記の最大加工度を小さくする
ため、穿孔圧延機でより一層の薄肉素管に穿孔圧延する
ことが考えられる。
【0013】この対策は、一定値とされている肉厚圧下
量の変更に伴ってマンドレルミルの各ロールスタンドの
孔型ロールの回転数制御パターンの変更が必要となって
制御が煩雑になるのに加えて、穿孔圧延機に過大な負荷
が加わり故障停機を招くだけでなく、穿孔プラグの極端
な寿命低下および焼付き疵等の欠陥多発を招くので採用
し難い。
【0014】また、穿孔圧延機のロール駆動モータのパ
ワーの増強も考えられるが、多大な費用が必要となって
不経済である。
【0015】前記特開昭63−154205号公報に示される方
法では、仕上げ肉厚によって変化する前記加工度の影響
を全く考慮していないため、高加工度圧延時において生
じる「穴明き欠陥」の発生を確実に防止できないという
問題がある。
【0016】また、特開平 5−50115 号公報に開示され
る方法では、本願発明者の実験研究結果によれば、孔型
ロールの溝底部分の中央部にネッキング現象が生じて
「穴明き欠陥」が発生する事実は認められなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、穿孔圧延機による薄肉素管の製
造提供が不要で、且つ高加工度圧延に際しても「穴明き
欠陥」の発生を確実に防止できる新規なマンドレルミル
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1)〜 (3)にある。
【0019】(1) 上下一対の孔型ロールを有する複数基
のロールスタンドと、このロールスタンド群の孔型ロー
ルで形成されるロール孔型配列内に配置されるマンドレ
ルバーによって管を連続圧延するマンドレルミルであっ
て、奇数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型を、
その溝底曲率半径R1 の中心Ro とパスセンターPとの
離間距離Sと、溝底曲率半径R1 との比(S/R1 )が
0.1以下の孔型にしたことを特徴とするマンドレルミ
ル。
【0020】(2) 上下一対の孔型ロールを有する複数基
のロールスタンドと、このロールスタンド群の孔型ロー
ルで形成されるロール孔型配列内に配置されるマンドレ
ルバーによって管を連続圧延するマンドレルミルであっ
て、偶数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型を、
その孔型周長Li と、直前段の奇数番目のロールスタン
ドの孔型ロールの孔型周長Li-1 との比(Li /Li-1
)が0.97以下の孔型にしたことを特徴とするマンドレ
ルミル。
【0021】(3) 上下一対の孔型ロールを有する複数基
のロールスタンドと、このロールスタンド群の孔型ロー
ルで形成されるロール孔型配列内に配置されるマンドレ
ルバーによって管を連続圧延するマンドレルミルであっ
て、奇数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型を、
その溝底曲率半径R1 の中心Ro とパスセンターPとの
離間距離Sと、溝底曲率半径R1 との比(S/R1 )が
0.1以下の孔型にすると共に、偶数番目のロールスタン
ドの孔型ロールの孔型を、その孔型周長Li と、直前段
の奇数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型周長L
i-1 との比(Li/Li-1 )が0.97以下の孔型にしたこ
とを特徴とするマンドレルミル。
【0022】本発明者は、マンドレルミルにおける「穴
明き欠陥」の発生原因を調査した結果、従来のメカニズ
ムとは異なる以下に述べるメカニズムを新たに知見し、
本発明を成した。
【0023】すなわち、マンドレルミル圧延における素
管の変形状態は、前後のロールスタンドの孔型ロールの
ロール回転軸心を交互に90°位相させてタンデム配列し
てあるため、奇数ロールスタンドと偶数ロールスタンド
で異なり、「穴明き欠陥」は偶数ロールスタンドでの圧
延時に発生し、奇数ロールスタンドでの圧延時には発生
しないという事実である。
【0024】以下、そのメカニズムを説明する。
【0025】奇数ロールスタンドでは、その孔型ロール
の溝底部分とフランジ部分とに対応する素管の入側肉厚
がほぼ同じ、すなわち周方向肉厚がほぼ均一であるの
で、孔型ロールの溝底部分に対応する部分の素管肉厚だ
けが主として減肉される。このため、素管の出側肉厚
は、孔型ロールの溝底部分に対応する部分が薄肉で、フ
ランジ部分に対応する部分が厚肉となるように圧延され
る。
【0026】他方、偶数ロールスタンドでは、前述した
ように、奇数ロールスタンドに対してその回転軸心を90
°位相させて孔型ロールが配置されているから、素管の
入側肉厚が孔型ロールの溝底部分に対応する部分で厚
く、フランジ部分に対応する部分で薄いので、孔型ロー
ルの溝底部分に対応する部分の素管肉厚だけが主として
減肉される。このため、素管の出側肉厚は、孔型ロール
の溝底部分とフランジ部分に対応する部分とでほぼ同じ
肉厚になるように圧延される。
【0027】ここで、孔型ロールのフランジ部分と対応
する素管部分に作用する張力について注目すると、奇数
ロールスタンドでは、その孔型ロールの溝底部分に対応
する素管部分だけが主として延伸されるのに伴ってフラ
ンジ部分に対応する素管部分にも張力が作用するが、フ
ランジ部分に対応する入側素管肉厚が溝底部分に対応す
る肉厚より厚肉であるため、大きな引張り応力にはなら
ない。他方、偶数ロールスタンドでは、その孔型ロール
のフランジ部分に対応する入側素管肉厚が溝底部分に対
応する肉厚より薄肉であるため、フランジ部分に対応す
る素管部分に加わる引張り応力が過大になって大きな減
肉を生じ、この減肉が極端な場合、ネッキング現象が生
じる。
【0028】このため、ネッキング現象に起因する「穴
明き欠陥」の発生は、奇数ロールスタンドでは発生する
ことがなく、偶数ロールスタンドの孔型ロールのフラン
ジ部分に対応する部分に発生する。
【0029】本発明者は、種々の実験研究の結果、偶数
ロールスタンドの孔型ロールのフランジ部分に対応した
素管部分に生じる前記ネッキング現象に起因して発生す
る「穴明き欠陥」を防止するために、次の2つの手段を
採るのが有効であることを知見した。
【0030】すなわち、第1の方法は、偶数ロールスタ
ンドのロール孔型のフランジ部分に対応する素管部分に
従来と同じ張力が作用しても該部の素管肉厚が減肉し難
いようにすることであり、第2の方法は、偶数ロールス
タンドのロール孔型のフランジ部分に対応する素管部分
に作用する管軸長方向への張力を小さくすることであ
る。
【0031】
【作用】以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細
に説明する。
【0032】まず、第1の方法、すなわち偶数ロールス
タンドのロール孔型のフランジ部分に対応する素管部分
に従来と同じ張力が作用しても該部の素管肉厚が減肉し
難いようにする方法について説明する。
【0033】図5は、従来のマンドレルミルによって周
方向肉厚が均一な素管を奇数ロールスタンドである第1
ロールスタンドで圧延した後、偶数ロールスタンドであ
る第2スタンドで圧延した時、偶数ロールスタンドのロ
ール孔型のフランジ部分と対応する素管部分に「穴明き
欠陥」が発生した場合における素管周方向の入側肉厚分
布と出側肉厚分布の一例をその1/2周について、縦軸
に肉厚を、横軸に孔型ロールの孔型周方向位置を採って
示した図であり、図中、横軸の 0°の位置が孔型ロール
の溝底中央、60°〜−60°の範囲が溝底部分(図6の領
域Iに相当)、60°〜90°および−60°〜−90°の範囲
がフランジ部分(図6の領域IIに相当)にそれぞれ対応
する部分である。
【0034】図5から明らかなように、従来のマンドレ
ルミルの偶数ロールスタンドでは、その孔型ロールの溝
底部分に対応する部分(以下、単に領域Iという)の素
管肉厚が大きく減肉し、これに伴ってフランジ部分に対
応する部分(以下、単に領域IIという)の素管肉厚も減
肉している。そして、領域IIに対応する部分の素管肉厚
の減肉率に注目すると、その周方向位置の減肉率は、90
°および−90°で最大で、この位置から外れるにしたが
って小さくなり、60°および−60°の位置で最小となっ
ており、素管の減肉が素管の入側肉厚の最も薄い領域II
中の反領域I側端部分に集中的に生じる結果、この部分
にネッキング現象が生じて「穴明き欠陥」が発生してい
ることがわかった。
【0035】この現象の起こる理由を解明するため、本
発明者は次の実験を行った。
【0036】すなわち、偶数ロールスタンドの孔型ロー
ルの領域IIに対応する部分での減肉率におよぼす素管の
入側肉厚分布の影響を調査した。その結果を図2および
図3に示す。
【0037】図2および図3は、偶数ロールスタンドで
ある第2ロールスタンドでの圧延前後の素管周方向の肉
厚分布をその1/4周について、前記図5と同様に、縦
軸に肉厚を、横軸に孔型周方向位置を採って示した図で
あって、図2は素管の入側肉厚が孔型ロールの領域Iの
溝底中央から領域IIの反領域I端側にむかって薄肉にな
る不均一肉厚分布の場合であって、前記図5の部分拡大
図に相当し、図3は素管の入側肉厚が孔型ロールの領域
Iの溝底中央から領域IIの反領域I端側にむかってほぼ
等しい均一分布の場合をそれぞれ示す図である。
【0038】この図2および図3からわかるように、孔
型ロールの領域IIに対応する部分の素管入側肉厚が周方
向にほぼ均一分布である場合には、素管の減肉率が素管
入側肉厚が不均一である場合に比べて周方向にほぼ均一
になると共に、領域IIの反領域I側端に対応するの90°
位置で小さくなっており、図2の場合には「穴明き欠
陥」が発生したが、図3の場合には「穴明き欠陥」の発
生は認められなかった。
【0039】この実験結果から、偶数ロールスタンドの
孔型ロールの領域IIに対応する部分の素管入側肉厚分布
を周方向にほぼ均一にすれば「穴明き欠陥」が発生する
のを防止できることになり、このためにはその直前段ス
タンドである奇数ロールスタンドの孔型ロールの溝底部
分において素管肉厚が周方向にほぼ均一に圧延されるよ
うに、奇数ロールスタンドの孔型ロールの孔型形状を決
定すればよいことがわかる。
【0040】図1は、奇数ロールスタンド、具体的には
第1ロールスタンドの孔型ロールの孔型の一例を示し、
上下対称であるため上半分についてだけ示した図であっ
て、図中、1は素管、2は孔型ロール、3はマンドレル
バー、R1 は溝底部分の曲率半径、R2 はフランジ部分
の曲率半径、R3 はフランジ逃げ部分の曲率半径、R4
はロールギャップ部の仮想素管外径の曲率半径、Ro は
R1 の曲率中心、Pはパスセンター、Mr はマンドレル
バー半径、θ1 はR1 での成形半角、θ2 はR2 での成
形角、θ3 はR3 での成形角、θ4 はR4 での成形角、
SはパスセンターPと前記中心Ro との離間距離であ
る。
【0041】図1に示すように、一般に、奇数ロールス
タンドの孔型ロールの孔型は、マンドレルバー3の中心
Mo をパスセンターPに一致させた状態で、溝底中央の
肉厚が所定値になるように、その曲率半径R1 の曲率中
心Ro をパスセンターPから離間距離Sだけ隔てた位置
に設定して溝底部分が成形されている。
【0042】したがって、離間距離Sを大きくすると、
溝底中央での肉厚を所定値にする必要から、曲率半径R
1 も大きくしなければならなくなるので、マンドレルバ
ー3の外面と孔型ロール2の孔型との間隔が溝底中央か
らフランジ端側に向かうにしたがって大きくなり、圧延
後の素管肉厚が周方向で不均一となるのであるが、離間
距離Sと曲率半径R1 との比(S/R1 )が 0.1以下の
曲率半径R1 の溝底部分を有する孔型に成形した場合
に、圧延後の素管肉厚を周方向でほぼ均一にできること
がわかった。
【0043】なお、従来の奇数ロールスタンドの孔型ロ
ールは、その孔型が前記(S/R1)値が0.1 超となる
曲率半径R1 の溝底部分を有するように成形されてい
た。
【0044】次に、第2の方法を説明する。
【0045】この第2の方法は、前述したように、偶数
ロールスタンドの孔型ロールのフランジ部分(領域II)
に対応する素管部分に作用する管軸長方向への張力を小
さくする方法である。
【0046】まず、偶数ロールスタンドでの圧延時に、
その孔型ロールの領域IIに対応する素管部分に作用する
管軸長方向への張力を小さくするには、例えば、当該偶
数ロールスタンドにおける肉厚圧下量を低減して加工度
を小さくするのが簡単であるが、加工度を小さくすると
全ロールスタンドでの合計加工度が所定の加工度に達し
なくなるか、あるいは偶数ロールスタンドの孔型ロール
の溝底部分(領域 I)に相当する部分での肉厚圧下量が
所定に値に達しなくなるため、肉厚の薄い素管の製造が
できない場合が生じるので、採用することができない。
また、孔型ロールの領域IIでは素管が孔型ロールおよび
マンドレルバーに接触していないので、肉厚方向への応
力分布を制御することもできない。
【0047】したがって、従来と同じ加工度で孔型ロー
ルの領域IIに対応する素管部分に作用する管軸長方向へ
の張力を小さくする方法を種々検討した結果、円周方向
に圧縮応力を付与することが有効であることを見いだし
た。
【0048】図4は、楕円の孔型を形成した孔型ロール
を有するの偶数ロールスタンド、具体的には第2ロール
スタンドで素管を圧延する時、従来と同じ加工度で周長
加工度を変化させた場合における孔型ロールの領域IIに
対応した素管部分の減肉挙動を示す図であり、横軸に下
記式で求められる周長加工度(%)を、縦軸に下記
式で求められる減肉率(%)を採って示してある。
【0049】 〔(圧延前周長−圧延後周長)/圧延前周長〕× 100 ・・・・・ 〔(圧延前肉厚−圧延後肉厚)/圧延前肉厚〕× 100 ・・・・・ 図4に明らかなように、周長加工度を大きくすればする
ほど、孔型ロールの領域IIに対応する素管部分の減肉率
が小さくなることがわかる。これは、周長加工度が大き
くなるにしたがって孔型ロールの領域IIにおいても管円
周方向の周長加工が加わって管軸長方向への伸びが発生
するためで、この結果、領域IIの張力が小さくなるので
ある。
【0050】そして、周長加工度を3%以上、すなわち
前記の(Li /Li-1 )値が0.97以下の孔型ロールとし
た場合に、偶数ロールスタンドでの圧延時、その孔型ロ
ールの領域IIに対応する素管部分に生じるネッキング現
象を解消できて「穴明き欠陥」が発生しなくなることが
わかった。
【0051】なお、従来の偶数ロールスタンドの孔型ロ
ールの孔型は、前記の(Li /Li-1 )値が0.97超の孔
型周長を有するものであった。
【0052】偶数ロールスタンドの孔型ロールの孔型
を、前記(Li /Li-1 )値が0.97以下の孔型になるよ
うにするための具体的手段としては、孔型ロールの溝底
中央におけるマンドレルバー外面との間隔、すなわち圧
延後の素管肉厚を所定値に維持した状態で、各部の曲率
半径等を変化させることにより、当該偶数ロールスタン
ドの孔型ロールの孔型形状を変更するか、または/およ
び当該偶数ロールスタンドの直前段の奇数ロールスタン
ドの孔型ロールの孔型形状を変更することで、容易に実
施することができる。
【0053】また、各孔型ロールの孔型周長Li は、前
記の図1に示す孔型諸元R1 、R2、R4 、θ1 、θ2
およびθ4 を用いて下記式で求めることができる。
【0054】 Li = 4(R1 ・θ1 +R2 ・θ2 +R4 ・θ4 )・・・・・・・・ 上記に詳述したように、本発明によれば、マンドレルミ
ルにおける孔型ロールの孔型において、奇数ロールスタ
ンドの孔型ロールの孔型を、溝底曲率半径R1がその曲
率中心Ro とパスセンターPとの離間距離Sの 0.1以下
の溝底部分を有する孔型にしたから、次段の偶数ロール
スタンドの孔型ロールのフランジ部分で圧延される素管
の円周方向の入側肉厚分布がほぼ均一になるので、過大
な局部減肉現象が生じなくなって「穴明き欠陥」の発生
が防止できる。また、偶数ロールスタンドの孔型ロール
の孔型周長を、直前段の奇数ロールスタンドの孔型ロー
ルの孔型周長の0.97倍以下の孔型にしたから、偶数ロー
ルスタンドでの圧延時に素管に対して円周方向の圧縮歪
みを付与することができ、その孔型ロールのフランジ部
分での素管減肉が過大にならないので、このフランジ部
分に対応する素管部分で生じる「穴明き欠陥」の発生を
防止できる。
【0055】なお、本発明は、上記の第1の方法および
第2の方法をそれぞれ単独で実施するか、あるいは複合
して実施する場合にあっても同様の効果が得られる。ま
た、第1および第2の方法はミルを構成するロールスタ
ンド中、真円化圧延および管とマンドレルバーとの密接
状態を緩める最終2〜3スタンドを除いて、実質的に肉
厚圧下を加える全スタンドに適用できることはいうまで
もない。
【0056】以下、実施例によって、本発明の効果を説
明する。
【0057】
【実施例】本発明の効果を確認するため、7スタンドの
実機マンドレルミルを用いて以下に示す圧延試験を行っ
た。なお、後段3スタンドは実質的に肉厚圧下を加えな
いスタンドで「穴明き欠陥」は発生しないため、第1ス
タンド〜第4スタンドに、本発明の方法を適用した。
【0058】従来の孔型ロールの寸法諸元および圧延条
件を表1に示し、表2に本発明の試験条件を、その結果
と共に示す。
【0059】なお、本発明の方法については、請求項1
の第1発明の効果を確認するため、第1スタンドと第3
スタンドのいずれか一方または両方の孔型ロールの溝底
部分の溝底曲率半径R1 を、その曲率中心Ro とパスセ
ンターPの離間距離Sとの比が0.05および0.1 となるよ
うに変更した本発明例(試験番号:2 〜6 )と、いずれ
のスタンドも変更しない従来例(試験番号:1 )とで圧
延を行った。
【0060】また、請求項2の第2発明の効果を確認す
るため、当該偶数スタンドまたはその直前段スタンドの
孔型周長を変更して、第2スタンドと第4スタンドのい
ずれか一方または両方の直前段奇数スタンドの孔型ロー
ルに対する孔型周長比が0.97となるようにした本発明例
(試験番号: 8、10、12、14、15)と、前記周長比が0.
99となるように変更した比較例(試験番号:7 、9 、1
1、13)とで圧延を行った。
【0061】さらに、請求項3の第3発明の効果を確認
するため、第1、3スタンドの孔型をS/R1 値がいず
れも0.10になるように変更すると共に、第2、4スタン
ドの各直前スタンドに対する孔型周長比がいずれも0.97
になるように変更した本発明例(試験番号:16)で圧延
を行った。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の方法による場合には、その適用偶数ロールスタンド
では、「穴明き欠陥」の発生は認められない。これに対
し、従来例および比較例の本発明の条件を外れる条件の
偶数ロールスタンドでは「穴明き欠陥」が発生してい
る。
【0065】なお、結果の記載は省略するが、他の材質
および寸法について、同様の圧延試験を行ったところ、
同様の結果が得られた。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、奇数ロールスタンドま
たは/および偶数ロールスタンドの孔型ロールの孔型形
状を変更することにより、偶数ロールスタンドの孔型ロ
ールのフランジ部分で発生する「穴明き欠陥」を確実に
防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偶数ロールスタンドの孔型ロールを示
す図である。
【図2】孔型ロールのフランジ部分に対応する周方肉厚
がほぼ均一な素管の第2ロールスタンドにおける入側肉
厚分布と出側肉厚分布の一例を示す図である。
【図3】孔型ロールのフランジ部分に対応する周方肉厚
が不均一な素管の第2ロールスタンドにおける入側肉厚
分布と出側肉厚分布の一例を示す図である。
【図4】第2ロールスタンドにおける周長加工度と孔型
ロールのフランジ部分に対応する素管の減肉率との関係
を示す図である。
【図5】従来の第2ロールスタンドにおける素管周方向
の入側肉厚分布と出側肉厚分布の一例を示す図である。
【図6】マンドレルミルでの圧延状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 素管 2 孔型ロール 3 マンドレルバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下一対の孔型ロールを有する複数基のロ
    ールスタンドと、このロールスタンド群の孔型ロールで
    形成されるロール孔型配列内に配置されるマンドレルバ
    ーとによって管を連続圧延するマンドレルミルであっ
    て、奇数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型を、
    その溝底曲率半径R1 の曲率中心Ro とパスセンターP
    との離間距離Sと、溝底曲率半径R1 との比(S/R1
    )が 0.1以下の孔型にしたことを特徴とするマンドレ
    ルミル。
  2. 【請求項2】上下一対の孔型ロールを有する複数基のロ
    ールスタンドと、このロールスタンド群の孔型ロールで
    形成されるロール孔型配列内に配置されるマンドレルバ
    ーとによって管を連続圧延するマンドレルミルであっ
    て、偶数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型を、
    その孔型周長Li と、直前段の奇数番目のロールスタン
    ドの孔型ロールの孔型周長Li-1 との比(Li /Li-1
    )が0.97以下の孔型にしたことを特徴とするマンドレ
    ルミル。
  3. 【請求項3】上下一対の孔型ロールを有する複数基のロ
    ールスタンドと、このロールスタンド群の孔型ロールで
    形成されるロール孔型配列内に配置されるマンドレルバ
    ーとによって管を連続圧延するマンドレルミルであっ
    て、奇数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型を、
    その溝底曲率半径R1 の中心Ro とパスセンターPとの
    離間距離Sと、溝底曲率半径R1 との(比S/R1 )が
    0.1以下の孔型にすると共に、偶数番目のロールスタン
    ドの孔型ロールの孔型を、その孔型周長Li と、直前段
    の奇数番目のロールスタンドの孔型ロールの孔型周長L
    i-1 との比(Li/Li-1 )が0.97以下の孔型にしたこ
    とを特徴とするマンドレルミル。
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